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- スポーツ医療
ジムで上腕二頭筋を鍛えたり、重い荷物を持ち上げたりしたとき、腕が急に痛くなり「肉離れを起こしているかも?」と感じた経験がある方もいらっしゃるかと思います。 腕の筋肉に大きな負荷や、急激な負荷がかかると、肉離れ(筋断裂)を引き起こすケースも。 肉離れは一般的には太ももやふくらはぎに起こるイメージですが、実は腕もなる可能性があります。 本記事では、腕の肉離れの具体的な症状や、適切な治療方法をわかりやすく解説します。 肉離れの繰り返しを避けたい方は、手術不要の治療方法も参考にしてみてください。 また当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、腕の肉離れが重症化してしまった方に向けて、再生医療の症例や治療内容を紹介しています。 手術を回避し、より早く日常生活へ復帰するためにもぜひご確認ください。 腕の肉離れの症状について|打撲や筋肉痛との違いをチェック 腕の肉離れとは、上腕二頭筋(力こぶができる部分)の一部、または全部が断裂する症状です。 急に重いものを持ち上げたときや、肘を強くひねったり伸ばしたりすると、腕の肉離れを引き起こす場合があります。 筋断裂は痛みや内出血などを伴うため、似たような症状が出る打撲や筋肉痛と勘違いするケースもあります。 何が原因で腕が痛むのか、判断を誤ると適切な治療を受けられない可能性も。 痛みの原因が肉離れかどうかを判断する際は、次の項目をチェックしてみましょう。 具体的な症状や進行度などを知るためにも、ぜひ以下を参考にしてみてください。 腕の肉離れの主な症状と進行度 腕の肉離れが起きた場合、進行度に応じて以下の症状があらわれます。 腕の肉離れの進行度 主な症状 治療期間の目安 軽症 ・損傷部分の軽い痛み ・損傷部分を押すと痛む(圧痛) ・損傷部分の内出血 1~2週間 中等症 ・損傷部分の強い痛み(運動時に強く痛む) ・損傷部分の内出血や腫れ ・損傷部分の炎症 ・筋力低下 3~5週間 重症 ・損傷部分の激しい痛み ・損傷部分の内出血や腫れ ・損傷部分の炎症 ・筋力低下 ・筋繊維の完全断裂による運動制限 3~6カ月 軽症の段階では筋繊維がわずかに断裂しており、痛みの程度も軽いので、筋肉痛だと思い込んでしまうケースも。 しかし、腕に負荷のかかるトレーニングなどを続けると、筋断裂が大きくなるため、強い痛みや筋力低下を伴う場合があります。 上腕二頭筋の完全断裂により、腕の肉離れが重症化した場合は、手術が唯一の治療方法になる可能性もあります。 筋繊維の断裂は「ブチッ」という音がする場合があるので、断裂音とともに痛みが生じたときは、早めに医療機関で診察を受けておきましょう。 痛み・腫れ・内出血などの違い 腕の肉離れにはいくつかの見分け方があり、以下のように痛みや腫れなどの症状から判断します。 症状の種類 特徴 痛み 筋繊維の断裂時に刺すような痛みがあり、時間が経つと鈍痛に変わる 腫れ 筋断裂によって炎症が起こり、損傷部分が徐々に腫れる 内出血 内出血があった場合、損傷部分が青紫色になる 筋肉痛は数時間後や翌日などに痛みがあらわれるので、重いものを持ち上げた瞬間に腕が痛くなったときは、肉離れの可能性があります。 損傷部分にへこみがある場合、筋繊維の完全断裂が考えられるため、早急な治療が必要です。 また、筋肉が肘の方向に下がり、ポパイサインと呼ばれる盛り上がりになっている場合も、完全断裂が疑われます。 重度の肉離れになると、神経障害や筋肉の壊死につながる恐れもあります。 肉離れかどうかの判断が難しいときは、必ず専門医に診察してもらいましょう。 「筋断裂」や「腱損傷」との違い 筋肉は「筋」や「腱」で構成されており、筋断裂と腱損傷には以下の違いがあります。 上腕二頭筋を例にすると、「筋」は力こぶをつくったときに盛り上がる部分です。 「腱」には骨と筋肉をつなぐ役割があり、筋肉の先端部分になるため、アキレス腱をイメージするとわかりやすいでしょう。 筋肉の損傷度合いをあらわす場合、切れていなければ「損傷」、切れているときは「断裂」など、ダメージによって使い分けるケースが一般的です。 ただし、「損傷」の表現には「断裂」を含んでいる場合があるので、病院の診断結果が「腱損傷」だったときは、切れているかどうかも確認しておきましょう。 下記では肉離れを起こしやすい人の特徴について詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 >>肉離れしやすい人の特徴と原因|治療法も解説 二の腕や上腕二頭筋が肉離れを起こしやすいシーン・原因について 腕の肉離れが起きやすいシーンや、主な原因はある程度決まっています。 筋肉の酷使は肉離れを引き起こしますが、加齢が影響する場合もあるため、具体的な原因などは以下を参考にしてみてください。 腕の肉離れが起きやすいシーン 腕の肉離れの主な原因 ・腕を反復使用するスポーツ ・ジムでの筋力トレーニング ・重い荷物を扱う作業 ・上腕二頭筋の酷使 ・上腕二頭筋への強い衝撃(転倒など) ・上腕二頭筋周辺の疾患(肩の部分の疾患など) ・水分不足 ・加齢による筋肉の柔軟性の低下 ・ステロイド薬の連用 腕をよく使うスポーツは上腕二頭筋に負担がかかりやすいため、野球のバッティング練習も肉離れの原因となる可能性があります。 強い衝撃も肉離れの原因になりやすいため、ラグビーなどのぶつかり合うスポーツや、スキーやスノーボードの転倒にも要注意です。 体内の水分が不足している場合は、筋肉の柔軟性が損なわれるので、肉離れが起きやすい状態です。 また、高齢者も筋肉の柔軟性が低下しており、軽い荷物を持ち上げただけでも筋断裂を引き起こす恐れがあります。 ステロイド薬の連用については、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構の患者向医薬品ガイド(※)によると、腱断裂などのリスクがあるとされています。 ※参照:独立行政法人・医薬品医療機器総合機構 患者向医薬品ガイド「プレドニン錠5mg」 腕の肉離れを治療する際、常用している薬があるときは、必ず医師に伝えておきましょう。 腕の肉離れを早く治すための初期対応 腕の肉離れを早く治すためには、受傷後の初期対応が大切です。 肉離れの初期対応には以下の4種類があり、それぞれの頭文字から「RICE処置」と呼ばれています。 処置方法 処置の目的 具体的な処置内容 Rest(安静) 腫れの沈静化や神経障害などの防止 安静にして患部を動かさないようにする Ice(冷却) 腫れや炎症の沈静化と細胞壊死の防止 患部を氷や冷却シートで冷やす Compression(圧迫) 内出血や腫れを抑える 包帯などで患部を圧迫する Elevation(挙上) 血流をよくして腫れを防ぐ 心臓より高い位置に患部を持ち上げる 筋が切れた状態でスポーツなどを続けると、完全断裂の恐れがあるため、必ず安静にしておきましょう。 患部を冷却するときは、肌にタオルなどを当てると、冷やし過ぎを防止できます。 圧迫には内出血などを防止する効果があるので、少し強めに包帯を撒くとよいでしょう。 挙上の際には仰向けになり、二の腕の下にクッションを置くと、楽な姿勢で血流をコントロールできます。 なお、RICE処置は初期対応に過ぎないため、痛みが緩和されたとしても、自然治癒はあまり期待できません。 肉離れの初期対応が完了したら、早めに医療機関で治療を受けましょう。 肉離れの自己判断のポイント|病院に行くべき症状について 腕の肉離れが起きた際、病院に行くべき症状なのか迷ったときは、以下の基準で自己判断してみましょう。 該当する項目が多い場合、医療機関の診察を受ける必要があります。 診察のタイミングが早ければ、治療期間が短くなり、症状によっては手術の回避も可能です。 肉離れはレントゲンに写らないため、病院がMRI検査や超音波検査に対応しているか、事前に問い合わせるとよいでしょう。 診断結果が肉離れではない場合もありますが、痛みの原因と治療方法がわかれば、心理的な安心感にもつながります。 腕の肉離れ(筋断裂)の治療方法 腕の肉離れの治療方法には、以下のRICE処置やリハビリテーションなどがあります。 治療方法の種類 治療の内容 RICE処置 ・安静(安静にして患部に負荷をかけない) ・冷却(氷などで患部を冷やす) ・圧迫(包帯やテーピングによる圧迫) ・挙上(患部を心臓よりも高い位置に上げる) リハビリテーション ・ストレッチ(筋肉を伸ばして柔軟性を高める) ・筋力トレーニング(筋力の維持や向上) ・可動域訓練(関節の動きをスムーズにする) 薬物療法 ・湿布薬や塗り薬(痛みや炎症の沈静化) ・消炎鎮痛薬(ロキソプロフェンなどの鎮痛薬) 装具療法 ・三角巾やサポーター ・ギプス 手術 ・腱を骨に縫い付ける縫合術など RICE処置やリハビリテーションなどを保存療法といい、肉離れが軽症や中等症の場合は改善を期待できます。 上腕二頭筋が大きく断裂しており、痛みも強い場合は、手術で縫合するケースもあります。 スポーツなどを再開する際は、術後の経過が良好かどうか、医師の診断を受けておきましょう。 痛みを繰り返さない体づくりのための再生医療という選択肢について 腕の肉離れはクセになりやすいため、完治しても再発する可能性があります。 初期段階の肉離れは保存療法で治療しますが、患部の悪化防止を目的としているので、再発リスクの回避は難しいでしょう。 筋の完全断裂は手術で治療するケースが多く、少なくとも3カ月程度の入院期間が必要です。 痛みを繰り返さず、肉離れが起きにくい体をつくる際は、再生医療を選択肢に入れてみましょう。 再生医療には以下の特徴があるため、手術の必要がなく、体に負担がかかりにくい治療方法です。 手術に不安がある方や、長期入院が難しい方は、再生医療が解決策になる可能性があります。 再生医療は比較的新しい治療方法なので、より詳しい情報を知りたい方は、リペアセルクリニックの無料相談をご活用ください。 リペアセルクリニックでは、独自の技術で幹細胞を分化誘導し、組織の再生能力を高めているため、プロスポーツへの復帰も期待できます。 腕の肉離れについてよくある質問と回答 腕の肉離れが起きると、治療にかかる日数や筋断裂の調べ方など、さまざまな疑問が生じます。 症状によっては手術や入院が必要になるため、仕事や家事への影響を避けられない可能性も。 治療期間の目安などをあらかじめ知っておきたい方は、以下のよくある質問と回答を参考にしてみてください。 腕の肉離れは治るまで何日くらいかかる? 上腕二頭筋腱断裂を調べるためのテストにはどのような方法がある? 腕の肉離れは治るまで何日くらいかかる? 腕の肉離れが治るまでには、最短でも1週間程度が必要です。 治療期間の目安は以下のようになっており、症状の進行度によっては6カ月程度かかる場合があります。 症状の進行度 肉離れの状態 治療期間の目安 軽症 筋肉のわずかな損傷や一部断裂 1~2週間 中等症 筋繊維の一部断裂 3~5週間 重症 筋繊維の完全断裂 3~6カ月 軽症の段階で速やかにRICE処置を行うと、軽いスポーツなどは1~2週間程度で復帰できる可能性があります。 ただし、痛みが落ち着いても、筋繊維が完全回復しているとは限らないため、医療機関の診断が必要です。 中等症はリハビリを必要とするケースが多いので、症状に応じたメニューを専門医に組み立ててもらいましょう。 筋繊維が完全に断裂し、手術をする際は、完治までに3カ月以上かかる場合があります。 術後は装具による肩関節の固定や、筋力トレーニングを含むリハビリが必要になるため、根気強く続けていきましょう。 上腕二頭筋腱断裂を調べるためのテストにはどのような方法がある? 上腕二頭筋の腱断裂を調べたいときは、「フックテスト」を試してみましょう。 以下の手順でフックテストを行うと、腱断裂の状態がわかります。 正常な腱は左腕の方向に引っ張れますが、腱断裂している場合は引っ掛かりがありません。 腱は部分断裂している可能性もあるので、上腕二頭筋の状態を正確に把握したいときは、専門医にフックテストを行ってもらいましょう。 腕の肉離れは早期に適した処置を行うことで重症化を防ぎやすくなる 腕の肉離れは自然治癒が難しいため、放置しないように注意することが重要です。 肉離れが重症化すると、腱が骨から剥がれたり、慢性的な痛みを抱えたりするケースもあり、手術を避けられない場合も。 重いものを持つ動作や、スポーツの途中で強い痛みを感じたときは、早めに適切な処置を行いましょう。 筋力トレーニングが必要なアスリートなど、継続的に腕を酷使する方は、リペアセルクリニックの再生医療も検討してみてください。 リペアセルクリニックは札幌・東京・大阪に拠点があり、来院予約やメール相談は24時間受付けています。 また、リペアセルクリニックには以下の特徴があるため、納得できる治療方法の選択が可能です。 自分に合った適切な治療方法を選びたい方は、ぜひリペアセルクリニックの専門医にご相談ください。
