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橋梗塞を発症し、「手足がしびれて動かしにくい」「呂律(ろれつ)が回らずうまく話せない」 などの症状に見舞われると、今後の生活への不安は計り知れないものでしょう。 橋(きょう)は、脳から全身に指令を送る神経が集まる重要な「中継地点」であるため、橋が詰まると運動機能や感覚に深刻な影響が出るのが特徴です。 しかし、発症直後からできるだけ早期に適切なリハビリテーションを開始し、根気強く続けることで、多くの機能は回復の可能性を秘めています。 本記事では、橋梗塞の症状・後遺症だけでなく、具体的なリハビリプログラムについて詳しく解説します。 また、橋梗塞をはじめとする「脳梗塞」の症状や後遺症には、リハビリと併せて「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=bPnN-YWI_mZf6ZMU 当院リペアセルクリニックでは、橋梗塞の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 橋梗塞で現れる主な症状・後遺症 橋(きょう)は、大脳からの指令を全身に伝え、逆に全身からの情報を脳へ送るための「神経の交差点」です。 そのため、運動・感覚・意識といった生命維持に関わる重要な機能にさまざまな影響が現れます。 症状・後遺症 特徴 運動失調 力はあるのにバランスが取れず、スムーズに動けない 運動麻痺 手足が動かない、重度では「閉じ込め症候群」となる 意識障害 呼びかけへの反応が鈍くなる、昏睡状態になる 呼吸障害 呼吸のリズムが乱れる、自発呼吸が難しくなる 感覚障害 顔や手足にしびれが出たり、温度や痛みを感じにくくなる 嚥下障害 食べ物をうまく飲み込めず、むせやすくなる それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。 運動失調 運動失調は、手足の筋力自体は保たれているにも関わらず、筋肉を動かすタイミングや力の調節がうまくいかなくなる状態です。 「ボタンがうまく留められない」「歩くときに酔っ払ったようにふらつく」といった症状が現れ、日常生活動作がぎこちなくなります。 小脳との連携が遮断されることで起こり、転倒のリスクが高まるため注意が必要です。 運動麻痺(閉じ込め症候群) 運動麻痺は、脳からの指令が手足に伝わらなくなり、片側または両側の手足が動かせなくなる状態です。 特に橋梗塞で恐れられるのが、意識は清明であるにもかかわらず、眼球運動以外のほぼ全ての運動機能が失われる「閉じ込め症候群(ロックドイン症候群)」です。 言葉を発することも身動きも取れませんが、感覚や聴覚は保たれているため、患者さまは大きな精神的苦痛を感じることになります。 意識障害 橋には、人間が目を覚まして活動するための覚醒レベルを維持する「脳幹網様体(のうかんもうようたい)」という神経回路が通っています。 ここがダメージを受けると、呼びかけても目が開かなかったり、一日中ぼんやりとしていたりする意識障害が生じます。 重症の場合は昏睡状態に陥ることもあり、リハビリを開始する前提となる「目覚め」が得られるかどうかが、その後の回復を左右する大きな要因となります。 呼吸障害 橋には、呼吸のリズムや深さを調節する「呼吸中枢」が存在するため、障害されると自発的な呼吸が困難になることがあります。 呼吸が浅くなったり、不規則になったりするチェーンストークス呼吸が見られる場合や、重度で呼吸が停止し、人工呼吸器による管理が必要になるケースもあります。 生命維持に直結する症状であり、急性期には厳重な管理が求められます。 感覚障害 感覚障害は、「温かい・冷たい・痛い」といった感覚や、「触れられている」という触覚が鈍くなったり、逆に過敏になって異常な痛み(しびれ)として感じたりします。 橋梗塞の特徴的な症状として、顔面と体幹で反対側に障害が出る「交代性感覚障害」が現れることがあります。 例えば「右側の顔」と「左側の手足」がしびれるといった現象で、これにより熱いものに触れても気づかず火傷をするなどの危険性が高まります。 嚥下障害 嚥下障害は、舌や喉の筋肉を動かす神経が麻痺し、食べ物や飲み物をスムーズに胃へ送り込めなくなる状態です。 食事中にむせたり、食後に声がガラガラしたりするだけでなく、気管に食べ物が入ることで「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こす大きなリスク要因となります。 栄養摂取が難しくなるため、回復期には飲み込みの訓練が優先課題となることも少なくありません。 橋梗塞の症状に対するリハビリプログラム 橋梗塞のリハビリテーションは、失われた機能を回復させ、残された能力を引き出すために主に3つのリハビリを行います。 理学療法(PT):起きる・歩くなどの「基本動作」 作業療法(OT):着替え・食事などの「生活動作」 言語聴覚療法(ST):話す・飲み込むなどの「コミュニケーション・嚥下」 以下でそれぞれどのようなリハビリを行うのか確認していきましょう。 理学療法 理学療法は、主に「身体を大きく動かす機能」の回復を担当し、寝返りから歩行まで、移動に関わる基本的な動作の獲得を目指したリハビリを行います。 橋梗塞では運動失調(バランス障害)が起きやすいため、単に筋力をつけるだけでなく、重心を安定させる訓練が重要視されます。 まずはベッド上での関節運動や寝返りの練習から始め、状態が安定すれば平行棒を使った立ち上がり訓練、そして杖や装具を用いた歩行訓練へと段階的に進めていきます。 ふらつきによる転倒を防ぎ、安全に移動できる手段を確保することが大きな目的です。 作業療法 作業療法は、手先の細かい動きや日常生活を送るうえで必要な「応用的な動作」の練習などのリハビリを行います。 食事をする、服を着替える、トイレに行く、入浴するといった退院後の生活に直結する動作を実際の道具や場面を想定し、繰り返し練習します。 また、橋梗塞により手足の感覚が鈍っている場合は、さまざまな素材に触れて感覚を取り戻す訓練や、麻痺していない側の手(健側)を上手に使って生活を補う「代償手段」の獲得も目的としています。 「自分でできること」を一つずつ増やし、生活への自信を取り戻すプロセスです。 言語聴覚療法 言語聴覚療法は、コミュニケーションに関わる「話す・聞く」機能と、生命維持に不可欠な「食べる(飲み込む)」機能の回復を目的とします。 橋梗塞の特徴である「構音障害(呂律が回らない)」に対しては、舌や唇の運動、発声練習を行い、相手に伝わりやすい話し方を習得します。 また、命に関わる「嚥下障害」に対しては、ゼリーなどの飲み込みやすい食品を使って喉の動きを確認したり、誤嚥しにくい姿勢や食事形態を調整したりする訓練を行います。 口から美味しく安全に食べることは、生きる喜びや体力の回復に直結する重要なリハビリといえるでしょう。 橋梗塞の症状に対するリハビリのポイント 橋梗塞による後遺症を少しでも軽減し、残された機能を伸ばすためには、リハビリテーションに取り組む「タイミング」と「期間」が重要です。 できるだけ早期から開始する 退院後もリハビリを継続する 脳の回復力を無駄にせず、また一度取り戻した機能を維持し続けるために、これら2つのポイントを意識して治療計画に向き合いましょう。 できるだけ早期から開始する リハビリテーションは「症状が落ち着いてから」ではなく、発症直後からできるだけ早く開始するのが現代医療の基本です。 バイタルサイン(血圧や脈拍など)が安定していれば、発症から数日以内には、ベッドの上で関節を動かしたり、座る練習を始めたりします。 これは、過度な安静によって筋力が衰えたり関節が固まったりする「廃用症候群」を防ぐためです。 また、発症から3〜6カ月間は脳の回復機能が最も活発な時期といわれており、この「ゴールデンタイム」に集中的なリハビリを行うことが、予後を大きく左右します。 退院後もリハビリを継続する 病院を退院することは治療のゴールではなく、生活の場で機能を維持・向上させるための新たなスタートです。 回復期リハビリテーション病棟などでの集中リハビリ期間が終わった後も、自宅で何もしなければ、せっかく回復した機能も徐々に低下してしまいます。 これを防ぐため、介護保険を利用した「通所リハビリ(デイケア)」や「訪問リハビリ」を活用し、専門家のサポートを受け続けることが大切です。 また、散歩や家事といった日常の動作そのものをリハビリと捉え、生活の中で意識的に体を動かし続ける習慣をつけることが、再発予防につながります。 橋梗塞の症状改善には適切なリハビリの継続が重要 橋梗塞は、運動や感覚を司る重要な神経が集まる場所で起こるため、症状は多岐にわたりますが、適切なリハビリを根気強く続けることで機能回復の道は開かれます。 本記事で紹介した橋梗塞におけるリハビリのポイントを押さえておきましょう。 理学療法・作業療法・言語聴覚療法を組み合わせ、症状に合ったプログラムを実践する 発症早期から開始し、退院後も生活の中でリハビリを習慣化する 焦らず長期的な視点を持ち、少しずつの変化を前向きに捉える 「もう元には戻らない」と悲観するのではなく、残された機能や回復の可能性を信じて、一日一日の積み重ねを大切にしてください。 また、橋梗塞をはじめとする「脳梗塞」の症状や後遺症の治療には、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。 >>再生医療によって多発性脳梗塞が改善した症例(50代女性) 当院リペアセルクリニックでは、橋梗塞の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
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高次脳機能障害とは、脳卒中や頭部外傷などで脳が損傷を受けることで、記憶力や注意力、言葉を話す能力などに障害が生じる状態です。 外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれ、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな負担となります。 「大切な家族がこの先どれくらい一緒にいられるのか」「すぐに命に関わる病気なのか、それとも長く付き合っていく障害なのか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、高次脳機能障害の平均余命を男女別に紹介し、主な症状や治療法について詳しく解説します。 高次脳機能障害と診断されたご家族をお持ちの方は、ぜひ最後まで読んで今後の治療やケアの参考にしてください。 また「少しでも回復の可能性を広げたい」「リハビリと並行してできる治療選択肢を知っておきたい」という方は、再生医療も選択肢の一つです。 従来は「一度死滅した脳細胞は元に戻らない」とされてきましたが、再生医療ではご自身の細胞を使って脳神経の修復・再生を促すことが期待できます。 >>実際に当院の治療を受けた患者さまの症例はこちら 実際の症例や治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介しています。 治療法の新たな選択肢は知るためにも、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の平均余命【男女別に紹介】 高次脳機能障害の平均余命は、健常者と比較すると短くなる傾向があります。 東京都福祉局と厚生労働省のデータをもとに、男女別の平均余命をご紹介します。 なお、ここで紹介する高次脳機能障害の平均余命は、脳出血・脳梗塞・くも膜下出血による症状を平均したデータです。 男性の平均余命 女性の平均余命 発症年齢や症状の重さによって余命は大きく異なりますので、あくまで参考値としてご覧ください。 男性の平均余命 高次脳機能障害の男性は、健常者と比較して平均余命が短い傾向にあります。 具体的な数値は以下のとおりです。 年齢(発症年齢) 高次脳機能障害の男性 健常な男性 平均余命の差 20歳 42.61年 61.45年 18.84年 30歳 35.59年 51.72年 16.13年 40歳 28.88年 42.06年 13.18年 50歳 20.16年 32.60年 12.44年 60歳 11.56年 23.68年 12.12年 70歳 5.62年 15.65年 10.03年 80歳 2.47年 8.98年 6.51年 ※参考:第3章 高次脳機能障害者数の推計|東京都福祉局 高次脳機能障害の男性と健常な男性における平均余命は、約10年以上の差が生じています。 また、80歳で高次脳機能障害を発症した場合でも、約6年ほど異なります。 女性の平均余命 東京都福祉局と厚生労働省のデータをもとに比較したところ、男性同様、高次脳機能障害の女性は健常な女性より平均余命が短くなっています。 具体的な数値は以下のとおりです。 年齢(発症年齢) 高次脳機能障害の女性 健常な女性 平均余命の差 20歳 50.21年 67.48年 17.27年 30歳 42.58年 57.65年 15.07年 40歳 35.18年 47.85年 12.67年 50歳 26.30年 38.23年 11.93年 60歳 15.84年 28.91年 13.07年 70歳 7.22年 19.96年 12.74年 80歳 3.35年 11.81年 8.46年 ※参考:第3章 高次脳機能障害者数の推計|東京都福祉局 高次脳機能障害の女性と健常な女性における平均余命は、約10年以上の差が生じています。 また、80歳で高次脳機能障害を発症した場合でも、約8年ほど異なります。 高次脳機能障害になった女性の平均余命は男性に比べて長いものの、健常な女性と比較すると短い傾向です。 高次脳機能障害の主な症状|最も多いのは失語症 ※画像引用元:公益社団法人 東京都医師会「高次脳機能障害について」 高次脳機能障害は、脳の損傷部位によってさまざまな症状があらわれます。 