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脳挫傷の後遺症が治るのか、不安な方はいませんか。 脳挫傷とは、頭部へ強い衝撃が加わることで、脳が損傷し出血や腫れを引き起こした状態です。 損傷部位や衝撃を受けた範囲によって、症状の程度や回復具合は異なります。 本記事では、脳挫傷の後遺症や後遺症の回復に影響する要因について、詳しく解説します。 後遺症について不安がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 脳挫傷の後遺症は治るのか|回復の可能性について 脳挫傷では、脳組織の破壊がみられない、損傷の程度が軽度であれば、症状は徐々に回復する可能性があります。 しかし、損傷が重度の場合や適切な治療が遅れた場合は、後遺症が残ることもあります。 脳は人体の他の部位に比べて再生能力が乏しいため、損傷度合いが大きい場合は完全再生が難しいことが理由です。 また、回復の程度は脳の損傷部位・範囲・深さや、リハビリテーションなどによって大きく異なります。 脳挫傷になった際の年齢や合併症の有無などの要因も、後遺症の出現に大きく関係するため、患者様自身に合った治療を受けることが重要です。 脳挫傷の原因・症状を解説 脳挫傷の原因は、交通事故や転倒などで、頭部に強い衝撃が加わることです。 脳の損傷部位や程度によって、以下の症状が現れます。 頭痛 嘔気・嘔吐 意識障害 麻痺 感覚障害 言語障害 脳挫傷は、受傷後1~2日経過してから症状が現れることもあるため、事故直後は無症状だった場合も経過に注意が必要です。 頭部を強打した場合は、たとえ無症状でも必ず医療機関を受診し、医師の指示に従って経過観察を行ってください。 脳挫傷の後遺症 脳挫傷になると、以下の後遺症が現れる場合があります。 軽度の脳挫傷であれば、適切な治療と経過観察により、数日で症状が改善する場合もあります。 しかし、重症の場合は生命に関わる状態になったり、重い後遺症が残ったりする可能性があります。 重い後遺症は日常生活に支障をきたす可能性が高いため、症状に気づいた時点で早急に医療機関を受診しましょう。 高次脳機能障害 脳挫傷の後遺症の1つに、高次脳機能障害があります。高次脳機能障害とは、「脳損傷に起因する認知障害※」のことであり、主に以下の4つの機能が障害されます。 ※引用:高次脳機能障害情報・支援センター 記憶障害 注意障害 遂行機能障害 社会的行動障害 記憶力や注意力が低下したり、物事を上手く実行できなかったりする症状のため、周囲から見ても症状がわかりにくいのが特徴です。 運動機能障害 脳挫傷になると、身体の麻痺やしびれをはじめとした、以下の症状が現れる運動機能障害を引き起こす場合があります。 手足のしびれ 身体の麻痺 筋力低下 歩行障害 運動機能障害は継続的なリハビリテーションで、徐々に症状が回復していく可能性があります。 感覚障害 脳挫傷の後遺症に、以下の6種類の感覚障害がみられる場合があります。 感覚障害の種類 症状 感覚過敏 外部からの刺激が過剰に感じ、不快感を伴う 異常感覚 電気が走っているような感覚がみられる 錯感覚 触られると痛みやぴりぴり感を感じる 神経痛 神経の刺激により引き起こされる痛みを感じる 感覚鈍麻 五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)が鈍くなる 感覚脱失 五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を感じなくなる しびれや痛みなどの症状は、感覚障害から引き起こされる場合と運動障害に起因しているケースがあります。 感覚障害と運動障害を併発している場合もあるため、医療機関を受診して原因を調べることが必要です。 遷延性意識障害 遷延性意識障害(植物状態)は、重篤な脳挫傷の後遺症の1つです。 日本脳神経外科学会は、以下の6項目が3カ月以上続いた状態を「遷延性意識障害」と定義しています。 自力移動が不可能である 自力摂食が不可能である 屎尿失禁状態にある 声を出しても意味のある発語が不可能である 簡単な命令(眼を開く、手を握るなど)にはかろうじて応じることもあるが、それ以上の意思疎通は不可能である 眼球はかろうじて物を追っても認識は出来ない 遷延性意識障害は、適切な治療を受けても症状の改善がみられない状態を指します。 外傷性てんかん 脳挫傷の後遺症に、外傷性てんかんがあります。 外傷性てんかんとは、脳から発せられる身体を動かす指令が正常時とは異なってしまう疾患で、以下の症状が現れます。 けいれんが起こる 意識を消失する 記憶が飛ぶ てんかん発作は、多くの場合は繰り返し症状が現れます。早期に適切な治療を開始し、てんかんの発生頻度を低下させまることで症状をコントロールすることが重要です。 平衡機能障害 脳挫傷では、平衡機能障害が後遺症として現れる場合があります。平衡機能障害は身体のバランスが取りづらくなる状態で、以下の症状がみられます。 めまいやふらつき 歩行困難 立位の不安定性 めまいやふらつきの症状が重くなると、転倒リスクが高まるため注意が必要です。 平衡機能障害が後遺症で出た場合は、医師の指示のもとリハビリテーションやバランス運動を行い、平衡感覚の改善を目指しましょう。 頭痛 脳挫傷になると、慢性的な頭痛が現れる場合があります。 頭痛がひどい場合には、光や音に敏感になったり、吐き気を催したりするケースもあります。 受傷直後より痛みが激しくなった場合は、脳挫傷の悪化も考えられるため、早急に医療機関を受診してください。 脳挫傷の後遺症の回復に影響する要因 脳挫傷の後遺症の回復には、以下の要因が影響します。 損傷した部位や範囲 損傷の深さ 受傷時の年齢 既往歴 合併症の有無 脳挫傷は損傷部位によって現れる症状が異なり、後遺症の回復にも個人差があります。 後遺症の回復には早期治療がカギとなるため、少しでも身体に異変を感じたら、医療機関を受診し治療を受けましょう。 脳挫傷の後遺症の治療・リハビリテーション 脳挫傷の後遺症の治療やリハビリテーションは、受傷してからの日数によって異なります。 急性期から治療やリハビリテーションを開始すると、後遺症が回復する可能性が高まります。 時期や症状に合った治療を受け、後遺症の回復を目指しましょう。 急性期のリハビリテーション 脳挫傷の急性期は、全身状態が不安定で生命の危険性もあるため、感覚刺激やポジショニング(正しい姿勢の保持)を主としたリハビリテーションを行います。 急性期は昏睡状態や意識障害が生じている場合が多く、集中治療室で全身状態を厳重に管理されている場合がほとんどです。 肺炎・褥瘡・関節拘縮といった二次的な合併症の予防をしつつ、早期の機能回復を目指しリハビリテーションを実施します。 回復期のリハビリテーション 急性期を脱し全身状態の安定がみられる回復期は、以下の4機能に分けてリハビリテーションを進めていくことが大切です。 運動機能 日常生活動作 認知機能 行動異常 脳挫傷をはじめとした頭部外傷では、初期の意識障害が長期にわたるほど高次脳機能障害が重症化しやすく、後遺症の回復が難しくなる傾向があります。 維持期(生活期)のリハビリテーション 脳挫傷の維持期は生活期と呼ばれ、後遺症と上手く付き合うためのリハビリテーションを行います。 脳挫傷は後遺症の回復の程度に個人差が大きく、社会生活へ復帰するまでの期間も異なり、数ヶ月から数年、あるいはそれ以上かかる場合もあり様々です。 運動機能や認知機能へアプローチするリハビリテーションを継続しながら、日常生活動作の再獲得を目指しましょう。 脳挫傷の後遺症と上手く付き合うための生活の工夫 脳挫傷の方は、以下を参考に生活を工夫し、後遺症と上手く付き合うことが大切です。 環境を整備する リハビリで自身に合った身体の動かし方を知る 家族や友人、職場へ症状を伝えておく 気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診する 受傷直後に無症状であった脳挫傷でも、経時的に後遺症が現れる場合があります。 脳挫傷の症状がみられる場合は、家族や友人など周囲の人に症状の程度を伝えておき、必要時にサポートを受けることも大切です。 高次脳機能障害や認知機能の低下により、新たな症状に気づかないケースもあるため、少しでも気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。 【まとめ】脳挫傷の後遺症は回復する可能性がある!早期リハビリテーションの実施が重要 脳挫傷は組織が損傷していなければ、後遺症の回復が期待できます。 後遺症の回復には、早期治療や継続的なリハビリテーションの実施が重要なため、症状がみられたら早急に医療機関を受診しましょう。 ただし、発症してから一定期間が過ぎてしまった場合、リハビリテーション以外に後遺症に対して効果のある治療法がないのが現実です。 脳挫傷を含む脳卒中の症状の多くは、発症後数ヶ月はリハビリを行えば改善が見込めますが、慢性期を過ぎてしまった場合は効果が低くなっていきます。 そのようなケースに対して回復効果が期待できるのが再生治療です。 当院(リペアセルクリニック)では、損傷した部位の修復や再発予防が期待できる、再生医療による治療を実施しています。 後遺症でお困りの方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2025.03.08 -
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症状が軽い脳梗塞に対して「症状が軽ければ治るのか?」という疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。 脳梗塞の症状が軽い、あるいは症状が無いものは「無症候性脳梗塞」と呼ばれます。 本記事では、無症候性脳梗塞の危険性や見逃せない前兆、そして予防法と治療選択肢についてご紹介します。 軽い脳梗塞について疑問や不安がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 無症候性脳梗塞とは?症状が軽い脳梗塞のリスク 脳梗塞の中には自覚症状がほとんどないタイプがあることをご存知でしょうか。 症状がない、あるいは軽い脳梗塞として「無症候性脳梗塞」と呼ばれる疾患があります。 無症候性脳梗塞の危険性 症状が軽いケースはラクナ脳梗塞が多い傾向にある 無症候性脳梗塞で後遺症を残さないためには早期発見が重要 本章では、無症候性脳梗塞について詳しく解説します。 無症候性脳梗塞の危険性 無症候性脳梗塞は、自覚症状がほとんどない、あるいは全くない脳梗塞の一種で、脳の血流が一時的に途絶えた状態です。 主にMRIやCTなどの画像検査で偶然発見されることが多く、脳ドックなどで初めてわかるケースが少なくありません。 しかし、自覚症状がないからといって安心はできません。無症候性脳梗塞を持つ人は持たない人に比べて脳卒中を発症するリスクが高くなります。 症状が軽いケースはラクナ脳梗塞が多い傾向にある 脳梗塞には主に、アテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓症・ラクナ梗塞の3種類に分類されます。 この中で、症状が軽いケースはラクナ脳梗であることが多いです。 ラクナ梗塞は、脳の細い血管(穿通枝)が詰まることで起こる脳梗塞で、脳の深部の白質部分に小さな病変ができるのが特徴です。 症状が軽い傾向にあるラクナ梗塞ですが、繰り返し発症すると次第に認知機能障害や歩行障害、排尿障害などを引き起こす可能性があります。 これは小さな梗塞が積み重なることで、脳の機能に徐々に影響を及ぼすためです。 無症候性脳梗塞で後遺症を残さないためには早期発見が重要 無症候性脳梗塞自体は発見された時点では後遺症がないことが多いのですが、放置すると新たな脳梗塞につながる可能性があります。 脳梗塞を繰り返すことで徐々に脳の機能に影響を及ぼし、最終的には認知機能の低下や運動障害などの後遺症につながることもあります。 後遺症を残さないためには早期発見と適切な治療が非常に重要です。 早期発見ができれば、生活習慣の改善などを行い、新たな脳梗塞の発症リスクを大幅に下げることができます。 軽い脳梗塞の前兆・初期症状と危険因子について 軽い脳梗塞や無症候性脳梗塞は自覚症状がほとんどないため発見が難しいものですが、重度の脳梗塞へと進行する前に何らかの前兆が現れることがあります。 これらの前兆や初期症状を見逃さないことが、深刻な事態を防ぐ鍵となります。 脳梗塞の前兆「一過性脳虚血発作(TIA)」 脳梗塞の初期症状を見逃さないための「FASTチェック」 脳梗塞の原因と危険因子 脳梗塞を少しでも早く発見できるよう、前兆や初期症状への理解を深めましょう。 脳梗塞の前兆「一過性脳虚血発作(TIA)」 一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attack)は、脳梗塞と同じ症状が一時的に起こり、通常は数分から数時間以内、多くは24時間以内に自然消失する状態を指します。 すぐに症状が消失したからといって、決して軽視してはいけません。 一過性脳虚血発作を経験した人の約3割※が、後に本格的な脳梗塞を発症します。 ※出典:先進医療.net「脳卒中の前触れ発作『一過性脳虚血発作(TIA)』とは」先進医療.net, 2018年1月5日 一時的な症状であっても、次の発作は軽いとは限らず、重度の脳梗塞になる可能性があります。 脳梗塞の初期症状を見逃さないための「FASTチェック」 脳梗塞が疑われる場合、迅速な行動が必要です。 脳梗塞を含む脳卒中の主な症状を簡単に確認できる方法「FASTチェック」を紹介します。 F(Face):顔の片側が下がる、または笑うと片側だけ動かない A(Arm):片方の腕が上がらない、または力が入らない S(Speech):言葉がはっきり話せない、ろれつが回らない T(Time):上記のFASの症状が見られたら発症時刻を確認し、すぐに救急車を呼ぶ 「FAS」の部分でひとつでも当てはまる症状があれば、脳卒中の可能性が高いと言われています。 脳卒中は症状が出てからの時間経過が治療効果を大きく左右するため、T(Time)が特に重要です。 「様子を見よう」と判断せず、すぐに119番通報し、救急車を呼ぶ行動が命を守ることにつながります。 脳梗塞の原因と危険因子 脳梗塞の主な原因は、動脈硬化や心臓の問題です。 動脈硬化には、頸動脈などの太い血管に起こるタイプ(アテローム硬化)と、脳内の細い血管に起こるタイプ(細動脈硬化)があります。 また、心房細動などの不整脈も、脳梗塞の重要な原因のひとつです。 脳梗塞の危険因子としては、以下のものが挙げられます。 高血圧:最大の危険因子で、長期間の高血圧は血管の壁を痛め、動脈硬化を促進する 糖尿病:血管を傷つけ、動脈硬化を進行させる 脂質異常症:悪玉コレステロールが多いと、血管の壁に脂肪が蓄積する 肥満:内臓脂肪からは血栓ができやすくする物質が出る 喫煙:血管を収縮させ、血液の粘性を高める 過度の飲酒:血圧上昇や不整脈の原因になる 運動不足:心臓や血管の機能を低下させる ストレス:血圧上昇や生活習慣の乱れにつながる これらの危険因子を持つ人は、無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞のリスクも高いため、適切な生活習慣の改善と医学的管理が重要です。 特に複数の因子を併せ持つ場合は、より注意が必要となります。 軽い脳梗塞の予防方法 無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞は、将来的な脳血管疾患のリスクを高める重要なサインです。 そこで未然に防ぐ予防法と、すでに軽い脳梗塞を経験している場合の再発防止策について紹介します。 生活習慣の見直しで脳梗塞を防ぐ 抗血小板薬で血液をサラサラにする 脳梗塞に対する再生医療について 本章では、日常生活での予防法から薬物療法、そして最新の再生医療までを解説します。 生活習慣の見直しで脳梗塞を防ぐ 無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞の予防には、日常的な生活習慣の改善が効果的です。 