-
- 再生治療
- 幹細胞治療
- PRP治療
関節リウマチと診断されたけど治るのか、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか? 関節リウマチは免疫の異常により関節が炎症を起こし、進行すると関節の破壊や変形につながる病気です。 完治が難しいとされる一方で、近年は治療法が進歩し、寛解という状態を目指すことが可能に。 本記事では、関節リウマチの「完治」と「寛解」の違いを詳しく解説します。 発症の背景やリスク要因・治療法についても、紹介していますので「この先どうなるのか不安」「何を選べばいいか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。 【結論】関節リウマチは現在の医学では完治は難しい|治療目標は寛解 関節リウマチは、免疫の異常によって発症すると考えられており※、現在の医学では完治が難しいとされています。 ※出典:日本リウマチ学会「リウマチ・膠原病を心配したら」 根本的な原因を取り除く治療法は確立されていないため、「治す」のではなく、「うまく付き合う」ことが治療の基本方針です。 ただし、近年の治療法の進歩により、痛みや腫れを抑えて、日常生活に支障のない状態(寛解)を目指すことは可能になっています。 重要なのは早期発見・早期治療で、発症して間もない段階で治療を開始すれば、進行を抑えやすくなります。 また、リウマチは進行性の疾患のため、治療を怠ると関節の変形が進み、日常生活に深刻な支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。 そのため、自己判断せず、必ず専門医のもとで治療方針を継続的に見直すことが大切です。 関節リウマチの主な原因 関節リウマチの原因は一つに特定できず、以下のような複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。 原因 内容・具体例 免疫異常 免疫システムが自分自身の滑膜組織を攻撃し、炎症が慢性化する 遺伝的素因 関節リウマチになりやすい体質が遺伝するが、必ず発症するわけではない 環境要因 喫煙、歯周病、腸内環境の異常、化学物質、外傷、強いストレスなどが発症や悪化のリスクになる ホルモンの影響 ・女性に多く、30~50歳での発症が多い ・妊娠・出産・閉経など、女性ホルモンの変化が関与する可能性がある 発症割合の内訳 ・遺伝子によるもの:約40% ・環境ストレス因子によるもの:約60% 体を守るはずの免疫が誤作動を起こし、本来なら攻撃しないはずの自分自身の関節を標的にしてしまうのが関節リウマチの発症メカニズムです。 原因はまだ完全には解明されていませんが、現在では「遺伝的な素因」と「環境要因」など、複数の要素が組み合わさって免疫の異常が生じると考えられています。 また関節リウマチは30代から50代の女性※に多く見られ、妊娠や出産、閉経などのホルモンバランスが変化しやすい時期と重なって発症する事例も。 ※出典:リウマチeネット このように、関節リウマチはさまざまな要因が複雑に絡み合い、免疫のバランスが崩れて発症に至ると考えられます。 関節リウマチの寛解を目指すための治療法 関節リウマチの治療法は、大きく分けると5つあります。 治療法 説明 薬物療法 免疫の異常な働きを調整し、炎症や痛みを抑える薬を使用する。 生物学的製剤 免疫の特定の働きをピンポイントで抑えるタイプの薬。 手術療法 関節の変形や機能障害が進行した場合に、関節の修復や置換を行う。 リハビリテーション 関節の動きや筋力を維持・改善し、日常生活の自立をサポートする。 再生医療 損傷した関節組織の修復を目指す治療法。現時点では標準治療ではない。 治療は患者の症状や進行度に応じて、これらを組み合わせて計画が立てられます。 専門医から治療の目的や効果、副作用の説明を受け、納得した上で取り組む姿勢が大切です。 ここでは、関節リウマチの代表的な5つの治療法を詳しく解説します。 薬物療法 関節リウマチの薬物療法は炎症を抑え、関節の破壊や変形防止を目的とし、治療を進めていく上での軸になる存在です。 症状や病状に合わせてさまざまな種類の薬が使用されますが、従来から使用されている定番は抗リウマチ薬(DMARDs)です。 抗リウマチ薬には複数の種類があり、それぞれ作用の仕方や副作用のリスクが異なるため、患者ごとに最適な組み合わせが検討されます。 ただし、薬物療法は副作用のリスクもあるため、治療中は定期的な血液検査や医師の管理が欠かせません。 必ず専門医と相談しながら、自分に合った治療を安全に継続していくことが大切です。 生物学的製剤 生物学的製剤は、従来の抗リウマチ薬とは異なり、炎症の原因となる特定の免疫物質(サイトカイン)直接ブロックするため、高い抗炎症効果が期待できます。 製剤は遺伝子工学などのバイオテクノロジー技術を用いて製造され、以下のように種類が豊富です。 