東京都医師会の調査によると、最も多い症状は失語症(56.9%)で、次いで注意障害(29.8%)、記憶障害(26.2%)となっています。 高次脳機能障害の主な症状は以下のとおりです。 症状 主な特徴 失語症 言葉を「話す」「聞く」「読む」「書く」機能に障害が生じる 注意障害 集中力が続かない、複数のことに同時に注意を向けられない 記憶障害 新しいことが覚えられない、少し前の出来事を忘れてしまう 遂行機能障害 計画を立てて物事を順序よく進めることが難しくなる 社会的行動障害 感情のコントロールが難しい、意欲が低下する 半側空間無視 左右どちらかの空間に注意が向かなくなる これらの症状は外見からは分かりにくく、周囲から誤解されやすい特徴があります。 症状の改善には、早期のリハビリテーションが大切です。 高次脳機能障害の治療法|再生医療も選択肢の一つ 高次脳機能障害には確立した根治療法はありませんが、適切な治療とリハビリテーションによって症状の改善が期待できます。 治療法 特徴 薬物療法 気分の安定や注意力向上、脳卒中再発予防などを目的に抗うつ薬や認知症治療薬を使用 リハビリテーション 言語療法・作業療法・理学療法など 再生医療 幹細胞を活用し、損傷した組織の修復を促す医療技術 当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の原因である脳卒中に対する再生医療・幹細胞治療を行っています。 実際に当院の治療を受けた方の症例については、以下の動画でご紹介しています。 薬物療法やリハビリテーションで十分な効果が得られなかった方も、再生医療を組み合わせることで症状改善の一助となる場合があります。 治療法や症例については、以下の公式LINEでも紹介していますので、再生医療にご興味のある方は参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害と余命への影響を理解し、適切な治療を検討しよう! 高次脳機能障害は、脳卒中や頭部外傷などが原因で起こる「見えない障害」です。 平均余命は健常者と比較して短くなる傾向がありますが、これは高次脳機能障害そのものというより、原因となった脳血管障害の影響が大きいと考えられています。 大切なのは、早期に適切な治療とリハビリテーションを開始することです。 薬物療法やリハビリテーションによって症状の改善が期待できます。 また、近年では再生医療という新たな選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の原因となる脳卒中に対する幹細胞治療を提供しています。 ご家族の症状でお悩みの方は、ぜひ当院の公式LINEにご登録いただき、再生医療に関する情報をチェックしてみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の平均余命に関するよくある質問と回答 高次脳機能障害の余命について、よくある質問を紹介します。 脳梗塞による認知症(血管性認知症)の余命は? 高齢者における脳出血の余命は? それぞれの疾患における余命の目安を理解し、今後の治療やケアの参考にしましょう。 脳梗塞による認知症(血管性認知症)の余命は? 血管性認知症の発症後の生存期間は、男性で約5年、女性で約7年という報告があります。 ※出典:認知症疾患診療ガイドライン2017|日本神経学会 アルツハイマー型認知症と比べて短い傾向があるとされますが、研究によって結果は一定していません。 高齢者における脳出血の余命は? 脳出血後の生存率は年齢によって大きく異なり、高齢になるほど予後は厳しくなります。 脳出血患者411名を対象に長期生存率を調査した研究では、発症後28日以内に死亡した患者は全体の50.6%で、16年時点での累積生存率は65歳以下で19.3%、65〜73歳で2.7%、73歳以上では1.8%でした。※PubMed
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振動(ブルブル)マシンは体に負担をかけずに筋肉へ刺激を与えられるため、運動不足の解消や体力維持を目的に使用を検討している人もいるでしょう。 しかし「本当に使っても大丈夫?」「脳梗塞になるリスクはないの?」と、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。 振動マシンは正しく使えば健康維持に役立ちますが、誤った使い方をすると体に負担をかける可能性があります。 本記事では、振動マシンと脳梗塞の関係やリスクを避けるための正しい使い方について解説します。 ぜひ参考にして不安を解消し、安全に振動マシンを活用してください。 また脳梗塞を発症した後、「リハビリを続けているが、思うように回復しない」「従来の治療法では限界を感じている」といった悩みを抱えている人もいるでしょう。 そのような場合、再生医療も選択肢の一つとなります。 再生医療とは自身の体にある再生する力を活用して、傷ついた組織や臓器の修復・再生を目指す治療法です。 実際に当院の治療を受けた人の症例は、以下の動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。 https://youtu.be/HdLj4bDXKIg?si=CmrNkkK1dTQAPLZ3 当院(リペアセルクリニック)では、脳梗塞後の後遺症に対する実際の症例や治療法について、公式LINEで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 振動(ブルブル)マシンが脳梗塞に直接的な影響を与える可能性は低い 健康な人の場合、振動マシンの揺れが原因で脳の血管が直接破裂したり、脳梗塞を引き起こしたりする可能性は低いと考えられています。 脳血管が頭蓋骨や脳脊髄液に守られており、日常的な衝撃に耐える柔軟性を持っているためです。 ただし、体内の状態によっては、以下のようにリスクの度合いが異なります。 状態 リスクの程度 理由 健康な人 低い 脳血管は柔軟性があり、振動の衝撃に耐えられるため 血栓のリスクがある人 高い 振動で血栓が剥がれ、脳血管に詰まる恐れがあるため また、すでに体内に「血栓(血の塊)」がある場合、以下のようなプロセスによって振動マシンが脳梗塞を引き起こします。 リスク発生のプロセス 体内で起こること 1. きっかけ マシンの振動により血流が急激に促進される 2. 血栓の遊離 足の静脈などにある血栓が血管壁から剥がれ落ちる 3. 脳梗塞の発症 血栓が血流に乗って脳へ運ばれ、血管を詰まらせる 振動マシンは血流改善による予防効果がある反面、既存の血栓に対しては移動のきっかけとなり、症状を悪化させる危険性があります。 過去に血栓症や静脈瘤などの診断を受けたことがある人が、自己判断で振動マシンを使用開始する場合は注意が必要です。 症状が悪化するリスクを避けるためにも、主治医に相談した上で許可が出るまでは使用を控えましょう。 振動マシンの使用を控えるべき人の特徴 振動マシンの使用を控えるべき人の特徴は、以下のとおりです。 血圧が高い・動脈硬化がある人 骨の病気がある人 乗り物酔いしやすい・振動に弱い人 振動マシンは誰にでも適しているわけではなく、持病や体の状態によっては症状を悪化させる可能性があります。 血圧が高い・動脈硬化がある人(脳梗塞リスクが高い人) 血圧が高い人や動脈硬化が進んでいる人は、使用に際して慎重な判断が必要です。 振動マシンによる体への影響には、以下のようなものがあります。 影響 詳細 血圧の一時的上昇 筋肉の収縮により血圧が上がる可能性がある 血圧の乱高下 息を止めて踏ん張ると血管に負担がかかる 脳動脈瘤への悪影響 振動が未破裂の動脈瘤に影響する可能性がある 上記のリスクを避けるためにも、血圧が高い人や動脈硬化がある人は、医師の許可が出るまでは使用を控えるのが賢明です。 骨の病気がある人(骨粗鬆症・骨折・人工関節など) 以下のように骨の状態に不安がある人も、使用には注意が必要です。 ケース 具体的な理由 重度の骨粗鬆症 骨が脆く、振動の衝撃が骨折の原因になる恐れがある 骨折が完治していない 振動により回復が遅れたり再骨折したりする可能性がある 人工関節の手術後 人工関節と骨の固定が緩んでしまうリスクが考えられる 骨の状態によっては、振動自体が体に悪影響を及ぼす可能性があります。 使用を検討する場合は必ず主治医に確認し、許可が出た場合でも弱い振動から始めましょう。 乗り物酔いしやすい・振動に弱い人 乗り物酔いしやすい人も、振動マシンで体調を崩すことがあります。 主な症状には、以下のようなものがあります。 めまい 吐き気 ふらつき 頭痛 振動が内耳の平衡感覚を刺激する一方で、目で見ている景色は止まっているため、脳が混乱して「振動酔い」を起こします。 無理をして使い続けると転倒して怪我をする恐れもあるため、使用中に少しでも不快感を感じたら、すぐに使用を中止しましょう。 振動(ブルブル)マシンを安全に使うための注意点 振動マシンを安全に使うための注意点は、以下のとおりです。 項目 注意すべきポイント 振動レベルと時間 初めは最弱モード。1回10〜15分、1日合計30分以内にする 姿勢と呼吸 膝を軽く曲げて振動を吸収する。息を止めない 説明書の確認 体重制限や禁止事項を必ず読み、ルールを守る また体への負担を減らし、安全に使用するためにも、以下のような使い方は避けましょう。 最初から強い振動で使用すること 長時間乗り続けること 膝を伸ばしきった状態(棒立ち)で使用すること いきなり強い負荷をかけたり長時間使用したりすると、疲労や関節への負担が増します。 膝を伸ばしきった状態は振動が頭に直接響く原因となるため、膝をクッションのように使って振動を吸収することが大切です。 自分の体力や体調に合わせて、無理のない使用を心がけましょう。 振動(ブルブル)マシンが脳梗塞に与える直接的なリスクは少ない!ただし注意して使用しよう 健康な人が振動マシンを使用することで、脳梗塞を直接的に発症するリスクは低いと考えられています。 振動マシンを安全に使用するためのポイントは、以下のとおりです。 振動が弱いモードから始め、徐々に負荷を上げる 長時間の使用は避け、1日の合計使用時間を守る 機種ごとの説明書を確認し、ルールに従う 振動マシンは手軽な運動器具ですが、体の状態によってはリスクも伴います。 記事内で紹介した注意点や禁忌事項を確認し、無理のない範囲で活用しましょう。 しかし、生活習慣の改善やセケアを行っても体の不調が続く場合や、脳梗塞の後遺症に悩んでいる場合は専門家への相談を検討してください。 当院(リペアセルクリニック)では、再生医療を用いて脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症や、関節の痛みに対する治療を行っています。 「リハビリを続けても改善が見られない」「手術以外の方法を探している」という人は、一人で悩まずにご相談ください。 治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、併せてご確認ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 脳梗塞と振動(ブルブル)マシンに関するよくある質問 脳梗塞予防に適した運動はある? 脳梗塞後の生活でやってはいけないことはある? 脳梗塞予防に適した運動はある? 脳梗塞の主な原因である高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を改善するには、以下のような有酸素運動が有効です。 ウォーキング 軽いジョギング 水泳 サイクリング ラジオ体操 上記の運動は心肺機能を高め、血管の健康維持に役立つと考えられています。 これまで運動習慣がなかった人はいきなり激しい運動をするのではなく、散歩やラジオ体操などの軽い運動から始めることが大切です。 脳梗塞後の生活でやってはいけないことはある? 脳梗塞を経験した後の生活において、再発を防ぐために避けたい行動は以下のとおりです。 項目 詳細 薬の自己中断 医師の指示なく薬をやめると、血栓ができやすくなる 生活習慣の乱れ 喫煙、過度な飲酒、塩分の摂りすぎは血管を傷める 脱水症状 水分が不足すると血液がドロドロになり、詰まりやすくなる 急激な血圧変動 いきむ動作や急激な温度変化(ヒートショック)を避ける 上記は血管に負担をかけて再発のリスクを高める要因となるため、日々の生活の中で意識して健康的な生活習慣を維持しましょう。
2025.12.26 -
