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橋梗塞を発症し、「手足がしびれて動かしにくい」「呂律(ろれつ)が回らずうまく話せない」 などの症状に見舞われると、今後の生活への不安は計り知れないものでしょう。 橋(きょう)は、脳から全身に指令を送る神経が集まる重要な「中継地点」であるため、橋が詰まると運動機能や感覚に深刻な影響が出るのが特徴です。 しかし、発症直後からできるだけ早期に適切なリハビリテーションを開始し、根気強く続けることで、多くの機能は回復の可能性を秘めています。 本記事では、橋梗塞の症状・後遺症だけでなく、具体的なリハビリプログラムについて詳しく解説します。 また、橋梗塞をはじめとする「脳梗塞」の症状や後遺症には、リハビリと併せて「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=bPnN-YWI_mZf6ZMU 当院リペアセルクリニックでは、橋梗塞の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 橋梗塞で現れる主な症状・後遺症 橋(きょう)は、大脳からの指令を全身に伝え、逆に全身からの情報を脳へ送るための「神経の交差点」です。 そのため、運動・感覚・意識といった生命維持に関わる重要な機能にさまざまな影響が現れます。 症状・後遺症 特徴 運動失調 力はあるのにバランスが取れず、スムーズに動けない 運動麻痺 手足が動かない、重度では「閉じ込め症候群」となる 意識障害 呼びかけへの反応が鈍くなる、昏睡状態になる 呼吸障害 呼吸のリズムが乱れる、自発呼吸が難しくなる 感覚障害 顔や手足にしびれが出たり、温度や痛みを感じにくくなる 嚥下障害 食べ物をうまく飲み込めず、むせやすくなる それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。 運動失調 運動失調は、手足の筋力自体は保たれているにも関わらず、筋肉を動かすタイミングや力の調節がうまくいかなくなる状態です。 「ボタンがうまく留められない」「歩くときに酔っ払ったようにふらつく」といった症状が現れ、日常生活動作がぎこちなくなります。 小脳との連携が遮断されることで起こり、転倒のリスクが高まるため注意が必要です。 運動麻痺(閉じ込め症候群) 運動麻痺は、脳からの指令が手足に伝わらなくなり、片側または両側の手足が動かせなくなる状態です。 特に橋梗塞で恐れられるのが、意識は清明であるにもかかわらず、眼球運動以外のほぼ全ての運動機能が失われる「閉じ込め症候群(ロックドイン症候群)」です。 言葉を発することも身動きも取れませんが、感覚や聴覚は保たれているため、患者さまは大きな精神的苦痛を感じることになります。 意識障害 橋には、人間が目を覚まして活動するための覚醒レベルを維持する「脳幹網様体(のうかんもうようたい)」という神経回路が通っています。 ここがダメージを受けると、呼びかけても目が開かなかったり、一日中ぼんやりとしていたりする意識障害が生じます。 重症の場合は昏睡状態に陥ることもあり、リハビリを開始する前提となる「目覚め」が得られるかどうかが、その後の回復を左右する大きな要因となります。 呼吸障害 橋には、呼吸のリズムや深さを調節する「呼吸中枢」が存在するため、障害されると自発的な呼吸が困難になることがあります。 呼吸が浅くなったり、不規則になったりするチェーンストークス呼吸が見られる場合や、重度で呼吸が停止し、人工呼吸器による管理が必要になるケースもあります。 生命維持に直結する症状であり、急性期には厳重な管理が求められます。 感覚障害 感覚障害は、「温かい・冷たい・痛い」といった感覚や、「触れられている」という触覚が鈍くなったり、逆に過敏になって異常な痛み(しびれ)として感じたりします。 橋梗塞の特徴的な症状として、顔面と体幹で反対側に障害が出る「交代性感覚障害」が現れることがあります。 例えば「右側の顔」と「左側の手足」がしびれるといった現象で、これにより熱いものに触れても気づかず火傷をするなどの危険性が高まります。 嚥下障害 嚥下障害は、舌や喉の筋肉を動かす神経が麻痺し、食べ物や飲み物をスムーズに胃へ送り込めなくなる状態です。 食事中にむせたり、食後に声がガラガラしたりするだけでなく、気管に食べ物が入ることで「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こす大きなリスク要因となります。 栄養摂取が難しくなるため、回復期には飲み込みの訓練が優先課題となることも少なくありません。 橋梗塞の症状に対するリハビリプログラム 橋梗塞のリハビリテーションは、失われた機能を回復させ、残された能力を引き出すために主に3つのリハビリを行います。 理学療法(PT):起きる・歩くなどの「基本動作」 作業療法(OT):着替え・食事などの「生活動作」 言語聴覚療法(ST):話す・飲み込むなどの「コミュニケーション・嚥下」 以下でそれぞれどのようなリハビリを行うのか確認していきましょう。 理学療法 理学療法は、主に「身体を大きく動かす機能」の回復を担当し、寝返りから歩行まで、移動に関わる基本的な動作の獲得を目指したリハビリを行います。 橋梗塞では運動失調(バランス障害)が起きやすいため、単に筋力をつけるだけでなく、重心を安定させる訓練が重要視されます。 まずはベッド上での関節運動や寝返りの練習から始め、状態が安定すれば平行棒を使った立ち上がり訓練、そして杖や装具を用いた歩行訓練へと段階的に進めていきます。 ふらつきによる転倒を防ぎ、安全に移動できる手段を確保することが大きな目的です。 作業療法 作業療法は、手先の細かい動きや日常生活を送るうえで必要な「応用的な動作」の練習などのリハビリを行います。 食事をする、服を着替える、トイレに行く、入浴するといった退院後の生活に直結する動作を実際の道具や場面を想定し、繰り返し練習します。 また、橋梗塞により手足の感覚が鈍っている場合は、さまざまな素材に触れて感覚を取り戻す訓練や、麻痺していない側の手(健側)を上手に使って生活を補う「代償手段」の獲得も目的としています。 「自分でできること」を一つずつ増やし、生活への自信を取り戻すプロセスです。 言語聴覚療法 言語聴覚療法は、コミュニケーションに関わる「話す・聞く」機能と、生命維持に不可欠な「食べる(飲み込む)」機能の回復を目的とします。 橋梗塞の特徴である「構音障害(呂律が回らない)」に対しては、舌や唇の運動、発声練習を行い、相手に伝わりやすい話し方を習得します。 また、命に関わる「嚥下障害」に対しては、ゼリーなどの飲み込みやすい食品を使って喉の動きを確認したり、誤嚥しにくい姿勢や食事形態を調整したりする訓練を行います。 口から美味しく安全に食べることは、生きる喜びや体力の回復に直結する重要なリハビリといえるでしょう。 橋梗塞の症状に対するリハビリのポイント 橋梗塞による後遺症を少しでも軽減し、残された機能を伸ばすためには、リハビリテーションに取り組む「タイミング」と「期間」が重要です。 できるだけ早期から開始する 退院後もリハビリを継続する 脳の回復力を無駄にせず、また一度取り戻した機能を維持し続けるために、これら2つのポイントを意識して治療計画に向き合いましょう。 できるだけ早期から開始する リハビリテーションは「症状が落ち着いてから」ではなく、発症直後からできるだけ早く開始するのが現代医療の基本です。 バイタルサイン(血圧や脈拍など)が安定していれば、発症から数日以内には、ベッドの上で関節を動かしたり、座る練習を始めたりします。 これは、過度な安静によって筋力が衰えたり関節が固まったりする「廃用症候群」を防ぐためです。 また、発症から3〜6カ月間は脳の回復機能が最も活発な時期といわれており、この「ゴールデンタイム」に集中的なリハビリを行うことが、予後を大きく左右します。 退院後もリハビリを継続する 病院を退院することは治療のゴールではなく、生活の場で機能を維持・向上させるための新たなスタートです。 回復期リハビリテーション病棟などでの集中リハビリ期間が終わった後も、自宅で何もしなければ、せっかく回復した機能も徐々に低下してしまいます。 これを防ぐため、介護保険を利用した「通所リハビリ(デイケア)」や「訪問リハビリ」を活用し、専門家のサポートを受け続けることが大切です。 また、散歩や家事といった日常の動作そのものをリハビリと捉え、生活の中で意識的に体を動かし続ける習慣をつけることが、再発予防につながります。 橋梗塞の症状改善には適切なリハビリの継続が重要 橋梗塞は、運動や感覚を司る重要な神経が集まる場所で起こるため、症状は多岐にわたりますが、適切なリハビリを根気強く続けることで機能回復の道は開かれます。 本記事で紹介した橋梗塞におけるリハビリのポイントを押さえておきましょう。 理学療法・作業療法・言語聴覚療法を組み合わせ、症状に合ったプログラムを実践する 発症早期から開始し、退院後も生活の中でリハビリを習慣化する 焦らず長期的な視点を持ち、少しずつの変化を前向きに捉える 「もう元には戻らない」と悲観するのではなく、残された機能や回復の可能性を信じて、一日一日の積み重ねを大切にしてください。 また、橋梗塞をはじめとする「脳梗塞」の症状や後遺症の治療には、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。 >>再生医療によって多発性脳梗塞が改善した症例(50代女性) 当院リペアセルクリニックでは、橋梗塞の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- 脳出血
脳出血と診断を受け、これからの生活や自宅でのケアに大きな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 急性期の予断を許さない状況から、リハビリを経て在宅生活へと移行する過程で、求められる看護や介護のポイントは刻々と変化します。 本記事では、脳出血における入院中の看護ケアの視点から、退院後にご家族ができる在宅サポートの具体的な内容について解説します。 「何を見ておけばよいのか」「どう支えればよいのか」を知ることが、患者さまだけでなく、支えるご家族自身の心の負担を軽くする第一歩となるでしょう。 また、懸命なリハビリを続けても改善しない場合は、損傷した脳細胞の改善が期待されている「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 >>再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例(80代女性) 当院リペアセルクリニックでは、脳出血の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 脳出血の看護における観察項目 本章では、脳出血の入院中の看護における観察項目について解説します。 看護師が頻繁に訪室し、患者さまの様子を細かくチェックするのは、命に関わる「再出血」や「脳のむくみ」の兆候をいち早く見つけるためです。 ご家族から見ると「寝ているのに何度も起こされて可哀想」と感じることもあるかもしれませんが、発症直後は以下の項目を常に確認し、容態の急変を防ぐことが何より重要となります。 意識の状態(呼びかけに対して目を開けるか、話せるか) 血圧や脈拍の数値(高すぎないか、乱れていないか) 手足の動きや麻痺の進行(握る力に変化はないか) 瞳孔の様子(左右の目の大きさに違いはないか) 看護師は機械の数値だけでなく、患者さま本人の「小さな変化」を観察しています。 もし面会中に「さっきより呼びかけへの反応が鈍い気がする」といった変化を感じた場合は、遠慮なく看護師にお伝えください。 ご家族の「いつもと違う」という直感が、早期発見のきっかけになることも少なくありません。 【在宅】脳出血の看護で家族ができること 退院後の在宅生活を支えるためには、ご家族による直接的なサポートと、公的な支援制度を組み合わせることが重要です。 本章では、脳出血の在宅看護でご家族ができることについて解説します。 日常生活のサポート 生活環境の整備 要介護認定の申請 地域の介護サービスの活用 施設介護サービスの検討 すべてをご家族だけで背負う必要はありません。 「できることは本人に任せる」という視点を持ちつつ、プロの手も積極的に借りることで、無理のない介護体制を整えていきましょう。 日常生活のサポート 脳出血の在宅看護でご家族ができることは、患者さまが退院した後の日常生活をサポートすることです。 しかし、食事や移動の介助では「手伝いすぎない」ことが大切で、本人ができる動作までご家族が手伝ってしまうと機能回復の機会を奪うことになりかねません。 「ボタンを留めるのだけ手伝う」「転倒の危険がある場所だけ支える」など、本人ができない部分や危険がある場所だけサポートする工夫が必要です。 また、食事中は誤嚥を防ぐため、上体をしっかり起こし、飲み込みを確認しながらゆっくり進めましょう。 生活環境の整備 転倒による怪我を防ぐため、麻痺の状態に合わせて生活環境を見直すことも大切です。 まずは本人がよく通る動線に手すりを設置し、わずかな段差もスロープにして転倒リスクを下げられるように工夫しましょう。 また、床に置かれたコード類もつまずきの原因になるため整理が必要です。 介護保険を利用すれば住宅改修費用の補助を受けられる場合があるため、ケアマネジャーに相談することをおすすめします。 要介護認定の申請 介護サービスの費用負担を減らすための「要介護認定」の申請を代行するのもご家族だからこそできることです。 申請から結果が出るまで約1カ月かかるため、退院前から医療ソーシャルワーカー等と連携して手続きを進めておくとスムーズです。 認定されれば1〜3割の自己負担でサービスを利用でき、ご家族の介護負担を大きく減らすことができます。 地域の介護サービスの活用 長期的な在宅生活には、訪問看護やデイサービスなどのプロの力を借りることが不可欠です。 これらは本人の機能維持だけでなく、ご家族が介護から離れて休息する(レスパイト)ためにも重要です。 「訪問系」「通所系」「宿泊系」など多様なサービスがあるため、ケアマネジャーと相談しながら、ご家族だけで抱え込まない体制を整えましょう。 施設介護サービスの検討 自宅での介護が限界だと感じたら、無理をせず施設入所を検討することも前向きな選択肢です。 リハビリ中心の「介護老人保健施設」や、長期ケアを行う「特別養護老人ホーム」など、状況に合わせた施設があります。 施設利用は決して「患者さまを見放す行為」ではありません。 