薬剤の種類 作用機序 TNF阻害薬 ・腫瘍壊死因子(TNF)を中和し、炎症反応を抑制 ・骨破壊を抑制し、関節の損傷を防ぐ IL-6阻害薬 ・インターロイキン-6(IL-6)の働きを抑え、炎症を軽減 ・免疫反応を調整し、関節の損傷を防ぐ T細胞活性化阻害薬 ・T細胞の活性化を抑制し、免疫反応を調整 ・サイトカインの産生を抑えることで、炎症を軽減 生物学的製剤は従来の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合や、関節破壊の進行が早い場合に検討される治療法です。 注射または点滴で投与され、高い効果が期待できる一方で、結核などの潜在感染症を悪化させる可能性※があるため、治療前に検査が必須です。 ※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチ(RA)に対する TNF 阻害薬使用の手引き」 導入にあたっては、専門医と相談のうえ、効果とリスクを理解したうえで計画的に進めましょう。 手術療法 関節リウマチの手術療法は薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法で効果が得られない、関節の変形や機能障害が進行した場合に検討されます。 主な手術方法は以下の3つです。 手術の種類 特徴 滑膜切除術 ・炎症を起こしている滑膜を取り除く手術 ・痛みや腫れを軽減し、関節の機能を改善する ・回復が早い 関節形成術 ・変形した関節を再構築し、可動性を回復させる手術 ・自分の関節を動かせるようにするのが目的 人工関節置換術 ・傷んだ関節を人工関節に置き換える手術 ・痛みを大幅に軽減し、関節機能を再生する ・人工関節の耐久性は10年ほど※ ※出典:愛媛大学医学部附属病院 人工関節センター 手術療法は効果的な手段ですが、出血や感染、合併症などのリスクもあるため、手術の種類・適応・術後の生活について、専門医と相談することが重要です。 術後は適切なリハビリを行うことで、関節の動きや日常動作の改善が期待できます。 リハビリテーション 関節リウマチのリハビリテーションは薬物療法と並行して行われる治療法で、期待できる主な効果は以下の3つです。 痛みの軽減 炎症の軽減 関節の変形防止 これらを目指しながら、患者の状態に合わせた以下のような個別プログラムが組まれます。 種類 特徴 理学療法 関節の可動域を広げる運動や、筋力トレーニング、温熱療法などが行われる 作業療法 日常生活動作の練習や、関節に負担をかけない動作の指導、自助具の活用などが検討される 装具療法 関節を保護し、痛みを軽減するための装具(サポーターやインソールなど)が使用される ただし痛みや炎症が強い場合は安静を保ち、無理に動かさず安静を優先することが基本です。 再生医療(PRP療法・幹細胞治療) 再生医療は関節リウマチ治療の新たな選択肢として注目されており、主な治療法としては以下の2つがあります。 治療法 特徴 PRP療法 ・患者自身の血液から血小板を濃縮したPRPを抽出 ・関節内に注入して成長因子を放出し、組織の修復を促す ・炎症を抑える作用や、痛みを軽減する効果が期待されている 幹細胞治療 ・患者自身の脂肪組織や骨髄から幹細胞を採取 ・培養・増殖させた後、関節内に注入する ・損傷した軟骨や骨組織の再生を促す 再生医療は薬物療法や手術療法と比べて体への負担が少ないのが特徴で、患者自身の細胞を用いるため、拒絶反応のリスクも低いとされています。 ただし自由診療となるため、費用面などに注意が必要です。 治療を検討する際は専門医に相談し、自身の症状に合った選択肢か見極めましょう。 【まとめ】関節リウマチは完治が難しいものの、症状の寛解は目指せる!早期発見・治療を行おう 関節リウマチは、現代医学では完治が難しい疾患ですが、適切な治療と生活習慣の見直しによって症状の「寛解」は目指せます。 「リウマチ=一生つらい病気」と決めつけるのではなく、早期に発見し、適切な治療を始めることが何より重要です。 関節の痛みやこわばりなどの初期症状を感じたら、早めに専門医を受診しましょう。 関節リウマチは長く付き合っていく病気ですが、正しい情報と治療に基づき、希望を持って前向きに暮らすことは可能です。 症状の進行を防ぎ、よりよい生活を送りたい方は、ぜひリウマチ専門医に相談し、必要に応じて再生医療も視野に入れてみてください。
2020.05.16 -
- 肩
- 再生治療
- PRP治療
五十肩が改善されない場合の手術は日帰りでも可能なのか 五十肩がなかなか改善されない場合や、重症化して日常生活に大きな支障が出るという場合、手術が検討されることになります。しかし、仕事や家庭などのことを考えると入院する暇がないので、日帰りで手術できないかと思う人もたくさんいるでしょう。 そこで、今回は五十肩の手術は日帰りで受けることができるのかについて解説します。 一般的な五十肩の手術は日帰り不可 五十肩の手術を日帰りで受けることができるかどうかについてですが、結論から言えば、一般的な五十肩の手術は入院が必要です。五十肩の手術自体は30分程度とすごく簡単なものですが、手術後もリハビリをしっかりとおこなう必要があります。 また、リハビリ期間にしっかりとリハビリをおこなうことで痛みがなくなり、肩も動かせるようになってきます。そのため、五十肩の手術を受ける患者さんは、入院してリハビリまでしっかりおこなうというのが一般的です。 