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脳挫傷などの頭部外傷は、数年経過してから後遺症が現れることがあります。 最近記憶力が落ちた、集中できなくなったと感じる症状は、過去の脳挫傷が原因で後遺症が現れているかもしれません。 本記事では、脳挫傷後に数年経過してから現れる後遺症の種類や症状、後遺症に気づくきっかけについて詳しく解説します。 また、後遺症が判明した場合に利用できる支援制度や交通事故の場合の法的な問題まで、幅広く対応方法をご紹介します。 脳挫傷の後遺症でお悩みの方やそのご家族の方に、少しでも安心していただける情報をお届けします。 脳挫傷は後遺症として残りやすい傾向にある 頭部に強い衝撃を受けた際に脳組織が損傷する「脳挫傷」は、後遺症が残りやすい傾向があります。 脳挫傷が後遺症として残りやすい主な理由は以下の通りです。 脳神経細胞は一度損傷すると完全な修復が難しく、再生能力が限られている 損傷は受傷部位だけでなく周辺組織にも影響を及ぼすことがある 初期検査では検出できない微細な損傷が時間経過とともに症状として現れることがある 脳の各部位が特定の機能を担っているため、損傷部位によって症状が異なる 重要なのは、脳挫傷の重症度と後遺症の程度が必ずしも比例しないことです。 一見すると軽症に見えても、後に深刻な後遺症が現れる可能性があります。 とくに高次脳機能障害が軽度の場合などは、日常生活や仕事の中で少しずつ症状に気づくことがあります。 頭部に衝撃を受けた場合は、症状がなくても医療機関での診察と経過観察を行うことが重要です。 脳挫傷(頭部外傷)の数年後に現れやすい後遺症 脳挫傷を含む頭部外傷では、受傷直後から症状が現れるケースだけでなく、数ヶ月から数年経過してから症状が顕在化することがあります。 これは遅発性後遺症・遅発性脳障害と呼ばれることもあり、患者さまやご家族が戸惑うことが少なくありません。 脳挫傷の数年後に現れやすい後遺症は個人差が大きく、脳のどの部位が損傷を受けたかによっても異なります。 数年後に現れやすいとされる後遺症は以下の通りです。 遅発性脳障害 高次脳機能障害 外傷性てんかん 身体性機能障害 本章では、それぞれの後遺症について詳しく解説していきます。 遅発性脳障害 頭部外傷後、数ヶ月から数年、あるいは数十年経過してから現れる神経変性疾患を遅発性脳障害と呼びます。 脳挫傷に限らず、頭部外傷によって引き起こされる可能性がある後遺症です。 現れる症状は、高次脳機能障害や外傷性てんかん、人格変化、PTSDなどさまざまです。 代表例として「慢性外傷性脳症(CTE)」があり、かつては「ボクサー脳症」として知られていました。 慢性外傷性脳症(CTE)」は主にボクシングやアメリカンフットボールなどで繰り返しの頭部外傷を受けた人に見られますが、稀に単発の重度頭部外傷後にも発症します。 症状の出現に個人差があるため、頭部外傷の既往がある方は定期的な経過観察が重要です。 高次脳機能障害 高次脳機能障害とは、脳挫傷などの頭部外傷によって引き起こされる認知・記憶・行動などの機能障害です。 特徴的なのは、受傷直後には明らかな症状が現れず、数ヶ月から数年後に日常生活や仕事の中で徐々に気づかれることがあるという点です。 とくに症状が軽い場合、脳挫傷直後に異常を自覚できないことが多く、時間の経過とともに症状が顕在化します。 会社や学校復帰後、複数作業の処理が困難になったり、新しい情報を記憶するのが難しくなったりといった、社会生活で変化に気づくケースが少なくありません。 異変を感じたらすぐに専門医への受診をおすすめします。 外傷性てんかん 頭部外傷後、数ヶ月から数年経過してから外傷性てんかんが発症することがあります。 外傷性てんかんには発症時期によって分類があります。 受傷後24時間以内や1週間以内に発作が起きる「超早期・早期てんかん」 受傷後1週間以上経過してから発症する「晩期てんかん」 早期てんかんは晩期てんかんと比較して予後が良好なケースが多く見られますが、個人差があります。 一方、晩期てんかんはより長期的な治療が必要になることが多く、中には難治性てんかんに進展する場合もあります。 症状としては痙攣発作や意識障害が典型的であり、発作が繰り返されることで日常生活に支障をきたします。 重要なのは、脳損傷の大きさだけではてんかんの重症度は判断できないという点です。損傷部位以外が二次的にてんかんの原因となるケースもあります。 専門医による適切な診断と継続的な抗てんかん薬による治療が必要になるので、症状が現れた場合は、すみやかに神経内科や脳神経外科を受診しましょう。 身体性機能障害 脳挫傷を含む頭部外傷後に生じる身体性機能障害の代表的なものが、運動麻痺です。 これは脳の運動をつかさどる部位(大脳皮質運動野や内包、橋など)が損傷を受けることで起こります。 運動麻痺はその範囲によって以下のように分類されます。 四肢麻痺:両側の四肢(両腕と両脚)が麻痺する状態 片麻痺:一側の上下肢(片方の腕と脚)が麻痺する状態 単麻痺:一肢のみ(片方の腕または脚)が麻痺する状態 また、麻痺の程度は重症度によって以下のように分けられます。 高度:運動性・支持性がほとんど失われ、基本動作ができない状態 中等度:運動性・支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限がある状態 軽度:運動性・支持性が多少失われ、動作の巧緻性や速度が損なわれている状態 症状は時間経過とともに改善することもありますが、重度の場合は後遺症として残ることもあります。 身体性機能障害は日常生活や就労に大きな影響を与えることがあり、重症度に応じたリハビリテーションや支援が必要です。 数年後に脳挫傷の後遺症に気づくきっかけとなる症状 脳挫傷を含む頭部外傷を受けた後、数年経過してから後遺症に気づくことは珍しくありません。 とくに高次脳機能障害は、日常生活の中で少しずつ顕在化することが多いのが特徴です。 後遺症に気づくきっかけは、主に日常のさまざまな場面での「以前とは違う」という変化として現れます。 仕事や学業のパフォーマンスの低下、人間関係での摩擦の増加、日常生活での計画立案や実行の困難さなど、脳の機能低下が具体的な形で現れるようになります。 これらの症状は当初、単なる疲れや加齢、ストレスによるものと考えられがちですが、実は脳挫傷の後遺症である可能性があります。 以下では、数年後に気づくことが多い主な症状について、仕事・学業、人間関係、日常生活の3つの側面から詳しく解説していきます。 仕事や学業での困難|記憶力低下・複数作業の困難さ 脳挫傷後の数年経過後に気づかれやすい症状として、仕事や学業での困難があります。 とくに「記憶力の低下」は多くの患者さまが自覚する症状です。 新しい情報を覚えられない 覚えてもすぐに忘れてしまう 以前なら簡単に思い出せたことが出てこない など また「複数の作業を同時に行う難しさ」も特徴的です。 会議中にメモを取りながら発言の内容を理解する、話をしながら資料を探すなど、以前は何気なくできていた同時並行作業が困難になります。 集中力も続かなくなり、作業の切り替えにも時間がかかるようになります。 こうした変化によって、仕事のミスが増える、納期に間に合わない、学業成績が低下するなどの問題が生じ、本人が「何かおかしい」と感じるきっかけになることが少なくありません。 人間関係の変化|感情コントロール・対人関係の問題 脳挫傷の後遺症として、感情のコントロールが難しくなることがあります。 これは前頭葉の機能低下によるもので、以前は抑制できていた感情が抑えられなくなる症状です。 些細なことでイライラする 急に怒りっぽくなる 感情の起伏が激しくなる 泣きやすくなる など 具体的には、些細なことでイライラする、急に怒りっぽくなる、感情の起伏が激しくなる、泣きやすくなるなどの変化が現れます。 また、感情表現が乏しくなる「感情の平板化」が起こることもあります。 これらの変化は対人関係に大きな影響を与えます。家族や同僚、友人との関係に摩擦が生じ、「性格が変わった」と周囲から指摘されることも少なくありません。 本人は自分の変化に気づいていないこともあり、周囲からの指摘で初めて後遺症の可能性に気づくケースもあります。 日常生活での支障|計画性の低下・疲れやすさ 脳挫傷の後遺症は日常生活にも様々な支障をきたします。 予定の管理ができなくなる、 優先順位をつけられなくなる 数時間で極度の疲労を感じる 集中力が持続しない これらの「計画性の低下」と「疲れやすさ」は特徴的な症状です。 その他、時間や場所の感覚が鈍くなる、物事への関心が薄れる、意欲の低下などの症状も現れることがあります。 これらの変化が複合的に起こることで、日常生活全般に支障をきたし、生活の質が低下します。 交通事故から数年後に脳挫傷の後遺症が現れた場合 交通事故などによる脳挫傷の後遺症が数年後に現れるケースは少なくありません。 当初は軽症と思われていた症状が時間の経過とともに悪化したり、新たな症状が出現したりすることがあります。 このような「遅発性」の後遺症は、法的・医学的に複雑な問題を引き起こすことがあります。 脳挫傷による主な後遺症には以下のようなものがあります。 後遺症の種類 主な症状 高次脳機能障害 記憶障害 集中力低下 判断力・計画力の低下 情緒的変化 身体性機能障害 身体の麻痺 手足のしびれ 歩行障害 バランス感覚の低下 外傷性てんかん けいれん発作 意識障害 認知機能の低下 遅発性脳障害 進行性の認知症状 人格変化 運動障害 感覚器の機能障害 視力低下 聴力障害 嗅覚・味覚異常 平衡機能障害 めまい 吐き気 バランス感覚の喪失 慢性頭痛 持続的な頭痛 光・音への過敏症状 交通事故から数年経過して後遺症が判明した場合、損害賠償請求の期限や、事故と症状の因果関係の立証など、法的な問題に直面することがあります。 本章では、これらの課題について詳しく解説します。 損害賠償請求の期限|民法の規定 交通事故から数年後に脳挫傷の後遺症が判明した場合、損害賠償請求が可能かどうかは「消滅時効」という概念が重要になります。 民法では不法行為による損害賠償請求権に関して、第724条で「被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間」※と規定しています。 ※出典:民法 第七百二十四条 さらに第724条の2では、「人の生命または身体を害する不法行為」については、この期間が「5年間」に延長※されます。 ※出典:民法 第七百二十四条の二 つまり、脳挫傷の後遺症を自覚した時点から5年以内であれば、法律上は損害賠償請求が可能となります。 また第724条では「不法行為の時(事故発生時)から20年間」という長期の時効期間も設けられています。 ただし、後遺症が発生してから年月が経過するほど、その症状と事故との因果関係を証明することは難しくなります。 時効が成立していなくても、因果関係の立証ができなければ賠償請求は認められない可能性が高いのが実情です。 数年後に因果関係を立証するのは簡単ではない 脳挫傷の後遺症と交通事故との因果関係を数年後に立証することは、非常に困難です。 一般的に交通事故による症状は事故直後から現れ、時間の経過とともに改善していくと考えられています。 そのため、「数年後に症状が出現した」と主張しても、「事故との関連性が不明」と反論されるケースが多いのです。 因果関係を立証するためには、以下の条件が必要と考えられます。 事故(受傷)の事実が客観的に確認できること 日常生活または社会生活に明らかな制約があること その制約の主な原因が脳損傷による障害であること 事故直後からの診断画像や診断書など医学的証拠があること 特に重要なのは、事故後早期の段階でMRIやCTなどの画像検査で脳損傷の所見が確認されていること、そして継続的に医療機関を受診していた記録が残っていることです。 これらの証拠がなければ、後遺症と事故との因果関係を証明することは極めて困難になります。 脳挫傷の後遺症が数年後に判明した場合の対応方法 脳挫傷の後遺症が数年経過してから判明した場合でも、適切な対応で症状改善や生活の質向上が期待できます。 対応の基本は三つの側面から考えることが重要です。 専門的な医療機関での診断と適切なリハビリテーション 家族を含めた周囲の理解とサポート体制の構築 利用可能な公的支援制度の活用です。 後遺症の種類や重症度は個人差が大きいため、患者さま一人ひとりの状況に合わせた総合的なアプローチが必要になります。 本章では、これらの対応方法について詳しく解説していきます。 医療機関の受診とリハビリ 脳挫傷の後遺症を疑う症状に気づいたら、まずは脳神経外科や神経内科などの専門医療機関を受診しましょう。 医師に対して「以前に頭部外傷があった」ことを必ず伝え、現在の症状を詳しく説明することが重要です。 診断では、MRIやCTなどの画像検査に加え、神経心理学的検査などが行われることがあります。 診断が確定したら、症状に応じた適切なリハビリテーションプログラムが提案されます。 機能回復のためには、高次脳機能障害には認知リハビリテーション、運動麻痺には理学療法など、症状に合わせた専門的なリハビリの継続が重要です。 家族や周囲のサポート 脳挫傷の後遺症、特に高次脳機能障害は目に見えない障害であるため、家族や周囲の理解とサポートが非常に大切です。 患者さまの変化を理解し、無理な要求を避け、できることを少しずつ増やしていく姿勢を持ち接することで、症状の改善を目指せます。 また、家族会などの自助グループに参加することで、同じ悩みを持つ家族との情報交換や精神的なサポートも得られます。 日常生活では、環境を整理して混乱を減らす、メモやスケジュール表を活用するなどのサポートも効果的です。 後遺症が判明した際に利用できる支援制度 脳挫傷の後遺症が判明した場合、以下のような公的支援制度を利用することができます。 高次脳機能障害の相談窓口:各都道府県に設置されており、相談支援を行うほか、適切な医療機関や支援機関の紹介を行っています。 障害者手帳の申請:症状に応じて、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の交付対象となる場合があり、医療費助成や税金の減免などの支援を受けられることがあります。 介護保険サービス:40歳以上の方で、症状が介護保険の特定疾病に該当する場合、介護保険サービスを利用できることがあります。 障害福祉サービス:自立支援医療や就労支援サービスなど、障害者総合支援法に基づくサービスを利用できる場合があります。 これらの制度を効果的に活用するために、地域の障害福祉課や高次脳機能障害の相談窓口に連絡することをおすすめします。 【まとめ】脳挫傷(頭部外傷)は数年後に後遺症が現れる可能性がある 脳挫傷は後遺症が残りやすい傾向があり、受傷直後だけでなく数年後に症状が顕在化することがあります。 主な後遺症として高次脳機能障害、遅発性脳障害、外傷性てんかん、身体性機能障害などが挙げられます。 後遺症に気づくきっかけは、記憶力低下や複数作業の困難さ、感情コントロールの問題、計画性の低下や疲れやすさなど、日常生活の様々な場面での変化として現れます。 数年後に後遺症が判明した場合でも、専門医療機関での診断・リハビリ、家族のサポート、公的支援制度の活用など適切な対応で症状改善が期待できます。 頭部に衝撃を受けた方は、症状の有無にかかわらず医療機関を受診して、経過を観察しましょう。 脳の疾患による後遺症に対して、近年では改善・回復効果が期待できる治療方法として再生医療が注目されています。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の幹細胞を採取・培養して投与する幹細胞治療を実施しています。 幹細胞は神経・血管・骨・軟骨などに変化する性質があり、その幹細胞を培養して数を増やすことで、いろいろな組織に変化する性質を利用して脳細胞を再生。 これによって一度機能しなくなった脳細胞が復活し、脳卒中の後遺症の改善が期待できます。 脳の再生医療による脳卒中の治療は、早ければ早いほど脳機能の回復が期待できますが、一定時間が経ってしまっても効果を発揮します。 再生医療について興味をお持ちの方は、お気軽に当クリニックまでご相談ください。
2025.03.08 -