以下のポイントに注意しながら、健康的な生活習慣を心がけましょう。 血圧管理: 目標値は140/90mmHg未満、家庭血圧135/85mmHg未満を目指す 食生活改善: 塩分摂取を1日6g未満に抑え、野菜、海藻類、食物繊維を積極的に摂取する 適度な運動: 1日30分程度のウォーキングなど有酸素運動を週3回以上 禁煙: タバコは血管を収縮させ、血液の粘性を高める 適量の飲酒: 純アルコール約20g程度(ビール500mlまたは日本酒1合)を上限とし、週に2日は休肝日を設ける 水分補給: 脱水を防ぐためこまめに水分を摂取する 定期的な健康診断: 年に一度は検査を受け、リスク因子を早期発見する これらの生活習慣の改善は、すぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで確実に脳梗塞のリスクを下げることができます。 特に複数の危険因子を持つ方は、総合的な生活改善が重要です。 抗血小板薬で血液をサラサラにする 無症候性脳梗塞が見つかった場合、医師の判断により抗血小板薬の服用を勧められることがあります。 抗血小板薬は、血小板の働きを抑制し、血栓形成を予防することで脳梗塞の発症や再発リスクを低減します。 しかし、血液をサラサラにする抗血小板薬の使用には、出血リスクの増加という副作用(デメリット)もあります。 服用中は歯科治療や手術の際に事前申告が必要で、定期的な検査による効果と副作用のバランス確認が重要です。 自己判断での服用や中止は絶対に避けてください。 脳梗塞の再発予防には再生医療をご検討ください 脳梗塞の再発に関しては、幹細胞を活用した再生医療など新たな治療方法もあります。 再生医療の分野では、損傷した神経組織の修復を目指す研究が進められており、自己由来や他家由来の幹細胞を用いた細胞治療などが開発されています。 脳梗塞の再発予防をお考えの方は、再生医療も選択肢の一つとしてご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して投与する治療を行っています。 ご自身の幹細胞を利用するため、従来の手法に比べて副作用などのリスクが低いのが特徴です。 再生医療について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 脳卒中は手術しなくても治療できる時代です。 脳梗塞の重症度を測る指標「NIHSS」 脳梗塞の重症度を客観的に評価する指標として、医療現場では「NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)」※が広く用いられています。 ※出典:岡山市立市民病院 脳疾患センター 「解りやすいNIHSSの評価」 これは国際的に標準化された神経学的評価法で、意識レベル、視野、顔面麻痺、運動機能、言語機能など11項目を数値化し、合計0〜42点で重症度を判定します。 一般的に、0〜4点は「軽症」、5〜15点は「中等症」、16〜20点は「中重症」、21点以上は「重症」と分類されます。 無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞はNIHSSスコアが低く(0〜4点程度)、日常生活に大きな支障がないレベルですが、それでも将来的なリスクがあることを忘れてはいけません。 医師による定期的な評価と適切な予防策が重要です。 【まとめ】症状が軽い無症候性脳梗塞は後遺症なしで治る可能性がある 無症候性脳梗塞は、自覚症状がほとんどないまま進行する脳梗塞で、MRIやCTなどの画像検査で偶然発見されることが多い疾患です。 発見時点では後遺症がなくても、放置すると繰り返し脳梗塞になる可能性があるため油断はできません。 予防・治療法としては、高血圧管理や生活習慣の改善、医師の判断による抗血小板薬の服用などがあります。 症状が軽い無症候性脳梗塞を早期発見できた場合は、適切な対策を講じて後遺症を予防しましょう。 しかし現在の医療において、慢性期を過ぎた脳卒中の後遺症にはリハビリテーション、再発予防には生活習慣改善といったように、根本的な解消を実現することは難しいのが現実です。 脳梗塞を含む脳卒中の再発予防に対しては、再生医療という選択肢もあり、特に当院が提供している幹細胞治療は注目を集めています。 脳卒中の再発率は高いものの、幹細胞治療は将来的に脳梗塞や脳出血を起こすかもしれない弱った血管を修復することが可能で、それが「脳卒中の再発を予防」につながります。 脳梗塞の再発予防や後遺症でお悩みの方で根本的な改善を望む方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2025.03.08 -
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脳梗塞を発症し、怒りっぽい性格になった方はいませんか。 怒りっぽい性格になったように感じるのは、後遺症の1つである「社会的行動障害」の症状が原因となっている可能性があります。 本記事では、脳梗塞の後遺症で怒りっぽくなる理由や、後遺症の治療方法について、詳しく解説します。 脳梗塞の後遺症である「高次脳機能障害」の症状は、周囲からはわかりにくい特徴があります。 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合は、家族や友人へ症状を伝え、必要なサポートを受けましょう。 脳梗塞の後遺症で怒りっぽい性格になるのは本当? 脳梗塞の後遺症で怒りっぽい性格になった場合は、以下のような原因・特徴があります。 性格の変化は「社会的行動障害」の症状の一つ 自分では性格の変化を認識できないことが多い 社会的行動障害の症状が現れている可能性があります。 社会的行動障害になると、感情や行動のコントロールに困難感を感じ、二次的に意欲・活動性の低下が起こるのが特徴です。 性格の変化は自分自身で気づくことが難しく、周囲の方に指摘されて初めて後遺症に気づく場合が大半です。 性格の変化は「社会的行動障害」の症状の一つ 脳梗塞発症後の性格の変化は、社会的行動障害の可能性があります。 社会的行動障害とは、後遺症である高次脳機能障害の一つで、感情のコントロールが難しくなったり、暴言や大声を発したりする症状がみられます。 感情コントロールが上手くできずに人間関係に悩む方もいるため、社会的行動障害について周囲も理解を深めることが大切です。 自分では性格の変化を認識できないことが多い 脳梗塞後の性格の変化は、自分自身で症状を認識することが難しい特徴があります。 「温厚だった人が怒りっぽくなった」「意欲がない」などの症状は、脳梗塞の後遺症にみられる症状です。 怒りっぽい性格になり暴言や大声を発したりすることで、周囲の人との関係が上手くいかなくなり、抑うつ状態になる場合もあるため家族や周囲のサポートが必要です。 脳梗塞の後遺症で起こる「高次脳機能障害」の症状はさまざま 脳梗塞の後遺症で起こる高次脳機能障害には、以下の症状があります。 記憶障害 注意障害 遂行機能障害 社会的行動障害 脳梗塞の発症部位によって、症状の程度や現れる後遺症は異なります。 高次脳機能障害がみられる方は、周囲へ症状を伝えたり医療機関を受診したりして、適切な支援を受けましょう。 記憶障害 脳梗塞後に以下の症状がある場合は、高次脳機能障害の1つである記憶障害の可能性があります。 数秒前に言ったことを忘れてしまう 人や時間、場所がわからなくなる 事実とは違う話をする 脳梗塞になる前のことを忘れてしまう 人や場所がわからなくなる症状(見当識障害)が現れると、家族や友人を認識できなくなる場合もあり、孤独感を感じやすくなります。 記憶障害による孤独感は、感情のコントロールへも影響が出るため注意が必要です。 短期記憶に障害が生じると、物忘れが激しくなったり、作り話で記憶障害を隠したりする場合があります。 記憶障害のある患者様の作り話に悪意はないため、矛盾点を強く指摘しないことが大切です。 注意障害 高次脳機能障害の1つである注意障害がみられる場合は、以下の症状が現れます。 反応が鈍くなる 気が散りやすい 作業中のミスが増える 特定の物事に固執してしまい切り替えが難しくなる 注意障害では、集中力が低下し固執性が強くなる症状が現れるため、仕事でミスをしやすくなります。 日常生活で集中力を必要とする作業は、高次脳機能障害の患者様に大きな負担がかかるため注意が必要です。 遂行機能障害 脳梗塞後に高次脳機能障害の一つである遂行機能障害がみられる場合があります。 遂行機能障害とは物事を進める能力が低下する障害で、以下の症状が現れます。 物事の計画ができない 衝動的に行動する 複数の作業に優先順位をつけられない 自主的に行動ができない 遂行機能障害の程度には個人差があり、具体的な診断基準はありません。 そのため認知機能テストで遂行機能障害の程度を把握し、症状に合わせた認知リハビリテーションで遂行機能の向上を目指します。 社会的行動障害 社会的行動障害は感情や行動のコントロールが難しくなり、以下の症状が現れます。 感情のコントロール障害 易怒性 金銭管理の困難感 意欲・活動性の低下 固執 抑うつ 感情のコントロール障害や易怒性は、二次的に意欲・活動性の低下につながります。 社会的行動障害では自身の欲求を抑えられずに、金銭トラブルに発展する例もあり注意が必要です。 意欲・活動性が低下すると抑うつ傾向になるため、社会参加や対人関係にも困難感を感じやすくなります。 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合に家族ができること 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合に、患者様の家族ができることは以下の2つです。 後遺症を理解し本人の意思を尊重する 専門家に相談することも重要 性格の変化は患者様自身で気づくことが難しく、家族から受診をすすめられても断られるケースがあります。 脳梗塞患者様の家族は、後遺症の問題を抱え込まないように、周囲の支援を受けることが大切です。 後遺症を理解し本人の意思を尊重する 脳梗塞後に性格の変化がみられる場合は、症状を理解し本人の意思を尊重しましょう。 本人は後遺症に気づいていない場合もあり、周囲から指摘されて初めて症状に気づくケースが大半です。 家族は後遺症による不安や悩みなどを傾聴し、適切な治療が受けられるように支援することが大切です。 専門家に相談することも重要 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合は、医療者や行政機関などの専門家に相談することも重要です。 家族が本人に悩みを聞いても、強く拒まれ適切な治療を開始できない場合があります。 また、怒りっぽい性格は対人トラブルを招きやすく、家族も大きなストレスを抱えてしまう可能性があります。 怒りっぽい性格が社会的行動障害に起因する場合は、障がい者支援や介護保険サービスが利用できることもあるため、専門家に相談しましょう。 脳梗塞後の高次脳機能障害に対する治療方法 脳梗塞後の高次脳機能障害には、以下の3つの治療方法があります。 リハビリ 薬物療法 再生医療 高次脳機能障害にはさまざまな種類があり、症状の程度も個人差があります。症状に合わせた治療方法を検討し、後遺症を緩和していくことが大切です。 リハビリ 脳梗塞後に高次脳機能障害になった場合は、以下のような認知機能にアプローチするリハビリテーションを行います。 自分自身の言動を振り返る 記憶障害の代償方法を身につける グループ活動で自身を客観的に捉える 高次脳機能障害は、自身の言動を客観的に捉えて理解することで、症状の緩和を目指します。 本人が興奮状態にあるうちは自身を振り返ることが難しいため、場所や時間などを変え冷静になってから振り返りを行いましょう。 薬物療法 脳梗塞で意欲の低下や感情コントロールの困難がみられる場合の治療法に、薬物療法があります。 脳梗塞後の後遺症に対する薬物療法は、精神的な症状を改善する薬剤や脳梗塞の再発を防ぐ薬を使用します。 薬物療法は症状の軽減を目的とするため、リハビリや専門家のサポートと並行して行いましょう。 再生医療 脳梗塞後の高次機能障害に対する治療方法の1つに、再生医療があります。 再生医療は患者様自身の細胞を利用して損傷した組織の修復を促す治療法で、以下の特徴があります。 脳梗塞の後遺症を治療する際は、リハビリテーションと並行して再生医療を受けると、症状の改善に期待できます。 脳梗塞の後遺症でお困りの方は、当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。 【まとめ】脳梗塞後に怒りっぽい性格になったら高次脳機能障害の治療を行いましょう 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった際は、高次脳機能障害の治療を行いましょう。 高次脳機能障害の症状改善には、リハビリや薬物療法、再生医療による治療があります。 脳梗塞の後遺症は個人差があり、患者様に合った治療を組み合わせて症状の改善を目指すことが大切です。 高次脳機能障害でお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。
2025.03.07 -
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脳梗塞の後遺症でふらつきやめまいが出現し、お困りの方はいませんか。 脳梗塞は、血の塊(血栓)が脳血管をふさぎ、発症部位より先の血流が滞ることで脳細胞が壊死する疾患です。 後遺症で出現するふらつきは、体幹失調が原因の可能性があります。体幹失調は、胴体のバランスが取りづらく、スムーズに身体を動かせない状態です。 本記事では、脳梗塞の後遺症によってふらつきが出現する原因や、めまいの特徴について詳しくご紹介します。 ふらつきやめまいは発症からの日数によって、症状の特徴が異なります。経過に合ったリハビリテーションを行い、脳梗塞によるふらつきを改善しましょう。 脳梗塞の後遺症でふらつく原因 脳梗塞の後遺症でふらつく主な原因は、体幹失調が起こるためです。体幹失調とは、脳と胴体の連携が十分にできず、バランスを取ることが困難になる状態です。 脳梗塞は血の塊(血栓)が脳血管で詰まる疾患で、梗塞部位より先の血流が滞り脳細胞が壊死します。 脳細胞が壊死すると、脳は身体を動かす指令を伝達できなくなる恐れがあるため注意が必要です。 体幹失調とは 体幹失調とは、脳梗塞の後遺症で起こる可能性がある運動失調の一種で、以下の特徴が現れます。 座っているときにグラグラする 足を大きく開いて歩く 手足の動きがバラバラになる 千鳥足のような歩き方になる 体幹失調は歩行時に症状が目立ちますが、身体のバランスが悪くなるため座っているときにも症状が現れる場合があります。 脳梗塞で体幹失調が起こるメカニズム 脳梗塞によって脳幹や特定部位が損傷すると、体幹失調が起こる可能性があります。体幹失調のメカニズムは、以下のとおりです。 脳幹に血栓が詰まり、発症部位より先の血流が遮断される 血流が減少し脳細胞が壊死する 身体へ指令を出す脳幹やバランスを取るための小脳や前庭迷路が機能しづらくなくなる 歩行時にふらつき症状やめまいが出現する 脳は、神経に身体を動かす指令を送る役割を担っています。 脳血管の一部の血流が遮断されると、身体をスムーズに動かせなくなり、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。 脳梗塞の後遺症による「めまい」の特徴 脳梗塞の後遺症による「めまい」は、大きく以下の3つに分けられます。 めまいの種類 特徴 回転性めまい ぐるぐると回っているように感じる 浮遊性めまい ふわふわと宙に浮いているように感じる 前失神性めまい 立ちくらみ同様、目の前が突然真っ暗になったように感じる めまいが起こると、自分自身が動いていなくても動いているように感じ、周囲からはふらついている状態に見えます。 脳梗塞によるふらつき・めまいの症状の変化 脳梗塞によるふらつきやめまいでは、発症してからの日数によって症状が変化します。 症状に合わせて、適切な治療やリハビリテーションを受け、ふらつきを改善していくことが重要です。 