関節鏡視下手術により入院期間が短縮された! 現在の一般的な五十肩の手術は、関節鏡視下手術という手術法が採用されています。関節鏡視下手術は、患部に5ミリ程度の穴を開け、そこから関節鏡と呼ばれる内視鏡を挿入。関節鏡から映し出される患部の状態をモニターで見ながら、関節にくっついて硬くなっている関節の袋を切開していきます。 関節鏡視下手術がおこなわれるようになる前の肩の手術では、5センチくらい切開する必要があって、痛みなど身体への負担も大きく、入院期間も3週間から4週間くらい必要でした。 しかし、関節鏡視下手術による手術は切開部分も少ないため、術後の痛みも少なく、入院期間も数日と短くなりました。ただし、切開する手術では日帰り治療は難しいというのが現状です。 五十肩を手術しないで治す!?再生医療なら日帰り治療が可能 重症化した五十肩に手術は有効な方法です。そして、関節鏡視下手術は従来の手術と比べて入院期間も短く、数日で退院することができます。しかし、例え数日間だとしても仕事や家庭のことなどで、休みを確保することができない、入院は難しいという方もいると思います。 また、なるべく体に負担の少ない治療を受けたいと考える方も多いでしょう。そのような方は再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。再生医療によるPRP治療は自分の身体から採血した血液内の成長因子を患部に注射するという治療法なので、身体への負担も非常に少なく入院の必要もありません。 日帰りの治療が可能です。 まとめ・五十肩が改善されない場合の手術は日帰りでも可能なのか 五十肩の手術は日帰りで可能かどうかについて解説しました。一般的な手術の場合は入院が必要ですが、近年では入院期間が短くて済む術式が採用されています。 また、日帰りも可能な再生医療による治療もあるので、入院する時間がとれないという方は、検討してみるとよいでしょう。また、手術が必要になるほど重症化しないためにも、早い段階で治療を受けることが大切です。 五十肩で悩んでいる人は我慢せずにできるだけ早めに医療機関で相談するようにしましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご覧ください
2020.02.09 -
- ひざ関節
- 再生治療
- PRP治療
膝の内側が痛い… それはもしかしたら鵞足炎かもしれません。 自己流でマッサージをして少しでも痛みを和らげようとするのは、逆に症状を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。 本記事では「鵞足炎の痛みに自己流マッサージをするリスク」について詳しく解説します。 鵞足炎の症状を和らげるためにはマッサージが効果的ですが、自己流では逆効果になってしまうことがあります。 自己流マッサージのリスクを理解して、専門医や整体師の指導のもとで行いましょう。 鵞足炎を治療するには|セルフケアは効果的? 鵞足炎とは、ランニングやサッカーなどで過度な負担がかかり、鵞足部という膝の内側の部分に炎症を起こす病気です。 オーバーユース(使いすぎ)や、不十分なウォーミングアップ(準備)なども鵞足炎の引き金になります。 注意頂きたいのは鵞足炎は一度発症すると再発しやすい厄介な病気で、アスリートにとっては選手生命を脅かしかねない障害になります。 鵞足炎の治療法としては、主に安静やストレッチ、貼り薬、鎮痛剤の内服と併せ、整体師など専門の人にマッサージをしてもらうという方法が挙げられます。 ただ、マッサージでは痛みを和らげる効果を期待することはできますが、根本的に治療という意味では効果は期待できません。 鵞足炎の痛みに自己流マッサージはおすすめしない 鵞足炎による膝内側の痛みに自己流マッサージを行うリスクについて解説していきます。 自己流マッサージで症状が悪化する危険 痛みが緩和するまで安静にする 鵞足炎の予防にストレッチやマッサージは効果的 膝内側の痛みがある場合、なんとか自分でマッサージをして少しでも痛みを和らげたいと思うかもしれません。 自己流でマッサージには、どのような危険があるか理解しておきましょう。 自己流マッサージで症状が悪化する危険 マッサージによって鵞足炎の症状が悪化する危険があるため、自己流のセルフケアはやめた方が良いです。 鵞足炎の原因といえば、激しい運動やウォーミングアップ不足などスポーツ選手に多いイメージがあると思います。 しかし、膝周りの筋肉の疲労だけでなく「骨格の歪み」を原因として鵞足炎を発症する場合があります。 骨格の歪みによって不安定な状態で自己流マッサージをしてしまうと、逆に負担が増すようになり痛みが悪化することが多いです。 自己判断でマッサージをせずに必ず病院や整体院などで施術を受ける、もしくはアドバイスをもらうようにしましょう。 痛みが緩和するまで安静する 鵞足炎によって膝内側の痛みを感じる場合、痛みが緩和するまで安静にしましょう。 軽症の場合、膝を使う運動を控えることで数週間で炎症が治ります。痛みが強い時は、湿布を使用して炎症を抑えるのがおすすめです。 鵞足炎の急性期の痛みは「冷湿布」で炎症を抑え、慢性期の痛みは「非ステロイド抗炎症薬の湿布」で疼痛のコントロールをします。 