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関節リウマチは必ず遺伝する?男性女性の違いや予防法・注意すべき環境因子について解説

関節リウマチは必ず遺伝する?男性女性の違いや予防法・注意すべき環境因子について解説
公開日: 2026.03.31

「関節リウマチは必ず遺伝する?」
「家族歴があっても関節リウマチの発症を予防する方法はある?」

家族に関節リウマチ患者がいる方の中には、自身も発症しないか不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、関節リウマチは必ずしも遺伝だけで発症する病気ではありません。

本記事では、関節リウマチと遺伝の関係性や注意すべき環境因子、そして日常生活でできる予防策について詳しく解説します。

また、近年の関節リウマチの治療では、従来の薬物療法や保存療法に加えて、「再生医療」も選択肢の一つとして注目されています。

再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。

当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報を配信していますので、ぜひ参考にしてください。

関節リウマチは必ず遺伝するわけではない

関節リウマチは、家族に関節リウマチ患者がいる場合でも必ず発症(遺伝)するわけではなく、遺伝的素因と環境因子の両方が関わって発症する多因子疾患です。

本章では、関節リウマチにおける遺伝・家族歴の影響について詳しく解説します。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

発症リスクは約3倍高くなる

家族に関節リウマチの患者がいる場合、発症リスクは家族歴がない方と比べて約3倍高くなるとされています。

発症リスクが3倍と聞くと大きく感じるかもしれませんが、一般的な発症率が約0.5〜1%であることを考えると、過度に恐れる必要はありません。
※出典:日本リウマチ財団「関節リウマチについて」

あくまで「発症しやすさ」が遺伝している可能性にとどまり、特定の遺伝子を受け継いだら100%発症するという「遺伝性疾患」とは根本的に異なります。

家族歴がある方でも「禁煙」や「口腔ケア」など、環境因子に注意し、関節に違和感があれば早期に医療機関を受診する意識を持ちましょう。

女性の方が男性よりも発症率が高い

関節リウマチは、男性よりも女性に多く発症し、その男女比は約「1:3」といわれています。
※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチの基礎」

これには女性ホルモン(エストロゲン)が深く関わっていると考えられており、特に出産後や更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に発症しやすくなる可能性が示唆されています。

特に30〜50代の女性に多く見られるため、家事や育児の疲れと勘違いして受診が遅れるケースも少なくありません。

関節リウマチは遺伝的な要因だけでなく、性別による影響も大きいため、女性の方は特に「朝のこわばり」などの初期サインを見逃さないことが重要です。

双子でも必ず2人とも発症するわけではない

遺伝子が100%一致する一卵性双生児であっても、一方が関節リウマチを発症した場合に、もう一方が発症する確率(疾患一致率)は約12〜15%といわれています。
※出典:J-STAGE「関節リウマチの遺伝的要因」

つまり、遺伝的背景がまったく同じであっても、85〜87%の確率で片方のみの発症にとどまるということです。二卵性双生児の場合は、疾患一致率がさらに低く、約2〜4%とされています。

上記のことから、関節リウマチは遺伝的な要素だけではなく、生活環境や習慣が発症に大きく影響していることがわかります。

遺伝的な素因を持っていても、生活習慣や環境要因を適切にコントロールすることで、発症リスクを下げられる可能性があるといえるでしょう。

関節リウマチにおいて遺伝以外に注意すべき環境因子

関節リウマチの根本的な原因は現時点では完全には解明されていませんが、遺伝的要因に加えて、喫煙・感染症・ストレスなどの環境因子が深く関わっているといわれています。

本章では、関節リウマチにおける遺伝以外で、特に注意すべき3つの環境因子について解説します。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

喫煙習慣

喫煙習慣は、関節リウマチの発症リスクを数倍にも跳ね上げる可能性がある環境因子の一つです。

タバコの煙に含まれる化学物質が肺で炎症を引き起こすと、体内のタンパク質が「シトルリン化」という変化を起こし、これを免疫細胞が「敵」と誤認して攻撃してしまいます。

また、喫煙は発症リスクを高めるだけでなく、治療薬の効果を低下させることもわかっています。

喫煙は薬の効き目を悪くさせ、関節の破壊を加速させる要因にもなるため、家族歴がある方にとって「禁煙」は大きな予防策といえるでしょう。

細菌やウイルス感染

特定のウイルスへの感染や、歯周病菌による口腔内の慢性的な炎症が、免疫異常を引き起こす可能性があります。

歯周病金は、喫煙と同様にタンパク質のシトルリン化を促す酵素を持っており、歯ぐきの炎症が全身の免疫異常へと波及する可能性が示唆されています。

また、歯周病を治療することで関節リウマチの病状が改善した研究結果もあり、口腔ケアは関節リウマチの予防・管理において重要な要素であると考えられています。
※出典:大阪医科薬科大学「関節リウマチ患者の歯周病治療における効果」