発症直後 脳梗塞の発症直後は、ぐるぐると回っているように感じる「回転性めまい」が出現しやすく、重いふらつき症状が現れます。 発症直後の回転性めまいは重度で、自分自身で立位を保つことは困難です。 以下の脳梗塞の初期症状(一過性脳虚血発作)がみられた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 口が閉まりにくい ろれつが回らない 言葉が出ない 片麻痺 めまいやふらつきがある 視野が狭くなる 治療せずに放置すると重い後遺症が出る恐れがあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。 脳梗塞の初期症状や発症原因については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 数日〜数週間経過後 脳梗塞の発症から数日~数週間経過すると、回転性めまいの症状が軽減する場合があります。 しかし、平衡感覚障害やふらつきが残る場合があるため、リハビリが重要です。 歩行時のふらつきやめまいがあるときは、無理に動かず、医療者の指示に従いましょう。 治療後 脳梗塞の治療後は、後遺症としてふらつきやめまいが出る場合があります。 後遺症でめまいやふらつきがある方は、治療やリハビリテーションを継続し、転倒リスクの軽減を図ることが大切です。 脳梗塞の後遺症によるふらつき改善に重要なリハビリテーション 脳梗塞の後遺症によるふらつきを改善するには、以下のリハビリテーションを行うことが重要です。 リハビリテーションで効果を得られるように、適切なリハビリ方法を確認しましょう。 フレンケル体操 脳梗塞の後遺症によるふらつきに効果的なリハビリテーションの1つに、フレンケル体操があります。 フレンケル体操は、小脳を原因とした運動失調に有用なリハビリテーションで、身体の位置感覚や運動バランスを改善するために行われます。 体操の運動項目は120種類以上あり、後遺症の程度や病状に合わせて選択するのが一般的です。 仰向けで行う方法 両足のかかとを床につける 片足をすべらせるように動かし、膝の曲げ伸ばしを行う かかとを床につけたまま、片膝を曲げた状態で股関節を内外に動かす 片膝を立てた状態で股関節を内外へ動かす 椅子に座って行う方法 椅子に座り、数分間姿勢を保持する 足の前に目印を置き、片方のつま先でタッチして元の姿勢に戻る 足を閉じて立ち上がり、再度椅子に座る 無理のない範囲でフレンケル体操を実施し、身体の平衡感覚の改善を目指しましょう。 前庭リハビリテーション 脳梗塞の後遺症でふらつきがみられる場合に、前庭リハビリテーションを行う方法があります。 前庭リハビリテーションは、歩行や姿勢の保持など、日常生活動作の改善を目的として行われる反復訓練です。 リハビリテーションを行うことで、平衡感覚をつかさどる前庭の機能を改善し、ふらつき症状やめまいの軽減が期待できます。 椅子に座って行う方法 体の正面で腕を伸ばし、親指を目の高さに持ってくる 親指を見ながら頭を左右・上下に動かす 立って行う方法 目を開けたまま足を閉じて立ち、前後左右に身体を傾ける 1ができたら、目を閉じて立ち、前後左右に身体を傾ける 椅子に座って行う方法や、立って実施する訓練ができたら、歩行訓練を行います。 歩行時は身体を静止しているときと比べて転倒リスクが高いため、注意して実施しましょう。 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお困りの方は再生医療をご検討ください 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお困りの方は、後遺症の根本的な治療を目指せる再生医療を検討してみましょう。 再生医療とは、体が持つ再生能力を利用して一度壊死した脳細胞を再生させる医療技術のことで、脳機能の回復が期待できます。 また、リハビリと並行して再生医療を行うことで身体機能の回復効果を高め、治療期間の短縮にもつながります。 リペアセルクリニックでは、患者さまの症状に適したリハビリの訓練や指導が行えるよう、医師の他に理学療法士や柔道整復師などの専門資格を持つチーム体制が整っています。 脳梗塞の後遺症でお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 【まとめ】脳梗塞の後遺症によるふらつき改善にはリハビリが重要 脳梗塞の後遺症によるふらつき改善には、症状に合ったリハビリが重要です。 適切なリハビリテーションを行うことで、ふらつきが改善され、転倒リスクが低減します。 後遺症のめまいやふらつきが改善せずお困りの場合は、リハビリテーションと並行して再生医療による治療も検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、厚生労働省に受理された治療法で、後遺症の改善だけでなく脳梗塞の再発予防も期待できます。 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお悩みの方は 、当院(リペアセルクリニック)へお気軽にお問い合わせください。
2025.03.07 -
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脳梗塞は一度発症すると再発の可能性も高い危険な病気です。 どのような原因で発症してしまうのか、予防する方法があるのか不安な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の原因や予防方法について紹介します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞の治療法 脳梗塞の初期症状や治療法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳の神経細胞が損傷してしまう病気です。 脳の細胞は血流が途絶えると数時間で死んでしまうため、治療が遅れると重篤な後遺症や命を落としてしまうケースもあります。 重症化する前に発見されることが多いため、死亡率は10%と低めですが脳梗塞は死につながることも。 また、脳梗塞が原因で心臓や肺に負担がかかることで「心不全」や「肺炎」など、二次的な合併症リスクもあるため注意が必要です。 脳梗塞の主な原因 脳梗塞の主な原因は、以下の3つです。 高血圧 動脈硬化 心房細動 高血圧が続くと動脈が硬くもろくなり、動脈硬化が進行します。動脈硬化の進行によって血管内に血栓ができ、血管の中が狭くなって脳梗塞を引き起こす可能性があります。 また、不整脈の一種である心房細動によって、血流の動きが妨げられ血栓ができやすくなります。その血栓が脳に運ばれてしまうと脳梗塞を発症します。 心房細動による脳梗塞は脳の広い範囲に影響が出やすく、半身麻痺や寝たきり状態になる可能性が高いです。 脳梗塞の前兆・初期症状について https://youtu.be/uYzcc3F8SjY?si=HmT_3yoHakLNyC6v 脳梗塞は、主に以下のような前兆や初期症状がみられます。 脳梗塞の初期症状 顔面の麻痺 右半身/左半身の麻痺 ろれつが回らない めまい・吐き気 視野の欠損 上記のような症状が出た場合、必ず病院を受診して治療を受けてください。 脳梗塞の初期症状は突然現れることが多いため、小さな違和感を見逃さないように普段から体調を気遣いましょう。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞を予防するためのポイントを5つ紹介します。 適度な運動の習慣をつける 食生活を改善する 水分をこまめに摂る ストレスを溜めないようにする 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞の原因を作らないためにも、それぞれの予防ポイントを把握して実践してみましょう。 適度な運動の習慣をつける 運動をすると血管機能が上昇し、高血圧や脂質異常の改善が期待できます。 脳梗塞の予防には、筋トレやウォーキングなどの有酸素運動が有効です。 1日5,000歩の歩行かつ、ジョギングや自転車に乗るなどの中強度身体活動を7.5分行うことが推奨されています。 ※出典:脳卒中患者における身体活動研究の動向 運動をする時間や頻度は、自分の体調や運動能力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。 食生活を改善する 脳梗塞を予防するために、以下のポイントを意識して食生活を改善しましょう。 減塩する 高血圧や動脈硬化のリスクを抑える タンパク質を摂る 血圧を下げる、血行促進、血管を柔らかくする働きがある 抗酸化作用のある食材を摂取する 血管細胞の機能を維持、動脈硬化を抑制する 食塩の1日の適正摂取量は男性:7.5g未満、女性:6.5g未満です。高血圧を予防・治療する場合の摂取量は1日6.0g※未満となっています。 ※出典:厚生労働省「日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題」 他にも、タンパク質や抗酸化作用のある緑黄色野菜などの摂取が脳梗塞予防に効果的です。 水分をこまめに摂る 脳梗塞を予防するために、こまめに水分を摂りましょう。 体内の水分が少なくなると、血液がドロドロになって血栓ができやすくなります。 喉が渇いたとき、食事中、入浴後などに水分を摂取しましょう。空気が乾燥する秋・冬もこまめな水分補給を意識しましょう。 ただし、水の飲みすぎには注意が必要です。水を飲み過ぎると腎臓に負担をかけてしまうため、適度な水分補給を心がけてください。 ストレスを溜めないようにする 脳梗塞を予防するために、ストレスを溜めないようにすることも重要です。 ストレスが脳梗塞を引き起こす理由 血圧や血糖値が上昇し、動脈硬化や糖尿病の原因になる 血管が収縮して血栓ができやすくなる 前頭前野の働きが弱まり、暴飲暴食や過度の飲酒などの不摂生な生活につながる ストレスを溜めないように生活リズムを整えましょう。睡眠や適度な運動はストレス発散に有効です。 また、日光を浴びることもストレス発散につながるので、屋外での有酸素運動をしてみましょう。 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞を予防するために、脳梗塞につながる病気の早期発見・治療を意識しましょう。 脳梗塞につながる病気 高血圧 動脈硬化 心房細動 上記のような脳梗塞を引き起こす可能性がある症状を早期に見つけ、治療を開始することが重要です。 脳梗塞の症状が出ない場合もあるため、予防のためにも定期的に検査を受けましょう。 また、生活習慣病や心疾患のリスクが高い方は早期改善、治療を意識してください。 脳梗塞の予防検査では、頭部MRIや頸動脈エコー検査が行われます。 脳梗塞の治療方法は? 脳梗塞の治療方法は主に以下の4つがあります。 t-PA(血栓溶解療法) 血管内治療 内服療法 外科手術 詳しい治療内容について解説します。 t-PA(血栓溶解療法) t-PA(血栓溶解療法)は、発症から4~5時間以内の急性期に用いられる治療法で、脳に詰まった血栓を溶かす働きがあります。 t-PA(血栓溶解療法)は内服薬ではなく静脈注射ですので、家での治療はできません。 また、t-PAの効果が期待できるのは3割ほどといわれています。 さらに、t-PA(決戦溶解療法)は、血栓を溶かす作用が協力なため、脳内出血が生じる可能性もあり、医師との相談が必須です。 血管内治療 血管内治療は、カテーテルを血管に挿入し血栓を除去・吸引する治療方法です。 足や手の血管を通じてカテーテルを挿入するため、頭を切開する必要がなく傷が目立たないことが利点です。 身体への負担も少ないため、早期の社会復帰も期待できます。 しかし、時間的な制限があり、一般的に脳梗塞を発症してから8時間以内に治療をする必要があります。 内服療法 内服療法では、以下のような薬を内服して治療・再発防止を行います。 抗血小板薬 血小板が血管の壁に付着し狭くなる/壁に付着した血小板がはがれて血管を詰めることを防ぐ 抗凝固薬 血液が固まらないようにする どちらも注射・経口薬があります。 抗凝固剤は量が多すぎると出血しやすくなる危険があるため、適正量を厳しくチェックする必要があります。 医師と相談し、服薬量などを守ることが重要です。 外科手術 外科手術では、以下のような治療を行います。 再開通療法(カテーテル治療) 脳梗塞発症から8時間以内 血栓を回収する機材を血管に入れて血栓を除去 血管吻合術(バイパス術) 頭皮をは知る血管をはがし、詰まった血管の先につなぐ 血流が新に確保できるため、再発予防につながる 頸部内頸動脈内膜剥離術 頸部に狭窄がある場合に行う手術 動脈硬化で厚くなった壁をくりぬく 外科手術は、t-PA(血栓溶解療法)ができない、内服療法では再発予防が難しい患者さんに対して行われます。 脳梗塞の治療に「再生医療」という新たな選択肢 脳梗塞の治療方法として、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 再生医療とは、患者さん自身の細胞を利用して損傷した部位を保護・修復することが期待できます。 自身の細胞を利用するため拒否反応が起こる確率が低く、従来の手術よりも身体への負担が少ない治療法です。 破れたり詰まりやすくなっている血管も修復する働きがあるため、再発予防としても効果的です。 再生医療による脳梗塞の後遺症治療の実例を紹介 https://youtu.be/VoFvJa_yBGI 当院で幹細胞治療を受けた患者さんには、以下のような効果が見られました。 筋肉の緊張がほぐれた 筋肉がついてきた 滑舌がよくなった 腕の痛みが緩和された 幹細胞治療は回数を重ねるごとに脳梗塞の症状が緩和されていきます。 【まとめ】脳梗塞の原因について|予防のためにやるべきこと 脳梗塞の原因や予防するために注意することを紹介しました。 さまざまな原因が脳梗塞を引き起こす可能性があるので、規則正しい生活と適度な運動を心掛けましょう。 また、脳梗塞を予防するために食生活を見直すこともおすすめします。 再生医療は脳梗塞の根本的な改善につながる新たな治療法として期待されています。 脳梗塞の治療で再生医療を検討している方は、当院にご相談ください。
2025.01.09 -