湿布であれば何でも良いわけではないため、医師に相談して適切なものを処方してもらいましょう。 鵞足炎の予防にストレッチやマッサージは効果的 鵞足炎の予防や再発防止のために行うストレッチやマッサージは効果的です。 内転筋(太ももの内側)と大腿四頭筋(太ももの前側)のストレッチがおすすめです。 一度鵞足炎になったことがある方は、補強機能付きの膝サポーターも活用することで膝を安定させることができるのでおすすめです。 サポーターの種類や選び方は、以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 再発を繰り返す鵞足炎には「再生医療」での治療がおすすめ 整体院などでマッサージをして、一時的には症状が改善したけれど、また鵞足炎を再発してしまった…。 このように何度も繰り返す鵞足炎にお悩みの場合、再生医療という選択肢も視野に入れてみるといいでしょう。 PRP療法といって、自分の血小板を濃縮した液体を患部に注射し、血小板のもつ修復作用で損傷した組織の修復を促すという再生医療があります。 PRPによる治療は、スポーツ選手が心配になるドーピングには指定されていないため、安心して治療を受けることができます。 何より、治療期間が短くて済むために、パフォーマンスを落としにくく、体に負担がかかりにくいといったメリットがあります。 まとめ・鵞足炎の痛みに自己流マッサージは悪影響!専門医の指導を受けましょう つらい痛みを伴う鵞足炎ですが、決して自己判断でマッサージなどをせず、必ず医療機関もしくは整体院などで施術を受けるようにしましょう。 自分でマッサージをする場合は、専門医や整体師の指導のもと、行うようにしてくださいね。 また、再発を繰り返す場合や痛みが改善しない場合は、再生医療という新しい治療法で鵞足炎を根本から治すという手段もあります。 自分にあった治療法を選択し、快適なスポーツライフを送りましょう。 PRP療法はアスリートに最適な方法です。詳しくは当院までお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2019.10.31 -
- PRP治療
- ひざ関節
膝の内側から裏にかけて痛みを感じる鵞足炎に悩む方は少なくありません。 鵞足炎は、サッカーやマラソンなど足を酷使するアスリートが発症しやすい疾患です。 本記事では、鵞足炎の症状や痛みを緩和するストレッチ、鵞足炎の治療法を紹介します。 さらに、ストレッチをしても症状が改善しない場合の治療法についても触れています。鵞足炎の痛みを和らげたい方は、ぜひ参考にしてください。 この記事でわかること 鵞足炎の症状 鵞足炎の痛みを緩和するストレッチ 鵞足炎の治療法 鵞足炎とは?どんな症状? 鵞足(がそく)炎は、膝の内側からやや下のあたりに痛みや腫れを引き起こす炎症性の症状です。 この症状は、鵞足と呼ばれる膝の内側にある3つの筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋)が付着している部分で発生します。 ランニングやサッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、水泳など、足を酷使するスポーツをしている人が発症しやすい疾患です。 大きな負荷をかけたり、運動前のストレッチを疎かにしたりすると発症します。 鵞足炎になる原因 鵞足炎の原因は膝の使いすぎです。膝の摩擦やストレスによりスポーツをする人が発症しやすい疾患です。 また、筋肉の疲労が蓄積すると鵞足炎のリスクが上がり、膝の腱と内側の骨が擦れる状態も鵞足炎になりやすいです。 ランニング中に膝が内側に向く癖がある人や、X脚の人も鵞足炎になりやすい傾向があります。 鵞足炎の痛みを緩和するストレッチを紹介 鵞足炎の痛みは日常生活にも影響します。 痛めた直後はアイシングを行うことが有効ですが、少しずつ痛みが緩和してきたらストレッチも有効です。 鵞足炎の痛みを緩和するストレッチを紹介するので、1日に2回から3回を目安に、1回10秒から30秒程度で無理のない範囲で試してください。 腸脛靭帯のストレッチ 1.両足を伸ばした状態で上半身を起こして座る 2.右膝を立てて左足にかける 3.上体を右にひねる これを両方行う 内転筋のストレッチ 1.あぐらをかき、両足の足底部をくっつける 2.無理のない範囲で両ひざを押す これを両方行う ハムストリングスのストレッチ 1.あおむけになる 2.片方の膝を曲げて、両手で太腿の裏を掴む 3.そのまま上体を少し後ろに倒す 4.タオルやストレッチバンドを足裏にかける 5.無理のない範囲で脚を引き寄せて20秒キープした後にゆっくり戻す これを両方行う 大腿四頭筋のストレッチ 1.両足を伸ばした状態で床やベッドに座る 2.左の脛が床につくような形で折り曲げる 3.そのまま上体を少し後ろに倒す これを両方行う 鵞足炎の治療方法 鵞足炎の治療法は、主に3種類あります。 薬物療法 理学療法 再生医療 鵞足炎の治療法は、症状の程度や患者の状態によって異なります。症状に適した治療を選ぶと鵞足炎の改善に期待できます。 薬物療法 鵞足炎の治療の初期段階では、痛みや炎症を抑えるために薬物療法が行われます。