お互いが共倒れせず、笑顔で過ごせる適切な距離感を保つために、専門施設のサポートを頼ることも大切です。 脳出血の看護における注意点・ポイント 脳出血の在宅看護において、身体的な安全確保はもちろんですが、患者さま自身の「意欲」や「尊厳」を守るような関わり方が大切です。 本章では、脳出血の看護における注意点やポイントについて解説します。 本人ができることを妨げない 精神的なケア・サポートを大切にする 飲み込みやすい食事を提供する 良かれと思った手助けが、かえって回復の妨げになってしまうこともあります。 以下でそれぞれの注意点やポイントを確認していきましょう。 本人ができることを妨げない 本人ができることでも時間がかかるなどの理由から動作を先回りして手伝ってしまうことは、リハビリの観点からは推奨されません。 着替えや食事など、時間がかかっても自分でできることは本人に任せることが、身体機能の維持と「自分でもできる」という自信の回復につながります。 ご家族にとっては「やってあげた方が早い」と感じる場面も多いですが、見守ることも重要な看護ケアの一つです。 日常生活のサポートは、本人がどうしてもできない部分だけに留め、達成できた時には共に喜びを分かち合う姿勢を持ちましょう。 精神的なケア・サポートを大切にする 脳出血の後遺症による身体の不自由さは、患者さまに想像以上の喪失感やストレスを与え、うつ状態や感情の不安定さを引き起こすことがあります。 急に泣き出したり、怒りっぽくなったりすることもありますが、これは脳のダメージや病気に対する受容の過程によるものです。 励ますよりも、気持ちに寄り添い、話をじっくり聞く姿勢を見せることが患者さまの心の安定につながります。 本人の不安や焦りを否定せず、今のありのままを受け入れる温かいサポートを心がけることが大切です。 飲み込みやすい食事を提供する 麻痺の影響が喉や舌に残っている場合、飲み込む力が弱まり、食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)性肺炎」のリスクが高まります。 パサパサしたものや水分はむせやすいため、片栗粉や市販のとろみ剤を活用して、まとまりやすく飲み込みやすい形態に調整しましょう。 また、食事中は顎を少し引いた姿勢を保つことで、気管への誤入を防ぎやすくなります。 患者さまが食べる楽しみを損なわないよう、見た目の彩りにも配慮しつつ、その日の体調に合わせて固さや大きさを工夫することが大切です。 脳出血の治療計画とは|主な治療法 脳出血発症直後の治療において優先されるのは、「出血をこれ以上広げないこと」と「脳の腫れ(浮腫)を抑えること」です。 本章では、脳出血の治療計画について「内科的治療」と「外科的治療」の治療法を解説します。 内科的治療 外科的治療 出血の量や場所、患者さまの意識レベルによって、薬で様子を見るか、手術で血腫を取り除くかが判断されます。 医師から提示される治療方針を正しく理解するために、それぞれの特徴を知っておきましょう。 内科的治療 出血量が少なく、意識もしっかりしている軽度〜中等度のケースでは、手術を行わず薬物療法(内科的治療)が選択されます。 基本的には入院して絶対安静を保ちながら、血圧を下げる薬(降圧剤)や、脳のむくみを取る点滴を使用して症状の安定を図ります。 「手術をしなくて大丈夫なのか」と心配になるかもしれませんが、小さな出血であれば自然に吸収されるのを待つ方が、体への負担が少なく予後が良い場合も多いです。 この期間は、再出血を防ぐために血圧のコントロールを徹底することが何よりの治療となります。 外科的治療 出血量が多く脳への圧迫が強い場合や、命の危険が迫っている場合には、血腫を取り除くための外科手術が行われます。 手術の方法は、頭の骨を大きく開いて直接血腫を取り除く「開頭血腫除去術」と、小さな穴から器具を入れて吸い出す「内視鏡手術」の主に2種類です。 目的はあくまで「脳への圧迫を解除して命を救うこと」であり、一度壊れてしまった神経細胞を手術で元に戻せるわけではありません。 患者さまの年齢や体力、出血部位などを総合的に考慮し、医師と家族が相談した上で慎重に決定されます。 脳出血の看護は家族の支えが重要!治療には再生医療をご検討ください 脳出血後の生活は長期的なリハビリが重要となりますが、日々の変化を見守ってくれるご家族の存在こそが患者さまにとって心の支えとなります。 以下のポイントを押さえて、患者さまが回復できるようサポートすることが大切です。 毎日の観察と心のケアが回復のカギとなる 介護サービスも活用し、ご家族も無理をしない体制を作る 機能回復の新たな希望として「再生医療」を視野に入れる 専門家や公的なサービスを頼りながら、焦らず一日一日を積み重ねていくことが大切です。 また、懸命なリハビリを続けても改善しない場合は、損傷した脳細胞の改善が期待されている「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 以下の動画では、再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/FnSQ6Bw2Pvc?si=KqCMWbPxWK3vskkC 当院リペアセルクリニックでは、脳出血の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- 脳出血
脳出血を発症すると、突然の入院が必要となり、「どのくらい入院するのだろう」「回復までにどれくらいかかるのか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 脳出血の入院期間は、一般的に数週間から3ヵ月が目安とされていますが、実際には年齢や重症度、出血量や部位によって大きく異なります。 症状が軽い場合は比較的早期に退院できることもあれば、リハビリを含めて長期入院が必要となるケースもあります。 本記事では、脳出血の入院期間の目安や、長引く要因、入院費用についてわかりやすく解説します。 また、近年の治療では従来の治療やリハビリに加え、脳出血の抜本的な改善を目指す「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す治療法です。 以下の動画では、再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/FnSQ6Bw2Pvc?si=IoThSsEgX2NsJp1w 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 脳出血の入院期間【年齢別・重症度別】 脳出血の年齢別、および重症度別の入院期間の目安について解説します。 年齢別の平均入院期間 重症度別の入院期間の目安 脳出血の入院期間は、年齢が高いほど長期化する傾向があり、若年者と高齢者では大きな差がみられます。 以下で詳しく確認していきましょう。 年齢別の平均入院期間 脳卒中(脳出血を含む)患者さまの年齢別平均入院(在院)日数は、以下のとおりです。 年齢層 平均入院期間(平均在院日数) 0〜14歳 約31.3日 15〜34歳 約61.7日 35〜64歳 約51.8日 65歳以上 約83.6日 70歳以上 約86.9日 75歳以上 約93.2日 ※出典:厚生労働省「退院患者の平均在院日数等」 高齢になるほど入院期間が長くなる傾向が見られ、75歳以上では90日程度に及ぶケースもあります。 重症度別の入院期間の目安 脳出血の症状の重さ(重症度)によっても、入院期間が異なります。 重症度別の入院期間の目安は、以下のとおりです。 軽度:1〜2週間程度 中等度〜重度:数ヵ月〜6ヵ月以上 脳出血が軽度で、早期にリハビリテーションを開始できた場合は、比較的短期間で退院できることがあります。 出血量が多かったり、脳幹などの生命維持に重要な部位で出血したりした場合は、数ヵ月〜6ヵ月以上の長期入院となる可能性もゼロではありません。 早期回復を目指すためにも、症状の重さに関わらず、できるだけ早くから適切なリハビリテーションを開始することが重要です。 脳出血の入院期間が長期化する要因 脳出血の入院期間は一律ではなく、いくつかの要素が複合的に影響します。 特に「年齢」「重症度」「出血量や出血部位」は、入院期間を大きく左右する要因です。 年齢 重症度 出血量・部位 それぞれが入院期間に与える影響を見ていきましょう。 年齢 年齢は、脳出血の入院期間や回復速度に大きく関係します。 一般的に、高齢になるほど回復に時間がかかり、入院期間が長期化しやすい傾向があります。 加齢によって回復速度に影響を与える要因は、以下のとおりです。 身体機能の回復力が低下する 合併症(肺炎・感染症など)のリスクが高まる リハビリに時間を要する 一方で、若年層の方は比較的回復が早く、短期間で退院できるケースも少なくありません。 重症度 脳出血の重症度も入院期間に大きく影響します。 症状が軽い場合は比較的早期に退院可能ですが、重症になるほど治療やリハビリに時間を要し、長期入院となる傾向があります。 特に、意識障害や麻痺などの後遺症が強い場合は、急性期治療後もリハビリ病院への転院を含め、入院が長引きます。 出血量・部位 脳出血では、出血量の多さや出血した部位によっても、入院期間が左右されます。 出血量が多く、脳へのダメージが大きい場合は回復に時間がかかり、脳幹などの生命維持に重要な部位で出血を起こすと重篤な後遺症が現れやすく、治療やリハビリに時間がかかります。 このようなケースでは、急性期治療後も継続的な治療やリハビリが必要となり、結果として入院期間が長期化することがあります。 近年では、従来の治療に加え、損傷した脳細胞を治療できる可能性がある「再生医療」も選択肢の一つです。 脳出血の入院費用はいくら? 脳出血の入院費用は、入院期間・治療内容・個室利用の有無などによって大きく異なります。 入院費用の目安 入院費用を抑える方法 以下では、脳出血による入院でどのくらい費用がかかるのか、費用を抑えるための制度について確認していきましょう。 入院費用の目安 令和2年度の医療給付実態調査では、脳卒中(脳出血を含む)の医療費は、一人当たり約86万円※です。 ※出典:医療給付実態調査 しかし、入院には医療費以外にも食事代などもかかるため、脳出血の入院費用は、数十万から100万円程度かかる場合があります。 そこから公的健康保険が適用された場合は、自己負担額は費用全体の1〜3割となり、10〜20万円前後が入院費用の目安となります。 医療費をはじめとする入院にかかる費用は、以下のとおりです。 検査費用(CT・MRIなど) 治療費(薬物治療、手術など) 入院基本料 リハビリテーション費用 食事療養費 差額ベッド代(個室を利用した場合) 軽度の場合は入院期間が短く、比較的負担が少ない一方で、手術が必要なケースや長期入院となる場合は費用が高額になります。 入院費用を抑える方法 脳出血による入院では、治療内容や入院期間によって医療費の負担が大きくなることがあります。 しかし、日本には医療費の自己負担を軽減するための制度が整えられており、これらを活用することで負担を抑えられる可能性があります。 高額療養費制度 加入している医療保険・生命保険 公的制度として代表的なのが高額療養費制度です。 これは、1ヵ月あたりの医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される仕組み※で、年齢や所得に応じて上限額が定められています。 ※出典:厚生労働省「高額療養費制度」 事前に「限度額適用認定証」を取得しておくことで、入院時の窓口負担を最初から上限額までに抑えることも可能です。 また、加入している医療保険や生命保険によっては、入院日数や治療内容に応じた給付金を受け取れる場合があります。 給付の有無や条件は契約内容によって異なるため、保険会社へ確認しておくと、実際の自己負担額を把握しやすくなります。 このように、公的制度や保険を上手に活用することで、脳出血による入院費用の負担を軽減できる可能性があります。 脳出血の入院期間についてよくある質問 最後に脳出血の入院期間についてよくある質問に回答していきます。 脳出血が軽症だったときの入院期間は? 脳出血の安静期間はどのくらい? 本記事で紹介したとおり、脳出血の入院期間には個人差があるため、「自分の場合はどれくらい入院が必要なのか」と多くの方が気になりやすいポイントでしょう。 以下でよくある質問について、具体的に見ていきましょう。 脳出血が軽症だったときの入院期間は? 脳出血が軽度だった場合、入院期間は数日〜2週間程度が目安になります。 出血量が少なく、麻痺などの神経症状が見られないケースでは、状態が安定すれば早期退院が可能な場合もあります。 ただし、軽度であっても年齢や出血部位、基礎疾患の有無によっては経過観察のために入院が長引く可能性もゼロではありません。 そのため、軽症=短期間で退院できるとは限らないため注意が必要です。 脳出血の安静期間はどのくらい? 脳出血の安静期間は、症状の重症度や回復状況によって異なります。 一般的には、発症直後の急性期において数日〜1週間程度の安静が必要とされますが、早期のリハビリ開始が推奨されています。 そのため、医師の判断のもとで、全身状態に注意しながら「ベッド上でのリハビリ」「座位・立位の練習」などを段階的に開始していきます。 安静期間中は、急に動き出したり、頭を下げるような姿勢を取ったりしないように注意しましょう。 脳出血の早期改善には再生医療をご検討ください 脳出血の入院期間は、年齢・重症度・出血量や出血部位などによって大きく異なります。 軽症の場合は比較的早期に退院できることもありますが、回復の経過によっては、長期入院や継続的なリハビリが必要となるケースもあります。 また、近年の脳出血に対する治療では、従来の治療やリハビリに加え、脳出血の抜本的な改善を目指す「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す治療法です。 「リハビリを続けているが、後遺症が改善しない」「後遺症が治るか不安を抱えている」といった方は、再生医療の選択肢について専門医に相談することも一つの方法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