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医師からBAD型脳梗塞と診断されたものの、初めて聞く病名に「聞きなれない病気だしこの先不安」「症状が進むことがあると聞いて心配」という方もいるのではないでしょうか。 BAD(バッド)とは、脳梗塞の中でも特有の進行リスクを持つタイプで、発症後しばらくしてから症状が悪化するのが特徴です。 しかし「治る見込みはあるの?」「どのように経過するの?」と、疑問に思う方もいるでしょう。 この記事では、BAD(脳梗塞)の特徴やラクナ梗塞との違い、治療の見通しについて解説します。 病気に対する理解を深め、前向きに治療へ向き合うためにぜひ参考にしてください。 また後遺症や回復に不安がある方は、再生医療も検討しましょう。 再生医療とは自身の体から取り出した細胞を使い、体の回復する力を活かして機能の回復を目指す治療法です。 >>脳卒中に対する実際の症例はこちら 当院の公式LINEでは、治療内容・症例の紹介や相談も可能ですので、ぜひ一度ご確認ください。 BADとは|脳の細い血管の分岐部が詰まり進行しやすい脳梗塞 BADとは、脳の細い血管の分岐部が詰まり進行しやすい脳梗塞のことです。 正式名称はBranch Atheromatous Disease(ブランチ・アテロマトース・ディジーズ)で、ビーエーディー(BAD) と読みます。 日本語では分枝粥腫病(ぶんししゅくしゅびょう)または分枝粥腫病型脳梗塞と呼ばれ、脳の太い血管(母動脈)から分かれる血管の根元が詰まる病態を指します。 発症メカニズムや特徴は、以下の表のとおりです。 特徴 詳細 閉塞の仕組み 母動脈の分岐部にアテロームプラークができ、血流が遮断される 障害される血管 比較的大きめの穿通枝が根元から障害される 症状の経過 入院後数日以内に症状が悪化しやすい BADは血管の根元にあるプラークが原因で、広い範囲に脳梗塞が起こります。 比較的新しい疾患概念であるため、医師から診断された際に初めて耳にする患者様も少なくありません。 脳梗塞にはさまざまなタイプがあり、原因によって以下の4つに分類されます。 分類 特徴 アテローム血栓性脳梗塞 太い血管の動脈硬化が原因で起こる脳梗塞 心原性脳塞栓症 心臓にできた血栓が脳に飛んで詰まる脳梗塞 ラクナ梗塞 脳の細い血管が変性して詰まる、小さな脳梗塞 その他の脳梗塞 血管の解離や炎症など、上記以外の原因によるもの BADは動脈硬化が原因となる点において、アテローム血栓性脳梗塞に似ています。 しかし、発生する場所やメカニズムが特殊なため、「その他の脳梗塞」や「原因不明の脳梗塞」に分類されることがあります。 ラクナ梗塞よりも症状が悪化しやすいため、医師による慎重な判断と適切な治療が必要です。 好発部位 BADは、特定の血管の分岐部で発生しやすいことが分かっています。 主な好発部位は、以下のとおりです。 部位名称 説明 レンズ核線条体動脈(LSA) 中大脳動脈から分岐し、内包の障害により重い片麻痺が出やすい 橋傍正中動脈(PPA) 脳底動脈から分岐し、橋の障害により運動麻痺などが生じる 前脈絡叢動脈(AchA) 内包後脚などに血液を送り、運動麻痺や感覚障害に関与する 上記の血管は太い血管から急な角度で分岐しているため、血流の負担を受けやすくアテロームができやすい構造です。 そのため血流のストレスが一点に集中しやすく、血管の内壁が傷つきやすい状態となります。 傷ついた部分にコレステロールが入り込むことで、BAD特有のアテロームが形成されると考えられています。 BAD(脳梗塞)とラクナ梗塞との違い BADとラクナ梗塞の違いは、以下の表のとおりです。 比較項目 BAD(分枝粥腫病型脳梗塞) ラクナ梗塞 詰まる場所 血管の根元(分岐部) 血管の末端(細い部分) 原因 アテローム(プラーク)による閉塞 高血圧による血管の変性 梗塞の大きさ 大きい(15mm以上) 小さい(15mm未満) 症状の進行 進行しやすい 比較的安定している ※出典:脳卒中治療ガイドライン|一般社団法人 日本脳卒中学会 BADとよく似た病態にラクナ梗塞がありますが、原因や予後の注意点が異なります。 ラクナ梗塞は血管の末端近くが詰まるため梗塞範囲が限定的ですが、BADは血管の根元(分岐部)が詰まるため、広い範囲に影響が出やすい特徴があります。 最初はラクナ梗塞と診断されても、経過やMRI画像によってBADと診断名が変わることがあります。 BAD(脳梗塞)の主な症状|基本的にはラクナ梗塞と同じ BADの初期症状はラクナ梗塞と共通しており、以下のような運動麻痺や感覚の異常が中心です。 症状 具体的な状態 片麻痺 体の左右どちらかの手足が動かしにくくなる、力が入らなくなる 感覚障害 手足がしびれる、感覚が鈍くなる 構音障害 呂律(ろれつ)が回らない、言葉が出にくい しかし、BADで最も警戒すべき点は、これらの症状が入院後に悪化する可能性があることです。 BADと診断された場合、全体の20〜40%程度の患者において入院数日以内に麻痺が強くなる進行性運動障害(PMD)が起こる可能性があります。 診断時は軽症でも、急速に悪化するリスクがあるため注意が必要です。 症状が悪化する要因には、以下のようなものがあります。 血栓が血管の奥へと広がること 血圧が下がり、病変部への血流が維持できなくなること 脳のむくみ(浮腫)が神経を圧迫すること 発症時は少し手足が動かしにくい程度であっても、数日の間に全く動かせない状態まで進むケースがあるため、入院直後は慎重な管理が求められます。 入院後48時間以内は特に症状が変化しやすいため、医師や看護師の指示に従い、安静を保つことが大切です。 BAD(脳梗塞)の原因|アテローム硬化・生活習慣病に注意 BADを引き起こす直接的な原因は、血管の壁にできるアテロームプラーク(脂肪の塊)です。 血管の分岐部分に負担がかかり、壁が傷つくことでコレステロールが入り込み、プラークが形成されます。 プラークを作る要因となるのが、以下のような生活習慣病です。 危険因子 血管への影響 高血圧 血管に常に高い圧力がかかり、壁を傷つける 糖尿病 血糖値が高い状態が続き、血管が脆くなる 脂質異常症 血液中の余分な脂質が血管壁に溜まり、アテロームの原因になる 喫煙 血管を収縮させ、動脈硬化を進行させる 生活習慣病の危険因子が重なることで、血管の根元に微小なアテロームができ、BADの発症リスクを高めると考えられています。 自覚症状がないまま動脈硬化が進行しているケースも少なくなく、日頃から血圧や血糖値を適切に管理することが、発症を予防する上で重要といえます。 BAD(脳梗塞)の診断方法|画像検査を中心に判断 BADの診断には、MRI検査が欠かせません。 以下の基準などを参考に、医師が総合的に判断します。 検査方法 診断のポイント MRI(DWI) 梗塞巣の最大径が15mm以上 スライス数 3スライス以上にわたり梗塞を確認 形状の確認 LSA領域:勾玉(まがたま)や扇のような形を確認 PPA領域:橋の底面に達する楔形の梗塞を確認 一般的なラクナ梗塞よりも病変が大きいことや、血管の走行に沿った特徴的な形をしていることが判断材料になります。 心臓にできた血栓が飛んでくる心原性脳塞栓症や、太い血管自体が狭くなっている病変ではないことを確認(除外診断)した上で、BADと確定されます。 BAD(脳梗塞)の治療方法 BADと診断された場合、症状の進行(PMD)を防ぐための治療が最優先で行われます。 発症から時間が経過してから使用される血栓溶解療法(tPA)は効果が出にくいこともあるため、以下のような急性期対応が中心となります。 治療法 内容 抗血小板療法 DAPT(抗血小板薬2剤併用)などを用い、血栓形成を強力に防ぐ 急性期対応 アルガトロバン(抗凝固薬)を併用し、微小血管の血流を保つ 進行性の病態であるため、早期の治療開始が重要です。 症状が軽い段階で適切な抗血栓療法を行うことで、麻痺の進行を食い止められる可能性が高まります。 少しでも異変を感じたら、迷わず専門医を受診しましょう。 BAD(脳梗塞)の予後・リハビリについて BADは症状が進行しやすいため、ラクナ梗塞に比べて麻痺などの後遺症が残りやすい傾向があります。 予後を改善するためには、以下の取り組みが必要とされています。 取り組み 目的・内容 継続的なリハビリ 発症直後から退院後も継続し、機能を維持・向上させる 再発予防 生活習慣の見直しと薬物療法で、血管の状態を管理する 脳には損傷した神経回路を迂回して新しい回路を作る「可塑性(かそせい)」という能力が備わっているため、根気強くリハビリを続けることで日常生活動作の改善が期待できます。 BAD診断後は進行に注意しつつ、根気強く治療を行おう この記事では、BAD(脳梗塞)の特徴や治療法について解説しました。 BADについて覚えておきたいポイントは、以下のとおりです。 血管分岐部にアテロームができ、症状が進行しやすい 急性期は薬物療法で進行を抑え、再発予防が重要 早期対応と継続的なリハビリで機能改善を目指せる BADは進行しやすい脳梗塞ですが早期治療と継続的なリハビリ、生活習慣の改善によって悪化や再発を防ぎやすくなるため、根気強く治療に向き合っていきましょう。 「リハビリを続けているけれどつらい」「これ以上の回復は難しいと言われ、不安を感じている」方は、再生医療という新しい選択肢があります。 当院(リペアセルクリニック)では、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴で投与する治療を行っています。 実際の治療法などについては、当院の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 「もうこれ以上は良くならない」と諦める前にぜひ一度、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.12.26 -
- 脳梗塞
身近な方が脳梗塞で倒れ、「最初の一週間が山場だ」と耳にして、予断を許さない状況に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 結論、脳梗塞の発症から一週間は、症状が急変しやすい時期にあたります。 本記事では、脳梗塞は「発症から一週間が山」といわれる医学的な理由や、発症後の経過について詳しく解説します。 正しい知識を持つことが、焦る気持ちを落ち着かせ、患者さまを支えるための力となりますので、ぜひ参考にしてください。 また、脳梗塞の後遺症治療や再発予防には、先端医療である再生医療が選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した脳細胞の再生・修復を促すことで、後遺症の改善や再発予防につながる治療法です。 以下の動画では、当院の再生医療によって、脳梗塞後の半身麻痺が改善した症例を紹介していますので、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=78679C6V5B6tk-T_ 脳梗塞は「発症から一週間が山」といわれる理由とは 脳梗塞は「発症から一週間が山」といわれる理由は、症状が急変する可能性や脳のむくみ(脳浮腫)といった生命に関わるリスクがこの期間に集中して発生するためです。 一度治療が始まっても、症状が急変する可能性が高く、容体が安定するまでには一定の時間を要します。 本章では、症状の急変が一週間の間に起こりやすいのはなぜか、そのメカニズムと注意点について詳しく解説します。 ご家族としては心配な時期が続きますが、医療チームはこのリスクを予測し、24時間体制で管理を行っているため、信じて見守ることが大切です。 症状が急変する可能性があるのはなぜか 脳梗塞発症直後に入院して治療を開始した場合であっても、最初の数日間は症状が進行したり、悪化したりする可能性が残されています。 脳梗塞の症状が急変する可能性がある理由は、以下のとおりです。 血栓の拡大:詰まった血栓がさらに大きくなり、血流が途絶える範囲が広がる。 脳浮腫のピーク:発症から3〜5日後には脳浮腫のピーク※により脳が圧迫される。 側副血行路の不全:詰まった血管の代わりに働いていた「迂回ルートの血管」の血流が悪くなる。 血圧の変動:脳の血流を維持するために必要な血圧が下がってしまう。 再発:不安定なプラーク(血管のコブ)が剥がれ、新たな梗塞を作る。 ※出典:J-STAGE「脳梗塞患者における発症時脳・側脳室容積が回復期リハビリテーション後の歩行自立に及ぼす影響」 脳梗塞のタイプ(脳血栓症・脳塞栓症)によって症状の進行パターンは異なりますが、いずれの場合も最初の一週間は特に注意が必要です。 そのため、医師や看護師は頻繁に声をかけたり、手足の動きを確認したりして、わずかな変化も見逃さないよう厳重な監視を行っています。 脳梗塞の発症から一週間に行われる対応・治療 脳梗塞の発症から一週間は、時間経過とともに治療の目的が「救命」から「機能回復」へとスピーディーに変化していく期間です。 本章では、発症から時間経過ごとに行われる主な対応・治療について解説します。 24時間以内の対応 48〜72時間の対応 一週間経過後の評価とその後の対応 この一週間の流れを大まかに把握しておくことで、医師からの説明も理解しやすくなり、ご家族としての心構えも整いやすくなります。 変化する病状に対し、どのような医療介入が行われるのか、具体的に見ていきましょう。 24時間以内の対応 脳梗塞の発症から24時間以内は、「いかに早く血流を再開させ、脳細胞の死滅を食い止めるか」が重要です。 具体的には、病院到着までの時間に応じて、以下のような治療が検討されます。 治療法 詳細 t-PA静注療法(発症から4.5時間以内) 血栓を溶かす強力な薬剤を点滴で投与します。 劇的な回復が期待できる反面、出血のリスクもあるため慎重に適応が判断されます。 脳血管内治療(血栓回収療法) カテーテルという細い管を太ももの付け根などから入れ、脳の太い血管に詰まった血栓を直接絡め取ったり、吸い出したりします。 t-PAが使えない場合や、効果が不十分な場合に行われます。 抗血栓療法・脳保護療法 血液をサラサラにする点滴を行い、これ以上血栓が大きくならないようにすると同時に、脳細胞を保護する薬剤を使用します。 上記の治療は、集中治療室(ICU)や脳卒中ケアユニット(SCU)に入室し、24時間体制での厳重な管理が行われるのが一般的です。 発症直後はどれだけ早く治療を開始できるかで予後に大きな影響を与えるため、脳梗塞が疑われる症状が現れたら迷わずに救急車を呼びましょう。 48〜72時間の対応 脳梗塞の発症から48〜72時間は、脳の「むくみ(脳浮腫)」がピークに向かう時期のため、症状が急変しやすいタイミングです。 血流が戻ったとしても、ダメージを受けた脳細胞が水分を含んで膨らむことで、正常な脳組織まで圧迫してしまうリスクがあります。 この時期は、脳の圧力をコントロールするための治療と、早期回復へ向けた取り組みが並行して行われます。 脳浮腫への対策 詳細 抗脳浮腫薬の投与 グリセロールなどの薬剤を使用し、脳の水分を減らして圧力を下げます。 開頭減圧術 薬の効果が不十分で、脳の腫れが生命を脅かすほど強い場合には、一時的に頭蓋骨を外して脳の逃げ場を作る手術を行うことがあります。 また、容体が安定していれば、全身状態に注意しながら発症翌日ごろからリハビリを開始することが一般的です。 ベッド上で手足を動かしたり、座る練習をしたりすることで、寝たきりによる筋力低下(廃用症候群)を防ぐ狙いがあります。 一週間経過後の評価とその後の対応 脳梗塞の発症から一週間が経過すると、脳浮腫が徐々に落ち着き、急性期の危機的な状況を脱するケースが増えてきます。 