使用するのは主に抗炎症薬や鎮痛剤です。投薬により痛みを和らげ、炎症を抑えます。 症状が軽度の場合は、薬物療法だけで改善が期待できます。 痛みや炎症が強い場合は、注射療法が有効です。局所にステロイド注射を行い、炎症を迅速に抑えます。 ただし、ステロイド注射は一時的な効果であり、頻繁に使用すると副作用のリスクがあるため、適切なタイミングでの使用が重要です。 理学療法 理学療法は鵞足炎の症状改善に効果的な治療法の一つです。 膝の痛みを和らげ、柔軟性を回復させるためのストレッチが中心となりますが、炎症が強い急性期は安静が必要で、症状が落ち着いてから徐々に開始します。 特に、縫工筋・半腱様筋・薄筋などの筋肉の柔軟性を高めるストレッチが推奨されます。 これらのストレッチは、必ず理学療法士などの専門家に正しい方法を指導してもらい、自身の症状や生活スタイルに合わせて行うことが重要です。 再生医療 鵞足炎が慢性化した場合や、薬物療法や注射療法で十分な効果が得られない場合には、再生医療が選択肢として挙げられます。 幹細胞や血小板を活用した治療では、自身の細胞を利用して損傷した組織の修復を促進します。 再生医療は手術に比べて体への負担が少なく早期の回復期も期待できます。 ストレッチをしても鵞足炎が慢性化したときは? ストレッチやリハビリをしても鵞足炎を繰り返してしまう人は少なくありません。もしも慢性化してしまった場合、再生医療という選択肢も検討するといいでしょう。 現在では自分の血小板を濃縮した液体を患部に注射し、血小板のもつ修復作用で根治するPRP療法と呼ばれる治療法があります。 ドーピングに指定されていないため、スポーツ選手でも利用できます。 鵞足炎による膝の裏の痛みを緩和するストレッチを紹介!のまとめ 鵞足炎は、一度発症してしまうと再発する人も多くいます。鵞足炎の痛みの緩和や鵞足炎再発を予防するために、今回紹介したストレッチを試してください。 鵞足炎の再発に悩んでいる方はPRP治療をご検討ください。 PRP治療は、手術を避けられ入院も不要な治療法です。詳しくは当院までお問い合わせください。
2019.10.01 -
- PRP治療
「PRP療法後に腫れが引かない」とお悩みの方はいませんか。 PRP(多血小板血漿)療法は、患者様の血液から血小板を多く含む血漿を精製し、再び体内に注入する治療法です。 再生医療の1種であるPRP療法では、患部に直接注射して損傷した部位の修復・再生を促すため、注射部位に腫れが起こる可能性があります。 本記事では、PRP療法後の腫れについて詳しく解説します。 PRP療法後に注射部位が腫れても慌てないよう、適切なダウンタイムの過ごし方を確認しましょう。 PRP療法で腫れる・膨らむのはなぜ?主な原因 PRP療法で注射部位が腫れたり、膨らんだりする場合は、以下の原因が考えられます。 通常の治療反応としての炎症の場合もある 感染症の可能性 注入量や手技の問題 PRP療法は患者様自身から採取した血液から高濃縮された血漿(PRP)を精製し、再び体内に戻す治療法のため、注射器を使用します。 治療後、注射部位の腫れや膨らみが目立つ場合は、再度医療機関を受診し、適切に対処してもらいましょう。 以下の記事では、再生医療の1種であるPRP療法の費用について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 通常の治療反応としての炎症の場合もある 注射部位の腫れや膨らみは、通常の治療反応としての炎症の場合もあります。 PRP療法では注射器を使用するため、穿刺した部位に赤みが出たり、軽度の腫れがみられたりする場合があります。 通常の治療反応としての炎症は、数日で腫れや膨らみが落ち着く場合が大半です。 感染症の可能性 PRP療法で注射した部位が腫れたり、膨らんだりしているときは、感染症の可能性もあります。 感染症による腫れや膨らみがある場合は、以下の症状があらわれます。 腫れや赤みが引かない 注射部位がかゆい 熱感がある 感染対策が不十分な場所でPRP療法を受けたり、治療後に患部に細菌が入ったりすると、感染症による腫れが起こるため注意が必要です。 注入量や手技の問題 PRP療法は注入量や手技の問題により、注射部位に腫れや膨らみが起こる可能性があります。 通常、これらの症状は一時的なものであり、徐々に症状が軽減する傾向にあります。 適切な注入量や穿刺部位には、個人差があるため、再生医療を得意とする専門家に相談しましょう。 [美容_bk] PRP療法後の腫れの期間は?ダウンタイムの目安と経過 PRP療法のダウンタイムで腫れが続く期間は、個人差はありますが3~4日程度です。 ダウンタイム中は、腫れだけでなく、内出血や痛みを伴う場合もあります。 2週間以上、注射部位に症状がある場合は、治療を受けた医療機関へ相談しましょう。 PRP療法後のダウンタイム中の過ごし方 ダウンタイム中は、以下の3つのポイントを押さえて過ごすことが大切です。 刺激を与えないようにする 血行が良くなる行動はできる限り控える 医師が処方する薬を使用する 注射部位に刺激を与えてしまうと、腫れや膨らみなどの症状が悪化する恐れがあります。 