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脳梗塞の後遺症でふらつきやめまいが出現し、お困りの方はいませんか。 脳梗塞は、血の塊(血栓)が脳血管をふさぎ、発症部位より先の血流が滞ることで脳細胞が壊死する疾患です。 後遺症で出現するふらつきは、体幹失調が原因の可能性があります。体幹失調は、胴体のバランスが取りづらく、スムーズに身体を動かせない状態です。 本記事では、脳梗塞の後遺症によってふらつきが出現する原因や、めまいの特徴について詳しくご紹介します。 ふらつきやめまいは発症からの日数によって、症状の特徴が異なります。経過に合ったリハビリテーションを行い、脳梗塞によるふらつきを改善しましょう。 脳梗塞の後遺症でふらつく原因 脳梗塞の後遺症でふらつく原因は、小脳や脳幹の損傷によって体幹失調が起こっている可能性が高いです。 体幹失調とは、脳と胴体の連携が十分にできず、バランスを取ることが困難になる状態です。 脳梗塞は血の塊(血栓)が脳血管で詰まる疾患で、梗塞部位より先の血流が滞り脳細胞が壊死します。 小脳梗塞を引き起こすと、脳は身体を動かす指令を伝達できなくなる恐れがあるため注意が必要です。 体幹失調とは 体幹失調とは、脳梗塞の後遺症で起こる可能性がある運動失調の一種で、以下の特徴が現れます。 座っているときにグラグラする 足を大きく開いて歩く 手足の動きがバラバラになる 千鳥足のような歩き方になる 起き上がりや寝返りが困難になる 体幹失調は歩行時に症状が目立ちますが、身体のバランスが悪くなるため座っているときにも症状が現れる場合があります。 脳梗塞で体幹失調が起こるメカニズム 脳梗塞によって脳幹や特定部位が損傷すると、体幹失調が起こる可能性があります。体幹失調のメカニズムは、以下のとおりです。 脳幹に血栓が詰まり、発症部位より先の血流が遮断される 血流が減少し脳細胞が壊死する 身体へ指令を出す脳幹やバランスを取るための小脳や前庭迷路が機能しづらくなくなる 歩行時にふらつき症状やめまいが出現する 脳は、神経に身体を動かす指令を送る役割を担っています。 脳血管の一部の血流が遮断されると、身体をスムーズに動かせなくなり、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。 脳梗塞の後遺症による「めまい」の特徴 脳梗塞の後遺症による「めまい」は、大きく以下の3つに分けられます。 めまいの種類 特徴 回転性めまい ぐるぐると回っているように感じる 浮遊性めまい ふわふわと宙に浮いているように感じる 前失神性めまい 立ちくらみ同様、目の前が突然真っ暗になったように感じる めまいが起こると、自分自身が動いていなくても動いているように感じ、周囲からはふらついている状態に見えます。 脳梗塞によるふらつき・めまいの症状の変化 脳梗塞によるふらつきやめまいでは、発症してからの日数によって症状が変化します。 症状に合わせて、適切な治療やリハビリテーションを受け、ふらつきを改善していくことが重要です。 発症直後 脳梗塞の発症直後は、ぐるぐると回っているように感じる「回転性めまい」が出現しやすく、重いふらつき症状が現れます。 発症直後の回転性めまいは重度で、自分自身で立位を保つことは困難です。 以下の脳梗塞の初期症状(一過性脳虚血発作)がみられた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 口が閉まりにくい ろれつが回らない 言葉が出ない 片麻痺 めまいやふらつきがある 視野が狭くなる 治療せずに放置すると重い後遺症が出る恐れがあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。 脳梗塞の初期症状や発症原因については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 数日〜数週間経過後 脳梗塞の発症から数日~数週間経過すると、回転性めまいの症状が軽減する場合があります。 しかし、平衡感覚障害やふらつきが残る場合があるため、リハビリが重要です。 歩行時のふらつきやめまいがあるときは、無理に動かず、医療者の指示に従いましょう。 治療後 脳梗塞の治療後は、後遺症としてふらつきやめまいが出る場合があります。 後遺症でめまいやふらつきがある方は、治療やリハビリテーションを継続し、転倒リスクの軽減を図ることが大切です。 脳梗塞の後遺症によるふらつき改善に重要なリハビリテーション 脳梗塞の後遺症によるふらつきを改善するには、以下のリハビリテーションを行うことが重要です。 リハビリテーションで効果を得られるように、適切なリハビリ方法を確認しましょう。 フレンケル体操 脳梗塞の後遺症によるふらつきに効果的なリハビリテーションの1つに、フレンケル体操があります。 フレンケル体操は、小脳を原因とした運動失調に有用なリハビリテーションで、身体の位置感覚や運動バランスを改善するために行われます。 体操の運動項目は120種類以上あり、後遺症の程度や病状に合わせて選択するのが一般的です。 仰向けで行う方法 両足のかかとを床につける 片足をすべらせるように動かし、膝の曲げ伸ばしを行う かかとを床につけたまま、片膝を曲げた状態で股関節を内外に動かす 片膝を立てた状態で股関節を内外へ動かす 椅子に座って行う方法 椅子に座り、数分間姿勢を保持する 足の前に目印を置き、片方のつま先でタッチして元の姿勢に戻る 足を閉じて立ち上がり、再度椅子に座る 無理のない範囲でフレンケル体操を実施し、身体の平衡感覚の改善を目指しましょう。 前庭リハビリテーション 脳梗塞の後遺症でふらつきがみられる場合に、前庭リハビリテーションを行う方法があります。 前庭リハビリテーションは、歩行や姿勢の保持など、日常生活動作の改善を目的として行われる反復訓練です。 リハビリテーションを行うことで、平衡感覚をつかさどる前庭の機能を改善し、ふらつき症状やめまいの軽減が期待できます。 椅子に座って行う方法 体の正面で腕を伸ばし、親指を目の高さに持ってくる 親指を見ながら頭を左右・上下に動かす 立って行う方法 目を開けたまま足を閉じて立ち、前後左右に身体を傾ける 1ができたら、目を閉じて立ち、前後左右に身体を傾ける 椅子に座って行う方法や、立って実施する訓練ができたら、歩行訓練を行います。 歩行時は身体を静止しているときと比べて転倒リスクが高いため、注意して実施しましょう。 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお困りの方は再生医療をご検討ください 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお困りの方は、後遺症の根本的な治療を目指せる再生医療を検討してみましょう。 再生医療とは、体が持つ再生能力を利用して一度壊死した脳細胞を再生させる医療技術のことで、脳機能の回復が期待できます。 また、リハビリと並行して再生医療を行うことで身体機能の回復効果を高め、治療期間の短縮にもつながります。 リペアセルクリニックでは、患者さまの症状に適したリハビリの訓練や指導が行えるよう、医師の他に理学療法士や柔道整復師などの専門資格を持つチーム体制が整っています。 脳梗塞の後遺症でお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 【まとめ】脳梗塞の後遺症によるふらつき改善にはリハビリが重要 脳梗塞の後遺症によるふらつき改善には、症状に合ったリハビリが重要です。 適切なリハビリテーションを行うことで、ふらつきが改善され、転倒リスクが低減します。 後遺症のめまいやふらつきが改善せずお困りの場合は、リハビリテーションと並行して再生医療による治療も検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、厚生労働省に受理された治療法で、後遺症の改善だけでなく脳梗塞の再発予防も期待できます。 脳梗塞の後遺症によるふらつきにお悩みの方は 、当院(リペアセルクリニック)へお気軽にお問い合わせください。
2025.03.07 -
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脳の中でも生命維持に関わる重要な部位である脳幹での出血は特に深刻とされています。 脳幹出血を経験した患者さまやご家族は、回復の見込みはあるのか?不安を抱えていることでしょう。 この記事では、脳幹出血の回復見込みについて複数の医学論文のデータも合わせて解説します。 脳幹出血は重篤な疾患ですが、適切な治療と早期からのリハビリによって機能回復の可能性を高められることがわかります。 脳幹出血に回復の見込みはあるのか【論文データについても解説】 脳幹出血に回復見込みはどの程度あるのでしょうか? ここでは複数の医学論文のデータも合わせて脳幹出血後の回復率や死亡率、また回復に影響する要因について解説します。 脳幹出血から良好回復した方は約6.1% 患者の予後は61%が死亡例というデータも 脳幹出血を発症した時の意識状態が予後に影響 発症1か月時点で半年後の歩行能力が予測可能 意識状態や年齢といった要素が予後にどう関わるのか、また発症初期の状態から将来の機能回復をどの程度予測できるのかについても解説します。 脳幹出血から良好回復した方は約6.1% 脳幹出血患者を対象とした研究※では、発症から3ヶ月後の転帰として「良好な回復」が得られたのは全体の6.1%でした。 ※出典:ScienceDirect その他の転帰としては「中等度障害」12.7%、「重度障害」12.7%、「植物状態」10.8%、そして「死亡」が57.5%となっています。 ただし、脳幹出血の死亡率は研究によって幅があり、対象患者の状態や年齢層、医療体制などの違いが影響していると考えられます。 上記から脳幹出血は重篤性がありますが、良好な回復を遂げる可能性もあることがわかります。 患者の予後は61%が死亡例というデータも 国立病院機構災害医療センターによる脳幹出血患者を対象とした研究では、退院時の予後として死亡例が61%、生存例が39%※という結果が報告されています。 ※出典: 脳幹出血患者の予後に関する臨床的検討 また、生存例の詳細は以下のようになっています。 良好な回復:3% 中等度障害:9% 重度障害:13% 植物状態:14% この研究では年齢層による死亡率の差も分析されており、70歳以上の患者の死亡率は79%、70歳未満では57%と高齢なほど死亡率が高い傾向が見られましたが、統計学的な有意差は認められていません。 つまり、年齢と死亡率の間に明確な相関関係があるとは言えないものの、数値としては高齢者ほど予後不良となる可能性が高いことがわかります。 脳幹出血を発症した時の意識状態が予後に影響 脳幹出血患者の予後を左右する重要な因子として、発症時の意識状態が挙げられます。 国立病院機構災害医療センターの研究では、来院時の運動機能スコア(M1~M6)と予後の関係について詳細な分析※が行われました。 ※出典: 脳幹出血患者の予後に関する臨床的検討 結果として、M1(全く動かない)の患者21例の死亡率は86%、M2(痛み刺激に対して除脳硬直)の患者25例の死亡率は76%と非常に高い割合でした。 脳幹出血発症時の意識レベルは患者の予後を予測する上で非常に重要な指標であり、特に重度の意識障害を伴う場合は、死亡リスクが著しく高まるということがわかります。 発症1か月時点で半年後の歩行能力が予測可能 脳幹出血患者の半年後の歩行能力は、発症1ヶ月時点での評価で高い精度で予測できる※ことが明らかになりました。 ※出典: 脳幹出血患者の予後予測. 脳卒中の外科 17例の脳幹出血患者を観察した研究では、1ヶ月時点で以下の条件を満たす患者は半年後に歩行能力を獲得できる可能性が高いことが示されています。 特に、端座位保持能力と歩行機能の間には強い関連があり、1ヶ月以内に端座位を自力保持できた患者はほぼ全例が半年後に歩行可能となっています。 脳幹出血の改善には早期のリハビリが重要 脳幹出血は重篤な後遺症をもたらす可能性が高いため、機能回復に向けた計画的なリハビリテーションが重要です。 リハビリは以下の3段階に分けて進められます。 急性期のリハビリ 回復期のリハビリ 維持期のリハビリ 本章では、各時期のリハビリの特徴と重要なポイントについて詳しく解説します。 急性期のリハビリ 急性期(発症直後2週間〜1ヶ月程度)のリハビリテーションは、二次的合併症の予防と早期の機能回復に重点を置きます。 急性期は全身状態に注意した上で主に以下のリハビリを行います。 関節可動域訓練(関節が固まるのを防ぐ) ベッド上での寝返り訓練 座位訓練(上体を起こす練習) 嚥下(えんげ)訓練 車いすへの移乗訓練 立位・歩行訓練(状態に応じて) 言語機能の回復訓練 ストレッチ運動 近年の研究では、早期からリハビリを開始した患者の方が、長期的な予後や後遺症の改善に良い効果が見られています。 回復期のリハビリ 回復期(3〜6ヶ月程度)のリハビリテーションでは、急性期で回復しなかった機能や後遺症の改善を目指します。 回復期には、主に以下のリハビリを行います。 生活に必要な基本動作訓練(立つ、座る、歩くなど) 日常生活動作(ADL)訓練(食事、着替え、トイレなど) 麻痺の改善訓練(促通訓練) 筋力増強訓練 痙縮(けいしゅく)対策(ストレッチや薬物療法) 高次脳機能訓練 嚥下・構音訓練 装具の使用訓練 この時期には一般的に回復期リハビリテーション病棟へ転院し、集中的なリハビリを行います。 維持期のリハビリ 維持期(発症6ヶ月以降)は「生活期」とも呼ばれ、回復した機能の維持と社会生活への復帰を目指す時期です。 この時期は在宅で生活しながら、以下のようなリハビリを継続します。 物理療法(病院で実施) 自宅でのストレッチや筋力訓練 散歩やラジオ体操などの日常運動 生活に必要な動作の確認と練習 装具の調整とメンテナンス デイケアや訪問リハビリの活用 社会参加を促す活動 再発予防のための生活習慣指導 継続的なリハビリと生活習慣の改善により、機能維持と再発予防を両立させることが重要です。 脳幹出血にはどのような後遺症がある? 脳幹出血には、主に以下の後遺症が出る場合があります。 後遺症の種類 主な症状 運動麻痺 手足が思うように動かせない 感覚障害 触覚や痛覚の異常、しびれ 嚥下障害 飲食物の飲み込みが困難 構音障害 発音がうまくできない、呂律が回らない 眼球運動障害 物が二重に見える、まぶたが開かない 自律神経障害 体温調節障害、発汗異常、血圧変動 運動失調 ふらつき、体のバランスが取りにくい 高次脳機能障害 記憶障害、注意障害、判断力低下 脳幹出血の後遺症は、適切なリハビリによって改善する可能性があります。 脳幹出血の再発防止・後遺症からの回復には「再生医療」が注目されている 脳幹出血の再発防止・後遺症に対して、再生医療という治療方法があります。 再生医療は、人間が持っている再生能力を活かした医療技術の一つです。 当院「リペアセルクリニック」では、自己脂肪由来の幹細胞治療を実施しています。 手術や入院を必要としない治療方法です。 再生医療の詳細については、無料のメール相談やオンラインカウンセリングからお問い合わせください。 脳幹出血の回復見込みに関してよくある質問 脳幹出血の回復見込みに関してよくある質問を紹介します。 脳幹出血の回復率は? 脳幹出血の余命はどのくらい? 脳幹出血を予防する方法は? 出血の程度や部位、患者さまの年齢や既往歴によって回復の見込みや予後は異なるため、あくまで参考としてごらんください。 脳幹出血の回復率は? 脳幹出血の発症から3ヶ月後の回復率は以下の通りです。 良好な回復:6.1%(13名) 中等度障害:12.7%(27名) 重度障害:12.7%(27名) 植物状態:10.8%(23名) 死亡:57.5%(122名) ※出典:ScienceDirect 何らかの障害を抱えながら生存される方が約36%、亡くなる方が半数以上を占めるため回復率は低いといえるでしょう。 脳幹出血の余命はどのくらい? 脳幹出血を含む脳出血患者の余命は、約12年程度とされています。 その他、生存率に関する調査では以下のような結果が報告されています。 10年生存率は約24.1% 5年生存率は24% 1年生存率は38%、 若年層(50歳以下)は高齢者(70歳以上)よりも5年生存率が高い 特に意識障害が強い場合や出血量が多い場合は、発症後数時間から数日で急激に状態が悪化するケースもあり、注意が必要です。 脳幹出血を予防する方法は? 脳幹出血の主な原因は高血圧や動脈硬化であるため、予防は基本的に生活習慣の改善によって行います。 減塩する 大量飲酒・喫煙を控える 肥満を解消する ストレスを溜めない 定期的な健康診断を受ける 適切な血圧管理 これらの予防法を継続的に実践することで、脳幹出血のリスクを減らすことができます。 【まとめ】脳幹出血は程度によって回復の見込みもある!早期のリハビリテーションが重要 脳幹出血は重篤な疾患ですが、出血の程度によっては回復の見込みがあります。 ある研究では良好回復は約6.1%※と低いものの、予後を左右する重要な因子として、発症時の意識状態や出血量、年齢などが挙げられます。 ※出典: 脳幹出血患者の予後予測. 脳卒中の外科 回復のためには早期からの適切なリハビリテーションが非常に重要であり、急性期・回復期・維持期の各段階に応じた計画的なアプローチが求められます。 また、再発予防のためには減塩や禁煙、適切な血圧管理などの生活習慣改善が不可欠です。 他にも脳幹出血の再発予防や後遺症には、再生医療の選択肢があります。 再生医療に興味がある方は、お気軽にご相談ください。