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「ストレスから脳梗塞になる?」 上記のように「日頃のストレスが大きな病気につながらないか」不安な方も多いのではないでしょうか。脳梗塞の主な原因は、高血圧などの生活習慣病ですが、ストレスを溜めると間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 本記事では、脳梗塞の原因となり得るストレスが体に与える悪影響について、詳しく解説します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とストレスの関係性 ストレスが体に与える影響 脳梗塞の発症リスクを低減するために、脳梗塞になりやすい人の特徴や、ストレスの解消方法を確認しましょう。 ストレスは脳梗塞の原因となる可能性がある ストレスは、脳梗塞の原因となる可能性があります。脳梗塞を予防するために、以下2つのポイントを知ることが大切です。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞になりやすい人の特徴 日常的に強いストレスを感じている人は、脳梗塞をはじめとした脳卒中になりやすいため注意が必要です。 脳梗塞になりやすい人には特徴があるため、当てはまっていないか確認しましょう。 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞とストレスには、大きな関係があります。ストレスは脳梗塞の直接的な原因ではありませんが、脳梗塞のリスクを高める高血圧や動脈硬化の原因となる可能性があるためです。 強いストレスを感じているときは、交感神経が優位になります。交感神経は、体内で生成・分泌されるホルモンを調節する自律神経の1種です。 交感神経が優位になると、脈拍数の増加や血圧の上昇が起きて高血圧につながり、血管に大きな負担がかかります。高血圧によって血管がダメージを受けると、動脈硬化のリスクが高まり、脳梗塞を発症しやすくなります。 脳梗塞になりやすい人の特徴は? 脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。 脳梗塞になりやすい人の特徴 高血圧 糖尿病 脂質異常症 心房細動 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 脳梗塞は、生活習慣病やストレスなどが関係する環境因子と、遺伝的因子が合わさって発症リスクが高まります。 家族に高血圧や脳卒中の人がいる場合は、遺伝的に脳梗塞になりやすいため注意が必要です。 環境因子は、生活習慣の改善で排除できる場合もあるため、日常生活を見直しましょう。 以下の記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴について詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。 ストレスが体に与える悪影響とは? ストレスが体に与える悪影響は、以下のとおりです。 ストレスが体に与える悪影響 高血圧 睡眠障害 喫煙 ストレスが体に与える悪影響は多いため、自分に合ったストレス発散法を見つけ、早急に対処しましょう。 高血圧 ストレスが体に与える悪影響の1つに、高血圧があります。高血圧とは、一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くことをいいます。 強いストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が優位になり、血圧が上がります。高血圧の状態が続くと血管に大きな負担がかかり、動脈硬化になりやすいため注意が必要です。 高血圧を原因とした動脈硬化は、脳梗塞の主なリスク因子です。脳梗塞をはじめとした脳卒中は、高血圧と深く関係します。 家族に高血圧の人がいたり、普段から血圧が高かったりする人は、病院を受診し早期から血圧管理を行うことが重要です。 以下の動画では、高血圧と血糖値について、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 高血圧を予防するために、塩分を控えた食事を心がけたり、運動を習慣化したりしましょう。 睡眠障害 ストレスが体に与える悪影響には、以下の睡眠障害があります。 不眠症 眠りにつくまでに時間がかかること(入眠困難) 眠りについても途中で起きてしまう状態(中途覚醒) 早朝に起きてしまい、もう一度眠れない状態(早朝覚醒) 熟睡できず疲労感が残っている状態(熟眠障害) 過眠症 夜間に睡眠がとれているにもかかわらず、日中起きていられないこと 睡眠時無呼吸症候群 睡眠中にひどいいびきや無呼吸が生じる疾患 概日リズム睡眠・覚醒障害群 体内時計にずれが生じ、起床時間や就寝時間が不規則になる状態 睡眠障害が起こると、日中の活動力低下や集中力低下、倦怠感などが生じやすいため注意が必要です。 睡眠障害が原因で生活習慣が乱れると、生活習慣病になる可能性が高まり、脳梗塞を発症する恐れがあります。 喫煙 ストレスが体に与える悪影響に、喫煙があります。ストレスを感じ喫煙する人がいますが、イライラをたばこで一時的に緩和しているだけなので注意が必要です。 喫煙習慣はたばこに含まれるニコチンの依存度へ強い影響を与え、喫煙者はストレス解消方法として喫煙行動をとっている可能性が高いことが示唆されています。 出典:喫煙の習慣がストレス状況下での喫煙欲求におよぼす影響|Journal of Health Psychology Research 2017, Vol. 30, No. 1, 9–17 喫煙は動脈硬化や高血圧などを発症するリスク因子であり、脳梗塞の危険性が高まるため、禁煙が大切です。 ストレスを感じる原因や解消方法 ストレスを感じる原因や解消方法は、人によって異なるため以下の項目を確認し、ストレス発散法を知ることが重要です。 ストレスの原因と解消方法 ストレスの原因 おすすめのストレス解消方法 同じ状況下でも人によってストレスを感じる程度が異なる場合があります。 ストレスを感じやすい原因を知り、自身で対処できるようにストレス解消方法も合わせて確認しましょう。 ストレスの原因 ストレスを感じる原因は、主に以下の4つがあります。 ストレスを感じる原因 仕事(人間関係・収入など) 住環境の変化 親の介護問題 自身の健康問題 厚生労働省の調査※によると、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は82.7%です。 ※出典:令和5年労働安全衛生調査(実態調査)|厚生労働省 予想していなかった出来事が急に起こったり、外部から強い刺激を受けたりすると、強いストレスを感じやすいため注意が必要です。 とくに真面目な性格の人や自己肯定感の低い人はストレスを感じやすく、身体の不調も出やすい特徴があります。 おすすめのストレス解消方法 おすすめのストレス解消方法は、以下のとおりです。 おすすめのストレス解消方法 運動する 自分の気持ちを書き出す 家族や友人に相談する 趣味を楽しむ(読書や映画鑑賞など) ゆっくり入浴する 部屋の模様替えをする 運動や部屋の模様替えなどは、リフレッシュできストレス発散につながります。ゆっくり入浴することで、ストレスで活性化した交感神経の働きを抑えられる効果が期待できます。 ストレスと上手に付き合えるように、自身に合った方法でリフレッシュをし、脳梗塞のリスクを低減しましょう。 脳梗塞の初期症状が出たら早期受診・治療を受けることが重要 脳梗塞の初期症状が出たら、早期受診し、治療を受けることが重要です。脳梗塞の主な初期症状は、以下のとおりです。 脳梗塞の初期症状 顔のしびれやゆがみ 呂律が回らない 感覚が鈍くなる 手足の力が入りにくくなる めまいや吐き気 目のかすみやぼやけ 脳梗塞の前兆や初期症状かもしれないと感じたら、すぐに病院を受診しましょう。 以下の動画では、脳梗塞の前兆について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞を早期から治療できれば、症状の悪化を防げる可能性があります。 脳梗塞を放置すると重い後遺症が出る場合もあるため、早急な対処が重要です。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問を紹介します。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 ストレスで脳梗塞になりますか? 脳梗塞の1番の原因は何ですか? ストレスは脳梗塞の原因になる可能性があるため、ストレスを溜めないように過ごすことが大切です。 各質問の回答を参考にし、脳梗塞を予防しましょう。 ストレスで脳梗塞になりますか? ストレスによって、脳梗塞になる可能性はあります。 ストレスが脳梗塞の原因とされる理由は、脳梗塞につながる「高血圧」や「動脈硬化」の原因になるためです。 ストレスを感じると自律神経の1種である交感神経が優位になり、体が興奮状態になります。 交感神経が優位になると、血圧の上昇や脈拍数の増加などが起こり、血管の負担が大きくなります。 もろくなった血管を修復するために作られた血栓が脳内へ移動したり、脳血管内で血栓ができたりすると、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。 脳梗塞の1番の原因は何ですか? 脳梗塞の1番の原因は、高血圧です。高血圧の状態が長く続くと、脳梗塞のリスク因子である動脈硬化のリスクが上がります。 高血圧や動脈硬化により、血管壁がもろくなったり、厚くなったりすると血栓ができやすくなるため注意が必要です。 脳梗塞を予防するためには、自身の血圧変動を知り、日頃から血圧管理を十分に行うことが重要です。 ストレスも高血圧の原因になるため、運動や趣味などでストレスを解消するよう心がけましょう。 【まとめ】ストレスは脳梗塞の原因になる!初期症状を見逃さないことが重要 ストレスは脳梗塞の原因になるため、日頃からストレスを溜めないように注意しましょう。 脳梗塞になってしまった場合は、初期症状を見逃さないことが重要です。 初期症状を見逃してしまうと、脳梗塞の症状が悪化し、重い後遺症が出る可能性があります。脳梗塞の初期症状には、顔のゆがみやめまい、吐き気などがあります。 症状が一時的に出現する場合は、脳卒中の前兆の可能性もあるため、症状を放置せずにすぐに病院を受診するのが大切です。 脳梗塞の治療には、再生医療の検討もおすすめです。再生医療を検討する際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.09 -
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脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。生活習慣病を持つ人やストレスを溜めてしまう性格の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。 本記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴や予防方法について解説します。発症リスクを確認し、脳梗塞を予防しましょう。 この記事を読むとわかること 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞の予防方法 脳梗塞になりやすい人の特徴に当てはまる場合でも、生活習慣を改善すると発症リスクを低減できる可能性があります。 発症リスクを理解して脳梗塞を予防するためにも、ぜひ最後までご覧ください。 脳梗塞とは 脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。脳血管が詰まると、全身に指令を送る神経細胞まで十分な血液が供給されないため、さまざまな症状が現れます。 脳梗塞の主な症状は、以下のとおりです。 麻痺 言語障害 感覚障害 歩行障害 排尿・排便障害 脳梗塞を発症しないよう、脳梗塞になりやすい人の特徴を確認しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞になりやすい人には、以下の8つの特徴があります。 高血圧 脂質異常症 心房細動 糖尿病 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 乱れた食生活や運動不足によって発症した生活習慣病は、脳梗塞の原因にもなりうるため注意が必要です。以下の動画では脳梗塞の初期症状についてわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞になりやすい人の特徴について、それぞれ詳しく解説します。 高血圧 脳梗塞になりやすい人の特徴の1つに、高血圧があります。一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くと高血圧と診断されます。 高血圧にならないために、以下の特徴を持つ人は注意しましょう。 肥満である 過剰にアルコールを摂取している 喫煙している ストレスを溜めやすい 親族に高血圧の人がいる 高血圧の状態が続くと、血管壁がもろくなり血栓ができやすいため、日常的な血圧管理が大切です。 脂質異常症 脂質異常症の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。脂質異常症とは、血液中の脂質の量が過剰になる疾患で、診断基準※は以下のとおりです。 疾患名 診断基準 高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dl以上 境界域高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール120~139mg/dl 低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満 高トリグリセライド血症 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 150mg/dL以上(空腹時採血) 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 175mg/dL以上(随時採血) ※参照:脂質異常症|eヘルスネット(厚生労働省) 過食・肥満傾向があったり、運動習慣がなかったりする人は、脂質異常症になりやすいため注意が必要です。 血液中に過剰に存在するコレステロールや中性脂肪は、プラーク(粥種)となり血管壁に沈着します。プラークが血管壁に沈着すると、血管壁が肥厚して固くなり、動脈硬化のリスクが高まります。 心房細動 脳梗塞になりやすい人に、心房細動の方が挙げられます。心房細動は、加齢や高血圧などが原因で起こる不整脈です。 心房細動になると血液循環機能が上手に働かず、心房内に古い血液が溜まります。古い血液は新しい血液より粘度があるため、血栓ができやすくなります。 糖尿病 糖尿病の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。糖尿病は、血糖値を下げるホルモンのインスリンが上手に機能しない病気で、診断基準※は以下のとおりです。 血糖値 空腹時血糖≧126mg/dl 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値≧200mg/dl 任意の時間の血糖値≧200mg/dl HbA1c HbA1c(JDS値)≧6.1% HbA1c(NGSP)≧6.5% ※参照:糖尿病の新しい診断基準|国立国際医療研究センター糖尿病情報センター インスリンの機能低下により高血糖状態になった場合は、動脈硬化が進行します。血管の状態が悪化し血液循環が滞ると血栓が作られ、脳梗塞になるリスクが高まります。 動脈硬化 動脈硬化がある人は、脳梗塞の発症リスクがあるため注意が必要です。動脈硬化は加齢や高血圧、糖尿病などが要因となり、血管壁がもろくなる疾患です。 もろくなった血管壁を修復するために、血小板が凝集し、血栓ができやすくなります。動脈硬化が進行し身体のどこかで作られた血栓が脳血管まで到達したり、脳内で血栓ができた場合は、脳梗塞を発症する可能性があります。 運動不足 脳梗塞になりやすい人の特徴に、運動不足があります。運動不足の人が脳梗塞になりやすい理由は、生活習慣病の発症リスクが高いためです。 脳梗塞は血管障害で、生活習慣病と密接にかかわっています。血液循環が正しく行われるよう、運動を習慣化し血液を綺麗な状態に保つことが大切です。 ストレスを溜めやすい ストレスを溜めやすい性格の人は、脳梗塞になりやすいため注意が必要です。ストレスを溜めてしまうと血圧が上がり、脳梗塞の発症リスクを高めます。 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化のリスクも高めるため、脳梗塞になりやすくなります。生活習慣病にならないよう、自身に合った方法でストレスを発散しましょう。 遺伝 脳梗塞の発症リスクは、遺伝が関係している場合があります。脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、ストレスや飲酒などの環境的素因と遺伝的素因が組み合わさって、発症リスクが高まるといわれています。 家族に脳梗塞の人がいる場合や、もともと血圧が高い人は、脳梗塞の発症リスクが高いため注意しましょう。 脳梗塞になりやすい食べ物はある? 脳梗塞になりやすい食べ物の例は、以下のとおりです。 