ダウンタイム中の生活に注意していても腫れが引かない場合は、施術を受けた医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 刺激を与えないようにする ダウンタイム中は、注射した部位に刺激を与えないよう注意が必要です。 肌への刺激が強いと、患部の腫れや赤みが長引く可能性があります。 肌をかきむしる動作や衣服を着る際の摩擦、紫外線などは、肌へ強い刺激を与えます。 PRP療法後にかゆみがある場合は、なるべくひっかかないように注意し、必要であれば医師にかゆみ止めを処方してもらいましょう。 血行が良くなる行動はできる限り控える PRP療法後は、血行が良くなる行動をできる限り控えることが大切です。 血行が良くなる行動をとると、局所の炎症反応による血管拡張や血管透過性亢進を助長するため、腫れや膨らみが悪化する恐れがあります。 ダウンタイム中は、運動や入浴を避けて過ごしましょう。 医師が処方する薬を使用する PRP療法のダウンタイム中は、医師が処方する薬を使用することが重要です。 医師は個人の症状に合わせて薬を処方するため、症状の改善に期待できます。 ダウンタイム中の患部の腫れや膨らみ、痛みなどが長引いているときは、治療を受けた医療機関に相談し、適切な薬を処方してもらいましょう。 まとめ:不安な腫れは自己判断せず医師に相談を PRP療法は、患者様自身の血液から高濃度に濃縮した血漿(PRP)を精製し、再び体内に戻す治療法です。 注射による治療のため、通常の経過として3~4日程度、患部の腫れや膨らみが起こる可能性があります。 腫れが長引いていたり、膨らみが悪化していたりする場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診しましょう。 PRP療法は美容医療だけでなく、関節や靭帯などに炎症が起こった場合にも用いられる治療法で、大谷翔平選手のような有名アスリートにも採用されています。 当院(リペアセルクリニック)は、PRP療法をはじめとした再生医療に携わっている医療機関です。 治療後の腫れについてのご相談や、他院で治療中の方のセカンドオピニオンも承っておりますので、お気軽にご相談ください。
2019.07.12 -
- PRP治療
- ひざ関節
関節炎とリウマチはよく混同されますが、実はまったく異なる病態です。 関節炎は「関節に炎症が起きた状態」全般を指す幅広い概念であるのに対し、リウマチ(関節リウマチ)は免疫の異常によって自分の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。 しかし関節炎とリウマチの違いがよく分からないと、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、関節炎とリウマチの症状の違いを詳しく解説します。 関節炎とリウマチの症状の違いを正しく理解したい方、どちらに該当するのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 関節炎とリウマチの違い 関節炎とリウマチの主な違いを、各項目に分けて解説しています。 症状 原因 診断方法 治療法 両者の違いを正しく理解するためにも、ぜひ参考にしてください。 症状 関節炎とリウマチの症状の違いは、以下のとおりです。 症状 関節炎 リウマチ(関節リウマチ) 痛みの範囲 単一または限られた関節に出やすい 多発し、左右対称に現れる場合が多い 腫れ 局所的で非対称な場合が多い 対称的で熱感や腫れを伴う場合が多い 朝のこわばり 比較的短時間で治まる場合が多い 1時間以上続く場合が多い 全身症状 ほとんど見られない 倦怠感や微熱、貧血を伴う場合がある 関節炎は、膝や指など特定の関節に限定して炎症が起こるケースが多く、全身への影響は比較的少ないのが特徴です。 一方、関節リウマチでは、左右対称に複数の関節に炎症が現れやすく、腫れや熱感も強く出るのが特徴です。 さらに朝のこわばりが1時間以上続くこともあり、倦怠感や微熱、貧血などの全身症状を伴うケースも少なくありません。 原因 関節炎と関節リウマチは、いずれも関節に痛みや炎症をもたらしますが、原因は以下のように異なります。 原因 関節炎 リウマチ(関節リウマチ) 一般的な要因 関節の使いすぎ、加齢、外傷など 自己免疫の異常 遺伝 関連は低い 遺伝的要因が関与する場合がある 環境要因 肥満、特定のスポーツなど 喫煙、感染症などが影響する場合がある 好発年齢 高齢者に多い 比較的若い世代にも発症する 関節炎は加齢や使いすぎなどによって関節が物理的に摩耗することが主な原因で、スポーツや重労働が影響することも。 一方、関節リウマチは自己免疫の異常によって、自分の関節を攻撃してしまう疾患であり、遺伝要因や喫煙・感染症などの環境因子が関与する場合があります。 このように原因が異なるため、予防法や治療アプローチもまったく異なります。 診断方法 関節炎とリウマチの診断方法の違いは、以下のとおりです。 