2025.03.07 -
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脳幹出血を発症すると、どのような後遺症が残るのか、またその症状に対してどのような治療やリハビリが効果的なのか疑問をお持ちの方も多いでしょう。 とくにご家族が脳幹出血を発症された方は、これからの治療や生活について不安を感じておられることと思います。 この記事では、脳幹出血の主な後遺症とその症状、治療・リハビリ方法について詳しく解説します。 脳幹出血の主な後遺症 脳幹出血の主な後遺症は以下の通りです。 運動麻痺(四肢麻痺) 感覚麻痺 眼球運動障害 嚥下障害 構音障害 高次脳機能障害 出血した部位や範囲によって症状は異なりますが、一般的には後遺症が出るケースが多いとされています。 本章では、脳幹出血後に見られる主な後遺症について詳しく解説します。 運動麻痺(四肢麻痺) 運動麻痺とは、手足を自分の意思通りに動かせなくなる状態です。 麻痺の状態は以下のように分類されます。 完全麻痺:自分の意思で手足を全く動かせない状態 不全麻痺:運動機能や感覚が完全に失われず、手足の動きが少し残る 弛緩性麻痺:筋肉の緊張が低下し、力が入らない状態 痙性麻痺:筋肉が硬く緊張した状態で、スムーズに動かすことができない 脳幹出血によって運動をコントロールする神経経路が損傷すると、四肢に麻痺が生じることがあります。 とくに脳幹は左右の神経が交差する場所であるため、両側の手足に麻痺が現れる四肢麻痺を引き起こすことがあります。 感覚麻痺 感覚麻痺は、皮膚などへの刺激を正常に感じ取れなくなる状態です。 感覚麻痺によって現れる主な症状には以下のようなものがあります。 触覚の低下(物に触れても感じにくい) 痛覚の低下(痛みを感じにくい)または過敏(わずかな刺激でも痛みを感じる) 温度感覚の低下(熱い・冷たいの区別がつきにくい) 深部感覚の低下(体の位置や動きの認識が難しい) しびれ感や異常感覚 振戦(ふるえ) 脳幹出血によって感覚を伝える神経経路が損傷されると、身体の感覚が鈍くなったり、異常を感じたりすることがあります。 眼球運動障害 眼球運動障害は、目の見え方に異常をきたす障害です。 脳幹出血によって、眼球を動かしたり瞳孔や水晶体の調節したりする神経が損傷されると、さまざまな視覚症状が現れます。 複視(物が二重に見える) 眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がってくる) 視野狭窄(視野が狭くなる) 視力低下(物がぼやけて見える) めまい これらの症状は日常生活に大きな支障をきたすため、早期からのリハビリテーションが重要です。 嚥下障害 嚥下(えんげ)とは、飲食物を飲み込む動作のことです。 脳幹には嚥下に関わる神経が多く存在するため、脳幹出血によって嚥下機能に影響を及ぼすことがあります。 食事中にむせる・咳き込む頻度が増える 食事に時間がかかるようになる 食べられる量が減少する よだれが増える 声が枯れやすくなる(誤嚥により声帯に負担がかかる) 嚥下障害がある場合、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、適切なリハビリテーションと口腔ケアが重要です。 構音障害 構音障害とは、舌、口唇、声帯などの動きに異常が生じ、はっきりと発音できなくなる障害です。 構音障害によって現れる主な症状には以下のようなものがあります。 はっきり発音できなくなる(呂律が回らない) 高い声を出しにくくなる 声がかすれやすくなる 声の大きさをコントロールしにくくなる 言葉に抑揚がなくなる 脳幹出血によって発声に関わる神経や筋肉の機能が損なわれると、言葉がはっきりと発音できなくなります。 構音障害のリハビリでは、正しい発音の練習やゆっくりと話すことを意識することで、コミュニケーション能力の改善が期待できます。 高次脳機能障害 高次脳機能障害とは、脳の損傷によって生じる認知・思考・行動の障害です。 高次脳機能障害には以下のような症状が含まれます。 注意力や集中力の低下 記憶障害(とくに新しいことを覚えられない) 遂行機能障害(計画を立てて実行することが難しい) 社会的行動障害(感情のコントロールが難しい) 意欲の低下 高次脳機能障害は外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれます。 本人が気付きにくいからこそ、家族や周囲の人の理解が必要です。 脳幹出血の後遺症に対するリハビリと治療方法 脳幹出血は重篤な症状を引き起こす疾患であり、後遺症の回復には適切な治療とリハビリテーションが欠かせません。 治療とリハビリは病期によって大きく内容が変わります。 急性期の治療とリハビリ 回復期の治療とリハビリ 維持期の治療とリハビリ 脳幹出血の後遺症に対するアプローチは、上記の3段階に分けて行われ、それぞれの段階で必要な治療とリハビリ方法が選択されます。 急性期の治療とリハビリ 発症から約2週間〜1カ月程度の急性期は、命を守り、状態を安定させることが最優先される時期です。 急性期の治療は主に次のように行われます。 治療方法 内容 降圧療法 出血の拡大を防ぐため血圧を適切にコントロール 脳浮腫治療 マンニトールやグリセオールなど薬剤を用いて脳浮腫(脳の腫れ)を軽減 ドレナージ手術 水頭症が見られる場合にチューブで脳脊髄液を体外に排出 人工呼吸器管理 呼吸機能低下時に実施 気管切開 長期的な呼吸管理が必要な場合に実施 脳幹出血は他の脳出血と異なり、手術の負担が大きいという理由から血腫除去手術はあまり適応されません。 治療の主な目的は出血の拡大防止と全身状態の安定化です。 急性期には、全身状態に注意した上で以下のリハビリが実施されます。 ベッドでの関節可動域訓練 早期離床訓練(座位訓練) 嚥下機能評価と訓練 呼吸リハビリ 基本動作訓練 急性期のリハビリは、可能な限り早期から開始することが推奨されています。長期間のベッド上安静は筋力低下や関節拘縮、褥瘡などの二次的合併症のリスクを高めるためです。 ただし、脳幹出血の場合は他の脳血管疾患よりも安静度が高く設定されることが多いため、医師の判断のもとで状態に合わせた適切なリハビリを進めていきます。 回復期の治療とリハビリ 回復期(発症後約3~6カ月)は、失われた機能の回復に集中的に取り組む時期です。 急性期を過ぎても症状や後遺症に応じて以下のような治療が行われます。 治療方法 内容 薬物療法 痙縮に対する筋弛緩薬の投与 ボツリヌス療法 強い痙縮に対しボツリヌス毒素を注射し筋緊張を緩和 ITB療法 重度痙縮に対しバクロフェンを脊髄腔内に持続投与 電気刺激療法 筋肉に電気刺激を与え運動機能回復を促進 回復期ではとくに痙縮(けいしゅく)と呼ばれる手足の筋肉が緊張して突っ張る症状に対する治療が重要です。 回復期には、症状や後遺症に応じて以下のリハビリが実施されます。 歩行訓練 ADL(日常生活動作)訓練 上肢機能訓練 高次脳機能障害へのアプローチ 嚥下・構音訓練 筋力増強訓練 脳幹出血患者の場合、リハビリ専門病院への入院期間は150日間(高次脳機能障害を伴う場合は180日間)までと決まっています。 この時期は機能回復が期待できる時期であり、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など多職種によるリハビリが行われます。 維持期の治療とリハビリ 維持期(発症後6カ月以降)は、回復した機能の維持と、残された症状に適応した生活の再構築を目指す時期です。 維持期には、以下の治療が行われます。 治療方法 内容 継続的な薬物療法 痙縮、高血圧、脳卒中再発予防のための薬物治療 定期的な検査 合併症の早期発見のための検査(血液検査やCT・MRIなど) 再発予防治療 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患管理 二次的合併症対応 関節拘縮、排尿障害、うつなどへの治療 補助具・福祉機器の処方 日常生活の自立度を高めるための支援機器提供と調整 維持期の治療では再発予防がとくに重要です。脳幹出血は再発すると症状がさらに重篤化することが多いため、基礎疾患の管理と定期的な健康チェックが欠かせません。 また、維持期には、以下のリハビリが実施されます。 外来リハビリテーション 訪問リハビリテーション デイケア・デイサービスでのリハビリ 自主トレーニング 環境調整と生活支援 維持期のリハビリは在宅で行われることが一般的で、介護保険サービスを活用しながら継続的に実施します。 リハビリを継続することで生活の質を向上させることができます。 脳幹出血の後遺症に対する治療の選択肢「再生医療」について 脳幹出血の後遺症に対する治療選択肢の一つとして再生医療があります。 再生医療は、人間が持っている再生能力を活かした医療技術です。 当院「リペアセルクリニック」で行っている再生医療は、自己脂肪由来の幹細胞治療です。 幹細胞治療では、患者さまの脂肪から幹細胞を採取・培養し、点滴で体内に戻すことで損傷した脳細胞の再生を図ります。 患者さま自身の幹細胞を利用するため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 脳幹出血を含む脳卒中に対する再生医療について詳細を知りたい方は、以下をご覧ください。 脳幹出血の後遺症に関してよくある質問 脳幹出血の後遺症に関してよくある質問を紹介します。 脳幹出血の後遺症から回復する見込みはある? 脳幹出血で後遺症になったら余命はどのくらい? 脳幹出血の前兆・サインはある? それぞれ詳しくみていきましょう。 脳幹出血の後遺症から回復する見込みはある? 脳幹出血の後遺症からの回復見込みは、出血の重症度によって大きく異なります。 軽度から中程度の場合は回復が期待できることもありますが、重度の場合は回復が難しい可能性が高いです。 調査では、脳幹出血患者の約6.1%が良好な回復、25.4%が中〜重度の障害を残すという結果※が報告されています。 ※出典:PubMed 発症時の意識レベルや出血量が大きな予後因子となります。 脳幹出血で後遺症になったら余命はどのくらい? 脳幹出血に限らず脳出血で後遺症が残った場合の余命については、研究データによると、脳内出血全体の10年生存率は約24%※とされています。 ※出典:AHASIA Journals Stroke 具体的には、深部出血で31.6%、脳葉出血で23.8%、後頭蓋窩(脳幹や小脳を含む部位)出血では34.3%の10年生存率が報告されています。 脳幹出血の前兆・サインはある? 脳幹出血の発症前に現れることがある前兆やサインとしては、主に以下の症状が知られています。 突然の激しいめまい 大きないびき 視覚の異常(視野が狭くなる、物が二重に見えるなど) これらの症状を感じた場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。 【まとめ】脳幹出血の後遺症にお悩みの方は再生医療をご検討ください 脳幹出血は重篤な症状を引き起こす疾患で、運動麻痺や高次脳機能障害などの後遺症が出ることがあります。 後遺症の新たな治療方法として再生医療をご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では自己脂肪由来の幹細胞治療を提供しており、一般的な治療(約1億個)の2倍となる2億個の幹細胞を投与可能です。 脳幹出血の後遺症でお悩みの方は、当院にご相談ください。
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脳梗塞は一度発症すると再発の可能性も高い危険な病気です。 20代でも脳梗塞を発症してしまうのか、予防する方法があるのか不安な方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞を20代で発症する確率や主な原因、症状について解説します。 脳梗塞の後遺症の改善や再発予防を目的とした再生医療についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、元に戻らないとされている脳細胞に対して症状改善が期待できる再生医療に関する情報を公開しております。 脳梗塞の後遺症治療にも注目されているので、将来的な不安がある方は、ぜひ参考にしてください。 20代で脳梗塞(若年性脳梗塞)を発症する確率 「脳梗塞は高齢者の病気」という認識が一般的ですが、若年層での発症も見過ごせません。 20代〜30代の若年層でも約1%の確率で脳梗塞を発症する可能性があるとされています。 若さを過信して警戒心を緩めがちですが、若年性脳梗塞は決して例外的な事例ではありません。 発見が遅れると深刻な後遺症リスクが高まるため、20代であっても体調変化に敏感になり、予防意識を持つことが大切です。 以下の記事では、脳梗塞を発症しやすい年齢について詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。 20代で脳梗塞になる主な原因 20代の脳梗塞について原因を理解することで、効果的な予防対策を講じることができます。主な原因として以下の5つがあります。 食生活の乱れ 運動不足 ストレス 喫煙 遺伝 これらの原因を理解し、日常生活で意識的に予防対策を行うことが重要です。 食生活の乱れ 20代の脳梗塞リスクを高める大きな要因として「不健康な食習慣」が挙げられます。 ファストフードやコンビニ食の多用、高脂肪・高塩分食品の習慣的摂取は血管に負担をかけるため、注意が必要です。 とくに揚げ物や加工肉製品などの過剰摂取は、血管内に脂質や塩分が蓄積し、動脈硬化を促進させるリスクがあります。 バランスの良い食事と栄養素摂取を心がけることが若年性脳梗塞の予防につながります。 運動不足 運動不足は肥満や高血圧の原因となり、20代であっても脳血管への負担を増大させるため、脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 また、長時間同じ姿勢での作業は下肢の血流を悪化させ、血栓形成リスクを高める原因です。 デスクワークやスマホ利用の増加で座りっぱなしの時間が長い20代は、血流の停滞が起こりやすい環境にあります。 1時間に一度は立ち上がる習慣や、日常的な有酸素運動の取り入れが効果的な予防策となります。 ストレス 仕事、人間関係、将来への不安など多くのストレスは交感神経を刺激し、ストレスホルモンの分泌を促進することで血圧上昇を引き起こします。 また、ストレスによる血管収縮は血栓形成リスクを高め、前頭前野機能の低下から不摂生な生活習慣につながる可能性もあります。 適度な運動や趣味の時間確保、十分な睡眠など、ストレス管理の習慣化が予防に効果的です。 喫煙 20代でも脳梗塞リスクを著しく高める習慣が喫煙です。 タバコに含まれるニコチンや有害物質は血管を収縮させ、血圧上昇と動脈硬化を促進します。 20代という若さでも、喫煙習慣があれば脳血管への悪影響は蓄積します。 禁煙は若年性脳梗塞予防において効果的な対策の一つといえるでしょう。 遺伝 20代の脳梗塞の原因として見逃せないのが遺伝的要因です。 両親や兄弟に脳血管疾患の既往歴がある場合、遺伝的体質により脳梗塞リスクが高まることがあります。 とくに「もやもや病」などの脳血管異常は遺伝的要素が強いとされています。 遺伝的リスクは変えられませんが、他の生活習慣改善と定期的な健康チェックで早期発見・予防に努めることが大切です。 20代で脳梗塞が起こる前兆・初期症状 20代の脳梗塞では、主に以下のような前兆や初期症状がみられます。 顔・手足の一部に麻痺症状がある ろれつが回らないなど言語障害がある 上記のような症状が出た場合、必ず病院を受診して治療を受けてください。 脳梗塞の初期症状は突然現れることが多いため、小さな違和感を見逃さないように普段から体調を気遣いましょう。 顔・手足の一部に麻痺症状がある 若年性脳梗塞の代表的な前兆として、突然の片側麻痺があります。 脳の血管が詰まると、以下のような症状が現れます。 顔の片側が下がる 笑うと口元が左右非対称になる 片目が開きにくいなどの顔面麻痺 片側の手足に力が入らない しびれる 感覚が鈍くなる 自己チェックとして、両腕を同時に挙げてみて片方だけ下がってくるようであれば要注意です。 これらの症状が一時的であっても、一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる本格的な脳梗塞の前兆かもしれません。 ろれつが回らないなど言語障害がある ろれつが回らないなどの突然の言語障害も20代の脳梗塞で見られる重要な初期症状です。 以下の症状が突然現れたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。 言葉がスムーズに出てこない 発音がはっきりしない 相手の言葉が理解できない アルコールを摂取していないのに突然このような症状が現れた場合は要注意です。 20代の脳梗塞を予防するためのポイント 20代の脳梗塞を予防するためのポイントを4つ紹介します。 バランスの良い食生活 適度な運動習慣 こまめな水分補給 定期的な検診 これらの予防ポイントを理解し、継続的に実践することで脳梗塞のリスクを大幅に軽減できます。 バランスの良い食生活 脳梗塞を予防するために、以下のポイントを意識して食生活を改善しましょう。 