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脳挫傷の後遺症が治るのか、不安な方はいませんか。 脳挫傷とは、頭部へ強い衝撃が加わることで、脳が損傷し出血や腫れを引き起こした状態です。 損傷部位や衝撃を受けた範囲によって、症状の程度や回復具合は異なります。 本記事では、脳挫傷の後遺症や後遺症の回復に影響する要因について、詳しく解説します。 後遺症について不安がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 脳挫傷の後遺症は治るのか|回復の可能性について 脳挫傷では、脳組織の破壊がみられない、損傷の程度が軽度であれば、症状は徐々に回復する可能性があります。 しかし、損傷が重度の場合や適切な治療が遅れた場合は、後遺症が残ることもあります。 脳は人体の他の部位に比べて再生能力が乏しいため、損傷度合いが大きい場合は完全再生が難しいことが理由です。 また、回復の程度は脳の損傷部位・範囲・深さや、リハビリテーションなどによって大きく異なります。 脳挫傷になった際の年齢や合併症の有無などの要因も、後遺症の出現に大きく関係するため、患者様自身に合った治療を受けることが重要です。 脳挫傷の原因・症状を解説 脳挫傷の原因は、交通事故や転倒などで、頭部に強い衝撃が加わることです。 脳の損傷部位や程度によって、以下の症状が現れます。 頭痛 嘔気・嘔吐 意識障害 麻痺 感覚障害 言語障害 脳挫傷は、受傷後1~2日経過してから症状が現れることもあるため、事故直後は無症状だった場合も経過に注意が必要です。 頭部を強打した場合は、たとえ無症状でも必ず医療機関を受診し、医師の指示に従って経過観察を行ってください。 脳挫傷の後遺症 脳挫傷になると、以下の後遺症が現れる場合があります。 軽度の脳挫傷であれば、適切な治療と経過観察により、数日で症状が改善する場合もあります。 しかし、重症の場合は生命に関わる状態になったり、重い後遺症が残ったりする可能性があります。 重い後遺症は日常生活に支障をきたす可能性が高いため、症状に気づいた時点で早急に医療機関を受診しましょう。 高次脳機能障害 脳挫傷の後遺症の1つに、高次脳機能障害があります。高次脳機能障害とは、「脳損傷に起因する認知障害※」のことであり、主に以下の4つの機能が障害されます。 ※引用:高次脳機能障害情報・支援センター 記憶障害 注意障害 遂行機能障害 社会的行動障害 記憶力や注意力が低下したり、物事を上手く実行できなかったりする症状のため、周囲から見ても症状がわかりにくいのが特徴です。 運動機能障害 脳挫傷になると、身体の麻痺やしびれをはじめとした、以下の症状が現れる運動機能障害を引き起こす場合があります。 手足のしびれ 身体の麻痺 筋力低下 歩行障害 運動機能障害は継続的なリハビリテーションで、徐々に症状が回復していく可能性があります。 感覚障害 脳挫傷の後遺症に、以下の6種類の感覚障害がみられる場合があります。 感覚障害の種類 症状 感覚過敏 外部からの刺激が過剰に感じ、不快感を伴う 異常感覚 電気が走っているような感覚がみられる 錯感覚 触られると痛みやぴりぴり感を感じる 神経痛 神経の刺激により引き起こされる痛みを感じる 感覚鈍麻 五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)が鈍くなる 感覚脱失 五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を感じなくなる しびれや痛みなどの症状は、感覚障害から引き起こされる場合と運動障害に起因しているケースがあります。 感覚障害と運動障害を併発している場合もあるため、医療機関を受診して原因を調べることが必要です。 遷延性意識障害 遷延性意識障害(植物状態)は、重篤な脳挫傷の後遺症の1つです。 日本脳神経外科学会は、以下の6項目が3カ月以上続いた状態を「遷延性意識障害」と定義しています。 自力移動が不可能である 自力摂食が不可能である 屎尿失禁状態にある 声を出しても意味のある発語が不可能である 簡単な命令(眼を開く、手を握るなど)にはかろうじて応じることもあるが、それ以上の意思疎通は不可能である 眼球はかろうじて物を追っても認識は出来ない 遷延性意識障害は、適切な治療を受けても症状の改善がみられない状態を指します。 外傷性てんかん 脳挫傷の後遺症に、外傷性てんかんがあります。 外傷性てんかんとは、脳から発せられる身体を動かす指令が正常時とは異なってしまう疾患で、以下の症状が現れます。 けいれんが起こる 意識を消失する 記憶が飛ぶ てんかん発作は、多くの場合は繰り返し症状が現れます。早期に適切な治療を開始し、てんかんの発生頻度を低下させまることで症状をコントロールすることが重要です。 平衡機能障害 脳挫傷では、平衡機能障害が後遺症として現れる場合があります。平衡機能障害は身体のバランスが取りづらくなる状態で、以下の症状がみられます。 めまいやふらつき 歩行困難 立位の不安定性 めまいやふらつきの症状が重くなると、転倒リスクが高まるため注意が必要です。 平衡機能障害が後遺症で出た場合は、医師の指示のもとリハビリテーションやバランス運動を行い、平衡感覚の改善を目指しましょう。 頭痛 脳挫傷になると、慢性的な頭痛が現れる場合があります。 頭痛がひどい場合には、光や音に敏感になったり、吐き気を催したりするケースもあります。 受傷直後より痛みが激しくなった場合は、脳挫傷の悪化も考えられるため、早急に医療機関を受診してください。 脳挫傷の後遺症の回復に影響する要因 脳挫傷の後遺症の回復には、以下の要因が影響します。 損傷した部位や範囲 損傷の深さ 受傷時の年齢 既往歴 合併症の有無 脳挫傷は損傷部位によって現れる症状が異なり、後遺症の回復にも個人差があります。 後遺症の回復には早期治療がカギとなるため、少しでも身体に異変を感じたら、医療機関を受診し治療を受けましょう。 脳挫傷の後遺症の治療・リハビリテーション 脳挫傷の後遺症の治療やリハビリテーションは、受傷してからの日数によって異なります。 急性期から治療やリハビリテーションを開始すると、後遺症が回復する可能性が高まります。 時期や症状に合った治療を受け、後遺症の回復を目指しましょう。 急性期のリハビリテーション 脳挫傷の急性期は、全身状態が不安定で生命の危険性もあるため、感覚刺激やポジショニング(正しい姿勢の保持)を主としたリハビリテーションを行います。 急性期は昏睡状態や意識障害が生じている場合が多く、集中治療室で全身状態を厳重に管理されている場合がほとんどです。 肺炎・褥瘡・関節拘縮といった二次的な合併症の予防をしつつ、早期の機能回復を目指しリハビリテーションを実施します。 回復期のリハビリテーション 急性期を脱し全身状態の安定がみられる回復期は、以下の4機能に分けてリハビリテーションを進めていくことが大切です。 運動機能 日常生活動作 認知機能 行動異常 脳挫傷をはじめとした頭部外傷では、初期の意識障害が長期にわたるほど高次脳機能障害が重症化しやすく、後遺症の回復が難しくなる傾向があります。 維持期(生活期)のリハビリテーション 脳挫傷の維持期は生活期と呼ばれ、後遺症と上手く付き合うためのリハビリテーションを行います。 脳挫傷は後遺症の回復の程度に個人差が大きく、社会生活へ復帰するまでの期間も異なり、数ヶ月から数年、あるいはそれ以上かかる場合もあり様々です。 運動機能や認知機能へアプローチするリハビリテーションを継続しながら、日常生活動作の再獲得を目指しましょう。 脳挫傷の後遺症と上手く付き合うための生活の工夫 脳挫傷の方は、以下を参考に生活を工夫し、後遺症と上手く付き合うことが大切です。 環境を整備する リハビリで自身に合った身体の動かし方を知る 家族や友人、職場へ症状を伝えておく 気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診する 受傷直後に無症状であった脳挫傷でも、経時的に後遺症が現れる場合があります。 脳挫傷の症状がみられる場合は、家族や友人など周囲の人に症状の程度を伝えておき、必要時にサポートを受けることも大切です。 高次脳機能障害や認知機能の低下により、新たな症状に気づかないケースもあるため、少しでも気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。 【まとめ】脳挫傷の後遺症は回復する可能性がある!早期リハビリテーションの実施が重要 脳挫傷は組織が損傷していなければ、後遺症の回復が期待できます。 後遺症の回復には、早期治療や継続的なリハビリテーションの実施が重要なため、症状がみられたら早急に医療機関を受診しましょう。 ただし、発症してから一定期間が過ぎてしまった場合、リハビリテーション以外に後遺症に対して効果のある治療法がないのが現実です。 脳挫傷を含む脳卒中の症状の多くは、発症後数ヶ月はリハビリを行えば改善が見込めますが、慢性期を過ぎてしまった場合は効果が低くなっていきます。 そのようなケースに対して回復効果が期待できるのが再生治療です。 当院(リペアセルクリニック)では、損傷した部位の修復や再発予防が期待できる、再生医療による治療を実施しています。 後遺症でお困りの方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2025.03.08 -
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高次脳機能障害とは、脳の一部がダメージを受けたために、思うような行動が取れなくなったり、注意力や記憶力に問題を生じたりする障害です。 高次脳機能障害は完治が難しいと考えられていますが、リハビリを受けることで症状の回復が見込めます。 「どのくらいの期間で回復できるか知りたい」と不安を抱える方も多いのではないでしょうか。 この記事では、高次脳機能障害の回復期間やリハビリプログラムについて解説しています。 高次脳機能障害を根本的に解決できる可能性がある再生医療についてもまとめていますので、参考にしてみてください。 高次脳機能障害の回復期間の目安は1年!リハビリが早いほど改善傾向あり 高次脳機能障害とは、脳の損傷に伴って記憶力・注意力・思考力・言語能力・感情など、認知脳機能に障害が起こる後遺症の一種です。 主な原因は脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)や、交通事故などが原因となりがちな頭部外傷とされています。 高次脳機能障害は外見からはわかりにくく、周囲の方や患者さまご本人も障害に気づきにくいのが特徴です。 適切なリハビリを受けると、症状が回復する可能性があります。 リハビリ後に6カ月で74%、1年で97%の方に改善がみられる 発症からリハビリ開始までの期間が短いほど改善に期待できる この項目では、高次脳機能障害の具体的な回復期間について解説します。 リハビリ後に6カ月で74%、1年で97%の方に改善がみられる 高次脳機能障害のリハビリを受けた方で、一定の効果がみられた割合は以下の通りです。※ ※出典:高次脳機能障害者支援の手引き(改訂第2版) 発症から半年:74% 発症から1年:97% 高次脳機能障害は、発症早期に適切な訓練を受けるのが重要です。 多様な種類のリハビリがあるので、医療機関や福祉施設など、さまざまなサービスと連携して行います。 リハビリの効果には個人差がありますが、合計1年を目安とした訓練を受けるのが望ましいです。 発症からリハビリ開始までの期間が短いほど改善に期待できる 高次脳機能障害は、発症からリハビリ開始までの期間が短いほど、改善に期待ができます。 発症からリハビリを受けた期間と、症状が改善した患者様の割合を以下にまとめました。※ ※出典:平成13年度高次脳機能障害支援モデル事業 年次報告 (北海道・札幌市) 発症から6カ月以内に訓練開始:46%が改善 6か月から1年以内に訓練開始:32%が改善 1年以上経ってから訓練開始:14%が改善 高次脳機能障害は外見からはわかりにくく、患者さま本人やご家族も障害に気づかない場合や、気付くのが遅れる場合もあります。 上記のデータでは、発症から時間が経ってしまうと十分な効果を得にくい傾向があることがわかります。 リハビリは医療機関やリハビリテーションセンターで受けられるので、心配な方は受診を検討してください。 高次脳機能障害から回復・社会復帰するまでのリハビリプログラム 高次脳機能障害のリハビリは、患者さまの日常生活の自立を促すために行われます。 医学的リハビリテーションプログラム 生活訓練プログラム 就労移行支援プログラム 発症直後は、心理カウンセリングや薬物治療などの医学的リハビリプログラムで、認知障害に対して適切な処置を行います。 時間の経過とともに日常生活や就労に必要な技能の習得を目指すのが一般的です。 以下では、高次脳機能障害から回復・社会復帰するまでのリハビリプログラムを詳しく紹介します。 医学的リハビリテーションプログラム 医学的リハビリテーションプログラムとは、病院や診療所などで行います。 高次脳機能障害の発症後は、とくに重視されていて時間の経過とともに、徐々に他のリハビリプログラムに切り替わります。 以下では、高次脳機能障害の症状とリハビリの内容をまとめました。 記憶障害の症状とリハビリ内容 注意障害の症状とリハビリ内容 遂行機能障害の症状とリハビリ内容 社会的行動障害の症状とリハビリ内容 一つづつみていきましょう。 記憶障害の症状とリハビリ内容 高次脳機能障害の症状である記憶障害の症状は以下の通りです。※ ※出典:医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター 最近の出来事を思い出せない 約束事を忘れてしまう 同じ事を繰り返して質問する 新しいことが覚えられない 記憶障害のリハビリでは、どのような記憶に問題が生じているか、どの程度の時間は記憶できるのかなどを把握しながら進めるのが重要です。 具体的なリハビリの内容を以下にまとめました。 内的記憶戦略法:言語の関連付けやイラストなどで物事を覚えやすくする 外的補助手段:ノートや手帳、スマートフォンなどを使用して記憶を補う 上記の訓練を繰り返し行ったり、思い出しやすい環境を整えたりします。 注意障害の症状とリハビリ内容 注意障害も高次脳機能障害の症状の一つに挙げられます。 主な症状は以下の通りです。※ ※出典:医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター 落ち着きがなくなる 周囲の状況を判断せずに行動を起こす 作業が長い時間続けられない 同時に複数の作業が難しい 注意障害では、集中し続けるのが難しく、作業が途切れがちです。 訓練は簡単な課題からはじめたり、個室で決まった支援者と作業したりするなどの集中しやすい環境を整えるのが重要です。 具体的にはパズルやまちがい探し、教育関連のテキスト、電卓の計算、校正作業などを行います。 遂行機能障害の症状とリハビリ内容 遂行機能障害の症状は以下の通りです。※ ※出典:医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター 約束の時間に間に合わない 仕事を途中で投げ出してしまう メモや手帳を活用して、記憶障害を補うことが難しい 遂行機能障害では、患者さま自身の能力や置かれている状況を把握する能力や計画する能力などと深い関わりがあります。 また、記憶障害や注意障害が原因の可能性も考えられるので、どのような能力に問題があるのか掴むのが重要です。 リハビリではワークブックや組み立てキット、書類の作成や社会生活におけるスケジュール管理などを通じて以下の訓練を行います。 必要な行為や動作の練習 計画を一緒に考える マニュアルを利用して手順通りに作業を行う 遂行機能障害は、段取りを考えるのが難しい一方で、習慣化した動作をとるのは得意な場合があります。 行動を習慣化するのも一つの手です。 社会的行動障害の症状とリハビリ内容 社会的行動障害は欲求や感情のコントロールが難しくなるのが主な症状です。※ ※出典:医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター 興奮して大声を出す 自傷行為 自分が中心でないと満足しない リハビリでは、静かでたくさんの人に囲まれない環境を整えた上で、どのような物事がきっかけで症状が現れるかや対処法を患者さまと考えます。 生活訓練プログラム 生活訓練プログラムとは、日常生活が安定したり、積極的な社会参加ができるようになったりすることを目指します。 患者さま本人だけでなく、ご家族にも働きかけます。 以下では、生活訓練プログラムの内容をまとめました。 