日常的な歯磨きに加えて、定期的な歯科検診で口腔内を清潔に保つことは、単なる虫歯予防にとどまらず、関節リウマチのリスクを抑えることにもつながります。

慢性的なストレス

過度な労働や人間関係の悩みによる慢性的なストレスは、自律神経や内分泌系(ホルモン)の働きを乱し、免疫機能を不安定にさせます。

関節リウマチの直接の発症原因は免疫異常であり、ストレスそのものが直接的な引き金になるわけではないとされています。

しかし、慢性的なストレスによって免疫機能のバランスが崩れやすくなることで、遺伝的素因を持つ方では発症リスクが高まる可能性もゼロではありません。

十分な睡眠、適度な運動、趣味の時間を確保するなど、日常的にストレスを解消する工夫を取り入れましょう。

関節リウマチの遺伝(家族歴)がある人は予防できる?

家族歴の有無にかかわらず、関節リウマチの発症を完全に予防する方法は、現時点では確立されていません。

しかし、遺伝的素因を持つ場合でも環境因子を適切にコントロールすることで、発症リスクを下げられる可能性があるとされています。

家族歴のある方が日常生活で心がけたいポイントは、以下のとおりです。

予防のための生活習慣 具体的な内容
禁煙 発症リスクを数倍に高める要因であるタバコを避け、肺の炎症を防ぐ。
口腔ケア 歯周病を防ぐために毎日歯磨きをし、定期的に歯科検診を受ける。
ストレス管理 十分な睡眠、適度な運動、リラクゼーションの時間を確保する。
感染症予防 手洗い・うがいの徹底、インフルエンザ等の予防接種を受ける。

上記のように生活習慣を整えることで、関節リウマチの発症リスクを少しでも低減できる可能性があります。

また、家族に関節リウマチ患者がいる場合、手指のこわばりや関節の腫れなどの初期症状に早く気づくことができるというメリットもあります。

疑わしい症状が現れた際には、早期にリウマチ専門医を受診することが重要です。

関節リウマチの遺伝に関するよくある質問

最後に、関節リウマチの遺伝に関するよくある質問に回答します。

以下でそれぞれの疑問について詳しく見ていきましょう。

関節リウマチになりやすい人は?

関節リウマチになりやすい人の特徴として、以下のような要因が挙げられます。

  • 女性(特に30〜50代)
  • 家族に関節リウマチ患者がいる
  • 喫煙習慣がある
  • 歯周病を罹患している
  • EBウイルスなどの特定の感染症の既往歴がある

これらの要因は一つだけで発症を決定するものではなく、複数の要因が組み合わさることで発症リスクが高まります。

当てはまる項目がある方は、日頃から生活習慣に気を配り、関節に違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。

関節リウマチが遺伝する確率は?

家族が関節リウマチ患者であっても、自身が発症する確率は、3〜10%程度とされています。

一親等・二親等の血縁者に患者がいる場合、家族歴がない方に比べて発症リスクは高いですが、一般的な発症率が0.5〜1%程度であるため、過度に恐れる必要はありません。

ただし、発症リスクが高い傾向にあることは事実であるため、環境因子への注意と早期受診の意識を持つことが大切です。

関節リウマチの疑いは遺伝にかかわらず早期受診が大切

前述のとおり、関節リウマチは必ず遺伝する病気ではなく、遺伝的素因と環境因子の組み合わせによって発症する多因子疾患です。

家族歴のない方に比べて発症リスクが高いことは事実ですが、喫煙、歯周病、慢性的なストレスなどの環境因子は自分自身でコントロールできる要素です。

禁煙や口腔ケア、適切なストレス管理を心がけることで、発症リスクを下げられる可能性があります。

もし関節のこわばりや腫れ、痛みなどの症状を感じた場合は、家族歴の有無にかかわらず、早期に医療機関を受診しましょう。

また、近年の関節リウマチ治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。

再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。

「関節リウマチの症状を抑えたい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長