食事のポイント 効果・詳細 減塩する 高血圧や動脈硬化のリスクを抑える タンパク質を摂る 血圧を下げる、血行促進、血管を柔らかくする働きがある 抗酸化作用のある食材を摂る 血管細胞の機能を維持、動脈硬化を抑制する 食塩の1日適正摂取量は男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧対策では6.0g未満が推奨※されています。 ※出典:厚生労働省「日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題」 緑黄色野菜などの抗酸化物質も積極的に摂取しましょう。 適度な運動習慣 定期的な運動は血管機能を向上させ、高血圧や脂質異常症の改善に役立ちます。 脳梗塞予防には、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がとくに効果的です。 ある研究によると、1日5,000歩の歩行と7.5分の中強度身体活動(ジョギングや自転車など)が推奨※されています。 ※出典:運動疫学研究「脳卒中患者における身体活動研究の動向」 運動をする時間や頻度は、自分の体調や運動能力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。 こまめな水分補給 適切な水分摂取は脳梗塞予防に重要な役割を果たします。 体内の水分が少なくなると、血液がドロドロになって血栓ができやすくなります。 喉の渇きを感じる前に、食事中や入浴後、とくに乾燥する季節には意識的に水分を摂りましょう。 ただし、水の飲みすぎには注意が必要です。水を飲み過ぎると腎臓に負担をかけてしまうため、適度な量を心がけてください。 定期的な検診 20代の脳梗塞予防には、若年層に特有の「脳動脈解離」などの血管異常を早期発見することが重要です。 とくに家族歴がある方や不規則な生活習慣がある方は要注意です。 若年層特有の脳血管疾患は進行が早いケースもあるため、異常を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 20代の脳梗塞の治療に注目されている再生医療について 20代の脳梗塞の治療方法として、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 再生医療とは、患者さま自身の幹細胞を利用して損傷した細胞や組織の再生・修復を促す医療技術のことです。 一度損傷した脳細胞は元に戻らないとされていますが、幹細胞治療では改善する可能性があります。 脳梗塞の後遺症や再発予防でお悩みの方は、再生医療も治療の選択肢としてご検討ください。 再生医療の詳細については、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEにてご確認いただけます。 脳梗塞に関する再生医療の症例紹介や簡易オンライン診断を行っているので、ぜひチェックしてみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 20代の脳梗塞に関するよくある質問 20代の脳梗塞について患者さまやご家族からよく寄せられる質問にお答えします。 20代で脳梗塞になった後の再発率は? 20代で脳梗塞になるとどのような後遺症がある? 20代の脳梗塞で死に至る可能性は 脳梗塞は10代でもなる? 20代という若さで脳梗塞を経験した方が気になる再発リスクや後遺症について解説します。 20代で脳梗塞になった後の再発率は? 脳梗塞を含む脳卒中に関する研究データでは、若年性脳卒中後、平均9.1年で19.6%の方が少なくとも1回の再発を経験※したという報告があります。 ※出典:PubMed 再発予防のためには、医師の指示に従った薬物療法の継続、定期的な検診、そして生活習慣の徹底的な改善が不可欠です。 とくに喫煙者は、禁煙が優先事項となります。 20代で脳梗塞になるとどのような後遺症がある? 20代の脳梗塞後の後遺症は、発症部位や治療開始までの時間によって大きく異なります。 主な後遺症には以下のようなものがあります。 後遺症 症状 運動機能障害 片側の手足の麻痺やしびれ、歩行困難、バランス障害など 言語障害 言葉が出にくい、理解しにくい、読み書きの困難さなど 高次脳機能障害 記憶力低下、集中力低下、判断力や計画性の障害など 情緒・精神面の変化 感情のコントロール困難、うつ症状、不安障害など 若年層の場合、脳の可塑性が高いため、適切なリハビリテーションによって高齢者よりも機能回復が期待できるケースが多いです。 発症後できるだけ早期からの集中的なリハビリテーションが後遺症軽減のカギとなります。 20代の脳梗塞で死に至る可能性は 20代の脳梗塞の場合、適切な治療を受ければ死亡率は5%未満※とされていますが、治療が遅れると重篤な状態に陥るリスクが高まります。 ※出典:厚生労働省「第8表 死因順位1)(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合2)」 20代で脳梗塞により生命に関わる状態となる主な要因は以下の通りです。 大きな血管の完全閉塞による広範囲の脳損傷 脳浮腫による脳圧上昇 治療開始の遅れ 基礎疾患の合併 若年層は体力があるため回復力も高く、早期発見・早期治療により良好な予後が期待できます。 しびれ・ろれつが回らないなど、脳梗塞の前兆症状が現れたらすぐに救急車を呼びましょう。 脳梗塞は10代でもなる? 脳梗塞は10代でも発症する可能性があります。 10代で脳梗塞が起こる主な原因は以下の通りです。 先天性心疾患(心房中隔欠損症など) 血液疾患(鎌状赤血球症、白血病など) 脳血管奇形(もやもや病、動静脈奇形など) 感染症による血管炎 外傷による血管損傷 薬物使用(違法薬物、経口避妊薬など) 10代の脳梗塞は成人とは異なり、先天的な要因や基礎疾患が原因となることが多いのが特徴です。 突然の頭痛、意識障害、片麻痺などの症状が現れた場合は、年齢に関係なく緊急性の高い状態として対処する必要があります。 家族歴や基礎疾患がある場合は、定期的な検査と専門医による管理が重要です。 脳梗塞は20代でも発症する可能性あり!前兆を見逃さないことが重要 「若いから大丈夫」と思われやすい脳梗塞ですが、20代でも約1%は脳梗塞を発症する可能性があります。 片側の顔や手足の麻痺、言語障害などの前兆症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 20代の脳梗塞は家族歴や生活習慣病、先天性疾患が原因となることが多いため、日常から予防意識を持つことが大切です。 バランスの良い食生活、適度な運動、禁煙などで発症リスクを下げられます。 万が一発症した場合、後遺症の改善や再発予防には再生医療という選択肢があります。 脳梗塞に対する再生医療の治療法・症例については、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで紹介しています。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.01.09 -
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「ストレスから脳梗塞になる?」 上記のように「日頃のストレスが大きな病気につながらないか」不安な方も多いのではないでしょうか。脳梗塞の主な原因は、高血圧などの生活習慣病ですが、ストレスを溜めると間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 本記事では、脳梗塞の原因となり得るストレスが体に与える悪影響について、詳しく解説します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とストレスの関係性 ストレスが体に与える影響 脳梗塞の発症リスクを低減するために、脳梗塞になりやすい人の特徴や、ストレスの解消方法を確認しましょう。 ストレスは脳梗塞の原因となる可能性がある ストレスは、脳梗塞の原因となる可能性があります。脳梗塞を予防するために、以下2つのポイントを知ることが大切です。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞になりやすい人の特徴 日常的に強いストレスを感じている人は、脳梗塞をはじめとした脳卒中になりやすいため注意が必要です。 脳梗塞になりやすい人には特徴があるため、当てはまっていないか確認しましょう。 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞とストレスには、大きな関係があります。ストレスは脳梗塞の直接的な原因ではありませんが、脳梗塞のリスクを高める高血圧や動脈硬化の原因となる可能性があるためです。 強いストレスを感じているときは、交感神経が優位になります。交感神経は、体内で生成・分泌されるホルモンを調節する自律神経の1種です。 交感神経が優位になると、脈拍数の増加や血圧の上昇が起きて高血圧につながり、血管に大きな負担がかかります。高血圧によって血管がダメージを受けると、動脈硬化のリスクが高まり、脳梗塞を発症しやすくなります。 脳梗塞になりやすい人の特徴は? 脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。 脳梗塞になりやすい人の特徴 高血圧 糖尿病 脂質異常症 心房細動 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 脳梗塞は、生活習慣病やストレスなどが関係する環境因子と、遺伝的因子が合わさって発症リスクが高まります。 家族に高血圧や脳卒中の人がいる場合は、遺伝的に脳梗塞になりやすいため注意が必要です。 環境因子は、生活習慣の改善で排除できる場合もあるため、日常生活を見直しましょう。 以下の記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴について詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。 ストレスが体に与える悪影響とは? ストレスが体に与える悪影響は、以下のとおりです。 ストレスが体に与える悪影響 高血圧 睡眠障害 喫煙 ストレスが体に与える悪影響は多いため、自分に合ったストレス発散法を見つけ、早急に対処しましょう。 高血圧 ストレスが体に与える悪影響の1つに、高血圧があります。高血圧とは、一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くことをいいます。 強いストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が優位になり、血圧が上がります。高血圧の状態が続くと血管に大きな負担がかかり、動脈硬化になりやすいため注意が必要です。 高血圧を原因とした動脈硬化は、脳梗塞の主なリスク因子です。脳梗塞をはじめとした脳卒中は、高血圧と深く関係します。 家族に高血圧の人がいたり、普段から血圧が高かったりする人は、病院を受診し早期から血圧管理を行うことが重要です。 以下の動画では、高血圧と血糖値について、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 高血圧を予防するために、塩分を控えた食事を心がけたり、運動を習慣化したりしましょう。 睡眠障害 ストレスが体に与える悪影響には、以下の睡眠障害があります。 不眠症 眠りにつくまでに時間がかかること(入眠困難) 眠りについても途中で起きてしまう状態(中途覚醒) 早朝に起きてしまい、もう一度眠れない状態(早朝覚醒) 熟睡できず疲労感が残っている状態(熟眠障害) 過眠症 夜間に睡眠がとれているにもかかわらず、日中起きていられないこと 睡眠時無呼吸症候群 睡眠中にひどいいびきや無呼吸が生じる疾患 概日リズム睡眠・覚醒障害群 体内時計にずれが生じ、起床時間や就寝時間が不規則になる状態 睡眠障害が起こると、日中の活動力低下や集中力低下、倦怠感などが生じやすいため注意が必要です。 睡眠障害が原因で生活習慣が乱れると、生活習慣病になる可能性が高まり、脳梗塞を発症する恐れがあります。 喫煙 ストレスが体に与える悪影響に、喫煙があります。ストレスを感じ喫煙する人がいますが、イライラをたばこで一時的に緩和しているだけなので注意が必要です。 喫煙習慣はたばこに含まれるニコチンの依存度へ強い影響を与え、喫煙者はストレス解消方法として喫煙行動をとっている可能性が高いことが示唆されています。 出典:喫煙の習慣がストレス状況下での喫煙欲求におよぼす影響|Journal of Health Psychology Research 2017, Vol. 30, No. 1, 9–17 喫煙は動脈硬化や高血圧などを発症するリスク因子であり、脳梗塞の危険性が高まるため、禁煙が大切です。 ストレスを感じる原因や解消方法 ストレスを感じる原因や解消方法は、人によって異なるため以下の項目を確認し、ストレス発散法を知ることが重要です。 ストレスの原因と解消方法 ストレスの原因 おすすめのストレス解消方法 同じ状況下でも人によってストレスを感じる程度が異なる場合があります。 ストレスを感じやすい原因を知り、自身で対処できるようにストレス解消方法も合わせて確認しましょう。 ストレスの原因 ストレスを感じる原因は、主に以下の4つがあります。 ストレスを感じる原因 仕事(人間関係・収入など) 住環境の変化 親の介護問題 自身の健康問題 厚生労働省の調査※によると、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は82.7%です。 ※出典:令和5年労働安全衛生調査(実態調査)|厚生労働省 予想していなかった出来事が急に起こったり、外部から強い刺激を受けたりすると、強いストレスを感じやすいため注意が必要です。 とくに真面目な性格の人や自己肯定感の低い人はストレスを感じやすく、身体の不調も出やすい特徴があります。 おすすめのストレス解消方法 おすすめのストレス解消方法は、以下のとおりです。 おすすめのストレス解消方法 運動する 自分の気持ちを書き出す 家族や友人に相談する 趣味を楽しむ(読書や映画鑑賞など) ゆっくり入浴する 部屋の模様替えをする 運動や部屋の模様替えなどは、リフレッシュできストレス発散につながります。ゆっくり入浴することで、ストレスで活性化した交感神経の働きを抑えられる効果が期待できます。 ストレスと上手に付き合えるように、自身に合った方法でリフレッシュをし、脳梗塞のリスクを低減しましょう。 脳梗塞の初期症状が出たら早期受診・治療を受けることが重要 脳梗塞の初期症状が出たら、早期受診し、治療を受けることが重要です。脳梗塞の主な初期症状は、以下のとおりです。 脳梗塞の初期症状 顔のしびれやゆがみ 呂律が回らない 感覚が鈍くなる 手足の力が入りにくくなる めまいや吐き気 目のかすみやぼやけ 脳梗塞の前兆や初期症状かもしれないと感じたら、すぐに病院を受診しましょう。 以下の動画では、脳梗塞の前兆について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞を早期から治療できれば、症状の悪化を防げる可能性があります。 脳梗塞を放置すると重い後遺症が出る場合もあるため、早急な対処が重要です。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問を紹介します。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 ストレスで脳梗塞になりますか? 脳梗塞の1番の原因は何ですか? ストレスは脳梗塞の原因になる可能性があるため、ストレスを溜めないように過ごすことが大切です。 各質問の回答を参考にし、脳梗塞を予防しましょう。 ストレスで脳梗塞になりますか? ストレスによって、脳梗塞になる可能性はあります。 ストレスが脳梗塞の原因とされる理由は、脳梗塞につながる「高血圧」や「動脈硬化」の原因になるためです。 ストレスを感じると自律神経の1種である交感神経が優位になり、体が興奮状態になります。 交感神経が優位になると、血圧の上昇や脈拍数の増加などが起こり、血管の負担が大きくなります。 もろくなった血管を修復するために作られた血栓が脳内へ移動したり、脳血管内で血栓ができたりすると、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。 脳梗塞の1番の原因は何ですか? 脳梗塞の1番の原因は、高血圧です。高血圧の状態が長く続くと、脳梗塞のリスク因子である動脈硬化のリスクが上がります。 高血圧や動脈硬化により、血管壁がもろくなったり、厚くなったりすると血栓ができやすくなるため注意が必要です。 脳梗塞を予防するためには、自身の血圧変動を知り、日頃から血圧管理を十分に行うことが重要です。 ストレスも高血圧の原因になるため、運動や趣味などでストレスを解消するよう心がけましょう。 【まとめ】ストレスは脳梗塞の原因になる!初期症状を見逃さないことが重要 ストレスは脳梗塞の原因になるため、日頃からストレスを溜めないように注意しましょう。 脳梗塞になってしまった場合は、初期症状を見逃さないことが重要です。 初期症状を見逃してしまうと、脳梗塞の症状が悪化し、重い後遺症が出る可能性があります。脳梗塞の初期症状には、顔のゆがみやめまい、吐き気などがあります。 症状が一時的に出現する場合は、脳卒中の前兆の可能性もあるため、症状を放置せずにすぐに病院を受診するのが大切です。 脳梗塞の治療には、再生医療の検討もおすすめです。再生医療を検討する際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.09 -