理由 食品例 乳製品 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい バター、マーガリン、チーズ 加工肉 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい ハム、ベーコン、ソーセージ お菓子・スイーツ トランス脂肪酸が多く含まれるため スナック菓子、ケーキ、クッキー 漬物・干物 塩分が多く含まれており、生活習慣病のリスクが高まるため 梅干し、漬物、干物 アルコール類 過剰なアルコール摂取は、生活習慣病のリスクを高めるため ビール、ワイン、日本酒 動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食品や、加工食品の多量摂取は、動脈硬化のリスクを高めます。アルコールの過剰摂取も脳梗塞の発症リスクを高めるため、お酒の飲みすぎに注意しましょう。 脳梗塞を予防する食べ物を日常の食事に取り入れ、健康的な食事習慣をつくりましょう。 脳梗塞にならないためにすべきこと 脳梗塞にならないためには、以下の3つの行動を心がけることが大切です。 生活習慣の改善 食生活の改善 運動不足の解消 乱れた食生活や運動不足が続くと、生活習慣病の発症リスクが高まり脳梗塞になりやすくなります。生活習慣を見直し、脳梗塞のリスク因子を減らしましょう。 生活習慣の改善 脳梗塞にならないために、生活習慣の改善が大切です。生活習慣を改善すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを低減できます。 生活習慣を見直す際は、以下のポイントを確認しましょう。 栄養バランスが良い食事にする 過剰なアルコール摂取を控える 禁煙する・喫煙本数を減らす 適度に運動する ストレスを溜めない ストレスや疲労を溜めずに、規則正しい生活を送れば、脳梗塞のリスク因子の生活習慣病を防げます。改善できる生活習慣から見直していくことが大切です。 食生活の改善 脳梗塞を予防するために、食生活を改善しましょう。食生活を改善すると、高血圧や動脈硬化の予防に繋がり、脳梗塞になりにくくなります。 脳梗塞の予防に効果的な食品は、以下のとおりです。 脳梗塞の予防に効果的な食品 理由 トマト・トマトジュース トマトに含まれるリコピンは、悪玉コレステロールの値を下げる働きがある 魚類 魚類に含まれるEPAは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがある オリーブオイル オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある 緑黄色野菜・果物類 ミネラルやビタミンは、体の酸化を予防できる 食物繊維はコレステロールの排出を促す働きを持つ ナッツ類 ナッツに豊富に含まれるビタミンEは、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らす働きを持つ 悪玉コレステロールや中性脂肪の値が下がると血圧も下がるため、脳梗塞の予防に効果的です。以下の動画では、脳梗塞の予防に効果的な食品について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 過剰摂取を避け、栄養バランスを考えて日々の食事に上記の食品を取り入れましょう。 運動不足の解消 脳梗塞を発症しないためには、運動不足を解消することが重要です。運動不足を解消すると血行が促進され、生活習慣病のリスクを低減できたり、ストレスを発散できたりします。 脳梗塞の予防には、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うのが効果的です。以下の具体例を参考に、日々の生活に運動を取り入れましょう。 有酸素運動 ウォーキング ランニング サイクリング 水中運動 筋力トレーニング スクワット 腹筋・腕立て伏せ プランク 厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」※で、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングは週2~3日行うことを推奨しています。 参照:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省 運動する時間がない人は、家事や仕事などで積極的に身体を動かしましょう。 脳梗塞の再発リスクと予防方法について 脳梗塞の再発を予防するために、以下の2つのポイントを確認しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞は再発率が高い疾患ですが、日常生活の改善や適切な治療を行うと、再発リスクを下げられます。脳梗塞が再発しやすい理由を確認し、予防策を実践しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 脳梗塞を発症した人は、10年以内に約50%が再発している現状※があります。 参照:日本人コミュニティにおける初めての脳卒中から10年間の再発|久山研究 脳梗塞の再発率が高い理由は、症状が出現していない場合でも以下の危険因子が潜んでいるためです。 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病など) 遺伝 脳梗塞の症状が落ち着くと、今まで気をつけていた生活習慣やリハビリなどへの意識が低くなり、再発リスクが上がるため注意しましょう。 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞の再発予防のために、以下3つの方法を実施することが大切です。 生活習慣の改善 薬物療法 リハビリ 退院後は自分で生活環境を整え、食事管理や運動などを行う必要があるため、入院中できていたことができなくなってしまう場合があります。入院中から退院を見据え、生活習慣を改善していきましょう。 脳梗塞の再発を抑えるために「再生医療」が注目されている 脳梗塞の再発を抑えるために、再生医療が注目されています。再生医療とは、損傷した部位を修復するために、肝細胞の点滴を投与する治療法です。 脳梗塞の再生医療で期待できる効果は、以下の3つです。 後遺症の緩和 リハビリ効果の増大 脳梗塞の再発予防 リハビリと合わせて再生医療を行うと、脳梗塞の後遺症である麻痺や言語障害などの症状を緩和できる可能性があります。専門家の意見を聞き、再生医療の実施を検討するのがおすすめです。 再生医療は原因となった部位だけでなく、脳梗塞になりそうな血管の修復も可能です。脳梗塞になりやすい特徴を持つ人は、再発を防ぐために再生医療も検討しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴まとめ|予防のためにすべきこと 脳梗塞になりやすい人は、生活習慣病の人やストレスを溜めやすい性格の人です。脳血管疾患の発症リスクには、遺伝的素因も関係するため、家族に脳梗塞や脳出血などの人がいる場合は注意が必要です。 脳梗塞の再発予防のためにできることに、生活習慣の改善や薬物治療、再生医療があります。自身に合った方法で脳梗塞になるリスクを下げ、再発を防ぎましょう。
2025.01.09 -
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「脳梗塞を発症後、寝てばかりになってしまった」 「脳梗塞の後遺症で眠くなる原因は?」 「脳梗塞後に寝てばかりになる症状は改善できる?」 上記のように脳梗塞の後遺症でお悩みの方もいるでしょう。 本記事では、脳梗塞の後遺症で眠くなる理由や睡眠の重要性について解説します。 【この記事を読むとわかること】 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞の後遺症回復におすすめな治療法 脳梗塞の後遺症の治療として注目されている再生医療についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の後遺症で眠くなるのはなぜ? 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由を下記にまとめました。 【脳梗塞の後遺症で眠くなる原因】 脳内の酸素が不足している 夜間の睡眠が不十分 脳梗塞の治療に使用される薬の副作用 脳梗塞は脳の血管が詰まったり細くなったりして血流が途絶えた結果、酸素やエネルギーの不足した細胞が壊死する病気です。 脳梗塞を発症した脳は酸欠状態に陥りがちです。脳の酸素量と眠気は密接な関係があり、酸素が不足すると眠気を感じる場合があります。 また、処方されている薬が原因で眠気を感じている可能性があります。副作用に眠気がある薬を服用している場合は医師に相談してみましょう。 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞と睡眠の関係は、主に以下の2つが挙げられます。 【脳梗塞と睡眠の関係】 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 脳梗塞の回復には睡眠が重要 一つずつみていきましょう。 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 睡眠障害や不眠症は、脳梗塞を発症する原因の一つです。 充分に睡眠がとれていないと、体の中の炎症反応が起きやすくなったり、自律神経のバランスが乱れたりすると考えられているためです。 たとえば、睡眠時無呼吸症候群の方は健康な方に比べて脳梗塞になる確率が4倍です。 ※引用:循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン また、夜間の睡眠が5時間以下の方は7~8時間睡眠の方よりも脳梗塞のリスクが上昇します。 脳梗塞になりやすい睡眠障害を下記にまとめました。 【脳梗塞になりやすい睡眠障害】 5時間以下の睡眠 9時間以上の睡眠 睡眠時無呼吸症候群 入眠困難 いびき 睡眠の質の改善は、脳梗塞の予防につながります。 脳梗塞の回復には睡眠が重要 脳梗塞の回復には、良質な睡眠が不可欠です。 脳梗塞後の機能回復が見込める回復期に「良質な睡眠」をとることで神経の可塑性(新しい神経回路が作られる)に良い影響を与える可能性があるためです。 回復期とは、脳梗塞発症後の3カ月~6カ月ごろを指し、リハビリでは主に食事や車いすへの移動などの日常生活の動作を練習します。 睡眠時は浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返していています。睡眠不足や途中で目が覚めてしまったりすると新たな神経回路をつくる妨げとなる場合があります。 睡眠に不安を抱えている方は医師に相談してみましょう。 不眠・睡眠不足が脳に与える影響とは 不眠や睡眠不足は脳にダメージを与え、以下のような影響を及ぼす可能性があります。 【不眠・睡眠不足が脳に与える影響】 前頭葉の活動が低下する 脳の修復・再生機能が低下する 一つずつ紹介します。 前頭葉の活動が低下する 不眠や睡眠不足は「思考力」「判断力」「集中力」を司る前頭葉の活動の低下を引き起こす場合があります。 前頭葉の活動が低下した場合に考えられることを下記にまとめました。 【前頭葉の活動が低下した場合に考えられること】 頭がぼんやりして考えられない 集中力が持続しない 新しいことを覚えられない 同じ事ばかり話す 抑うつやイライラ 不眠や睡眠不足は、人格や社会性に深く影響します。 脳の修復・再生機能が低下する 不眠や睡眠不足が脳の修復・再生機能を妨げる点も注目したいポイントです。 脳の修復・再生機能が低下することで、脳の重要な部位である前頭葉や海馬などが委縮する可能性があります。 起きているときの脳はエネルギーを消費する一方で、神経細胞から老廃物が排出されます。睡眠中の脳は浅い眠りの間に老廃物を取り除き、深い眠りの際に大脳を休めています。 ※引用:レム睡眠中におこる大脳毛細血管の血流の上昇と、A2a受容体の関与 脳の機能が低下すると集中力や免疫力が低下したり、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高めたりします。 睡眠の質を向上させる方法 脳梗塞後の眠気の解消や効率よくリハビリを受けるためには、良質な睡眠が重要です。睡眠の質を向上する方法を3つご紹介します。 【睡眠の質を向上する方法】 生活サイクルを整える 就寝3時間前までに夕食をとる 自分に合った寝具を選ぶ 順番にみていきましょう。 生活サイクルを整える 良質な睡眠のために、生活サイクルを整えましょう。生活サイクルを整えるには運動や入浴などの習慣や、体内時計の調節が有効です。 具体的な生活サイクルの整え方を以下にまとめました。 【生活サイクルの整え方】 朝に太陽の光を浴びる 寝る前にパソコンやスマートフォンを長時間見ない ウォーキングやジョギングなどの適度な運動を行う 寝る2~3時間前に入浴する 人間の体内時計は24時間よりも長いので、調節しないと睡眠のタイミングがずれ込んでしまいます。光は体内時計を整える効果があるので朝は太陽の光を浴び、夜間は照明やスマートフォンの使用を控えるのがおすすめです。 就寝3時間前までに夕食をとる 睡眠の質を向上するには、就寝3時間前までに夕食をとりましょう。食事から就寝までの時間が短いと胃が消化活動のため働き続け、脳が興奮してしまいます。 そのため、就寝の際に以下のような影響を及ぼします。 【食事から就寝までの時間が短い場合に起こりうること】 寝つきが悪くなる 睡眠が浅くなる 食べたものが消化しきれず胃もたれをおこす 良い睡眠のためには、寝る2~3時間前に済ませましょう。また、ラーメンや揚げ物などの消化に時間がかかる脂っこい食事は避け、魚や豆腐、たまごなどの良質なたんぱく質を選ぶのもおすすめです。 自分に合った寝具を選ぶ 睡眠の質を向上するには、寝具を見直すのも一つの手です。 起床時に枕から落ちていたり、肩や首がこってたりする方は、枕が合っていない可能性があります。自分の肩幅ほどの幅で、適切な高さの枕を探してみましょう。横向きに寝る方は、高めの枕を選ぶと良いでしょう。 また、マットレスを選ぶ際は実際に横になって力を入れずに寝返りができるか、仰向けで呼吸がしやすいかチェックしてみましょう。 好みの寝具が自分に合っていると限らない点は注意が必要です。体格やマヒの具合にもよるので医師やリハビリ担当スタッフに相談してみましょう。 脳梗塞の後遺症の回復には再生医療による治療がおすすめ 脳梗塞後の後遺症による眠気にお悩みの方は、再生医療による治療も視野に入れてみましょう。 再生医療の治療では一例として、自身の下腹部から採取した細胞から幹細胞を培養して数を増やしてから患部へ点滴を行います。幹細胞は、血管や脳の神経細胞を再生させる効果が期待できます。 当院では再生医療を取り扱っていて脳梗塞の後遺症を改善、予防する治療が可能です。 効果には個人差がありますが脳梗塞の後遺症を根本的に治療したい方は、ぜひ当院にご相談ください。 脳梗塞の後遺症に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症にお悩みの方へ、眠気やあくびの原因や疲れやすさについて解説します。 【脳梗塞の後遺症に関するよくある質問】 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因として、脳内の酸素不足や血流の低下が考えられます。 脳梗塞後は、健康時よりも脳内の血流が少なくなり脳に届く酸素が不足しやすくなるので、酸素を多く取り込もうとあくびが増えることがあります。 また、脳梗塞の後遺症として、夜間に眠れなくなってしまう「不眠症」や睡眠のリズムが乱れて眠りが浅くなる「覚醒障害」の可能性も。 脳梗塞後の眠気やあくびに悩んでいる方は、医療機関に相談しましょう。 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後に疲れやすい原因は、以下の通りです。 【脳梗塞後に疲れやすい原因】 入院生活による体力低下 眠りが浅い 脳梗塞によって損傷した部位から発せられる炎症ホルモン 後遺症による不安やストレス 疲れやすさを改善するには睡眠や生活習慣を整え、リハビリを受けるのが有効です。 【まとめ】脳梗塞の後遺症を回復するために睡眠の質が重要 脳梗塞の後遺症と睡眠は密接な関係にあり、回復には睡眠の質の向上が重要です。 不眠や睡眠不足だと脳の機能が低下し、修復や再生が難しくなってしまいます。生活サイクルや食事、寝具を見直し睡眠の質を高めましょう。 また、脳梗塞後の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療も有効です。後遺症の治療や予防をしたい方はお気軽にご相談ください。