生活リズムの確立 生活で必要な管理能力の向上 社会生活技能の獲得 社会的コミュニケーション能力の向上 障害の自己認識と現実的な目標設定 必要とする支援の明確化 家族への支援体制 順番に紹介します。 生活リズムの確立 生活訓練プログラムでは、生活リズムを整えるのが重要です。 高次脳機能障害では、記憶力や意欲の低下によって、日課を組み立てて行動するのが難しい場合があるためです。 施設に入所して規則正しい生活を身につけ、日中の訓練と訓練の空き時間を少なくすると安定する傾向にあります。 生活で必要な管理能力の向上 生活管理能力の向上も生活訓練プログラムの一つに挙げられます。 患者さま自身が進んで日課をこなすために、施設では以下の訓練を行います。 スケジュール帳の活用 目印や案内の表示に沿って行動する その日のスケジュールを確認する時間をとる チェック表や薬ボックスを使用して服薬を管理する 小遣い帳を使用して金銭を管理する スケジュール帳や薬ボックスなど、シンプルでわかりやすいものを使用して、自己管理の習慣化を図ります。 社会生活技能の獲得 社会生活技能では、地域での生活や患者さまの目標に沿って外出や生活体験の実習を行います。 具体的な内容は買い物や交通機関の利用、調理などです。 支援者から実習の場で評価や助言があるので、次回に活かせるようにしましょう。 社会的コミュニケーション能力の向上 社会的なコミュニケーション能力を向上するために、施設の患者さま同士でグループワークを行います。 意見の交換や役割分担などは、コミュニケーション能力の向上に効果的です。 グループワークでは、福祉制度を学んだり、外出の計画をしたりします。 また、他の施設の患者さまと共に日課をこなし、交流するのも重要な訓練です。 障害の自己認識と現実的な目標設定 生活訓練プログラムでは、障害の認識を深め、現実的な目標が設定できるようになる支援も行っています。 具体的な内容は以下の通りです。 外出や課題の訓練のフィードバックを受ける 患者さま同士のトラブルがあった際、支援者による客観的なフィードバックを受ける 一般企業や就労継続支援事業所にて実習する 実習の結果は、職員から直接本人に伝えてもらうとより高い効果が期待できます。 必要とする支援の明確化 必要とする支援の明確化も生活訓練プログラムの一つです。 患者さま本人の希望と支援者が提案する支援内容や方向性の間にギャップが生じる場合があるためです。 現在は何が必要かを考え、支援者の提案に患者さまが消極的でも実際に試してみましょう。 スムーズに適応する可能性があります。 家族への支援体制 生活訓練プログラムでは、ご家族の支援も重要です。 患者さまが障害を負ったことへのショックは大きく、受け止めるまでには時間がかかるでしょう。 主な内容は以下の通りです。 ご家族の不安や負担の軽減を図る 患者さまの障害について理解してもらう 相談を受ける サポートや介護の情報提供 家族懇談会の開催 ご家族が孤立しないよう、継続的に支援を受けられます。 就労移行支援プログラム 就労移行支援プログラムは、一般企業や在宅で働きたいとお考えの患者さまを対象に、障害者支援施設が行います。 必要な知識や能力を高めるトレーニングを行う 施設内外で職場実習を行い、さまざまな職業の体験 患者さまの能力にあった仕事探し 職場や患者さまに連絡をとり、就職後も長く働けるような支援を行う 日頃の生活リズムや訓練を通じて、適性を見極めるのが重要です。 希望と現実の間にギャップがある場合は、長期的な目標と短期的な目標を設定し、段階的にステップアップしていくことが一般的です。 高次脳機能障害の回復に向けた選択肢「再生医療」について 再生医療の幹細胞治療は損傷した組織や機能回復を促し、高次脳機能障害の回復に期待ができる治療法です。 幹細胞は、損傷した脳細胞の修復や再生を促すのが主な働きです。 幹細胞治療では、患者さまから採取した幹細胞を培養し、1000万個~2億個に増やしてから体内に投与します。 当院(リペアセルクリニック)では、高次脳機能障害の治療事例も多数ございます。 例えば以下記事で紹介している60代の男性は、脳梗塞発症後のさまざまな後遺症にお悩みでした。 幹細胞治療を受けた数週間後には、以下のような症状の改善がみられました。 左手のしびれ:完全に取れる 不整脈:治まる 呂律がまわりにくい:若干感じるがかなり改善 考えていることがスムーズに話せない:スムーズな発語が可能に 一般的な治療では、回復までに1年が目安と紹介しましたが、再生医療では数週間で大きな効果が期待できます。 このままの治療で症状がよくなるのか不安に感じている方は、お気軽にご相談ください。 【まとめ】高次脳機能障害の回復期間は1年が目安!リハビリ開始は早いほど改善に期待できる 高次脳機能障害の回復期間は1年が目安です。また、治療の開始は発症から早いほど症状の改善に期待できます。 高次脳機能障害リハビリプログラムは、発症後すぐに行う医学的リハビリテーションプログラムから始め、症状に合わせて日常生活や就労の訓練を行います。 ご自身の症状や目標に合わせて、適切なプログラムを選択し、継続的にリハビリに取り組むことが大切です。 ただし、高次脳機能障害を含む脳卒中の後遺症は一定の期間が過ぎてしまうと、リハビリ以外に有効な治療法がなく、そのリハビリも慢性期を過ぎると劇的な効果は期待できなくなります。 そのような状況において、リハビリ以外の選択肢として「再生医療」が新たな治療の選択肢として注目されています。 再生医療の効果にも個人差はありますが、例えば以下のような後遺症に対して、少しでも改善が期待できる選択肢です。 また、再生医療の治療効果は、脳卒中の発症後から早期であればあるほど改善が期待できます。 高次脳機能障害を根本的に治療したいとお考えの方は、当院の再生医療をご検討ください。
2025.03.08 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
症状が軽い脳梗塞に対して「症状が軽ければ治るのか?」という疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。 脳梗塞の症状が軽い、あるいは症状が無いものは「無症候性脳梗塞」と呼ばれます。 本記事では、無症候性脳梗塞の危険性や見逃せない前兆、そして予防法と治療選択肢についてご紹介します。 軽い脳梗塞について疑問や不安がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 無症候性脳梗塞とは?症状が軽い脳梗塞のリスク 脳梗塞の中には自覚症状がほとんどないタイプがあることをご存知でしょうか。 症状がない、あるいは軽い脳梗塞として「無症候性脳梗塞」と呼ばれる疾患があります。 無症候性脳梗塞の危険性 症状が軽いケースはラクナ脳梗塞が多い傾向にある 無症候性脳梗塞で後遺症を残さないためには早期発見が重要 本章では、無症候性脳梗塞について詳しく解説します。 無症候性脳梗塞の危険性 無症候性脳梗塞は、自覚症状がほとんどない、あるいは全くない脳梗塞の一種で、脳の血流が一時的に途絶えた状態です。 主にMRIやCTなどの画像検査で偶然発見されることが多く、脳ドックなどで初めてわかるケースが少なくありません。 しかし、自覚症状がないからといって安心はできません。無症候性脳梗塞を持つ人は持たない人に比べて脳卒中を発症するリスクが高くなります。 症状が軽いケースはラクナ脳梗塞が多い傾向にある 脳梗塞には主に、アテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓症・ラクナ梗塞の3種類に分類されます。 この中で、症状が軽いケースはラクナ脳梗であることが多いです。 ラクナ梗塞は、脳の細い血管(穿通枝)が詰まることで起こる脳梗塞で、脳の深部の白質部分に小さな病変ができるのが特徴です。 症状が軽い傾向にあるラクナ梗塞ですが、繰り返し発症すると次第に認知機能障害や歩行障害、排尿障害などを引き起こす可能性があります。 これは小さな梗塞が積み重なることで、脳の機能に徐々に影響を及ぼすためです。 無症候性脳梗塞で後遺症を残さないためには早期発見が重要 無症候性脳梗塞自体は発見された時点では後遺症がないことが多いのですが、放置すると新たな脳梗塞につながる可能性があります。 脳梗塞を繰り返すことで徐々に脳の機能に影響を及ぼし、最終的には認知機能の低下や運動障害などの後遺症につながることもあります。 後遺症を残さないためには早期発見と適切な治療が非常に重要です。 早期発見ができれば、生活習慣の改善などを行い、新たな脳梗塞の発症リスクを大幅に下げることができます。 軽い脳梗塞の前兆・初期症状と危険因子について 軽い脳梗塞や無症候性脳梗塞は自覚症状がほとんどないため発見が難しいものですが、重度の脳梗塞へと進行する前に何らかの前兆が現れることがあります。 これらの前兆や初期症状を見逃さないことが、深刻な事態を防ぐ鍵となります。 脳梗塞の前兆「一過性脳虚血発作(TIA)」 脳梗塞の初期症状を見逃さないための「FASTチェック」 脳梗塞の原因と危険因子 脳梗塞を少しでも早く発見できるよう、前兆や初期症状への理解を深めましょう。 脳梗塞の前兆「一過性脳虚血発作(TIA)」 一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attack)は、脳梗塞と同じ症状が一時的に起こり、通常は数分から数時間以内、多くは24時間以内に自然消失する状態を指します。 すぐに症状が消失したからといって、決して軽視してはいけません。 一過性脳虚血発作を経験した人の約3割※が、後に本格的な脳梗塞を発症します。 ※出典:先進医療.net「脳卒中の前触れ発作『一過性脳虚血発作(TIA)』とは」先進医療.net, 2018年1月5日 一時的な症状であっても、次の発作は軽いとは限らず、重度の脳梗塞になる可能性があります。 脳梗塞の初期症状を見逃さないための「FASTチェック」 脳梗塞が疑われる場合、迅速な行動が必要です。 脳梗塞を含む脳卒中の主な症状を簡単に確認できる方法「FASTチェック」を紹介します。 F(Face):顔の片側が下がる、または笑うと片側だけ動かない A(Arm):片方の腕が上がらない、または力が入らない S(Speech):言葉がはっきり話せない、ろれつが回らない T(Time):上記のFASの症状が見られたら発症時刻を確認し、すぐに救急車を呼ぶ 「FAS」の部分でひとつでも当てはまる症状があれば、脳卒中の可能性が高いと言われています。 脳卒中は症状が出てからの時間経過が治療効果を大きく左右するため、T(Time)が特に重要です。 「様子を見よう」と判断せず、すぐに119番通報し、救急車を呼ぶ行動が命を守ることにつながります。 脳梗塞の原因と危険因子 脳梗塞の主な原因は、動脈硬化や心臓の問題です。 動脈硬化には、頸動脈などの太い血管に起こるタイプ(アテローム硬化)と、脳内の細い血管に起こるタイプ(細動脈硬化)があります。 また、心房細動などの不整脈も、脳梗塞の重要な原因のひとつです。 脳梗塞の危険因子としては、以下のものが挙げられます。 高血圧:最大の危険因子で、長期間の高血圧は血管の壁を痛め、動脈硬化を促進する 糖尿病:血管を傷つけ、動脈硬化を進行させる 脂質異常症:悪玉コレステロールが多いと、血管の壁に脂肪が蓄積する 肥満:内臓脂肪からは血栓ができやすくする物質が出る 喫煙:血管を収縮させ、血液の粘性を高める 過度の飲酒:血圧上昇や不整脈の原因になる 運動不足:心臓や血管の機能を低下させる ストレス:血圧上昇や生活習慣の乱れにつながる これらの危険因子を持つ人は、無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞のリスクも高いため、適切な生活習慣の改善と医学的管理が重要です。 特に複数の因子を併せ持つ場合は、より注意が必要となります。 軽い脳梗塞の予防方法 無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞は、将来的な脳血管疾患のリスクを高める重要なサインです。 そこで未然に防ぐ予防法と、すでに軽い脳梗塞を経験している場合の再発防止策について紹介します。 生活習慣の見直しで脳梗塞を防ぐ 抗血小板薬で血液をサラサラにする 脳梗塞に対する再生医療について 本章では、日常生活での予防法から薬物療法、そして最新の再生医療までを解説します。 生活習慣の見直しで脳梗塞を防ぐ 無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞の予防には、日常的な生活習慣の改善が効果的です。 以下のポイントに注意しながら、健康的な生活習慣を心がけましょう。 血圧管理: 目標値は140/90mmHg未満、家庭血圧135/85mmHg未満を目指す 食生活改善: 塩分摂取を1日6g未満に抑え、野菜、海藻類、食物繊維を積極的に摂取する 適度な運動: 1日30分程度のウォーキングなど有酸素運動を週3回以上 禁煙: タバコは血管を収縮させ、血液の粘性を高める 適量の飲酒: 純アルコール約20g程度(ビール500mlまたは日本酒1合)を上限とし、週に2日は休肝日を設ける 水分補給: 脱水を防ぐためこまめに水分を摂取する 定期的な健康診断: 年に一度は検査を受け、リスク因子を早期発見する これらの生活習慣の改善は、すぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで確実に脳梗塞のリスクを下げることができます。 特に複数の危険因子を持つ方は、総合的な生活改善が重要です。 抗血小板薬で血液をサラサラにする 無症候性脳梗塞が見つかった場合、医師の判断により抗血小板薬の服用を勧められることがあります。 抗血小板薬は、血小板の働きを抑制し、血栓形成を予防することで脳梗塞の発症や再発リスクを低減します。 しかし、血液をサラサラにする抗血小板薬の使用には、出血リスクの増加という副作用(デメリット)もあります。 服用中は歯科治療や手術の際に事前申告が必要で、定期的な検査による効果と副作用のバランス確認が重要です。 自己判断での服用や中止は絶対に避けてください。 脳梗塞の再発予防には再生医療をご検討ください 脳梗塞の再発に関しては、幹細胞を活用した再生医療など新たな治療方法もあります。 再生医療の分野では、損傷した神経組織の修復を目指す研究が進められており、自己由来や他家由来の幹細胞を用いた細胞治療などが開発されています。 脳梗塞の再発予防をお考えの方は、再生医療も選択肢の一つとしてご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して投与する治療を行っています。 ご自身の幹細胞を利用するため、従来の手法に比べて副作用などのリスクが低いのが特徴です。 再生医療について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 脳卒中は手術しなくても治療できる時代です。 脳梗塞の重症度を測る指標「NIHSS」 脳梗塞の重症度を客観的に評価する指標として、医療現場では「NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)」※が広く用いられています。 ※出典:岡山市立市民病院 脳疾患センター 「解りやすいNIHSSの評価」 これは国際的に標準化された神経学的評価法で、意識レベル、視野、顔面麻痺、運動機能、言語機能など11項目を数値化し、合計0〜42点で重症度を判定します。 一般的に、0〜4点は「軽症」、5〜15点は「中等症」、16〜20点は「中重症」、21点以上は「重症」と分類されます。 無症候性脳梗塞や軽い脳梗塞はNIHSSスコアが低く(0〜4点程度)、日常生活に大きな支障がないレベルですが、それでも将来的なリスクがあることを忘れてはいけません。 医師による定期的な評価と適切な予防策が重要です。 【まとめ】症状が軽い無症候性脳梗塞は後遺症なしで治る可能性がある 無症候性脳梗塞は、自覚症状がほとんどないまま進行する脳梗塞で、MRIやCTなどの画像検査で偶然発見されることが多い疾患です。 発見時点では後遺症がなくても、放置すると繰り返し脳梗塞になる可能性があるため油断はできません。 予防・治療法としては、高血圧管理や生活習慣の改善、医師の判断による抗血小板薬の服用などがあります。 症状が軽い無症候性脳梗塞を早期発見できた場合は、適切な対策を講じて後遺症を予防しましょう。 しかし現在の医療において、慢性期を過ぎた脳卒中の後遺症にはリハビリテーション、再発予防には生活習慣改善といったように、根本的な解消を実現することは難しいのが現実です。 脳梗塞を含む脳卒中の再発予防に対しては、再生医療という選択肢もあり、特に当院が提供している幹細胞治療は注目を集めています。 脳卒中の再発率は高いものの、幹細胞治療は将来的に脳梗塞や脳出血を起こすかもしれない弱った血管を修復することが可能で、それが「脳卒中の再発を予防」につながります。 脳梗塞の再発予防や後遺症でお悩みの方で根本的な改善を望む方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2025.03.08 -
