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血栓性静脈炎とは?初期症状・原因や何科を受診すべきかについても紹介

血栓性静脈炎とは?初期症状・原因や何科を受診すべきかについても紹介
公開日: 2026.03.31

「ふくらはぎが赤く腫れている」「静脈に沿って痛みや熱感がある」といった症状がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような症状は、血栓性静脈炎(けっせんせいじょうみゃくえん)の可能性があります。

血栓性静脈炎は、静脈の中に血栓(血の塊)ができ、その部分に炎症が生じる疾患です。

初期症状は軽い違和感や赤みにとどまることもありますが、放置すると血栓が肺に移動し、肺塞栓症(はいそくせんしょう)という命に関わる合併症を引き起こすリスクがあります。

本記事では、血栓性静脈炎の症状・原因・診断・治療法などについて詳しく解説します。

また従来の保存療法や薬物療法を試みても改善が見られない場合、再生医療も選択肢の一つになります。

再生医療とは、患者さま自身の細胞や血液成分を活用して、損傷した組織・血管を修復・再生させる治療法です。

再生医療についての詳しい症例や治療内容は、以下の動画でもご確認いただけます。

再生医療について詳しく知りたい方は、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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血栓性静脈炎とは|静脈の中に血栓(血の塊)ができて炎症が起こる病気

血栓性静脈炎とは、静脈の中に血栓(血の塊)ができ、その部分に炎症が生じる疾患です。

血栓性静脈炎には「表在性血栓性静脈炎」と「深部静脈血栓症(DVT)」の2種類があり、それぞれの特徴が異なります。

それぞれの具体的な症状と、見分けるためのチェックポイントについて詳しく解説します。

表在性血栓性静脈炎

表在性血栓性静脈炎は、皮膚の浅い部分にある静脈(表在静脈)に起こる、比較的軽症の血栓性静脈炎です。

患部では急性の炎症反応が起こり、血栓が静脈壁にしっかりと付着して剥がれにくい状態となります。

表在静脈は筋肉に取り囲まれていないため、血栓が剥がれて肺などに流れ込む塞栓症を起こすリスクは比較的低いとされています。

ただし、症状が強い場合や長引く場合は深部静脈血栓症に移行する可能性もあるため、自己判断せずに医療機関への受診をおすすめします。

深部静脈血栓症(DVT)

深部静脈血栓症(DVT:Deep Vein Thrombosis)は、筋肉内の深い部分にある静脈に血栓ができ、重症化しやすい病態です。

血栓が血管から剥がれて血流に乗り、肺に到達すると、肺塞栓症という命に関わる病気を引き起こすことがあります。

発症者の約半数は無症状であるとされており、肺塞栓症による胸の痛みや息切れが最初のサインとなることもあります。

「エコノミークラス症候群」として知られているものも、この深部静脈血栓症の一種です。

症状の有無にかかわらず、リスク因子がある方は十分な注意が必要です。

どちらのタイプであっても、症状が続く場合や悪化する場合は早期に医療機関を受診しましょう。

血栓性静脈炎の主な症状

血栓性静脈炎の代表的な症状は、以下のとおりです。

症状 表在性血栓性静脈炎 深部静脈血栓症(DVT)
腫れ 患部周辺が軽度〜中程度に腫れる 下肢全体が著しく腫れることが多い
皮膚の赤み 静脈に沿って赤みが現れる 皮膚変化が目立たない場合もある
熱感・痛み 患部に熱感・押したときの痛みが出やすい ふくらはぎの深部に鈍い痛みが出ることがある
しこり感 静脈に沿って硬い索状物(しこり)を触れることがある 表面からは確認しにくい
肺への影響 塞栓リスクは比較的低い 肺塞栓症(胸痛・息切れ)を引き起こす可能性がある

初期は違和感や張りを感じる程度にとどまることが多いですが、時間の経過とともに患部が熱をもち、歩行時に重さを感じるようになることがあります。

また、深部静脈血栓症(DVT)では約半数が無症状であるとされており、気づかないうちに病状が進行している場合もあるため注意が必要です。

上記の症状が一つでも当てはまる場合は、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。

血栓性静脈炎の原因

血栓性静脈炎の原因は、主に以下3つに分けられます。

この3つの原因はウィルヒョウの三徴(Virchow’s triad)として知られており、血栓形成に関わる主要な因子です。

以下でそれぞれ詳しく解説します。

血液の流れが滞る(長時間の安静、デスクワーク、下肢静脈瘤など)