2025.01.09 -
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「脳梗塞退院後の生活が不安」 「退院後に注意すべきことは?」 「退院後の支援制度やお金のことを知りたい」 脳梗塞を発症するとさまざまな後遺症がみられる場合があるので、退院後の生活について上記のような不安を抱えている患者さまやご家族は多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞退院後の注意点やリハビリの内容、支援制度について解説します。 注意すべきことや必要な手続きを把握して、安心して退院後の生活をはじめられるようにしましょう。 脳梗塞退院後の生活で注意すべきこと 脳梗塞退院後の生活で注意すべきことを、以下4つで解説します。 脳梗塞は再発しやすい病気で、発症10年後の再発率は49.7%※とされており、つまり脳梗塞発症後10年の間に半数の方が脳梗塞を再発しています。 ※引用:日本人における脳卒中の10年間の累積再発率 特に食事やお酒・たばこについて心当たりがある方は、生活習慣の見直しが重要です。 一つずつみていきましょう。 食事内容の見直し 脳梗塞退院後の生活では、食事内容の見直しが重要です。 脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化は血管の内部にコレステロールなどがたまって血流が悪くなる症状を指し、高血圧や糖尿病などにより引き起こされます。 そのため、高血圧や糖尿病を避ける食事を摂ることは、脳梗塞の再発リスクの低減と同様の効果があります。 脳梗塞の再発を防ぐ具体的な食事内容の例を下記にまとめました。 基礎疾患や症状によって異なるので、適切な摂取量は医師に相談してみましょう。 お酒とたばこは控える 脳梗塞退院後は、お酒とたばこを控えましょう。 お酒とたばこによる脳梗塞のリスクを下記にまとめました。 お酒は利尿作用があり、脱水状態を引き起こすと血液も濃縮されるので、脳梗塞再発のリスクが高まります。 しかし、脳の血液が安定する2~3カ月以降は少量なら可能と考えられている※ため、お酒を飲みたいと思う方は、適切な飲酒量を医師に相談してみてください。 ※出典:シミズ病院・大宮KENKOU情報局「脳梗塞後のお酒の飲み方は」 たばこに含まれるニコチンは血圧を上げたり血液を収縮させたりする働きがあるため、血栓ができやすくなります。 血栓が脳の血管で詰まってしまうと、脳梗塞が再発する可能性が高まるのでたばこを吸うのは避けましょう。 適度な運動を取り入れる 脳梗塞後の生活では、適度な運動を取り入れてみましょう。 運動は、血管を健康な状態にしたり、筋力を維持したりする効果が期待できます。 適度な運動は脳梗塞の発症予防や再発防止にも効果的で、例えば毎日30分以上の有酸素運動※は動脈硬化の予防に有用です。 ※引用:日本動脈硬化学会 過度な運動は心肺機能に負担をかけるため、軽めのウォーキングや水泳などを1日30分程度、できる範囲から始めてみましょう。 定期検診の重要性 脳梗塞の退院後は定期健診に通い、数値の悪化や再発の早期発見がないかチェックしましょう。 定期健診の主な内容を下記にまとめました。 血圧計を使用して自宅で血圧をチェックするのも健康を意識できるきっかけになるので、試してみてください。 脳梗塞退院後で後遺症がある場合におけるリハビリテーション 脳梗塞の退院後、後遺症がみられる場合は自宅や施設でリハビリを受ける必要があります。 リハビリの種類や目的を紹介します。 順番にみていきましょう。 リハビリの種類と目的 脳梗塞退院後のリハビリは、主に理学療法、作業療法、言語聴覚療法に分けられています。 主なリハビリの種類と内容を下記にまとめました。 リハビリの種類 内容 目的 理学療法 杖や歩行器を使用して歩く 起き上がる、立つ、座るなどの日常動作 運動機能の維持や改善 日常生活の自立や社会復帰を目指す 作業療法 ブロックの移動、ペグさし 応用として手芸やちぎり絵、木工細工など トイレや入浴の動作 食事や更衣の動作 麻痺した手を使う練習 関節の可動域を改善 日常生活動作の改善 高次脳機能の改善 言語聴覚療法 舌や唇の筋力強化 発語器官や呼吸筋の訓練 ことばを思い出す訓練 食べ物や飲み物の飲み込み改善 コミュニケーション障害の改善 その他に、脳の働きを活性化させる目的で、微弱な電流や電磁石を使用して脳を刺激するリハビリもあります。 自宅でできるリハビリ 病院や施設での専門スタッフとのリハビリ時間が限られているため、自宅や日常生活の中で自主的にリハビリに取り組むことが重要です。 自宅でできるリハビリを下記にまとめましたので、参考にしてみてください。 脳梗塞後は疲れやすかったり集中力が切れやすかったりするので、無理のない範囲で行いましょう。 ただし自己流のリハビリは、場合によっては症状を悪化させることもあるため、言語聴覚士・理学療法士・作業療法士などの専門家に相談しつつトレーニングメニューを決めてください。 専門施設でのリハビリ 脳梗塞後の退院後は、施設に入所したり外来を利用してリハビリを継続しましょう。 退院後に何もしないでいると、入院中のリハビリで回復した機能が低下してしまう可能性があります。 主な施設を下記にまとめました。 一般的な病院や介護施設は現状を維持するリハビリが目的になりがちですが、リハビリ専門の施設だと機能の改善に積極的なプランを作成してくれます。 個々の能力に寄り添ったリハビリを受けたいとお考えの方は検討してみてください。 脳梗塞患者の家族や介護者ができるサポート 脳梗塞の退院後の生活でご家族や介護者ができるサポートを紹介します。 詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。 日常生活のサポート 脳梗塞の退院後の生活では、家族や介護者による日常生活のサポートが重要です。 患者の機能状態によりますが、自宅の環境の整備や食事の補助、介護保険の申請が必要な場合があるためです。 具体的には手すりやスロープの改修をしたり、握りやすいスプーンを用意したりして患者本人ができるかぎり自分の力で日常生活が送れるようにしましょう。 精神的サポートも大切 多くの脳梗塞の患者は、機能の回復具合や脳梗塞の再発について悩みや不安を抱えているため、精神的なサポートも大切になります。 また、退院してしまうと周りに相談できる相手や一緒にリハビリに励む仲間がいなくなるので、リハビリに対する意欲を維持し続けるのが難しくなりがちです。 患者の家族や介護者は、リハビリを継続するためにも声かけや傾聴による精神的なサポートが求められます。 介護者の負担を軽減する方法も重要 患者の家族や介護者も患者の回復の状態を心配したり、動作が心許ないために目を離せなかったりとさまざまな不安をお持ちでしょう。 患者の家族や介護者の不安を解決する方法の一例をご紹介します。 当院でも扱っている再生医療とは、わかりやすく言うと自然治癒能力(再生する力)を活かした最先端の医療です。 当院では脳梗塞を含む脳卒中の患者さまに対しては、自己脂肪由来の幹細胞治療を提供しており、脳梗塞による後遺症の根本的な治療や再発の予防が期待できます。 再生医療(幹細胞)治療については早ければ早いだけ良い結果が出る傾向にあるため、脳梗塞後の早期回復に興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービス 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービスを紹介します。 実際の症状や支援制度・サービスの条件を照らしあわせて、利用できるかどうかをチェックしてみましょう。 高額療養費制度 高額療養費制度とは、月の初めから終わりまでの間に自己限度額を超えて保険適用の治療を受けた際、超過した金額が払い戻される制度です。 脳梗塞による保険適用の範囲は診察料、検査料、投薬料、入院料などです。先進医療費や差額のベッド代、食事代は対象外なので注意しましょう。 自己限度額は年齢や所得によって異なり、70歳以上で住民税非課税世帯の方が入院や外来を利用した際は1カ月あたり15,000円~24,600円です。 申請書の提出先は加入している医療保険によって異なりますが、国民健康保険の場合は各市町村の窓口です。 介護保険 食事や排せつ、入浴に介護が必要な場合は介護保険制度を利用しましょう。 介護保険制度とは介護が必要な度合いに応じて介護サービスを受けられる仕組み※を指し、利用には介護度の認定を受ける必要があります。 ※引用:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」 介護サービスは施設に入所する居住系サービスと自宅にいながら支援を受ける在宅系サービスに分けられます。 主なサービスを下記にまとめました。 施設への入所から在宅での家事のサポートや福祉用具の貸与まで、幅広いサービスがあります。 介護保険の対象者 介護保険制度を利用できる対象者をみていきましょう。 結論から述べると、脳梗塞によって介護や支援が必要な方は40歳以上から介護保険制度を受けられます。 介護保険の被保険者は2種類あり、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。 具体的な内容を下記にまとめました。 脳梗塞は特定疾病に含まれるので、40歳以上の方であれば介護保険制度を利用できると言えます。 要介護・要支援認定の申請 要介護、要支援認定の申請方法を紹介します。 介護保険制度の対象者であっても申請して介護認定を受けないと、全額が自費負担となってしまいます。 申請方法を下記にまとめました。 認定には時間がかかる場合があるので、退院後の生活をスムーズにするためにも早めの申請を心がけましょう。 傷病手当金 傷病手当金は、病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度で、月給の2/3程度の金額が支給されます。 支給には条件が4つあり、すべて満たしている必要があります。 具体的な内容を下記にまとめました。 ※引用:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 入院が必要なほどの脳梗塞がおこると、長期の治療やリハビリが必要です。給料の全額支給は難しいですが、利用できる制度は活用しましょう。 障害年金 障害年金とは脳梗塞を含む病気やケガなどで障害の状態になった際に生活を支える目的で支払われます。 公的年金に加入し保険料を支払っていて、障害の状態が一定の状態にある方が対象です。 支給の申請をする際は、年金事務所や年金相談センターに問い合わせてみましょう。 脳梗塞の後遺症でお困りの方は再生医療の選択肢もあります 28 ALL Youtube TrueviewSkippable Instream 15s BaseCreative 脳梗塞の後遺症でお困りの方や、早期回復を目指す方には再生医療も一つの手です。 再生医療とは、脳卒中(脳梗塞・脳出血)後に失われた脳の神経細胞を修復したり、血管を再生させる効果が期待できる治療法です。 当院では、患者さま自身の細胞から幹細胞を採取し、培養させたうえで体内に投与します。 幹細胞とは、神経や血管などに変化する能力があり、損傷箇所に到達して修復を促進します。 脳梗塞の再生医療による治療は結果に個人差がありますが、早ければ早いほど良い結果が出ているので、治療を迷われている方はお気軽にご相談ください。 脳梗塞退院後の生活でよくある質問 脳梗塞退院後の生活でよくある質問をまとめました。 不明な点を少しでも解消して退院後の生活をイメージしてみましょう。 脳梗塞で後遺症が無い確率は? 厚生労働省※1の調査によると、18-65歳の脳梗塞患者の約21.7%※2が、発症から3ヶ月後に完全回復することが調査で判明しています。 ※1出典:厚生労働省「脳卒中患者(18-65歳)の予後」 ※2計算式:スコア0(まったく症状がない)患者数344人÷総患者数1,584人 厚生労働省の調査に基づく、18-65歳の脳梗塞患者の発症3ヶ月後の状態と割合については以下の通りです。 症状の程度(mRSスコア) 割合 まったく症状がない(mRS 0) 21.7% 症状はあるが日常生活に支障なし(mRS 1) 29.7% 軽度の障害があるが自立(mRS 2) 17.8% 中等度の障害、歩行に介助必要(mRS 3) 6.2% 日常生活に介助が必要(mRS 4) 11.5% 重度の障害、常時介護が必要(mRS 5) 5.7% 死亡(mRS 6) 7.4% 後遺症の程度は早期の治療開始とリハビリテーションの取り組みによって大きく変わるため、発症後の迅速な対応が極めて重要と言えます。 また、退院時には大きな後遺症がなくとも、身体に違和感を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 左右どちらかのしびれや脱力感などがみられたら、軽度の脳梗塞を起こしている可能性があります。 脳梗塞が再発しやすいのはどんな人? 脳梗塞が再発しやすい方を下記にまとめました。 生活習慣を見直し、定期的に検査を受けて再発を防ぎましょう。 脳梗塞の再発防止のために避けるべき食品は? 脳梗塞の再発リスクが高まる食品は以下の通りです。 食物繊維や不飽和脂肪酸が摂れる野菜、魚類、海藻を積極的に食事に摂り入れてみましょう。 脳梗塞退院後の生活についてのまとめ 脳梗塞の退院後の生活では、生活習慣を見直したり定期的な検査を受けることで再発を防止しましょう。 また、後遺症によってはリハビリを継続し、必要なサービスを活用して機能が低下しないようにするのも重要です。 脳梗塞の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療もおすすめです。 当院では、再生医療による脳梗塞の治療も取り扱っているので、後遺症についてご不安やお悩みがある場合はお気軽にお問い合わせください。
2025.01.08 -