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脳梗塞は脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。 生活習慣病を持つ人や過度の飲酒や喫煙習慣がある人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。 本記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴や予防方法について解説します。 脳梗塞の発症リスクを確認し、脳梗塞を予防しましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは脳梗塞の後遺症や再発予防に対する治療法として、再生医療を行っています。 \脳梗塞に有効な再生医療とは/ 再生医療は、損傷した脳細胞にアプローチする治療によって、従来の治療では難しい脳細胞の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脳梗塞が治るか不安を抱えて生活している 治療後にも後遺症に悩まされている 現在の治療では目立った効果が出ていない 脳梗塞治療の新たな選択肢として、注目されている治療法です。 以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、脳梗塞の後遺症が改善された患者さまの症例を紹介しています。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=r7ykvSwmkQJPeu9i 再生医療の治療法や症例については、当院リペアセルクリニックの公式LINEで発信しているので、併せて参考にしてください。 脳梗塞になりやすい人の特徴8選 脳梗塞になりやすい人には、以下の8つの特徴があります。 高血圧 脂質異常症 心房細動(不整脈) 糖尿病 動脈硬化 生活習慣が乱れている 過度の飲酒・喫煙習慣 遺伝的要因 乱れた食生活や運動不足によって発症した生活習慣病は、脳梗塞の原因にもなりうるため注意が必要です。 以下の動画では脳梗塞の初期症状についてわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞になりやすい人の特徴について、それぞれ詳しく解説します。 高血圧 慢性的な高血圧は血管の壁が硬くなり、動脈硬化を引き起こすことで脳梗塞を発症する可能性があります。 一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くと高血圧と診断されます。 高血圧にならないために、以下の特徴を持つ人は注意しましょう。 肥満である 過剰にアルコールを摂取している 喫煙している ストレスを溜めやすい 親族に高血圧の人がいる 高血圧の状態が続くと血管壁がもろくなり血栓ができやすいため、日常的な血圧管理が大切です。 脂質異常症 脂質異常症は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が異常に高い状態で、脳梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こします。 脂質異常症の診断基準※は以下のとおりです。 疾患名 診断基準 高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dL以上 境界域高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール120~139mg/dL 低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満 高トリグリセライド血症 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 150mg/dL以上(空腹時採血) 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 175mg/dL以上(随時採血) ※参照:脂質異常症|eヘルスネット(厚生労働省) 過食・肥満傾向、運動習慣のない人は、脂質異常症になりやすいため注意が必要です。 血液中に過剰に存在するコレステロールや中性脂肪は、プラーク(粥種)となり血管壁に沈着します。プラークが血管壁に沈着すると、血管壁が肥厚して硬くなり、動脈硬化のリスクが高まります。 心房細動(不整脈) 心房細動(不整脈)は、心臓の中の血流が滞ることで血栓ができやすい状態となり、この血栓が脳に運ばれて脳梗塞を引き起こす可能性があります。 加齢や高血圧などが原因で起こる不整脈のことで、心房細動になると血液循環機能が正常に働かず、心房内に古い血液が溜まり血栓ができやすくなります。 心房細動による脳梗塞は重症化しやすく、麻痺や言語障害など重い後遺症が残ることが多いため、生活習慣の見直しが必要です。 糖尿病 糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気で、血液がドロドロになることで血液が詰まりやすくなり、脳梗塞のリスクが高まります。 糖尿病は、血糖値を下げるホルモンのインスリンが正常に機能しない病気で、診断基準※は以下のとおりです。 血糖値 空腹時血糖≧126mg/dL 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値≧200mg/dL 任意の時間の血糖値≧200mg/dL HbA1c HbA1c(JDS値)≧6.1% HbA1c(NGSP)≧6.5% ※参照:糖尿病の新しい診断基準|国立国際医療研究センター糖尿病情報センター インスリンの機能低下により高血糖状態になった場合は、動脈硬化が進行します。血管の状態が悪化し血液循環が滞ると血栓が作られ、脳梗塞になるリスクが高まります。 動脈硬化 動脈硬化は加齢や高血圧、糖尿病などが要因となり、血管壁がもろくなる疾患で、脳梗塞のリスクが高いです。 もろくなった血管壁を修復するために、血小板が凝集し血栓ができやすくなります。 動脈硬化が進行し、体のどこかで作られた血栓が脳血管まで到達したり、脳内で血栓ができた場合は、脳梗塞を発症する可能性があります。 生活習慣が乱れている 塩分や脂肪分の過剰摂取や運動不足など、生活習慣が乱れていると高血圧や糖尿病を発症し、脳梗塞を引き起こす可能性があります。 また、過度な飲酒や喫煙、ストレス、睡眠不足などにも注意する必要があります。 血液循環が正しく行われるよう、塩分を控えて適度な運動を行い、血液をきれいな状態に保つことが大切です。 過度の飲酒・喫煙習慣 過度の飲酒は血圧が上昇し、喫煙は血管を収縮させて血流を悪くなるため、脳梗塞のリスクが高まります。 また、アルコールには利尿作用があるため、脱水状態になりやすく、血液の粘度が高まることで血栓ができやすくなるため注意が必要です。 過度な飲酒は避けて適量を心がけることや、禁煙をするなど生活習慣を見直すようにしましょう。 遺伝的要因 家族に脳梗塞の発症歴がある場合、遺伝的要因により脳梗塞の発症リスクが高くなる可能性があります。 アテローム血栓性脳梗塞の感受性遺伝子として知られているRNF213遺伝子の多型の保有者は、脳梗塞を発症しやすいとされています。 脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、生活習慣病などの環境的要因と遺伝的要因が組み合わさることでも、発症リスクが高まるため、生活習慣の見直しが重要です。 家族に脳梗塞の人がいる場合や、もともと血圧が高い人は、脳梗塞の発症リスクが高いため注意しましょう。 脳梗塞になりやすい食べ物 脳梗塞になりやすい食べ物の例は、以下のとおりです。 理由 食品例 乳製品 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい バター、マーガリン、チーズ 加工肉 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい ハム、ベーコン、ソーセージ お菓子・スイーツ トランス脂肪酸が多く含まれるため スナック菓子、ケーキ、クッキー 漬物・干物 塩分が多く含まれており、生活習慣病のリスクが高まるため 梅干し、漬物、干物 アルコール類 過剰なアルコール摂取は、生活習慣病のリスクを高めるため ビール、ワイン、日本酒 動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食品や、加工食品の多量摂取は、動脈硬化のリスクを高めます。アルコールの過剰摂取も脳梗塞の発症リスクを高めるため、過度な飲酒には注意が必要です。 脳梗塞を予防する食べ物を日常の食事に取り入れ、健康的な食事習慣をつくりましょう。 脳梗塞にならないための予防法 脳梗塞にならないためには、以下の3つの行動を心がけることが大切です。 生活習慣の改善 食生活の改善 運動不足の解消 乱れた食生活や運動不足が続くと、生活習慣病の発症リスクが高まり脳梗塞になりやすくなります。生活習慣を見直し、脳梗塞のリスク因子を減らしましょう。 生活習慣の改善 脳梗塞にならないために、生活習慣の改善が大切です。生活習慣を改善すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを低減できます。 生活習慣を見直す際は、以下のポイントを確認しましょう。 栄養バランスが良い食事にする 過剰なアルコール摂取を控える 禁煙する・喫煙本数を減らす 適度に運動する ストレスを溜めない ストレスや疲労を溜めずに、規則正しい生活を送れば、脳梗塞のリスク因子の生活習慣病を防げます。改善できる生活習慣から見直していくことが大切です。 食生活の改善 脳梗塞を予防するために、食生活を改善しましょう。食生活を改善すると、高血圧や動脈硬化の予防につながり、脳梗塞になりにくくなります。 脳梗塞の予防に効果的な食品は、以下のとおりです。 脳梗塞の予防に効果的な食品 理由 トマト・トマトジュース トマトに含まれるリコピンは、悪玉コレステロールの値を下げる働きがある 魚類 魚類に含まれるEPAは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがある オリーブオイル オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある 緑黄色野菜・果物類 ミネラルやビタミンは、体の酸化を予防できる 食物繊維はコレステロールの排出を促す働きを持つ ナッツ類 ナッツに豊富に含まれるビタミンEは、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らす働きを持つ 悪玉コレステロールや中性脂肪の値が下がると血圧も下がるため、脳梗塞の予防に効果的です。以下の動画では、脳梗塞の予防に効果的な食品について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 過剰摂取を避け、栄養バランスを考えて日々の食事に上記の食品を取り入れましょう。 運動不足の解消 脳梗塞を発症しないためには、運動不足を解消することが重要です。運動不足を解消すると血行が促進され、生活習慣病のリスクを低減できたり、ストレスを発散できたりします。 脳梗塞の予防には、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うのが効果的です。以下の具体例を参考に、日々の生活に運動を取り入れましょう。 有酸素運動 ウォーキング ランニング サイクリング 水中運動 筋力トレーニング スクワット 腹筋・腕立て伏せ プランク 厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」※で、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングは週2~3日行うことを推奨しています。 参照:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省 運動する時間がない人は、家事や仕事などで積極的に体を動かしましょう。 脳梗塞になりやすい人に関するよくある質問 脳梗塞になりやすい人に関するよくある質問をまとめています。 脳梗塞になりやすい性格は? 脳梗塞の前兆は? 性格や前兆を知ることで、脳梗塞のリスクを軽減できる可能性があるため、参考にしてください。 脳梗塞になりやすい性格は? 脳梗塞になりやすい性格は、ストレスを溜め込みやすい人です。 過度なストレスは自律神経の乱れを招き、高血圧や高血糖になることで動脈硬化を引き起こし、結果的に脳梗塞のリスクが高まります。 性格が脳梗塞の直接的な原因となることはありませんが、運動や趣味などストレス解消法を見つけることが大切です。 脳梗塞の前兆は? 脳梗塞の前兆は主に以下の症状が見受けられたとき、注意が必要です。 手足のしびれ 物が二重に見えるなど視野異常 ろれつが回らない 言葉が出てこない めまいやふらつき 上記の症状は一時的なものであっても、脳へのダメージを受けている可能性があるため、医療機関を受診しましょう。 脳梗塞になりやすい人は再生医療をご検討ください 脳梗塞になりやすい人は、生活習慣病だけでなく遺伝的要因も関係するため、家族に脳梗塞の人がいる場合は注意が必要です。 該当する方は、食生活や運動などの生活習慣を見直すことが脳梗塞の予防につながります。 万が一脳梗塞を発症した場合の治療法として、再生医療という選択肢があります。 再生医療は、患者さまの幹細胞を採取・培養して数を増やし、投与することで脳細胞を再生・修復させる医療技術です。 損傷した脳細胞の改善によって、言語障害や麻痺などの後遺症の改善や、リハビリ効果を高める効果も期待できます。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.01.09 -
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「脳梗塞を発症後、寝てばかりになってしまった」 「脳梗塞の後遺症で眠くなる原因は?」 「脳梗塞後に寝てばかりになる症状は改善できる?」 このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。 脳梗塞発症後の後遺症の一種として、「日中に強い眠気を感じる」「夜に十分な睡眠がとれず生活リズムが乱れる」といった眠気や疲労感が見られるケースも少なくありません。 そこで本記事では、脳梗塞の後遺症で眠くなる主な原因や、睡眠と脳の回復の関係、治療法について解説します。 【この記事を読むとわかること】 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞の後遺症回復におすすめな治療法 また、近年注目を集めている再生医療による脳機能の回復治療についても紹介しています。 「もう改善は難しいかもしれない」と諦める前に、ぜひ参考にしてみてください。 脳梗塞の後遺症で眠くなるのはなぜ? 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由を下記にまとめました。 【脳梗塞の後遺症で眠くなる原因】 脳内の酸素が不足している 夜間の睡眠が不十分 脳梗塞の治療に使用される薬の副作用 脳梗塞は脳の血管が詰まったり細くなったりして血流が途絶えた結果、酸素やエネルギーの不足した細胞が壊死する病気です。 脳梗塞を発症した脳は酸欠状態に陥りがちです。脳の酸素量と眠気は密接な関係があり、酸素が不足すると眠気を感じる場合があります。 また、処方されている薬が原因で眠気を感じている可能性があります。副作用に眠気がある薬を服用している場合は医師に相談してみましょう。 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞と睡眠の関係は、主に以下の2つが挙げられます。 【脳梗塞と睡眠の関係】 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 脳梗塞の回復には睡眠が重要 一つずつみていきましょう。 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 睡眠障害や不眠症は、脳梗塞を発症する原因の一つです。 充分に睡眠がとれていないと、体の中の炎症反応が起きやすくなったり、自律神経のバランスが乱れたりすると考えられているためです。 たとえば、睡眠時無呼吸症候群の方は健康な方に比べて脳梗塞になる確率が4倍です。 ※引用:循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン また、夜間の睡眠が5時間以下の方は7~8時間睡眠の方よりも脳梗塞のリスクが上昇します。 脳梗塞になりやすい睡眠障害を下記にまとめました。 【脳梗塞になりやすい睡眠障害】 5時間以下の睡眠 9時間以上の睡眠 睡眠時無呼吸症候群 入眠困難 いびき 睡眠の質の改善は、脳梗塞の予防につながります。 