この段階になると、治療の主軸は急性期治療から「再発予防」および「機能回復のための本格的なリハビリテーション」へと移行します。 具体的には、以下のような評価と方針決定が行われます。 評価項目 詳細 神経症状の再評価 麻痺の程度、言語障害、飲み込みの機能(嚥下機能)などがどの程度残っているかを詳しく評価します。 再発予防策の確立 脳梗塞の原因(不整脈、動脈硬化など)を突き止め、それに合わせた内服薬の調整や、食事・生活指導を開始します。 転院の検討 急性期病院での治療が終了した後は、リハビリ専門の「回復期リハビリテーション病棟」を持つ病院へ転院し、社会復帰へ向けた集中的なトレーニングを行う流れが一般的です。 脳梗塞の発症から一週間を乗り越えることは、回復への道のりのスタートラインに立ったことを意味します。 焦らず長期的な目線で、患者さまご本人の「治したい」という意欲を支えていくことが大切になるでしょう。 脳梗塞の回復には早期対応が重要!よく見られる症状に注意 「一週間が山」と言われる脳梗塞の急性期を乗り越え、その後の回復をスムーズにするためには、「発症時の初期症状にいち早く気づき、救急要請する」ことが重要です。 脳の細胞は血流が止まると短時間で壊死してしまいますが、発症直後であれば、特効薬やカテーテル治療によって改善する余地が残されているためです。 本章では、見逃してはいけない脳梗塞によくある症状について詳しく解説します。 顔や手足の麻痺、しびれ 呂律が回りにくいなどの言語障害 平衡感覚障害によるめまい、吐き気 目がぼやけ、かすみ 以下で、それぞれの症状について確認していきましょう。 顔や手足の麻痺、しびれ 脳梗塞の初期症状として代表的なものが、身体の片側だけに力が入りにくくなる「片麻痺」です。 麻痺によって、「食事中に箸を落とす」「歩行時に片足を引きずる」「片方の口角が下がる」といった変化が突然現れます。 また、「腕がしびれる」といった感覚の異常も、右半身か左半身の「片側だけ」に現れるのが特徴です。 特定の動作などの原因がなく突然発症するため、顔や手足の片側で麻痺やしびれ症状が見られた場合は、早期に医療機関を受診しましょう。 呂律が回りにくいなどの言語障害 呂律がまわりにくいなどの言葉の異常も、本人や周囲が気づきやすい脳梗塞の重要なサインです。 舌や唇が麻痺して「呂律が回らない」だけでなく、言いたい言葉が出てこなくなる「失語症」が見られるケースもあります。 「話している内容が支離滅裂になる」「相手の言葉が理解できず会話が成立しない」といった場合も、脳の言語中枢がダメージを受けている疑いがあります。 言語障害を自覚したら、早期に医療機関に連絡・受診して診断を受けましょう。 平衡感覚障害によるめまい、吐き気 小脳や脳幹の血流が悪くなり、平衡感覚機能(バランス機能)が損なわれることで、めまいや吐き気が生じることがあります。 「自分や天井がぐるぐると回るような激しいめまい」や、それに伴う「強い吐き気・嘔吐」が特徴です。 まっすぐ歩けずにふらついたり、同時に手足のしびれを伴ったりする場合は、単なる体調不良ではなく脳梗塞の可能性を疑いましょう。 立ち上がれないほどの強いめまいは、脳からの危険信号である可能性があるため、早期に医療機関を受診することが重要です。 目がぼやけ、かすみ 視力を司る脳細胞が影響を受けると、目そのものは健康でも見え方に異常が生じる可能性があります。 「物が二重に見える(複視)」や、「片方の視野が半分だけ欠ける(半盲)」といった症状が特徴的です。 症状を自覚したら片目を隠して見え方を確認し、視野の一部がカーテンを引いたように暗くなっている場合は注意しましょう。 上記のようなケースでは、眼科ではなく脳神経外科への受診が急務となります。 脳梗塞発症から一週間の山を超えても後遺症の可能性あり 脳梗塞の発症から一週間という急性期の「山」を越えれば、命に関わる緊急事態は脱したといえます。 しかし、一週間の山を超えた後は、麻痺や言語障害といった「脳梗塞の後遺症」や「再発リスク」と向き合うことが重要です。 本章では、脳梗塞の後遺症に対するリハビリテーションやご家族ができるサポート内容について解説します。 時期ごとのリハビリテーションが重要 家族ができるサポート 一度壊死してしまった脳細胞は元に戻りませんが、リハビリによって残された脳の回路を活発に働かせることで、失われた機能を取り戻したり、補ったりできます。 以下でそれぞれの内容について確認していきましょう。 時期ごとのリハビリテーションが重要 脳梗塞のリハビリテーションは、発症からの経過期間によって「急性期」「回復期」「生活期(維持期)」の3つのステージに分けられます。 それぞれの時期で優先すべき目的は異なりますが、一貫して「早期からの開始」と「切れ目のない継続」が適切な機能回復を促すための鉄則です。 各ステージでどのようなリハビリが行われるのか、具体的な内容を見ていきましょう。 急性期のリハビリ 脳梗塞の急性期(発症直後から2週間程度)のリハビリは、全身状態に注意したうえでベッド周辺でできることから開始されます。 「治療中に動かしてよいのか」と不安に思うかもしれませんが、早期のリハビリは、筋力が衰えて体が固まる「廃用症候群」を防ぐために不可欠です。 手足の関節を動かしたり、ベッドの上で寝返りを打ったり、端に座ったりすることから始め、早期の離床を目指します。 回復期のリハビリ 病状が安定した発症後数週間〜6ヶ月程度の回復期に行われるリハビリは、機能回復のための「ゴールデンタイム」です。 回復期は脳の神経可逆性(神経構造や機能を変化させる能力)が最も高く、この期間で集中的なリハビリを行うことで、新しい神経経路が形成され、後遺症の軽減や再発予防につながります。 多くの場合はリハビリテーション専門の病院へ転院し、一日平均2時間から最大3時間の集中的なトレーニングに取り組みます。 麻痺した手足の機能訓練に加え、歩行、食事、着替え、入浴といった「日常生活動作(ADL)」を自力で行えるようにし、自宅復帰や社会復帰を目指すことが目標です。 生活期(維持期)のリハビリ 生活期(維持期)は、退院後に自宅や施設での生活が始まってからのリハビリ期間を指します。 回復期で取り戻した機能が再び低下しないよう維持し、実際の生活や仕事の中で活かしていくことが目的となります。 病院での訓練とは異なり、デイケアや訪問リハビリを活用しながら、家事や趣味、散歩などを通じて「生活そのものをリハビリにする」という意識で継続することが大切です。 家族ができるサポート 脳梗塞を発症し、後遺症のリハビリを励む患者さまに対して、専門的な介護をすべて背負う必要はありません。 ご家族だからこそできるサポートとして、以下のポイントを意識してみましょう。 家族ができること 詳細 精神的なケア 小さな変化や回復を一緒に喜び、孤独感を和らげる声かけをする。 環境の整備 手すりの設置や段差の解消など、安全に暮らせる住環境を整える。 情報の共有 医師やリハビリスタッフと密にコミュニケーションを取り、本人の状態や家での注意点を把握する。 制度の手続き 介護保険や身体障害者手帳の申請など、公的支援を受けるための手続きを進める。 突然の脳梗塞や後遺症に戸惑い、リハビリに励む患者さまにとって、一番近くにいるご家族の存在は何よりの支えになります。 しかし、負担が大きいと感じる場合は、公的サービスを利用できるため、上手く活用することも重要です。 脳梗塞の一週間の山を超えた後の治療には再生医療をご検討ください 脳梗塞は、症状が急変する可能性や脳のむくみ(脳浮腫)といった生命に関わるリスクが集中する「発症から一週間が山」といわれています。 早期発見・早期治療によって山を超えた後も、麻痺・しびれや言語障害などの後遺症や再発リスクと向き合う必要があります。 しかし、いつまで続くかわからない長期間のリハビリテーションや再発予防に疲れてしまい、治療に前向きになれない患者さまも少なくありません。 そこで、近年の脳梗塞治療では、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した脳細胞の再生・修復を促す再生医療が注目されています。 これまでの医学では「一度死んだ脳細胞は戻らない」とされてきましたが、再生医療はその考えを覆す可能性を秘めている治療法として研究が進んできました。 当院リペアセルクリニックでも、再生医療によって長年悩まされていた脳梗塞の後遺症が改善した患者さまの症例もあります。 >10年前の脳梗塞による半身麻痺の後遺症が改善した症例(40代男性)はこちら 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院の無料カウンセリングにてご相談ください。
2025.11.28 -
- 脳梗塞
脳梗塞を経験された患者様の中には「発症から時間が経っているのに、症状がなかなか良くならない」「これ以上の回復は期待できないのだろうか…」と不安を抱えている方もいらっしゃいます。 発症後しばらく経過した脳梗塞は、一般的に陳旧性脳梗塞と呼ばれます。 この状態は回復が緩やかになる傾向があり、リハビリを続けていても「停滞しているように感じる」時期が出てくることもあります。 本記事では、陳旧性脳梗塞がどのような状態なのか、そのメカニズムや後遺症との付き合い方、日常生活でできる工夫、そして後半では新しい選択肢として注目されている再生医療についても分かりやすく解説していきます。 陳旧性脳梗塞とはどんな状態? 陳旧性脳梗塞とは、脳梗塞の発症から一定期間が経過し、症状が慢性化した状態のことを指します。 一般的に脳梗塞は「急性期 → 回復期 → 生活期(慢性期)」と進行していきますが、発症から数か月〜数年が経ち、症状が安定してきた段階が陳旧期(慢性期)と呼ばれます。 この段階では、新たな炎症は落ち着いているものの、すでに損傷を受けた神経細胞が残っているため回復がゆっくりになることが特徴です。 「回復しにくい」と感じてしまう場合もありますが、生活の工夫、継続的なリハビリ、体の状態に合わせたケアを続けることで、日常生活の負担を減らすことは十分に目指すことができます。 陳旧性脳梗塞は「治療の終わり」ではなく、「長期的な生活と向き合う段階」です。 この時期は患者様の不安やご家族の負担が大きくなりやすいため、必要に応じて専門医に相談しながらケア方法を見直していくことがとても大切です。 次の章では、陳旧性脳梗塞が「回復が難しい」と言われる理由について、回復メカニズムと従来の治療法の観点から詳しく解説していきます。 なぜ回復が難しいと言われるのか 陳旧性脳梗塞は「神経細胞の損傷が残りやすい」という特徴があるため、回復がゆっくりになることが多いとされています。 脳梗塞は発症直後の数週間〜数か月が最も回復しやすい時期といわれています。 しかしこの期間を過ぎて陳旧期(慢性期)へ移行すると、脳の自然な回復力が徐々に落ち着き、改善のスピードが緩やかになります。これが「回復が難しい」と言われる主な理由です。 ここからは、回復の仕組みと一般的な治療の役割・限界を詳しく解説し、陳旧期に入ってからの経過を理解しやすく整理していきます。 発症直後〜陳旧期までの回復メカニズム 脳は発症直後〜数か月が最も回復しやすく、その後ゆっくりとした改善へ移行します。 脳梗塞では脳の血管が詰まり、神経細胞の一部がダメージを受けます。発症直後は炎症が強いものの、脳が持つ回復力(可塑性)が最大限働くため、リハビリによる改善が比較的得られやすい時期です。 しかし、時間が経過して炎症が落ち着いた陳旧期では、損傷した神経細胞の再生が難しく、脳の代償機能(他の部分が助け合う仕組み)もゆっくり働くようになります。 そのため「改善しているけれどスピードが落ちている」と感じる患者様が多いのが特徴です。 陳旧期は「もう改善しない」という意味ではなく、「改善のスピードがゆっくりになる」時期です。 継続的なリハビリや生活の工夫により、日常生活動作の安定を目指すことは十分可能です。 一般的な治療(薬・リハビリ・装具)の役割と限界 一般的な治療は後遺症への重要なサポートになりますが、改善には限界が出てくることがあります。 陳旧性脳梗塞では、薬物療法・リハビリ・装具を組み合わせて後遺症の軽減や生活動作の向上を目指すのが基本です。 それぞれ重要な役割を担っていますが、脳細胞の再生そのものを促すわけではないため、時間の経過とともに改善が停滞するケースもあります。 こうした背景から「これ以上良くならないのだろうか…」と不安を抱く患者様は多くいらっしゃいます。 しかし、一般的な治療でカバーしきれない部分を補うための方法として、近年では再生医療が新たな選択肢として検討されるケースも増えています。 陳旧性脳梗塞の後遺症と付き合うためのポイント 陳旧性脳梗塞の後遺症と向き合うには、日常生活の工夫と継続的なケアを組み合わせて取り組むことが大切です。 陳旧期では回復のスピードが緩やかになるため、「あまり変化がない」と感じる患者様も多くいらっしゃいます。 しかし、日常生活の工夫や自主リハビリ、再発予防のための生活管理を続けることで、生活動作の安定につながるケースが多くあります。 ここからは、後遺症と共に日常生活を送るための具体的な工夫と、再発を防ぐために重要な生活習慣について詳しく解説します。 日常生活でできる工夫と自主リハビリのポイント 陳旧性脳梗塞では、日常の小さな工夫と自主リハビリを継続することで生活動作の安定を目指すことができます。 陳旧期は回復のスピードが緩やかな時期ですが、「ゆっくりでも続けること」が生活の質を維持するうえで非常に大切です。 手足の動かしにくさ、疲れやすさ、歩行の不安定など、後遺症の内容に応じてリハビリ方法を工夫することで、負担を減らしながら日常生活の動作をサポートできます。 自主リハビリは“無理をしないこと”もとても大切です。 疲労が強い日は休息を優先し、できる日には少しだけ負荷をかけるように調整することで長く続けやすくなります。 ご家族がサポートする場合も「できている部分を認めながら励ますこと」が継続の力になります。 再発予防のための生活管理 陳旧性脳梗塞では、再発予防のための生活管理が非常に重要です。 