2019.12.20 -
- ひざ関節
- スポーツ医療
膝に水が溜まったような感覚や膝の腫れに悩まされている方も多いのではないでしょうか。 膝に水が溜まると歩行時の痛みや不快感が生じ、日常生活に大きな支障をきたします。 この記事では、膝に水が溜まる主な原因や初期症状、水を抜く方法から根本的な治し方まで詳しく解説します。 膝の水で悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは手術を伴わない膝の疾患に対する治療法「再生医療」に関する情報をLINEで発信しております。 簡易オンライン診断も実施しているので、ぜひご登録ください。 膝に水が溜まるとは? 膝に水が溜まるとは、怪我や体重の増加など様々な原因により、滑膜という組織から分泌されている関節液が過剰に分泌されている状態のことです。 痛みや腫れなどの初期症状が出る場合があります。 この関節液は、健康な人でも膝関節に通常1~3ml程度ありますが、炎症などを起こした場合、30ml以上溜まることもあります。 炎症が起こった場合、関節液の分泌と吸収のバランスが崩れることにより、膝に水が溜まる状態となります。 膝に水が溜まる原因 膝に水が溜まる原因は、膝関節にある軟骨や滑膜組織の損傷による炎症です。 原因となる主な疾患は、以下の通りです。 変形性膝関節症 半月板損傷や靭帯損傷 関節リウマチや感染症 膝に水が溜まる原因を正しく理解して、適切な治療法を選択しましょう。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々にすり減っていく疾患です。 変形性膝関節症による軟骨の摩耗によって骨同士の摩擦が生じ、炎症が発生することで膝に水が溜まる原因となります。 加齢によって軟骨が摩耗しやすくなる中高年に多く見られ、日常的な膝の痛みや腫れを引き起こします。 半月板損傷や靭帯損傷 膝に水が溜まる原因として、半月板損傷や靭帯損傷をきっかけとした炎症が考えられます。 半月板は膝関節にある軟骨で、クッションの役割を持つ部位です。半月板損傷や靭帯損傷は激しいスポーツや日常生活の急な動きなどによって起こる可能性があります。 半月板損傷が起こると膝が腫れて、過剰に分泌された関節液が膝に溜まることがあります。 関節リウマチや感染症 関節リウマチは自己免疫の異常によって関節が慢性的に炎症を起こし、滑膜が充血して腫れあがることで過剰に関節液が分泌されます。 進行すると関節の変形を伴うリスクがあります。 また、怪我や膝関節の注射などにより細菌やウイルスが関節内に侵入し、急性の痛みや腫れが発生する感染性関節炎も原因の一つです。 虫歯菌が血管に入って膝まで運ばれる血行性感染も含まれます。 膝に水が溜まるときの初期症状 歩行時や曲げ伸ばしによる膝の痛み 膝周辺の熱感や腫れ 膝周辺の違和感 これらの症状を早期に認識することで、適切な治療を受けることができます。 歩行時や曲げ伸ばしによる膝の痛み 膝に水が溜まると、歩行時や階段の上り下りなど膝を曲げ伸ばしする際に痛みを感じます。 歩行時の膝の痛み 階段の上り下りでの痛み 膝の曲げ伸ばし時の痛み 正座や立ち上がり時の痛み 炎症が起こると滑膜組織から過剰に関節液が分泌されるほか、サラサラした水のような関節液になります。 サラサラの関節液では膝関節の負荷を軽減できず、骨と骨がぶつかるため、歩行時や膝の曲げ伸ばしの際に痛みが生じるのです。 膝周辺の熱感や腫れ 炎症が起きている状態では、膝関節の周囲が熱を持ち腫れることがあります。 膝が熱っぽく感じる 膝周辺が腫れている 膝の周りがブヨブヨしている 見た目で膝の腫れが分かる スポーツで怪我をした場合、傷や内出血だけでなく膝の腫れにも注意が必要です。 軟骨や滑膜組織が損傷し、膝に水が溜まっている可能性も視野に入れて早めに受診してください。 膝周辺の違和感 明確な症状がなくても、膝の周辺に違和感を感じるケースもあります。 膝が重たく感じる 膝に何かが入っているような感覚 膝を曲げ伸ばししづらい 膝がこわばる これらの違和感が特徴的です。関節液が過剰に溜まることで、膝関節の正常な動きが制限されて引き起こされます。 膝に水が溜まったときの対処法と流れ 膝に水が溜まったときは、主に以下の対処法を行います。 ①膝の水を抜く ②検査で原因を特定する ③原因を改善する治療を行う 自分で対処するのは難しいため、医療機関を受診して対応してもらいましょう。 ①膝の水を抜く 膝に水が溜まった場合、まず注射器を使って関節液を抜く処置を行います。 これは関節穿刺(かんせつせんし)と呼ばれる処置で、膝の痛みや腫れを一時的に和らげることができます。 処置は比較的簡単で、局所麻酔をした後に注射器で関節液を吸引します。 処置時間は数分程度で、即座に膝の張りや痛みが軽減されます。 ただし、水を抜くだけでは根本的な解決にはならず、原因を治療しなければ再び水が溜まる可能性があります。 ②検査で原因を特定する 膝の水を抜いた後は、なぜ水が溜まったのかを特定するための検査を行います。 主な検査方法は以下の通りです。 検査方法 検査内容 レントゲン検査 骨の変形や関節の隙間を確認 MRI検査 軟骨、半月板、靭帯の損傷を詳しく観察 関節液検査 抜いた関節液の性状や細菌の有無を調べる 血液検査 炎症反応やリウマチ因子を確認 これらの検査により、変形性膝関節症、半月板損傷、関節リウマチ、感染症など、水が溜まる原因を特定できます。 ③原因を改善する治療を行う 検査で原因が特定されたら、その原因に応じた根本的な治療を開始します。 原因によって治療法は大きく異なるため、適切な診断に基づいた治療選択が重要です。 軽度の場合は薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法から開始し、症状が改善しない場合は手術療法や再生医療などの選択肢を検討します。 原因を治療せずに水抜きだけを繰り返すと、膝の状態がさらに悪化する可能性があるため、根本的な治療が不可欠です。 膝に水が溜まる原因の治し方 膝に水が溜まった場合の治療は、症状の原因や程度に応じて選択します。 治療法 内容 保存療法 消炎鎮痛剤の投薬や膝周辺のリハビリ 手術療法 関節の修復や人工関節置換 再生医療 PRPや幹細胞を活用し、軟骨や組織の再生を促進 軽度の場合は保存的治療が基本となりますが、症状が改善しない場合は他の治療が必要です。 保存療法 膝に水が溜まった場合、まずは薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法から開始することが一般的です。 治療法 内容 薬物療法 消炎鎮痛剤の内服、ヒアルロン酸注射、ステロイド注射 物理療法 安静、圧迫、挙上(RICE療法)、温熱療法 リハビリテーション 膝周辺の筋力強化、柔軟性向上、歩行訓練 専門の理学療法士による指導のもと、膝周辺の筋力や柔軟性を強化することにより、再発を防止することが目的です。 手術療法 重度の変形性膝関節症や半月板・靭帯の損傷、リウマチを発症している場合などは、手術療法を行う場合があります。 疾患 手術方法 変形性膝関節症 人工膝関節置換術、骨切り術、関節鏡視下手術 半月板損傷 半月板縫合術、半月板切除術 膝の靭帯損傷 靭帯再建術、靭帯縫合術 リウマチ性関節炎 人工膝関節置換術、滑膜切除術 いずれも保存療法などによって改善が見られない場合に適用されるケースがほとんどです。手術を回避するためにも早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 再生医療 膝に水が溜まる症状では、PRPや幹細胞を利用した再生医療が治療の選択肢となります。 治療法 内容 PRP療法 患者さまの血液から抽出した血小板の濃縮液を用いて行う治療 幹細胞療法 患者さまの脂肪から幹細胞を採取・培養し、患部に投与する治療 再生医療は患者さま自身の血液や細胞を利用するため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 膝に水が溜まることについてよくある質問 膝に水が溜まる原因に関するよくある質問を5つ紹介します。 膝に水が溜まるのを自分で治す方法は? 太り過ぎは膝に水が溜まる原因になる? 膝に溜まった水は自然に消える? 膝の水を抜くストレッチはある? 膝に水が溜まるのを予防する方法は? 気になる疑問を解消して、症状の改善に向けた行動をとりましょう。 膝に水が溜まるのを自分で治す方法は? 軽度の腫れであれば、安静にして膝への負担を減らすと改善するケースがあります。 具体的には、膝を高く上げて横になる、冷却パックで冷やす、過度な運動を控えるなどの方法が有効です。 ただし、原因によっては医師の診断と治療が必要です。 とくに感染症やリウマチ、関節の損傷が疑われる場合は、薬物治療やリハビリが欠かせません。 症状が続く場合は、専門医に相談しましょう。 太り過ぎは膝に水が溜まる原因になる? 太り過ぎは体重過多によって膝への負担が大きくなるため、膝に水が溜まる原因になります。 体重が増えると膝関節にかかる負担が増し、軟骨や関節に過剰な圧力がかかるためです。 圧力がかかると軟骨の摩耗や炎症を引き起こし、膝に水が溜まる原因になります。 また、肥満は変形性膝関節症のリスクを高めます。体重管理を行い、膝への負担を減らしましょう。 膝に溜まった水は自然に消える? 軽度の炎症による一時的な水の蓄積であれば、安静にすることで自然に消えることがあります。 しかし、慢性的な疾患や重度の損傷が原因の場合は、自然治癒は期待できません。 水が溜まる原因を治療しなければ、水を抜いても再び溜まってしまいます。 症状が長期間続く場合や繰り返し水が溜まる場合は、必ず医療機関を受診して根本的な治療を受けることが重要です。 膝の水を抜くストレッチはある? ストレッチで直接水を抜くことはできませんが、膝周辺の筋肉をほぐし血流を改善することで症状の緩和が期待できます。 太もも前面のストレッチ 太もも後面のストレッチ ふくらはぎのストレッチ 膝の軽い曲げ伸ばし運動 ただし、痛みが強い場合や腫れがひどい場合は、ストレッチを行わず医療機関を受診してください。 無理な運動は症状を悪化させる可能性があります。 膝に水が溜まるのを予防する方法は? 適正な体重維持と膝周辺の筋力強化が最も効果的な予防法です。 適正体重の維持 太ももの筋力強化 運動前の十分なウォーミングアップ 運動後のクールダウンとストレッチ 正しい姿勢の維持 膝に負担をかける動作の回避 また、長時間のデスクワークで同じ姿勢を保つと血行不良になり、膝関節に悪影響を及ぼすため、定期的に姿勢を変更することも大切です。 日常生活での膝への負担を意識し、予防に取り組みましょう。 膝に水が溜まる原因の治療には再生医療をご検討ください 膝に水が溜まる原因は膝への過剰な負担や変形性膝関節症、細菌やウイルス性の関節炎など多くの原因があります。 症状として歩行時の痛みや熱感、腫れなどが現れ、日常生活に大きな支障をきたします。 治療法は症状の原因や程度によって異なり、保存療法や手術療法に加えて、再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、患者さま自身の血液や幹細胞を利用するため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 膝に水が溜まる症状でお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2019.12.16 -
- 足底腱膜炎
- スポーツ医療