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「高次脳機能障害は本当に回復するのだろうか」「どのような治療やリハビリで改善が見られるのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、高次脳機能障害の回復事例や治療法、リハビリの重要性について解説します。 高次脳機能障害の症状でお悩みの方やご家族の方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、「リハビリを続けているものの、回復に限界を感じている」「発症から時間が経ち、もう改善は難しいと諦めかけている」という方は、再生医療もご検討ください。 再生医療とは、手術を行わずにご自身の細胞(幹細胞)の力を使って、損傷した脳の神経細胞や血管の修復・再生を促すことを目的とした治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脳卒中などによる後遺症に悩まされている方 リハビリ効果が頭打ちの方 これ以上の回復が見込めないと診断された >>実際に当院の治療を受けた患者さまの症例はこちら 「今の状態から少しでも前に進みたい」「できることを早く試しておきたい」という方は、一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の症状は適切な治療・リハビリ次第で回復が期待できる 高次脳機能障害は、適切な治療とリハビリテーションによって症状の改善が見込まれる場合があります。 主な治療法・リハビリには以下のようなものがあります。 治療・リハビリの種類 内容 薬物療法 注意力や記憶力の改善、感情のコントロールを目的とした薬を使用 理学療法 運動機能の改善を目的とし、日常生活の動作をサポート 作業療法 料理や掃除など日常生活の動作訓練を行い、自立した生活を支援 言語療法 言葉の理解や発話の改善を図り、コミュニケーション能力を回復 認知リハビリテーション 記憶力・注意力・判断力などの認知機能の回復を目指す訓練 再生医療 幹細胞を用いて損傷した脳神経の再生・修復を目指す治療 回復の程度には個人差がありますが、早期に治療を開始するほど、より良い効果が期待できます。 症状に気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の原因となる脳卒中に対する再生医療を行っています。 無料カウンセリングも実施しておりますので、治療の選択肢としてぜひご検討ください。 公式LINEからお気軽にご相談いただけます。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害(脳卒中による後遺症)の回復事例を紹介【当院の症例】 高次脳機能障害は、適切な治療によって症状が改善するケースがあります。 ここでは、当院「リペアセルクリニック」で再生医療を受けた方の回復事例を紹介します。 高次脳機能障害から改善したケース 脳出血後、リハビリにより歩行が可能になったケース 発語や反応が徐々に向上したケース 以下の事例を参考に、ご自身やご家族に合った治療法を検討してみてください。 高次脳機能障害から改善したケース 70代男性の患者様は脳梗塞を発症し、高次脳機能障害という複雑な脳の機能障害が出現しました。 項目 内容 患者様 70代男性 原因疾患 脳梗塞(発症後1カ月で来院) 治療前の症状 ひらがな・カタカナが理解できない、以前覚えていた単語を忘れる、糖尿病(HbA1c 7.7) 実施した治療 幹細胞点滴(2億個の幹細胞を計3回投与) 【治療後の変化】 畑仕事が1日できるほど体力が回復 友人と普通に会話ができ、病気に気づかれないほどに回復 糖尿病の数値(HbA1c)が7.7から6.3に改善 など 詳しい症例は以下のページでも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 脳出血後、リハビリにより歩行が可能になったケース 50代男性の患者様は、虚血性腸炎で入院したた翌日に脳出血を発症し、左半身麻痺と高次脳機能障害の後遺症が残りました。 項目 内容 患者様 50代男性 原因疾患 脳出血(発症後2カ月間は寝たきり、その後車椅子まで回復) 治療前の症状 左半身麻痺、高次脳機能障害、てんかん発作(発症1年後から)、車椅子移動(杖でゆっくり歩行は可能) 実施した治療 幹細胞点滴(計3回投与) 【治療後の変化】 左大腿四頭筋(太ももの筋肉)の筋力が向上し、膝を伸ばす力が強くなった 左肘を伸ばしやすくなり、左下肢に力が入るようになった など 詳しい症例は以下のページでも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 発語や反応が徐々に向上したケース 80代女性の患者様は、アルツハイマー型認知症に加え、脳出血を発症されました。 項目 内容 患者様 80代女性 原因疾患 右皮質下出血・脳室内出血、アルツハイマー型認知症(2022年診断) 治療前の症状 反応低下、発語減少、表情の乏しさ、ご家族の顔が分からないことがある 実施した治療 幹細胞点滴(2億個の幹細胞を計2回投与) 【治療後の変化】 施設職員様より発語の増加が確認された 表情が柔らかくなり、反応も改善した など 詳しい症例は以下のページでも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 高次脳機能障害の回復においてリハビリが重要とされる理由 高次脳機能障害の治療において、リハビリが重要とされる主な理由は以下のとおりです。 脳には「可塑性」という性質があり、損傷を受けた部分の機能を別の部分が代わりに担うことがある 早期からリハビリを開始することで、より高い回復効果が期待できる 日常生活に必要な動作を繰り返し練習することで、自立した生活に近づける 社会復帰に向けた訓練を段階的に行える リハビリを継続的に行うことで、損傷した脳の機能を補ったり、新たな神経回路を作ったりすることが期待できます。 高次脳機能障害の回復過程における治療の選択肢 高次脳機能障害には、以下のようにさまざまな治療法があります。 治療法 特徴 対象となる症状 薬物療法 症状を和らげる薬を使用 注意障害、記憶障害、感情のコントロールが難しい場合 リハビリテーション 理学療法・作業療法・言語療法などを組み合わせて機能回復を目指す 運動機能障害、日常生活動作の困難、言語障害 認知行動療法 考え方や行動パターンを見直し、日常生活への適応を図る 社会的行動障害、遂行機能障害 環境調整 メモの活用や動作のパターン化など、生活しやすい環境を整える 記憶障害、注意障害、遂行機能障害 再生医療(幹細胞治療) 自分の脂肪から採取した幹細胞を点滴投与し、脳神経の再生・修復を目指す 脳卒中による後遺症全般 治療は一つだけでなく、複数の方法を組み合わせることが一般的です。 高次脳機能障害の回復事例を踏まえ、再生医療を含む治療の選択肢を検討しよう この記事では、高次脳機能障害の回復事例や治療法、リハビリの重要性について解説しました。 高次脳機能障害の回復には個人差がありますが、治療をあきらめずに継続することで症状の改善につながる可能性があります。 当院でも、再生医療によって症状が改善した事例が多数ございます。 実際の症例紹介や治療法の特徴については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の回復事例に関するよくある質問と回答 高次脳機能障害の回復についてよくある質問を紹介します。 高次脳機能障害の回復にはどれくらいの期間がかかる? 高次脳機能障害で障害者手帳は何級になる? 治療やリハビリを進めるうえでの参考にしてください。 高次脳機能障害の回復にはどれくらいの期間がかかる? 高次脳機能障害の回復期間は、医学的リハビリは発症から最大6カ月間を中心に行い、その後必要に応じて生活訓練や就労支援を加えた1年間の訓練が有効とされています。 高次脳機能障害で障害者手帳は何級になる? 高次脳機能障害の場合、主に「精神障害者保健福祉手帳」の申請対象となり、等級は1級から3級まであります。 詳しくはお住まいの市区町村の障害福祉窓口にご相談ください。
2025.12.26 -
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高次脳機能障害のある方を支える家族は日常生活のさまざまな場面でストレスを感じやすく、知らないうちに心身のバランスを崩してしまうケースも少なくありません。 この記事では、高次脳機能障害の基礎知識から、家族が抱えやすいストレスの原因、無理をしない接し方や利用できる支援制度までを解説します。 高次脳機能障害のあるご家族を支えながら、ご自身の心身の健康も守りたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。 また「リハビリを続けているものの、改善が見えない」「以前のような家族の笑顔や会話を少しでも取り戻したい」と感じている方にとって、再生医療も選択肢の一つとなる場合があります。 再生医療とは、手術を行わずにご自身の細胞の力を使って、損傷した組織の修復・再生を促すことを目的とした治療法です。 記憶障害や感情コントロールの改善など、リハビリだけでは難しい症状の回復を目指しています。 >>実際に当院の治療を受けた患者さまの症例はこちら 「今の状態から少しでも前に進みたい」「本人だけでなく、支える家族の負担も少し軽くしたい」という方は、諦める前に一度当院へご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害とは|家族のストレスを軽くするために知っておきたい基礎知識 高次脳機能障害とは、脳卒中や交通事故などで脳が損傷を受けた結果、記憶・注意・感情のコントロールなどの認知機能に障害が生じる状態です。 代表的な症状として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、失語症などがあります。 これらの症状は脳の損傷部位や程度によって一人ひとり異なり、複数の症状が重なって現れることも多いです。 重要なのは、これらの症状は本人の性格や意思の問題ではなく、脳の損傷によって引き起こされるものだということです。 突然怒り出したり、同じ質問を繰り返したりする行動は、本人がわざとしているわけではありません。 しかし、突然怒り出したり同じ質問を繰り返したりする姿を目の当たりにするご家族にとっては、つらい経験となることも少なくありません。 次の章では、家族が抱えやすいストレスの具体的な内容と、その対処法について詳しく解説します。 高次脳機能障害の方と暮らす家族が抱えるストレスとは 高次脳機能障害のある方を支える家族は、日常生活の中でさまざまなストレスを感じやすい状況に置かれています。 多くの家族が抱える、以下の悩みについて理解を深めましょう。 日常生活が常に緊張状態になる 家族として求められる役割が増え続ける 感情の起伏・怒りっぽさへの対応が難しい 将来が見えず不安を抱えやすい ご自身の状況を客観的に見つめ直し、適切な対処につなげるためお役立てください。 日常生活が常に緊張状態になる 高次脳機能障害のある方との生活では、家族は常に気を配る必要があり、心が休まる時間を持てなくなることがあります。 注意力の低下による事故やケガの心配 記憶障害による火の消し忘れや鍵のかけ忘れへの対応 突然の感情の変化への備え 外出時のトラブル防止のための付き添い このような生活が続くと、支える家族の方にストレスが蓄積し、体調を崩してしまうケースも少なくありません。 家族として求められる役割が増え続ける 家事や金銭管理、通院の付き添いなど、家族が担う役割が次第に増えていきます。 日常の家事全般の負担増加 お金の管理や各種手続きの代行 対人関係のトラブルへのフォロー 本人のスケジュール管理 「自分がやらなければ」という責任感から、仕事や自分の時間を犠牲にしてしまう方も多いです。 感情の起伏・怒りっぽさへの対応が難しい 高次脳機能障害の症状の一つである社会的行動障害により、感情のコントロールが難しくなることがあります。 些細なことで急に怒り出す 理由が分からないまま強い言葉を向けられる 暴言や暴力的な態度をとられることがある このような状況が続くと、「どう接すればいいのか分からない」と精神的に追い込まれてしまうことがあります。 本人に悪気がないと分かっていても、日々の対応で心がすり減っていくのは自然なことです。 将来が見えず不安を抱えやすい 高次脳機能障害は回復の程度に個人差が大きく、今後の生活がどうなるのか見通しが立ちにくい特徴があります。 症状がいつまで続くのか分からない 自分自身の健康や将来への不安 経済的な見通しが立てにくい 本人の就労や社会復帰への心配 「この状態がいつまで続くのだろう」という先の見えない不安は、家族のストレスをより大きくする要因です。 高次脳機能障害の家族が「つらい・しんどい」と感じたときの対処法・接し方 高次脳機能障害のある方を支える家族の負担は、長期間続くと介護疲れにつながります。 ご自身の心身を守りながら無理なく介護を続けていくために、症状に合わせた対応の工夫、第三者の協力、家族会への参加などの対処法を知っておくことが大切です。 対処法 ポイント 症状に合わせた対応 メモやカレンダーの活用、静かな環境づくり、作業の細分化など症状別に工夫する 第三者の協力 医療機関との連携、地域包括支援センターや福祉窓口への相談 家族会への参加 同じ悩みを持つ人との交流、接し方のヒントや支援制度の情報を得られる 一人で抱え込まず、さまざまな支援を活用しながら、ご自身に合った対処法を見つけていきましょう。 高次脳機能障害の家族が利用できる支援制度・相談先 高次脳機能障害のある方とその家族が利用できる支援制度として、以下の支援サービスがあります。 支援制度 内容 障害福祉サービス 障害者手帳を取得すると利用可能。居宅介護、自立生活援助、グループホームなど 介護保険サービス 65歳以上または40歳以上で脳血管疾患による方が対象。施設・訪問・通所サービスなど 就労支援サービス ハローワークの障害者窓口、障害者職業能力開発校、障害者職業センターなど 障害福祉サービスは自治体の障害福祉担当課、介護保険サービスは地域包括支援センターやケアマネージャー、就労支援はハローワークにご相談ください。 まずは相談することから始めましょう。 高次脳機能障害に対する新たな治療の選択肢としての再生医療 高次脳機能障害の治療は、リハビリテーションが中心です。 しかし近年は「再生医療」という新たな選択肢もあります。 再生医療とは、損傷した組織や細胞を修復・再生させる医療技術です。 高次脳機能障害の原因となる脳卒中などの後遺症に対して、幹細胞を用いた治療が実施されています。 当院「リペアセルクリニック」では、患者さまご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴で投与する治療を行っています。 