脳梗塞は再発率が高い疾患とされており、陳旧期に入っても適切な生活管理を続けることで再発リスクを下げることが可能です。 特に血圧・血糖・コレステロールなど、血管の健康に関わる要素を整えることが予防の基本となります。 再発予防では、「完璧にやらなければ」と思いすぎないことも大切です。 焦って生活を変えようとすると継続が難しくなるため、できることから少しずつ習慣を整えていくことで負担が少なく続けやすくなります。 また、気になる症状や不安がある場合は早めに専門医へ相談することで、安心感を持ちながら生活管理を進めやすくなります。 陳旧性脳梗塞に対する再生医療(幹細胞治療)という新しい選択肢 陳旧性脳梗塞の後遺症に悩む患者様の選択肢として、再生医療(幹細胞治療)が注目されるケースがあります。 従来のリハビリだけでは補いきれない部分をサポートする方法として、身体が本来持つ力を活かす再生医療が相談される場面が増えています。 再生医療は患者様自身の細胞を用いることで、負担を抑えながら身体づくりをサポートする可能性がある治療として関心が高まりつつあります。 再生医療は、患者様の状態によって適応の可否が異なるため、まずは専門医が丁寧に評価し、無理のない範囲で検討することが大切です。 また、従来の治療やリハビリと組み合わせて取り入れるケースもあり、「できることを広げたい」と考える患者様の支えになることがあります。 リペアセルクリニック大阪院では、再生医療に精通した医師が患者様一人ひとりの状態を詳しく確認し、必要なケア・生活習慣の改善アドバイスも含めて総合的な提案を行っています。 治療を押しつけることはせず、患者様の希望や生活背景を大切にしたサポートを行っているため、安心して相談しやすい環境が整っています。 気になる症状がある場合や、将来のために治療の幅を広げておきたい場合には、一度専門医に相談することで安心感が得られやすくなります。 陳旧性脳梗塞は日常生活でできる工夫と適切なケアが重要 陳旧性脳梗塞と向き合うためには、日常生活の工夫と適切な医療的サポートを組み合わせることが大切です。 発症から時間が経過した陳旧期は、回復のスピードがゆっくりになる時期ですが、生活の工夫・自主リハビリ・再発予防の管理を継続することで、日常の不安や負担を減らすことが期待できます。 焦らず続けることが、長期的な生活の質につながっていきます。 陳旧性脳梗塞は、改善のスピードが緩やかなぶん、不安を抱え込みやすい時期でもあります。 ご自身だけで頑張ろうとせず、家族や医療者と協力しながら取り組むことが、心身双方の負担を減らすことにつながります。 また、後遺症が続いている患者様や、今後の生活に不安を抱えている患者様にとって、身体の状態に合わせてサポートする再生医療が新しい選択肢となることもあります。 リペアセルクリニック大阪院では、陳旧性脳梗塞の患者様の状態を丁寧に確認したうえで、再生医療を含めた多角的なケア提案を行っています。 リハビリ・生活習慣のアドバイス・相談しやすいカウンセリング体制があり、患者様が不安を抱え込まずに進める環境を整えています。 「今後の過ごし方が不安」「何をどう進めればよいか迷っている」そんな方は、一度専門医に相談することで、より納得感のある選択肢を見つけやすくなります。 無理なく取り組める形で、これからの生活を整えていきましょう。
2025.11.28 -
- 脳梗塞
「脳梗塞と診断されたけれど症状は軽いと言われた…」「このまま普段通り生活して大丈夫なのだろうか?」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 脳梗塞は重度のまひや言語障害のイメージが強い一方で、比較的軽い症状で発症するケースも少なくありません。 しかし、症状が軽くても油断は禁物で、放置すると後遺症や再発リスクにつながることもあります。 そこで本記事では、「軽い脳梗塞とは何か」という基礎から、注意したい症状、受診の目安、再発を防ぐための対策まで分かりやすく解説します。 不安を抱えたまま生活を続けるより、正しい知識と対策を知ることで安心につながりやすくなります。まずは病気の基本から理解していきましょう。 「症状が軽い脳梗塞」とは?まずは病気の基本を理解が大切 「症状が軽い脳梗塞」とは、脳の血管が一時的に詰まり、比較的軽度の神経症状で済んだ状態を指します。 脳梗塞は脳の血流が不足することで神経細胞にダメージが生じる病気ですが、すべてが重症化するわけではありません。 血流の低下が部分的・一時的であった場合、「軽い症状で収まった脳梗塞」と表現されることがあります。 しかし、症状が軽いからといって油断してよいわけではなく、早急な治療や予防策が必要となるケースもあるため、脳梗塞のメカニズムを理解しておくことが非常に重要です。 症状が軽い脳梗塞は、「そのうち良くなるだろう」と放置されやすい反面、再発につながるリスクが指摘されています。 軽度のダメージでも、脳の血流に何らかの問題が生じたサインであるため、今後の対策を早めに行うことが非常に重要です。 次の章では、軽い脳梗塞で起こりやすい症状や受診を検討すべきサインについて詳しく確認していきます。 こんな症状は要注意?軽い症状でも受診を検討したいサイン 脳梗塞は軽い症状でも見逃されやすく、早めの受診が必要となるケースがあります。 軽いしびれや違和感、ふらつきなどの症状は「疲れかな」「寝不足のせい」と見過ごされやすい一方、脳梗塞の初期段階である可能性も否定できません。 また、一時的に改善したように見えても脳の血流が不安定な状態にあることもあり、注意深い観察が必要です。 ここからは、軽い脳梗塞で特に見逃しやすいサインと、どのタイミングで受診すべきかを詳しく解説します。 見逃されやすい“軽い脳梗塞”の前兆・サイン 軽い脳梗塞では、症状が短時間で改善したり、曖昧な違和感として現れることが多いため注意が必要です。 「一瞬だけ手がしびれた」「少し話しづらかった」「視界がかすんだ気がした」など、些細な変化が脳梗塞の初期サインである可能性があります。 これらは数分〜数時間で改善することもありますが、脳の血流が一時的に低下していたサインかもしれません。 このような症状は疲労・ストレス・低血圧でも起こり得るため判断が難しいのですが、「片側のみ」に偏る症状や「急に起こった」変化は注意が必要です。 特に症状が繰り返す場合や、短時間で消えても違和感が続く場合は、脳の血流が不安定になっている可能性があります。 病院へ行くべきタイミングと受診の目安 軽い症状であっても「いつもと違う」「急に起こった」場合は受診を検討することが重要です。 脳梗塞の初期症状は短時間で軽快することもあり、そのまま放置されるケースが少なくありません。 しかし、その後に大きな脳梗塞を引き起こすリスクもあるため、小さな異変を見逃さないことが大切です。 症状が軽くても受診しておくことで、脳梗塞の有無や血管の状態を確認でき、将来の予防にもつながります。 早めの判断はご自身を守るだけでなく、ご家族の安心にもつながります。 「軽い脳梗塞」のあとに気をつけたい後遺症と再発リスク 症状が軽い脳梗塞でも、後遺症や再発リスクが残ることがあるため、発症後のケアが非常に重要です。 脳梗塞は脳の血管が詰まり、神経細胞がダメージを受けることで起こります。 症状が軽かった場合は「大したことがなくてよかった」と安心しがちですが、脳の血流に何らかの問題が起こったサインであることに変わりはありません。 そのため、軽症の脳梗塞であっても、その後の生活管理を怠ると再発のリスクが高まる可能性があります。 また、軽い脳梗塞では症状が短時間で改善する場合があるため、後遺症に気づかれにくいケースもあります。 しかし、言葉の出にくさ・注意力の低下・手足の細かい動きにくさなど、日常生活でふとした瞬間に違和感を覚えることもあり、慎重な観察が必要です。 軽度の脳梗塞であっても、脳の血流が低下した背景には高血圧・糖尿病・脂質異常症・動脈硬化などの要因が隠れていることがあります。 こうした要因は放置すると再発リスクを高めるため、適切な生活管理や医療的なフォローがとても大切です。 「症状は軽かったから大丈夫」と自己判断してしまうと、再度の発作につながる可能性もあり、同じ部分や別の血管で脳梗塞を起こす恐れもあります。 発症後は、自分では自覚しにくい後遺症がゆっくり現れるケースもあるため、日常生活での違和感は軽視しないようにしましょう。 脳梗塞後の後遺症に対する再生医療というアプローチ 脳梗塞後の後遺症に悩む患者様に向けた新しい選択肢として、再生医療というアプローチが注目されています。 脳梗塞は発症直後の治療が重要ですが、急性期を過ぎたあとも「手足の動かしにくさ」「しびれ」「歩行の不安定さ」「言葉の出にくさ」など、さまざまな後遺症が残ることがあります。 従来はリハビリが中心でしたが、近年は身体が持つ回復力にアプローチする再生医療が、ケアの選択肢として広がりつつあります。 再生医療は患者様自身の細胞や血液由来の成分を活用し、負担の少ない方法でコンディションを支える医療の一つとして注目されています。 リハビリとあわせて取り組まれることもあり、後遺症のケアで「できることを増やしたい」と考える方に相談されるケースが増えています。 脳梗塞による後遺症は長期戦になりやすく、リハビリだけでカバーしにくい部分もあります。 だからこそ、身体の状態を把握しながら複数の選択肢を持つことが心理的な安心にもつながります。再生医療は「無理のない範囲でできるケア」として取り入れられることもあり、患者様の状態に合わせて検討されます。 リペアセルクリニック大阪院では、再生医療に関する豊富な知識を持つ医師が、患者様の状態・不安・生活背景を丁寧にヒアリングしたうえで、最適な方法を提案しています。 症状が軽い脳梗塞でも、将来のために「今できる対策」を 症状が軽い脳梗塞であっても、再発や後遺症を防ぐために「今できる対策」を早めに始めることが大切です。 脳梗塞は一度発症すると再発率が高い疾患のひとつで、軽い症状で済んだ場合でも脳の血管には負担が蓄積している可能性も。 発症後の生活を見直すことで再発の予防につながり、日常の不安を軽減することにもつながります。 近年身体が持っている力をサポートする医療として、再生医療が検討されるケースも増えています。 脳梗塞後の生活は不安が多いかもしれませんが、必要な対策を早く知り、無理のない範囲で続けていくことで将来の健康につながります。 「軽かったから大丈夫」と油断せず、小さな異変や気になる症状は見逃さないことが大切です。 もし後遺症が残っている場合や、現状の治療やリハビリだけでは不安を感じている患者様は、治療の幅を広げるために選択肢を増やしておくことも有効です。 近年注目されている再生医療は、患者様の身体の状態に合わせたサポートを行う医療として、相談される方が増えています。 リペアセルクリニック大阪院では、再生医療の専門知識を持つ医師が患者様の状態を丁寧に確認しながら、生活習慣のアドバイスやケア方法も含めた総合的な提案を行っています。 気になる症状や不安がある場合は、一人で抱え込まずに専門医へ相談することで、将来に向けたより良い選択をしていくことができます。 脳梗塞後のケアについて悩まれている患者様は、ぜひ一度リペアセルクリニック大阪院へご相談ください。
2025.11.28 -
- 脳梗塞
「目の奥がズキっと痛む…これって脳梗塞のサインなの?」と不安に感じる方もいらっしゃるかと思います。 目の奥の痛みは日常的な負担でも起こりやすく、必ずしも重大な病気と結びつくわけではありません。 大切なのは「危険な症状」と「様子を見てよい症状」を見極めること。 本記事では、目の奥が痛むときに考えられる原因から、脳梗塞が疑われるサイン、自宅で確認したいチェックリスト、そして万が一脳にダメージが残った場合の選択肢まで、分かりやすくまとめています。 目の奥が痛いからといって脳梗塞のサインとは限らない 結論、目の奥の痛みだけで脳梗塞と判断することはできません。 目の奥には神経・血管・筋肉が集中しており、日常の負担や生活習慣でも痛みが出やすい部位です。 そのため、脳梗塞のような重篤な病気と安易に結びつける必要はありません。 ただし、痛みに加えて神経症状が伴う場合は注意が必要であり、まずは「危険性が低いケース」と「慎重に判断したいケース」を知ることが大切です。 このように、目の奥の痛みは身近な原因でも十分に起こり得るため、痛みだけで脳梗塞と判断する必要はありません。 まずは生活習慣や作業状況、疲労の度合いを振り返ることでヒントが見つかることも多くあります。 ただし、「いつもの痛みと違う」「急激に症状が出た」「しびれや言語の変化を伴う」ようなケースでは、脳のトラブルが関係している可能性も否定できません。 目の奥が痛いときに考えられる主な原因 目の奥の痛みは日常のちょっとした負担でも起こりやすく、多くの場合は脳梗塞以外の要因で説明できます。 目の奥には神経や筋肉、血管が複雑に走っているため、疲労・姿勢不良・ストレスなど身近な原因でも痛みが発生しやすい構造になっています 。特にスマホやPCの長時間使用が当たり前になった現在では、眼精疲労による痛みを訴える方が増えており、「脳の病気かも」と不安になるケースも少なくありません。 まずは、目の奥が痛むときに考えられる代表的な原因を整理しておくことで、どのような状況で様子を見るべきか、どのようなときに受診すべきかを判断しやすくなります。 これらの原因は、その日の疲労や生活習慣によって変化しやすく、痛みの強さや持続時間にも個人差があります。 特に眼精疲労や姿勢の乱れによる痛みは、休息や環境の見直しで落ち着くケースもあるため、「いつ痛むのか」「どんなときに悪化するのか」を把握しておくと対処のヒントになります。 脳梗塞で現れやすい症状と、危険な「頭痛・目の奥の痛み」の特徴 脳梗塞が疑われる場合は、目の奥の痛みそのものよりも「神経症状を伴うかどうか」が重要な判断ポイントになります。 目の奥が痛む原因の多くは生活習慣によるものですが、脳梗塞では血管の詰まりによる脳のダメージが関係し、痛み以外にも特有のサインが現れることがあります。 特に、突然の違和感や急な症状の変化がみられる場合は慎重な判断が必要です。 