- 脳卒中
- 再生治療
- 頭部
- 脳出血
脳出血は再発リスクが高いと聞いて、再発が心配な患者さまやご家族も多いのではないでしょうか。 再発させないためには、生活習慣の改善や血圧の管理などが重要です。 この記事では、脳出血の再発率や症状、再発しないためにできることについて解説します。 脳出血の再発予防に効果が期待される再生医療についてもまとめているので参考にしてみてください。 脳出血とは?主な症状や再発率について 脳出血とは、脳卒中に含まれる疾患の一つで、脳内の血管が破れて出血する病気です。 脳出血とは 脳出血の主な原因 脳出血の再発率 以下では、脳出血の主な症状や原因、再発率について解説します。 脳出血とは 脳出血とは、脳内の動脈が破れて出血する病気です。 突然発症するケースが多く、出血した場所や出血の量によって症状が異なります。 突然の強い頭痛 吐き気 意識障害 片方の身体が麻痺する 言葉が出にくくなる 脳内で出血した血液は時間の経過と共に、皮膜に血液が溜まったりむくみになったりして、脳を圧迫します。 出血が多くなると、さらなる脳へのダメージにつながり頭痛や吐き気などを伴います。 重篤化すると命に関わる可能性もあるので、脳出血を再発しないための生活習慣や予防策が重要です。 脳出血の主な原因 脳出血の主な原因は、高血圧や動脈硬化です。 高血圧:血液が動脈を通る際の圧力が高い状態が続くと、血管へのダメージになる 動脈硬化:動脈の壁が硬くなり柔軟性が損なわれることで血管が詰まりやすくなる 高血圧や動脈硬化によって長年のダメージが血管に蓄積されると、血管がもろくなり、破れて出血する場合があります。 高血圧や動脈硬化は、生活習慣の見直しによって改善が期待できます。 脳出血の再発率 脳卒中の再発率は、発症後10年で55.6%※とのデータがあり、多くの患者さまが発症後1年以内に再発しています。 ※出典:PubMed 脳出血が再発しないための対策は、発症後早期に行いつつ、長い目でみていく必要があります。 とくに、以下のような方は注意が必要です。 50代以上 飲酒や喫煙の習慣がある 食生活の乱れ 運動不足 血圧の管理ができていない 50代以降の方は血管の柔軟性が低下しているため、再発率が高まる傾向にあります。 脳出血が再発すると症状が悪化したり、新たな後遺症が加わったりして日常生活に影響を与える可能性も考えられます。 そのため、脳出血を再発しないためには生活習慣や定期的な健康診断などの健康管理が重要です。 脳出血を再発しないためにできること 脳出血を再発しないためにできることを紹介します。 再発率が高い脳出血ですが、適切な健康管理や対策ができれば再発リスクの低下が期待できます。 継続的に血圧を管理する 食生活を改善して高血圧を防ぐ 運動習慣をつけて肥満対策をする 医師の指示に従って薬を服用する 転倒を予防する環境をつくる 定期検査で潜在リスクを早期に発見 一つずつみていきましょう。 継続的に血圧を管理する 脳出血を再発しないためには、以下のような継続的な血圧の管理が欠かせません。 日頃から血圧を測り記録する 塩分の摂取を抑える 血圧を下げる薬の服用 禁煙 血圧は、毎日同じ状態かつ同じ方法で測り、記録しましょう。 家庭で測る際の家庭血圧では、125/75mmHg未満※が正常値です。 ※出典:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」 血圧が高い際や定期健診の際に医師に提出すると、適切な治療が受けられます。 また、喫煙は高血圧や動脈硬化を引き起こす作用があるので、禁煙も血圧の管理には重要です。 高血圧は脳卒中における大きな危険因子なので、再発しないためにも血圧には注意しましょう。 食生活を改善して高血圧を防ぐ 脳出血を再発しないためにできることの一つに食生活の改善が挙げられます。 以下のポイントを意識しましょう。 塩分を控える 野菜や果実を摂取する 脂肪分を摂りすぎない アルコールを控える 塩分の摂取量が多いと血圧が高くなるため注意しましょう。 高血圧の予防には、1日の塩分摂取量6g未満が目標とされています。※ ※出典:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」 持病によって異なるので、主治医に塩分量を相談してみてください。 野菜や果物は塩分を排出する効果も期待できるので、適度に摂取しましょう。 また、長期間のアルコール摂取は血圧の平均値を上昇させ、高血圧の原因となるため注意が必要です。 運動習慣をつけて肥満対策をする 運動の習慣をつけることも、脳出血の再発防止に有効です。 おすすめの運動は、以下の通りです。 ウォーキング サイクリング 水泳 ラジオ体操 ストレッチ 以上のような有酸素運動は、血中の糖分や脂肪分を消費するので、血圧や血糖値を下げる効果が期待できます。 1日30分程度から、無理のない範囲で続けてみましょう。 医師の指示に従って薬を服用する 脳出血を再発しないためには、医師の指示に従って薬を正しく服用しましょう。 原因や患者さまの状態に合わせて、以下のような種類の降圧剤が処方されます。 血液をサラサラにする 血管を広げる 塩分や水分を輩出する また、忘れず服用し、自己判断で止めないようにしましょう。 薬についてお悩みの点があれば、薬剤師や医師に相談してください。 転倒を予防する環境をつくる 脳出血の後遺症として身体に麻痺が残る場合があります。 少しでも日常生活が送りやすいように、転倒を予防できる環境をつくりましょう。 40歳以上で要介護認定を受けている場合、介護保険を活用してレンタルもできます。 杖:麻痺やふらつき、めまいがある場合 手すり:床と天井に設置する「突っ張りタイプ」や床に手すりがついている「据え置きタイプ」 介護用のベッド:高さやリクライニングの角度を細かく調整できる 杖や手すりがあると転倒の防止だけでなく、歩きやすくなるのでリハビリにつながります。 また、介護用ベッドはベッドからの起き上がりや立ち上がりの際の転倒が予防できるため、片麻痺が残っている方におすすめです。 定期検査で潜在リスクを早期に発見 定期検査で潜在リスクの早期発見をすることは、脳出血の再発予防に欠かせません。 脳出血の原因である動脈硬化や高血圧、糖尿病などは、患者さま自身では症状に気づきにくい場合があるためです。 検査では、血液検査や尿検査、MRIやCTを使用して脳の状態を確認する脳ドッグなどを行います。 早期に発見できれば重症化を防げる可能性があるため、症状がなくても定期的に検査を受けましょう。 【年代別】脳出血の再発を防ぐ対策 脳出血の再発を防ぐ対策を年代別に紹介します。 40〜50代の再発防止策 高齢者の再発防止策 年代ごとに対策のポイントが異なるので、詳しくみていきましょう。 40〜50代の再発防止策 40~50代の脳出血の再発対策は以下の通りです。 ウォーキングやストレッチなどの定期的な運動 生活リズムを整える ストレスの管理 定期的な健康診断 とくに40~50代の方は、生活習慣を改善するのが脳出血の再発を防ぐポイントです。 ストレスは高血圧の原因の一つです。家庭や仕事のストレスは適度な運動や趣味で発散しましょう。 また、40~50代の方は仕事や育児で多忙な方も多いことでしょうが、定期的な健康診断を受けて再発を早期に発見できるようにしましょう。 高齢者の再発防止策 高齢者の方の再発防止策は以下の通りです。 高血圧を予防する 医師による定期的な診察を受ける 薬を指示通りに正しく服用する 柵や杖などで転倒を防止する 高齢者の方は老化によって脳出血が起こりやすいので、再発に注意したい年代です。 血圧は定期的に計測し、記録しておきましょう。 また、食生活も高血圧と深い関わりがあるため、塩分を控えて、野菜やフルーツを意識して摂取しましょう。 脳出血を再発しないために再生医療による治療をご検討ください 脳出血の再発予防に、再生医療による治療が注目されています。 再生医療の治療方法や当院が扱う再生医療の特徴について紹介します。 再生医療とは 当院(リペアセルクリニック)の特徴 脳出血を再発しないための選択肢として参考にしてみてください。 再生医療とは 再生医療とは患者さま自身の細胞の力を用いて、入院や手術なしで脳出血の再発予防ができる可能性がある治療法です。 治療で用いられる幹細胞は、損傷した血管や組織の修復や再生を促す働きがあります。 脳出血の患者さまが再生医療を受けた際に期待できる効果は以下の通りです。 弱った血管の修復や新しい血管の再生による再発予防 脳細胞の修復による後遺症の回復 再生医療は、脳出血を発症して損傷した血管だけでなく、再発のリスクになりえる弱った血管の修復にも期待できます。 脳出血を再発しないための治療法をお探しの方は、再生医療を検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)の特徴 当院が扱う再生医療の特徴について紹介します。 厚生労働省から受理された自己脂肪由来幹細胞治療を行う 独自の培養技術で生存率・活動率が高い幹細胞を投与できる 一度に最大2億個の幹細胞を投与できる 当院の自己由来幹細胞治療では、患者さまの細胞を用いるためアレルギーや拒絶反応のリスクが少ない点が特徴です。 また、独自の培養技術で生存率・活動率が高い幹細胞を一度に2億個も投与できます。 高品質な幹細胞を一度に大量に投与できるため、治療成績も良好です。 【まとめ】脳出血を再発しないために危険因子を防ぐことが重要! 脳出血を再発しないためにできることは、血圧の管理や食生活の改善、正しい薬の服用などです。 生活習慣を見直して高血圧や動脈硬化、糖尿病などの危険因子を防ぎましょう。 また、当院では脳出血の再発予防に効果のある再生医療を取り扱っています。 再生医療による治療を検討している方はお気軽にご相談ください。
2025.03.07 -
- 脳梗塞
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脳梗塞を発症し、怒りっぽい性格になった方はいませんか。 怒りっぽい性格になったように感じるのは、後遺症の1つである「社会的行動障害」の症状が原因となっている可能性があります。 本記事では、脳梗塞の後遺症で怒りっぽくなる理由や、後遺症の治療方法について、詳しく解説します。 脳梗塞の後遺症である「高次脳機能障害」の症状は、周囲からはわかりにくい特徴があります。 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合は、家族や友人へ症状を伝え、必要なサポートを受けましょう。 脳梗塞の後遺症で怒りっぽい性格になるのは本当? 脳梗塞の後遺症で怒りっぽい性格になった場合は、以下のような原因・特徴があります。 性格の変化は「社会的行動障害」の症状の一つ 自分では性格の変化を認識できないことが多い 社会的行動障害の症状が現れている可能性があります。 社会的行動障害になると、感情や行動のコントロールに困難感を感じ、二次的に意欲・活動性の低下が起こるのが特徴です。 性格の変化は自分自身で気づくことが難しく、周囲の方に指摘されて初めて後遺症に気づく場合が大半です。 性格の変化は「社会的行動障害」の症状の一つ 脳梗塞発症後の性格の変化は、社会的行動障害の可能性があります。 社会的行動障害とは、後遺症である高次脳機能障害の一つで、感情のコントロールが難しくなったり、暴言や大声を発したりする症状がみられます。 感情コントロールが上手くできずに人間関係に悩む方もいるため、社会的行動障害について周囲も理解を深めることが大切です。 自分では性格の変化を認識できないことが多い 脳梗塞後の性格の変化は、自分自身で症状を認識することが難しい特徴があります。 「温厚だった人が怒りっぽくなった」「意欲がない」などの症状は、脳梗塞の後遺症にみられる症状です。 怒りっぽい性格になり暴言や大声を発したりすることで、周囲の人との関係が上手くいかなくなり、抑うつ状態になる場合もあるため家族や周囲のサポートが必要です。 脳梗塞の後遺症で起こる「高次脳機能障害」の症状はさまざま 脳梗塞の後遺症で起こる高次脳機能障害には、以下の症状があります。 記憶障害 注意障害 遂行機能障害 社会的行動障害 脳梗塞の発症部位によって、症状の程度や現れる後遺症は異なります。 高次脳機能障害がみられる方は、周囲へ症状を伝えたり医療機関を受診したりして、適切な支援を受けましょう。 記憶障害 脳梗塞後に以下の症状がある場合は、高次脳機能障害の1つである記憶障害の可能性があります。 数秒前に言ったことを忘れてしまう 人や時間、場所がわからなくなる 事実とは違う話をする 脳梗塞になる前のことを忘れてしまう 人や場所がわからなくなる症状(見当識障害)が現れると、家族や友人を認識できなくなる場合もあり、孤独感を感じやすくなります。 記憶障害による孤独感は、感情のコントロールへも影響が出るため注意が必要です。 短期記憶に障害が生じると、物忘れが激しくなったり、作り話で記憶障害を隠したりする場合があります。 記憶障害のある患者様の作り話に悪意はないため、矛盾点を強く指摘しないことが大切です。 注意障害 高次脳機能障害の1つである注意障害がみられる場合は、以下の症状が現れます。 反応が鈍くなる 気が散りやすい 作業中のミスが増える 特定の物事に固執してしまい切り替えが難しくなる 注意障害では、集中力が低下し固執性が強くなる症状が現れるため、仕事でミスをしやすくなります。 日常生活で集中力を必要とする作業は、高次脳機能障害の患者様に大きな負担がかかるため注意が必要です。 遂行機能障害 脳梗塞後に高次脳機能障害の一つである遂行機能障害がみられる場合があります。 遂行機能障害とは物事を進める能力が低下する障害で、以下の症状が現れます。 物事の計画ができない 衝動的に行動する 複数の作業に優先順位をつけられない 自主的に行動ができない 遂行機能障害の程度には個人差があり、具体的な診断基準はありません。 そのため認知機能テストで遂行機能障害の程度を把握し、症状に合わせた認知リハビリテーションで遂行機能の向上を目指します。 社会的行動障害 社会的行動障害は感情や行動のコントロールが難しくなり、以下の症状が現れます。 感情のコントロール障害 易怒性 金銭管理の困難感 意欲・活動性の低下 固執 抑うつ 感情のコントロール障害や易怒性は、二次的に意欲・活動性の低下につながります。 社会的行動障害では自身の欲求を抑えられずに、金銭トラブルに発展する例もあり注意が必要です。 意欲・活動性が低下すると抑うつ傾向になるため、社会参加や対人関係にも困難感を感じやすくなります。 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合に家族ができること 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合に、患者様の家族ができることは以下の2つです。 後遺症を理解し本人の意思を尊重する 専門家に相談することも重要 性格の変化は患者様自身で気づくことが難しく、家族から受診をすすめられても断られるケースがあります。 脳梗塞患者様の家族は、後遺症の問題を抱え込まないように、周囲の支援を受けることが大切です。 後遺症を理解し本人の意思を尊重する 脳梗塞後に性格の変化がみられる場合は、症状を理解し本人の意思を尊重しましょう。 本人は後遺症に気づいていない場合もあり、周囲から指摘されて初めて症状に気づくケースが大半です。 家族は後遺症による不安や悩みなどを傾聴し、適切な治療が受けられるように支援することが大切です。 専門家に相談することも重要 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった場合は、医療者や行政機関などの専門家に相談することも重要です。 