足裏の疲れやすさや痛み・偏平足・足底筋膜炎などにお悩みの方で、足裏アーチサポーターの効果について知りたい方は多いのではないでしょうか。 足裏アーチサポーターは、足裏の痛みの緩和や負担の軽減が期待できますが、使用の際には注意したい点があります。 この記事では、足裏アーチサポーターの効果や種類、使用する際の注意点などを解説します。 また、足裏の痛みに対して根本的な治療に期待できる再生医療についても紹介しているので、参考にしてください。 足裏アーチサポーターの効果 足裏アーチサポーターは、足裏のアーチの働きを補助するために、土踏まずの部分にクッションがある装具で、足に通したりマジックテープで止めたりして足に装着します。 装着することで、主に以下のような効果が期待できます。 足底腱膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できる 歩行時の足底腱膜にかかる負担の軽減につながる この項目では、足裏アーチサポーターの主な効果を解説するので、一つずつみていきましょう。 足底筋膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できる 足裏アーチサポーターを着用すると、足底筋膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できます。 足の裏を軽く圧迫すると、マッサージのように筋肉の緊張がほぐれるためです。 しかし、重度の炎症によって足裏が強く痛む場合、強く圧迫すると痛みが増したり、足裏を傷つけて回復が遅れたりする恐れがあります。 足裏の痛みが強い場合は、整形外科を受診しましょう。 歩行時の足底筋膜にかかる負担の軽減につながる 足裏アーチサポーターを着用すると、歩行時の足底筋膜にかかる負担の軽減につながるものが多いです。 足裏のアーチは、横のアーチ・外側の縦アーチ・内側の縦アーチの3つで構成され、衝撃の吸収や身体のバランスを保つ役割を果たします。 しかし、土踏まずが低下する偏平足や、土踏まずが通常より高いハイアーチの方などは正しいアーチを保持できず、足裏に負担がかかります。 足裏に負担がかかり続けると、足裏のかかとから指の付け根をつなぐ足底腱膜に炎症が起きる足底筋膜炎を発症する恐れがあります。 クッション性のある足裏アーチサポーターで足裏のアーチを支えると、足裏が正しく機能して足裏の負担軽減が見込めます。 足裏アーチサポーターにはどんな種類がある? 足裏アーチサポーターの主な種類は、以下の通りです。 筒形でアーチ部分に装着するタイプ 靴下のように履くタイプ アーチ部分にパッドを当て、マジックテープで固定するタイプ インソールタイプ 筒形でアーチ部分に装着するタイプは、着用のしやすさが魅力ですが、比較的ずれやすい点に注意しましょう。 マジックテープで固定するタイプは自身でフィット感を調節しやすい点がメリットです。 また、商品によってアーチをサポートするパッド部分の大きさや厚みは異なるので、自分に合ったサイズを選んでみましょう。 足裏アーチサポーターを使用する際の注意点 足裏アーチサポーターを使用する際の注意点について解説します。 足裏の痛みの根本的な治療にはならない 締め付けが強すぎると炎症が悪化する可能性がある 痛みが続く場合は医療機関を受診することが重要 足裏アーチサポーターは、着用する時間やサイズに注意しましょう。 また、痛みが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。 足裏の痛みの根本的な治療にはならない 足裏アーチサポーターは、足裏の痛みや足底筋膜炎の根本的な治療にはなりません。 自分でできる足裏の痛みの対策は、ストレッチやマッサージ、靴の見直し、減量などが挙げられます。 医療機関では、炎症を抑える薬の服用やステロイド注射などです。 就寝時や休息時もサポーターを長時間着用すると足裏の筋力が低下し、さらにサポーターに依存してしまう可能性があります。 ストレッチやマッサージなどで足裏の負担を減らしつつ、補助的に足裏アーチサポーターを使用しましょう。 締め付けが強すぎると炎症が悪化する可能性がある 足裏アーチサポーターは、締め付けすぎると炎症が悪化する可能性があるので注意が必要です。 締め付けすぎて血流が悪くなると老廃物の排出が滞り、細胞内に溜まった老廃物が更なる炎症を引き起こす可能性が考えられます。 また、足の裏や周囲の組織に十分な酸素や栄養が届かず、回復が遅れる恐れもあります。 炎症の悪化だけでなく不快感や痛み、かぶれやかゆみなどのトラブルを引き起こす場合もあるので、着用の際は適切なサイズを選びましょう。 痛みが続く場合は医療機関を受診することが重要 足裏の痛みが続く場合は、足底筋膜炎などが発症している可能性があるため、医療機関の受診を検討しましょう。 足裏の痛みが続く際に考えられる病気は、以下の通りです。 足底筋膜炎:足底の足底筋膜と呼ばれる膜が、加齢や筋力の低下などで足裏に負担がかかり炎症を起こす 足底線維腫:足底筋膜への刺激や感染などで土踏まずにしこりができる モートン病:ヒールの高い靴の使用やスポーツなどで足の付け根付近に痛みやしびれを感じる 坐骨神経痛:腰から足先に渡って伸びる坐骨神経が損傷し、おしりや足裏に痛みやしびれを感じる 足底筋膜炎を放置していると、立ちっぱなしや動いているときに生じる痛みが激しくなったり、安静にしていても痛みが生じたりする難治性足底腱膜炎になる恐れがあります。 難治性足底腱膜炎になって半年以上経過すると、治療に数年かかる場合もあります。 長引く足裏の痛みにお悩みの方は、日常生活に支障が生じる前に医療機関を受診しましょう。 足裏アーチサポーターを利用した方が良い人の特徴 足裏アーチサポーターを利用した方が良い人の特徴を、以下にまとめました。 足底筋膜炎の方:サポーターで足裏の負担を軽減できる 偏平足の方:土踏まずが低下しているので、サポーターでアーチの形を補正する 外反母趾の方:横アーチの低下をサポートできる O脚・X脚の方:足裏のアーチの低下をサポートできる 長時間の立ち仕事の方:足裏やふくらはぎの疲労感を軽減できる 足裏のアーチの低下が原因で外反母趾やO脚・X脚を発症している場合があるので、治療と並行して補助的にサポーターを活用しましょう。 さらに、長時間の立ち仕事で足裏アーチサポーターを使用すると、足裏やふくらはぎの疲労が軽減できる※という研究結果があります。 ※出典:J-STAGE「足部アーチサポートを目的とした機能靴下の効果」 接客や介護、工場などの仕事で足が疲れやすい方は、足裏アーチサポーターを試すのも一つの手です。 【まとめ】足裏アーチの炎症(足底筋膜炎)を治療するなら再生医療も選択肢の一つ 足裏アーチサポーターの効果は、以下の通りです。 足底腱膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できる 歩行時の足底腱膜にかかる負担の軽減につながる 足裏アーチサポーターは足底筋膜炎や偏平足など、足裏のアーチのくずれによる足裏の不調や痛みにお悩みの方におすすめです。 しかし、足裏アーチサポーターで根本的な治療はできないので、痛みが長引く場合は医療機関の受診を検討しましょう。 また、足裏アーチの炎症(足底筋膜炎)を治療するなら、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療のPRP治療は、患者さまの身体に備わる治癒力を引き出し、痛みの軽減を目指す治療法です。 患者さまの血液を10~20㏄程度採取して、組織の修復を促進させる成長因子が多く含まれる血小板の多い部分を抽出し、患部に注射します。 そのため、足底筋膜炎の根本的な治療や再発を予防する効果が期待できます。 足底筋膜炎は痛みが改善しにくいことも多いため、現在の治療やサポーターで効果が見られない場合は、再生医療による治療も検討してみましょう。 PRP療法による治療に興味のある方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。
2019.12.13 -
- 足底腱膜炎
- スポーツ医療
普段の生活に影響をおよぼす、足のかかと部分の鋭い痛みにお悩みではないでしょうか。 もしかすると、かかとの痛みは足底腱膜炎の典型的な症状かもしれません。 しかし「足底腱膜炎かどうか確かめる方法が分からない」という、疑問を抱えている方もいるでしょう。 この記事では足底腱膜炎のセルフチェック方法から詳しい症状、発症原因、そして効果的な治療法までを詳しく解説します。 一般的な治療法に加え、足底腱膜炎に対する再生医療という新たな選択肢についてもご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。 足底腱膜炎かどうか確かめる方法【セルフチェック】 足底腱膜炎の疑いがある方は、以下の項目に当てはまるかどうかチェックしてみてください。 ☐ 朝起きて最初の一歩目にかかとの内側前方に強い痛みがある ☐ かかとの内側前方を指で押すと強い圧痛がある ☐ 足の指を上に反らすと痛みが増す ☐ 長時間座った後に立ち上がった直後に痛みがある ☐ 歩き始めは痛いが、しばらく歩くと痛みが軽減する ☐ 階段を上る時やつま先立ちをすると痛みが増す ☐ 夕方になると痛みが再び強くなる これらの症状が複数当てはまる場合は、足底腱膜炎の可能性があります。 ただし、かかとの痛みには様々な原因があるため、自己判断せずに整形外科など専門の医療機関で正確な診断を受けましょう。 足底腱膜炎が発症する原因 足底腱膜炎の発症の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。 長時間の立ち仕事や歩行による過剰な負担 体重増加による荷重負荷の増大 アーチが高すぎるまたは低すぎる足の形状的な問題 不適切な靴の使用 など 特にクッション性の低い靴や、サポート性の低いサンダルの使用は注意が必要です。 また、ランニングやジャンプなどのスポーツによるオーバーユース(使いすぎ)にも注意が必要です。 さらに、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱が硬い状態も、足底への負荷を高める要因となります。 このような要因が組み合わさることで、足底腱膜に慢性的な炎症が起こりやすくなる場合も。 靴の見直しや柔軟運動の習慣化など、日常生活から改善していくことが予防につながります。 足底腱膜炎の症状 足底腱膜炎の最も特徴的な症状は、朝起床して最初の一歩目に感じる強い痛みです。 この痛みは足底腱膜がかかとの骨に付着する部位(かかとの内側前方)に現れ、5〜10分ほど歩くと徐々に軽減していく可能性も。 しかし、日中の活動量が増えると、夕方にかけて再び痛みが強くなるパターンが見られます。 また、以下のような動作でも痛みが増すケースがあります。 階段を昇るとき つま先立ちをしたとき 長時間座った後に立ち上がったとき また、足の裏の内側の縁に沿って、焼けるような痛みや刺すような痛みを感じることもあり、歩行時の不快感につながる場合もあります。 足底腱膜炎の治療方法 足底腱膜炎の治療方法には、主に次の3種類があります。 理学療法 薬物療法 手術療法 一般的には保存的治療から始め、症状が改善しない場合には手術へ進んでいきます。 本章では、3つの治療法についてそれぞれ解説します。 理学療法 理学療法では足底腱膜炎の痛みを軽減し、炎症の抑制、足底への負担軽減を目的とした施術が行われます。 主なアプローチは以下の通りです。 ストレッチ運動 靴の調整と足底挿板(インソール)の使用 冷却療法(アイシング) アキレス腱や足底腱膜・ふくらはぎの筋肉を中心とした足裏全体の柔軟性を高めることで、過剰な牽引力を和らげ、症状の緩和が期待されます。 足底腱膜への負担を軽減するためには、足の形に合った靴の選択や足底挿板(インソール)の装着も効果的です。 クッション性やアーチサポートに優れたインソールを使うことで、かかとへの衝撃を吸収し、腱膜にかかる負荷を分散させられます。 また、氷や冷却パックを用いた冷却療法では、患部を冷やすことで炎症反応や腫れを一時的に抑える効果が期待されます。 こうした理学療法は、医師や理学療法士の指導のもとで症状や生活スタイルに応じて適切に行うことが大切です。 