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脳梗塞を経験した方やそのご家族にとって、記憶障害は日常生活に大きな影響を及ぼす深刻な問題です。 突然、大切な過去を思い出せなくなったり、日々の出来事を忘れてしまったりする状況に直面すると、困惑や不安を抱える方が多いでしょう。 「記憶障害はどうして起こるのか」「改善する方法はあるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞により引き起こされる記憶障害の種類や症状、原因について詳しく解説します。 また、効果的なリハビリテーションの方法や社会的支援の活用方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞による記憶障害の種類と症状 脳梗塞によって脳への血流が遮断されると、記憶障害を引き起こします。その症状は、影響を受けた脳の部位や損傷の程度によってさまざまです。 ここでは5種類の記憶障害と症状について紹介します。 記憶障害の症状は、患者の日常生活や対人関係に影響を及ぼすため、それぞれの特徴を理解しておくのが大切です。 短期記憶障害 短期記憶障害とは、新しい情報を短期間だけ保持する能力が低下して、数秒から数分間の記憶を保持するのが難しい状態です。 短期記憶障害は、日常生活で必要な動作や作業に大きな影響を及ぼし、さまざまな支障を引き起こす原因となります。 長期記憶障害 長期記憶障害は、数日~数週間、数十年で覚えた情報や出来事を思い出すことが難しくなる状態です。 長期記憶障害は、過去の経験や知識を思い出すことが難しくなるため、日常生活や人間関係に影響を及ぼすことがあります。 エピソード記憶障害 エピソード記憶障害は、過去に体験したエピソードを思い出すのが難しくなる状態です。 自身が体験した内容に関しての記憶が一部、あるいはエピソードが全体的に思い出せなくなってしまいます。出来事がいつ、どこで、何が起こったのか、文脈的な情報を含む記憶が失われるのが特徴です。 手続き記憶障害 手続き記憶障害は、体で覚えた動作や技能を忘れてしまう状態です。 主に頭でハッキリ考えずともできていた、習慣的な行動に支障をきたします。今まで意識せずに行っていた動作ができなくなり、日常生活で大きなストレスや不便さを感じる原因になります。 見当識障害 見当識障害は、時間や場所、自分自身に関する基本的な認識が混乱する状態です。 見当識障害は、記憶だけでなく、日常生活全般に深刻な影響を及ぼします。 とくに、自分がどこにいるかを認識できないため、道に迷ったり、家に帰れなくなるといった危険な状況が生じることもあります。 見当識障害は脳梗塞だけでなく、認知症の初期症状としても見られる症状です。 脳梗塞により記憶障害になる原因 脳梗塞は、脳への血流がなんらかの理由で遮断されることによって発生し、脳細胞が酸素や栄養を十分に受け取れなくなることでダメージを受けます。 記憶に関連する脳の部位にダメージが及ぶと引き起こされるのが記憶障害です。 とくに、重要な影響を受ける脳の部位と、それによって生じる記憶障害については以下の表にまとめました。 影響を受ける部位 主な機能 障害が起きた際の症状 海馬 短期記憶から長期記憶への変換、空間記憶の形成 新しい記憶の形成が困難、最近の出来事を覚えられない 側頭葉 長期記憶の保存、視覚や聴覚の記憶処理 過去の記憶の想起が困難、物や人の認識に支障 前頭葉 作業記憶、記憶の整理と実行機能 複数の作業の同時進行が困難、計画立案の障害 とくに、海馬や側頭葉、前頭葉といった記憶の形成や保持に深く関わる領域が影響を受けると、短期記憶や長期記憶、さらにはエピソード記憶といった多様な記憶機能に障害が現れることがあります。 また、脳梗塞の影響で脳のネットワークが遮断されると、情報を効率的に処理したり記憶を引き出したりする能力も低下します。 これにより、日常生活における出来事や新しく学んだ知識を覚えることが難しくなるのです。さ らに、記憶だけでなく、認識力や判断力などの認知機能全般に影響を及ぼす場合もあります。 脳梗塞による記憶障害は、発生した部位や範囲、血流が遮断されていた時間の長さによって症状の程度が異なるため、早期の診断と治療が不可欠です。 また、リハビリテーションによって残存する脳の機能を活用し、記憶障害の改善を目指すことができます。 他にも、もともと我々の身体にある幹細胞を活用した再生医療による治療という選択肢もあります。 脳卒中(脳梗塞、脳出血)再生医療の治療結果は、病状や体の具合によって個人差はあるものの、一度機能しなくなった脳細胞が復活し、脳卒中の後遺症を改善させる効果が期待できます。 再生医療による脳の再生を目指したい方やご興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害のリハビリテーションの種類 リハビリテーションでは、患者の記憶機能を補助したり代替したりするさまざまな方法が用いられます。 ここでは、脳梗塞による記憶障害に対して行われるリハビリテーションの種類を紹介します。 また、ご家族のサポートとリハビリ効果を高める再生医療についても解説しているので、ぜひご覧ください。 内的記憶戦略法 内的記憶戦略法※は、脳梗塞による記憶障害のリハビリにおいて、患者自身が意識的に記憶力を高めるための方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 この方法では、記憶を活性化し情報を効果的に覚えるための具体的な工夫を取り入れます。 代表的な方法として、語呂合わせや情報をカテゴリーごとに整理する手法、視覚イメージ法などがあります。 内的記憶戦略法の主な手法とその実践例を以下の表にまとめました。 手法 概要 具体的な実践例 特徴・効果 カテゴリー分類法 情報を共通の特徴で分類して記憶する 野菜(にんじん、キャベツ)、果物(りんご、みかん)のように分類 情報の整理が容易 関連性のある情報をまとめて記憶しやすい 視覚イメージ法 記憶したい情報を具体的な映像として思い描く 買い物リストに「牛乳とパン」がある場合、「巨大なパンで牛乳パックをサンドイッチ」とイメージ 印象的な記憶として定着しやすい 視覚的記憶の活用 これらの内的記憶戦略法の利点は、患者自身が能動的に取り組むことで、記憶の回復を目指せる点です。 この方法は、日常生活に取り入れやすく、繰り返しの練習により効果が高まるとされています。 外的補助手段 外的補助手段※は、外部ツールを利用して記憶力の低下を補助する方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 患者が記憶を頼りにせずとも日常生活を円滑に送るための方法で、実用性が高いのが特徴です。 外的補助手段の具体的な方法と実践のポイントを以下の表にまとめました。 記憶障害があるとスマートフォンなど外部ツールの使用を忘れてしまいますが、繰り返しにより習慣になる場合もあります。 外的戦略は習慣化するまでは患者本人だけで継続するのは難しく、ご家族や支援者が協力して環境を整えることで、より効果を発揮します。 課題指向型アプローチ 課題指向型アプローチは、患者が日常の生活で直面する具体的な問題に焦点を当て、その解決を目指す実践的なリハビリテーション方法です。 たとえば、以下のような具体的な課題設定と実践方法が挙げられます。 生活場面 具体的な課題例 実践方法 期待される効果 買い物 商品リストの記憶と購入 リストの作成と確認 必要に応じてメモの活用 購入手順の計画 記憶力の向上 買い物の自立性確保 家事 段取りを考えた家事の実行 作業手順の確認 チェックリストの活用 時間配分の管理 実行機能の改善 家事の効率化 これらのリハビリにより、実際の生活で記憶を活用する能力を高められますが、課題の設定は患者ごとに異なり、その人の能力や生活環境に合わせて設定する必要があります。 必要に応じて外的補助手段も活用し、記憶力の向上を図りながらも、実際の生活場面での失敗を最小限に抑えるアプローチも可能です。 また、成功体験を重ねることで自信を回復させる効果も期待できます。 家族による環境のサポートも重要 脳梗塞による記憶障害に対しては、家族のサポートが患者の回復を支える重要な要素です。 家族は患者の生活環境を整えるだけでなく、心理的な支えにも大きな役割を果たします。 効果的な家族サポートの具体例として、以下のような環境づくりが挙げられます。 サポートの種類 具体的な方法 期待される効果 実践する上での注意点 物理的環境整備 必要なものを見える位置に配置 日常生活の自立支援 配置場所の一貫性を保つ 習慣形成支援 スマートフォンのアラーム設定を一緒に練習 自己管理能力の向上 段階的に習慣づける 心理的サポート 適切な距離感を保ちながらの見守り 自尊心の維持 過度な干渉を避ける しかし、リハビリテーションによる回復には個人差があり、時には望むような改善が見られないこともあります。 家族とはいえ、すべてのサポートをするのは容易ではなく、負担が大きくなることで、ご家族の方が心身に疲れを感じることもあるでしょう。 また、記憶障害のある患者本人にとっても家族への依存を余儀なくされる状況は大きな精神的負担となるため、早期の機能回復により患者と家族双方の負担軽減が望まれます。 そこで、患者さまの回復をより早めつつご家族の負担を軽減する手段として、ぜひ再生医療もご検討ください。 脳梗塞による記憶障害でお困りの方、あるいは家族のサポートに課題を感じている方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害への社会的支援 脳梗塞による記憶障害を抱える方が利用できる社会的支援について紹介します。 障害者手帳や各種支援制度、家族の相談窓口など、さまざまなサポートを受けることで、患者本人だけでなくご家族の負担も軽減できます。 障害者手帳 障害者手帳は、身体や精神に障害がある方が受けられる社会的支援の基盤となる制度です。 要件を満たせば手帳の交付を受けられる可能性があり、障害者手帳を取得すると、以下のような支援を受けられます。 障害者手帳には、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3つの種類があります。 記憶障害を含む高次脳機能障害が原因で日常生活や社会活動に支障が生じている場合、器質性精神障害として精神障害者保健福祉手帳の申請対象※となる可能性があります。 ※参照:国立障害者リハビリテーションセンター「高次脳機能障害支援に関する制度」 自立支援給付や地域生活支援事業 自立支援給付や地域生活支援事業は、障害を抱える方が地域社会で自立して生活するための支援を提供する制度です。 これらの支援は、記憶障害による日常生活の困難を補うために利用できます。 お住まいの市町村の福祉担当窓口で詳細の確認および申請が可能です。 ご家族が相談できるサービス 脳梗塞による記憶障害は、患者だけでなくそのご家族にも大きな負担がかかります。こうした状況に対応するため、各自治体では以下のような支援が受けられます。 窓口 受けられるサービス 地域包括支援センター 必要な制度やサービスの紹介 後見人制度活用のサポート など 居宅介護支援事業所 介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)の作成 必要な訪問介護やデイサービスなどの調整 記憶障害を含む患者の状況に応じた適切な介護サービスの提案 市区町村の福祉課や障害者支援担当窓口 障害者手帳の申請手続き 自立支援給付や地域生活支援事業の利用方法の案内 公的な支援に関する相談対応 相談窓口は無料で利用できる場合が多く、まずは最寄りの自治体の福祉課や障害者支援担当窓口に問い合わせてみることをおすすめします。 脳梗塞による記憶障害についてのまとめ 脳梗塞による記憶障害は、短期記憶や長期記憶、エピソード記憶などさまざまな記憶機能に影響を及ぼします。 記憶障害への対応には、原因を理解し、適切なリハビリテーションを行うことが重要です。 記憶障害について正しく理解し、適切な対策を講じることで、患者とご家族が安心して生活を送る環境を整えられます。 金銭的な負担やご家族の負担を軽減できる社会支援サービスもありますので、これらを活用しながら、無理のない形で後遺症と向き合っていくことが大切です。 脳梗塞による後遺症のリハビリ効果を高める、あるいはご家族の負担を減らすための選択肢の1つとして、ぜひ再生医療もご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療は厚生労働省に受理された治療方法で、脳梗塞においては再生医療で脳卒中の再発予防にも役立ちます。 再生医療について気になる点は、お気軽に当院へお問い合わせください。
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高齢者が脳梗塞を発症した場合、回復見込みはあるのか不安を抱える方も多いでしょう。 また、家族としてどのように支えれば良いかわからず、戸惑うこともあるかもしれません。 脳梗塞は発症後の対応が重要であり、適切な治療やリハビリ次第で生活の質を大きく改善できる可能性があります。 この記事では、高齢者が脳梗塞を発症した際の回復の見込みや後遺症への対応方法について詳しく解説します。 リハビリや再生医療といった治療法、さらに家族ができる具体的なサポート方法も紹介します。 脳梗塞についての疑問や悩みを解消し、回復への道を支えるための情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。 高齢者に多い脳梗塞とは?基礎知識と回復の可能性 高齢者に多く見られる脳梗塞は、脳への血流が途絶えることで発症する疾患です。 主な原因として動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が挙げられ、加齢によってそのリスクはさらに高まります。 脳梗塞にはいくつかの種類があり、発症した際の症状や回復の見込みはケースによって異なります。 とくに高齢者の場合、発症後の回復には年齢やリハビリの質が大きく影響し、後遺症が出ることも少なくありません。 ここからは、脳梗塞の種類や症状、回復の見込みについてさらに詳しく解説していきます。 気になることについては、ここで確認してください。 脳梗塞の種類と症状 脳梗塞は主に以下の3種類に分類されます。 高齢者が脳梗塞を発症しやすい理由は、加齢による動脈硬化の進行や、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の影響が大きい点です。 詳細について知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介していますのでご参照ください。 高齢者が脳梗塞になった場合の回復見込み 一般的に年齢が高くなるほど、若年層と比較して高齢者の脳梗塞の回復には時間がかかる傾向があります。 しかし、高齢者であっても適切な治療を受け、計画的にリハビリを進めることで、日常生活動作(ADL)の向上が十分に期待できます。 高齢者が脳梗塞を発症した場合の回復の見込みはさまざまな要因に左右されますが、回復見込みに影響を与える主な要因には以下があります。 とくに重要なのが「発症から治療までの時間」で、発症後4.5時間以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、迅速な対応が回復に影響します。 この早期治療とリハビリテーションの組み合わせにより、機能改善が期待できます。 脳には「神経可塑性」という特性があり、適切なリハビリを継続することで、損傷した機能の一部を他の部位が補うことが可能です。 ただし、回復の程度や速度には個人差が大きく、同じような症状であっても、改善の度合いは患者によって異なることに留意が必要です。 回復のステージと必要な対応について、以下の表にまとめました。 回復段階 重要なポイント 期待される効果 具体的なリハビリ例 発症直後 t-PA治療の実施(4.5時間以内) 脳細胞の損傷を最小限に抑制 早期離床訓練 急性期 早期リハビリの開始 二次障害の予防、基本機能の維持 関節可動域訓練、嚥下訓練 回復期 計画的なリハビリの継続 日常生活動作(ADL)の改善 麻痺した手足の運動訓練、言語訓練、生活動作訓練 維持期 生活習慣の改善と基礎疾患の管理 機能維持と再発予防 自主トレーニング リハビリの成果は継続性や頻度に依存するため、専門家の指導のもとで計画的かつ段階的なアプローチを行うことが重要です。 たとえば、麻痺が残った手足の運動訓練では関節の動きを維持することから始めたり、失語症に対する言語訓練などによってコミュニケーション能力の回復を目指します。 日常生活動作(ADL)の改善については個人差があるものの、高齢者の場合でも比較的軽い脳梗塞であれば、早期治療とリハビリの組み合わせにより機能改善が期待できます。 ただし重度の場合は介助を必要とする場面が残る可能性もあり、さらに脳梗塞は再発リスクが高い疾患であり、とくに高齢者ではその傾向が顕著です。 そのため回復期以降も、以下の点で注意が必要となります。 早期かつ適切な治療とリハビリを行うことで、高齢者であっても脳梗塞後の生活の質を向上させることが可能です。 焦らず、専門家のサポートを受けながら、段階的に回復を目指すことが大切と言えるでしょう。 高齢者で脳梗塞の後遺症が残った場合の回復見込み 高齢者が脳梗塞を発症した後、後遺症が出る可能性は若年層より高く、回復にも時間がかかる傾向があります。 とくに80歳以上や90歳以上では、その傾向が顕著です。高齢者が脳梗塞を発症した際に現れやすい後遺症は、以下の通りです。 運動麻痺:手足が動きにくくなる、片側が麻痺する 言語障害:言葉が出にくい、会話が難しくなる(失語症) 嚥下障害:食べ物や飲み物が飲み込みにくくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まる 認知機能の低下:記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす 後遺症が残った場合でも、回復見込みはありますので、以下のポイントを意識して症状の緩和や生活の質の向上を目指しましょう。 