家族が本人に悩みを聞いても、強く拒まれ適切な治療を開始できない場合があります。 また、怒りっぽい性格は対人トラブルを招きやすく、家族も大きなストレスを抱えてしまう可能性があります。 怒りっぽい性格が社会的行動障害に起因する場合は、障がい者支援や介護保険サービスが利用できることもあるため、専門家に相談しましょう。 脳梗塞後の高次脳機能障害に対する治療方法 脳梗塞後の高次脳機能障害には、以下の3つの治療方法があります。 リハビリ 薬物療法 再生医療 高次脳機能障害にはさまざまな種類があり、症状の程度も個人差があります。症状に合わせた治療方法を検討し、後遺症を緩和していくことが大切です。 リハビリ 脳梗塞後に高次脳機能障害になった場合は、以下のような認知機能にアプローチするリハビリテーションを行います。 自分自身の言動を振り返る 記憶障害の代償方法を身につける グループ活動で自身を客観的に捉える 高次脳機能障害は、自身の言動を客観的に捉えて理解することで、症状の緩和を目指します。 本人が興奮状態にあるうちは自身を振り返ることが難しいため、場所や時間などを変え冷静になってから振り返りを行いましょう。 薬物療法 脳梗塞で意欲の低下や感情コントロールの困難がみられる場合の治療法に、薬物療法があります。 脳梗塞後の後遺症に対する薬物療法は、精神的な症状を改善する薬剤や脳梗塞の再発を防ぐ薬を使用します。 薬物療法は症状の軽減を目的とするため、リハビリや専門家のサポートと並行して行いましょう。 再生医療 脳梗塞後の高次機能障害に対する治療方法の1つに、再生医療があります。 再生医療は患者様自身の細胞を利用して損傷した組織の修復を促す治療法で、以下の特徴があります。 脳梗塞の後遺症を治療する際は、リハビリテーションと並行して再生医療を受けると、症状の改善に期待できます。 脳梗塞の後遺症でお困りの方は、当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。 【まとめ】脳梗塞後に怒りっぽい性格になったら高次脳機能障害の治療を行いましょう 脳梗塞後に怒りっぽい性格になった際は、高次脳機能障害の治療を行いましょう。 高次脳機能障害の症状改善には、リハビリや薬物療法、再生医療による治療があります。 脳梗塞の後遺症は個人差があり、患者様に合った治療を組み合わせて症状の改善を目指すことが大切です。 高次脳機能障害でお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。
2025.03.07 -
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脳梗塞の後遺症でふらつきやめまいが出現し、お困りの方はいませんか。 脳梗塞は、血の塊(血栓)が脳血管をふさぎ、発症部位より先の血流が滞ることで脳細胞が壊死する疾患です。 後遺症で出現するふらつきは、体幹失調が原因の可能性があります。体幹失調は、胴体のバランスが取りづらく、スムーズに身体を動かせない状態です。 本記事では、脳梗塞の後遺症によってふらつきが出現する原因や、めまいの特徴について詳しくご紹介します。 ふらつきやめまいは発症からの日数によって、症状の特徴が異なります。経過に合ったリハビリテーションを行い、脳梗塞によるふらつきを改善しましょう。 脳梗塞の後遺症でふらつく原因 脳梗塞の後遺症でふらつく主な原因は、体幹失調が起こるためです。体幹失調とは、脳と胴体の連携が十分にできず、バランスを取ることが困難になる状態です。 脳梗塞は血の塊(血栓)が脳血管で詰まる疾患で、梗塞部位より先の血流が滞り脳細胞が壊死します。 脳細胞が壊死すると、脳は身体を動かす指令を伝達できなくなる恐れがあるため注意が必要です。 体幹失調とは 体幹失調とは、脳梗塞の後遺症で起こる可能性がある運動失調の一種で、以下の特徴が現れます。 座っているときにグラグラする 足を大きく開いて歩く 手足の動きがバラバラになる 千鳥足のような歩き方になる 体幹失調は歩行時に症状が目立ちますが、身体のバランスが悪くなるため座っているときにも症状が現れる場合があります。 脳梗塞で体幹失調が起こるメカニズム 脳梗塞によって脳幹や特定部位が損傷すると、体幹失調が起こる可能性があります。体幹失調のメカニズムは、以下のとおりです。 脳幹に血栓が詰まり、発症部位より先の血流が遮断される 血流が減少し脳細胞が壊死する 身体へ指令を出す脳幹やバランスを取るための小脳や前庭迷路が機能しづらくなくなる 歩行時にふらつき症状やめまいが出現する 脳は、神経に身体を動かす指令を送る役割を担っています。 脳血管の一部の血流が遮断されると、身体をスムーズに動かせなくなり、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。 脳梗塞の後遺症による「めまい」の特徴 脳梗塞の後遺症による「めまい」は、大きく以下の3つに分けられます。 めまいの種類 特徴 回転性めまい ぐるぐると回っているように感じる 浮遊性めまい ふわふわと宙に浮いているように感じる 前失神性めまい 立ちくらみ同様、目の前が突然真っ暗になったように感じる めまいが起こると、自分自身が動いていなくても動いているように感じ、周囲からはふらついている状態に見えます。 脳梗塞によるふらつき・めまいの症状の変化 脳梗塞によるふらつきやめまいでは、発症してからの日数によって症状が変化します。 症状に合わせて、適切な治療やリハビリテーションを受け、ふらつきを改善していくことが重要です。 発症直後 脳梗塞の発症直後は、ぐるぐると回っているように感じる「回転性めまい」が出現しやすく、重いふらつき症状が現れます。 発症直後の回転性めまいは重度で、自分自身で立位を保つことは困難です。 以下の脳梗塞の初期症状(一過性脳虚血発作)がみられた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 口が閉まりにくい ろれつが回らない 言葉が出ない 片麻痺 めまいやふらつきがある 視野が狭くなる 治療せずに放置すると重い後遺症が出る恐れがあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。 脳梗塞の初期症状や発症原因については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 数日〜数週間経過後 脳梗塞の発症から数日~数週間経過すると、回転性めまいの症状が軽減する場合があります。 しかし、平衡感覚障害やふらつきが残る場合があるため、リハビリが重要です。 歩行時のふらつきやめまいがあるときは、無理に動かず、医療者の指示に従いましょう。 治療後 脳梗塞の治療後は、後遺症としてふらつきやめまいが出る場合があります。 後遺症でめまいやふらつきがある方は、治療やリハビリテーションを継続し、転倒リスクの軽減を図ることが大切です。 脳梗塞の後遺症によるふらつき改善に重要なリハビリテーション 脳梗塞の後遺症によるふらつきを改善するには、以下のリハビリテーションを行うことが重要です。 リハビリテーションで効果を得られるように、適切なリハビリ方法を確認しましょう。 フレンケル体操 脳梗塞の後遺症によるふらつきに効果的なリハビリテーションの1つに、フレンケル体操があります。 フレンケル体操は、小脳を原因とした運動失調に有用なリハビリテーションで、身体の位置感覚や運動バランスを改善するために行われます。 体操の運動項目は120種類以上あり、後遺症の程度や病状に合わせて選択するのが一般的です。 仰向けで行う方法 両足のかかとを床につける 片足をすべらせるように動かし、膝の曲げ伸ばしを行う かかとを床につけたまま、片膝を曲げた状態で股関節を内外に動かす 片膝を立てた状態で股関節を内外へ動かす 椅子に座って行う方法 椅子に座り、数分間姿勢を保持する 足の前に目印を置き、片方のつま先でタッチして元の姿勢に戻る 足を閉じて立ち上がり、再度椅子に座る 無理のない範囲でフレンケル体操を実施し、身体の平衡感覚の改善を目指しましょう。 前庭リハビリテーション 脳梗塞の後遺症でふらつきがみられる場合に、前庭リハビリテーションを行う方法があります。 前庭リハビリテーションは、歩行や姿勢の保持など、日常生活動作の改善を目的として行われる反復訓練です。 リハビリテーションを行うことで、平衡感覚をつかさどる前庭の機能を改善し、ふらつき症状やめまいの軽減が期待できます。 椅子に座って行う方法 体の正面で腕を伸ばし、親指を目の高さに持ってくる 親指を見ながら頭を左右・上下に動かす 立って行う方法 目を開けたまま足を閉じて立ち、前後左右に身体を傾ける 1ができたら、目を閉じて立ち、前後左右に身体を傾ける 椅子に座って行う方法や、立って実施する訓練ができたら、歩行訓練を行います。 歩行時は身体を静止しているときと比べて転倒リスクが高いため、注意して実施しましょう。 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお困りの方は再生医療をご検討ください 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお困りの方は、後遺症の根本的な治療を目指せる再生医療を検討してみましょう。 再生医療とは、体が持つ再生能力を利用して一度壊死した脳細胞を再生させる医療技術のことで、脳機能の回復が期待できます。 また、リハビリと並行して再生医療を行うことで身体機能の回復効果を高め、治療期間の短縮にもつながります。 リペアセルクリニックでは、患者さまの症状に適したリハビリの訓練や指導が行えるよう、医師の他に理学療法士や柔道整復師などの専門資格を持つチーム体制が整っています。 脳梗塞の後遺症でお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 【まとめ】脳梗塞の後遺症によるふらつき改善にはリハビリが重要 脳梗塞の後遺症によるふらつき改善には、症状に合ったリハビリが重要です。 適切なリハビリテーションを行うことで、ふらつきが改善され、転倒リスクが低減します。 後遺症のめまいやふらつきが改善せずお困りの場合は、リハビリテーションと並行して再生医療による治療も検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、厚生労働省に受理された治療法で、後遺症の改善だけでなく脳梗塞の再発予防も期待できます。 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお悩みの方は 、当院(リペアセルクリニック)へお気軽にお問い合わせください。
2025.03.07 -
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脳の中でも生命維持に関わる重要な部位である脳幹での出血は特に深刻とされています。 脳幹出血を経験した患者さまやご家族は、回復の見込みはあるのか?不安を抱えていることでしょう。 この記事では、脳幹出血の回復見込みについて複数の医学論文のデータも合わせて解説します。 脳幹出血は重篤な疾患ですが、適切な治療と早期からのリハビリによって機能回復の可能性を高められることがわかります。 脳幹出血に回復の見込みはあるのか【論文データについても解説】 脳幹出血に回復見込みはどの程度あるのでしょうか? ここでは複数の医学論文のデータも合わせて脳幹出血後の回復率や死亡率、また回復に影響する要因について解説します。 脳幹出血から良好回復した方は約6.1% 患者の予後は61%が死亡例というデータも 脳幹出血を発症した時の意識状態が予後に影響 発症1か月時点で半年後の歩行能力が予測可能 意識状態や年齢といった要素が予後にどう関わるのか、また発症初期の状態から将来の機能回復をどの程度予測できるのかについても解説します。 脳幹出血から良好回復した方は約6.1% 脳幹出血患者を対象とした研究※では、発症から3ヶ月後の転帰として「良好な回復」が得られたのは全体の6.1%でした。 ※出典:ScienceDirect その他の転帰としては「中等度障害」12.7%、「重度障害」12.7%、「植物状態」10.8%、そして「死亡」が57.5%となっています。 ただし、脳幹出血の死亡率は研究によって幅があり、対象患者の状態や年齢層、医療体制などの違いが影響していると考えられます。 上記から脳幹出血は重篤性がありますが、良好な回復を遂げる可能性もあることがわかります。 患者の予後は61%が死亡例というデータも 国立病院機構災害医療センターによる脳幹出血患者を対象とした研究では、退院時の予後として死亡例が61%、生存例が39%※という結果が報告されています。 ※出典: 脳幹出血患者の予後に関する臨床的検討 また、生存例の詳細は以下のようになっています。 良好な回復:3% 中等度障害:9% 重度障害:13% 植物状態:14% この研究では年齢層による死亡率の差も分析されており、70歳以上の患者の死亡率は79%、70歳未満では57%と高齢なほど死亡率が高い傾向が見られましたが、統計学的な有意差は認められていません。 つまり、年齢と死亡率の間に明確な相関関係があるとは言えないものの、数値としては高齢者ほど予後不良となる可能性が高いことがわかります。 脳幹出血を発症した時の意識状態が予後に影響 脳幹出血患者の予後を左右する重要な因子として、発症時の意識状態が挙げられます。 国立病院機構災害医療センターの研究では、来院時の運動機能スコア(M1~M6)と予後の関係について詳細な分析※が行われました。 ※出典: 脳幹出血患者の予後に関する臨床的検討 結果として、M1(全く動かない)の患者21例の死亡率は86%、M2(痛み刺激に対して除脳硬直)の患者25例の死亡率は76%と非常に高い割合でした。 脳幹出血発症時の意識レベルは患者の予後を予測する上で非常に重要な指標であり、特に重度の意識障害を伴う場合は、死亡リスクが著しく高まるということがわかります。 発症1か月時点で半年後の歩行能力が予測可能 脳幹出血患者の半年後の歩行能力は、発症1ヶ月時点での評価で高い精度で予測できる※ことが明らかになりました。 ※出典: 脳幹出血患者の予後予測. 脳卒中の外科 17例の脳幹出血患者を観察した研究では、1ヶ月時点で以下の条件を満たす患者は半年後に歩行能力を獲得できる可能性が高いことが示されています。 特に、端座位保持能力と歩行機能の間には強い関連があり、1ヶ月以内に端座位を自力保持できた患者はほぼ全例が半年後に歩行可能となっています。 脳幹出血の改善には早期のリハビリが重要 脳幹出血は重篤な後遺症をもたらす可能性が高いため、機能回復に向けた計画的なリハビリテーションが重要です。 リハビリは以下の3段階に分けて進められます。 急性期のリハビリ 回復期のリハビリ 維持期のリハビリ 本章では、各時期のリハビリの特徴と重要なポイントについて詳しく解説します。 急性期のリハビリ 急性期(発症直後2週間〜1ヶ月程度)のリハビリテーションは、二次的合併症の予防と早期の機能回復に重点を置きます。 急性期は全身状態に注意した上で主に以下のリハビリを行います。 関節可動域訓練(関節が固まるのを防ぐ) ベッド上での寝返り訓練 座位訓練(上体を起こす練習) 嚥下(えんげ)訓練 車いすへの移乗訓練 立位・歩行訓練(状態に応じて) 言語機能の回復訓練 ストレッチ運動 近年の研究では、早期からリハビリを開始した患者の方が、長期的な予後や後遺症の改善に良い効果が見られています。 回復期のリハビリ 回復期(3〜6ヶ月程度)のリハビリテーションでは、急性期で回復しなかった機能や後遺症の改善を目指します。 回復期には、主に以下のリハビリを行います。 生活に必要な基本動作訓練(立つ、座る、歩くなど) 日常生活動作(ADL)訓練(食事、着替え、トイレなど) 麻痺の改善訓練(促通訓練) 筋力増強訓練 痙縮(けいしゅく)対策(ストレッチや薬物療法) 高次脳機能訓練 嚥下・構音訓練 装具の使用訓練 この時期には一般的に回復期リハビリテーション病棟へ転院し、集中的なリハビリを行います。 維持期のリハビリ 維持期(発症6ヶ月以降)は「生活期」とも呼ばれ、回復した機能の維持と社会生活への復帰を目指す時期です。 この時期は在宅で生活しながら、以下のようなリハビリを継続します。 物理療法(病院で実施) 自宅でのストレッチや筋力訓練 散歩やラジオ体操などの日常運動 生活に必要な動作の確認と練習 装具の調整とメンテナンス デイケアや訪問リハビリの活用 社会参加を促す活動 再発予防のための生活習慣指導 継続的なリハビリと生活習慣の改善により、機能維持と再発予防を両立させることが重要です。 