薬物療法 薬物療法は、主に足底腱膜炎による痛みや炎症を軽減するための基本的な治療法のひとつです。 症状の程度やライフスタイルに応じて、以下のような薬剤が使用されます。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) ステロイド剤の局所注射 最も一般的なのは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で、外用剤(塗り薬)や経口剤(飲み薬)などがあります。 痛みが強く、他の治療で効果が不十分な場合には、ステロイド剤の局所注射を行うこともありますが、副作用のリスクもあるため慎重に行う必要があります。 手術療法 手術療法は保存的治療でも症状の改善が見られない重症例に対して検討されます。 代表的な手術方法は、以下の通りです。 筋膜切離術 骨棘(こつきょく)切除術 内視鏡手術 最近では、体への負担が少ない内視鏡手術も行われるようになっています。 手術後はリハビリテーションが重要で、適切な回復プログラムに従うことで日常生活やスポーツ活動への早期復帰が目指せます。 足底腱膜炎を治すには再生医療も選択肢の一つ 一般的な治療法で改善が見られない足底腱膜炎に対しては、再生医療が一つの選択肢となります。 再生医療の一つ、PRP(多血小板血漿)療法では、患者さま自身の血液に特殊な加工を施し、患部に注入します。これにより、足底腱膜の損傷部位にアプローチする治療法です。 入院を伴うほどの大きな手術を必要としないのも再生医療の特徴で、とくにPRP療法では最短30分で治療が行えます。 再生医療について詳しくは、以下のページもあわせてご覧ください。 【まとめ】足底腱膜炎の症状が緩解しない場合は当院へご相談ください 足底腱膜炎は適切な治療を行うことで多くの場合、改善が期待できますが、症状が長引く場合もあります。 従来の治療法で十分な効果が得られない方は、当院「リペアセルクリニック」の再生医療をご検討ください。 当院では、PRP療法や幹細胞治療など患者さま一人ひとりの症状に合わせた治療プランをご提案いたします。 まずはお気軽に当院まで、お悩みの症状についてご相談ください。
2019.12.08 -
- スポーツ医療
- 再生治療
筋断裂は、その名の通り筋線維が断裂を起こす疾患を指します。筋断裂からなる一部の状態は肉離れとも呼ばれます。 そんな筋断裂で注意すべきは後遺症です。適切な対処をしないと、長期にわたり痛みや動きの制限に悩まされることもあります。 本記事では、筋断裂の後遺症の症状と、その治療法についてお伝えします。 筋断裂による後遺症 筋断裂は深刻な筋肉の損傷であり、適切な治療と管理が行われない場合、長期的な影響を及ぼす可能性があります。 以下は、筋断裂による主な後遺症です。 コンパートメント症候群 骨化性筋炎 筋断裂による後遺症について解説します。 コンパートメント症候群 ふくらはぎには計4つ(前部・外部・浅後部・深後部)の区画された部屋のような部分があり、筋断裂による内出血で区画されたいずれかの部分に血液が溜まってしまいます。 区画内で血液が溜まってしまうとその中にある血管や神経が圧迫され、痛みやしびれなどの症状が出ます。 また、区画内の組織が強く圧迫された状態になると筋肉の壊死や神経障害を引き起こし、さまざまな機能障害の後遺症が残る可能性があります。 骨化性筋炎 骨化性筋炎とは、筋肉内に骨様組織が形成されることによって、腫れや痛み、関節の動きに制限がかかるなどの症状が出る疾患です。 筋断裂で内出血を起こし血液が溜まったところにカルシウムが沈着し、石灰化してしまうことが原因です。太ももの前側のように、骨に近い部位で筋断裂が起こった際に発生しやすい点が特徴です。 筋断裂による後遺症を防ぐために重要な「RICE処置」とは? RICE処置は、以下の頭文字を取った応急処置です。 Rest(安静) Icing(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上) 後遺症を防ぐためには、外傷の応急処置を適切に行う必要があります。RICE処置が早ければ早いほど、ケガの早期回復が期待できます。 ただし、RICE処置はあくまで応急処置ですので、処置の後は必ず医療機関を受診して適切な治療を受けてください。 筋断裂による後遺症の治療方法 筋断裂による後遺症の治療方法を紹介します。 コンパートメント症候群の治療方法 骨化性筋炎の治療方法 後遺症によって治療法が異なります。 コンパートメント症候群の治療法 筋膜切開 必要に応じて高カリウム血症を治療 必要に応じて横紋筋融解症を治療 症状が軽減しない限り、筋膜切開が行われます。循環不全によって滞った血液の流れを元通りに戻す手術です。 治療が遅れると筋肉が壊死して、横紋筋融解症や高カリウム血症などの合併症により重症化する可能性があります。さらに放置すると命に関わる感染症を引き起こす場合があるため、早急な治療が必要です。 骨化性筋炎の治療法 骨化性筋炎は、症状の重さによって治療方法が異なります。主に以下の治療が行われます。 活動制限、電気療法などの保存療法 骨を除去する手術療法 保存療法での治療中は、足に負担をかけないために患部を固定します。 保存療法で症状の改善が見られない場合や、症状が進行している場合には手術が検討されるケースがあります。 筋断裂の早期回復を目指せる選択肢として「再生医療」をご検討ください 再生医療は、患者さま自身の細胞を用いた治療法で、拒否反応やアレルギーのリスクが低い治療法です。 患者さまの幹細胞を採取して加工し、投与するので入院・手術の必要がありません。 筋断裂の治療でお悩みの方や、スポーツに早期に復帰したい方は再生医療をご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療の提供を行っています。 無料のメール相談、オンラインカウンセリングを承っているので、ぜひお気軽にご相談ください。 筋断裂の予防・再発防止のためにできること 筋断裂の後遺症を予防するには、応急処置が大切です。しかし、筋断裂そのものを予防することがさらに重要です。 筋断裂を予防するために、日ごろからストレッチを行い筋肉の柔軟性を確保しましょう。 ストレッチを行う際は、筋肉への負担が少ない「筋肉が縮みながら力を発揮する動き」が好ましいです。具体的には階段を上る、ダンベルを持ち上げるといった動作です。 反対にダンベルをゆっくり下ろす動作やスクワットでしゃがむ動作など「筋肉が伸びながら力を発揮する動き」は負荷が大きく筋損傷のリスクがあるため、慎重に行う必要があります。 筋肉が伸びている状態で大きな力が加わることで筋損傷を引き起こすケースが多いです。 日ごろの筋肉トレーニングやストレッチに加え、スポーツで使う筋肉を鍛えておきましょう。 筋断裂の後遺症に関するよくある質問 筋断裂の後遺症に関してのよくある質問を紹介します。 筋断裂と肉離れの違いは? 筋断裂の後遺症は治らない? 筋断裂やその後遺症に関してお悩みの方は参考にしてください。 筋断裂と肉離れの違いは? 筋断裂と肉離れは混同されがちですが、実際は程度が異なります。 筋断裂 筋肉の線維が完全に切れてしまう 肉離れ(筋挫傷) 筋肉の線維が部分的に損傷する 筋断裂は、筋肉の線維が完全に切れてしまう重度の損傷を指します。一方で肉離れは、筋肉の線維が部分的に損傷する状態で、軽度から中程度までさまざまです。 筋断裂は肉離れよりも重症度が高く、完全に回復するまでにより長い時間がかかります。また、後遺症のリスクも高くなります。肉離れでは、痛みや不快感はあるものの、通常は筋断裂ほど重症ではありません。 筋断裂の後遺症は治らない? 筋断裂の後遺症は、適切な治療とリハビリテーションによって多くの場合改善されます。しかし、完全に元の状態に戻るかどうかは、損傷の程度や部位・個人の回復力・治療の質によって異なります。 たとえば、コンパートメント症候群や骨化性筋炎などの重度の合併症では、早期の適切な治療が行われなかった場合、永続的な機能障害が残る可能性があります。 一方で、適切な治療とリハビリテーションを受けることで、多くの方が日常生活やスポーツ活動に復帰されています。 重要なのは専門医の指導の下で、個々の状況に応じた適切な治療計画を立て、忍耐強くリハビリテーションに取り組むことです。 【まとめ】筋断裂の後遺症を防ぐには初期対応が重要 筋断裂の後遺症を防ぐには、受傷直後の応急処置が大切です。痛みを軽減するだけでなく、ケガの早期回復にも効果が期待できます。 筋断裂の後遺症を残さないためにも、医療機関で適切に治療を受けることが大切です。 筋断裂の後遺症を予防するのも大切ですが、筋断裂そのものを防ぐために、スポーツ前の準備運動を欠かさず行いましょう。 スポーツによる筋・腱・靭帯の損傷には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療について詳しく知りたい方や、治療を検討している方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2019.12.02 -
- ひざ関節
- スポーツ医療
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ロードバイクで鵞足炎の可能性!膝の痛みがあるなら疑うべき ロードバイクで気持ちよく颯爽と駆け抜ける中、急に膝の痛みが…。その痛みは、もしかすると鵞足炎かもしれません。今回はロードバイクで鵞足炎になるのかについて、また、鵞足炎の症状や原因について解説します。 ロードバイクで膝の痛み…鵞足炎を発症することもある 久しぶりにロードバイクを楽しんでいたら、膝に痛みが…。という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そして、その痛みは鵞足炎かもしれません。 鵞足炎とは、膝を取り巻く3つの筋肉が合わさる鵞足という部分に炎症を生じる病気で、内側に膝を曲げたりするようなスポーツにより、過度な負荷がかかることによって起こります。 そして、ロードバイクでは、誤ったフォームによる膝への過度な負担が引き金となって、鵞足炎を発症するケースがあります。 ロードバイクで鵞足炎にならないようにするには? 鵞足炎はウォーミングアップが足りない、オーバートレーニングなどが原因の1つになります。ロードバイクだけでなく、スポーツなど体を動かす前には十分なストレッチやウォーミングアップが必要不可欠です。 また、ロードバイクの誤ったフォームとして、つま先が外側に向いてしまう、膝を内向きにして漕いでしまうという2つが挙げられます。このようなフォームでロードバイクを続けると、疲れが溜まりやすいですし、疲れがたまると、フォームへの意識が疎かになることがあります。 ロードバイクでは、きちんとしたフォームが大事!自分のフォームを見つめなおしましょう。 繰り返す鵞足炎の痛みでロードバイクが楽しめない!再生医療という最新療法 鵞足炎は一度発症すると何度も再発しやすい病気です。せっかくロードバイクを楽しんでいても、再発が怖い、痛みがあってロードバイクすら乗れないという方は、再生医療という治療法を検討してみてはいかがでしょうか。 現在ではPRP療法といって、自分の血液から取り出した血小板を濃縮し、その液体を直接患部に注射して血小板のもつ修復作用で病気を治すという治療法があります。 入院や手術の必要もありませんし、体に負担がかかりにくいというメリットもあります。 まとめ・ロードバイクで鵞足炎の可能性!膝の痛みがあるなら疑うべき 鵞足炎は予防をすることができる病気ですが、完全に発症を防ぐということはできません。ロードバイクが趣味という方には、膝の痛みは致命的な症状と言えるでしょう。鵞足炎を発症しないためにも、十分なウォーミングアップと適切なフォームの見直しをこころがけましょう。 また、何度も鵞足炎を繰り返すという方は再生医療という治療を選択するのも1つの選択ですよ。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2019.10.20 -
- 肩
- スポーツ医療