ここからは、脳梗塞で注意すべき症状や、目の奥の痛みが関連するケースについて詳しく解説します。 脳梗塞の代表的なサイン 脳梗塞のサインで最も特徴的なのは、片側の神経症状や急激に起こる身体の変化です。 脳梗塞は、脳の血管が詰まり血流が低下することで起こります。 その影響で、詰まった血管の先にある脳の部位がうまく働かなくなり、身体の片側に異変が出ることも。 これらの症状は一時的に改善したように見えることもありますが、脳の血流が不安定になっている可能性もあるため注意が必要です。 「気のせいかも」と思っても、突然発症した場合は早めの相談が安心につながります。 目の奥の痛み・頭痛が前兆となるケース 目の奥の痛みや頭痛が脳梗塞の前兆となるケースもあり、いつもの頭痛と質が違う場合は注意が必要です。 目の奥がズキズキする、片側だけに痛みが偏る、視界の異常を伴うといった症状は、片頭痛など日常の頭痛でも起こりますが、脳の血流トラブルが背景にある場合もあります。 特に、痛みが急激に強くなったり、神経症状が同時に現れる場合は慎重に判断することが求められます。 前兆の症状は個人差が大きく、必ずしも脳梗塞につながるわけではありません。 ただ、「いつもの頭痛と明らかに違う」「痛み以外の異変を伴う」場合は、早めに医療機関へ相談することで安心につながります。 こんな症状があれば要注意!すぐに受診すべきチェックリスト 目の奥の痛みに加えて「いつもと違う症状」が同時に起こっている場合は、脳のトラブルが関係している可能性もあり、早めの受診が大切です。 目の奥の痛みだけでは脳梗塞かどうか判断できませんが、身体の片側だけに症状が出る・言葉が出にくい・視覚の異変が急に起こるなど、神経症状を伴う場合は慎重な判断が必要になります こうした症状は一時的に改善したように見えても、脳の血流が不安定な状態である可能性もあるため、判断を先延ばしにしないことが重要です。 以下では、受診を検討すべき代表的なチェックポイントをまとめています。ご自身やご家族の状況を照らし合わせながら確認してみてください。 これらの症状は必ずしも脳梗塞を意味するわけではありませんが、「急に発生した」「いつもと明らかに違う」場合は注意が必要です。 特に片側に偏って症状が出るケースは神経系のトラブルが関係している可能性もあるため、自己判断で様子を見続けるよりも、早めに医療機関へ相談することで安心につながります。 また、症状が軽くても繰り返し起こる場合や、体調の違和感が長引く場合も、専門家に一度確認してもらうことがおすすめです。 早めの相談は不安の軽減にもつながり、将来の健康管理についてのアドバイスも受けやすくなります。 もし脳梗塞で脳にダメージが残ったら?従来のリハビリと再生医療という選択肢 脳梗塞による後遺症が残った場合は、従来のリハビリに加えて再生医療という新しい選択肢を組み合わせることで、より幅広いアプローチが可能になります。 脳梗塞は脳の血管が詰まって血流が不足し、神経細胞がダメージを受けることで発症します。 従来のリハビリは、身体機能の維持や動かしやすさを支えるために非常に重要ですが、脳のダメージが深い場合には「進展しにくい」と感じる患者様もいらっしゃいます。 そこで近年注目されているのが、身体が持つ力にアプローチする再生医療です。 脳梗塞は再発率も高く、全身の状態管理や生活習慣の改善も重要です。 再生医療はその全体的な体調管理の一部として、患者様自身の身体の状態を整えるサポート役として活用されるケースがあります。 リペアセルクリニック大阪院では、再生医療に精通した医師が患者様の状態を丁寧に確認しながら、日常生活に関するアドバイスやセルフケアも含めた総合的な提案を行っています。 脳梗塞は再発率も高い疾患のひとつであり、痛みの状況や体調の変化をこまめにチェックしながら、将来を見据えたケアを選ぶことが大切です。 後遺症が残った場合はリハビリだけでなく、身体の状態に合わせた新しいアプローチとして再生医療を相談される方も増えています。 リペアセルクリニック大阪院では、再生医療に詳しい医師が患者様の不安や疑問に寄り添いながら、生活習慣のアドバイス・セルフケアのコツまで含めた総合的なサポートを行っています。 「この症状は大丈夫なのかな?」という小さな不安でも、そのまま抱え込まずに相談できる環境があることは大きな安心につながります。 目の奥の痛みや脳梗塞に関する不安がある方は、ぜひ一度リペアセルクリニック大阪院へご相談ください。
2025.11.28 -
- 脳梗塞
こめかみの痛みが続くと「もしかして脳梗塞の前兆なのでは…?」と不安に感じる方もいらっしゃると思います。 しかし、こめかみの痛みは日常的な原因でも起こりやすく、必ずしも重大な病気とは限りません。 一方で、脳梗塞や脳出血と関連する頭痛があることも事実です。 混同しやすい症状だからこそ、まずは正しい知識を持ち、必要な時に適切な行動がとれるよう備えておくことが大切です。 そこで本記事では、脳梗塞が疑われる頭痛の特徴から、自宅でできるチェック方法、さらにこめかみ痛の原因となりやすい生活習慣まで整理して解説します。 こめかみが痛いのは脳梗塞の前兆?まず知っておきたい基礎知識 結論として、こめかみの痛みだけでは脳梗塞かどうか判断することはできません。 こめかみは筋肉・神経・血管が交差するデリケートな場所で、日常的な負担でも痛みを感じやすい部位です。 そのため、痛み=脳の病気と直結させる必要はありません。 ただし、脳梗塞や脳出血では特有のサインが現れることがあり、見極めのポイントを知っておくことで冷静な判断に役立ちます。 まずはこめかみ痛の正しい理解から始めることで、不安に振り回されず、必要なときに必要な対処がしやすくなります。 こめかみの痛みだけで脳梗塞とは限らない理由 こめかみ痛は脳梗塞以外の原因でも起こるため、痛み単体で判断することはできません。 側頭部には側頭筋や顔面の神経などが集まっており、噛みしめ・歯ぎしり・姿勢の乱れ・眼精疲労など、日常生活の負担で筋肉がこわばると痛みが出やすくなります。 また、片頭痛や緊張型頭痛などの一般的な頭痛でも同じ場所が痛むため、まずは身近な原因を整理することが重要です。 こめかみの痛みが続く場合でも、生活習慣やストレス状況を振り返ることで原因のヒントが得られることが多くあります。 まずは「いつ痛むか」「何をした後に痛むか」を記録してみることが、正しい判断につながりやすくなるでしょう。 脳梗塞・脳出血など命に関わる頭痛の特徴 命に関わる頭痛では「いつもとは違う異変」が起こりやすいことが特徴です。 脳梗塞や脳出血が疑われる場合は、痛みそのものよりも「急激に現れる神経症状を伴うかどうか」が重要なポイントとなります。 普段の頭痛と似ていても、片側のしびれや脱力などのサインが現れた場合は注意が必要です。 こうした症状は一過性に見えることもありますが、医療的な評価が必要となるケースがあります。 「普段の頭痛と違う」と感じた際は、自己判断に頼らず専門医へ相談することが大切です。 脳梗塞以外で「こめかみが痛い」代表的な原因 こめかみの痛みは脳梗塞だけでなく、日常の負担によって起こりやすい頭痛であることを理解しておくことが大切です。 こめかみの周辺には筋肉・神経・血管が集中しており、ちょっとした生活習慣のクセや姿勢の乱れ、ストレスの蓄積などでも負担がかかりやすい部位です。 そのため、脳の病気と結びつける前に、多くの人に当てはまる身近な原因を整理しておくことが不安を減らす第一歩となります。 これらの原因は、痛みが慢性化しやすい一方で、生活習慣の見直しやリフレッシュの時間を確保することで負担を減らせる場合があります。 こめかみの痛みが続くと不安になりがちですが、日常の行動を振り返ることで原因のヒントが見つかるケースも。 「いつ痛むのか」「どんな姿勢をしていたか」を記録しておくと、症状の傾向が見えやすくなり、適切な対策につながりやすくなるでしょう。 自宅でできるセルフチェックと受診の目安 こめかみの痛みを感じたときは、自宅で確認できるチェックポイントを把握しておくと、受診すべきかどうか判断しやすくなります。 こめかみの痛みは生活習慣による一時的なものから、脳のトラブルが疑われるケースまで幅広く、状況によって対処法が異なります。 「いつもと違う痛みなのか」「神経症状を伴っていないか」を落ち着いて確認することが大切です。 以下では、自宅でできるチェックポイントと、医療機関の受診を検討したいシチュエーションを整理しています。 こめかみの痛みは「いつ起こったか」「どのような痛みか」「他の症状があるか」で判断が大きく変わります。 特に、痛みと同時に神経症状が現れる場合は、脳の血流トラブルが関係している可能性も否定できないため、慎重な対応が必要です。 こうした症状はすべての方に起こるわけではありませんが、念のため早めに相談しておくことで安心につながりやすくなります。 こめかみ痛が頻繁に起こる場合や、原因がはっきりしないまま続いている場合は、専門医に相談することで適切な評価が受けられます。 判断に迷うときほど、一度医療機関でチェックしてもらうことで、不安の軽減にもつながるので早めの受診がおすすめです。 脳梗塞後遺症・再発リスクに対する新しい選択肢「再生医療」というアプローチ 脳梗塞後の後遺症や再発リスクに対して、再生医療という新しい医療アプローチが検討される場面も増えています。 脳梗塞は発症後にリハビリを続けても、しびれ・脱力感・歩行の不安定さなどの後遺症が長く残ることも。 再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液に含まれる成分を活かして、身体本来の回復力にアプローチする医療で、従来のリハビリや薬物療法と併用されることもあります。 再生医療は負担の少ない医療として研究が進んでおり、脳梗塞後の身体づくりやコンディション管理のサポートとして有効性が期待されている分野です。 特に、後遺症が慢性化しやすい方や、再発リスクが心配な患者様にとって、選択肢が一つ増えることは精神的な安心感にもつながります。 リペアセルクリニック大阪院では、再生医療の専門知識を持つ医師が患者様一人ひとりの状態を丁寧に確認し、生活指導・セルフケア・リハビリ的な取り組みと組み合わせながら最適な提案を行っています。 脳梗塞後はご本人様だけでなく、ご家族も不安を抱えることが少なくありません。 リペアセルクリニック大阪院では、患者様の将来を見据えたケアを重視し、再生医療を選択肢の一つとして「無理なく続けられるサポート」を心がけています。 こめかみの痛みと上手に付き合いながら、脳梗塞を防ぐためにできること こめかみの痛みと向き合いながら脳梗塞を防ぐためには、日常のセルフケアと専門医への相談を組み合わせることが大切です。 こめかみ痛は生活習慣による緊張型頭痛から、気候・ストレス・疲労まで幅広い原因で起こりやすく、うまく付き合っていく姿勢が必要です。 さらに、脳梗塞のリスク管理には、血圧・血糖・コレステロールなどの全身状態を整えることも欠かせません。 「いつもの痛み」と「気をつけるべき痛み」を見極め、適切なタイミングで専門医に相談することで安心につながります。 脳梗塞は突然起こることが多く、痛みだけで判断するのは難しい病気です。 そのため、日頃からできる予防習慣を続けつつ、不安を感じたタイミングで専門医へ相談することで、より安心して日常生活を送ることができます。 リペアセルクリニック大阪院では、患者様の不安や生活背景を丁寧に伺いながら、再生医療・生活指導・セルフケア提案を含めた総合的なアプローチを行っています。 こめかみの痛みや脳梗塞への不安がある方は、一度専門医に相談することで気持ちが軽くなり、必要なサポートにもアクセスしやすくなるというメリットも。 こめかみの痛みに関する心配がある際は、お気軽にリペアセルクリニック大阪院へご相談ください。
2025.11.28 -
- 脳卒中
- 頭部
- 脳梗塞
脳梗塞とは脳の血管が詰まって血流が途絶え、酸素や栄養が届かなくなった脳細胞がダメージを受ける病気です。 発症後は脳梗塞の後遺症に加えて、時間の経過とともにさまざまな合併症が起こることがあり、命に関わるリスクや生活の質を大きく低下させる可能性があります。 この記事では、脳梗塞で起きやすい主な合併症と、それぞれの対処法・治療法を詳しく解説します。 合併症からの回復には、早期発見と適切な対応が重要です。 脳梗塞やその合併症で悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また近年は従来のリハビリや薬物療法だけで改善が難しい症状に対し、再生医療は新たな選択肢の一つになります。 症状にお悩みの方は 再生医療をご検討ください 【こんな方は再生医療をご検討ください】 合併症に悩まされている 麻痺やしびれが残り、日常生活に支障が出ている リハビリを続けているが改善が停滞している できるだけ手術は避けたい 実際に治療を受けた方の症例については、以下の動画でもご紹介しています。 https://youtu.be/wUkfKfU7Jsc 再生医療の治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の主な合併症 脳梗塞を発症すると、麻痺や言語障害だけでなく、さまざまな合併症が起こる可能性があります。 これらの合併症は急性期(発症直後から数日間)から慢性期(発症後数週間以降)にかけて現れることがあり、早期発見と適切な対応が重要です。 主な合併症として以下があります。 体温調節障害|発熱や高体温が続く場合は要注意 誤嚥性肺炎 脳出血・消化管出血などの出血性合併症 血管性認知症(記憶障害・判断力低下など) サルコペニア(筋力低下・筋萎縮) 褥瘡(床ずれ) これらの合併症は命に関わるものから、日常生活に大きな影響を与えるものまでさまざまです。 それぞれの症状や特徴を正しく理解して、早期に対応できるよう備えましょう。 体温調節障害|発熱や高体温が続く場合は要注意 脳梗塞によって脳の中で体温をコントロールする部分が傷つくと、身体の熱を適切に調節できなくなります。 この状態を体温調節障害といい、発症後の数日間に起こりやすい合併症です。 主に以下の症状があります。 