血液の流れが滞ると、血栓ができやすい環境が整い、血栓性静脈炎のリスクが高まります。

長時間のデスクワークや長距離移動などで足を動かさない状態が続くと、足からの血液が心臓に戻りにくくなり、血液が滞留しやすくなります。

入院中や術後の安静・寝たきりの状態も同様のリスクがあるので注意が必要です。

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)をお持ちの方は、静脈の弁が正常に機能せず血液が逆流・滞留しやすいため、血栓形成のリスクが高まります。

血管の壁が傷つく(点滴・カテーテル治療・外傷・手術など)

血管の内側(血管内皮細胞)が傷つくと血液が固まりやすくなり、血栓が形成されやすくなります。

外傷・手術・カテーテルの留置・点滴の注射などは、血管内皮細胞に直接ダメージを与える代表的な原因です。

また、喫煙・高血圧・糖尿病による慢性的な血管へのダメージも、血管壁を傷つける要因となるので注意しましょう。

ベーチェット病やバージャー病など、血管に炎症を起こす病気も血管を傷つけ、血栓を誘発するとされています。

血液が固まりやすい状態(脱水・ガン・妊娠・ピルの服用など)

以下のように血液そのものが固まりやすい状態になると、わずかなきっかけでも血栓が形成されやすくなります。

  • 加齢による血液凝固系の変化
  • 特定の遺伝性疾患
  • がんなど

脱水状態では血液が濃縮されて粘度が上がり、妊娠や肥満では腹部の圧迫によって足からの血流が悪化することも原因となります。

ピル(経口避妊薬)やエストロゲン療法薬なども血液の凝固を促進する可能性があるとされており、服用中の方は注意が必要です。

血栓性静脈炎の診断と検査方法

血栓性静脈炎の診断と検査方法は、主に以下のとおりです。

検査方法 内容・特徴 主な目的
視診・触診 患部の赤み、腫れ、熱感、硬いしこり(血栓化した静脈)を確認 表在性静脈炎の診断、炎症範囲の特定
下肢静脈超音波検査(エコー) 超音波を用いて、血管内の血流や血栓の有無をリアルタイムで画像化 深部静脈血栓症(DVT)の有無を判定する最も重要な検査
血液検査(Dダイマー測定) 血栓が溶ける際に発生する物質「Dダイマー」の濃度を測定 血栓の可能性を否定(除外)するためのスクリーニング

まず医師が患部の腫れ・赤み・熱感・しこりなどを確認し、強い腫れがある場合や深部静脈血栓症が疑われる場合には、ドプラ超音波検査(エコー検査)を用いて血管内の血栓の有無を詳しく確認します。

血液検査では、血栓の形成に伴って増加するDダイマー(D-dimer)の値を測定し、血栓の有無を推定する際の参考にします。

このように血栓性静脈炎の診断は、症状の評価に加えて、超音波検査や血液検査を組み合わせて総合的に判断されるのです。

気になる症状(腫れ・痛み・赤みなど)がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

血栓性静脈炎の治療法

血栓性静脈炎の治療法は、以下のとおりです。

軽症であれば保存療法や薬物療法で対応できる場合がありますが、重症化している場合や既存の治療で効果が得られない場合には、手術療法や再生医療も検討されます。

以下で各治療法を詳しく解説します。

保存療法

保存療法は、軽度または初期段階の血栓性静脈炎に対して選択される、身体への負担が少ない治療法です。

  • 脚の挙上(きょじょう)
  • 弾性ストッキングの着用
  • 適切な運動(早期離床)
  • 患部の冷却や湿布

弾性ストッキングの着用は、静脈を外から圧迫することで血液の滞留を防ぎ、症状の緩和に効果が期待できます。

しかし自分の足に合わない(きつすぎる)サイズを着用すると、かえって血流を阻害したり、皮膚に傷(潰瘍)を作ったり、神経を圧迫したりする恐れがあります。

また足の動脈の流れが悪い「閉塞性動脈硬化症(ASO)」を合併している場合、圧迫によって動脈血流がさらに低下し、組織が壊死する危険があるため、使用前に必ず確認が必要です。