高次脳機能障害に対する当院での症例については、以下の動画をご覧ください。 治療に関する詳しい情報や実際の改善症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の家族は頑張りすぎなくていい。ストレスを抱え込まずに支援と選択肢を知ろう! この記事では、高次脳機能障害のある方を支える家族が抱えやすいストレスの原因と、その対処法について解説しました。 高次脳機能障害のある方を支えるご家族は、頑張りすぎる必要はありません。 一人で抱え込まず、支援制度や専門家の力を借りながら、無理のない範囲でサポートを続けていきましょう。 また、高次脳機能障害の改善を目指すなら、再生医療も選択肢の一つとして検討してみてください。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞を用いた再生医療による治療を行っています。 高次脳機能障害の症状でお悩みの方、ご家族の治療について相談したい方は、まずは当院の公式LINEにご登録ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害を抱える家族のストレスに関するよくある質問と回答 高次脳機能障害を抱える家族のストレスに関するよくある質問を紹介します。 高次脳機能障害の破局反応とは? 高次脳機能障害は本人にとってもつらいですか? 障害の特性を正しく理解し、ご家族の負担を軽減するための参考にしてください。 高次脳機能障害の破局反応とは? 破局反応とは、脳の処理能力を超えたときに現れる症状です。 高次脳機能障害のある方は、脳が一度に処理できる情報量やスピードが低下しています。 そのため、無理にたくさんのことをさせようとしたり、急がせたりすると、突然怒り出したり、動作が止まってしまったりすることがあります。 破局反応が起きないように、本人のペースに合わせた環境を整えることが大切です。 高次脳機能障害は本人にとってもつらいですか? 高次脳機能障害は本人にとっても非常につらい障害です。 外見からは障害が分かりにくいため、周囲から理解されにくく、「なぜできないのか」と責められているように感じることもあります。 ご家族がこの障害について理解し、適切な接し方を心がけることが、本人の安心感にもつながります。
2025.12.26 -
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高次脳機能障害とは、脳卒中や頭部外傷などで脳が損傷を受けることで、記憶力や注意力、言葉を話す能力などに障害が生じる状態です。 外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれ、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな負担となります。 「大切な家族がこの先どれくらい一緒にいられるのか」「すぐに命に関わる病気なのか、それとも長く付き合っていく障害なのか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、高次脳機能障害の平均余命を男女別に紹介し、主な症状や治療法について詳しく解説します。 高次脳機能障害と診断されたご家族をお持ちの方は、ぜひ最後まで読んで今後の治療やケアの参考にしてください。 また「少しでも回復の可能性を広げたい」「リハビリと並行してできる治療選択肢を知っておきたい」という方は、再生医療も選択肢の一つです。 従来は「一度死滅した脳細胞は元に戻らない」とされてきましたが、再生医療ではご自身の細胞を使って脳神経の修復・再生を促すことが期待できます。 >>実際に当院の治療を受けた患者さまの症例はこちら 実際の症例や治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介しています。 治療法の新たな選択肢は知るためにも、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の平均余命【男女別に紹介】 高次脳機能障害の平均余命は、健常者と比較すると短くなる傾向があります。 東京都福祉局と厚生労働省のデータをもとに、男女別の平均余命をご紹介します。 なお、ここで紹介する高次脳機能障害の平均余命は、脳出血・脳梗塞・くも膜下出血による症状を平均したデータです。 男性の平均余命 女性の平均余命 発症年齢や症状の重さによって余命は大きく異なりますので、あくまで参考値としてご覧ください。 男性の平均余命 高次脳機能障害の男性は、健常者と比較して平均余命が短い傾向にあります。 具体的な数値は以下のとおりです。 年齢(発症年齢) 高次脳機能障害の男性 健常な男性 平均余命の差 20歳 42.61年 61.45年 18.84年 30歳 35.59年 51.72年 16.13年 40歳 28.88年 42.06年 13.18年 50歳 20.16年 32.60年 12.44年 60歳 11.56年 23.68年 12.12年 70歳 5.62年 15.65年 10.03年 80歳 2.47年 8.98年 6.51年 ※参考:第3章 高次脳機能障害者数の推計|東京都福祉局 高次脳機能障害の男性と健常な男性における平均余命は、約10年以上の差が生じています。 また、80歳で高次脳機能障害を発症した場合でも、約6年ほど異なります。 女性の平均余命 東京都福祉局と厚生労働省のデータをもとに比較したところ、男性同様、高次脳機能障害の女性は健常な女性より平均余命が短くなっています。 具体的な数値は以下のとおりです。 年齢(発症年齢) 高次脳機能障害の女性 健常な女性 平均余命の差 20歳 50.21年 67.48年 17.27年 30歳 42.58年 57.65年 15.07年 40歳 35.18年 47.85年 12.67年 50歳 26.30年 38.23年 11.93年 60歳 15.84年 28.91年 13.07年 70歳 7.22年 19.96年 12.74年 80歳 3.35年 11.81年 8.46年 ※参考:第3章 高次脳機能障害者数の推計|東京都福祉局 高次脳機能障害の女性と健常な女性における平均余命は、約10年以上の差が生じています。 また、80歳で高次脳機能障害を発症した場合でも、約8年ほど異なります。 高次脳機能障害になった女性の平均余命は男性に比べて長いものの、健常な女性と比較すると短い傾向です。 高次脳機能障害の主な症状|最も多いのは失語症 ※画像引用元:公益社団法人 東京都医師会「高次脳機能障害について」 高次脳機能障害は、脳の損傷部位によってさまざまな症状があらわれます。 東京都医師会の調査によると、最も多い症状は失語症(56.9%)で、次いで注意障害(29.8%)、記憶障害(26.2%)となっています。 高次脳機能障害の主な症状は以下のとおりです。 症状 主な特徴 失語症 言葉を「話す」「聞く」「読む」「書く」機能に障害が生じる 注意障害 集中力が続かない、複数のことに同時に注意を向けられない 記憶障害 新しいことが覚えられない、少し前の出来事を忘れてしまう 遂行機能障害 計画を立てて物事を順序よく進めることが難しくなる 社会的行動障害 感情のコントロールが難しい、意欲が低下する 半側空間無視 左右どちらかの空間に注意が向かなくなる これらの症状は外見からは分かりにくく、周囲から誤解されやすい特徴があります。 症状の改善には、早期のリハビリテーションが大切です。 高次脳機能障害の治療法|再生医療も選択肢の一つ 高次脳機能障害には確立した根治療法はありませんが、適切な治療とリハビリテーションによって症状の改善が期待できます。 治療法 特徴 薬物療法 気分の安定や注意力向上、脳卒中再発予防などを目的に抗うつ薬や認知症治療薬を使用 リハビリテーション 言語療法・作業療法・理学療法など 再生医療 幹細胞を活用し、損傷した組織の修復を促す医療技術 当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の原因である脳卒中に対する再生医療・幹細胞治療を行っています。 実際に当院の治療を受けた方の症例については、以下の動画でご紹介しています。 薬物療法やリハビリテーションで十分な効果が得られなかった方も、再生医療を組み合わせることで症状改善の一助となる場合があります。 治療法や症例については、以下の公式LINEでも紹介していますので、再生医療にご興味のある方は参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害と余命への影響を理解し、適切な治療を検討しよう! 高次脳機能障害は、脳卒中や頭部外傷などが原因で起こる「見えない障害」です。 平均余命は健常者と比較して短くなる傾向がありますが、これは高次脳機能障害そのものというより、原因となった脳血管障害の影響が大きいと考えられています。 大切なのは、早期に適切な治療とリハビリテーションを開始することです。 薬物療法やリハビリテーションによって症状の改善が期待できます。 また、近年では再生医療という新たな選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の原因となる脳卒中に対する幹細胞治療を提供しています。 ご家族の症状でお悩みの方は、ぜひ当院の公式LINEにご登録いただき、再生医療に関する情報をチェックしてみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 高次脳機能障害の平均余命に関するよくある質問と回答 高次脳機能障害の余命について、よくある質問を紹介します。 脳梗塞による認知症(血管性認知症)の余命は? 高齢者における脳出血の余命は? それぞれの疾患における余命の目安を理解し、今後の治療やケアの参考にしましょう。 脳梗塞による認知症(血管性認知症)の余命は? 血管性認知症の発症後の生存期間は、男性で約5年、女性で約7年という報告があります。 ※出典:認知症疾患診療ガイドライン2017|日本神経学会 アルツハイマー型認知症と比べて短い傾向があるとされますが、研究によって結果は一定していません。 高齢者における脳出血の余命は? 脳出血後の生存率は年齢によって大きく異なり、高齢になるほど予後は厳しくなります。 脳出血患者411名を対象に長期生存率を調査した研究では、発症後28日以内に死亡した患者は全体の50.6%で、16年時点での累積生存率は65歳以下で19.3%、65〜73歳で2.7%、73歳以上では1.8%でした。※PubMed
2025.12.26 -
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仕事や家事で忙しい毎日の中で、「いつもの肩こりとなんか違う?」「危険な肩こりと普通の肩こりって何が違うの?」と不安を感じている人もいるのではないでしょうか。 その肩こりは、一見するとただの疲れのように感じても、実は脳梗塞などの血管障害が起こる前段階のサインとして現れている可能性があります。 しかし、「肩こりくらいで病院に行くのは大げさでは?」「どの時点で受診すべきなのか分からない」と迷ってしまう方も少なくありません。 本記事では脳梗塞の前兆となる危険な肩こりの特徴や、日常生活でできる予防法について解説します。 ぜひ参考にして、危険なサインを見逃さないための知識を身につけ、健康な毎日を守るための行動にお役立てください。 また脳梗塞が進行している場合や後遺症に悩んでいる方にとって、再生医療が治療の選択肢となることがあります。 再生医療とは患者さま自身の幹細胞を用いて、低下した機能の回復をサポートすることを目的とした治療法です。 >>脳梗塞(脳卒中)の症例ページはこちら 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは、再生医療の治療に関する情報を配信していますので、ぜひ参考にしてください。 突然の激しい肩の痛みは要注意!脳梗塞のリスクあり 一般的な肩こりは筋肉の緊張によるものですが、脳血管の障害が原因で起こる肩こりは痛みの感じ方や発症の仕方が異なるのが特徴です。 比較項目 良性の肩こり(筋緊張性) 危険な肩こり(脳梗塞前兆など) 発症の仕方 徐々に強くなる。夕方に強まる傾向。 突然発症する。発症時刻が言えるほど急激。 痛む場所 両側の肩や首全体 片側だけ痛む。首筋や後頭部の一点。 痛みの感覚 重い、だるい、張っている 引き裂かれるような鋭い痛み、脈打つ痛み 対処後の変化 入浴やマッサージで楽になる 変化しない、または悪化する 危険な肩こりは「突然・片側・激痛」といった特徴があります。 入浴やマッサージで改善せずに悪化する場合は、血管に炎症や亀裂が生じている可能性があるため、自己判断で放置せずに医療機関を受診しましょう。 注意が必要ないつもと違う肩の痛み・こりとは 脳血管障害による肩こりでは、痛み以外にも体に異変が現れることがあります。 椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)という血管のトラブルや、脳への血流不足が起きている場合、肩こりに加えて神経症状を伴うケースが見られます。 片側の手足のしびれ・力が入らない ろれつが回らない・言葉が出にくい 顔のゆがみ・片方のまぶたが下がる めまい 飲み込みにくさ(水を飲むとむせる) 片方の目が見えにくくなる これらの症状は脳の神経細胞がダメージを受け始めている、あるいは血管が詰まりかけているサインである可能性があります。 例えば、片方のまぶたが下がったり瞳孔が小さくなったりするホルネル症候群は、動脈の異常により交感神経が圧迫されることで起こると考えられています。 単なる疲れ目や体調不良と軽く考えず、肩こりと同時に上記の症状がある場合は、医療機関での検査が必要です。 首の後ろ(うなじ)から後頭部の痛みも脳梗塞の前兆の可能性があるので注意 肩だけでなく、首の後ろ(うなじ周辺)から後頭部にかけての強い痛みも、脳梗塞に関連する重要なサインの一つです。 首の骨の中を通る「椎骨動脈」の内壁が裂けてしまう椎骨動脈解離が起きると、激しい痛みが生じます。 30代から50代の比較的若い世代でも発症することがあり、高血圧などのリスク要因を持っている人は注意が必要です。 特徴 一般的な寝違え 椎骨動脈解離の疑い 痛みの種類 筋肉が張るような痛み 「何かが切れたような」鋭い痛み、脈打つ痛み 安静時の状態 動かさなければ痛まない じっとしていても痛む 痛みの変化 時間とともに和らぐ 急速に痛みが強くなる 寝違えとは異なり、安静にしていてもズキズキと痛む、あるいは痛みが急速に増していく場合は、血管トラブルの疑いがあります。 