「投球時に肩が痛い」「肩腱板損傷と診断されたけど、本当に野球を続けられるのか」といった不安を抱えている野球選手の方も多いのではないでしょうか。 肩腱板損傷は、特に投手や外野手など肩を酷使するポジションの選手にとって避けて通れないケガの一つです。 しかし、正しい知識と適切な治療を受けることで、選手として再びマウンドやフィールドに立つことが可能です。 この記事では、野球選手の肩腱板損傷について、その原因から最新の治療法まで分かりやすく解説します。 野球をプレーしていて、現在肩の痛みで悩んでいる・肩腱板損傷と診断された方は、痛みを気にせずに競技を楽しむためにも、ぜひ参考にしてください。 肩腱板損傷とは?野球選手に多い理由とその影響 肩腱板損傷とは、肩の動きを支える筋肉と腱(腱板)が傷ついた状態で、肩の痛みや運動障害を引き起こすケガです。 野球選手に肩腱板損傷が多い理由は、投球動作の特殊性と繰り返しの負荷にあります。 投球時には肩関節が極端な位置まで動かされ、腱板に大きな負担がかかるのが理由です。 肩腱板損傷により投球時の痛み、球速低下、制球力の悪化などが現れますが、早期の適切な対処により競技復帰の可能性を高められます。 野球選手が肩腱板損傷を予防するために取り入れるべきトレーニングとセルフケア 肩腱板損傷を予防するには、日常的なトレーニングとケアが何より重要です。 トレーニングとセルフケア方法として、以下をご紹介します。 肩甲骨周辺の強化・可動域アップ フォーム改善と投球制限 アイシング・ストレッチをしっかり行う これらの予防法を継続的に実践することで、肩腱板損傷のリスクを大幅に軽減できます。 肩甲骨周辺の強化・可動域アップ 肩甲骨周辺の筋肉を強化し、可動域を広げるストレッチを2つご紹介します。 肩甲骨はがしストレッチ 両手を肩の高さで前に伸ばし、手のひらを合わせる 息を吸いながら、両腕を大きく後ろに引く 肩甲骨を背骨から引き離すように意識する 息を吐きながら、ゆっくりと元の姿勢に戻る これを10回程度繰り返す 肩甲骨を背骨から引き離すように動かすストレッチです。 デスクワークなどで固まりがちな肩甲骨周りの筋肉をほぐし、柔軟性を高めます。 チューブローイング 床に座り、足を軽く伸ばす ゴムチューブを足の裏に引っ掛け、両端を握る 背筋を伸ばし、胸を張った状態を保つ 肘を曲げながら、チューブを身体の後ろに引く 肩甲骨を背骨に寄せるように意識する 10~15回を3セット行う ゴムチューブを使って肩甲骨を内側に引き寄せる筋肉を鍛えるトレーニングです。 投球時の肩甲骨の安定性向上が期待できます。 フォーム改善と投球制限 正しい投球フォームの習得と適切な投球制限は、肩腱板損傷予防の基本です。 以下のポイントを意識して、投球フォームを見直しましょう。 肩甲骨を寄せて胸を張る姿勢を保つ 下半身の力を上半身に伝える動作を意識する 腕の振りは肩甲骨の動きと連動させる リリース後は自然な腕の振り下ろしを行う 腕だけでなく全身を使った投球動作を心がけることで、肩への負担を分散できます。 また適切な投球制限としては、以下の通りです。 年齢 1日の投球数目安 小学生 50球以下 中学生 70球以下 高校生 100球以下 年齢や体力に応じた投球数の管理は、オーバーユースによる肩腱板損傷を防ぐためにも欠かせませんので必ず守りましょう。 アイシング・ストレッチをしっかり行う 練習後は以下のようにアイシング・ストレッチをしっかり行いましょう。 投球直後から30分以内に開始する 氷嚢やアイスパックを肩に当てる 15~20分間継続する 皮膚を保護するタオルを間に挟む 血行が悪くなりすぎないよう注意する 投球後のアイシングは、肩関節の炎症を抑制し、腱板の回復を促進するため、適切な時間と方法で行うことが重要です。 また、肩関節と腱板の柔軟性を維持するため、肩甲骨はがしストレッチなどを日常的に行いましょう。 テーピングやサポーターの使用をする場合は、以下の記事をご覧ください。 肩腱板損傷の治療法 現在は以下の治療法があるため、肩腱板損傷の診断を受けても、決して諦める必要はありません。 保存療法 手術 再生医療 治療法の選択は症状の程度や個人の状況によって決まりますが、どの方法でも多くの選手が競技復帰を果たしています。各治療法について詳しく見ていきましょう。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに肩腱板損傷を治療する方法です。 保存療法では主に以下の3つのアプローチが組み合わせて行われます。 安静 薬物療法 リハビリテーション まず、損傷した腱板の回復を促すため、投球動作を一時的に中止しつつ、完全な安静ではなく日常生活に支障のない範囲での活動を継続しましょう。 次に、痛みや炎症を抑えるために主に消炎鎮痛薬による薬物治療が行われ、症状に応じて内服薬や外用薬が選択されます。 理学療法士の指導のもと、筋力強化・可動域訓練・投球動作の再習得などを含む段階的なリハビリテーションが実施され、競技復帰に向けて計画的に進められるのです。 手術 保存療法で改善が見られない場合や、肩腱板の完全断裂がある場合には手術が検討されます。 現在の主流は関節鏡視下手術と呼ばれる、切開が小さく体の負担が少ない手術です。 カメラを使って関節内を確認しながら、損傷した腱板を修復します。 復帰までの期間目安は以下のとおりです。 復帰期間の目安 活動内容 手術後6週間 固定期間、基本的な日常生活動作 3~6ヶ月 可動域訓練、筋力トレーニング 6~9ヶ月 段階的な投球動作の再開 9~12ヶ月 競技復帰 手術後のスポーツ復帰には時間を要しますが、段階的なリハビリテーションにより、多くの選手が元のレベルまで回復できます。 再生医療 肩腱板の手術には、感染症や痛みの増加、運動制限の悪化などのリスクが伴います。 そこで手術を避けたい方に向けた新しい治療選択肢として注目されているのが、再生医療です。 再生医療の一つ、幹細胞治療では、患者さまの幹細胞を採取・培養して、患部に注射します。 幹細胞は体内の様々な種類の細胞に変化する能力があり、損傷部位に投与すると、必要とされる特定の細胞の種類へと変化するのが特徴です。 手術せずに野球に復帰したいという方は、選択肢の一つとして再生医療もご検討ください。 肩腱板損傷に対する再生医療についての詳細は、以下で解説していますのでぜひご覧ください。 【まとめ】野球を続けるためには肩腱板損傷は放置せずに早期治療を 肩腱板損傷の治療法選択は、損傷の程度、年齢、競技レベル、個人の希望など様々な要因を総合的に考慮して決定されます。 手術後の競技復帰には、以下の期間がおおよその目安とされています。 復帰期間の目安 活動内容 手術後6週間 固定期間、基本的な日常生活動作 3~6ヶ月 可動域訓練、筋力トレーニング 6~9ヶ月 段階的な投球動作の再開 9~12ヶ月 競技復帰 貴重な競技生活を無駄にしないためにも、手術を避けたいという方は再生医療も一つの選択肢としてご検討ください。 幹細胞治療は、患者さまご自身の幹細胞を採取・培養し、損傷部位に注射することで、手術を行わずに自然な回復を促す治療法です。 身体への負担も比較的少なく、競技復帰を目指すことが期待できます。 治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも詳細を解説していますので、ぜひ参考にして前向きに治療に取り組み、再び野球を楽しめる日を目指しましょう。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.09.10 -
- 腰
- スポーツ医療
「ジャンプの着地で腰に違和感がある」「ディフェンス姿勢を長く続けると腰が痛くなる」そんな悩みを抱えていませんか? バスケットボールは、腰痛が起こりやすいスポーツの1つです。 バスケ選手の腰痛は、腰を低く保つディフェンス姿勢や、ジャンプ・着地を繰り返すシュート動作など、プレー特有の動きが原因で起こります。 放っておくと症状が悪化し、練習や試合に支障をきたすだけでなく、日常生活にも影響を及ぼすことがあります。 本記事では、バスケで腰痛が起こる原因や治療法について、詳しく解説します。 「プレーを続けたいけど、腰が痛くて思うように動けない」といったときは我慢せず、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 バスケによる腰痛を改善するための治療法 バスケによる腰痛を改善するためには、以下の3つの治療法があります。 保存療法 手術療法 再生療法 自身に合った治療法で腰痛を改善し、スポーツや日常生活への早期復帰を目指しましょう。 保存療法 バスケによる腰痛を改善する方法に、保存療法があります。 保存療法とは、生活習慣の改善や痛み止めの内服などで、症状の改善を目指す治療法です。 腰痛があるときは、腰への負担を軽減するために、以下のポイントを押さえ安静に過ごすことが大切です。 ストレッチを行う アイシング(患部の冷却)を行う テーピングやサポーターを使用する 症状に合った薬を処方してもらう 保存療法を行っても症状の改善がみられない場合は、医療機関と相談し、ほかの治療法を検討しましょう。 手術療法 痛み止めの内服やブロック注射などの保存療法を行っても症状の改善がみられない場合は、手術療法による治療を行います。 手術療法の適応となる主な疾患は、以下のとおりです。 腰椎分離症 椎間板ヘルニア 変形性腰椎症 手術では、腰痛の原因となっている神経の圧迫を解除し、痛みを取り除きます。 腰痛の根本的な原因を取り除ける治療法ですが、入院やリハビリ期間が必要な点に注意が必要です。 再生療法 バスケによる腰痛は、再生療法による治療法で改善が期待できます。 再生療法とは、患者様自身の幹細胞を利用して損傷した組織の修復を促す治療法で、以下の特徴があります。 筋膜や筋肉の損傷による腰痛の場合は、再生医療で回復を促すことで治療期間を短縮できる可能性があります。 バスケによる腰痛対策に!今すぐできるセルフケアとストレッチ方法も紹介 バスケによる腰痛対策には、以下のセルフケアやストレッチが効果的です。 広背筋のストレッチ 1.四つん這いになり、右手を左手の前につく 2.手を固定したままお尻を後ろへ引く 3.反対側も同様に実施する 大胸筋のストレッチ 1.仰向けで大の字になる 2.肩と左足を固定したまま、右足をクロスする 3.右足側も同様に実施する 腰痛の再発を防ぐためには、ストレッチだけでなく、体幹を鍛えるトレーニングも合わせて行うことが大切です。 バスケットボール特有の動きが腰を痛める理由|プレー中の動きと起こるリスクがある症状も解説 バスケットボールでは、以下の特有の動きが原因で腰を痛める場合があります。 ディフェンス時の前かがみ・中腰姿勢による慢性的な負担 急な方向転換やストップ動作|筋・筋膜性腰痛(ぎっくり腰) ジャンプや腰を反らすプレーの繰り返し|腰椎分離症 ジャンプ動作・何度も繰り返される着地の衝撃|椎間板ヘルニア 繰り返しの負荷で椎間板や骨に変性が起こる|変形性腰椎症 腰痛があるときに無理にプレーを続けると、症状が悪化する恐れがあるため注意が必要です。 ディフェンス時の前かがみ・中腰姿勢による慢性的な負担 バスケのディフェンスでは、前かがみや中腰の姿勢をとるため、腰へ慢性的な負担がかかりやすくなります。 腰を低くする姿勢は、瞬発力が上がるメリットがありますが、腰痛を起こしやすいため注意が必要です。 とくに、高身長の選手は姿勢が崩れやすく、自身では姿勢の悪さに気づかない場合もあります。 慢性的な腰痛があるときは、周りの方にプレーを見てもらい、姿勢を改善していくことが大切です。 急な方向転換やストップ動作|筋・筋膜性腰痛(ぎっくり腰) 急な方向転換やストップ動作は、筋・筋膜性腰痛(ぎっくり腰)を発症しやすいため注意が必要です。 筋・筋膜性腰痛(ぎっくり腰)とは、腰の筋膜や筋肉を損傷した場合に起こる腰痛のことです。 急性に発症した場合は、まずは安静にしてアイシングを行いましょう。 痛みが軽減したらストレッチを行い、筋力や柔軟性の低下を防ぐことが大切です。 ジャンプや腰を反らすプレーの繰り返し|腰椎分離症 バスケットボールでは、ジャンプや腰を反らすプレーを繰り返すため、腰椎分離症の発症リスクが高まります。 腰椎分離症とは、背骨の一部である「腰椎」に圧力が加わることで、ひびや疲労骨折を生じる疾患です。 下半身に痛みやしびれがみられる場合は、腰椎分離症の可能性があるため、医療機関を受診し治療を受けましょう。 