• 脊椎

脊柱管狭窄症の重症度分類|評価・診断方法は?グレードごとの治療法を解説

脊柱管狭窄症の重症度分類|評価・診断方法は?グレードごとの治療法を解説
公開日: 2026.02.27

「脊柱管狭窄症の重症度はどのように分類されているの?」
「どのような治療を受ければ治る?」

脊柱管狭窄症と診断され、ご自分がどの程度の重症度なのか不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、脊柱管狭窄症における4つの重症度レベルや、重症度ごとに適切な治療法について解説します。

また、脊柱管狭窄症の手術せずに根本改善を目指したい方向けに「再生医療」についても解説しています。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

脊柱管狭窄症における重症度の分類

脊柱管狭窄症がもたらす足腰の痛みやしびれは、神経の圧迫度合いに応じて段階的に悪化するため、以下のような4つのレベルに分類されます。

進行性の疾患であることを踏まえ、現在の症状がどの段階にあるかを正しく判断することが、適切な治療方針の選択や日常生活での適切なケアを取り入れるための確かな一歩に繋がります。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

レベル1|軽度

脊柱管狭窄症の初期段階である「レベル1」は、日常生活に大きな支障はないものの、長時間の歩行などで足腰に軽い違和感を覚える状態です。

主に以下のような症状が現れます。

主な症状 詳細
歩行時の疲労感 長い距離を歩くとふくらはぎに張りが出たり、足が重く感じたりする初期のサイン
姿勢による変化 背筋を伸ばして立つとしびれを感じ、少し前かがみになると症状が和らぐ特有の感覚
休息による速やかな回復 立ち止まって数分休むだけで症状がすぐに治まり、再び歩き出せる段階

この時期に医療機関を受診し、姿勢の改善や運動などの対策を取り入れることが、症状の悪化を防ぐ大きな助けにつながります。

レベル2|中等度

脊柱管狭窄症が「レベル2」へ進行すると、連続して歩ける距離が短くなり、休みながらでないと移動が難しくなる症状が明確に現れます。

主に以下のような症状が特徴です。

主な症状 詳細
歩行距離の低下 歩いただけで足にしびれや痛みが走り、立ち止まらざるを得ない状態
生活範囲の制限 買い物や散歩など日常の外出先でも、ベンチなどで頻繁に休息を取る機会が増える段階
感覚の異常 足裏に膜が張ったような違和感や、常に軽いしびれを伴うケースが目立ち始める時期

痛みをかばう不自然な歩き方が腰への負担を増幅させる恐れがあるため、本格的な治療介入を検討するタイミングといえます。

レベル3|重度

脊柱管狭窄症の「レベル3」は、神経の圧迫がさらに強まり、わずかな距離の移動や家の中での日常動作すら困難になる深刻な状態を指します。

主に以下のような症状が現れます。

主な症状 詳細
歩行困難 連続歩行が著しく困難になり、頻繁な休息が必要となる
安静時の痛み 横になって休んでいる時や就寝中にも、足腰に強いしびれや痛みが持続するケース
筋力の低下 足に力が入らなくなり、スリッパが脱げやすくなったり段差でつまずいたりする状態

レベル3まで進行すると、保存療法での根本的な改善が難しくなる場合があり、手術療法を検討する時期といえます。

レベル4|最重度

最重度に脊柱管狭窄症にあたる「レベル4」は、神経の機能が広範囲にわたって損なわれ、下半身の麻痺や排泄機能の障害を引き起こす危険な段階です。

主に以下のような症状が現れます。

主な症状 詳細
排尿・排便障害 尿意を感じにくい、あるいは自力で排泄をコントロールできないといった症状の発生
重度の麻痺 足の感覚が完全に消失したり、全く力が入らなくなって自力での歩行が不可能になる状態
会陰部の異常 股間周辺に焼け付くような痛みや、感覚が全くなくなるなどの著しい異常を伴うサイン

この段階に至ると早急な外科的処置を講じないと後遺症が残るリスクが高まるため、一刻も早い医療機関への受診が推奨されます。

脊柱管狭窄症の重症度の分類・評価方法は?

脊柱管の狭さや神経の圧迫度合いを正確に評価するため、MRI検査を用いた画像診断による診断が広く用いられています。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

MRI検査でわかること

MRI検査は、レントゲンでは映らない神経や靭帯といった軟部組織の状態を鮮明に可視化できるという優れたメリットを備えています。

代表的な画像検査との違いとそれぞれの得意分野は、以下のとおりです。

検査の種類 主な観察対象 脊柱管狭窄症の診断における役割
レントゲン検査 骨の変形や全体の配列 骨格のズレや骨のトゲ(骨棘)の有無を大まかに把握する
CT検査 骨の立体的な構造 レントゲンより詳細に骨を見るものの、神経自体の圧迫は捉えにくい
MRI検査 神経や椎間板などの軟部組織 神経がどこで、どの程度強く締め付けられているかをピンポイントで特定する

このように各検査の特徴を組み合わせることで、目に見えない神経のダメージを客観的に評価し、より的確な治療方針を導き出すことに役立ちます。

MRI検査で評価されるグレード(Schizas分類)