何かが切れたような鋭い痛みを感じた際は、整体やマッサージを避けて、速やかに脳神経外科などで専門的な検査を受けましょう。 脳梗塞予防の観点から考える肩こり対策 脳梗塞予防の観点から考える肩こり対策について、以下で解説しています。 ストレッチ方法 脳梗塞予防につながる生活習慣の改善 ストレッチ方法 安全に血流を改善するためには、以下のように首ではなく肩甲骨を動かすストレッチが有効です。 ストレッチ やり方 効果 肩の上げ下げ 1. 肩を耳に近づけるようにギュッとすくめる 2. 一気に力を抜いてストンと落とす 筋肉の緊張を解き、血流を促す 肩甲骨寄せ 1. 胸を張り、背骨に肩甲骨を寄せる 2. そのまま数秒キープして脱力する 姿勢を改善して首への負担を減らす 肘開き運動 1. 肘を脇腹につけ、手のひらを上に向ける 2. 肘をつけたまま、手のひらを外側に開く 巻き肩を解消し血管へのストレスを軽減 これらの運動は、首の血管に負担をかけずに僧帽筋などの血流改善が期待できます。 無理のない範囲で継続し、筋肉を柔らかく保つことで、血管への圧迫やストレスを軽減できる可能性があります。 脳梗塞予防につながる生活習慣の改善を意識する 肩こりの裏に潜む脳梗塞のリスクを根本から減らすには、以下のように生活習慣を改善しましょう。 対策 内容 効果 こまめな水分補給 寝る前や起床時にコップ1杯の水を飲む 血液のドロドロ化を防ぎ、血栓を予防する 塩分を控えた食事 減塩を心がけ、野菜や海藻類を積極的に摂る 高血圧を防ぎ、血管壁を守る 適度な運動と禁煙 無理のない範囲で運動を続け、喫煙習慣を見直す 血管をしなやかに保ち、動脈硬化を防ぐ ※参照:脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省) 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、血管を硬くし、動脈硬化を進行させる原因となります。日々の行動の積み重ねが、将来の脳梗塞を防ぐことにつながります。 突然の肩こりは脳梗塞などの病気が隠れていることも!放置せず早めに受診しよう この記事では、脳梗塞の前兆となる肩こりの特徴や予防のための対策について解説しました。 押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。 突然の片側の強い肩こりは注意が必要 しびれ・めまい・ろれつ障害があれば早急に受診 首の後ろの鋭い痛みは椎骨動脈解離の可能性 「いつもの肩こりだから」と我慢せず、少しでも普段と違う違和感があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。 すでに脳梗塞を発症してしまい、麻痺やしびれなどの後遺症に悩んでいる場合は、リハビリに加えて再生医療という選択肢もあります。 当院(リペアセルクリニック)では、ご自身の幹細胞を用いて、傷ついた神経細胞の修復や機能回復を目指す治療を行っています。 実際の治療法は以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=3637P3JguBxR31qM 「リハビリだけでは改善が難しい」「少しでも元の生活に近づきたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。 詳しい症例や治療法については、公式LINEでも案内しています。まずは無料相談から、現在の症状や不安についてお気軽にお問い合わせください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
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振動(ブルブル)マシンは体に負担をかけずに筋肉へ刺激を与えられるため、運動不足の解消や体力維持を目的に使用を検討している人もいるでしょう。 しかし「本当に使っても大丈夫?」「脳梗塞になるリスクはないの?」と、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。 振動マシンは正しく使えば健康維持に役立ちますが、誤った使い方をすると体に負担をかける可能性があります。 本記事では、振動マシンと脳梗塞の関係やリスクを避けるための正しい使い方について解説します。 ぜひ参考にして不安を解消し、安全に振動マシンを活用してください。 また脳梗塞を発症した後、「リハビリを続けているが、思うように回復しない」「従来の治療法では限界を感じている」といった悩みを抱えている人もいるでしょう。 そのような場合、再生医療も選択肢の一つとなります。 再生医療とは自身の体にある再生する力を活用して、傷ついた組織や臓器の修復・再生を目指す治療法です。 実際に当院の治療を受けた人の症例は、以下の動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。 https://youtu.be/HdLj4bDXKIg?si=CmrNkkK1dTQAPLZ3 当院(リペアセルクリニック)では、脳梗塞後の後遺症に対する実際の症例や治療法について、公式LINEで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 振動(ブルブル)マシンが脳梗塞に直接的な影響を与える可能性は低い 健康な人の場合、振動マシンの揺れが原因で脳の血管が直接破裂したり、脳梗塞を引き起こしたりする可能性は低いと考えられています。 脳血管が頭蓋骨や脳脊髄液に守られており、日常的な衝撃に耐える柔軟性を持っているためです。 ただし、体内の状態によっては、以下のようにリスクの度合いが異なります。 状態 リスクの程度 理由 健康な人 低い 脳血管は柔軟性があり、振動の衝撃に耐えられるため 血栓のリスクがある人 高い 振動で血栓が剥がれ、脳血管に詰まる恐れがあるため また、すでに体内に「血栓(血の塊)」がある場合、以下のようなプロセスによって振動マシンが脳梗塞を引き起こします。 リスク発生のプロセス 体内で起こること 1. きっかけ マシンの振動により血流が急激に促進される 2. 血栓の遊離 足の静脈などにある血栓が血管壁から剥がれ落ちる 3. 脳梗塞の発症 血栓が血流に乗って脳へ運ばれ、血管を詰まらせる 振動マシンは血流改善による予防効果がある反面、既存の血栓に対しては移動のきっかけとなり、症状を悪化させる危険性があります。 過去に血栓症や静脈瘤などの診断を受けたことがある人が、自己判断で振動マシンを使用開始する場合は注意が必要です。 症状が悪化するリスクを避けるためにも、主治医に相談した上で許可が出るまでは使用を控えましょう。 振動マシンの使用を控えるべき人の特徴 振動マシンの使用を控えるべき人の特徴は、以下のとおりです。 血圧が高い・動脈硬化がある人 骨の病気がある人 乗り物酔いしやすい・振動に弱い人 振動マシンは誰にでも適しているわけではなく、持病や体の状態によっては症状を悪化させる可能性があります。 血圧が高い・動脈硬化がある人(脳梗塞リスクが高い人) 血圧が高い人や動脈硬化が進んでいる人は、使用に際して慎重な判断が必要です。 振動マシンによる体への影響には、以下のようなものがあります。 影響 詳細 血圧の一時的上昇 筋肉の収縮により血圧が上がる可能性がある 血圧の乱高下 息を止めて踏ん張ると血管に負担がかかる 脳動脈瘤への悪影響 振動が未破裂の動脈瘤に影響する可能性がある 上記のリスクを避けるためにも、血圧が高い人や動脈硬化がある人は、医師の許可が出るまでは使用を控えるのが賢明です。 骨の病気がある人(骨粗鬆症・骨折・人工関節など) 以下のように骨の状態に不安がある人も、使用には注意が必要です。 ケース 具体的な理由 重度の骨粗鬆症 骨が脆く、振動の衝撃が骨折の原因になる恐れがある 骨折が完治していない 振動により回復が遅れたり再骨折したりする可能性がある 人工関節の手術後 人工関節と骨の固定が緩んでしまうリスクが考えられる 骨の状態によっては、振動自体が体に悪影響を及ぼす可能性があります。 使用を検討する場合は必ず主治医に確認し、許可が出た場合でも弱い振動から始めましょう。 乗り物酔いしやすい・振動に弱い人 乗り物酔いしやすい人も、振動マシンで体調を崩すことがあります。 主な症状には、以下のようなものがあります。 めまい 吐き気 ふらつき 頭痛 振動が内耳の平衡感覚を刺激する一方で、目で見ている景色は止まっているため、脳が混乱して「振動酔い」を起こします。 無理をして使い続けると転倒して怪我をする恐れもあるため、使用中に少しでも不快感を感じたら、すぐに使用を中止しましょう。 振動(ブルブル)マシンを安全に使うための注意点 振動マシンを安全に使うための注意点は、以下のとおりです。 項目 注意すべきポイント 振動レベルと時間 初めは最弱モード。1回10〜15分、1日合計30分以内にする 姿勢と呼吸 膝を軽く曲げて振動を吸収する。息を止めない 説明書の確認 体重制限や禁止事項を必ず読み、ルールを守る また体への負担を減らし、安全に使用するためにも、以下のような使い方は避けましょう。 最初から強い振動で使用すること 長時間乗り続けること 膝を伸ばしきった状態(棒立ち)で使用すること いきなり強い負荷をかけたり長時間使用したりすると、疲労や関節への負担が増します。 膝を伸ばしきった状態は振動が頭に直接響く原因となるため、膝をクッションのように使って振動を吸収することが大切です。 自分の体力や体調に合わせて、無理のない使用を心がけましょう。 振動(ブルブル)マシンが脳梗塞に与える直接的なリスクは少ない!ただし注意して使用しよう 健康な人が振動マシンを使用することで、脳梗塞を直接的に発症するリスクは低いと考えられています。 振動マシンを安全に使用するためのポイントは、以下のとおりです。 振動が弱いモードから始め、徐々に負荷を上げる 長時間の使用は避け、1日の合計使用時間を守る 機種ごとの説明書を確認し、ルールに従う 振動マシンは手軽な運動器具ですが、体の状態によってはリスクも伴います。 記事内で紹介した注意点や禁忌事項を確認し、無理のない範囲で活用しましょう。 しかし、生活習慣の改善やセケアを行っても体の不調が続く場合や、脳梗塞の後遺症に悩んでいる場合は専門家への相談を検討してください。 当院(リペアセルクリニック)では、再生医療を用いて脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症や、関節の痛みに対する治療を行っています。 「リハビリを続けても改善が見られない」「手術以外の方法を探している」という人は、一人で悩まずにご相談ください。 治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、併せてご確認ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 脳梗塞と振動(ブルブル)マシンに関するよくある質問 脳梗塞予防に適した運動はある? 脳梗塞後の生活でやってはいけないことはある? 脳梗塞予防に適した運動はある? 脳梗塞の主な原因である高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を改善するには、以下のような有酸素運動が有効です。 ウォーキング 軽いジョギング 水泳 サイクリング ラジオ体操 上記の運動は心肺機能を高め、血管の健康維持に役立つと考えられています。 これまで運動習慣がなかった人はいきなり激しい運動をするのではなく、散歩やラジオ体操などの軽い運動から始めることが大切です。 脳梗塞後の生活でやってはいけないことはある? 脳梗塞を経験した後の生活において、再発を防ぐために避けたい行動は以下のとおりです。 項目 詳細 薬の自己中断 医師の指示なく薬をやめると、血栓ができやすくなる 生活習慣の乱れ 喫煙、過度な飲酒、塩分の摂りすぎは血管を傷める 脱水症状 水分が不足すると血液がドロドロになり、詰まりやすくなる 急激な血圧変動 いきむ動作や急激な温度変化(ヒートショック)を避ける 上記は血管に負担をかけて再発のリスクを高める要因となるため、日々の生活の中で意識して健康的な生活習慣を維持しましょう。
2025.12.26 -
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医師からBAD型脳梗塞と診断されたものの、初めて聞く病名に「聞きなれない病気だしこの先不安」「症状が進むことがあると聞いて心配」という方もいるのではないでしょうか。 BAD(バッド)とは、脳梗塞の中でも特有の進行リスクを持つタイプで、発症後しばらくしてから症状が悪化するのが特徴です。 しかし「治る見込みはあるの?」「どのように経過するの?」と、疑問に思う方もいるでしょう。 この記事では、BAD(脳梗塞)の特徴やラクナ梗塞との違い、治療の見通しについて解説します。 病気に対する理解を深め、前向きに治療へ向き合うためにぜひ参考にしてください。 また後遺症や回復に不安がある方は、再生医療も検討しましょう。 再生医療とは自身の体から取り出した細胞を使い、体の回復する力を活かして機能の回復を目指す治療法です。 >>脳卒中に対する実際の症例はこちら 当院の公式LINEでは、治療内容・症例の紹介や相談も可能ですので、ぜひ一度ご確認ください。 BADとは|脳の細い血管の分岐部が詰まり進行しやすい脳梗塞 BADとは、脳の細い血管の分岐部が詰まり進行しやすい脳梗塞のことです。 正式名称はBranch Atheromatous Disease(ブランチ・アテロマトース・ディジーズ)で、ビーエーディー(BAD) と読みます。 日本語では分枝粥腫病(ぶんししゅくしゅびょう)または分枝粥腫病型脳梗塞と呼ばれ、脳の太い血管(母動脈)から分かれる血管の根元が詰まる病態を指します。 発症メカニズムや特徴は、以下の表のとおりです。 特徴 詳細 閉塞の仕組み 母動脈の分岐部にアテロームプラークができ、血流が遮断される 障害される血管 比較的大きめの穿通枝が根元から障害される 症状の経過 入院後数日以内に症状が悪化しやすい BADは血管の根元にあるプラークが原因で、広い範囲に脳梗塞が起こります。 比較的新しい疾患概念であるため、医師から診断された際に初めて耳にする患者様も少なくありません。 脳梗塞にはさまざまなタイプがあり、原因によって以下の4つに分類されます。 