腰椎分離症は悪化すると、脊椎すべり症に進行する恐れがあります。 脊椎すべり症では、痛みによって歩行が困難になる症状(間欠性跛行)が生じる場合もあるため注意が必要です。 ジャンプ動作・何度も繰り返される着地の衝撃|椎間板ヘルニア バスケで多いジャンプや何度も繰り返す着地などの動作は、腰への衝撃が大きく椎間板ヘルニアを発症する可能性があります。 椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨のあいだにある「椎間板」と呼ばれる軟骨が飛び出し、神経を圧迫する疾患です。 日常的に姿勢が良くなかったり、バスケのプレーによって腰を酷使したりした場合に発症します。 椎間板ヘルニアを発症した際は、腰に負担のかかる動作を避け、痛みの軽減を図りましょう。 繰り返しの負荷で椎間板や骨に変性が起こる|変形性腰椎症 バスケのプレーで腰に繰り返し負荷がかかると、椎間板や骨に変性が起こる「変形性腰椎症」の発症リスクが高まります。 変形性腰椎症は、加齢や腰の酷使によって「腰椎」が変形する疾患で、以下の症状がみられます。 動作時の下肢の痛み 下肢のしびれ 腰のだるさ 歩行困難 臀部の痛み 足の冷え 変形性腰椎症を治療せずに放置すると、脊柱管狭窄症に進行する恐れがあるため注意が必要です。 脊柱管狭窄症をはじめとした変形性疾患では、再生医療による治療で、症状の改善が期待できます。 変形性疾患による腰痛でお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 【まとめ】バスケットボールによる腰痛が続くときは、専門医に相談を バスケットボールが原因の腰痛が続くときは、早めに専門医へ相談しましょう。 腰痛がある場合は、まずはアイシングを行い安静にすることが大切です。 保存療法を行っても痛みが改善しないときは、再生医療や手術療法による治療を検討します。 スポーツ活動や日常生活への早期復帰を目指すには、症状に合わせて治療法を選択することが重要です。 腰痛が治らず治療法にお悩みの場合は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2019.09.03 -
- スポーツ医療
「最近、水泳の練習中や練習後に股関節が痛む・・」と感じていませんか? 水泳は関節への負担が少ない低負荷の運動とされていますが、同じ動作を繰り返し行うことで股関節周辺の筋肉や筋膜に過度の負担がかかることがあります。 とくに、平泳ぎのように股関節を大きく使う泳法では、インピンジメントや関節唇損傷といった症状が起きることもあり、放置すると悪化やパフォーマンスの低下につながる恐れも。 この記事では、水泳によって股関節に痛みが生じる主な原因と、その対処法について詳しく解説します。 水泳によって股関節が痛くなる原因や治療法まで把握して、水泳を無理なく長く楽しむための知識を身につけましょう。 水泳で股関節が痛くなる主な原因 水泳は全身運動として健康に良いスポーツですが、フォームなど何かしらの問題があると、股関節に痛みを引き起こすことがあります。 本章では、水泳によって股関節に痛みが生じる以下の原因について詳しく解説します。 オーバーユースや筋膜の緊張 股関節インピンジメント 股関節唇損傷 これらの症状を早期に発見・対処して、水泳を長く楽しみましょう。 オーバーユースや筋膜の緊張 オーバーユース(使いすぎ)による股関節の痛みは、とくに長時間・高頻度のトレーニングを行う競泳選手に多く見られる症状です。 水泳では股関節を繰り返し動かすため、周辺の筋肉や筋膜に負担がかかり緊張状態になりやすく、これが長期間続くと股関節周辺に痛みを引き起こすことがあります。 このような症状は、適切な筋膜リリースやストレッチによって改善できる可能性があります。 また、痛みを予防するためにも水泳前後のウォームアップやクールダウンを行い、あわせてトレーニング量の調整にも意識して取り組みましょう。 股関節インピンジメント 股関節インピンジメントは、大腿骨頭と臼蓋(股関節の窪み)の間で骨同士が衝突することで、股関節の可動域が制限される状態を指します。 水泳、とくに平泳ぎのキック動作では股関節の屈曲・外旋・内転といった複雑な動きが繰り返されるため、股関節インピンジメントを引き起こす要因となることがあります。 股関節インピンジメントになると、膝を抱え込むように股関節を内側へ曲げる動作や、仰向けであぐらを組むようなときに痛みを感じることが多いです。 この症状は通常のX線写真では見つけにくいため、CTやMRI検査、関節鏡検査が行われます。 股関節インピンジメントの治療では、運動を控えることが基本です。 また薬物療法や関節内注射でも改善する可能性がありますが、重症の場合は手術が必要なこともあります。 股関節唇損傷 股関節唇損傷は、大腿骨頭と臼蓋(股関節の窪み)の間にある股関節の安定性と滑らかな動きを支える関節唇が傷ついた状態です。 水泳における強い屈曲・回旋動作が、この関節唇に負荷をかけ、損傷を引き起こすことがあります。 主な症状は股関節や足の付け根の痛みで、股関節を曲げると痛みが強くなります。 放置すると変形性股関節症に進行する可能性が高くなる場合もあるため、早期の治療が重要です。 初期段階では安静や消炎鎮痛剤、理学療法が中心となりますが、症状が続く場合は手術も検討されることもあります。 水泳の中でも平泳ぎは股関節に痛みが出やすい 水泳の代表的な泳法の中でも、とくに平泳ぎは股関節に負担がかかりやすいとされています。 平泳ぎのキック動作は「蛙足」とも呼ばれ、以下のように複合的な動きを繰り返し行います。 屈曲:足を引き寄せるときに股関節を前方に曲げる 外旋:膝を外に開く動作 内転:蹴り出すときに足を内側に寄せる動き この一連の動きの繰り返しによって、股関節唇損傷やインピンジメントを引き起こす一因になる可能性があります。 しかし、適切な対策を取ることで、平泳ぎによる股関節への負担を軽減することが可能です。 まず、正しいフォームを身につけることが重要で、過度に膝を開きすぎない、蹴り出しの際に足首をしっかり曲げるなどの点に注意しましょう。 また、水泳前後のストレッチを丁寧に行い股関節周囲の柔軟性を高めるとともに、筋力強化トレーニングを取り入れることで関節の安定性を向上させ、負担を分散することができます。 これらの対策を日常的に取り入れて、股関節を痛めないように予防しましょう。 股関節の痛みに対する治療方法 股関節の痛みに対する治療方法としては、主に次の2つがあります。 保存療法 手術療法 症状の程度や原因によって、適切な治療法が選択されます。 保存療法 水泳による股関節の痛みに対しては、手術を行わずに症状の改善を目指す「保存療法」が選択されることが一般的です。 保存療法では、まず活動の制限を行います。 痛みを引き起こす動作、とくに平泳ぎなどの股関節に負担のかかる泳法を一時的に控えることで、炎症を抑え組織の回復を促します。 薬物療法も効果的で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や外用剤を使用して、痛みや炎症を抑えます。 症状が強い場合には、ステロイド剤や麻酔薬の関節内注射も治療の選択肢です。 また、理学療法も治療において重要な位置を占めており、専門のセラピストによる股関節周囲の筋力強化やストレッチング、筋膜リリースなどが行われます。 理学療法により、股関節の安定性が高まり、痛みの原因となる動きの改善が期待できます。 ご自身による日常生活での自己管理も大切で、適切なウォームアップやクールダウン、正しいフォームの習得、そして十分な休息を取ることで、症状の再発を防ぐことができます。 手術療法 保存療法で症状が改善しない場合には、手術療法が検討されます。 股関節の問題に対する代表的な手術方法としては、股関節鏡手術(内視鏡手術)があります。 股関節鏡手術(内視鏡手術)は小さな切開から内視鏡を挿入して行う低侵襲な手術です。損傷した関節唇の修復や、インピンジメントを引き起こす骨の突出部分を削る処置などが行われます。 股関節唇損傷の場合は、股関節鏡視下股関節唇形成術という手術が行われます。可能な限り本来の組織を温存することを目指して、傷ついた股関節唇を縫い合わせる手術です。 また、大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)に対しては、大腿骨頭の出っ張り(カム変形)を削る処置も組み合わせて行われます。これにより股関節唇への負担を軽減し、変形性股関節症への進行を防ぐことができます。 股関節鏡手術は入院期間も短く、術後のリハビリテーションを経て多くの場合、スポーツ活動への復帰が可能です。ただし、完全な回復には数か月を要することがあります。 より重度の変形性股関節症に進行している場合には、人工股関節置換術などのより大きな手術が必要になることもあります。 【まとめ】水泳時に股関節が痛む場合は放置せず、医療機関へ受診を 水泳は全身運動として健康に良いスポーツですが、適切なフォームや対策なしでは股関節に痛みを引き起こすことがあります。 股関節の痛みを防ぐには、フォームの見直しや運動前のウォームアップ、休息を設けるなどの対策が必要です。 症状によっては、運動の制限や薬物療法で改善できますが、重症の場合は手術が必要になるケースもあります。 手術を避けたい、入院せずなるべく短期間での治療をしたいとお考えの方は、再生医療も治療の選択肢としてご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では、股関節の痛みに対して2つの再生医療「幹細胞治療」と「PRP療法」を行っています。 どちらも患者さま自身の幹細胞・血液を用いるため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 また、手術・入院を伴わないため、早期のスポーツ復帰も目指せます。 「幹細胞治療」と「PRP療法」について詳しく知りたい方は、当院へお気軽にご相談ください。
2019.09.02 -
- ゴルフ肘
- テニス肘
- 肘
- スポーツ医療
テニス肘の痛みを和らげるために、低周波治療器の貼り方についてお悩みの方もいるのではないでしょうか。 低周波治療器とは、電気刺激を利用して筋肉の痛みをやわらげる医療機器のことで、パッドを貼って微弱な電流を体に流して治療を行います。 そのため、痛みを感じる部分を中心に貼ることが重要です。 本記事では、テニス肘における低周波治療器の貼り方について解説します。 低周波治療器以外の治療法も紹介しているため、テニス肘の痛みを和らげたい方は、ぜひ参考にしてください。 また、長引くテニス肘の痛みには、先端医療である再生医療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みを手術せずに治療できる再生医療に関する情報や症例を配信しております。 「現在の治療で期待した効果が出ていない」「テニス肘を早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 テニス肘における低周波治療器の貼り方 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、上腕骨の遠位部に位置する外側上顆で炎症が起きて発症します。 低周波治療器は、痛みを感じている部分に貼るのが重要なので、テニス肘の症状を緩和したい場合は肘の外側に貼りましょう。 主に以下のような効果が期待できます。 血流が良くなり、疲労物質の排出が促進される 筋肉の緊張が緩和される 外側上顆や内側上顆への負担が軽減される 炎症が強い急性期には適していない場合が多く、症状が落ち着いてきた亜急性期から慢性期に使用しましょう。 治療前に必ず医師の診断を受け、適切な治療法と時期を判断してもらうのが重要です。電気刺激を行うと以下の効果が得られます。 テニス肘の治療方法【低周波治療器以外】 テニス肘の治療法として、以下の方法も効果的です。 ストレッチを行う 冷やす・温める 病院で温熱治療を受ける 運動療法を行う 患部をマッサージする 整体に通う ステロイド注射を打つ 手術を受ける 自分の状態に合わせて取り入れてください。 ストレッチを行う テニス肘は前腕の筋肉が緊張したり過度な負担がかかったりして発生します。 