脳梗塞の回復には睡眠が重要 脳梗塞の回復には、良質な睡眠が不可欠です。 脳梗塞後の機能回復が見込める回復期に「良質な睡眠」をとることで神経の可塑性(新しい神経回路が作られる)に良い影響を与える可能性があるためです。 回復期とは、脳梗塞発症後の3カ月~6カ月ごろを指し、リハビリでは主に食事や車いすへの移動などの日常生活の動作を練習します。 睡眠時は浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しています。睡眠不足や途中で目が覚めてしまったりすると新たな神経回路をつくる妨げとなる場合があります。 睡眠に不安を抱えている方は医師に相談してみましょう。 不眠・睡眠不足が脳に与える影響とは 不眠や睡眠不足は脳にダメージを与え、以下のような影響を及ぼす可能性があります。 【不眠・睡眠不足が脳に与える影響】 前頭葉の活動が低下する 脳の修復・再生機能が低下する 一つずつ紹介します。 前頭葉の活動が低下する 不眠や睡眠不足は「思考力」「判断力」「集中力」を司る前頭葉の活動の低下を引き起こす場合があります。 前頭葉の活動が低下した場合に考えられることを下記にまとめました。 【前頭葉の活動が低下した場合に考えられること】 頭がぼんやりして考えられない 集中力が持続しない 新しいことを覚えられない 同じ事ばかり話す 抑うつやイライラ 不眠や睡眠不足は、人格や社会性に深く影響します。 脳の修復・再生機能が低下する 不眠や睡眠不足が脳の修復・再生機能を妨げる点も注目したいポイントです。 脳の修復・再生機能が低下することで、脳の重要な部位である前頭葉や海馬などが委縮する可能性があります。 起きているときの脳はエネルギーを消費する一方で、神経細胞から老廃物が排出されます。睡眠中の脳は浅い眠りの間に老廃物を取り除き、深い眠りの際に大脳を休めています。 ※引用:レム睡眠中におこる大脳毛細血管の血流の上昇と、A2a受容体の関与 脳の機能が低下すると集中力や免疫力が低下したり、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高めたりします。 睡眠の質を向上させる方法 脳梗塞後の眠気の解消や効率よくリハビリを受けるためには、良質な睡眠が重要です。睡眠の質を向上する方法を3つご紹介します。 【睡眠の質を向上する方法】 生活サイクルを整える 就寝3時間前までに夕食をとる 自分に合った寝具を選ぶ 順番にみていきましょう。 生活サイクルを整える 良質な睡眠のために、生活サイクルを整えましょう。生活サイクルを整えるには運動や入浴などの習慣や、体内時計の調節が有効です。 具体的な生活サイクルの整え方を以下にまとめました。 【生活サイクルの整え方】 朝に太陽の光を浴びる 寝る前にパソコンやスマートフォンを長時間見ない ウォーキングやジョギングなどの適度な運動を行う 寝る2~3時間前に入浴する 人間の体内時計は24時間よりも長いので、調節しないと睡眠のタイミングがずれ込んでしまいます。光は体内時計を整える効果があるので朝は太陽の光を浴び、夜間は照明やスマートフォンの使用を控えるのがおすすめです。 就寝3時間前までに夕食をとる 睡眠の質を向上するには、就寝3時間前までに夕食をとりましょう。食事から就寝までの時間が短いと胃が消化活動のため働き続け、脳が興奮してしまいます。 そのため、就寝の際に以下のような影響を及ぼします。 【食事から就寝までの時間が短い場合に起こりうること】 寝つきが悪くなる 睡眠が浅くなる 食べたものが消化しきれず胃もたれをおこす 良い睡眠のためには、寝る2~3時間前に済ませましょう。また、ラーメンや揚げ物などの消化に時間がかかる脂っこい食事は避け、魚や豆腐、たまごなどの良質なたんぱく質を選ぶのもおすすめです。 自分に合った寝具を選ぶ 睡眠の質を向上するには、寝具を見直すのも一つの手です。 起床時に枕から落ちていたり、肩や首がこってたりする方は、枕が合っていない可能性があります。自分の肩幅ほどの幅で、適切な高さの枕を探してみましょう。横向きに寝る方は、高めの枕を選ぶと良いでしょう。 また、マットレスを選ぶ際は実際に横になって力を入れずに寝返りができるか、仰向けで呼吸がしやすいかチェックしてみましょう。 好みの寝具が自分に合っていると限らない点は注意が必要です。体格やマヒの具合にもよるので医師やリハビリ担当スタッフに相談してみましょう。 脳梗塞の後遺症を回復するために睡眠の質が重要!再生医療による治療も選択肢の一つ https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?feature=shared 脳梗塞の後遺症と睡眠は密接な関係にあり、回復には睡眠の質の向上が重要です。 不眠や睡眠不足だと脳の機能が低下し、修復や再生が難しくなってしまいます。生活サイクルや食事、寝具を見直し睡眠の質を高めましょう。 また脳梗塞後の後遺症による眠気にお悩みの方は、再生医療による治療も視野に入れてみましょう。 従来、脳梗塞や脳出血で損傷した脳細胞は回復が難しいとされてきましたが、近年では幹細胞を用いた脳機能の再生が期待できるようになっています。 たとえば、自身の下腹部から採取した細胞を培養・増殖し、そこから得た幹細胞を点滴で体内に投与することで、損傷した脳の神経や血管の再生を促すことが期待できます。 当院では2億個の生きた幹細胞を1回で投与するなど、先進的な治療を実施しています。 以下のような脳梗塞の後遺症によるお悩みの方は、一度、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 うまく話せない 痺れや麻痺をなんとかしたい もうこれ以上の機能の回復が見込めないと診断を受けた方 リハビリの効果を高めたい 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発を予防したい 再生医療の症例や治療内容については、当院の公式LINEでもご紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 脳梗塞の後遺症に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症にお悩みの方へ、眠気やあくびの原因や疲れやすさについて解説します。 【脳梗塞の後遺症に関するよくある質問】 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞の後遺症で怒りっぽくなるのはなぜ? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因として、脳内の酸素不足や血流の低下が考えられます。 脳梗塞後は、健康時よりも脳内の血流が少なくなり脳に届く酸素が不足しやすくなるので、酸素を多く取り込もうとあくびが増えることがあります。 また、脳梗塞の後遺症として、夜間に眠れなくなってしまう「不眠症」や睡眠のリズムが乱れて眠りが浅くなる「覚醒障害」の可能性も。 脳梗塞後の眠気やあくびに悩んでいる方は、医療機関に相談しましょう。 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後に疲れやすい原因は、以下の通りです。 【脳梗塞後に疲れやすい原因】 入院生活による体力低下 眠りが浅い 脳梗塞によって損傷した部位から発せられる炎症ホルモン 後遺症による不安やストレス 疲れやすさを改善するには睡眠や生活習慣を整え、リハビリを受けるのが有効です。 脳梗塞の後遺症で怒りっぽくなるのはなぜ? 脳梗塞の後遺症で怒りっぽくなるのは、高次脳機能障害による感情コントロールの低下が主な原因です。 高次脳機能障害とは、脳の損傷によって「記憶」「注意」「判断」「感情調整」などの認知機能が低下する状態を指します。 その中でも「社会的行動障害」と呼ばれる症状では、状況に応じた感情や言動を適切にコントロールすることが難しくなります。 このように、怒りっぽくなるのは本人の性格の問題ではなく、脳の障害による症状の一つなのです。
2025.01.09 -
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「脳梗塞退院後の生活が不安」 「退院後に注意すべきことは?」 「退院後の支援制度やお金のことを知りたい」 脳梗塞を発症するとさまざまな後遺症がみられる場合があるので、退院後の生活について上記のような不安を抱えている患者さまやご家族は多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞退院後の注意点やリハビリの内容、支援制度について解説します。 注意すべきことや必要な手続きを把握して、安心して退院後の生活をはじめられるようにしましょう。 脳梗塞退院後の生活で注意すべきこと 脳梗塞退院後の生活で注意すべきことを、以下4つで解説します。 脳梗塞は再発しやすい病気で、発症10年後の再発率は49.7%※とされており、つまり脳梗塞発症後10年の間に半数の方が脳梗塞を再発しています。 ※引用:日本人における脳卒中の10年間の累積再発率 特に食事やお酒・たばこについて心当たりがある方は、生活習慣の見直しが重要です。 一つずつみていきましょう。 食事内容の見直し 脳梗塞退院後の生活では、食事内容の見直しが重要です。 脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化は血管の内部にコレステロールなどがたまって血流が悪くなる症状を指し、高血圧や糖尿病などにより引き起こされます。 そのため、高血圧や糖尿病を避ける食事を摂ることは、脳梗塞の再発リスクの低減と同様の効果があります。 脳梗塞の再発を防ぐ具体的な食事内容の例を下記にまとめました。 基礎疾患や症状によって異なるので、適切な摂取量は医師に相談してみましょう。 お酒とたばこは控える 脳梗塞退院後は、お酒とたばこを控えましょう。 お酒とたばこによる脳梗塞のリスクを下記にまとめました。 お酒は利尿作用があり、脱水状態を引き起こすと血液も濃縮されるので、脳梗塞再発のリスクが高まります。 しかし、脳の血液が安定する2~3カ月以降は少量なら可能と考えられている※ため、お酒を飲みたいと思う方は、適切な飲酒量を医師に相談してみてください。 ※出典:シミズ病院・大宮KENKOU情報局「脳梗塞後のお酒の飲み方は」 たばこに含まれるニコチンは血圧を上げたり血液を収縮させたりする働きがあるため、血栓ができやすくなります。 血栓が脳の血管で詰まってしまうと、脳梗塞が再発する可能性が高まるのでたばこを吸うのは避けましょう。 適度な運動を取り入れる 脳梗塞後の生活では、適度な運動を取り入れてみましょう。 運動は、血管を健康な状態にしたり、筋力を維持したりする効果が期待できます。 適度な運動は脳梗塞の発症予防や再発防止にも効果的で、例えば毎日30分以上の有酸素運動※は動脈硬化の予防に有用です。 ※引用:日本動脈硬化学会 過度な運動は心肺機能に負担をかけるため、軽めのウォーキングや水泳などを1日30分程度、できる範囲から始めてみましょう。 定期検診の重要性 脳梗塞の退院後は定期健診に通い、数値の悪化や再発の早期発見がないかチェックしましょう。 定期健診の主な内容を下記にまとめました。 血圧計を使用して自宅で血圧をチェックするのも健康を意識できるきっかけになるので、試してみてください。 脳梗塞退院後で後遺症がある場合におけるリハビリテーション 脳梗塞の退院後、後遺症がみられる場合は自宅や施設でリハビリを受ける必要があります。 リハビリの種類や目的を紹介します。 順番にみていきましょう。 リハビリの種類と目的 脳梗塞退院後のリハビリは、主に理学療法、作業療法、言語聴覚療法に分けられています。 主なリハビリの種類と内容を下記にまとめました。 リハビリの種類 内容 目的 理学療法 杖や歩行器を使用して歩く 起き上がる、立つ、座るなどの日常動作 運動機能の維持や改善 日常生活の自立や社会復帰を目指す 作業療法 ブロックの移動、ペグさし 応用として手芸やちぎり絵、木工細工など トイレや入浴の動作 食事や更衣の動作 麻痺した手を使う練習 関節の可動域を改善 日常生活動作の改善 高次脳機能の改善 言語聴覚療法 舌や唇の筋力強化 発語器官や呼吸筋の訓練 ことばを思い出す訓練 食べ物や飲み物の飲み込み改善 コミュニケーション障害の改善 その他に、脳の働きを活性化させる目的で、微弱な電流や電磁石を使用して脳を刺激するリハビリもあります。 自宅でできるリハビリ 病院や施設での専門スタッフとのリハビリ時間が限られているため、自宅や日常生活の中で自主的にリハビリに取り組むことが重要です。 自宅でできるリハビリを下記にまとめましたので、参考にしてみてください。 脳梗塞後は疲れやすかったり集中力が切れやすかったりするので、無理のない範囲で行いましょう。 ただし自己流のリハビリは、場合によっては症状を悪化させることもあるため、言語聴覚士・理学療法士・作業療法士などの専門家に相談しつつトレーニングメニューを決めてください。 専門施設でのリハビリ 脳梗塞後の退院後は、施設に入所したり外来を利用してリハビリを継続しましょう。 退院後に何もしないでいると、入院中のリハビリで回復した機能が低下してしまう可能性があります。 主な施設を下記にまとめました。 一般的な病院や介護施設は現状を維持するリハビリが目的になりがちですが、リハビリ専門の施設だと機能の改善に積極的なプランを作成してくれます。 個々の能力に寄り添ったリハビリを受けたいとお考えの方は検討してみてください。 脳梗塞患者の家族や介護者ができるサポート 脳梗塞の退院後の生活でご家族や介護者ができるサポートを紹介します。 詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。 日常生活のサポート 脳梗塞の退院後の生活では、家族や介護者による日常生活のサポートが重要です。 患者の機能状態によりますが、自宅の環境の整備や食事の補助、介護保険の申請が必要な場合があるためです。 具体的には手すりやスロープの改修をしたり、握りやすいスプーンを用意したりして患者本人ができるかぎり自分の力で日常生活が送れるようにしましょう。 精神的サポートも大切 多くの脳梗塞の患者は、機能の回復具合や脳梗塞の再発について悩みや不安を抱えているため、精神的なサポートも大切になります。 また、退院してしまうと周りに相談できる相手や一緒にリハビリに励む仲間がいなくなるので、リハビリに対する意欲を維持し続けるのが難しくなりがちです。 患者の家族や介護者は、リハビリを継続するためにも声かけや傾聴による精神的なサポートが求められます。 介護者の負担を軽減する方法も重要 患者の家族や介護者も患者の回復の状態を心配したり、動作が心許ないために目を離せなかったりとさまざまな不安をお持ちでしょう。 患者の家族や介護者の不安を解決する方法の一例をご紹介します。 当院でも扱っている再生医療とは、わかりやすく言うと自然治癒能力(再生する力)を活かした最先端の医療です。 当院では脳梗塞を含む脳卒中の患者さまに対しては、自己脂肪由来の幹細胞治療を提供しており、脳梗塞による後遺症の根本的な治療や再発の予防が期待できます。 再生医療(幹細胞)治療については早ければ早いだけ良い結果が出る傾向にあるため、脳梗塞後の早期回復に興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービス 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービスを紹介します。 実際の症状や支援制度・サービスの条件を照らしあわせて、利用できるかどうかをチェックしてみましょう。 高額療養費制度 高額療養費制度とは、月の初めから終わりまでの間に自己限度額を超えて保険適用の治療を受けた際、超過した金額が払い戻される制度です。 脳梗塞による保険適用の範囲は診察料、検査料、投薬料、入院料などです。先進医療費や差額のベッド代、食事代は対象外なので注意しましょう。 自己限度額は年齢や所得によって異なり、70歳以上で住民税非課税世帯の方が入院や外来を利用した際は1カ月あたり15,000円~24,600円です。 申請書の提出先は加入している医療保険によって異なりますが、国民健康保険の場合は各市町村の窓口です。 介護保険 食事や排せつ、入浴に介護が必要な場合は介護保険制度を利用しましょう。 介護保険制度とは介護が必要な度合いに応じて介護サービスを受けられる仕組み※を指し、利用には介護度の認定を受ける必要があります。 ※引用:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」 介護サービスは施設に入所する居住系サービスと自宅にいながら支援を受ける在宅系サービスに分けられます。 主なサービスを下記にまとめました。 施設への入所から在宅での家事のサポートや福祉用具の貸与まで、幅広いサービスがあります。 介護保険の対象者 介護保険制度を利用できる対象者をみていきましょう。 結論から述べると、脳梗塞によって介護や支援が必要な方は40歳以上から介護保険制度を受けられます。 介護保険の被保険者は2種類あり、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。 具体的な内容を下記にまとめました。 脳梗塞は特定疾病に含まれるので、40歳以上の方であれば介護保険制度を利用できると言えます。 要介護・要支援認定の申請 要介護、要支援認定の申請方法を紹介します。 