脳幹出血にはどのような後遺症がある? 脳幹出血には、主に以下の後遺症が出る場合があります。 後遺症の種類 主な症状 運動麻痺 手足が思うように動かせない 感覚障害 触覚や痛覚の異常、しびれ 嚥下障害 飲食物の飲み込みが困難 構音障害 発音がうまくできない、呂律が回らない 眼球運動障害 物が二重に見える、まぶたが開かない 自律神経障害 体温調節障害、発汗異常、血圧変動 運動失調 ふらつき、体のバランスが取りにくい 高次脳機能障害 記憶障害、注意障害、判断力低下 脳幹出血の後遺症は、適切なリハビリによって改善する可能性があります。 脳幹出血の再発防止・後遺症からの回復には「再生医療」が注目されている 脳幹出血の再発防止・後遺症に対して、再生医療という治療方法があります。 再生医療は、人間が持っている再生能力を活かした医療技術の一つです。 当院「リペアセルクリニック」では、自己脂肪由来の幹細胞治療を実施しています。 手術や入院を必要としない治療方法です。 再生医療の詳細については、無料のメール相談やオンラインカウンセリングからお問い合わせください。 脳幹出血の回復見込みに関してよくある質問 脳幹出血の回復見込みに関してよくある質問を紹介します。 脳幹出血の回復率は? 脳幹出血の余命はどのくらい? 脳幹出血を予防する方法は? 出血の程度や部位、患者さまの年齢や既往歴によって回復の見込みや予後は異なるため、あくまで参考としてごらんください。 脳幹出血の回復率は? 脳幹出血の発症から3ヶ月後の回復率は以下の通りです。 良好な回復:6.1%(13名) 中等度障害:12.7%(27名) 重度障害:12.7%(27名) 植物状態:10.8%(23名) 死亡:57.5%(122名) ※出典:ScienceDirect 何らかの障害を抱えながら生存される方が約36%、亡くなる方が半数以上を占めるため回復率は低いといえるでしょう。 脳幹出血の余命はどのくらい? 脳幹出血を含む脳出血患者の余命は、約12年程度とされています。 その他、生存率に関する調査では以下のような結果が報告されています。 10年生存率は約24.1% 5年生存率は24% 1年生存率は38%、 若年層(50歳以下)は高齢者(70歳以上)よりも5年生存率が高い 特に意識障害が強い場合や出血量が多い場合は、発症後数時間から数日で急激に状態が悪化するケースもあり、注意が必要です。 脳幹出血を予防する方法は? 脳幹出血の主な原因は高血圧や動脈硬化であるため、予防は基本的に生活習慣の改善によって行います。 減塩する 大量飲酒・喫煙を控える 肥満を解消する ストレスを溜めない 定期的な健康診断を受ける 適切な血圧管理 これらの予防法を継続的に実践することで、脳幹出血のリスクを減らすことができます。 【まとめ】脳幹出血は程度によって回復の見込みもある!早期のリハビリテーションが重要 脳幹出血は重篤な疾患ですが、出血の程度によっては回復の見込みがあります。 ある研究では良好回復は約6.1%※と低いものの、予後を左右する重要な因子として、発症時の意識状態や出血量、年齢などが挙げられます。 ※出典: 脳幹出血患者の予後予測. 脳卒中の外科 回復のためには早期からの適切なリハビリテーションが非常に重要であり、急性期・回復期・維持期の各段階に応じた計画的なアプローチが求められます。 また、再発予防のためには減塩や禁煙、適切な血圧管理などの生活習慣改善が不可欠です。 他にも脳幹出血の再発予防や後遺症には、再生医療の選択肢があります。 再生医療に興味がある方は、お気軽にご相談ください。
2025.03.07 -
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脳幹出血を発症すると、どのような後遺症が残るのか、またその症状に対してどのような治療やリハビリが効果的なのか疑問をお持ちの方も多いでしょう。 とくにご家族が脳幹出血を発症された方は、これからの治療や生活について不安を感じておられることと思います。 この記事では、脳幹出血の主な後遺症とその症状、治療・リハビリ方法について詳しく解説します。 脳幹出血の主な後遺症 脳幹出血の主な後遺症は以下の通りです。 運動麻痺(四肢麻痺) 感覚麻痺 眼球運動障害 嚥下障害 構音障害 高次脳機能障害 出血した部位や範囲によって症状は異なりますが、一般的には後遺症が出るケースが多いとされています。 本章では、脳幹出血後に見られる主な後遺症について詳しく解説します。 運動麻痺(四肢麻痺) 運動麻痺とは、手足を自分の意思通りに動かせなくなる状態です。 麻痺の状態は以下のように分類されます。 完全麻痺:自分の意思で手足を全く動かせない状態 不全麻痺:運動機能や感覚が完全に失われず、手足の動きが少し残る 弛緩性麻痺:筋肉の緊張が低下し、力が入らない状態 状態痙性麻痺:筋肉が硬く緊張した状態で、スムーズに動かすことができない 脳幹出血によって運動をコントロールする神経経路が損傷すると、四肢に麻痺が生じることがあります。 とくに脳幹は左右の神経が交差する場所であるため、両側の手足に麻痺が現れる四肢麻痺を引き起こすことがあります。 感覚麻痺 感覚麻痺は、皮膚などへの刺激を正常に感じ取れなくなる状態です。 感覚麻痺によって現れる主な症状には以下のようなものがあります。 触覚の低下(物に触れても感じにくい) 痛覚の低下(痛みを感じにくい)または過敏(わずかな刺激でも痛みを感じる) 温度感覚の低下(熱い・冷たいの区別がつきにくい) 深部感覚の低下(体の位置や動きの認識が難しい) しびれ感や異常感覚 振戦(ふるえ) 脳幹出血によって感覚を伝える神経経路が損傷されると、身体の感覚が鈍くなったり、異常を感じたりすることがあります。 眼球運動障害 眼球運動障害は、目の見え方に異常をきたす障害です。 脳幹出血によって、眼球を動かしたり瞳孔や水晶体の調節したりする神経が損傷されると、さまざまな視覚症状が現れます。 複視(物が二重に見える) 眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がってくる) 視野狭窄(視野が狭くなる) 視力低下(物がぼやけて見える) めまい これらの症状は日常生活に大きな支障をきたすため、早期からのリハビリテーションが重要です。 嚥下障害 嚥下(えんげ)とは、飲食物を飲み込む動作のことです。 脳幹には嚥下に関わる神経が多く存在するため、脳幹出血によって嚥下機能に影響を及ぼすことがあります。 食事中にむせる・咳き込む頻度が増える 食事に時間がかかるようになる 食べられる量が減少する よだれが増える 声が枯れやすくなる(誤嚥により声帯に負担がかかる) 嚥下障害がある場合、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、適切なリハビリテーションと口腔ケアが重要です。 構音障害 構音障害とは、舌、口唇、声帯などの動きに異常が生じ、はっきりと発音できなくなる障害です。 構音障害によって現れる主な症状には以下のようなものがあります。 はっきり発音できなくなる(呂律が回らない) 高い声を出しにくくなる 声がかすれやすくなる 声の大きさをコントロールしにくくなる 言葉に抑揚がなくなる 脳幹出血によって発声に関わる神経や筋肉の機能が損なわれると、言葉がはっきりと発音できなくなります。 構音障害のリハビリでは、正しい発音の練習やゆっくりと話すことを意識することで、コミュニケーション能力の改善が期待できます。 高次脳機能障害 高次脳機能障害とは、脳の損傷によって生じる認知・思考・行動の障害です。 高次脳機能障害には以下のような症状が含まれます。 注意力や集中力の低下 記憶障害(とくに新しいことを覚えられない) 遂行機能障害(計画を立てて実行することが難しい) 社会的行動障害(感情のコントロールが難しい) 意欲の低下 高次脳機能障害は外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれます。 本人が気付きにくいからこそ、家族や周囲の人の理解が必要です。 脳幹出血の後遺症に対するリハビリと治療方法 脳幹出血は重篤な症状を引き起こす疾患であり、後遺症の回復には適切な治療とリハビリテーションが欠かせません。 治療とリハビリは病期によって大きく内容が変わります。 急性期の治療とリハビリ 回復期の治療とリハビリ 維持期の治療とリハビリ 脳幹出血の後遺症に対するアプローチは、上記の3段階に分けて行われ、それぞれの段階で必要な治療とリハビリ方法が選択されます。 急性期の治療とリハビリ 発症から約2週間〜1カ月程度の急性期は、命を守り、状態を安定させることが最優先される時期です。 急性期の治療は主に次のように行われます。 治療方法 内容 降圧療法 出血の拡大を防ぐため血圧を適切にコントロール 脳浮腫治療 マンニトールやグリセオールなど薬剤を用いて脳浮腫(脳の腫れ)を軽減 ドレナージ手術 水頭症が見られる場合にチューブで脳脊髄液を体外に排出 人工呼吸器管理 呼吸機能低下時に実施 気管切開 長期的な呼吸管理が必要な場合に実施 脳幹出血は他の脳出血と異なり、手術の負担が大きいという理由から血腫除去手術はあまり適応されません。 治療の主な目的は出血の拡大防止と全身状態の安定化です。 急性期には、全身状態に注意した上で以下のリハビリが実施されます。 ベッドでの関節可動域訓練 早期離床訓練(座位訓練) 嚥下機能評価と訓練 呼吸リハビリ 基本動作訓練 急性期のリハビリは、可能な限り早期から開始することが推奨されています。長期間のベッド上安静は筋力低下や関節拘縮、褥瘡などの二次的合併症のリスクを高めるためです。 ただし、脳幹出血の場合は他の脳血管疾患よりも安静度が高く設定されることが多いため、医師の判断のもとで状態に合わせた適切なリハビリを進めていきます。 回復期の治療とリハビリ 回復期(発症後約3~6カ月)は、失われた機能の回復に集中的に取り組む時期です。 急性期を過ぎても症状や後遺症に応じて以下のような治療が行われます。 治療方法 内容 薬物療法 痙縮に対する筋弛緩薬の投与 ボツリヌス療法 強い痙縮に対しボツリヌス毒素を注射し筋緊張を緩和 ITB療法 重度痙縮に対しバクロフェンを脊髄腔内に持続投与 電気刺激療法 筋肉に電気刺激を与え運動機能回復を促進 回復期ではとくに痙縮(けいしゅく)と呼ばれる手足の筋肉が緊張して突っ張る症状に対する治療が重要です。 回復期には、症状や後遺症に応じて以下のリハビリが実施されます。 歩行訓練 ADL(日常生活動作)訓練 上肢機能訓練 高次脳機能障害へのアプローチ 嚥下・構音訓練 筋力増強訓練 脳幹出血患者の場合、リハビリ専門病院への入院期間は150日間(高次脳機能障害を伴う場合は180日間)までと決まっています。 この時期は機能回復が期待できる時期であり、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など多職種によるリハビリが行われます。 維持期の治療とリハビリ 維持期(発症後6カ月以降)は、回復した機能の維持と、残された症状に適応した生活の再構築を目指す時期です。 維持期には、以下の治療が行われます。 治療方法 内容 継続的な薬物療法 痙縮、高血圧、脳卒中再発予防のための薬物治療 定期的な検査 合併症の早期発見のための検査(血液検査やCT・MRIなど) 再発予防治療 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患管理 二次的合併症対応 関節拘縮、排尿障害、うつなどへの治療 補助具・福祉機器の処方 日常生活の自立度を高めるための支援機器提供と調整 維持期の治療では再発予防がとくに重要です。脳幹出血は再発すると症状がさらに重篤化することが多いため、基礎疾患の管理と定期的な健康チェックが欠かせません。 また、維持期には、以下のリハビリが実施されます。 外来リハビリテーション 訪問リハビリテーション デイケア・デイサービスでのリハビリ 自主トレーニング 環境調整と生活支援 維持期のリハビリは在宅で行われることが一般的で、介護保険サービスを活用しながら継続的に実施します。 リハビリを継続することで生活の質を向上させることができます。 脳幹出血の後遺症に対する治療の選択肢「再生医療」について 脳幹出血の後遺症に対する治療選択肢の一つとして再生医療があります。 再生医療は、人間が持っている再生能力を活かした医療技術です。 当院「リペアセルクリニック」で行っている再生医療は、自己脂肪由来の幹細胞治療です。 幹細胞治療では、患者さまの脂肪から幹細胞を採取・培養し、点滴で体内に戻すことで損傷した脳細胞の再生を図ります。 患者さま自身の幹細胞を利用するため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 脳幹出血を含む脳卒中に対する再生医療について詳細を知りたい方は、以下をご覧ください。 脳幹出血の後遺症に関してよくある質問 脳幹出血の後遺症に関してよくある質問を紹介します。 脳幹出血の後遺症から回復する見込みはある? 脳幹出血で後遺症になったら余命はどのくらい? 脳幹出血の前兆・サインはある? それぞれ詳しくみていきましょう。 脳幹出血の後遺症から回復する見込みはある? 脳幹出血の後遺症からの回復見込みは、出血の重症度によって大きく異なります。 軽度から中程度の場合は回復が期待できることもありますが、重度の場合は回復が難しい可能性が高いです。 調査では、脳幹出血患者の約6.1%が良好な回復、25.4%が中〜重度の障害を残すという結果※が報告されています。 ※出典:PubMed 発症時の意識レベルや出血量が大きな予後因子となります。 脳幹出血で後遺症になったら余命はどのくらい? 脳幹出血に限らず脳出血で後遺症が残った場合の余命については、研究データによると、脳内出血全体の10年生存率は約24%※とされています。 ※出典:AHASIA Journals Stroke 具体的には、深部出血で31.6%、脳葉出血で23.8%、後頭蓋窩(脳幹や小脳を含む部位)出血では34.3%の10年生存率が報告されています。 脳幹出血の前兆・サインはある? 脳幹出血の発症前に現れることがある前兆やサインとしては、主に以下の症状が知られています。 突然の激しいめまい 大きないびき 視覚の異常(視野が狭くなる、物が二重に見えるなど) これらの症状を感じた場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。 【まとめ】脳幹出血の後遺症にお悩みの方は再生医療をご検討ください 脳幹出血は重篤な症状を引き起こす疾患で、運動麻痺や高次脳機能障害などの後遺症が出ることがあります。 後遺症の新たな治療方法として再生医療をご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では自己脂肪由来の幹細胞治療を提供しており、一般的な治療(約1億個)の2倍となる2億個の幹細胞を投与可能です。 脳幹出血の後遺症でお悩みの方は、当院にご相談ください。
2025.03.07 -