筋肉が硬くなっているため、前腕の筋肉を伸ばすストレッチが有効です。 テニス肘の場合はとくに手首の伸筋群(前腕)を入念にストレッチしましょう。肘を伸ばした状態で、手首を掌側(手のひら)に反対の手で手首を曲げると手首の伸筋群のストレッチが出来ます。 逆に、手首を伸展方向に他動的に曲げると前腕の屈筋群のストレッチが出来ます。どちらのストレッチも、肘の関節が伸びている状態で行ってください。 前腕の屈筋群も伸筋群も、肘関節と手関節をまたぐ筋肉なので、肘が伸びていないとストレッチ効果が半減します。 冷やす・温める テニス肘の症状に対するケアは、状態によって異なります。 自宅で患部を温める場合は、以下のケア方法がおすすめです。 お風呂でゆっくり温まる 電子レンジで温めた蒸しタオルを患部に当てる カイロを活用する また、慢性期では患部を冷やさないよう注意が必要です。長袖を着用したり、上腕から前腕まで覆うサポーターを使用したりするのも効果的です。 いずれの場合も、症状の程度や経過によって適切なケア方法が異なるため、必ず医師の診断を受け、指示に従いましょう。 自己判断でケアを行うのではなく、専門家のアドバイスを受けながら、症状に合わせた適切な対応を心がけてください。 病院で温熱治療を受ける 自宅で患部を温めるだけでなく、整形外科や接骨院などで受けられる温熱療法も効果的です。 筋肉を温めるという点ではまったく同じですが、温熱治療器を使えば芯の部分からしっかり温められます。赤外線治療器なら、体表面よりも深部を温められるため、効率的です。 さらに、ホットパックという道具を使うと温度を一定に保てるので、自宅で行うよりもよく温まります。 運動療法を行う 肘関節の屈曲や伸展、手関節の屈曲や伸展、手指の屈曲や伸展といった動作をスムーズに行うために、運動療法を受けるのも効果的です。運動療法は患部外を含めた練習動作も行います。 スポーツにおける体の動かし方が間違っているとすぐに再発してしまいます。また、テニス肘やゴルフ肘の痛みが軽減してからは、筋力強化も重要です。 前腕の屈筋群と伸筋群、肘の屈曲動作に関わる筋肉を強化すると、テニス肘やゴルフ肘の再発を予防できます。最初はあまり大きな負荷でやらずに、500mlのペットボトルを上げ下げする程度の運動がおすすめです。もし、痛みや違和感を感じた場合は、直ちに運動を中止し、医療専門家に相談しましょう。 患部をマッサージする 前腕の屈筋群や伸筋群をマッサージしたり、上腕・肩甲骨周辺のマッサージをしたりするのも重要です。マッサージによって筋肉の緊張を取り除き、外側上顆にかかる牽引力を軽減できます。 肩甲骨周りの動きが制限されると肩から指先にかけて負担がかかるため、上腕や肩甲骨周辺までマッサージを行います。 マッサージをあまりにも強い力でやりすぎると、かえって自分の体を守ろうとして筋肉が硬くなる可能性もあるため、マッサージが強ければ強いほど良いわけではありません。 整体に通う テニス肘の治癒を早くするために、全身のバランスも整えましょう。背骨の歪みによって、前腕に大きな負担をかける場合があります。 テニス肘が発症する理由は、単に前腕の屈筋群や伸筋群の使い過ぎだけでなく、体のバランスの崩れも考えられます。 たとえば猫背やストレートネックなど、肩甲骨の動きが悪くなるような姿勢だと、上肢全体の動きが悪くなります。通常よりも前腕の屈筋群や伸筋群に大きな負担をかけるので、テニス肘のリスクが高まるのです。 肘や前腕の治療を集中的に行っても痛みがなかなか軽減しない場合は、医師に相談した上で、姿勢や体全体のバランス評価を受けることを検討しましょう。医師の指示のもと、理学療法士や整体師など他の専門家の助言を得ると、より包括的なアプローチが可能です。 早期治癒と再発予防を目指す場合は、医師の診断と指示に基づいて、適切なリハビリテーションプログラムや姿勢改善エクササイズを取り入れるのが効果的です。 ステロイド注射を打つ テニス肘は、上腕骨外側上顆炎とも言われており、肘の外側に痛みが出る病気です。痛みが強い場合はステロイド注射をする場合もあります。 ステロイド注射は頻繁に打つと肘の腱が弱まるため、打てる回数が決まっています。打てる回数は年に3~4回程度で、1回目の注射から3カ月間の期間を空けてください。 ステロイド注射は即効性があり、数日から数週間効果が持続します。湿布などで痛みを取り除けず日常生活に支障を来す場合は、医師に相談してみましょう。 手術を受ける テニス肘は、症状が重症化すると手術が必要になる可能性があります。テニス肘は進行すると腕を曲げきれない、伸ばしきれないなどの症状が出るケースがあります。 症状がでるとスポーツはもちろん、日常生活にも大きな支障をきたしかねません。そのため、症状が進行した患者さんには、手術による治療が勧められています。 テニス肘になりやすい人の特徴 テニス肘になりやすい人や再発しやすい人には、以下の特徴があります。 テニス初心者 肘以外に痛みを抱えている人 姿勢が悪い人 テニス肘を再発予防するためにも、ぜひ押さえておきましょう。 テニス初心者 初心者の場合、ラケットのスイング動作を上肢の力に頼って行う人が多いです。 長年経験している方や、スポーツが上手い方のは、体幹の力を上手く使って体全体を回転させて打ちにいけますが、出来ないうちは肘や手首に負担がかかります。 結果的に外側上顆に付着する筋肉へと負担が集中するため、痛みを発症しやすいです。 肘以外に痛みを抱えている人 肩や腰など、前腕以外に痛みを抱えている人はテニス肘のリスクを高めてしまいます。テニスは回転動作を行うスポーツのため、腰に不安があると体の回転が甘くなります。 その分パワーを発揮するには上肢の筋力を発達させなければなりません。その結果前腕に力が入り、テニス肘を発症しやすくなってしまうのです。 日常生活の中でも、肩に痛みがあれば腕が上がりにくくなります。例えば腕を上げて行わなければならない洗濯物を干す動作をすれば、前腕に余計な負担をかけてしまうでしょう。 なお肘だけを治療しても改善に時間がかかります。肘以外の痛みの治療も並行して行いましょう。 姿勢が悪い人 背骨のバランスが悪い人は、肩を中心とした上肢の筋肉に慢性的な負担がかかり続けます。 猫背などのように、横から見たときに頭の位置が体幹からかなり前に出ている人は、首から背中にかけて日常的に負担をかけ続けています。 その結果肩甲骨の動きが悪くなって肩の可動域が狭まり、肘から先にも疲労を溜めやすくなるのです。さらに姿勢が悪い人は背骨のしなやかさが失われている場合が多く、仰向けや横向きになったときに体が休まりません。 すると睡眠時の回復力が低下してしまうので、疲れが抜けにくく筋肉の疲労を蓄積してしまいます。疲労からテニス肘の症状につながるケースがあるので、姿勢の改善はとても重要です。 テニス肘と低周波治療器に関するよくある質問 テニス肘と低周波治療器に関するよくある質問にお答えしていきます。以下を参考にして、効果的に低周波治療器を使用しましょう。 低周波治療器は使いすぎるとどうなりますか? 低周波治療器の効果的な使い方を教えてください テニス肘の安静期間はどのくらいですか? 低周波治療器は使いすぎるとどうなりますか? 長時間の治療や出力を強くしすぎた場合は、過剰な刺激になってしまい筋肉が疲労します。※ ※出典:PubMed 心地良いと感じる強さで1カ所あたり3〜15分程度行いましょう。 症状に合わせて刺激時間を30分程度に長くしても問題ありませんが、人によっては疲れを感じやすいため注意が必要です。 低周波治療器の効果的な使い方を教えてください 低周波治療器を効果的に使うためには、正しいパッドの貼り方と電気刺激の強度を知ることが重要です。 パッドは痛みのある部位に貼りましょう。痛みのある部位に合わせて上下または左右で挟むように貼るとより効果的です。 強さは、強すぎず心地良いと感じる強さで実施してください。※ ※出典:PubMed テニス肘の安静期間はどのくらいですか? テニス肘は原因となった動作を行うと痛みが出るので、安静にする必要があります。 軽い場合は数週間程度で治りますが、症状によっては2〜3カ月ほど安静期間が必要です。重症になると、さらなる安静期間をすごさなければなりません。 テニス肘の可能性がある人は、早期に医療機関を受診して医師の診断を受けましょう。 低周波治療器を効果的に貼ってテニス肘の痛みを改善しよう 本記事では、テニス肘の治療法として有効な低周波治療器のパッドの貼り方や、それ以外に併用できるおすすめの治療法を解説しました。 発症時期に合わせて適切に低周波治療器を使用すると、テニス肘の痛みの改善が期待できます。 現在受けている治療で期待した効果が出ていない方や、テニス肘を手術せずに治したい方は、先端医療である再生医療をご検討ください。 再生医療は、患者様の細胞や血液を用いて、損傷した組織や身体機能の再生・修復を図る治療です。 \テニス肘に対する再生医療について解説/ https://youtu.be/jy2_O_mEvGI?si=gakqvr0PwpUYszmz また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みを手術せずに治療できる再生医療に関する情報や症例を配信しております。 「つらいテニス肘の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.04.12 -
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日常生活で特に思い当たる原因がないのに、ジンジンとした痛みや違和感を抱える方は少なくありません。 このような痛みが続くと、普段の動作に支障をきたしたり、不安を感じたりすることもあります。 本記事では、肘の外側が痛む原因として考えられる上腕骨外側上顆炎(テニス肘やスマホ肘)や神経痛について詳しく解説します。 肘の痛みを抱える方が少しでも安心して対策を講じられるよう、お役立ち情報をお届けします。 何もしてないのに肘(外側)が痛む原因 何もしていないのに肘の外側が痛む主な原因は、上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と呼ばれる肘の病気です。 別名でテニス肘やスマホ肘とも呼ばれ、老若男女問わず発症する可能性があります。 上腕骨外側上顆炎の概要や治療法、予防法について詳しく解説します。 上腕骨外側上顆炎(テニス肘・スマホ肘)とは 上腕骨外側上顆炎とは、別名でテニス肘・スマホ肘と呼ばれる病態です。上腕骨にある外側上顆で炎症が起きる症状を指します。 上腕骨外側上顆炎の根本的な原因は、肘関節よりも前腕の筋肉群で生じる過度な負担です。手関節や手指の伸展動作に関わる筋肉で、前腕の伸筋群と呼ばれます。 前腕の伸筋群は上腕骨の外側上顆から前腕を通過し、手関節の先まで通っています。そのため、前腕の伸筋群を使いすぎによるダメージの蓄積が外側上顆にも負担をかけているのです。 ぶつけていないのに肘が痛くなるのはなぜ? 手関節や手指を繰り返し動かすことで前腕伸筋群が伸張を繰り返し、その牽引力が外側上顆の一点にかかります。 これが長時間・長期間続くことで徐々に外側上顆が炎症を起こし、結果的に伸ばすと痛い・曲げると痛いといった何もしなくても肘の外側に異常が生じるのです。 前腕の筋肉を酷使するテニスプレーヤーに多い症状であることから、テニス肘と別名がついています。 また、長時間にわたる操作でスマホを持つ(支える)前腕の筋肉が硬直し、外側上顆に負担をかけることからスマホ肘とも呼ばれています。 そのため、前腕をよく使うスポーツ選手はもちろん、何気ない日常生活から万人が発症します。 肘関節の構成 肘の関節は、上腕骨・前腕の橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)の3つの骨で構成されています。 肘関節を詳細に分類すると3つの関節が1つの関節包の中に納まっています。 肘関節を動かす最も大きな筋肉は上腕二頭筋です。肘関節の屈曲と前腕の回外の運動に関わっています。 上腕二頭筋は肩甲骨から上腕を通過して前腕まで通っているため、肩関節の異常が肘関節に影響する可能性もあります。 また、肘関節伸展に関わる主な筋肉は上腕三頭筋です。これも肩甲骨から上腕を通過して前腕まで通っています。 