脳の体温調節中枢が損傷することで、体温をうまくコントロールできなくなる 38度以上の発熱が続く、または身体が異常に熱くなる 感染症がないのに高熱が出る場合は体温調節障害の可能性がある 脳のダメージを悪化させるため、早めの対応が必要 高熱が続くと脳へのダメージがさらに広がる可能性があるため、熱が下がらない場合は医療スタッフにすぐに伝えることが大切です。 誤嚥性肺炎 脳梗塞によって飲み込む力が弱くなると、食べ物や飲み物、唾液などが誤って気道に入ってしまうことがあります。 これを誤嚥(ごえん)といい、気道に入った細菌が肺で増えて炎症を起こす状態が誤嚥性肺炎です。 症状は以下のとおりです。 飲み込む機能が低下し、食べ物や唾液が誤って気道に入ってしまう 気道に入った細菌が原因で肺に炎症が起こる 咳、発熱、呼吸困難などの症状が現れる 脳梗塞の合併症の中でも命に関わる危険性が高い 高齢者や飲み込む機能が低下している方にとくに起こりやすく、発熱や咳、呼吸が苦しくなるなどの症状が見られます。 予防には口の中を清潔に保つことや、飲み込む力を高めるリハビリが効果的です。 食事の際は姿勢に注意し、ゆっくり食べるよう心がけましょう。 脳出血・消化管出血などの出血性合併症 脳梗塞の治療で血栓を防ぐために使用する、血液をサラサラにする薬の影響で出血しやすくなることがあります。 とくに注意が必要なのは脳内での出血と、胃や腸からの出血です。 以下の特徴があります。 血液をサラサラにする薬の影響で出血しやすくなる 脳内で出血が起こると、頭痛や意識障害などの症状が現れる 胃や腸から出血すると、黒い便や吐血が見られることがある 命に関わる重大な合併症のため、早急な対応が必要 脳内で出血が起こると、急激な頭痛や意識レベルの低下、新たな麻痺などの症状が現れます。 消化管から出血している場合は、便が黒くなる、吐血する、貧血症状が出るなどのサインがあります。 これらの症状に気づいたら、すぐに医療機関に連絡してください。定期的な検査で早期発見に努めることも大切です。 血管性認知症(記憶障害・判断力低下など) 脳梗塞が原因で脳の細胞が傷つくと、記憶や判断、思考などの認知機能が低下することがあります。 これを血管性認知症といい、脳梗塞の発症直後や、複数回の脳梗塞を経験した後に現れやすい症状です。 主な症状は以下のとおりです。 脳梗塞によって脳の細胞が損傷し、認知機能が低下する 記憶力の低下、判断力の低下、集中力の低下などが見られる 感情のコントロールが難しくなり、怒りっぽくなることもある 脳梗塞を繰り返すと症状が段階的に悪化する 完全に元に戻すことは難しいですが、脳梗塞の再発を防ぐことで進行を抑えられます。 血圧管理や生活習慣の改善、リハビリの継続が重要です。 サルコペニア(筋力低下・筋萎縮) サルコペニアとは、筋肉の量が減り、筋力が低下する状態です。 脳梗塞によって身体を動かせない状態が続くと、筋肉が急速に衰えてしまいます。 サルコペニアの特徴は以下のとおりです。 麻痺や安静状態が続くことで筋肉が衰える 筋力が低下し、立つ、歩く、物を持つなどの動作が困難になる 転倒のリスクが高まり、日常生活の自立度が低下する 栄養状態の悪化も筋力低下を加速させる サルコペニアが進むと、立ち上がる、歩く、階段を上るなどの基本的な動作が難しくなり、転倒や骨折のリスクも高まります。 予防には早期からのリハビリが最も効果的です。 褥瘡(床ずれ) 脳梗塞で寝たきりに近い状態が続くと、身体の同じ部分に圧力がかかり続けて、皮膚や皮下組織が傷んでしまいます。 これが褥瘡(じょくそう)、一般的には床ずれと呼ばれる状態です。 褥瘡の主な特徴は以下のとおりです。 同じ姿勢で長時間横になることで、皮膚に圧力がかかり続ける 血流が悪くなり、皮膚や組織が傷んで潰瘍ができる お尻、かかと、肩甲骨、腰などの骨が出ている部分に起こりやすい 悪化すると感染症を引き起こし、治療に時間がかかる 褥瘡は一度できると治りにくく、悪化すると皮膚が深くえぐれて感染症を起こすこともあります。 予防には定期的な体位変換(2時間ごとに身体の向きを変える)ことが大切です。 脳梗塞の合併症が起きた際の対処法・治療法 脳梗塞の合併症が起こったときは、それぞれの症状に応じた適切な対処が必要です。 以下に主な合併症の対処法と治療法をまとめました。 合併症の種類 対処法・治療法 体温調節障害 ・通常は解熱鎮痛薬を使用して熱を下げる ・感染症など他の原因がないか確認しながら、慎重に体温管理を行う 誤嚥性肺炎 ・抗菌薬を投与して肺の炎症を抑える ・呼吸が苦しい場合は酸素を投与する ・口の中を清潔に保つケアを行う ・飲み込む力を高めるリハビリを継続して行う 脳出血・消化管出血 ・血液をサラサラにする薬を一時的に中止する ・必要に応じて血液製剤や血小板輸血を行う ・脳内出血の場合は血圧を下げる薬や、出血を止める薬を使用する 血管性認知症 ・血圧のコントロールや生活習慣の改善を行う ・脳の血流を良くする薬を使用することもある ・リハビリで身体機能の低下を防ぐ ・脳梗塞の再発予防が最も重要 サルコペニア ・リハビリを中心とした運動療法で筋力を維持・向上させる ・タンパク質やアミノ酸を多く含む食事で栄養状態を改善する ・早期からリハビリを開始することが予防につながる 褥瘡(床ずれ) ・2時間ごとに体位を変えて同じ部分に圧力がかからないようにする ・専用のマットレスやクッションを使用する ・皮膚を清潔に保つ ・すでに褥瘡ができている場合は、傷の処置と栄養管理を行う 合併症は早期に発見して対応するほど、重症化を防げる可能性が高まります。 日頃から身体の変化に注意を払い、気になる症状があればためらわずに医療スタッフに伝えましょう。 脳梗塞の合併症が疑われたらすぐに受診しよう!再生医療という選択肢も 脳梗塞の合併症は、急性期から慢性期まで幅広い時期に現れる可能性があります。 体温調節障害や誤嚥性肺炎、出血性合併症などは命に関わることもあるため、少しでも異変を感じたらすぐに医療機関を受診してください。 脳梗塞をはじめとする脳卒中に対しては、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療では、脳卒中の後遺症改善や再発予防を目的として、幹細胞を使用します。 当院「リペアセルクリニック」で行っている再生医療については、以下の動画をご覧ください。 実際に脳卒中の方に対する症例については、当院の公式LINEで紹介しているので、ぜひご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.11.28 -
- 脳梗塞
- 再生治療
閃輝暗点(せんきあんてん)の症状があり脳梗塞の確率があると不安に思われていませんか? 「閃輝暗点」とは突然視界の端にギザギザした光が現れ、20〜30分ほどで消える症状です。 多くは片頭痛の前触れとして起こりますが、なかには「脳梗塞のサインでは?」と不安になる方もいるのではないでしょうか。 結論から言えば、閃輝暗点そのものが脳梗塞に直結する確率は極めて低いとされています。 しかし、ピルの内服や喫煙、家族の脳梗塞歴などがある場合は、注意が必要です。 この記事では、科学的根拠に基づく見分け方や受診の目安などを解説します。 結論として閃輝暗点が脳梗塞である確率は条件次第 結論から言えば、閃輝暗点そのものが脳梗塞である確率は低いでしょう。 なぜなら、閃輝暗点は脳の機能変化として現れる一過性の神経現象で、脳組織の損傷や血流遮断は伴わないためです。 一方で脳梗塞では脳の血管が障害されることにより、脳や脳神経の損傷を伴います。 その結果として視野の欠けや閃輝暗点のような症状が見られることが特徴です。 とはいえ閃輝暗点=脳梗塞といえるだけの根拠はなく、閃輝暗点だけでは脳梗塞とは言えないでしょう。 ただし、閃輝暗点を伴う片頭痛を持つ人では、脳梗塞を起こすリスクが約2倍になると報告※されています。 ※出典:British Medical Journal「Risk of ischemic stroke in people with migraine: systematic review and meta-analysis of observational studies」 これは「相対的な増加」を示すもので、たとえば一般の若年層で脳梗塞の確率が0.1%なら、2倍でも0.2%と依然として低い水準です。 つまり、「2倍=危険」ではなく、「もともと低い確率の中で一部条件に注意が必要」と言えます。 このように閃輝暗点=脳梗塞とは言えませんが、気になる場合は専門医に相談してください。 閃輝暗点と脳梗塞を見分けるポイント 閃輝暗点と脳梗塞を見分けるポイントとして、以下の観点から解説します。 この項ではそれぞれの違いがわかるように解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 閃輝暗点の典型的な特徴 閃輝暗点の典型的な特徴※は、以下のとおりです。 閃輝暗点の典型的な特徴 症状 ・ジグザグ・ギザギザ(鋸歯状)の光や波打つような閃光が見える ・多くの場合、片側の視野(両目で見たときに同じ側)に現れる。 ・症状は5〜60分以内に消失する(平均20〜30分) 随伴症状 ・拍動性の頭痛、吐き気、光過敏などの片頭痛症状が続くことが多い 進行性・可塑性 ・視野の一部から始まり、ゆっくりと広がっていく ・光の後に視野が欠けることがあるが、一過性で完全に回復する ※出典:日本頭痛学会「国際頭痛分類第3版(ICHD-3)日本語版」 このように、閃輝暗点はゆっくりと進行する一過性の症状です。 少しずつ症状が進行する特徴があり、突然症状が強く出る脳梗塞とは違うことがわかります。 脳梗塞の特徴 一方で、脳梗塞には以下のような特徴※があります。 脳梗塞の特徴 症状 ・片側の手足や顔の麻痺 ・ろれつが回らない、言葉が出ない ・片側の視野が欠ける、視力低下 ・ふらつき、めまい、歩行困難 随伴症状 ・意識障害や見当識障害 ・しびれなどの感覚障害 ・嚥下障害や構音障害による誤嚥リスクの増大 進行性・可塑性 ・発症直後から最大の症状が出現することが多い ・自然回復は限定的 ※出典:日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2025]」 このように、脳梗塞は発症直後から症状が強く、早く治療しないと症状の回復が見込めない特徴があります。 これらの症状が見られる場合には、可能な限り速やかに受診してください。 自分の発症リスクを把握する「年齢・性別・習慣」別の見方 閃輝暗点の発症リスクを把握するために、「年齢・性別・習慣」別の見方をまとめました。 もし自身の閃輝暗点リスクが気になるという方は、最後までご覧になられることをおすすめします。 若年層でも油断は禁物 若年層でも油断は禁物です。 健康に見えて実は一時的な血管のけいれんによって閃輝暗点が現れることがあります。 特に、睡眠不足・ストレス・ホルモンバランスの変化は、脳血流の一時的な変動を引き起こしやすい要因です。 これらが重なると、脳の視覚野が過敏に反応し、ギザギザした光や視野の欠けとして感じられることがあります。 若年層であっても、こうした誘因が繰り返される場合は放置せず、生活リズムの見直しや医療機関での相談が大切です。 女性特有のリスク要因 女性特有のリスク要因として、ホルモンの影響や避妊薬の使用が閃輝暗点のリスクに関係することがあります。 特に、月経前後や排卵期など女性ホルモンが急激に変化するタイミングでは注意が必要です。 さらに、低用量ピルの使用により、ホルモン変動が人工的に変化することで誘発される場合もあります。 加えて、喫煙者は血管の収縮反応が強まり、症状が出やすくなるため注意が必要です。 発作を繰り返す場合は、医師と相談してホルモンバランスや避妊薬の使用方法を相談した方が良いでしょう。 生活習慣と血管リスク 閃輝暗点は、生活習慣や血管リスクも考慮しなければいけません。 閃輝暗点は脳の血管が一時的にけいれんしたり、血流が変化することで起こることがあります。 そのため、禁煙・減塩・適度な運動といった生活習慣で血管環境を整えることが発症予防につながるでしょう。 特にストレスや睡眠不足、カフェインの過剰摂取は発症を助長するため、生活リズムの見直しも発症予防に期待できます。 もし「閃輝暗点の頻度が増えた」「発作が以前より重くなった」と感じる場合は、脳血流の変化が関与している可能性があるため、神経内科での脳血流検査を検討してみてください。 受診・専門機関への相談の目安 閃輝暗点の受診・専門機関への相談の目安は以下のとおりです。 初めての発作で強い不安を感じる 視覚異常が長引く・頻繁に繰り返す 神経症状(しびれ・言語障害など)が伴う 初めての発作で強い不安を感じた場合や、視覚異常が長引く・頻繁に繰り返すときには、脳血流の異常がないか確認することが重要です。 また、手足のしびれ・言葉が出にくい・力が入りにくいといった神経症状を伴う場合は、一過性脳虚血発作や脳梗塞の初期症状の可能性もあります。 こうした場合は自己判断せず、神経内科・脳神経外科・頭痛外来での検査を早めに受けましょう。 慢性的な血流不全や後遺症に対する新たな再生医療という可能性 閃輝暗点は前述のとおり、血流不全などによって生じることがあります。 血管の健康を保つためには、禁煙・減塩・適度な運動などの生活改善が基本です。 しかし、動脈硬化などが原因の場合には、これだけでは十分でないこともあります。 そのようなケースで注目されているのが、自己の細胞を用いて血管や神経の修復を促す「再生医療」です。 再生医療とは、脳梗塞や虚血性疾患による慢性的な血流障害や回復の遅れに対する新しい医療技術として研究が進んでいます。 当院リペアセルクリニック大阪院では、医学的根拠に基づき、安全性を最優先した評価と適応判断のもと、こうした再生医療の可能性を追求しています。 興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。 閃輝暗点が突然・長時間続く場合は、早めの受診が重要 閃輝暗点が脳梗塞である確率について解説しました。 ポイントは以下のとおりです。 閃輝暗点は多くの場合、良性の片頭痛の前兆として現れ、時間が経てば自然に消えることがほとんどです。 前述のとおり、閃輝暗点を伴う片頭痛の人は脳梗塞リスクが相対的に上昇すると報告されていますが、実際の発症率は条件次第で低いことも分かっています。 しかし、突然の発症・長時間の持続・手足のしびれや言葉のもつれなど神経症状を伴う場合は、脳梗塞ある可能性が否定できません。 だからこそこの記事で紹介したリスク要因を把握し、早めに受診することが発症予防につながるでしょう。 なお、当院リペアセルクリニック大阪院では脳梗塞に対する再生医療も実施しています。 過去には効果があった症例も経験していますので、興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