分類 特徴 アテローム血栓性脳梗塞 太い血管の動脈硬化が原因で起こる脳梗塞 心原性脳塞栓症 心臓にできた血栓が脳に飛んで詰まる脳梗塞 ラクナ梗塞 脳の細い血管が変性して詰まる、小さな脳梗塞 その他の脳梗塞 血管の解離や炎症など、上記以外の原因によるもの BADは動脈硬化が原因となる点において、アテローム血栓性脳梗塞に似ています。 しかし、発生する場所やメカニズムが特殊なため、「その他の脳梗塞」や「原因不明の脳梗塞」に分類されることがあります。 ラクナ梗塞よりも症状が悪化しやすいため、医師による慎重な判断と適切な治療が必要です。 好発部位 BADは、特定の血管の分岐部で発生しやすいことが分かっています。 主な好発部位は、以下のとおりです。 部位名称 説明 レンズ核線条体動脈(LSA) 中大脳動脈から分岐し、内包の障害により重い片麻痺が出やすい 橋傍正中動脈(PPA) 脳底動脈から分岐し、橋の障害により運動麻痺などが生じる 前脈絡叢動脈(AchA) 内包後脚などに血液を送り、運動麻痺や感覚障害に関与する 上記の血管は太い血管から急な角度で分岐しているため、血流の負担を受けやすくアテロームができやすい構造です。 そのため血流のストレスが一点に集中しやすく、血管の内壁が傷つきやすい状態となります。 傷ついた部分にコレステロールが入り込むことで、BAD特有のアテロームが形成されると考えられています。 BAD(脳梗塞)とラクナ梗塞との違い BADとラクナ梗塞の違いは、以下の表のとおりです。 比較項目 BAD(分枝粥腫病型脳梗塞) ラクナ梗塞 詰まる場所 血管の根元(分岐部) 血管の末端(細い部分) 原因 アテローム(プラーク)による閉塞 高血圧による血管の変性 梗塞の大きさ 大きい(15mm以上) 小さい(15mm未満) 症状の進行 進行しやすい 比較的安定している ※出典:脳卒中治療ガイドライン|一般社団法人 日本脳卒中学会 BADとよく似た病態にラクナ梗塞がありますが、原因や予後の注意点が異なります。 ラクナ梗塞は血管の末端近くが詰まるため梗塞範囲が限定的ですが、BADは血管の根元(分岐部)が詰まるため、広い範囲に影響が出やすい特徴があります。 最初はラクナ梗塞と診断されても、経過やMRI画像によってBADと診断名が変わることがあります。 BAD(脳梗塞)の主な症状|基本的にはラクナ梗塞と同じ BADの初期症状はラクナ梗塞と共通しており、以下のような運動麻痺や感覚の異常が中心です。 症状 具体的な状態 片麻痺 体の左右どちらかの手足が動かしにくくなる、力が入らなくなる 感覚障害 手足がしびれる、感覚が鈍くなる 構音障害 呂律(ろれつ)が回らない、言葉が出にくい しかし、BADで最も警戒すべき点は、これらの症状が入院後に悪化する可能性があることです。 BADと診断された場合、全体の20〜40%程度の患者において入院数日以内に麻痺が強くなる進行性運動障害(PMD)が起こる可能性があります。 診断時は軽症でも、急速に悪化するリスクがあるため注意が必要です。 症状が悪化する要因には、以下のようなものがあります。 血栓が血管の奥へと広がること 血圧が下がり、病変部への血流が維持できなくなること 脳のむくみ(浮腫)が神経を圧迫すること 発症時は少し手足が動かしにくい程度であっても、数日の間に全く動かせない状態まで進むケースがあるため、入院直後は慎重な管理が求められます。 入院後48時間以内は特に症状が変化しやすいため、医師や看護師の指示に従い、安静を保つことが大切です。 BAD(脳梗塞)の原因|アテローム硬化・生活習慣病に注意 BADを引き起こす直接的な原因は、血管の壁にできるアテロームプラーク(脂肪の塊)です。 血管の分岐部分に負担がかかり、壁が傷つくことでコレステロールが入り込み、プラークが形成されます。 プラークを作る要因となるのが、以下のような生活習慣病です。 危険因子 血管への影響 高血圧 血管に常に高い圧力がかかり、壁を傷つける 糖尿病 血糖値が高い状態が続き、血管が脆くなる 脂質異常症 血液中の余分な脂質が血管壁に溜まり、アテロームの原因になる 喫煙 血管を収縮させ、動脈硬化を進行させる 生活習慣病の危険因子が重なることで、血管の根元に微小なアテロームができ、BADの発症リスクを高めると考えられています。 自覚症状がないまま動脈硬化が進行しているケースも少なくなく、日頃から血圧や血糖値を適切に管理することが、発症を予防する上で重要といえます。 BAD(脳梗塞)の診断方法|画像検査を中心に判断 BADの診断には、MRI検査が欠かせません。 以下の基準などを参考に、医師が総合的に判断します。 検査方法 診断のポイント MRI(DWI) 梗塞巣の最大径が15mm以上 スライス数 3スライス以上にわたり梗塞を確認 形状の確認 LSA領域:勾玉(まがたま)や扇のような形を確認 PPA領域:橋の底面に達する楔形の梗塞を確認 一般的なラクナ梗塞よりも病変が大きいことや、血管の走行に沿った特徴的な形をしていることが判断材料になります。 心臓にできた血栓が飛んでくる心原性脳塞栓症や、太い血管自体が狭くなっている病変ではないことを確認(除外診断)した上で、BADと確定されます。 BAD(脳梗塞)の治療方法 BADと診断された場合、症状の進行(PMD)を防ぐための治療が最優先で行われます。 発症から時間が経過してから使用される血栓溶解療法(tPA)は効果が出にくいこともあるため、以下のような急性期対応が中心となります。 治療法 内容 抗血小板療法 DAPT(抗血小板薬2剤併用)などを用い、血栓形成を強力に防ぐ 急性期対応 アルガトロバン(抗凝固薬)を併用し、微小血管の血流を保つ 進行性の病態であるため、早期の治療開始が重要です。 症状が軽い段階で適切な抗血栓療法を行うことで、麻痺の進行を食い止められる可能性が高まります。 少しでも異変を感じたら、迷わず専門医を受診しましょう。 BAD(脳梗塞)の予後・リハビリについて BADは症状が進行しやすいため、ラクナ梗塞に比べて麻痺などの後遺症が残りやすい傾向があります。 予後を改善するためには、以下の取り組みが必要とされています。 取り組み 目的・内容 継続的なリハビリ 発症直後から退院後も継続し、機能を維持・向上させる 再発予防 生活習慣の見直しと薬物療法で、血管の状態を管理する 脳には損傷した神経回路を迂回して新しい回路を作る「可塑性(かそせい)」という能力が備わっているため、根気強くリハビリを続けることで日常生活動作の改善が期待できます。 BAD診断後は進行に注意しつつ、根気強く治療を行おう この記事では、BAD(脳梗塞)の特徴や治療法について解説しました。 BADについて覚えておきたいポイントは、以下のとおりです。 血管分岐部にアテロームができ、症状が進行しやすい 急性期は薬物療法で進行を抑え、再発予防が重要 早期対応と継続的なリハビリで機能改善を目指せる BADは進行しやすい脳梗塞ですが早期治療と継続的なリハビリ、生活習慣の改善によって悪化や再発を防ぎやすくなるため、根気強く治療に向き合っていきましょう。 「リハビリを続けているけれどつらい」「これ以上の回復は難しいと言われ、不安を感じている」方は、再生医療という新しい選択肢があります。 当院(リペアセルクリニック)では、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴で投与する治療を行っています。 実際の治療法などについては、当院の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 「もうこれ以上は良くならない」と諦める前にぜひ一度、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.12.26 -
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視床出血とは、脳の奥深くにある「視床」という部位で出血が起こる病気で、脳出血の中では被殻出血に次いで2番目に多い疾患です。 視床が出血すると手足のしびれや麻痺、意識障害など、さまざまな症状が現れます。 放置すると生命に関わるだけでなく、重い後遺症が生じることも少なくありません。 この記事では、視床出血で起こる症状や後遺症の特徴、発症メカニズム、治療方針、予後について詳しく解説します。 ご家族が視床出血を起こされた方や、脳出血の症状について知りたい方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を理解しましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは脳卒中の後遺症改善や再発予防を目的とした「再生医療」に関する情報をLINEで発信しております。ぜひご登録ください。 視床出血の主な症状・後遺症 視床出血では、出血した場所や範囲によって以下のような症状が現れます。 感覚障害(しびれ)や片麻痺 意識・眼球・言語障害 視床出血後に現れる後遺症 これらの症状を正しく理解して、早期発見・早期治療につなげることが大切です。 感覚障害(しびれ)や片麻痺 視床出血では、片側どちらかの顔や手の感覚障害(しびれ)や麻痺の症状が見られます。 具体的な症状は、以下のとおりです。 ピリピリとしたしびれ感 触った感覚が鈍くなる 温度の感覚がわかりにくくなる 関節の位置や動きがわかりにくくなる 視床は嗅覚以外のすべての感覚情報を大脳に伝える役割を担っているため、障害されると上記のような症状が現れます。 さらに、出血が視床周囲の内包まで広がると、反対側に片麻痺が起こります。 視床出血は感覚障害と運動麻痺が同時に起こることが特徴です。 意識・眼球・言語障害 出血の範囲が広がると、以下の障害が現れます。 意識障害:刺激に対して反応が鈍くなったり、意識を失ったりする 眼球障害:両目が内下方を向いて鼻先を見つめるような状態になる 瞳孔の異常:瞳孔が小さくなり、光への反応が鈍くなる 言語障害:言葉が出にくくなり、会話がしにくくなる 意識障害の程度は出血の大きさや進行速度によって異なり、軽度から昏睡状態まで幅広く見られます。 眼球の異常が起こるのは、視床の近くを通る脳幹の機能が障害されるためです。 また、左脳は言語機能に関与するため、左側の視床出血では失語症を始めとする言語障害が現れやすい特徴※があります。 ※出典:J-STAGE「左側の視床出血では言語障害が現れやすい」 視床出血後に現れる後遺症 視床出血は脳の深い場所で起こるため、手術で出血を取り除くことが難しく、後遺症が現れることが多い病気です。 主な後遺症には、以下があります。 視床痛:出血した脳の反対側の手や足に、焼けつくような強い痛みが出る 感覚障害:感覚が鈍くなったり、しびれが続いたりする 片麻痺:身体の片側が動かしにくい状態が続く 運動失調:動きがぎこちなくなり、バランスが取りにくくなる 高次脳機能障害:記憶力の低下、注意力の低下、半側空間無視などが起こる 高次脳機能障害は視床の周辺組織にも障害が及ぶことで起こります。 また、視床出血では脳室内に出血が広がりやすく、水頭症を併発することがあります。 視床出血の原因や発症メカニズム 視床出血が起こるメカニズムは以下の流れです。 段階 内容 1. 血管の損傷 高血圧により血管の内側が傷つき、動脈硬化が起こる 2. 血管の変化 血管の壁が厚くなったり、弾力性を失ったりする 3. 血管の破綻 血管全体の強度が低下し、高い血圧に耐えられなくなって破裂する 4. 出血の発生 破れた血管から血液が流れ出て、脳組織を圧迫する 視床出血のリスクとなる要因は、以下のとおりです。 高血圧 過度の飲酒 高齢 糖尿病 喫煙 脳卒中の既往 視床出血を予防するためには、日頃から血圧管理を徹底することが重要です。 視床出血は治る?治療方針と予後について 視床出血の治療は、出血そのものに対する手術は原則として行われず、内科的治療(保存療法)が中心となります。 これは、視床が脳の非常に深い場所にあり、手術で到達することが難しいことと、手術によって周辺の重要な神経を傷つけるリスクが高いためです。 治療の中心は「内科的治療」 「手術療法」が適応されるケース 予後は出血の程度と範囲によって異なる それぞれの治療法と予後について、詳しく見ていきましょう。 治療の中心は「内科的治療」 視床出血の内科的治療は、薬物療法を中心に血圧管理や栄養管理などを組み合わせて行われます。 治療の目的は、出血の拡大を防ぎ、合併症を予防し、残された脳機能を最大限に回復させることです。 主な治療内容は以下のとおりです。 治療法 目的と内容 血圧管理 降圧剤を使用して血圧を下げ、出血の拡大を防ぐ 止血治療 止血剤を投与して出血を止める 脳圧管理 脳圧降下剤を使用して脳のむくみを抑える 栄養管理 経口摂取が難しい場合は経鼻経管栄養や点滴で栄養を補給する リハビリテーション 全身状態が安定したら早期からリハビリを開始する とくに重要なのは、発症早期の厳格な血圧管理です。 血圧が高いままだと出血が拡大する危険があるため、慎重にコントロールします。 「手術療法」が適応されるケース 視床出血そのものに対する手術は基本的に行われませんが、合併症に対しては手術が必要になることがあります。 手術療法が検討されるのは、主に以下のケースです。 脳室内出血による水頭症が起こった場合 脳室が拡大して脳を圧迫している場合 意識障害が急速に悪化している場合 水頭症に対しては「脳室外ドレナージ」という手術を行います。 これは、頭蓋骨に小さな穴を開け、そこから脳室内にカテーテル(細い管)を挿入して、過剰にたまった脳脊髄液を体外へ流出させる方法です。 手術を行うかどうかは、患者さまの年齢、出血の大きさ、全身状態、合併症の有無などを総合的に判断して決定されます。 予後は出血の程度と範囲によって異なる 視床出血の予後は、以下の要因によって左右されます。 要因 予後への影響 出血量 10ml以下は予後が良好、25mlを超えると生命の危険が高まる 出血の広がり 中脳まで広がると生命の危険が高く、意識の回復も悪くなる 脳室内出血 脳室内に出血が広がると予後が悪化する 水頭症 水頭症を伴うと意識状態や認知機能の回復に影響する 年齢 高齢になるほど予後が悪く、とくに80歳以上は悪い傾向にある 意識レベル 発症時の意識レベルが低いと予後が悪い また、出血量が多い場合には、内包に出血が及んで片麻痺を伴いやすく、後遺症として残ることがしばしばあります。 予後を少しでも良くするためには、発症後すぐに適切な治療を受けること、厳格な血圧コントロールを行うこと、早期からリハビリを開始することが重要です。 視床出血の症状に関してよくある質問 視床出血の症状について、よくある質問を紹介します。 右側と左側の視床出血で症状は違う? 視床出血によって高次脳機能障害になる? 右側と左側の視床出血で症状は違う? 右側と左側の視床出血では、現れる症状に違いがあります。 脳は身体の反対側をコントロールしているため、右側の視床出血では左半身に、左側の視床出血では右半身に症状が現れます。 視床出血によって高次脳機能障害になる? 視床出血では高次脳機能障害が起こることがあります。 視床出血で現れる主な高次脳機能障害には、以下のようなものがあります。 記憶障害 注意障害 半側空間無視 失語症 遂行機能障害 感情の変化 これらの症状は、視床が脳の中心部に位置しているため、出血による血腫が周辺組織を圧迫することで起こります。 視床出血の症状・後遺症の治療には再生医療をご検討ください 視床出血は脳の奥深くにある視床という部位で出血が起こる病気で、感覚障害や片麻痺、意識障害、眼球障害、言語障害など、さまざまな症状が現れます。 主な原因は、長年の高血圧による動脈硬化です。 治療は内科的治療が中心となり、血圧管理や薬物療法、栄養管理などを行います。 視床出血の後遺症に対しては、再生医療という新しい治療選択肢があります。 再生医療は、脳出血の後遺症改善や再発予防を目的として行われます。 当院「リペアセルクリニック」では、視床出血をはじめとする脳卒中の後遺症に対する再生医療を提供しており、実際の改善症例も多くあります。 以下のページでは、再生医療によって5年間続いた脳出血の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 >5年間続いた脳出血の後遺症が改善した症例(50代男性)はこちら 後遺症治療だけでなく脳出血の再発予防も期待できるため、「再生医療について詳しく知りたい方」は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.11.28 -