介護保険制度の対象者であっても申請して介護認定を受けないと、全額が自費負担となってしまいます。 申請方法を下記にまとめました。 認定には時間がかかる場合があるので、退院後の生活をスムーズにするためにも早めの申請を心がけましょう。 傷病手当金 傷病手当金は、病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度で、月給の2/3程度の金額が支給されます。 支給には条件が4つあり、すべて満たしている必要があります。 具体的な内容を下記にまとめました。 ※引用:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 入院が必要なほどの脳梗塞がおこると、長期の治療やリハビリが必要です。給料の全額支給は難しいですが、利用できる制度は活用しましょう。 障害年金 障害年金とは脳梗塞を含む病気やケガなどで障害の状態になった際に生活を支える目的で支払われます。 公的年金に加入し保険料を支払っていて、障害の状態が一定の状態にある方が対象です。 支給の申請をする際は、年金事務所や年金相談センターに問い合わせてみましょう。 脳梗塞の後遺症でお困りの方は再生医療の選択肢もあります 28 ALL Youtube TrueviewSkippable Instream 15s BaseCreative 脳梗塞の後遺症でお困りの方や、早期回復を目指す方には再生医療も一つの手です。 再生医療とは、脳卒中(脳梗塞・脳出血)後に失われた脳の神経細胞を修復したり、血管を再生させる効果が期待できる治療法です。 当院では、患者さま自身の細胞から幹細胞を採取し、培養させたうえで体内に投与します。 幹細胞とは、神経や血管などに変化する能力があり、損傷箇所に到達して修復を促進します。 脳梗塞の再生医療による治療は結果に個人差がありますが、早ければ早いほど良い結果が出ているので、治療を迷われている方はお気軽にご相談ください。 脳梗塞退院後の生活でよくある質問 脳梗塞退院後の生活でよくある質問をまとめました。 不明な点を少しでも解消して退院後の生活をイメージしてみましょう。 脳梗塞で後遺症が無い確率は? 厚生労働省※1の調査によると、18-65歳の脳梗塞患者の約21.7%※2が、発症から3ヶ月後に完全回復することが調査で判明しています。 ※1出典:厚生労働省「脳卒中患者(18-65歳)の予後」 ※2計算式:スコア0(まったく症状がない)患者数344人÷総患者数1,584人 厚生労働省の調査に基づく、18-65歳の脳梗塞患者の発症3ヶ月後の状態と割合については以下の通りです。 症状の程度(mRSスコア) 割合 まったく症状がない(mRS 0) 21.7% 症状はあるが日常生活に支障なし(mRS 1) 29.7% 軽度の障害があるが自立(mRS 2) 17.8% 中等度の障害、歩行に介助必要(mRS 3) 6.2% 日常生活に介助が必要(mRS 4) 11.5% 重度の障害、常時介護が必要(mRS 5) 5.7% 死亡(mRS 6) 7.4% 後遺症の程度は早期の治療開始とリハビリテーションの取り組みによって大きく変わるため、発症後の迅速な対応が極めて重要と言えます。 また、退院時には大きな後遺症がなくとも、身体に違和感を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 左右どちらかのしびれや脱力感などがみられたら、軽度の脳梗塞を起こしている可能性があります。 脳梗塞が再発しやすいのはどんな人? 脳梗塞が再発しやすい方を下記にまとめました。 生活習慣を見直し、定期的に検査を受けて再発を防ぎましょう。 脳梗塞の再発防止のために避けるべき食品は? 脳梗塞の再発リスクが高まる食品は以下の通りです。 食物繊維や不飽和脂肪酸が摂れる野菜、魚類、海藻を積極的に食事に摂り入れてみましょう。 脳梗塞退院後の生活についてのまとめ 脳梗塞の退院後の生活では、生活習慣を見直したり定期的な検査を受けることで再発を防止しましょう。 また、後遺症によってはリハビリを継続し、必要なサービスを活用して機能が低下しないようにするのも重要です。 脳梗塞の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療もおすすめです。 当院では、再生医療による脳梗塞の治療も取り扱っているので、後遺症についてご不安やお悩みがある場合はお気軽にお問い合わせください。
2025.01.08 -
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脳梗塞を経験した方やそのご家族にとって、記憶障害は日常生活に大きな影響を及ぼす深刻な問題です。 突然、大切な過去を思い出せなくなったり、日々の出来事を忘れてしまったりする状況に直面すると、困惑や不安を抱える方が多いでしょう。 「記憶障害はどうして起こるのか」「改善する方法はあるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞により引き起こされる記憶障害の種類や症状、原因について詳しく解説します。 また、効果的なリハビリテーションの方法や社会的支援の活用方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞による記憶障害の種類と症状 脳梗塞によって脳への血流が遮断されると、記憶障害を引き起こします。その症状は、影響を受けた脳の部位や損傷の程度によってさまざまです。 ここでは5種類の記憶障害と症状について紹介します。 記憶障害の症状は、患者の日常生活や対人関係に影響を及ぼすため、それぞれの特徴を理解しておくのが大切です。 短期記憶障害 短期記憶障害とは、新しい情報を短期間だけ保持する能力が低下して、数秒から数分間の記憶を保持するのが難しい状態です。 短期記憶障害は、日常生活で必要な動作や作業に大きな影響を及ぼし、さまざまな支障を引き起こす原因となります。 長期記憶障害 長期記憶障害は、数日~数週間、数十年で覚えた情報や出来事を思い出すことが難しくなる状態です。 長期記憶障害は、過去の経験や知識を思い出すことが難しくなるため、日常生活や人間関係に影響を及ぼすことがあります。 エピソード記憶障害 エピソード記憶障害は、過去に体験したエピソードを思い出すのが難しくなる状態です。 自身が体験した内容に関しての記憶が一部、あるいはエピソードが全体的に思い出せなくなってしまいます。出来事がいつ、どこで、何が起こったのか、文脈的な情報を含む記憶が失われるのが特徴です。 手続き記憶障害 手続き記憶障害は、体で覚えた動作や技能を忘れてしまう状態です。 主に頭でハッキリ考えずともできていた、習慣的な行動に支障をきたします。今まで意識せずに行っていた動作ができなくなり、日常生活で大きなストレスや不便さを感じる原因になります。 見当識障害 見当識障害は、時間や場所、自分自身に関する基本的な認識が混乱する状態です。 見当識障害は、記憶だけでなく、日常生活全般に深刻な影響を及ぼします。 とくに、自分がどこにいるかを認識できないため、道に迷ったり、家に帰れなくなるといった危険な状況が生じることもあります。 見当識障害は脳梗塞だけでなく、認知症の初期症状としても見られる症状です。 脳梗塞により記憶障害になる原因 脳梗塞は、脳への血流がなんらかの理由で遮断されることによって発生し、脳細胞が酸素や栄養を十分に受け取れなくなることでダメージを受けます。 記憶に関連する脳の部位にダメージが及ぶと引き起こされるのが記憶障害です。 とくに、重要な影響を受ける脳の部位と、それによって生じる記憶障害については以下の表にまとめました。 影響を受ける部位 主な機能 障害が起きた際の症状 海馬 短期記憶から長期記憶への変換、空間記憶の形成 新しい記憶の形成が困難、最近の出来事を覚えられない 側頭葉 長期記憶の保存、視覚や聴覚の記憶処理 過去の記憶の想起が困難、物や人の認識に支障 前頭葉 作業記憶、記憶の整理と実行機能 複数の作業の同時進行が困難、計画立案の障害 とくに、海馬や側頭葉、前頭葉といった記憶の形成や保持に深く関わる領域が影響を受けると、短期記憶や長期記憶、さらにはエピソード記憶といった多様な記憶機能に障害が現れることがあります。 また、脳梗塞の影響で脳のネットワークが遮断されると、情報を効率的に処理したり記憶を引き出したりする能力も低下します。 これにより、日常生活における出来事や新しく学んだ知識を覚えることが難しくなるのです。さ らに、記憶だけでなく、認識力や判断力などの認知機能全般に影響を及ぼす場合もあります。 脳梗塞による記憶障害は、発生した部位や範囲、血流が遮断されていた時間の長さによって症状の程度が異なるため、早期の診断と治療が不可欠です。 また、リハビリテーションによって残存する脳の機能を活用し、記憶障害の改善を目指すことができます。 他にも、もともと我々の身体にある幹細胞を活用した再生医療による治療という選択肢もあります。 脳卒中(脳梗塞、脳出血)再生医療の治療結果は、病状や体の具合によって個人差はあるものの、一度機能しなくなった脳細胞が復活し、脳卒中の後遺症を改善させる効果が期待できます。 再生医療による脳の再生を目指したい方やご興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害のリハビリテーションの種類 リハビリテーションでは、患者の記憶機能を補助したり代替したりするさまざまな方法が用いられます。 ここでは、脳梗塞による記憶障害に対して行われるリハビリテーションの種類を紹介します。 また、ご家族のサポートとリハビリ効果を高める再生医療についても解説しているので、ぜひご覧ください。 内的記憶戦略法 内的記憶戦略法※は、脳梗塞による記憶障害のリハビリにおいて、患者自身が意識的に記憶力を高めるための方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 この方法では、記憶を活性化し情報を効果的に覚えるための具体的な工夫を取り入れます。 代表的な方法として、語呂合わせや情報をカテゴリーごとに整理する手法、視覚イメージ法などがあります。 内的記憶戦略法の主な手法とその実践例を以下の表にまとめました。 手法 概要 具体的な実践例 特徴・効果 カテゴリー分類法 情報を共通の特徴で分類して記憶する 野菜(にんじん、キャベツ)、果物(りんご、みかん)のように分類 情報の整理が容易 関連性のある情報をまとめて記憶しやすい 視覚イメージ法 記憶したい情報を具体的な映像として思い描く 買い物リストに「牛乳とパン」がある場合、「巨大なパンで牛乳パックをサンドイッチ」とイメージ 印象的な記憶として定着しやすい 視覚的記憶の活用 これらの内的記憶戦略法の利点は、患者自身が能動的に取り組むことで、記憶の回復を目指せる点です。 この方法は、日常生活に取り入れやすく、繰り返しの練習により効果が高まるとされています。 外的補助手段 外的補助手段※は、外部ツールを利用して記憶力の低下を補助する方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 患者が記憶を頼りにせずとも日常生活を円滑に送るための方法で、実用性が高いのが特徴です。 外的補助手段の具体的な方法と実践のポイントを以下の表にまとめました。 記憶障害があるとスマートフォンなど外部ツールの使用を忘れてしまいますが、繰り返しにより習慣になる場合もあります。 外的戦略は習慣化するまでは患者本人だけで継続するのは難しく、ご家族や支援者が協力して環境を整えることで、より効果を発揮します。 課題指向型アプローチ 課題指向型アプローチは、患者が日常の生活で直面する具体的な問題に焦点を当て、その解決を目指す実践的なリハビリテーション方法です。 たとえば、以下のような具体的な課題設定と実践方法が挙げられます。 生活場面 具体的な課題例 実践方法 期待される効果 買い物 商品リストの記憶と購入 リストの作成と確認 必要に応じてメモの活用 購入手順の計画 記憶力の向上 買い物の自立性確保 家事 段取りを考えた家事の実行 作業手順の確認 チェックリストの活用 時間配分の管理 実行機能の改善 家事の効率化 これらのリハビリにより、実際の生活で記憶を活用する能力を高められますが、課題の設定は患者ごとに異なり、その人の能力や生活環境に合わせて設定する必要があります。 必要に応じて外的補助手段も活用し、記憶力の向上を図りながらも、実際の生活場面での失敗を最小限に抑えるアプローチも可能です。 また、成功体験を重ねることで自信を回復させる効果も期待できます。 家族による環境のサポートも重要 脳梗塞による記憶障害に対しては、家族のサポートが患者の回復を支える重要な要素です。 家族は患者の生活環境を整えるだけでなく、心理的な支えにも大きな役割を果たします。 効果的な家族サポートの具体例として、以下のような環境づくりが挙げられます。 サポートの種類 具体的な方法 期待される効果 実践する上での注意点 物理的環境整備 必要なものを見える位置に配置 日常生活の自立支援 配置場所の一貫性を保つ 習慣形成支援 スマートフォンのアラーム設定を一緒に練習 自己管理能力の向上 段階的に習慣づける 心理的サポート 適切な距離感を保ちながらの見守り 自尊心の維持 過度な干渉を避ける しかし、リハビリテーションによる回復には個人差があり、時には望むような改善が見られないこともあります。 家族とはいえ、すべてのサポートをするのは容易ではなく、負担が大きくなることで、ご家族の方が心身に疲れを感じることもあるでしょう。 また、記憶障害のある患者本人にとっても家族への依存を余儀なくされる状況は大きな精神的負担となるため、早期の機能回復により患者と家族双方の負担軽減が望まれます。 そこで、患者さまの回復をより早めつつご家族の負担を軽減する手段として、ぜひ再生医療もご検討ください。 脳梗塞による記憶障害でお困りの方、あるいは家族のサポートに課題を感じている方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害への社会的支援 脳梗塞による記憶障害を抱える方が利用できる社会的支援について紹介します。 障害者手帳や各種支援制度、家族の相談窓口など、さまざまなサポートを受けることで、患者本人だけでなくご家族の負担も軽減できます。 障害者手帳 障害者手帳は、身体や精神に障害がある方が受けられる社会的支援の基盤となる制度です。 要件を満たせば手帳の交付を受けられる可能性があり、障害者手帳を取得すると、以下のような支援を受けられます。 障害者手帳には、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3つの種類があります。 記憶障害を含む高次脳機能障害が原因で日常生活や社会活動に支障が生じている場合、器質性精神障害として精神障害者保健福祉手帳の申請対象※となる可能性があります。 ※参照:国立障害者リハビリテーションセンター「高次脳機能障害支援に関する制度」 自立支援給付や地域生活支援事業 自立支援給付や地域生活支援事業は、障害を抱える方が地域社会で自立して生活するための支援を提供する制度です。 これらの支援は、記憶障害による日常生活の困難を補うために利用できます。 お住まいの市町村の福祉担当窓口で詳細の確認および申請が可能です。 ご家族が相談できるサービス 脳梗塞による記憶障害は、患者だけでなくそのご家族にも大きな負担がかかります。こうした状況に対応するため、各自治体では以下のような支援が受けられます。 窓口 受けられるサービス 地域包括支援センター 必要な制度やサービスの紹介 後見人制度活用のサポート など 居宅介護支援事業所 介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)の作成 必要な訪問介護やデイサービスなどの調整 記憶障害を含む患者の状況に応じた適切な介護サービスの提案 市区町村の福祉課や障害者支援担当窓口 障害者手帳の申請手続き 自立支援給付や地域生活支援事業の利用方法の案内 公的な支援に関する相談対応 相談窓口は無料で利用できる場合が多く、まずは最寄りの自治体の福祉課や障害者支援担当窓口に問い合わせてみることをおすすめします。 脳梗塞による記憶障害についてのまとめ 脳梗塞による記憶障害は、短期記憶や長期記憶、エピソード記憶などさまざまな記憶機能に影響を及ぼします。 記憶障害への対応には、原因を理解し、適切なリハビリテーションを行うことが重要です。 記憶障害について正しく理解し、適切な対策を講じることで、患者とご家族が安心して生活を送る環境を整えられます。 金銭的な負担やご家族の負担を軽減できる社会支援サービスもありますので、これらを活用しながら、無理のない形で後遺症と向き合っていくことが大切です。 脳梗塞による後遺症のリハビリ効果を高める、あるいはご家族の負担を減らすための選択肢の1つとして、ぜひ再生医療もご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療は厚生労働省に受理された治療方法で、脳梗塞においては再生医療で脳卒中の再発予防にも役立ちます。 再生医療について気になる点は、お気軽に当院へお問い合わせください。