保存療法は身体への負担が少ない一方で、症状が強い場合や改善が見られない場合は薬物療法との併用や、専門医への相談が必要になることがあります。

薬物療法

薬物療法では、炎症や血栓の状態に応じて抗炎症薬・抗凝固薬・血栓溶解薬などが使用されます。

炎症による腫れや違和感を抑えるために、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が使用されることがあります。

また、血液を固まりにくくして新たな血栓の形成や拡大を防ぐために、抗凝固薬(ヘパリン・ワルファリンなど)が処方されることがあります。

深部静脈血栓症など重症例では、すでに形成された血栓を溶かす血栓溶解薬が用いられる場合もあります。

いずれの薬剤も医師の指示に従って使用することが重要であり、自己判断での服薬中断や量の調整は行わないようにしましょう。

手術療法

手術療法は、重度の場合・再発を繰り返す場合・保存療法や薬物療法で効果が得られない場合に検討される治療法です。

代表的な術式として、以下のようなものがあります。

  • 血栓除去術:血栓を直接取り除く
  • 下大静脈フィルター留置術:血栓が肺に移動するのを防ぐ

また、血栓性静脈炎の原因となっている下肢静脈瘤がある場合には、静脈瘤に対する手術が行われることもあります。

手術療法は根本的な治療が期待できる一方で、身体への負担や術後のケアも必要になるため、医師とよく相談したうえで検討することが大切です。

再生医療

血栓性静脈炎に対して、既存の治療で十分な改善が得られない場合や、手術を避けたい場合には、再生医療が新たな選択肢となることがあります。

再生医療とは、幹細胞や血液成分を活用して損傷した血管や組織の修復を促し、症状の改善や機能回復を目指す治療法です。

治療法 概要 詳細
自己脂肪由来幹細胞治療 患者さまご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養・増殖させて投与する

・拒絶反応のリスクが低い

・冷凍せず「その都度」培養するフレッシュな細胞を使用

・1回あたり最大2億個の幹細胞を投与可能

PRP(多血小板血漿)療法 自身の血液を遠心分離にかけ、高濃度の血小板液(PRP)を損傷部位に注入する

・血小板の成長因子が組織の修復を促進

・自己治癒力を高めて痛みの軽減を目指す

再生医療は手術や長期入院を必要としないため、比較的身体への負担が少ない治療法でもあります。

薬物療法や保存療法で改善が乏しい方・手術をできるだけ避けたい方という方は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。

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血栓性静脈炎は何科を受診すべき?

血栓性静脈炎の受診先は、症状の程度や現れている部位によって異なります。

症状・状況 おすすめの受診科
皮膚の赤みや軽い腫れが中心で、表面の異常が目立つ 皮膚科
下肢が強く腫れている
深部静脈血栓症(DVT)が疑われる
再発を繰り返している
血管外科・心臓血管外科
症状の判断が難しい
持病が多くかかりつけ医に相談したい
内科・総合内科

皮膚の赤みや軽い腫れなど、表面の異常が中心の場合は「皮膚科」を受診するとよいでしょう。

一方、下肢が強く腫れている場合や深部静脈血栓症が疑われる場合、再発を繰り返す場合は「血管外科」や「心臓血管外科」への受診をおすすめします。

どの科を受診すればよいか迷う場合は、まず「内科」「総合内科」またはかかりつけ医に相談し、適切な専門科への紹介を受けることも一つの方法です。

血栓性静脈炎の放置は危険!気になる症状は早期に相談しよう

血栓性静脈炎は、放置すると血栓が移動して肺塞栓症などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、早急に医療機関を受診することが重要です。

しかし症状が進行すると治療が複雑になる場合もあるため、以下のように気になる症状があれば早めに専門医に相談しましょう。

  • ふくらはぎのしこり
  • 硬さや違和感
  • 軽い痛み

また、保存療法や薬物療法などの従来の治療で改善が見られない場合には、再生医療も選択肢の一つです。

血栓性静脈炎の症状にお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)にまずはお気軽にご相談ください。

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監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長