- 脳梗塞
身近な方が脳梗塞で倒れ、「最初の一週間が山場だ」と耳にして、予断を許さない状況に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 結論、脳梗塞の発症から一週間は、症状が急変しやすい時期にあたります。 本記事では、脳梗塞は「発症から一週間が山」といわれる医学的な理由や、発症後の経過について詳しく解説します。 正しい知識を持つことが、焦る気持ちを落ち着かせ、患者さまを支えるための力となりますので、ぜひ参考にしてください。 また、脳梗塞の後遺症治療や再発予防には、先端医療である再生医療が選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した脳細胞の再生・修復を促すことで、後遺症の改善や再発予防につながる治療法です。 以下の動画では、当院の再生医療によって、脳梗塞後の半身麻痺が改善した症例を紹介していますので、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=78679C6V5B6tk-T_ 脳梗塞は「発症から一週間が山」といわれる理由とは 脳梗塞は「発症から一週間が山」といわれる理由は、症状が急変する可能性や脳のむくみ(脳浮腫)といった生命に関わるリスクがこの期間に集中して発生するためです。 一度治療が始まっても、症状が急変する可能性が高く、容体が安定するまでには一定の時間を要します。 本章では、症状の急変が一週間の間に起こりやすいのはなぜか、そのメカニズムと注意点について詳しく解説します。 ご家族としては心配な時期が続きますが、医療チームはこのリスクを予測し、24時間体制で管理を行っているため、信じて見守ることが大切です。 症状が急変する可能性があるのはなぜか 脳梗塞発症直後に入院して治療を開始した場合であっても、最初の数日間は症状が進行したり、悪化したりする可能性が残されています。 脳梗塞の症状が急変する可能性がある理由は、以下のとおりです。 血栓の拡大:詰まった血栓がさらに大きくなり、血流が途絶える範囲が広がる。 脳浮腫のピーク:発症から3〜5日後には脳浮腫のピーク※により脳が圧迫される。 側副血行路の不全:詰まった血管の代わりに働いていた「迂回ルートの血管」の血流が悪くなる。 血圧の変動:脳の血流を維持するために必要な血圧が下がってしまう。 再発:不安定なプラーク(血管のコブ)が剥がれ、新たな梗塞を作る。 ※出典:J-STAGE「脳梗塞患者における発症時脳・側脳室容積が回復期リハビリテーション後の歩行自立に及ぼす影響」 脳梗塞のタイプ(脳血栓症・脳塞栓症)によって症状の進行パターンは異なりますが、いずれの場合も最初の一週間は特に注意が必要です。 そのため、医師や看護師は頻繁に声をかけたり、手足の動きを確認したりして、わずかな変化も見逃さないよう厳重な監視を行っています。 脳梗塞の発症から一週間に行われる対応・治療 脳梗塞の発症から一週間は、時間経過とともに治療の目的が「救命」から「機能回復」へとスピーディーに変化していく期間です。 本章では、発症から時間経過ごとに行われる主な対応・治療について解説します。 24時間以内の対応 48〜72時間の対応 一週間経過後の評価とその後の対応 この一週間の流れを大まかに把握しておくことで、医師からの説明も理解しやすくなり、ご家族としての心構えも整いやすくなります。 変化する病状に対し、どのような医療介入が行われるのか、具体的に見ていきましょう。 24時間以内の対応 脳梗塞の発症から24時間以内は、「いかに早く血流を再開させ、脳細胞の死滅を食い止めるか」が重要です。 具体的には、病院到着までの時間に応じて、以下のような治療が検討されます。 治療法 詳細 t-PA静注療法(発症から4.5時間以内) 血栓を溶かす強力な薬剤を点滴で投与します。 劇的な回復が期待できる反面、出血のリスクもあるため慎重に適応が判断されます。 脳血管内治療(血栓回収療法) カテーテルという細い管を太ももの付け根などから入れ、脳の太い血管に詰まった血栓を直接絡め取ったり、吸い出したりします。 t-PAが使えない場合や、効果が不十分な場合に行われます。 抗血栓療法・脳保護療法 血液をサラサラにする点滴を行い、これ以上血栓が大きくならないようにすると同時に、脳細胞を保護する薬剤を使用します。 上記の治療は、集中治療室(ICU)や脳卒中ケアユニット(SCU)に入室し、24時間体制での厳重な管理が行われるのが一般的です。 発症直後はどれだけ早く治療を開始できるかで予後に大きな影響を与えるため、脳梗塞が疑われる症状が現れたら迷わずに救急車を呼びましょう。 48〜72時間の対応 脳梗塞の発症から48〜72時間は、脳の「むくみ(脳浮腫)」がピークに向かう時期のため、症状が急変しやすいタイミングです。 血流が戻ったとしても、ダメージを受けた脳細胞が水分を含んで膨らむことで、正常な脳組織まで圧迫してしまうリスクがあります。 この時期は、脳の圧力をコントロールするための治療と、早期回復へ向けた取り組みが並行して行われます。 脳浮腫への対策 詳細 抗脳浮腫薬の投与 グリセロールなどの薬剤を使用し、脳の水分を減らして圧力を下げます。 開頭減圧術 薬の効果が不十分で、脳の腫れが生命を脅かすほど強い場合には、一時的に頭蓋骨を外して脳の逃げ場を作る手術を行うことがあります。 また、容体が安定していれば、全身状態に注意しながら発症翌日ごろからリハビリを開始することが一般的です。 ベッド上で手足を動かしたり、座る練習をしたりすることで、寝たきりによる筋力低下(廃用症候群)を防ぐ狙いがあります。 一週間経過後の評価とその後の対応 脳梗塞の発症から一週間が経過すると、脳浮腫が徐々に落ち着き、急性期の危機的な状況を脱するケースが増えてきます。 この段階になると、治療の主軸は急性期治療から「再発予防」および「機能回復のための本格的なリハビリテーション」へと移行します。 具体的には、以下のような評価と方針決定が行われます。 評価項目 詳細 神経症状の再評価 麻痺の程度、言語障害、飲み込みの機能(嚥下機能)などがどの程度残っているかを詳しく評価します。 再発予防策の確立 脳梗塞の原因(不整脈、動脈硬化など)を突き止め、それに合わせた内服薬の調整や、食事・生活指導を開始します。 転院の検討 急性期病院での治療が終了した後は、リハビリ専門の「回復期リハビリテーション病棟」を持つ病院へ転院し、社会復帰へ向けた集中的なトレーニングを行う流れが一般的です。 脳梗塞の発症から一週間を乗り越えることは、回復への道のりのスタートラインに立ったことを意味します。 焦らず長期的な目線で、患者さまご本人の「治したい」という意欲を支えていくことが大切になるでしょう。 脳梗塞の回復には早期対応が重要!よく見られる症状に注意 「一週間が山」と言われる脳梗塞の急性期を乗り越え、その後の回復をスムーズにするためには、「発症時の初期症状にいち早く気づき、救急要請する」ことが重要です。 脳の細胞は血流が止まると短時間で壊死してしまいますが、発症直後であれば、特効薬やカテーテル治療によって改善する余地が残されているためです。 本章では、見逃してはいけない脳梗塞によくある症状について詳しく解説します。 顔や手足の麻痺、しびれ 呂律が回りにくいなどの言語障害 平衡感覚障害によるめまい、吐き気 目がぼやけ、かすみ 以下で、それぞれの症状について確認していきましょう。 顔や手足の麻痺、しびれ 脳梗塞の初期症状として代表的なものが、身体の片側だけに力が入りにくくなる「片麻痺」です。 麻痺によって、「食事中に箸を落とす」「歩行時に片足を引きずる」「片方の口角が下がる」といった変化が突然現れます。 また、「腕がしびれる」といった感覚の異常も、右半身か左半身の「片側だけ」に現れるのが特徴です。 特定の動作などの原因がなく突然発症するため、顔や手足の片側で麻痺やしびれ症状が見られた場合は、早期に医療機関を受診しましょう。 呂律が回りにくいなどの言語障害 呂律がまわりにくいなどの言葉の異常も、本人や周囲が気づきやすい脳梗塞の重要なサインです。 舌や唇が麻痺して「呂律が回らない」だけでなく、言いたい言葉が出てこなくなる「失語症」が見られるケースもあります。 「話している内容が支離滅裂になる」「相手の言葉が理解できず会話が成立しない」といった場合も、脳の言語中枢がダメージを受けている疑いがあります。 言語障害を自覚したら、早期に医療機関に連絡・受診して診断を受けましょう。 平衡感覚障害によるめまい、吐き気 小脳や脳幹の血流が悪くなり、平衡感覚機能(バランス機能)が損なわれることで、めまいや吐き気が生じることがあります。 「自分や天井がぐるぐると回るような激しいめまい」や、それに伴う「強い吐き気・嘔吐」が特徴です。 まっすぐ歩けずにふらついたり、同時に手足のしびれを伴ったりする場合は、単なる体調不良ではなく脳梗塞の可能性を疑いましょう。 立ち上がれないほどの強いめまいは、脳からの危険信号である可能性があるため、早期に医療機関を受診することが重要です。 目がぼやけ、かすみ 視力を司る脳細胞が影響を受けると、目そのものは健康でも見え方に異常が生じる可能性があります。 「物が二重に見える(複視)」や、「片方の視野が半分だけ欠ける(半盲)」といった症状が特徴的です。 症状を自覚したら片目を隠して見え方を確認し、視野の一部がカーテンを引いたように暗くなっている場合は注意しましょう。 上記のようなケースでは、眼科ではなく脳神経外科への受診が急務となります。 脳梗塞発症から一週間の山を超えても後遺症の可能性あり 脳梗塞の発症から一週間という急性期の「山」を越えれば、命に関わる緊急事態は脱したといえます。 しかし、一週間の山を超えた後は、麻痺や言語障害といった「脳梗塞の後遺症」や「再発リスク」と向き合うことが重要です。 本章では、脳梗塞の後遺症に対するリハビリテーションやご家族ができるサポート内容について解説します。 時期ごとのリハビリテーションが重要 家族ができるサポート 一度壊死してしまった脳細胞は元に戻りませんが、リハビリによって残された脳の回路を活発に働かせることで、失われた機能を取り戻したり、補ったりできます。 以下でそれぞれの内容について確認していきましょう。 時期ごとのリハビリテーションが重要 脳梗塞のリハビリテーションは、発症からの経過期間によって「急性期」「回復期」「生活期(維持期)」の3つのステージに分けられます。 それぞれの時期で優先すべき目的は異なりますが、一貫して「早期からの開始」と「切れ目のない継続」が適切な機能回復を促すための鉄則です。 各ステージでどのようなリハビリが行われるのか、具体的な内容を見ていきましょう。 急性期のリハビリ 脳梗塞の急性期(発症直後から2週間程度)のリハビリは、全身状態に注意したうえでベッド周辺でできることから開始されます。 「治療中に動かしてよいのか」と不安に思うかもしれませんが、早期のリハビリは、筋力が衰えて体が固まる「廃用症候群」を防ぐために不可欠です。 手足の関節を動かしたり、ベッドの上で寝返りを打ったり、端に座ったりすることから始め、早期の離床を目指します。 回復期のリハビリ 病状が安定した発症後数週間〜6ヶ月程度の回復期に行われるリハビリは、機能回復のための「ゴールデンタイム」です。 回復期は脳の神経可逆性(神経構造や機能を変化させる能力)が最も高く、この期間で集中的なリハビリを行うことで、新しい神経経路が形成され、後遺症の軽減や再発予防につながります。 多くの場合はリハビリテーション専門の病院へ転院し、一日平均2時間から最大3時間の集中的なトレーニングに取り組みます。 麻痺した手足の機能訓練に加え、歩行、食事、着替え、入浴といった「日常生活動作(ADL)」を自力で行えるようにし、自宅復帰や社会復帰を目指すことが目標です。 生活期(維持期)のリハビリ 生活期(維持期)は、退院後に自宅や施設での生活が始まってからのリハビリ期間を指します。 回復期で取り戻した機能が再び低下しないよう維持し、実際の生活や仕事の中で活かしていくことが目的となります。 病院での訓練とは異なり、デイケアや訪問リハビリを活用しながら、家事や趣味、散歩などを通じて「生活そのものをリハビリにする」という意識で継続することが大切です。 家族ができるサポート 脳梗塞を発症し、後遺症のリハビリを励む患者さまに対して、専門的な介護をすべて背負う必要はありません。 ご家族だからこそできるサポートとして、以下のポイントを意識してみましょう。 家族ができること 詳細 精神的なケア 小さな変化や回復を一緒に喜び、孤独感を和らげる声かけをする。 環境の整備 手すりの設置や段差の解消など、安全に暮らせる住環境を整える。 情報の共有 医師やリハビリスタッフと密にコミュニケーションを取り、本人の状態や家での注意点を把握する。 制度の手続き 介護保険や身体障害者手帳の申請など、公的支援を受けるための手続きを進める。 突然の脳梗塞や後遺症に戸惑い、リハビリに励む患者さまにとって、一番近くにいるご家族の存在は何よりの支えになります。 しかし、負担が大きいと感じる場合は、公的サービスを利用できるため、上手く活用することも重要です。 脳梗塞の一週間の山を超えた後の治療には再生医療をご検討ください 脳梗塞は、症状が急変する可能性や脳のむくみ(脳浮腫)といった生命に関わるリスクが集中する「発症から一週間が山」といわれています。 早期発見・早期治療によって山を超えた後も、麻痺・しびれや言語障害などの後遺症や再発リスクと向き合う必要があります。 しかし、いつまで続くかわからない長期間のリハビリテーションや再発予防に疲れてしまい、治療に前向きになれない患者さまも少なくありません。 そこで、近年の脳梗塞治療では、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した脳細胞の再生・修復を促す再生医療が注目されています。 これまでの医学では「一度死んだ脳細胞は戻らない」とされてきましたが、再生医療はその考えを覆す可能性を秘めている治療法として研究が進んできました。 当院リペアセルクリニックでも、再生医療によって長年悩まされていた脳梗塞の後遺症が改善した患者さまの症例もあります。 >10年前の脳梗塞による半身麻痺の後遺症が改善した症例(40代男性)はこちら 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院の無料カウンセリングにてご相談ください。