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脳梗塞を発症した場合、高齢者でも回復する見込みがあるのか不安を抱える方も多いでしょう。 脳梗塞は発症後の対応が重要であり、適切な治療やリハビリ次第で日常生活を送れるまで回復する見込みはあります。 とはいえ、脳梗塞は脳細胞の損傷による障害のため、従来の治療では継続的な治療で症状をコントロールすることが目的となり、完治するのは難しい領域です。 近年の治療では「高齢者でも脳梗塞を治したい」「後遺症に悩まされたくない」という方向けに、損傷した脳細胞の改善が期待でき、脳梗塞の根本的な改善につながる再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、高齢者の脳梗塞でも症状の改善が期待できる再生医療をご提供・ご案内しています。 いきなり新しい治療を試すのは不安という方に対しても、当院では無料のカウンセリングも実施しており、治療内容について丁寧にご説明いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。 また、公式LINEでも再生医療に関する情報や脳梗塞治療の症例を配信しているので、この機会に再生医療について知っておきましょう。 ▼脳梗塞の後遺症治療に注目 >>公式LINE限定の再生医療に関する情報を見てみる 高齢者の脳梗塞でも回復する見込みがある 一般的に年齢が高くなるほど、若年層と比較して高齢者の脳梗塞の回復には時間がかかる傾向があります。 しかし、高齢者であっても適切な治療を受け、計画的にリハビリを進めることで、日常生活動作(ADL)の向上が十分に期待できます。 回復見込みに影響を与える要素 高齢者が脳梗塞を発症した場合の回復の見込みは、以下のようなさまざまな要因が影響を与えています。 患者さまの年齢と体力 発症から治療開始までの時間 脳の損傷部位と程度 リハビリテーションの質と継続性 基礎疾患(高血圧、糖尿病など)の管理状態 患者さま自身の回復力や意欲 上記のようなさまざまな要因が影響し、高齢者が脳梗塞を発症しても回復する見込みはあります。 とくに、脳梗塞の発症後4.5時間以内に初期治療を受けることが重要となり、発症後の迅速な対応が回復に影響します。 早期回復には適切なタイミングのリハビリが重要 脳梗塞の早期回復には、適切なタイミングで適切なリハビリテーションを行うことが重要です。 脳には「神経可塑性」という特性があり、適切なリハビリを継続することで、損傷した機能の一部を他の部位が補うことができます ただし、回復の程度や速度には個人差が大きく、同じような症状であっても、改善の度合いは患者によって異なることに留意が必要です。 回復のステージと必要な対応について、以下の通りです。 回復段階 重要なポイント 期待される効果 具体的なリハビリ例 発症直後 t-PA治療の実施(4.5時間以内) 脳細胞の損傷を最小限に抑制 早期離床訓練 急性期 早期リハビリの開始 二次障害の予防、基本機能の維持 関節可動域訓練、嚥下訓練 回復期 計画的なリハビリの継続 日常生活動作(ADL)の改善 麻痺した手足の運動訓練、言語訓練、生活動作訓練 維持期 生活習慣の改善と基礎疾患の管理 機能維持と再発予防 自主トレーニング リハビリの成果は継続性や頻度に依存するため、専門家の指導のもとで計画的かつ段階的なアプローチを行うことが重要です。 たとえば、麻痺が残った手足の運動訓練では関節の動きを維持することから始めたり、失語症に対する言語訓練などによってコミュニケーション能力の回復を目指します。 日常生活動作(ADL)の改善については個人差があるものの、高齢者の場合でも比較的軽い脳梗塞であれば、早期治療とリハビリの組み合わせにより機能改善が期待できます。 ただし重度の場合は介助を必要とする場面が残る可能性もあり、さらに脳梗塞は再発リスクが高い疾患であり、とくに高齢者ではその傾向が顕著です。 脳梗塞による後遺症の回復見込み 高齢者が脳梗塞を発症した後、後遺症が出る可能性は若年層より高く、回復にも時間がかかる傾向があります。 とくに80歳以上や90歳以上では、その傾向が顕著です。高齢者が脳梗塞を発症した際に現れやすい後遺症は、以下の通りです。 脳梗塞の主な後遺症 症状 運動麻痺 手足が動きにくくなる、片側が麻痺する 言語障害 言葉が出にくい、会話が難しくなる(失語症) 嚥下障害 食べ物や飲み物が飲み込みにくくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まる 認知機能の低下 記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす 後遺症が残った場合でも、回復見込みはありますので、以下のリハビリを継続的に行い、症状の緩和や生活の質の向上を目指しましょう。 高齢者の脳梗塞を回復させるために重要なリハビリテーション 脳梗塞後の後遺症からの回復を助けるリハビリとして、段階に応じたリハビリテーションを行います。 リハビリは大きく急性期、回復期、維持期の3つの期間に分けられ、それぞれ異なる目的とリハビリ内容を設定します。 リハビリの期間 発症からの期間 目的 主なリハビリ内容 急性期 発症から1~2カ月以内 合併症の予防と身体機能の維持 関節が固まるのを防ぐ関節可動域訓練 座る、立ち上がるなどの離床訓練 回復期 発症から6カ月以内 身体機能・日常生活動作(ADL)の回復 歩行や体幹の筋力強化 食事や着替えなど生活動作の練習 言語訓練 維持期(生活期) 発症から6カ月以降 機能の維持と生活の質向上 ストレッチやウォーキング 日常の動作や趣味 急性期には合併症の予防、回復期には機能の回復、維持期にはその維持と生活の質の向上を目指します。 脳梗塞後の高齢者の回復には、継続的なリハビリが欠かせません。医療スタッフや家族と協力しながら、その人の状態に合ったリハビリを進めていきましょう。 脳梗塞後の高齢者に対してご家族ができるサポート 脳梗塞後の高齢者を支えるには、ご家族の心理的な支援や日常生活のサポートによって、患者さまがリハビリを積極的に行えるようにすることが重要です。 心理的なサポート 日常生活を送りやすい環境づくり サポートは重要ですが、家族だけですべてを抱え込むのは困難な場合も多いため、外部の介護サービスなどの活用も検討しましょう。 心理的なサポート 高齢の脳梗塞の患者さまには、以下のようなご家族からの心理的なサポートが欠かせません。 不安を軽減するために本人の気持ちに寄り添った声かけを行う 小さな進歩を褒めるなどの意欲を高める環境を作る 患者さまは、脳梗塞の症状や後遺症が治るのか不安を感じている場合がほとんどですので、不安を取り除いてあげるようなコミュニケーションが重要です。 また、リハビリを積極的に取り組めるように小さな進歩も褒めましょう。 日常生活を送りやすい環境づくり 脳梗塞を発症すると、今まで普通にできていたことができなくなることが多いです。 以下のような患者さまが日常生活を送りやすい環境づくりをしましょう。 項目 詳細 住環境の整備 手すりの設置や段差の解消、滑りにくい床材の導入を行い、転倒リスクを軽減する 食事の工夫 栄養バランスを意識しつつ、飲み込みやすい形態(刻み食やゼリー状の食品)の食事を取り入れる 外部サービスの活用 訪問リハビリやデイサービスの利用を検討し、必要に応じて保険外サービスも活用する 脳梗塞の後遺症によって思ったように動けなくなると、小さな段差でも転倒してしまうケースも少なくありません。 階段や段差があるとこには手すりの設置や段差を解消して転倒リスクを軽減することが重要です。 高齢者の脳梗塞による後遺症が改善した症例 高齢者の脳梗塞による後遺症が改善した症例を紹介します。 https://youtu.be/BiqlQMIoaNs?si=u2FMdx3v2JZvCau7 上記の患者さまは、脳梗塞後の高次脳機能障害に悩まされていましたが、再生医療によって症状の改善がみられた症例です。 ※効果には個人差があります。 その他にも当院リペアセルクリニックの症例ページでは、以下のような実際の症例と治療後の経過について解説しています。 症例 治療後の経過 急性期脳梗塞の後遺症 (60代男性) 左手のしびれが消失し、不整脈の症状も改善がみられた。 呂律も回復し、スムーズに発語できるようになった。 脳梗塞後の右上肢の機能低下 (60代男性) 右肩の可動域と筋力が改善し、ボールを投げる動作が可能になった。 脳の血管造影検査で損傷した脳細胞が改善した確認も得られる。 急性期脳梗塞の後遺症 (70代男性) 初回投与後1週間で左口周りと左手のしびれが軽減し、夜間頻尿の症状改善がみられた。 4か月後にはふらつき、めまいがなくなり、小走りも可能になった。 それぞれの詳しい紹介は以下にて紹介していますので、詳細が気になる方はぜひご確認ください。 >>脳梗塞(脳卒中)の症例ページはこちら 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問は以下の通りです。 高齢者が脳梗塞になったら余命はどのくらい? 高齢者の脳梗塞は治療できない? 脳梗塞の再発を予防する方法は? 以下では上記の質問に回答しながら、高齢者でも可能な回復の道筋や治療の選択肢について解説します。 高齢者が脳梗塞になったら余命はどのくらい? 脳梗塞を発症すると命に関わる場合があるのは事実ですが、それが必ずしも長寿を妨げる要因ではありません。 適切な治療やリハビリ、再発予防の取り組みによって、発症後も生活の質を維持しながら長生きできる可能性があります。 まずは高血圧や糖尿病などの基礎疾患の管理が重要です。塩分を控えた食事や適度な運動を日常生活に取り入れることで、再発リスクを低減できます。 定期的な健康診断を受け、高血圧などの脳梗塞の要因を早期に発見することも大切です。 また、リハビリを通じて身体機能や日常生活動作の改善が可能です。歩行訓練や失語症の改善に向けた言語訓練などが効果を発揮します。 家族や介護者による心理的な支えが本人の意欲を高める鍵となるので、長い目で見ると結果的に負担が軽くなることも期待できるでしょう。 リハビリには家族のサポートは大切ですが、負担が大きくならないように支援サービスの活用も検討してみてください。 訪問リハビリやデイサービスといった外部の支援を取り入れることで、家庭での介護負担を軽減しながら、適切なケアを継続できます。 高齢者の脳梗塞は治療できない? 高齢者が脳梗塞を発症した場合、治療が難しいケースは確かに存在します。 これにはいくつかの要因が関係しています。 高齢になるほど身体の回復力が低下し、外科的処置や薬物治療が適さない場合があります。 また、発症からの時間が遅れたためにt-PA治療(血栓を溶かす治療)などの早期治療が適用できないケースも少なくありません。 さらに、麻痺や言語障害が深刻でリハビリを行うことが難しい状況や、基礎疾患(心臓病や糖尿病など)が治療の妨げとなることもあります。 このような場合、従来の治療法が行えないため、代替策として以下の対応が考えられます。 治療が行えない場合でも、症状の進行を防いで生活の質を保つための工夫や支援を行うことが重要です。 家族や介護者が連携し、患者ができる限り快適な生活を送るためのサポートが大切です。 脳梗塞の再発を予防する方法は? 脳梗塞の再発を予防する方法は、以下の通りです。 早期かつ適切な治療とリハビリを行うことで、高齢者であっても脳梗塞後の生活の質を向上させることが可能です。 焦らず、専門家のサポートを受けながら、段階的に回復を目指すことが大切と言えるでしょう。 脳梗塞の後遺症にお悩みの高齢者の方は再生医療をご検討ください 脳梗塞は高齢者にとって深刻な疾患ですが、適切な治療とリハビリを行うことで、回復への道が開ける場合があります。 ただし、若い世代と比較すると、加齢による回復力の低下や後遺症が出る可能性が高く、回復が難しいケースもあります。 これらの要因を踏まえつつ、再発を防ぎながら生活の質を向上させることが重要です。 近年の治療では、幹細胞治療をはじめとする再生医療が、高齢者の脳梗塞後の後遺症改善において注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、高齢者の脳梗塞でも症状の改善が期待できる再生医療をご案内可能です。 いきなり新しい治療を試すのは不安という方に対しても、当院では無料のカウンセリングも実施しており、治療内容について丁寧にご説明いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。 また、公式LINEでも再生医療に関する情報や脳梗塞治療の症例を配信しているので、この機会に再生医療について知っておきましょう。 ▼脳梗塞の後遺症治療に注目 >>公式LINE限定の再生医療に関する情報を見てみる
2025.01.08 -
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脳梗塞は、突然の発症だけでなく再発するリスクが高い病気です。 一度発症すると、「また起こったらどうしよう」「再発を防ぐには何をすればいいのか」といった不安や疑問を抱える方も多いでしょう。 本記事では、脳梗塞の再発リスクや具体的な予防策について詳しく解説します。 脳梗塞を再発すると一度目より後遺症が重くなる傾向があり、生活の質に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 近年の治療では、脳梗塞の後遺症改善や予防法の一つとして、先端医療である再生医療が注目されています。 脳梗塞の再発リスク|再発率に関するデータ 脳梗塞は一度発症すると、再発するリスクが高い疾患です。 再発を重ねると後遺症が重くなる傾向があるため、正しい知識をもって予防に取り組む必要があります。 本章では、以下の点について解説します。 脳梗塞の再発率は約50% 再発リスクを高める危険因子 具体的なデータを確認し、予防の重要性について理解を深めましょう。 脳梗塞の再発率は約50% 脳梗塞は再発しやすい疾患として有名ですが、発症から10年以内に約50%の方が再発すると報告されています。 主な原因である高血圧や動脈硬化などの生活習慣病は、一度の治療で完治するわけではなく、継続した管理をしないと血管の状態が再び悪化するためです。 脳梗塞の累積再発率について、以下のようなデータが示されています。 期間 脳卒中(脳梗塞を含む)累積再発率 5年以内 約35% 10年以内 約50% ※出典:PubMed 再発を繰り返すごとに後遺症が重くなる傾向もあるため、発症直後から継続的に再発予防に取り組むことが重要です。 再発リスクを高める危険因子 再発率の数字からも分かるように、脳梗塞は長期的に再発リスクが続く病気です。 以下のような項目は危険因子と呼ばれ、再発を高める要因とされています。 再発リスクを高める危険因子 内容 高血圧 血管にかかる負担が増大し、動脈硬化が進行する 糖尿病 血糖値のコントロール不良が血管のダメージを悪化させる 脂質異常症 血中の脂質バランスが崩れ、血管の詰まりが起こりやすくなる 喫煙 血管の収縮や血液の粘度が高まり、血流障害を引き起こす 心房細動 不規則な心拍により血液の流れが乱れ、血栓が形成されやすくなる これらの危険因子に注意して日常生活を送ることが、再発予防のカギとなります。 脳梗塞の再発リスクが高い理由は? 脳梗塞の再発リスクが高い理由は、脳梗塞を引き起こした根本原因が治療後も残り続けるためです。 脳梗塞の治療によって脳の症状が改善・緩和された場合でも、脳梗塞の原因となった高血圧など危険因子が治るわけではありません。 高血圧などの脳梗塞の危険因子を改善しない限り、再び脳梗塞が起こる可能性があります。 そのため、再発を防ぐには脳梗塞の治療だけでなく、背景にある危険因子を生涯にわたって管理し続ける「二次予防」が必要です。 脳梗塞の再発リスクを高めないための対策 脳梗塞は、生活習慣や健康状態の見直しといった適切な予防によって、再発リスクを低下させることができます。 とくに生活習慣や健康状態の見直しが予防のカギです 以下では、脳梗塞予防のための具体的な方法を詳しく解説します。 生活習慣病を改善する 脳梗塞の再発予防の基本は、原因となる高血圧や糖尿病といった生活習慣病を適切に管理することです。 生活習慣病は血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させるため、放置すると再び脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。 医師の指導のもと、薬物療法を継続するとともに、以下の数値を目標に生活習慣を改善していく必要があります。 管理項目 目標値の目安 血圧 135/85mmHg未満 糖尿病 HbA1c:7.0%未満 脂質異常症 LDLコレステロール:120mg/dL未満 目標を達成するため、減塩や適度な運動を心がけ、処方された薬は自己判断で中断しないようにしてください。 定期的な通院で体の状態を確認し、治療を継続することが再発予防につながります。 血栓を予防する 脳梗塞を予防するためには、血栓の形成を防ぐ抗血栓療法が有効です。 抗血栓療法は脳梗塞に効果的な方法の一つとして広く用いられています。 血液をサラサラにする抗血栓薬の服用により、血液中の血小板の働きを抑えて血管内で血栓ができにくい状態を維持します。 さらに、血栓がすでに形成されている場合や高度な動脈硬化がある場合には、外科的治療も選択肢の一つです。 例えば、動脈の詰まりを取り除く手術や、血流を確保する治療などがあります。 食生活を改善する 脳梗塞の再発リスクを高めないためには、食生活の改善が重要です。 食生活の改善をするうえでポイントとなるのが塩分と脂質で、塩分は1日6g未満に抑え、高脂質の食事は控えましょう。 