慢性腰痛に対する手術方法|費用や入院期間の目安は?治療が検討される症状について解説

慢性腰痛に対する手術方法|費用や入院期間の目安は?治療が検討される症状について解説
公開日: 2026.03.31

慢性的な腰痛に対して、「手術を受けるべきか」迷っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、慢性腰痛のすべてに手術が必要なわけではなく、多くの場合は保存療法(薬物療法・リハビリなど)で改善が期待できます。

一方で、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによる神経圧迫が原因の場合には、手術が有力な選択肢となることもあります。

本記事では、慢性腰痛に対する主な手術方法、費用や入院期間の目安、手術が検討される症状について詳しく解説します。

なお、保存療法を続けても改善が見られない慢性腰痛には、「再生医療」も選択肢の一つになります。

再生医療とは、患者さまご自身の細胞や血液を活用して、損傷した組織の再生・修復や炎症抑制を目指す治療法です。

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慢性腰痛に対する主な手術方法

慢性腰痛に対する手術方法は複数あり、症状の原因や重症度に応じて適切な術式が選択されます。

本章では、慢性腰痛に対して行われる代表的な4つの手術方法について解説します。

以下でそれぞれどのような治療を行うか確認していきましょう。

除圧術

除圧術は、神経を圧迫している骨や肥厚した靭帯を削り取ることで、痛みやしびれを軽減する手術です。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの治療で用いられ、神経の圧迫を物理的に取り除き、神経への負担を減らすことで症状の改善を目指します。

除圧術は脊椎の構造を温存しやすい術式であり、固定術に比べると身体への負担が小さい傾向にあります。

また、入院期間も比較的短く、1週間前後で退院できる場合が多いです。

ただし、脊椎の不安定性が強い場合には除圧術だけでは不十分なことがあり、以下で解説する脊椎固定術と併用されることもあります。

脊椎固定術

脊椎固定術は、不安定になった腰椎をボルトやスクリュー、ロッドなどの金属器具で固定し、脊椎の安定性を取り戻す手術です。

腰椎すべり症や椎間板の著しい変性など、脊椎の不安定性が慢性腰痛の原因となっている場合に検討されます。

手術は背中側からアプローチする方法(PLIF・TLIF)やお腹側から行う方法(ALIF)、脇腹を経由する方法(LLIF)など、複数の術式があり、症状や病態に応じて適切な方法が選択されます。

入院期間は1〜2週間程度が目安で、術後3カ月ほどはコルセットの着用が必要になることが一般的です。

固定術は他の術式に比べて身体への負担が大きいため、保存療法や他の手術で改善が見込めない場合に検討しましょう。

内視鏡下椎間板摘出術(MED・PELD)

内視鏡下椎間板摘出術は、数ミリから2センチ程度の切開口から極細のカメラ(内視鏡)を挿入し、身体への負担を抑える低侵襲な手術です。

主に慢性腰痛の原因が腰椎椎間板ヘルニアのときに選択されます。

MEDは全身麻酔下で行われ、背中側から小さな切開を入れて内視鏡を挿入し、飛び出した椎間板(ヘルニア)を摘出します。

PELDはさらに切開が小さく、局所麻酔で実施できるケースもあるため、日帰り〜数日間の入院で済むことが多い点が特長です。

いずれも傷口が小さく、従来の切開手術と比較して「術後の痛みが少ない」「回復が早い」「入院期間が短い」といった利点があります。

ただし、脊椎の不安定性が強い場合や、過去の手術による癒着がある場合には適応外となるケースもあるため、主治医としっかり相談することが大切です。

高周波熱凝固法(リゾトミー)

高周波熱凝固法(リゾトミー)は、痛みを伝える神経に高周波の熱を加えて焼灼し、痛みの感受性を減らす治療法です。

主に関節の変形などが原因で起こる「神経の興奮」を抑えるために用いられ、全身麻酔を必要としないケースが多いです。

メスで切る手術ではないため傷跡がほとんど残らず、高齢の方や合併症のリスクを避けたい方にとっても有力な選択肢といえるでしょう。

焼灼された神経は数カ月〜1年程度で再生するため、効果は永続的ではありませんが、その間の痛み軽減が期待できます。

日帰りで実施可能な場合が多く、身体への負担が比較的小さい治療法といえます。

ただし、保険適用で行うには条件があり、自由診療で実施する医療機関もあるため、費用面は事前に確認しておきましょう。

慢性腰痛の手術費用と入院期間の目安

慢性腰痛の手術にかかる費用と入院期間は、手術方法によって大きく異なります。

代表的な術式ごとの費用目安と入院期間は、以下のとおりです。

手術方法 費用目安(3割負担の場合) 入院期間の目安
除圧術 約25〜40万円 5日〜1週間
脊椎固定術 約60〜85万円 1〜2週間
内視鏡下椎間板摘出術(MED・PELD) 約20〜30万円 日帰り〜1週間
高周波熱凝固法(リゾトミー) 保険診療:数千円
自由診療:約30〜60万円
日帰り