MRIの横断像をもとに神経の束(馬尾)の詰まり具合を4段階で評価する「Schizas(シザス)分類」が、国際的な基準として採用されています。

それぞれのグレードが示す神経の圧迫状態を整理すると、以下のように分類されます。

グレード(Schizas分類) MRI画像から読み取れる状態
Grade A(軽度)  神経の束の間に隙間があり、脳脊髄液(白い部分)が明確に確認できる状態
Grade B(中等度) 神経の束が密集し始めているが、まだ完全に隙間が潰れきっていない状態
Grade C(重度) 神経の束が完全に密着し、脳脊髄液の白い隙間が全く見えなくなった状態
Grade D(最重度) 神経の束自体が強く圧迫され、形が潰れて周囲と癒着している極めて深刻な状態

この客観的なグレード分けに患者さま自身の自覚症状を掛け合わせることで、適切な治療方針を判断するための精度の高い指標として役立ちます。

脊柱管狭窄症の重症度分類ごとの治療法

脊柱管狭窄症の治療は、重症度に応じて、身体への負担が少ない保存療法からより積極的な手術療法へと段階的にアプローチを変えていく方針が基本です。

重症度別の主な治療法は、以下のとおりです。

痛みやしびれを改善し、スムーズに日常生活へ復帰するため、それぞれの段階における具体的な治療内容を確認していきましょう。

保存療法(軽度〜中等度)

脊柱管狭窄症の診療ガイドライン2021では、軽度から中等度の脊柱管狭窄症に対して、運動療法を中心とした保存療法が第一選択として推奨されています。
※出典:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021[改訂第2版]

具体的には、以下のような複数の治療を組み合わせて神経への負担を減らすことで、症状改善を目指します。

  • 薬物療法
  • 神経ブロック注射
  • 運動療法(リハビリ)
  • 装具療法

これらの治療を根気よく続けることで、多くの場合において症状が改善し、手術を回避して快適な日々を取り戻せるでしょう。

手術療法(重度〜最重度)

連続した歩行が困難になったり排泄機能に障害が出たりする重度から最重度(レベル3〜4)に至ると、神経の圧迫を根本から取り除く手術療法が選択肢に挙がります。

保存療法では改善が見込めない症状を改善するため、主に以下の外科的な術式が検討されます。

  • 除圧術(神経の圧迫解除)
  • 固定術(背骨の安定化)

また、近年は比較的身体への負担が少なく早期退院が可能な内視鏡手術も普及しているため、医師と相談して適切なタイミングを見つけましょう。

脊柱管狭窄症の根治を目指す「再生医療」の選択肢

脊柱管狭窄症の治療法として、従来の保存療法と手術療法に加え、近年では自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。

再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した神経の再生・修復を促し、脊柱管狭窄症の根本改善を目指す治療法です。

従来の治療では、保存療法を数カ月継続しても改善しない場合、手術療法によって神経の圧迫を取り除く治療が一般的でした。

しかし、手術リスクや入院、長期的なリハビリ期間があることから「手術はできるだけ避けたい」という方も少なくありません。

再生医療は上記のような「手術を避けて根本治療を受けたい方」「脊柱管狭窄症を早く治したい方」の新たな選択肢となる治療法といえます。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

脊柱管狭窄症の重症度分類についてよくある質問

最後に、脊柱管狭窄症の重症度分類についてよくある質問に回答していきます。

多くの方が抱くこれら2つの疑問について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

脊柱管狭窄症は難病指定?

脊柱管狭窄症そのものは難病指定されていませんが、頸椎・胸椎・腰椎の広範囲にわたる「広範脊柱管狭窄症」は指定難病70に該当します。

一般的な腰部脊柱管狭窄症の場合でも、脊柱管狭窄症は介護保険の特定疾病16種に含まれているため、40歳以上65歳未満の方でも要介護認定を受けられる可能性があります。

また、重症度により障害年金の対象となる場合もあります。

脊柱管狭窄症の進行速度は?

症状が悪化するスピードには個人差があり、数カ月で急激に進行するケースもあれば、長期間状態が変わらない方も少なくありません。

基本的には加齢に伴って緩やかに進行するものの、重労働などによる腰への持続的な負担や筋力の低下、糖尿病などの基礎疾患が進行度合いに影響を与えると考えられています。

急に足の力が抜けるといった極端な変化を感じた際は、症状が進行しているサインと捉え、速やかに専門医へ相談する判断をおすすめします。

脊柱管狭窄症の重症度分類に合わせた治療を受けることが重要

脊柱管狭窄症は、神経の圧迫度合いに応じて4つの段階に分類されます。

比較的初期段階の軽度〜中等度であれば、手術を伴わない保存療法によって、症状の改善が見込めます。

しかし、症状が重度〜最重度まで進行してしまうと、神経の圧迫を取り除く手術療法が検討されるケースが多いです。

近年の治療では、手術や入院をせずに脊柱管狭窄症の根本改善を目指す「再生医療」が注目されています。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促すことで脊柱管狭窄症の改善が期待できる治療法です。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長