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脳梗塞は一度発症すると再発の可能性も高い危険な病気です。 どのような原因で発症してしまうのか、予防する方法があるのか不安な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の原因や予防方法について紹介します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞の治療法 脳梗塞の初期症状や治療法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳の神経細胞が損傷してしまう病気です。 脳の細胞は血流が途絶えると数時間で死んでしまうため、治療が遅れると重篤な後遺症や命を落としてしまうケースもあります。 重症化する前に発見されることが多いため、死亡率は10%と低めですが脳梗塞は死につながることも。 また、脳梗塞が原因で心臓や肺に負担がかかることで「心不全」や「肺炎」など、二次的な合併症リスクもあるため注意が必要です。 脳梗塞の主な原因 脳梗塞の主な原因は、以下の3つです。 高血圧 動脈硬化 心房細動 高血圧が続くと動脈が硬くもろくなり、動脈硬化が進行します。動脈硬化の進行によって血管内に血栓ができ、血管の中が狭くなって脳梗塞を引き起こす可能性があります。 また、不整脈の一種である心房細動によって、血流の動きが妨げられ血栓ができやすくなります。その血栓が脳に運ばれてしまうと脳梗塞を発症します。 心房細動による脳梗塞は脳の広い範囲に影響が出やすく、半身麻痺や寝たきり状態になる可能性が高いです。 脳梗塞の前兆・初期症状について https://youtu.be/uYzcc3F8SjY?si=HmT_3yoHakLNyC6v 脳梗塞は、主に以下のような前兆や初期症状がみられます。 脳梗塞の初期症状 顔面の麻痺 右半身/左半身の麻痺 ろれつが回らない めまい・吐き気 視野の欠損 上記のような症状が出た場合、必ず病院を受診して治療を受けてください。 脳梗塞の初期症状は突然現れることが多いため、小さな違和感を見逃さないように普段から体調を気遣いましょう。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞を予防するためのポイントを5つ紹介します。 適度な運動の習慣をつける 食生活を改善する 水分をこまめに摂る ストレスを溜めないようにする 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞の原因を作らないためにも、それぞれの予防ポイントを把握して実践してみましょう。 適度な運動の習慣をつける 運動をすると血管機能が上昇し、高血圧や脂質異常の改善が期待できます。 脳梗塞の予防には、筋トレやウォーキングなどの有酸素運動が有効です。 1日5,000歩の歩行かつ、ジョギングや自転車に乗るなどの中強度身体活動を7.5分行うことが推奨されています。 ※出典:脳卒中患者における身体活動研究の動向 運動をする時間や頻度は、自分の体調や運動能力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。 食生活を改善する 脳梗塞を予防するために、以下のポイントを意識して食生活を改善しましょう。 減塩する 高血圧や動脈硬化のリスクを抑える タンパク質を摂る 血圧を下げる、血行促進、血管を柔らかくする働きがある 抗酸化作用のある食材を摂取する 血管細胞の機能を維持、動脈硬化を抑制する 食塩の1日の適正摂取量は男性:7.5g未満、女性:6.5g未満です。高血圧を予防・治療する場合の摂取量は1日6.0g※未満となっています。 ※出典:厚生労働省「日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題」 他にも、タンパク質や抗酸化作用のある緑黄色野菜などの摂取が脳梗塞予防に効果的です。 水分をこまめに摂る 脳梗塞を予防するために、こまめに水分を摂りましょう。 体内の水分が少なくなると、血液がドロドロになって血栓ができやすくなります。 喉が渇いたとき、食事中、入浴後などに水分を摂取しましょう。空気が乾燥する秋・冬もこまめな水分補給を意識しましょう。 ただし、水の飲みすぎには注意が必要です。水を飲み過ぎると腎臓に負担をかけてしまうため、適度な水分補給を心がけてください。 ストレスを溜めないようにする 脳梗塞を予防するために、ストレスを溜めないようにすることも重要です。 ストレスが脳梗塞を引き起こす理由 血圧や血糖値が上昇し、動脈硬化や糖尿病の原因になる 血管が収縮して血栓ができやすくなる 前頭前野の働きが弱まり、暴飲暴食や過度の飲酒などの不摂生な生活につながる ストレスを溜めないように生活リズムを整えましょう。睡眠や適度な運動はストレス発散に有効です。 また、日光を浴びることもストレス発散につながるので、屋外での有酸素運動をしてみましょう。 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞を予防するために、脳梗塞につながる病気の早期発見・治療を意識しましょう。 脳梗塞につながる病気 高血圧 動脈硬化 心房細動 上記のような脳梗塞を引き起こす可能性がある症状を早期に見つけ、治療を開始することが重要です。 脳梗塞の症状が出ない場合もあるため、予防のためにも定期的に検査を受けましょう。 また、生活習慣病や心疾患のリスクが高い方は早期改善、治療を意識してください。 脳梗塞の予防検査では、頭部MRIや頸動脈エコー検査が行われます。 脳梗塞の治療方法は? 脳梗塞の治療方法は主に以下の4つがあります。 t-PA(血栓溶解療法) 血管内治療 内服療法 外科手術 詳しい治療内容について解説します。 t-PA(血栓溶解療法) t-PA(血栓溶解療法)は、発症から4~5時間以内の急性期に用いられる治療法で、脳に詰まった血栓を溶かす働きがあります。 t-PA(血栓溶解療法)は内服薬ではなく静脈注射ですので、家での治療はできません。 また、t-PAの効果が期待できるのは3割ほどといわれています。 さらに、t-PA(決戦溶解療法)は、血栓を溶かす作用が協力なため、脳内出血が生じる可能性もあり、医師との相談が必須です。 血管内治療 血管内治療は、カテーテルを血管に挿入し血栓を除去・吸引する治療方法です。 足や手の血管を通じてカテーテルを挿入するため、頭を切開する必要がなく傷が目立たないことが利点です。 身体への負担も少ないため、早期の社会復帰も期待できます。 しかし、時間的な制限があり、一般的に脳梗塞を発症してから8時間以内に治療をする必要があります。 内服療法 内服療法では、以下のような薬を内服して治療・再発防止を行います。 抗血小板薬 血小板が血管の壁に付着し狭くなる/壁に付着した血小板がはがれて血管を詰めることを防ぐ 抗凝固薬 血液が固まらないようにする どちらも注射・経口薬があります。 抗凝固剤は量が多すぎると出血しやすくなる危険があるため、適正量を厳しくチェックする必要があります。 医師と相談し、服薬量などを守ることが重要です。 外科手術 外科手術では、以下のような治療を行います。 再開通療法(カテーテル治療) 脳梗塞発症から8時間以内 血栓を回収する機材を血管に入れて血栓を除去 血管吻合術(バイパス術) 頭皮をは知る血管をはがし、詰まった血管の先につなぐ 血流が新に確保できるため、再発予防につながる 頸部内頸動脈内膜剥離術 頸部に狭窄がある場合に行う手術 動脈硬化で厚くなった壁をくりぬく 外科手術は、t-PA(血栓溶解療法)ができない、内服療法では再発予防が難しい患者さんに対して行われます。 脳梗塞の治療に「再生医療」という新たな選択肢 脳梗塞の治療方法として、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 再生医療とは、患者さん自身の細胞を利用して損傷した部位を保護・修復することが期待できます。 自身の細胞を利用するため拒否反応が起こる確率が低く、従来の手術よりも身体への負担が少ない治療法です。 破れたり詰まりやすくなっている血管も修復する働きがあるため、再発予防としても効果的です。 再生医療による脳梗塞の後遺症治療の実例を紹介 https://youtu.be/VoFvJa_yBGI 当院で幹細胞治療を受けた患者さんには、以下のような効果が見られました。 筋肉の緊張がほぐれた 筋肉がついてきた 滑舌がよくなった 腕の痛みが緩和された 幹細胞治療は回数を重ねるごとに脳梗塞の症状が緩和されていきます。 【まとめ】脳梗塞の原因について|予防のためにやるべきこと 脳梗塞の原因や予防するために注意することを紹介しました。 さまざまな原因が脳梗塞を引き起こす可能性があるので、規則正しい生活と適度な運動を心掛けましょう。 また、脳梗塞を予防するために食生活を見直すこともおすすめします。 再生医療は脳梗塞の根本的な改善につながる新たな治療法として期待されています。 脳梗塞の治療で再生医療を検討している方は、当院にご相談ください。
2025.01.09 -
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「ストレスから脳梗塞になる?」 上記のように「日頃のストレスが大きな病気につながらないか」不安な方も多いのではないでしょうか。脳梗塞の主な原因は、高血圧などの生活習慣病ですが、ストレスを溜めると間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 本記事では、脳梗塞の原因となり得るストレスが体に与える悪影響について、詳しく解説します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とストレスの関係性 ストレスが体に与える影響 脳梗塞の発症リスクを低減するために、脳梗塞になりやすい人の特徴や、ストレスの解消方法を確認しましょう。 ストレスは脳梗塞の原因となる可能性がある ストレスは、脳梗塞の原因となる可能性があります。脳梗塞を予防するために、以下2つのポイントを知ることが大切です。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞になりやすい人の特徴 日常的に強いストレスを感じている人は、脳梗塞をはじめとした脳卒中になりやすいため注意が必要です。 脳梗塞になりやすい人には特徴があるため、当てはまっていないか確認しましょう。 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞とストレスには、大きな関係があります。ストレスは脳梗塞の直接的な原因ではありませんが、脳梗塞のリスクを高める高血圧や動脈硬化の原因となる可能性があるためです。 強いストレスを感じているときは、交感神経が優位になります。交感神経は、体内で生成・分泌されるホルモンを調節する自律神経の1種です。 交感神経が優位になると、脈拍数の増加や血圧の上昇が起きて高血圧につながり、血管に大きな負担がかかります。高血圧によって血管がダメージを受けると、動脈硬化のリスクが高まり、脳梗塞を発症しやすくなります。 脳梗塞になりやすい人の特徴は? 脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。 脳梗塞になりやすい人の特徴 高血圧 糖尿病 脂質異常症 心房細動 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 脳梗塞は、生活習慣病やストレスなどが関係する環境因子と、遺伝的因子が合わさって発症リスクが高まります。 家族に高血圧や脳卒中の人がいる場合は、遺伝的に脳梗塞になりやすいため注意が必要です。 環境因子は、生活習慣の改善で排除できる場合もあるため、日常生活を見直しましょう。 以下の記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴について詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。 ストレスが体に与える悪影響とは? ストレスが体に与える悪影響は、以下のとおりです。 ストレスが体に与える悪影響 高血圧 睡眠障害 喫煙 ストレスが体に与える悪影響は多いため、自分に合ったストレス発散法を見つけ、早急に対処しましょう。 高血圧 ストレスが体に与える悪影響の1つに、高血圧があります。高血圧とは、一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くことをいいます。 強いストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が優位になり、血圧が上がります。高血圧の状態が続くと血管に大きな負担がかかり、動脈硬化になりやすいため注意が必要です。 高血圧を原因とした動脈硬化は、脳梗塞の主なリスク因子です。脳梗塞をはじめとした脳卒中は、高血圧と深く関係します。 家族に高血圧の人がいたり、普段から血圧が高かったりする人は、病院を受診し早期から血圧管理を行うことが重要です。 以下の動画では、高血圧と血糖値について、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 高血圧を予防するために、塩分を控えた食事を心がけたり、運動を習慣化したりしましょう。 睡眠障害 ストレスが体に与える悪影響には、以下の睡眠障害があります。 不眠症 眠りにつくまでに時間がかかること(入眠困難) 眠りについても途中で起きてしまう状態(中途覚醒) 早朝に起きてしまい、もう一度眠れない状態(早朝覚醒) 熟睡できず疲労感が残っている状態(熟眠障害) 過眠症 夜間に睡眠がとれているにもかかわらず、日中起きていられないこと 睡眠時無呼吸症候群 睡眠中にひどいいびきや無呼吸が生じる疾患 概日リズム睡眠・覚醒障害群 体内時計にずれが生じ、起床時間や就寝時間が不規則になる状態 睡眠障害が起こると、日中の活動力低下や集中力低下、倦怠感などが生じやすいため注意が必要です。 睡眠障害が原因で生活習慣が乱れると、生活習慣病になる可能性が高まり、脳梗塞を発症する恐れがあります。 喫煙 ストレスが体に与える悪影響に、喫煙があります。ストレスを感じ喫煙する人がいますが、イライラをたばこで一時的に緩和しているだけなので注意が必要です。 喫煙習慣はたばこに含まれるニコチンの依存度へ強い影響を与え、喫煙者はストレス解消方法として喫煙行動をとっている可能性が高いことが示唆されています。 出典:喫煙の習慣がストレス状況下での喫煙欲求におよぼす影響|Journal of Health Psychology Research 2017, Vol. 30, No. 1, 9–17 喫煙は動脈硬化や高血圧などを発症するリスク因子であり、脳梗塞の危険性が高まるため、禁煙が大切です。 ストレスを感じる原因や解消方法 ストレスを感じる原因や解消方法は、人によって異なるため以下の項目を確認し、ストレス発散法を知ることが重要です。 ストレスの原因と解消方法 ストレスの原因 おすすめのストレス解消方法 同じ状況下でも人によってストレスを感じる程度が異なる場合があります。 ストレスを感じやすい原因を知り、自身で対処できるようにストレス解消方法も合わせて確認しましょう。 ストレスの原因 ストレスを感じる原因は、主に以下の4つがあります。 ストレスを感じる原因 仕事(人間関係・収入など) 住環境の変化 親の介護問題 自身の健康問題 厚生労働省の調査※によると、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は82.7%です。 ※出典:令和5年労働安全衛生調査(実態調査)|厚生労働省 予想していなかった出来事が急に起こったり、外部から強い刺激を受けたりすると、強いストレスを感じやすいため注意が必要です。 とくに真面目な性格の人や自己肯定感の低い人はストレスを感じやすく、身体の不調も出やすい特徴があります。 おすすめのストレス解消方法 おすすめのストレス解消方法は、以下のとおりです。 おすすめのストレス解消方法 運動する 自分の気持ちを書き出す 家族や友人に相談する 趣味を楽しむ(読書や映画鑑賞など) ゆっくり入浴する 部屋の模様替えをする 運動や部屋の模様替えなどは、リフレッシュできストレス発散につながります。ゆっくり入浴することで、ストレスで活性化した交感神経の働きを抑えられる効果が期待できます。 ストレスと上手に付き合えるように、自身に合った方法でリフレッシュをし、脳梗塞のリスクを低減しましょう。 脳梗塞の初期症状が出たら早期受診・治療を受けることが重要 脳梗塞の初期症状が出たら、早期受診し、治療を受けることが重要です。脳梗塞の主な初期症状は、以下のとおりです。 脳梗塞の初期症状 顔のしびれやゆがみ 呂律が回らない 感覚が鈍くなる 手足の力が入りにくくなる めまいや吐き気 目のかすみやぼやけ 脳梗塞の前兆や初期症状かもしれないと感じたら、すぐに病院を受診しましょう。 以下の動画では、脳梗塞の前兆について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞を早期から治療できれば、症状の悪化を防げる可能性があります。 脳梗塞を放置すると重い後遺症が出る場合もあるため、早急な対処が重要です。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問を紹介します。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 ストレスで脳梗塞になりますか? 脳梗塞の1番の原因は何ですか? ストレスは脳梗塞の原因になる可能性があるため、ストレスを溜めないように過ごすことが大切です。 各質問の回答を参考にし、脳梗塞を予防しましょう。 ストレスで脳梗塞になりますか? ストレスによって、脳梗塞になる可能性はあります。 ストレスが脳梗塞の原因とされる理由は、脳梗塞につながる「高血圧」や「動脈硬化」の原因になるためです。 ストレスを感じると自律神経の1種である交感神経が優位になり、体が興奮状態になります。 交感神経が優位になると、血圧の上昇や脈拍数の増加などが起こり、血管の負担が大きくなります。 もろくなった血管を修復するために作られた血栓が脳内へ移動したり、脳血管内で血栓ができたりすると、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。 脳梗塞の1番の原因は何ですか? 脳梗塞の1番の原因は、高血圧です。高血圧の状態が長く続くと、脳梗塞のリスク因子である動脈硬化のリスクが上がります。 高血圧や動脈硬化により、血管壁がもろくなったり、厚くなったりすると血栓ができやすくなるため注意が必要です。 脳梗塞を予防するためには、自身の血圧変動を知り、日頃から血圧管理を十分に行うことが重要です。 ストレスも高血圧の原因になるため、運動や趣味などでストレスを解消するよう心がけましょう。 【まとめ】ストレスは脳梗塞の原因になる!初期症状を見逃さないことが重要 ストレスは脳梗塞の原因になるため、日頃からストレスを溜めないように注意しましょう。 脳梗塞になってしまった場合は、初期症状を見逃さないことが重要です。 初期症状を見逃してしまうと、脳梗塞の症状が悪化し、重い後遺症が出る可能性があります。脳梗塞の初期症状には、顔のゆがみやめまい、吐き気などがあります。 症状が一時的に出現する場合は、脳卒中の前兆の可能性もあるため、症状を放置せずにすぐに病院を受診するのが大切です。 脳梗塞の治療には、再生医療の検討もおすすめです。再生医療を検討する際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.09 -