上記の費用はあくまで目安であり、症状の程度、術式の選択、医療機関によって異なります。

なお、保険適用の手術であれば「高額療養費制度」を利用することで、自己負担額の上限が設定され、実質的な費用負担を軽減できます。

手術を検討する際は、事前に医療機関で費用と入院期間の見積もりを確認し、利用できる公的制度についても相談しておきましょう。

慢性腰痛で手術を検討するかどうかは原因によって異なる

慢性腰痛において手術を検討するかどうかは、痛みの原因、症状の重さ、そして保存療法の経過によって大きく異なります。

慢性腰痛の多くは、適切な保存療法(薬物療法・運動療法・リハビリなど)で改善が期待できます。

しかし、神経圧迫が強い場合や日常生活に著しい支障がある場合には、手術が有力な選択肢となります。

重要なのは、「慢性腰痛=すぐに手術」ではないということです。

まずは原因を正確に特定し、保存療法を十分に試したうえで、主治医と手術の適応について相談することが大切です。

手術が検討される慢性腰痛の原因・症状

慢性腰痛で手術が検討されるのは、主に保存療法(薬物療法・リハビリ・ブロック注射など)を数週間〜数カ月続けても改善が見られず、日常生活に大きな支障が出ている場合です。

特に以下のような原因・症状がある場合には、手術療法が有力な選択肢として検討されます。

原因疾患 手術が検討される主な症状
腰椎椎間板ヘルニア ・保存療法で改善しない強い下肢痛・しびれ
・排尿排便障害(馬尾症候群)の出現
・足の筋力低下が進行している場合
腰部脊柱管狭窄症 ・間欠性跛行(数分歩くと足が痛くなり休憩が必要)
・安静時にもしびれや痛みが持続
・日常生活動作が著しく制限されている場合
腰椎すべり症・分離症 ・脊椎の不安定性による持続的な腰痛
・神経圧迫によるしびれ・下肢痛
・保存療法で安定しない場合
変形性脊椎症 ・加齢による脊椎変形で神経が圧迫されている場合
・保存療法では日常生活の支障が改善しない場合

手術が検討されるのは、上記のように疾患によって神経が圧迫されている場合が中心です。

一方、筋肉のコリや姿勢不良、ストレスなどが原因の慢性腰痛には手術は適応されず、運動療法や心理的アプローチなどの保存療法が優先されます。

痛みが長引いている場合は自己判断せず、医療機関で精密検査を受け、原因を正確に特定することが重要です。

慢性腰痛に対する再生医療という選択肢

保存療法で改善しない慢性腰痛には、自己細胞を用いた「再生医療」という選択肢もあります。

再生医療は、患者さま自身の脂肪由来幹細胞や血小板(PRP)を用いて、損傷した神経や組織の再生・修復を促す治療法です。

手術を避けたい方や、保存療法で改善しない慢性的な痛みに悩んでいる方の新たな選択肢となるでしょう。

また、再生医療は自由診療となりますが、手術や入院が不要で身体への負担が少ない治療法です。日帰りで治療を受けられるため、日常生活への影響も抑えられます。

「再生医療について詳しく知りたい」「慢性腰痛を手術せずに治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。

慢性腰痛の手術に関するよくある質問

最後に、慢性腰痛の手術に関するよくある質問に回答していきます。

それぞれの疑問について、以下で詳しく解説します。

慢性腰痛は手術で治る?

慢性腰痛は手術で改善する可能性がありますが、すべての慢性腰痛に手術が有効なわけではありません。

手術が効果を発揮するのは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症など、構造的な異常によって神経が圧迫されている場合です。

これらの疾患では、圧迫の原因を手術によって取り除くことで、痛みやしびれの改善が期待できます。

一方、慢性腰痛の原因が筋肉のコリや生活習慣、心理的な要因(ストレスなど)などの場合、手術ではなく運動療法や薬物療法といった保存療法が基本となります。

基本的には保存療法が優先されますが、症状や進行度によっては早期手術が必要なケースもあるため、まずは主治医に相談することが重要です。

腰の手術はしない方がいい?

腰の手術は、日常生活に大きな支障がない場合には、原則として保存療法を優先することが多いです。

保存療法では、薬物療法やリハビリテーション、ブロック注射などの治療を組み合わせて行うことで症状が改善する可能性があります。

ただし、以下のような場合には緊急で手術が必要な場合や、手術を優先すべきケースもあります。

  • 排尿排便障害(馬尾症候群)が出現している場合
  • 足の筋力低下が進行している場合
  • 歩行困難が長期間続いている場合

ご自身の症状に適した治療を受けるためにも、まずは主治医に相談することが重要です。

慢性腰痛の手術方法や費用を理解して適切な治療を受けよう

慢性腰痛の治療は手術だけではなく、保存療法や再生医療など複数の選択肢があります。

手術が適応となるのは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症によって神経が圧迫されている場合が中心であり、すべての慢性腰痛に手術が必要なわけではありません。

そのため、まずは原因を正確に特定し、保存療法を十分に試したうえで、手術が必要かどうかを主治医と相談することが重要です。

また、手術を避けたい方や、手術後も症状が改善しない方には、「再生医療」という選択肢もあります。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経や組織の再生・修復を促すことで根本的な改善を目指す治療法です。

以下の動画では、再生医療によって腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛が改善した症例を紹介しています。

現在当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設