身体機能や言語機能の回復には、毎日の継続が大切です。理学療法や作業療法を通じて、日常生活動作をサポートします。 また、脳梗塞後の高齢者が後遺症と向き合うためには、家族や介護者のサポートが欠かせません。 自宅に手すりの設置などの環境整備、食事のサポートなどの助けがあると、身体的・精神的な負担が軽減されます。 脳梗塞は一度発症すると再発しやすい病気であり、とくに高齢者の場合は再発による後遺症の悪化リスクが高まります。 生活習慣の改善を図ることで、脳梗塞の再発リスクを抑えることが重要です。 脳梗塞の後の高齢者の回復を助けるリハビリについて 脳梗塞後の後遺症からの回復を助けるリハビリとして、段階に応じたリハビリテーションを行います。 リハビリは大きく急性期、回復期、維持期の3つの期間に分けられ、それぞれ異なる目的とリハビリ内容を設定します。 リハビリの期間 発症からの期間 目的 主なリハビリ内容 急性期 発症から1~2カ月以内 合併症の予防と身体機能の維持 関節が固まるのを防ぐ関節可動域訓練 座る、立ち上がるなどの離床訓練 回復期 発症から6カ月以内 身体機能・日常生活動作(ADL)の回復 歩行や体幹の筋力強化 食事や着替えなど生活動作の練習 言語訓練 維持期(生活期) 発症から6カ月以降 機能の維持と生活の質向上 ストレッチやウォーキング 日常の動作や趣味 急性期には合併症の予防、回復期には機能の回復、維持期にはその維持と生活の質の向上を目指します。 脳梗塞後の高齢者の回復には、継続的なリハビリが欠かせません。医療スタッフや家族と協力しながら、その人の状態に合ったリハビリを進めていきましょう。 再生医療で実際に高齢者が苦しむ脳梗塞の後遺症が改善した事例 再生医療の一環として行われる幹細胞治療は、脳梗塞後の高齢者の後遺症改善に効果が期待できます。 今回は当院(リペアセルクリニック)における実際の症例と治療後の経過について簡単に紹介します。 年齢 症例 治療方法 治療後の経過 60代男性 急性期脳梗塞の後遺症 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を1回実施(3回予定) 左手のしびれが完全に消失し、不整脈も改善。呂律も回復してスムーズに発語できるようになった。 60代男性 脳梗塞後の右上肢の機能低下 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を3回実施 右肩の可動域と筋力が改善し、ボールを投げる動作が可能になった。脳の血管造影検査で再生した血管の確認も得られる。 70代男性 急性期脳梗塞の後遺症 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を3回実施 初回投与後1週間で左口周りと左手のしびれが軽減し、夜間頻尿が消失。4か月後にはふらつき、めまいがなくなり、小走りも可能になった。 それぞれの詳しい紹介は以下にて紹介していますので、詳細が気になる方はぜひご確認ください。 ・急性期脳梗塞 幹細胞治療 70代男性 ・急性期脳梗塞の後遺症がほぼ改善! 60代男性 ・脳梗塞後の造影検査で血管が再生されたのを確認!60代男性 ご家族ができるサポート 脳梗塞後の高齢者を支えるには、家族の協力が欠かせません。心理的な支援や日常生活のサポートによって、本人の回復を助けられます。 以下でポイントをまとめました。 心理的サポート ・不安を軽減するために、本人の気持ちに寄り添った声かけを行う ・小さな進歩を褒めるなど、意欲を高める環境を作る 日常生活の支援 ・安全な住環境の整備:手すりの設置や段差の解消、滑りにくい床材の導入を行い、転倒リスクを軽減する ・食事の工夫:栄養バランスを意識しつつ、飲み込みやすい形態(刻み食やゼリー状の食品)の食事を取り入れる ・外部サービスの活用:訪問リハビリやデイサービスの利用を検討し、必要に応じて保険外サービスも活用する サポートは重要ですが、家族だけですべてを抱え込むのは困難な場合も多いため、外部の介護サービスなどの活用も検討しましょう。 また、幹細胞治療のような再生医療であれば、本人の回復を促し、家族の負担を軽減できる可能性もあります。 再生医療についてご興味がある方やご検討している際は、お気軽に当院へご相談ください。 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問は以下の通りです。 脳梗塞になると長生きできない? 高齢者で脳梗塞になる・繰り返すと治療できない場合もある? 以下では上記の質問に回答しながら、高齢者でも可能な回復の道筋や治療の選択肢について解説します。 脳梗塞になると長生きできない? 脳梗塞を発症すると命に関わる場合があるのは事実ですが、それが必ずしも長寿を妨げる要因ではありません。 適切な治療やリハビリ、再発予防の取り組みによって、発症後も生活の質を維持しながら長生きできる可能性があります。 まずは高血圧や糖尿病などの基礎疾患の管理が重要です。塩分を控えた食事や適度な運動を日常生活に取り入れることで、再発リスクを低減できます。 定期的な健康診断を受け、高血圧などの脳梗塞の要因を早期に発見することも大切です。 また、リハビリを通じて身体機能や日常生活動作の改善が可能です。歩行訓練や失語症の改善に向けた言語訓練などが効果を発揮します。 家族や介護者による心理的な支えが本人の意欲を高める鍵となるので、長い目で見ると結果的に負担が軽くなることも期待できるでしょう。 リハビリには家族のサポートは大切ですが、負担が大きくならないように支援サービスの活用も検討してみてください。 訪問リハビリやデイサービスといった外部の支援を取り入れることで、家庭での介護負担を軽減しながら、適切なケアを継続できます。 高齢者で脳梗塞になる・繰り返すと治療できない場合もある? 高齢者が脳梗塞を発症した場合、治療が難しいケースは確かに存在します。これにはいくつかの要因が関係しています。 高齢になるほど身体の回復力が低下し、外科的処置や薬物治療が適さない場合があります。 また、発症からの時間が遅れたためにt-PA治療(血栓を溶かす治療)などの早期治療が適用できないケースも少なくありません。 さらに、麻痺や言語障害が深刻でリハビリを行うことが難しい状況や、基礎疾患(心臓病や糖尿病など)が治療の妨げとなることもあります。 このような場合、従来の治療法が行えないため、代替策として以下の対応が考えられます。 治療が行えない場合でも、症状の進行を防いで生活の質を保つための工夫や支援を行うことが重要です。 家族や介護者が連携し、患者ができる限り快適な生活を送るためのサポートが大切です。 まとめ:脳梗塞後の高齢者でも回復見込みはある 脳梗塞は高齢者にとって深刻な疾患ですが、適切な治療とリハビリを行うことで、回復への道が開ける場合があります。 ただし、若い世代と比較すると、加齢による回復力の低下や後遺症が出る可能性が高く、完全な回復は難しいケースもあります。 これらの要因を踏まえつつ、再発を防ぎながら生活の質を向上させることが重要です。 近年、幹細胞治療をはじめとする再生医療は、高齢者の脳梗塞後の後遺症改善において注目されています。 再生医療は、損傷した脳細胞を再生させ、従来の治療で難しかった回復を目指せる方法です。 もし、脳梗塞後の後遺症や回復についてお悩みの場合は、ぜひ当院へお問い合わせください。
2025.01.08 -
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脳梗塞は、突然の発症だけでなく再発するリスクが高い病気です。 一度発症すると、「また起こったらどうしよう」「再発を防ぐには何をすればいいのか」といった不安や疑問を抱える方も多いでしょう。 再発すると後遺症が悪化し、生活の質に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 本記事では、脳梗塞の再発リスクや具体的な予防策について詳しく解説します。 危険因子の管理や生活習慣の改善、再発を早期に察知する方法から、注目されている再生医療の可能性まで幅広く取り上げています。 再発を防ぎ、安心して生活を送るための知識をぜひお役立てください。 脳梗塞は再発しやすい|再発率とリスクについて 脳梗塞は、一度発症すると再発しやすい病気であり、予防に十分な注意が必要です。 再発すると後遺症が悪化したり、生活の質が大きく低下する可能性があります。 ここからは、脳梗塞の再発率や再発を引き起こす要因、さらに再発による影響について詳しく解説します。 脳梗塞の再発率と再発を高める要因 脳梗塞は初回発症後に再発する確率が高く、発症から1年以内の再発率は12.8%、10年以内の再発率は51.3%とのデータ※があります。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 再発率の数字からも分かるように、脳梗塞は長期的に再発リスクが続く病気です。とくに以下のような項目は危険因子と呼ばれ、再発を高める要因とされています。 これらの危険因子に注意して生活を送ることが、再発予防の鍵となります 脳梗塞を再発・2回以上繰り返した場合の影響とリスク 脳梗塞を再発、あるいは2回以上繰り返すと、後遺症がさらに重くなるリスクがあります。 このように、脳梗塞の再発は患者の生活の質を大きく損ない、治療やリハビリの負担も増加させます。 後遺症を悪化させないためには、再発の予防と早期対応が何より重要です。 脳梗塞を予防する具体的な方法 脳梗塞は、生活習慣や健康状態の見直しといった適切な予防策を講じることで、リスクを大幅に低下させることができます。 とくに生活習慣や健康状態の見直しが予防の鍵です。 以下では、脳梗塞予防のための具体的な方法を詳しく解説します。 脳梗塞を引き起こす危険因子を管理する 脳梗塞の予防においては、危険因子の管理と生活習慣の見直しが重要です。 危険因子としては主に以下が挙げられます。 とくに高血圧は最大のリスク要因とされており、脳梗塞の予防のためには血圧を正常範囲に保つ必要があります。 高血圧を防ぐために、食事の塩分を控えめにするほか、アルコール摂取を控える、適度な運動をして体重が増えないようにしましょう。 血栓を予防する 脳梗塞を予防するためには、血栓の形成を防ぐ抗血栓療法が有効です。 抗血栓療法は脳梗塞に効果的な方法の一つとして広く用いられています。 血液をサラサラにする抗血栓薬の服用により、血液中の血小板の働きを抑えて血管内で血栓ができにくい状態を維持します。 さらに、血栓がすでに形成されている場合や高度な動脈硬化がある場合には、外科的治療も選択肢の一つです。 例えば、動脈の詰まりを取り除く手術や、血流を確保する治療などがあります。 生活習慣を見直す 食生活や喫煙、飲酒の習慣を見直すことで、脳梗塞のリスクを減らせます。 食生活では塩分を摂りすぎると高血圧の要因になります。そして喫煙は血管を傷つけて動脈硬化を進行させる要因に、飲酒は高血圧や心房細動(不整脈)を招く要因となります。 また、水分補給も重要です。脱水によって体内の水分量が減少すると、血液量が減少し血液濃度が高くなります。 適度に水分を摂取して、血液がドロドロにならないようにしましょう。 適度に運動をする 有酸素運動や軽いリハビリを日常生活に取り入れることで、血流の改善や心肺機能の向上が期待されます。 筋トレよりは有酸素運動が好ましく、ウォーキングなどの軽い運動の習慣化が大切です。 運動の種類 具体例 健康への効果 実践のポイント 有酸素運動 ウォーキング 軽いジョギング 水中歩行 血流改善 心肺機能向上 血圧の安定化 無理のない速度で継続的に行う 日常活動 階段の使用 徒歩での移動 家事 ガーデニング 自然な形での運動量確保 生活習慣の改善 意識的に体を動かす機会を増やす 日常的に体を動かして、血流を促進するのが大切です。適度な運動により血管や心臓の健康を保ち、脳梗塞や高血圧のリスクを減らしましょう。 脳梗塞再発のサインを見逃さない 脳梗塞再発の早期発見には、FAST(Face, Arm, Speech, Time)というサインを覚えておくと役立ちます。 上記の症状がみられた際には、迅速に医療機関にかかりましょう。脳梗塞の発症後4.5時間以内は血栓を溶かす「血栓溶解療法(t-PA静脈注射)」※の対象です。 ※参照:国立循環器病研究センター「4.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です」 少しでも早く治療を受けることで、後遺症を最小限に抑えられる可能性が高まります。 定期健診を受ける 定期健診は脳梗塞の危険因子を早期に発見し、適切な対応を取るために欠かせない予防策です。 とくに、脳梗塞の主なリスクである高血圧・糖尿病・脂質異常症は、自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な検査によるチェックが必要です。 健診では、血圧や血糖値、コレステロール値の測定に加えて、心電図や頸動脈エコー検査などにより隠れたリスクを見つけられます。 定期健診を通じて危険因子を早期に発見し、脳梗塞の発症や再発を未然に防ぎましょう。 脳梗塞の再発予防にはぜひ再生医療もご検討ください 再生医療、とくに幹細胞治療は、脳梗塞の再発予防と後遺症の改善に期待ができる治療法です。 幹細胞治療では、患者自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、点滴で体内に戻します。 幹細胞は損傷した神経組織の修復や再生を促進するのが特徴です。 さらに幹細胞には抗炎症作用があり、脳内の炎症を抑制して再発リスクの低減ができます。 当院の再生医療による脳卒中への治療効果についても、多くの症例がございます。 50代の女性が脳梗塞と脳出血を経験し、右半身麻痺や言語障害などの後遺症に悩まされていましたが、幹細胞治療を3回受けた結果、以下のような改善が見られました。 ※症例紹介の記事:https://fuelcells.org/case/19528/ 再生医療は脳梗塞の再発予防だけでなく、既存の後遺症の改善にも効果が期待できます。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞の再発を予防についてよくある質問 脳梗塞の再発を予防するには、リスクを理解し適切な対策を講じることが重要です。 最後に疑問がある方はここで解消していきましょう。 脳梗塞の再発しやすい時期は? 脳梗塞は、発症後1カ月以内に再発するリスクが最も高いとされています 発症から早期の時期に血圧や血糖値の管理が不十分だと、再発リスクはさらに高まります。 そのため、退院後も医師の指導をしっかりと守り、定期的な検査や服薬を続けることが大切です。 また、生活習慣の改善やリハビリテーションを積極的に行うことで、血管の回復が進み、再発リスクを低下させる効果が期待されます。 脳梗塞の再発しやすい人に特徴はある? 脳梗塞の再発しやすい人の特徴は、以下の通りです。 これらの危険因子と呼ばれる項目に当てはまる方は、脳梗塞の再発リスクが高まるため、生活習慣の見直しや医師による適切な治療が必要です。 脳梗塞の再発予防方法まとめ 脳梗塞の再発予防には、危険因子を管理して生活習慣を見直すことが重要です。 高血圧や糖尿病、脂質異常症といった危険因子をコントロールし、適度な運動や減塩を意識した食生活を取り入れて再発リスクを減らしましょう。また、喫煙や多量飲酒を控えるのも効果的です。 さらに、再発のサインであるFAST(顔のゆがみ、腕の麻痺、言葉の不明瞭さ、時間の重要性)を理解し、早期に対応するのが後遺症を最小限に抑える鍵となります。 定期健診を受け、自分の健康状態を常に把握しておくことも忘れてはなりません。 これらの取り組みに加え、再生医療は脳梗塞の再発予防や後遺症の改善に新たな選択肢を提供します。 幹細胞治療は、損傷した神経の修復や再生を促し、脳内環境を整えることで再発リスクを軽減する効果が期待されています。 予防と治療の両面で効果を得られる当院の再生医療をぜひご検討ください。
2025.01.08