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脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。生活習慣病を持つ人やストレスを溜めてしまう性格の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。 本記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴や予防方法について解説します。発症リスクを確認し、脳梗塞を予防しましょう。 この記事を読むとわかること 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞の予防方法 脳梗塞になりやすい人の特徴に当てはまる場合でも、生活習慣を改善すると発症リスクを低減できる可能性があります。 発症リスクを理解して脳梗塞を予防するためにも、ぜひ最後までご覧ください。 脳梗塞とは 脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。脳血管が詰まると、全身に指令を送る神経細胞まで十分な血液が供給されないため、さまざまな症状が現れます。 脳梗塞の主な症状は、以下のとおりです。 麻痺 言語障害 感覚障害 歩行障害 排尿・排便障害 脳梗塞を発症しないよう、脳梗塞になりやすい人の特徴を確認しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞になりやすい人には、以下の8つの特徴があります。 高血圧 脂質異常症 心房細動 糖尿病 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 乱れた食生活や運動不足によって発症した生活習慣病は、脳梗塞の原因にもなりうるため注意が必要です。以下の動画では脳梗塞の初期症状についてわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞になりやすい人の特徴について、それぞれ詳しく解説します。 高血圧 脳梗塞になりやすい人の特徴の1つに、高血圧があります。一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くと高血圧と診断されます。 高血圧にならないために、以下の特徴を持つ人は注意しましょう。 肥満である 過剰にアルコールを摂取している 喫煙している ストレスを溜めやすい 親族に高血圧の人がいる 高血圧の状態が続くと、血管壁がもろくなり血栓ができやすいため、日常的な血圧管理が大切です。 脂質異常症 脂質異常症の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。脂質異常症とは、血液中の脂質の量が過剰になる疾患で、診断基準※は以下のとおりです。 疾患名 診断基準 高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dl以上 境界域高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール120~139mg/dl 低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満 高トリグリセライド血症 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 150mg/dL以上(空腹時採血) 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 175mg/dL以上(随時採血) ※参照:脂質異常症|eヘルスネット(厚生労働省) 過食・肥満傾向があったり、運動習慣がなかったりする人は、脂質異常症になりやすいため注意が必要です。 血液中に過剰に存在するコレステロールや中性脂肪は、プラーク(粥種)となり血管壁に沈着します。プラークが血管壁に沈着すると、血管壁が肥厚して固くなり、動脈硬化のリスクが高まります。 心房細動 脳梗塞になりやすい人に、心房細動の方が挙げられます。心房細動は、加齢や高血圧などが原因で起こる不整脈です。 心房細動になると血液循環機能が上手に働かず、心房内に古い血液が溜まります。古い血液は新しい血液より粘度があるため、血栓ができやすくなります。 糖尿病 糖尿病の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。糖尿病は、血糖値を下げるホルモンのインスリンが上手に機能しない病気で、診断基準※は以下のとおりです。 血糖値 空腹時血糖≧126mg/dl 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値≧200mg/dl 任意の時間の血糖値≧200mg/dl HbA1c HbA1c(JDS値)≧6.1% HbA1c(NGSP)≧6.5% ※参照:糖尿病の新しい診断基準|国立国際医療研究センター糖尿病情報センター インスリンの機能低下により高血糖状態になった場合は、動脈硬化が進行します。血管の状態が悪化し血液循環が滞ると血栓が作られ、脳梗塞になるリスクが高まります。 動脈硬化 動脈硬化がある人は、脳梗塞の発症リスクがあるため注意が必要です。動脈硬化は加齢や高血圧、糖尿病などが要因となり、血管壁がもろくなる疾患です。 もろくなった血管壁を修復するために、血小板が凝集し、血栓ができやすくなります。動脈硬化が進行し身体のどこかで作られた血栓が脳血管まで到達したり、脳内で血栓ができた場合は、脳梗塞を発症する可能性があります。 運動不足 脳梗塞になりやすい人の特徴に、運動不足があります。運動不足の人が脳梗塞になりやすい理由は、生活習慣病の発症リスクが高いためです。 脳梗塞は血管障害で、生活習慣病と密接にかかわっています。血液循環が正しく行われるよう、運動を習慣化し血液を綺麗な状態に保つことが大切です。 ストレスを溜めやすい ストレスを溜めやすい性格の人は、脳梗塞になりやすいため注意が必要です。ストレスを溜めてしまうと血圧が上がり、脳梗塞の発症リスクを高めます。 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化のリスクも高めるため、脳梗塞になりやすくなります。生活習慣病にならないよう、自身に合った方法でストレスを発散しましょう。 遺伝 脳梗塞の発症リスクは、遺伝が関係している場合があります。脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、ストレスや飲酒などの環境的素因と遺伝的素因が組み合わさって、発症リスクが高まるといわれています。 家族に脳梗塞の人がいる場合や、もともと血圧が高い人は、脳梗塞の発症リスクが高いため注意しましょう。 脳梗塞になりやすい食べ物はある? 脳梗塞になりやすい食べ物の例は、以下のとおりです。 理由 食品例 乳製品 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい バター、マーガリン、チーズ 加工肉 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい ハム、ベーコン、ソーセージ お菓子・スイーツ トランス脂肪酸が多く含まれるため スナック菓子、ケーキ、クッキー 漬物・干物 塩分が多く含まれており、生活習慣病のリスクが高まるため 梅干し、漬物、干物 アルコール類 過剰なアルコール摂取は、生活習慣病のリスクを高めるため ビール、ワイン、日本酒 動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食品や、加工食品の多量摂取は、動脈硬化のリスクを高めます。アルコールの過剰摂取も脳梗塞の発症リスクを高めるため、お酒の飲みすぎに注意しましょう。 脳梗塞を予防する食べ物を日常の食事に取り入れ、健康的な食事習慣をつくりましょう。 脳梗塞にならないためにすべきこと 脳梗塞にならないためには、以下の3つの行動を心がけることが大切です。 生活習慣の改善 食生活の改善 運動不足の解消 乱れた食生活や運動不足が続くと、生活習慣病の発症リスクが高まり脳梗塞になりやすくなります。生活習慣を見直し、脳梗塞のリスク因子を減らしましょう。 生活習慣の改善 脳梗塞にならないために、生活習慣の改善が大切です。生活習慣を改善すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを低減できます。 生活習慣を見直す際は、以下のポイントを確認しましょう。 栄養バランスが良い食事にする 過剰なアルコール摂取を控える 禁煙する・喫煙本数を減らす 適度に運動する ストレスを溜めない ストレスや疲労を溜めずに、規則正しい生活を送れば、脳梗塞のリスク因子の生活習慣病を防げます。改善できる生活習慣から見直していくことが大切です。 食生活の改善 脳梗塞を予防するために、食生活を改善しましょう。食生活を改善すると、高血圧や動脈硬化の予防に繋がり、脳梗塞になりにくくなります。 脳梗塞の予防に効果的な食品は、以下のとおりです。 脳梗塞の予防に効果的な食品 理由 トマト・トマトジュース トマトに含まれるリコピンは、悪玉コレステロールの値を下げる働きがある 魚類 魚類に含まれるEPAは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがある オリーブオイル オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある 緑黄色野菜・果物類 ミネラルやビタミンは、体の酸化を予防できる 食物繊維はコレステロールの排出を促す働きを持つ ナッツ類 ナッツに豊富に含まれるビタミンEは、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らす働きを持つ 悪玉コレステロールや中性脂肪の値が下がると血圧も下がるため、脳梗塞の予防に効果的です。以下の動画では、脳梗塞の予防に効果的な食品について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 過剰摂取を避け、栄養バランスを考えて日々の食事に上記の食品を取り入れましょう。 運動不足の解消 脳梗塞を発症しないためには、運動不足を解消することが重要です。運動不足を解消すると血行が促進され、生活習慣病のリスクを低減できたり、ストレスを発散できたりします。 脳梗塞の予防には、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うのが効果的です。以下の具体例を参考に、日々の生活に運動を取り入れましょう。 有酸素運動 ウォーキング ランニング サイクリング 水中運動 筋力トレーニング スクワット 腹筋・腕立て伏せ プランク 厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」※で、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングは週2~3日行うことを推奨しています。 参照:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省 運動する時間がない人は、家事や仕事などで積極的に身体を動かしましょう。 脳梗塞の再発リスクと予防方法について 脳梗塞の再発を予防するために、以下の2つのポイントを確認しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞は再発率が高い疾患ですが、日常生活の改善や適切な治療を行うと、再発リスクを下げられます。脳梗塞が再発しやすい理由を確認し、予防策を実践しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 脳梗塞を発症した人は、10年以内に約50%が再発している現状※があります。 参照:日本人コミュニティにおける初めての脳卒中から10年間の再発|久山研究 脳梗塞の再発率が高い理由は、症状が出現していない場合でも以下の危険因子が潜んでいるためです。 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病など) 遺伝 脳梗塞の症状が落ち着くと、今まで気をつけていた生活習慣やリハビリなどへの意識が低くなり、再発リスクが上がるため注意しましょう。 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞の再発予防のために、以下3つの方法を実施することが大切です。 生活習慣の改善 薬物療法 リハビリ 退院後は自分で生活環境を整え、食事管理や運動などを行う必要があるため、入院中できていたことができなくなってしまう場合があります。入院中から退院を見据え、生活習慣を改善していきましょう。 脳梗塞の再発を抑えるために「再生医療」が注目されている 脳梗塞の再発を抑えるために、再生医療が注目されています。再生医療とは、損傷した部位を修復するために、肝細胞の点滴を投与する治療法です。 脳梗塞の再生医療で期待できる効果は、以下の3つです。 後遺症の緩和 リハビリ効果の増大 脳梗塞の再発予防 リハビリと合わせて再生医療を行うと、脳梗塞の後遺症である麻痺や言語障害などの症状を緩和できる可能性があります。専門家の意見を聞き、再生医療の実施を検討するのがおすすめです。 再生医療は原因となった部位だけでなく、脳梗塞になりそうな血管の修復も可能です。脳梗塞になりやすい特徴を持つ人は、再発を防ぐために再生医療も検討しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴まとめ|予防のためにすべきこと 脳梗塞になりやすい人は、生活習慣病の人やストレスを溜めやすい性格の人です。脳血管疾患の発症リスクには、遺伝的素因も関係するため、家族に脳梗塞や脳出血などの人がいる場合は注意が必要です。 脳梗塞の再発予防のためにできることに、生活習慣の改善や薬物治療、再生医療があります。自身に合った方法で脳梗塞になるリスクを下げ、再発を防ぎましょう。
2025.01.09