診断方法 関節炎 リウマチ(関節リウマチ) 診察 特定の関節の状態を重点的に観察 全身の関節の状態、皮膚症状などを観察 血液検査 一般的な炎症反応を確認 自己抗体の有無、炎症反応などを確認 画像検査 X線、CT、MRIなど X線、超音波検査、MRIなど 関節炎は局所的な症状の把握が中心ですが、関節リウマチでは全身症状や自己抗体の有無など、より多角的な検査が必要になります。 そのため、関節リウマチが疑われる場合は早めに専門医を受診し、総合的な診断を受けることが大切です。 治療法 関節炎とリウマチでは治療の目的や取り組み方が異なるため、選択される治療法にも違いがあります。 治療法 関節炎 リウマチ(関節リウマチ) 薬物療法 鎮痛剤や湿布などで炎症や痛みを緩和 抗リウマチ薬、生物学的製剤など 非薬物療法 理学療法、運動療法、装具療法など 作業療法、関節保護、生活指導など 手術療法 関節鏡手術、人工関節置換術など 関節形成手術、滑膜切除術など 関節炎では炎症のコントロールと関節機能の維持が治療の中心で、比較的軽度であれば、鎮痛剤やリハビリで対応可能の場合もあります。 一方で関節リウマチでは、進行性の関節破壊を防ぐことが最優先で、免疫に直接働きかける抗リウマチ薬や生物学的製剤による治療が欠かせません。 薬物療法に加えて、関節への負担を軽減する生活習慣の工夫や、症状の進行度に応じた外科的治療が選択されることもあります。 【まとめ】関節炎とリウマチの違いを知り、適切な治療を 関節炎と関節リウマチは、いずれも関節の痛みや腫れといった共通の症状がありますが、以下のように原因や症状の現れ方や治療法には明確な違いがあります。 項目 関節炎 関節リウマチ(リウマチ) 原因 加齢、外傷、感染、代謝異常など 免疫異常による自己免疫疾患 症状の現れ方 特定の関節に現れる 左右対称に複数の関節に出やすい 炎症の範囲 局所的 関節だけでなく全身に及ぶことも 伴う症状 関節の痛み・腫れ・熱感など 倦怠感、微熱、貧血などの全身症状 関節炎は、主に関節の使いすぎや加齢、ケガなどが原因で発症しやすく、痛みや腫れが1か所にとどまることが多いのが特徴です。 一方、関節リウマチは免疫システムの誤作動により、自分自身の関節が攻撃されて炎症が起こる「自己免疫疾患」です。 このように症状が似ていても根本的な原因が異なるため、治療法も大きく異なります。 関節の痛みや腫れが長引くときは自己判断で済ませず、できるだけ早く専門医を受診することが大切です。 日常生活への支障を抑えるためにも、関節に違和感を覚えた際は放置せずに速やかに医療機関での診察を受けましょう。
2019.06.30 -
- PRP治療
- 肘
PRP治療はつらい肘の痛みの改善にも効果が期待できます! 肘の痛みには、病気やケガによる痛みからスポーツによる痛みまで、さまざまな原因による痛みがあります。 そんな中、スポーツ医学分野においては、PRP治療という画期的な治療法が取り入れられるようになってきました。 今回は、肘のPRP治療とは一体どんなものなのかをご紹介します。 肘のPRP治療とは? PRPとは血小板を高濃度に含んだ血漿のことで、血小板には組織の修復を促進させるさまざまな成長因子がたくさん含まれています。 このPRPを筋肉や腱、靱帯などの軟部組織や、関節内の損傷した組織に注射をすることで、自然治癒の過程を活性化させ、治癒や再生速度アップを期待することができます。 また、組織再生や抗炎症作用を発揮するので、痛みを取り除く効果が期待できる治療でもあります。 肘のPRP治療の流れ 痛みがあるからといって、すぐにPRP治療が行われるわけではありません。 まずはリハビリや内服治療を優先して行います。それでも効果が得られない場合に限り、PRP治療が行われることになります。 PRP治療が決定すると、まずは血液を採取し、遠心分離器にかけてPRPを抽出します。 次に超音波検査器を使用して、患部を正確に確認しながらPRPを注入します。注入後は1週~4週で組織修復が開始され、2週~3ヶ月程度効果が期待できます。 PRP治療の適応になる肘の疾患とは? PRP治療に対応している肘の疾患は、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)や上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、肘関節靱帯損傷、野球肘などです。 主に、スポーツが原因の肘の痛みに対応しており、ヤンキースの田中将大投手やエンゼルスの大谷翔平投手がPRP治療を受けたことでも有名です。 肘のPRP治療の安全性と副作用 スポーツが原因の肘の痛みに効果的なPRP治療は、自分自身の血液を用いた治療なので、安全性は極めて高いと言えます。 また、重い副作用も報告されていません。 但し、注入時の痛みや注入した部位の皮下出血や赤み、腫れや熱を持ったように感じるなどの副作用は報告されています。これらの副作用は一時的なもので、一週間程度で気にならなくなります。 まとめ・PRP治療はつらい肘の痛みの改善にも効果が期待できます! 肘のPRP治療は、スポーツ医学分野において注目されている再生医療です。 テニス肘やゴルフ肘、野球肘などスポーツによる腱の炎症や、軟骨や骨、靱帯などが損傷した場合の痛みに効果が期待できます。 自身の血液を使った治療方法なので安全性は高く、大きな副作用の心配もありません。 スポーツをしている人で、さまざまな治療を施しているにも関わらず、なかなか肘の痛みが取れないという場合は、PRP治療を検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2019.06.29 -