2025.11.28 -
- 頭部、その他疾患
- 脳出血
- くも膜下出血
「ズキズキとした頭痛はもやもや病の初期症状?」 「手足のしびれを感じることがあり、重い病気か不安」 一時的な頭痛や手足のしびれなどの症状があり、すぐに治まるものの重い病気ではないか不安を感じる方も多いでしょう。 本記事では、もやもや病の見逃してはいけない初期症状や、大人と子供の症状の現れ方について解説します。 ご自身やご家族の症状と照らし合わせ、受診を検討する際の判断材料としてお役立てください。 もやもや病の初期症状をタイプ別にチェック もやもや病には、脳の血流が不足する「虚血型」と血管が破れる「出血型」の2つのタイプに分かれ、初期症状の現れ方が異なります。 本章では、もやもや病の2つのタイプとそれぞれの初期症状の特徴を解説します。 もやもや病の種類とは 虚血型もやもや病の初期症状 出血型もやもや病の初期症状 それぞれの特徴や、どのようなサインに注意を向けるべきかについて詳しく見ていきましょう。 もやもや病の種類とは もやもや病は、症状の現れ方によって「虚血型」と「出血型」に分類され、それぞれ発症しやすい年代やメカニズムに違いがあります。 タイプ 発症メカニズム 特徴・傾向 虚血型 血管が狭くなり、脳への血流が不足する ・小児(特に5〜10歳)に多い ・一時的な麻痺や脱力感が主なサインとなる 出血型 血管が破れることで脳内出血が起きる ・成人(特に30〜50代)に多い ・突然の激しい頭痛や意識障害が起こるリスクがある もやもや病は、詰まった太い血管の代わりに細い血管(もやもや血管)が網目のように発達するのがこの病気の特徴です。 この細い血管が血液不足を補おうとして詰まるのが「虚血型」、耐えきれずに破れてしまうのが「出血型」とイメージすると分かりやすいでしょう。 また、もやもや病の有病率は男性に比べて女性が2倍多い※ため、女性に発症しやすい疾患といえます。 ※出典:難病情報センター「もやもや病(指定難病22)」 虚血型もやもや病の初期症状 虚血型もやもや病の初期症状は、脳への血液供給が一時的に滞ることで起こる「一過性脳虚血発作(TIA)」が代表的です。 ズキズキとした頭痛 手足のしびれや麻痺 言語障害 意識障害 痙攣発作 視覚障害 など 上記のような初期症状は一時的なものであることが多いため、見過ごしてしまう方も少なくありません。 運動後や入浴後など特定の状況下で繰り返し起こる場合や、徐々に持続時間が長くなったり、頻度が増えたりする場合は注意が必要です。 また、複数の初期症状が同時に現れる場合は、もやもや病の可能性を疑い、早期に医療機関を受診しましょう。 出血型もやもや病の初期症状 出血型もやもや病は、脳の血管が破裂して脳出血やくも膜下出血を起こすタイプで、緊急度の高い初期症状が見られます。 主な初期症状は、以下のとおりです。 突然の激しい頭痛 吐き気・嘔吐 意識レベルの変化 手足の麻痺 感覚障害 など 虚血型の初期症状を経て出血型に至るケースや、最初から出血型として発症するケースなどさまざまです。 激しい頭痛と同時に嘔吐や意識レベルの変化が見られる場合は、脳出血の可能性があるため、すぐに救急車を呼びましょう。 「いつもと違う頭痛」や「急激な体調変化」を感じた際は、ためらわずに医療機関に連絡することが予後に大きく影響します。 もやもや病の初期症状は大人と子供で違う? もやもや病の初期症状は、大人と子供(発症する年代)で、現れやすい症状のタイプやリスクの傾向が異なります。 年代ごとの違いは、以下のとおりです。 比較項目 子供 大人 主なタイプ 虚血型がほとんどで、出血型は稀 約30〜50%が出血型、残りが虚血型 主な初期症状 ・過換気に見られる手足の麻痺 ・痙攣発作を繰り返す ・勉強中の集中力低下 ・軽度な頭痛 など ・突然の激しい頭痛 ・吐き気、嘔吐 ・片側どちらかの手足の麻痺 ・言語障害 ・意識障害 など 進行リスク 脳の発達への影響、学習障害などにつながる可能性 脳出血による重篤な後遺症、生命に関わるリスク 子供は脳の血流不足による虚血型の症状が中心ですが、大人は血管が破れる出血型の可能性も考慮しなければなりません。 子供の場合は「脳の成長を守るための早期発見」、大人の場合は「命を守るための出血予防」が、それぞれの治療や対応における大きなテーマとなります。 年齢に合わせたリスクを把握しておくことが、適切な対応への近道となるでしょう。 もやもや病の初期症状をチェックするポイント もやもや病の早期発見のためには、初期症状そのものだけでなく、「どのような状況で症状が出たか」を観察することが大きな手がかりになります。 本章では、「日常生活」と「特定の状況下」の2つの場面で注意すべき症状について解説します。 日常生活で注意すべき症状 特定の状況下で起こる症状 日々の生活の中で見逃したくないサインを場面ごとに整理して確認していきましょう。 日常生活で注意すべき症状 まずは、特別な動作をしていない時でも現れる可能性のある、日常生活で注意すべき症状について解説します。 具体的には、以下のようなサインに注目しましょう。 注意すべき症状 具体的な症状の例 手足の動作異常 ・食事中に突然お箸やスプーンを落とす ・字を書いている時にペンをうまく握れなくなる ・歩いている時に足を引きずる、カクンと力が抜ける 感覚の異常 ・手足がピリピリとしびれる感覚を訴える ・顔の片側に違和感がある 言葉の異常 ・急にろれつが回らなくなる ・言いたい言葉が出てこない、言葉が理解できていない様子がある 脳の特定部位の血流が低下することで、上記のような身体の片側や言葉の機能に一時的なトラブルが生じることがあります。 これらの症状は「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれ、数分から数十分で消えてしまうことが多いため、疲れや気分の問題と誤解されがちです。 しかし、短時間でも「明らかに普段と違う」と感じた場合は、症状が出た時刻や持続時間をメモしておきましょう。 特定の状況下で起こる症状 もやもや病の初期症状は、特定の状況下で起こりやすい特徴があります。 主に以下のような状況下で初期症状が現れるか注目しましょう。 マラソンなどの激しいスポーツ後 暑いお湯に浸かった後 深呼吸をした後 激しく泣いたり、笑った後 もやもや病(特に虚血型)には、呼吸が激しくなる動作が引き金となって症状が現れやすいという大きな特徴があります。 過呼吸によって血液中の二酸化炭素濃度が下がり、脳の血管が収縮して血流がさらに悪くなるためです。 上記のような「息を深く吸う、または吐く」ときに見られる症状は、単なる疲れではなく、もやもや病特有のサインである可能性があります。 こうした特定の動作と初期症状がセットで起こる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 もやもや病の初期症状が疑われたら注意すべきこと もやもや病の初期症状は、一時的なものが多いため、「疲れのせいだろう」と自己判断して様子を見てしまいがちです。 本章では、もやもや病が疑われる際に注意すべきポイントを解説します。 一過性の症状を見逃さない 早期に医療機関を受診する 疑わしいサインに気づいた時点で、冷静かつ迅速に行動を起こすことが、将来的な脳梗塞や脳出血といった重篤なリスクを防ぐ大きな分かれ道となります。 ご自身やご家族の健康を守るために、これら2つのポイントを確認しましょう。 一過性の症状を見逃さない もやもや病の初期症状が一時的なものであっても、「治ったから大丈夫」と安心せず、その時の状況を詳細に記録することが重要です。 初期症状が消失しても、脳内の血流不足という根本的な問題が解決したわけではないからです。 医師に正確な情報を伝え、診断の精度を高めるために、以下の項目をメモしましょう。 項目 詳細 日時 いつ起こったか 状況 何をしていた時か (例:スポーツをしていた、お風呂に入っていた) 具体的な症状 身体のどこに、どのような変化があったか (例:右手が痺れた、言葉が出なかった) 持続時間 症状がどれくらい続いて、どのように治まったか 可能であれば、症状が出ている様子をスマートフォンなどで動画撮影しておくと、言葉で説明する以上に医師へ正確な状態を共有できます。 「些細なことかも」と思わずに、気づいた変化を積み重ねて記録することが、早期発見への貴重な手がかりとなります。 早期に医療機関を受診する もやもや病が疑われる初期症状が現れたときは、迷わず脳神経外科や神経内科などの専門機関を受診しましょう。 進行性の病気ですが、早期に発見し、適切な管理や外科手術(バイパス手術など)を行うことで、脳梗塞や脳出血のリスクを大幅に下げられることが分かっています。 受診を検討する際は、以下の診療科が窓口となります。 項目 診療科 子供の場合 小児神経科、小児脳神経外科 大人の場合 脳神経外科、神経内科 MRIやMRA(磁気共鳴血管画像)、脳血管撮影といった検査であれば、脳血管の状態を詳しく調べられます。 まずは検査を受けてみることが、未来の生活を守るための賢明な選択といえるでしょう。 もやもや病の初期症状に関してよくある質問 もやもや病の初期症状について、多くの患者さまやご家族が抱く代表的な疑問に対して回答していきます。 もやもや病の初期症状を放っておくとどうなる? もやもや病の寿命は? もやもや病の原因はストレス? 正しい知識を持つことが、過度な不安を和らげ、前向きに治療に取り組むための支えとなるでしょう。 それぞれ詳しく見ていきましょう。 もやもや病の初期症状を放っておくとどうなる? もやもや病の初期症状を放置することで、将来的に重篤な脳卒中(脳梗塞や脳出血)を引き起こすリスクを高めることにつながります。 進行性の病気であり、時間の経過とともに症状が深刻化する傾向にあるためです。 しかし、初期症状は一過性のため、数分から数十分で治まることが多いため、放置されやすいです。 また、無症状であっても、年間10%未満の頻度で脳卒中のリスクが存在するため、定期的な検査を受けましょう。 重篤なリスクを回避するために、「症状が治まったから」と放置せず、早期に検査を受けることが重要です。 もやもや病の寿命は? 「もやもや病=寿命が短い」というわけではなく、適切な管理と治療を受ければ寿命への影響を大幅に抑えられます。 かつては脳出血による突然死のリスクなどが強調されることもありましたが、現在は診断技術や外科手術(バイパス手術)の手法が確立され、予後は大幅に改善しています。 長期的な見通しを良くするためには、以下の点がポイントとなります。 適切な時期の手術:脳梗塞や脳出血を起こす前に、血流を改善する手術を行う。 定期的な検診:症状が落ち着いていても、血管の状態を定期的にチェックする。 生活習慣の管理:高血圧や喫煙など、血管に負担をかけるリスク因子を避ける。 もやもや病と正しく向き合い、適切なコントロールを続けることが重要です。 もやもや病の原因はストレス? ストレス自体がもやもや病を「発症させる直接の原因」ではありません。 もやもや病の根本的な原因はまだ完全には解明されていませんが、現在では「RNF213」と呼ばれる特定の感受性遺伝子が関与していることが分かっており、遺伝的要因が大きい※と考えられています。 ※出典:難病情報センター「もやもや病(指定難病22)」 ただし、症状を引き起こすきっかけとして、過度なストレスや激しい感情の起伏が関わっている点は理解しておく必要があります。 また、もやもや病の診断後は発作を避けるために、過度なストレスや疲労を溜めない生活を心がけることが大切です。 もやもや病の初期症状は見逃さずに医療機関を受診しよう もやもや病の初期症状は、一過性で数分から数十分で治まることが多いため、見逃されやすい特徴があります。 主な初期症状は、以下にまとめました。 虚血型 出血型 ・ズキズキとした頭痛 ・手足のしびれや麻痺 ・言語障害 ・意識障害 ・痙攣発作 ・視覚障害 など ・突然の激しい頭痛 ・吐き気・嘔吐 ・意識レベルの変化 ・手足の麻痺 ・感覚障害 など とくに出血型もやもや病の初期症状は、緊急性が高く、治療開始が遅れるほど予後に大きな影響を与えてしまいます。 上記のような初期症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診しましょう。 出血型もやもや病によって「脳出血」や「くも膜下出血」を発症すると、重篤な後遺症が見られるケースが多いです。 近年の治療では、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した脳細胞の修復・再生を促す再生医療が注目されています。 以下のページでは、再生医療によって脳出血後の運動機能や言語機能障害が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 >再生医療によって脳出血後の後遺症が改善した症例(80代男性)はこちら 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
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