大量のアルコール摂取は脳梗塞の再発リスクが高まるため、お酒の飲みすぎには十分注意してください。 また、体内の水分が不足すると血栓ができやすくなるため、こまめな水分補給を心がけることも大切です。 以下の動画では、脳梗塞を含む脳卒中のリスクを下げる食生活について解説しているので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/FytmHfYCyt4?si=TD6tDBhmXi_eh6sI 適度に運動をする 日常的に体を動かし、血流を促進することが脳梗塞の再発リスクを抑える対策の一つです。 ウォーキングや軽いジョギングなど有酸素運動や、水中歩行など軽いリハビリを日常生活に取り入れることで、血流の改善や心肺機能の向上が期待されます。 また、日常生活では階段を使用することや、徒歩で移動するなど、自然な形での運動量を確保することで、生活習慣を改善できます。 日常的に体を動かして、血流を促進することで再発リスクを予防できるため、適度な運動により血管や心臓の健康を保ち、脳梗塞や高血圧のリスクを減らしましょう。 睡眠の質を高める 睡眠の質を高めることも脳梗塞の再発リスクを高めない重要な対策の一つです。 良質な睡眠は血圧を安定させるため、脳への負担を減らすことができます。 睡眠の質を高めるためには、就寝前のスマホ操作を控えることや、簡単なストレッチを行うことも重要です。 ストレスを発散する 心身のストレスを上手に発散することも、脳梗塞の再発予防には欠かせません。 ストレスは交感神経を刺激し、血圧が上昇するだけでなく、過食や喫煙といった生活習慣の乱れにもつながり、再発リスクを高めるからです。 心と体の緊張をほぐし、再発リスクを遠ざけるために、以下のような方法を日常に取り入れましょう。 おすすめのストレス発散方法 ウォーキングなどの有酸素運動 ぬるめのお湯での入浴 規則正しい生活で睡眠の質を高める 家族や友人との会話を楽しむ 飲酒・喫煙はかえって体に負担をかけ、再発リスクを高めます。 健康的な方法でストレスを管理し、穏やかな毎日を過ごすことが再発予防の助けとなります。 定期健診を受ける 定期健診は脳梗塞の危険因子を早期に発見し、適切な対応を取るために欠かせない予防策です。 とくに、脳梗塞の主なリスクである高血圧・糖尿病・脂質異常症は、自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な検査によるチェックが必要です。 健診では、血圧や血糖値、コレステロール値の測定に加えて、心電図や頸動脈エコー検査などにより隠れたリスクを見つけられます。 定期健診を通じて危険因子を早期に発見し、脳梗塞の発症や再発を未然に防ぎましょう。 脳梗塞の再発予防につながるリハビリテーション 脳梗塞を発症した後のリハビリテーションは、失われた機能を取り戻すためだけでなく、再発を予防するうえでも必要なステップです。 体を動かす習慣を身につけることで、血圧や血糖値の安定につながり、再発リスクを減らすことにつながります。 本章では、以下の点について解説します。 リハビリテーションの重要性 リハビリテーション内容 リハビリテーションがなぜ再発予防に必要なのか、具体的な内容についてそれぞれ見ていきましょう。 リハビリテーションの重要性 リハビリテーションの目的は、ただ手足の動きを回復させるだけでなく、体全体の健康状態を向上させ、再発の引き金となる要素を減らすことにあります。 以下のような再発予防効果が期待できます。 リハビリテーションの重要性 運動習慣が身につき、血圧や血糖値が安定する 寝たきりによる血栓や誤嚥性肺炎などを防ぐ 転倒などを防ぎ、安全に活動できる範囲が広がる 発症直後の急性期から退院後の生活期まで、一貫してリハビリに取り組むことで、再発しにくい体と生活習慣を作り上げることが重要です。 リハビリテーション内容 リハビリテーション内容は、発症後の時期によって目的が異なり、段階的に進められます。 脳梗塞後のリハビリテーション内容は、以下のとおりです。 時期 主な目的 リハビリ内容の例 急性期(発症直後) 合併症の予防、寝たきりの防止 ベッド上での関節運動、座位訓練 回復期(状態安定後) 日常生活動作の再獲得、在宅復帰 歩行訓練、食事や着替えの練習、言語訓練 維持期(退院後) 機能の維持、再発予防の習慣化 通所リハビリ、自宅での自主トレーニング それぞれの時期で、患者さまの全身状態に合わせた専門的なプログラムが組まれます。 また、リハビリテーションは入院中の病院だけで完結するものではありません。 退院後も通所サービスや訪問リハビリなどを活用し、リハビリテーションを生活の一部として続けることが大切です。 脳梗塞の再発予防には再生医療をご検討ください https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=QvRU1AQnzXckmArn 再生医療による幹細胞療法は、脳梗塞の再発予防と後遺症の改善に期待ができる治療法です。 幹細胞治療は、患者さま自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、体内に戻すことで損傷した組織の修復や再生を促進する治療法です。 さらに幹細胞には抗炎症作用があり、脳内の炎症を抑制して再発リスクの低減が期待できます。 当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞を含む脳卒中に対する再生医療の症例が多くございます。 例えば、50代の女性が脳梗塞と脳出血を経験し、右半身麻痺や言語障害などの後遺症に悩まされていましたが、幹細胞治療を3回受けた結果、症状改善がみられたケースがあります。 >症例の紹介ページはこちら 再生医療は脳梗塞の再発予防だけでなく、後遺症の改善にも効果が期待できます。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞の再発リスクに関するよくある質問 ここでは、脳梗塞の再発リスクに関するよくある質問に回答していきます。 脳梗塞を再発しやすい人は? 脳梗塞を再発したらどうなる? 脳梗塞の再発サインは? それぞれの疑問を解消し、今後の対策を明確にしていきましょう。 脳梗塞を再発しやすい人は? 脳梗塞を再発しやすい方には、生活習慣や治療への取り組み方において共通する特徴が見られます。 注意が必要な方の特徴は、以下のとおりです。 分類 再発リスクが高い方の特徴 生活習慣・行動 ・喫煙や多量の飲酒を続けている ・塩分の多い食事が中心 ・運動不足が続いている ・医師から処方された薬を自己判断でやめてしまう ・定期的な通院や検査を怠っている 身体的な特徴・病気 ・高血圧、糖尿病、脂質異常症の管理が不十分 ・心房細動(不整脈の一種)がある ・肥満の状態にある 脳梗塞の根本的な原因である危険因子を放置していると、再発のリスクは常に高い状態が続きます。 ご自身の生活や体の状態が上記に当てはまる場合は、生活習慣の改善や適切な治療を受けましょう。 脳梗塞を再発したらどうなる? 脳梗塞を再発すると、初回の発症時よりも後遺症が重くなる可能性があります。 一度ダメージを受けた脳に、新たな損傷が加わることで症状が悪化したり、後遺症の種類が増えたりするためです。 具体的には、以下のような状態になる場合があります。 脳梗塞の再発を繰り返すリスクの例 初回発症時よりも症状が悪化し、日常生活の自立が難しくなる 高次脳機能の低下が進行して会話や判断力に支障をきたし、介護が必要となる 後遺症の種類が増える 上記のように、脳梗塞の再発は患者さまご本人とご家族の負担を増大させます。 後遺症を悪化させないためにも、日々の再発予防が何よりも大切です。 脳梗塞の再発サインは? 脳梗塞の再発を早期に発見するには、「FAST(ファスト)」と呼ばれるサインを覚えておくことが役立ちます。 これは、脳梗塞の典型的な初期症状の頭文字をとったものです。 FAST 症状 Face(顔のゆがみ) 顔の片側だけが下がる、笑ったときに片方の口角が上がらない Arm(腕の麻痺) 腕が上がらない、力が入らない Speech(言葉の不明瞭さ) 言葉がうまく出てこない、話している内容が不明瞭になる Time(時間) 迅速に医療機関へ連絡し、治療を開始する時間を確保するのが重要 これらのサインが1つでも見られた場合は、ためらわずに救急車を要請してください。 脳梗塞の治療は時間との勝負です。発症から4.5時間以内であれば、血栓を溶かす効果的な治療を受けられる可能性※があります。 ※参照:国立循環器病研究センター「4.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です」 以下の動画では、脳梗塞の前兆である危険サインについて解説しているので、合わせて参考にしてください。 脳梗塞の再発リスクを抑えるには生活習慣の改善が重要 脳梗塞の再発予防には、危険因子を管理して生活習慣を見直すことが重要です。 高血圧や糖尿病、脂質異常症といった危険因子をコントロールし、適度な運動や減塩を意識した食生活を取り入れて再発リスクを減らしましょう。また、喫煙や多量飲酒を控えるのも効果的です。 さらに、再発のサインであるFAST(顔のゆがみ、腕の麻痺、言葉の不明瞭さ、時間の重要性)を理解し、早期に対応するのが後遺症を抑えるカギとなります。 定期健診を受け、自分の健康状態を常に把握しておくことも忘れてはなりません。 これらの取り組みに加え、再生医療は脳梗塞の再発予防や後遺症の改善に新たな選択肢を提供します。 幹細胞治療は、損傷した神経の修復や再生を促し、脳細胞の損傷が改善されることで再発リスクを軽減する効果が期待されています。 予防と治療の両面で効果が期待できる再生医療をぜひご検討ください。
2025.01.08 -
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- 再生治療
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脳出血は、突然の発症だけでなく、後遺症として麻痺や言語障害が残ることが多いため患者や家族にとって大きな悩みとなります。 治療後の回復に不安を感じる方や、「最新の治療方法で改善できるのか」「費用や期間はどれくらいかかるのか」といった疑問を抱える方も多いでしょう。 本記事では、脳出血後の後遺症改善に向けた最新治療や、それぞれの治療法の特徴や効果、費用面についても解説します。 脳出血の後遺症に対する最新治療 脳出血は後遺症として麻痺や言語障害などが残ることが多く、治療後の生活の質を大きく左右します。 近年、医療技術の進歩により、従来の治療法に加え、新たなリハビリテーションや治療法が注目されています。 たとえば、IVES療法やHANDS療法といった電気刺激を用いる治療法や、ロボット技術を活用したリハビリ、さらにはボツリヌス療法や再生医療などがあります。 これらの治療法は、それぞれ異なるアプローチで後遺症の改善を目指しており、患者の状態や目標に合わせた治療法の選択が重要です。 以下では、これら最新の治療法について詳しく解説します。 IVES療法・HANDS療法 脳出血の後遺症に対する最新治療として、IVES療法やHANDS療法があります。 この治療では、後遺症によって思うようにできない動きを補助し、その動きを自力でできるようにするものです。 IVES療法 特殊な低周波の電気刺激装置による治療で、麻痺した場所を動かそうとしたとき、活動しようとしている筋肉に電気刺激を与えることで、筋肉の動きを補助し動かしやすくします。 HANDS療法 IVES療法をする際に、手関節装具を併用しておこなう治療方法です。 手関節装具を装着すると、物をつまんだり離したりする動作がしやすくなります。 ロボットによるリハビリ 脳出血の後遺症の最新治療として、ロボットを活用したリハビリがあります。 たとえば、人が体を動かそうとするときに、その意思が脳から筋肉へと伝達されます。そのときに生じる生体電気信号を検知して動作支援をする歩行支援ロボットなどです。 ロボットによるリハビリは、高いリハビリ効果を期待できるだけでなく、リハビリをする患者と療法士の負担を軽減できるというメリットもあります。 ボツリヌス療法 脳出血の後遺症のひとつに、手足がつっぱって動かしにくい、勝手に動いてしまう痙縮(けいしゅく)という症状があります。 この痙縮の最新治療として、ボツリヌス療法があります。 ボツリヌス療法とは、筋肉の緊張を緩める作用があるボツリヌストキシンという成分を筋肉に注射する治療方法です。 ボツリヌストキシンはボツリヌス菌からつくり出されるたんぱく質ですが、ボツリヌス菌自体を注射するわけではないので菌に感染する心配はありません。 ボツリヌス療法は2~3日くらいで効果が現れてきて、その効果は4カ月くらい持続します。 その間にリハビリをおこなうことで、リハビリによる改善効果を高めることもできます。 再生医療 再生医療は、体内に存在する幹細胞の能力を活用し、損傷を受けた組織や臓器を修復する治療法です。 幹細胞には、自己複製能力とさまざまな細胞に分化する能力があります。幹細胞の利用により、従来の治療では難しかった機能の回復が期待できます。 脳出血の場合、幹細胞を用いた治療が損傷した神経組織の再生を促進し、後遺症の軽減や再発予防効果が見込めます。 再生医療(幹細胞治療)で期待できる治療効果 再生医療は、幹細胞を活用して損傷した組織や神経を修復する先進的な治療法です。 脳出血の治療では、幹細胞を利用して後遺症の軽減や再発防止を目指します。 ここでは厚生労働省届出済医療機関である当院(リペアセルクリニック)が提供している、再生医療(幹細胞治療)を基に具体的な治療効果について詳しく説明します。 最先端の医療技術に興味がある方はぜひ参考にしてください。 身体機能(後遺症)の回復 幹細胞治療は、脳出血後に起こる麻痺や言語障害などの後遺症の改善効果が期待できます。 幹細胞が損傷した神経を修復し、新しい神経のつながりを作ることで、体の機能を回復させます。 また、幹細胞が脳の炎症を抑え、回復しやすい状態にします。 効果には個人差があるものの、呂律困難や痺れの軽減が期待される治療法です。 リハビリテーションの効果を増幅 幹細胞治療をリハビリテーションと組み合わせることで、後遺症からの回復がさらに高まります。 発症直後の方だけでなく、発症から数年が経過している方も再生医療の対象です。 幹細胞治療により神経の修復が進むことで、リハビリ中のトレーニングに対する体の反応が良くなります。 その結果、運動能力や感覚の早い改善が期待されます。 リハビリテーションの成果を高めたい方は、再生医療の利用をご検討ください。 脳卒中の再発予防 幹細胞治療には、脳卒中の再発を防ぐ効果も期待されています。 脳卒中は1年以内の再発が12.8%、10年以内の再発は51.3%※と、再発する可能性が高い疾患です。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 幹細胞治療を利用すると、損傷した血管が修復されて血流が安定します。 また、幹細胞が血管を健康に保つ働きをするため、再発のリスクを下げられます。 脳出血の最新治療に関してよくある質問Q&A 再生医療は、脳出血後の新しい治療方法として注目されていますが、治療を受けるにあたって、効果が出るまでの期間や費用についてあまり知られていません。 ここでは、脳出血の最新治療に関してよくある質問として、下記の2つの疑問にお答えします。 再生医療に興味がある方はぜひ参考にしてください。 脳出血の後遺症に再生医療の治療効果が現れるまでどのくらい? 再生医療による治療効果が現れるまでの期間は、患者さまの状態や体質により個人差があります。 幹細胞を投与した後、神経細胞の修復や再生には時間がかかるため、数週間から数カ月間、あるいは1年以上は経過を観察する必要があります。 また、治療後のリハビリテーションも重要です。リハビリと再生医療の併用により、回復が促進される効果が期待できます。 再生医療にかかる費用はなぜ高額? 再生医療が高額である理由は、主に3つ挙げられます。 まず、幹細胞を治療に使用する際には、特別な環境下で細胞を培養・増殖する必要があります。 このプロセスには高度な技術や専門的な設備が必要となるため、非常に高いコストがかかります。 また、再生医療の効果を最大限に引き出すためには治療後のリハビリテーションが重要であり、その費用も治療プランに含まれることが一般的です。 さらに、最新の治療法である再生医療は多くの場合、健康保険が適用されない自由診療に分類されているため、治療費を全額自己負担しなければなりません。 これらの治療は保険適応外であることが多いため、費用は基本的に全額自己負担となります。 ただし、医療費控除が適用される場合があり、これにより税負担を軽減できる可能性があります。 【まとめ】脳出血による後遺症は再生医療で回復が期待できる 脳出血後の後遺症に対する治療は、従来のリハビリテーションだけでなく、さまざまな最新技術を取り入れることで改善の可能性が広がります。 IVES療法やHANDS療法、ロボットによるリハビリ、ボツリヌス療法など、それぞれが異なるアプローチで機能回復をサポートします。 患者さまの状態や目標に応じて最適な治療法を選択すると、より良い結果につながるでしょう。 中でも、再生医療は幹細胞を用いて損傷した神経や組織を修復し、後遺症の軽減や回復を目指す新しい治療法として注目されています。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.08