- PRP治療
PRP(多血小板血漿)治療は、自己血液から抽出した成分を活用する再生医療のひとつで、変形性膝関節症・腱の炎症や美容目的など、さまざまな症状に応用されています。 PRP注射は自由診療(保険適用外)のため、費用は1回あたり数万円~数十万円と幅があり、病院や治療部位によっても異なることも。 実際に「PRP注射の費用はどれくらいかかるの?」「治療効果や通院回数が気になる」と、感じている方も多いのではないでしょうか? 本記事では、PRP注射の費用相場から治療の特徴まで詳しく解説します。 費用対効果や治療選択で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。 PRP注射の費用相場 PRP注射の費用相場は、以下のように施術を行う部位や治療の目的によって異なります。 片膝の治療:3~5万円程度 両膝の治療:5~15万円程度 筋・腱・靭帯の治療:3万円~15万円程度 変形性膝関節症の治療:5万円~30万円程度 美容目的の治療:3万円~50万円程度 PRP注射の費用相場は施術する部位によって異なりますが、一般的に注射1回あたりの費用は数万円~数十万円で、ほとんどの場合複数回の治療が必要です。 地域や病院によっても費用が異なるケースが多くありますが、診療費や検査費などは別途費用が必要となります。 PRP治療は自由診療|費用は保険適用外となる PRP治療は、現在の日本の医療制度においては保険適用外の自由診療となります。 そのため、費用は医療機関によって異なり、1回あたり数万円~十数万円と幅があるうえ、複数回の施術が必要となるケースも多いため、総額が高額になりやすいのが特徴です。 PRP治療は効果が確立されたわけではなく、臨床試験のデータが少なく、どのくらい有効なのか、持続期間はどれぐらいなのか、合併症の有無などエビデンスが得られるまでには時間がかかります。 そのため、有効性を検証する治験と平行して、PRP治療を患者に提供するという制度を利用しながらPRP治療が行われているのが現状です。 PRP治療ではまれに腫れや痛みなどの副反応がありますが、患者さま自身の血液を使用するためリスクは少ないといえます。 PRP治療の対象となる症状 PRP治療は、以下に該当するような症状や疾患をお持ちの方に対し、選択肢の一つとして提案されることがあります。 筋肉の損傷や腱の炎症 変形性膝関節症に伴う関節の痛みや炎症など ただし、膝の変形が重度の場合や肥満の方では、治療効果が十分に得られないことがあります。 また、肺や心臓、肝臓、腎臓に重篤な疾患がある方や、薬剤過敏症の既往がある方、膝の軟骨が完全に失われている方などは、PRP治療を受けることが出来ません。 治療を希望される場合は、医師による診察と画像検査(MRIやX線など)を通じて、PRP治療が適しているかを判断する必要があります。 安全に治療を受けるためにも、既往歴や体調に不安がある方は、事前に相談しましょう。 PRP注射で治療する特徴 自由診療のためPRP治療の費用は高くなりますが、薬物治療や手術治療にはない、以下のような特徴があります。 手術が不要 切開を伴わないため、身体への侵襲が少ない 入院不要 外来での処置が可能なため、日常生活への影響が少ない 傷が残らない 注射のみで済むため、皮膚に目立つ痕が残らない 副作用が少ない 自分自身の血液を使用するため、拒絶反応やアレルギーのリスクが低いとされている 身体的・時間的な負担が少ない 術後の安静期間が短く、回復が早いケースもある 手術治療では入院をするため、治療から回復まで長期間に及ぶ場合があることや、薬物治療ではアレルギー反応や副作用のリスクも高くなります。 PRP治療はその中間的な選択肢として、身体への負担をできるだけ抑えつつ、自然治癒力を引き出すことを目的とした治療法です。 費用面ではやや高額ですが、「手術を避けたい方」や「薬に頼りたくない方」にとっては選択肢のひとつとなるでしょう。 【まとめ】PRP注射の費用相場を理解し、自分に合った治療を選ぶことが大切! PRP治療は保険適用外の自由診療のため、以下のように費用は病院によって異なりますが、1回あたり数万円~数十万円が相場となります。 片膝の治療:3~5万円程度 両膝の治療:5~15万円程度 筋・腱・靭帯の治療:3万円~15万円程度 変形性膝関節症の治療:5万円~30万円程度 美容目的の治療:3万円~50万円程度 保険適用外のため、費用相場は高額になるケースがありますが、入院や手術をする必要がなく、副作用が少ないなど特徴も多くあります。 PRP注射の費用相場、費用対効果をしっかり理解したうえで、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。 PRP注射に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2019.06.29