2025.11.07 -
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脳梗塞の再発予防において、食事管理は重要な対策の一つです。 なぜなら、脳梗塞の再発の引き金となる高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病は、毎日の食事内容と密接に関連しているからです。 しかし「食事で何に気をつければいいのか」「具体的に食べてはいけないものは何なのか」と、日々の食生活について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の再発リスクを高めてしまう「食べてはいけないもの」について詳しく解説します。 正しい食生活を理解し、毎日の習慣を見直すことが、再発を防ぐための一歩となります。 また、近年の脳梗塞の再発予防策として「再生医療」という選択肢が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した血管や脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 脳梗塞の再発への不安がある方や、後遺症の改善を諦めたくない方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 脳梗塞後に食べてはいけないもの一覧 脳梗塞の再発を予防するためには、食生活の改善が重要です。 とくに、動脈硬化や高血圧、脂質異常症といった脳梗塞の再発リスクを高める要因を悪化させる食品は、日常の食事から避けるか、厳しく制限する必要があります。 脳梗塞後に食べてはいけないものは、以下のとおりです。 脂肪分が多い食品 塩分の多い食品 糖分の多い食品 高GI炭水化物 アルコール これらの食品がなぜ脳梗塞の再発リスクとなるのか、具体的に解説していきます。 脂肪分が多い食品 脂肪分の多い食品の中でも、「飽和脂肪酸」や「トランス脂肪酸」を多く含むものは、避けるべきです。 これらは血液中の悪玉(LDL)コレステロールを増やし、血管の壁にプラークを蓄積させ、動脈硬化を促進させてしまうためです。 飽和脂肪酸を多く含む食品例 肉の脂身(バラ肉、ロース肉の脂身など) バター、ラード、生クリーム 加工肉(ソーセージ、ベーコン) など トランス脂肪酸を多く含む食品例 マーガリン、ショートニング ケーキ、クッキー、スナック菓子 ファストフード、揚げ物 など 後述する塩分の多い食品やアルコールとともに摂取する機会が多いため、意識して避ける必要があります。 塩分の多い食品 塩分の多い食品は、脳梗塞の危険因子である高血圧を直接招くため、厳しく制限する必要があります。 高血圧は血管に常に高い圧力をかけ、血管を傷つけ、動脈硬化を進行させる原因となります。 塩分を多く含む食品例 加工食品(ハム、ソーセージ、ちくわ、かまぼこ) インスタント食品(カップラーメン、インスタント味噌汁) 漬物、梅干し、佃煮 干物 スナック菓子、せんべい など とくに、カップラーメンなどのインスタント食品の汁は塩分が多いため、飲み干さないようにしましょう。 糖分の多い食品 ジュースやお菓子、菓子パンなど、砂糖を多く含む糖分の多い食品も控えるべきです。 これらは食後の血糖値を急激に上昇させるだけでなく、過剰な糖質は中性脂肪として蓄積されやすいためです。 糖分を多く含む食品例 清涼飲料水、ジュース、加糖のコーヒー・紅茶 ケーキ、クッキー、饅頭などの菓子類 アイスクリーム 菓子パン、デニッシュパン など 血糖値の乱高下(血糖値スパイク)や肥満は、血管に負担をかけ、動脈硬化のリスクを高めます。 高GI炭水化物 白米や食パン、うどんなど、精製された炭水化物(高GI食品)の摂取量にも注意が必要です。 これらは糖分の多い食品と同様に、摂取すると体内で速やかに糖に分解され、食後の血糖値を急激に上昇させます。 主な高GI炭水化物の例 白米 食パン、菓子パン うどん、そうめん じゃがいも など 主食を摂る場合は、玄米や雑穀米、全粒粉パン、そばといった血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」に置き換えることが推奨されます。 アルコール アルコールの過剰な摂取は、脳梗塞の再発リスクを高めるため、原則として控えるべきです。 過度な飲酒は、脳梗塞の原因となる「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」を悪化させる要因となります。 また、降圧剤や血液をサラサラにする薬(抗血小板薬、抗凝固薬)を服用中の方は、アルコールが薬の効果に影響を与える可能性もあります。 主治医から許可が出ている場合でも、示された適量を厳守することが不可欠です。 【再発防止につながる】脳梗塞後に食べた方が良いもの https://youtu.be/mVmZk4D7Fso?si=wfO51EoR58Q8W1yw 脳梗塞の再発予防には、「食べてはいけないもの」を避けるだけでなく、動脈硬化や高血圧を防ぎ、血液の状態を良好に保つ栄養素を含む食品を積極的に摂ることが重要です。 再発予防のために日々の食事で積極的に取り入れたい食品群は、以下のとおりです。 野菜類・果物類 青魚(サバ、イワシ、アジなど) 大豆製品・海藻類・きのこ類 低GI炭水化物(玄米、全粒粉パンなど) 良質な油(オリーブオイル、亜麻仁油など) など これらの食品群はどれも重要ですが、再発予防において、とくに重要なのが「野菜・果物」と「青魚」です。 野菜や果物には、血圧を下げる働きのあるカリウムが豊富に含まれており、高血圧の原因となる体内の余分なナトリウム(塩分)を排出するのを助けてくれます。 また、豊富な食物繊維がコレステロールの吸収や血糖値の急上昇を抑える役割も果たします。 青魚は血液をサラサラにする効果が期待できるEPAやDHAという良質な脂質(n-3系脂肪酸)を含みます。 これらに加え、食物繊維が豊富な大豆製品や海藻類、血糖値の上昇が緩やかな玄米、悪玉コレステロールを減らすオリーブオイルなどをバランス良く組み合わせることが重要です。 ただし、腎機能が低下している方や特定の薬を服用中の方は、カリウムの摂取制限が必要な場合もあるため、必ず主治医や管理栄養士に相談しましょう。 脳梗塞の再発防止のための食事療法とは 脳梗塞の再発予防における食事療法は、血管や血液を健康に保つための栄養素をバランス良く摂取する積極的な取り組みです。 再発防止のために日々の食事で意識すべきポイントは、以下のとおりです。 バランスよく食べる 食物繊維の多い食品を選ぶ 良質なタンパク質を摂る こまめに水分補給する カリウムを積極的に摂る 脂質・塩分・糖分の過剰摂取を避ける 以下では、それぞれの具体的な実践方法について解説します。 バランスよく食べる 食事療法の基本は、「主食・主菜・副菜」をそろえ、多様な栄養素を過不足なく摂ることです。 特定の食品に偏るのではなく、野菜、魚、肉(赤身)、大豆製品、海藻類などをバランスよく取り入れましょう。 バランスの悪い食事は、脂質異常症や糖尿病などのリスクを高め、動脈硬化を促進させる原因となるため注意が必要です。 食物繊維の多い食品を選ぶ 食物繊維の多い食品を取り入れるのも、脳梗塞の再発予防につながります。 野菜、きのこ類、海藻類、玄米などに含まれる水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぐ重要な役割を果たします。 これらは余分な脂質や糖を体外に排出するのを助けます。 また、満腹感を得やすいため、カロリーの過剰摂取を防ぎ、肥満予防にもつながります。 良質なタンパク質を摂る 筋肉や血管を丈夫に保つために、良質なタンパク質を適量摂ることが重要です。 ただし、肉類に偏ると飽和脂肪酸(悪い脂)も多く摂りがちになるため注意しましょう。 肉の脂身は避け、赤身を選んだり、EPAやDHAが豊富な青魚、あるいは豆腐・納豆などの大豆製品、卵などからバランスよく摂取することを心がけましょう。 こまめに水分補給する 脳梗塞の再発予防において、血液がドロドロになるのを防ぐための水分補給は非常に重要です。 体内の水分が不足すると血液の粘度が上がり、血栓(血の塊)ができやすくなります。 とくに起床時や入浴後、運動後は水分が不足しやすいため、喉が渇く前にこまめに水や白湯、麦茶などで水分を補給する習慣をつけましょう。 カリウムを積極的に摂る カリウムは、高血圧の原因となるナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがあるため、積極的に摂取したい栄養素です。 ほうれん草など葉物野菜、かぼちゃ、バナナやキウイなどの果物、海藻類に多く含まれています。 ただし、腎機能に問題がある方や特定の薬を服用している方は、カリウムの摂取制限が必要な場合がありますので、必ず主治医に相談してください。 脂質・塩分・糖分の過剰摂取を避ける 「食べてはいけないもの」とも共通しますが、食事療法の根幹として過剰摂取を避ける意識が重要です。 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸(脂質)、塩分、砂糖(糖分)は、それぞれ脂質異常症、高血圧、糖尿病や肥満のリスクを高め、動脈硬化を直接的に進行させます。 普段の食事から、脂質・塩分・糖分の過剰摂取をいかに減らしていくかが再発予防の鍵となります。 脳梗塞の再発リスクについて食事で注意すべきこと 脳梗塞の再発予防では、食べるものだけでなく、食生活全体を見直すことが不可欠です。 本章では、食事に関して注意すべき3つの重要なポイントを解説します。 食べ過ぎによる肥満・体重増加を防ぐ 脱水症状にならないように水分を摂取する 嚥下障害がある場合は誤嚥に注意する 肥満や脱水は再発リスクを高める直接的な要因であり、後遺症としての嚥下障害も食事の安全に直結します。 以下では、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。 食べ過ぎによる肥満・体重増加を防ぐ 食べ過ぎによる肥満や体重増加は、脳梗塞の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症を悪化させるため、避ける必要があります。 肥満は万病のもとと言われ、特に血管への負担を増大させます。 食事は「腹八分目」を心がけ、主食・主菜・副菜のバランスを整えることが重要です。 とくに夜遅い時間の食事や、お菓子・ジュースなどの間食は中性脂肪として蓄積されやすいため、摂取量や時間帯にも注意しましょう。 脱水症状にならないように水分を摂取する 体内の水分が不足すると血液の粘度が上がり、血栓(血の塊)ができやすくなるため、こまめな水分補給は脳梗塞の再発予防に重要です。 とくに高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、意識的な水分摂取が求められます。 起床時、入浴前後、運動中やその前後、就寝前など、タイミングを決めてコップ一杯の水や白湯、麦茶などを飲む習慣をつけると良いでしょう。 ただし、心臓や腎臓に疾患がある場合は水分摂取量に制限が必要なこともあるため、必ず主治医の指示に従ってください。 嚥下障害がある場合は誤嚥に注意する 脳梗塞の後遺症で嚥下障害(飲み込む力が低下すること)がある場合、食べ物や飲み物が誤って気管に入る「誤嚥(ごえん)」に注意が必要です。 誤嚥は、窒息や「誤嚥性肺炎」という命に関わる深刻な肺炎を引き起こす原因となります。 食事中にむせる、咳き込む、食べた後に声がかすれるといった症状が見られる場合は、すぐに主治医やリハビリテーション科の医師、言語聴覚士に相談してください。 食材を細かく刻んだり、とろみをつけたりするなど、本人の飲み込む力に合わせた「嚥下調整食」の導入を検討する必要があります。 脳梗塞の再発リスクを抑えるには食事以外にも再生医療をご検討ください 脳梗塞の再発リスクを抑えるためには、脳梗塞の引き金となる高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を徹底して管理することが重要です。 そのためにも、食事管理によって血管や血液の状態を良好に保つ「守り」の対策は、脳梗塞の再発予防に不可欠です。 本記事で紹介した「食べてはいけないもの(脂質・塩分・糖分の多い食品)」を避け、「食べた方が良いもの(野菜・青魚など)」を積極的に取り入れる食事療法を実施しましょう。 しかし、長年の生活習慣によって進行した動脈硬化や、脳梗塞によってダメージを受けた脳の機能は、食事療法だけでは改善しません。 そうした課題に対し、近年では「再生医療」という選択肢が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、傷ついた血管や神経組織の修復を促したり、炎症を抑えたりすることで、失われた機能の回復や動脈硬化の根本的な改善を目指す治療法です。 脳梗塞の再発への不安がある方や、後遺症の改善を諦めたくない方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >当院の再生医療による脳梗塞(脳卒中)の症例はこちら
2025.10.31