肩関節から肘関節にかけてコントロールする筋肉なので、肩関節の使い方次第で肘関節に影響を及ぼします。 上腕骨外側上顆炎の症状 上腕骨外側上顆炎はどなたでも起こり得る症状ではありますが、30~50代の女性の発症率が高い傾向にあります。筋力の弱さやホルモンバランスが関係しているとされています。 外側上顆炎は伸筋群が原因であるにも関わらず、手関節の伸展や手指の伸展以外の動作でも肘の外側に痛みを発生させます。 日常生活の動作では、以下の状況で痛みを感じます。 打撲や捻挫のように、一度の外力で急に外側上顆炎になることよりも、日常生活の動作の中で少しずつ負担を蓄積して発症するケースが多いのが特徴です。 そのため、治療が長期間に及ぶことも珍しくありません。 上腕骨外側上顆炎の治療方法 医療機関での上腕骨外側上顆炎の治療方法を紹介します。 上記の治療方法は、症状の程度や患者さんの状態に応じて選択されます。 とくに、再生医療は組織の修復や回復を促進する方法として、効果が期待されています。 1.電気治療 痛みがある肘の外側・前腕の筋肉を中心に行う、低周波や干渉波の電気治療が行われることがあります。 主な目的は前腕の筋肉で起きている緊張を取り除くことと、血流を良くすることです。 しかし、上腕骨外側上顆炎は炎症かつ筋肉の緊張による牽引力が原因であることから、稀に電気治療によって悪化してしまうケースもあります。 電気刺激が強すぎると、かえって自分の体を守ろうとする防衛機能が働き、逆に筋緊張を強めてしまうのです。 同反応が見られた場合は、電気刺激を弱めるか別の保存療法を選択します。 2.手技療法 前腕の筋肉をマッサージやストレッチでほぐすことが主な手技療法です。 上腕骨から指先まで通っている伸筋群もあるため、前腕だけでなく手指の動きを良くすることにもつながります。 手指の動きが良くなれば必然的に外側上顆の負担は減り、肘の外側の痛みが改善する仕組みです。 3.温熱療法 外側上顆炎の患者の中には、お風呂に入った後に少し痛みが軽減する方もいます。 これは、温められることによって血流が良くなり、前腕伸筋群の緊張が和らいだことが要因です。 そのため、赤外線などで外側上顆から前腕にかけて温熱療法を行いつつ、手技療法や運動療法をあわせて行うことで改善を早めます。 4.運動療法 運動療法は、肘関節の正しい動かし方を身につけたり、手関節や手指関節の動きをスムーズにしたりとさまざまな療法が存在します。 もちろん、痛みの程度を見ながら無理のない範囲で徐々に行うことが大切です。 肩関節や肩甲骨の動きが間接的に肘関節に影響を及ぼすため、肩関節の動きを良くして可動域を広げることが外側上顆炎の治療において重要です。 5.背骨の矯正 背骨や骨盤のゆがみを改善することで、外側上顆炎の改善効果が期待できます。 矯正によって姿勢が整うと、肩甲骨や胸椎の動きが正しくスムーズになり、肩関節の可動域が広がります。 肩関節の可動域が広がることで、肘関節への負担が軽減され、結果として手関節や手指の動きがスムーズになるのです。 外側上顆炎の治療では、肘だけに焦点を当てるよりも、背骨のゆがみを含めた全身のバランスを整える方が早期の改善につながりやすいとされています。また、再発予防にも効果的です。 6.再生医療 再生医療は幹細胞や血液を活用して損傷した組織の修復や再生を促進する治療法です。 上腕骨外側上顆炎のような慢性的な炎症や組織損傷に対して、有効な治療方法の一つとして挙げられます。 再生医療は従来の治療法では改善が難しい症例にも効果が期待され、早期の症状緩和や機能回復が目指せます。また、自身の細胞を利用する再生医療は副作用が少ない点も特徴です。 肘の痛みが長引いている場合や、より根本的な治療を検討している方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。 上腕骨外側上顆炎の予防方法 上腕骨外側上顆炎は一度なってしまうと治癒まで比較的時間がかかる症状であり、一度良くなった後も再発するケースが多いです。 そこでこの項目では、自分でできる上腕骨外側上顆炎の予防方法をご紹介します。 肘の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。 1.ストレッチ 前腕の伸筋群に疲労が蓄積することで外側上顆炎のリスクが高まることから、こまめな前腕のストレッチが予防に有効です。 外側上顆炎を発症した初期はストレッチの動作でも痛みを感じることがあるので痛みが軽減してから習慣にしてください。 やり方は簡単で、手関節の屈曲と伸展方向にゆっくりと伸ばすだけです。 しかし、伸筋群のみのストレッチでは外側上顆炎の再発予防としては不十分です。 屈筋群に緊張があるままだと、手関節伸展がしにくくなり、余計な筋力を発揮させて伸展動作を行わなければならなくなります。 外側上顆の負担を増す原因になるので、屈筋群もあわせてストレッチしておくことが大切です。 2.肘と前腕を温める 冷えは筋肉の緊張を生みやすいので、基本は温めるようにした方が改善の助けになります。 お風呂でしっかり温まることはもちろん、電子レンジなどで蒸しタオルを作って肘の外側から前腕にあてておくだけでも良いセルフケアです。 安価な物でも良いので、肘全体を覆うタイプのサポーターをするのも冷え対策につながるためおすすめです。 神経痛によって肘の外側が痛むこともある! 首から上肢にかけて通っている神経が圧迫されることによって肘の外側で痛みを発生させている場合もあります。 この項目では、肘の痛みの原因となる神経痛の概要や治療方法についてご紹介します。 頚椎ヘルニア・神経痛とは? 神経を圧迫する主な原因の一つに、頚椎ヘルニアが挙げられます。 この疾患は、神経が圧迫されることでさまざまな症状を引き起こします。 姿勢の悪いデスクワーク、バイクの長時間運転などにより、頚椎ヘルニアになってしまうと上記のような症状が現れます。 また、姿勢の悪さから頸椎ヘルニアになった場合は、肩甲骨の内側や外側の痛みや首自体の痛みも同時に感じるケースが多くあります。 肘の外側の痛みに加え、体幹に近い部位に痛みが点在している場合は、神経症状が原因である可能性を考慮することが重要です。 頚椎ヘルニア・神経痛の治療方法 肘の外側で出る痛みが神経痛であった場合、肘の動きの改善や前腕・上腕のマッサージは根本的な治療にはなりません。 神経が発生している背骨から治療していく必要があります。 この項目では、頚椎ヘルニア・神経痛の主な治療方法を5つご紹介します。 1.薬物療法 痛み止めや、ビタミン剤が薬物療法として主に使用されます。 あくまでも薬物療法は鎮痛作用を促すためのものです。 完治にはつながりにくいものの、日常生活に支障をきたす辛い痛みを防ぐ補助的な目的で利用します。 2.温熱療法 神経痛においても温めることが有効な治療方法です。 血流が良くなる上に筋肉の緊張が取れるため、神経の圧迫の軽減につながります。 3.牽引治療 整形外科では、頚椎を牽引して治療することが多いです。 牽引により背骨全体の筋肉がストレッチされ、神経の通り道を広くすることに期待できます。 しかし、牽引治療だけでは完治に至らない場合が多いです。 4.整体 姿勢を改善して首の負担を取り除くことや、関節の動かし方を改善して頚椎から出る神経を圧迫しないような体作りをしていきます。 手術以外の方法の中でも有効な治療方法であり、早期改善と再発予防につながりやすいです。 5.手術療法 スポーツ選手など特別な事情がある場合を除いては稀な選択と言えますが、頚椎の手術も有効な治療のひとつです。 頚椎のシビアな場所だけに、一般的には最終手段として選択される治療方法です。 肘に痛みが生じている際のストレッチ 肘の痛みが生じている際には、適切なストレッチを行うことで症状の緩和が期待できます。 以下に、肘の外側および内側に効果的なストレッチ方法をご紹介します。 肘の外側に効果的なストレッチ 肘の外側の痛みを和らげたいときは、下記のストレッチを試してみてください。 ストレッチは無理をせず、痛みを感じない範囲で行いましょう。 肘の内側に効果的なストレッチ 続いては、肘の内側の痛みを和らげるストレッチです。 ストレッチを行う際は、無理のない範囲でゆっくりと行い、痛みが強くなる場合は中止してください。 また、症状が長引く場合は専門医にご相談ください。 肘が痛む際に自分でできる対処法はある? 肘の痛みを和らげるために、自宅で簡単にできる対処法をいくつかご紹介します。 対処法 効果と説明 サポーターの使用 肘を固定し、動きを制限することで負担を軽減。炎症や痛みの緩和が期待でき、作業や運動中に効果的。 湿布を貼る 消炎鎮痛効果のある湿布で炎症や痛みを緩和。冷感タイプは急性の痛みに、温感タイプは慢性的な痛みに適している。 テーピング 筋肉や関節をサポートして痛みを軽減。専門家に貼り方を教わると効果的で、運動や日常動作の負担を軽くする。 安静にする 痛みが強い場合は肘を安静に保ち、過度な動作を避けることで症状を悪化させない。負荷のかかる作業や運動を控える。 冷却または温める 急性の痛みにはアイスパックで冷却、慢性的な痛みには温める方法が有効。痛みのタイプに応じて使い分ける。 これらの対処法は一時的な痛みの軽減に役立ちますが、痛みが長引く場合や悪化する場合は、医療機関での診察を受けることをおすすめします。 何もしてないのに肘の外側が痛む方からよくある質問 肘の外側が何もしていないのに痛む症状について、多くの方が疑問や不安を抱えています。 そこでこの項目では、よくある質問に対して医師の観点から回答します。 これらの質問に対する正しい理解を深めることで、症状への不安を軽減し、適切な対応が取りやすくなります。 気になる症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。 何もしていない肘の痛みはガンの可能性もある? 結論から言えば、肘の痛みがガンである可能性は非常に低いですが、完全に否定はできません。 肘の痛みの大半は、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)や神経痛によるものです。 ただし、痛みが長期間続く、急激な体重減少を伴うなどの場合はガンの可能性も考えられるため、専門医の診断を受けることをおすすめします。 ガン以外にも、関節リウマチなどの自己免疫疾患の可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。 不安な症状がある場合は、まずは医療機関を受診し、適切な検査と診断を受けましょう。 ジンジン・ズキズキする肘の痛みはすべて神経痛やテニス肘? ジンジンやズキズキといった肘の痛みは、必ずしもすべてが神経痛やテニス肘が原因ではありません。 肘部管症候群・滑膜ひだ症候群・単純な筋肉の張りなど、考えられる疾患はさまざまです。 正確な診断と適切な治療のためには、症状の詳細な観察と医師による専門的な診断が重要です。 自己診断は避け、持続する痛みがある場合は整形外科をはじめとする医療機関を受診しましょう。 何もしていない肘の痛みは内側にも発症する? 肘の痛みは外側だけでなく、内側にも発症する可能性があります。 何もしていないのに肘の内側に痛みを感じる主な原因として、上腕骨内側上顆炎が考えられます。 この症状は、手首を曲げる筋肉や前腕の筋肉が肘の内側の骨(上腕骨内側上顆)に付着する部分で炎症を起こすことで生じます。 とくに、ゴルフやテニスのバックハンド、野球の投球動作など手首を曲げる動作を繰り返す人に多く見られます。 また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けることでも発症することがあります。 本記事で紹介した上腕骨外側上顆炎の内側版と覚えていただいても差し支えありません。 何もしてないのに肘の外側が痛む原因まとめ 肘の外側で起きる痛みは、肘や前腕で問題が起きている場合と頚椎など中枢に近い部分で問題が起きている場合の2種類があります。 両者は治療方法も異なるので、どこで問題が起きているのか見極めるのが大切です。 何もしていないのに発症する外側の肘の痛みを早期に改善したい方は、医療機関を受診し専門医に相談するよう心がけましょう。 また、当院でも肘の痛みに関するご相談を受け付けています。どうぞお気軽にお問い合わせください。
2019.04.08