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変形性膝関節症のダイエット方法|膝を悪化させない体重の落とし方を紹介

変形性膝関節症のダイエット方法|膝を悪化させない体重の落とし方を紹介
公開日: 2025.12.26

膝が痛い状態で体重を落とそうとしても、「動くと痛いのに、痩せないといけない」と板挟みになってしまう方は少なくありません。

痛みが続くと外出や買い物も億劫になり、活動量が落ちて体重が増えやすい悪循環に入ってしまいます。

その結果、「運動を頑張ったのに膝が悪化した」「食事を減らしたら筋力が落ちた」といった失敗体験につながることがあります。

そこで本記事では、変形性膝関節症のダイエット方法をテーマに、膝を守りながら体重を落とす考え方と実践手順を整理します。

結論|目標はまず「体重の5%減」+“膝に優しい運動”が王道

膝の痛みを抱えて減量するなら、最初の目標は体重の5%減を現実的に積み上げることです。

大きく痩せようとして短期間で食事を削ると、筋力低下やリバウンドで膝の負担が戻りやすくなります。

一方で、5%程度の減量でも痛みや機能に臨床的な改善が出やすいとする報告があります。
参照:AAFP「Weight Loss in Patients With Overweight or Obesity and Knee Osteoarthritis」(2024)

さらに、体重が落ちるほど膝にかかる負担が軽くなり、回復の土台が作りやすくなります。

焦って“近道”を探すより、膝に優しい運動と食事をセットで設計し、治癒を遅らせないやり方を選びましょう。

減量の目安|どれくらい痩せれば効果が出やすい?

変形性膝関節症の減量は、「何kg痩せるか」より体重の何%を落とすかで考えるほうが計画を立てやすいです。

目安としてはまず5%を狙い、余力があれば5〜10%へ段階的に進めるのが安全です。

実際に、体重減少の効果は5〜10%、10〜20%と増えるほど大きくなる可能性が示されています。
参照:2019 ACR/AF Guideline(PDF)

また、体重が1ポンド減るごとに膝への荷重が1歩あたり約4ポンド減るという研究報告があり、減量の価値は数字以上に積み上がります。
参照:Wake Forest University News(2005)

まずは「3か月で体重の5%」など期限を切り、無理のない速度で継続できる設計に落とし込みましょう。

食事編|膝OAの人が失敗しにくいダイエット設計

膝を守りながら体重を落とすには、食事を“我慢”ではなく続けられる型に整えることが重要です。

最初に「何を増やし、何を減らすか」を決めておくと、迷いが減って継続しやすくなります。

膝の痛みがあると運動量が増やしにくいため、食事での“落とし方”の質が結果を左右します。

次の項目では、無理なく実行できる具体策に落とし込みます。

タンパク質と食物繊維を軸に「空腹に負けない型」を作る

膝OAの減量は、まずタンパク質と食物繊維を毎食の軸に置くと失敗しにくくなります。

カロリーだけを削ると空腹が強くなり、間食やドカ食いで計画が崩れやすいからです。

また、膝を支える筋力が落ちると関節への負担が増えるため、筋肉の材料になるタンパク質を確保する意味は大きいです。

【空腹に負けない食事の組み立て例】

  • 主菜:肉・魚・卵・大豆製品を毎食で確保する
  • 副菜:野菜・きのこ・海藻で食物繊維を増やす
  • 主食:量は調整しつつ、抜きすぎて反動を作らない
  • 間食:甘味よりもナッツ・ヨーグルトなど“置き換え”を先に用意する

「何を食べないか」より、「何を先に食卓に置くか」を決めるほうが、家事や仕事が忙しい方でも続きやすいです。

まずは1日単位ではなく1週間単位で整え、できた日を積み上げる発想で進めましょう。

炎症を悪化させにくい生活(アルコール・睡眠・間食)も整える

膝の痛みが強いときほど、減量は食事だけでなく生活の乱れも一緒に整える必要があります。

たとえば睡眠が乱れると食欲が暴れやすくなり、間食が増えて計画が崩れやすくなります。

また、飲酒が続くとつまみや締めの炭水化物が増えやすく、総摂取量が見えにくくなる点も落とし穴です。

【炎症を悪化させにくい整え方】

  • アルコールは回数を決め、飲む日は量とつまみを固定する
  • 夜更かしを避け、睡眠時間をまず確保する
  • 間食は“買わない”より“置き換え”を先に決める
  • 痛みが強い日は「守りの日」として無理に運動を増やさない

膝の調子が悪い日に自分を追い込むと、翌日以降に反動が出て継続が止まりやすくなります。

減量は短距離走ではないため、波がある前提で“崩れない仕組み”を先に作っておきましょう。

運動編|膝が痛くてもできる“痩せる動き”の選び方

膝の痛みがある場合は、運動を「頑張る」より膝に負担をかけない種目へ置き換えることが大切です。

膝が痛いまま走る・跳ぶなどを続けると、体重が落ちる前に痛みが強くなり、継続が途切れてしまいます。

「運動で痩せる」より、「運動で痛みを悪化させない」ほうが結果として痩せやすくなります。

次の項目で、実行しやすい形に具体化します。

低負荷の有酸素(自転車・水中・平地ウォーク)で消費を作る

膝OAの減量では、まず低負荷の有酸素で“消費の土台”を作るのが安全です。

具体的には自転車、プールでの歩行、平地のウォーキングなど、衝撃が少ないものが候補になります。

痛みがある日は時間を短くし、翌日に痛みが増えない範囲で少しずつ増やすほうが継続できます。

【低負荷の有酸素を続けるコツ】

  • 最初は10分から始め、翌日の膝の反応を見て増やす
  • 痛みが出たら“時間を減らす”ことで継続を切らさない
  • 坂道や階段は最初から増やさず、平地を基本にする
  • 靴と歩幅を見直し、膝の衝撃を減らす

膝OAの運動は「毎回きつくする」より、「止めない」ことを優先しましょう。

痛みが増えるサインが出たら無理をせず、運動量の調整を行うことが重要です。

太もも・股関節の筋トレで膝の安定性を上げる(フォーム重視)

減量中ほど、膝を守るために太もも・股関節の筋トレを外さないことが重要です。

筋力が落ちると膝のブレが増え、同じ体重でも痛みが出やすくなることがあります。

一方で、フォームが崩れた筋トレは膝に負担を集めやすいため、回数よりも“痛みが増えない形”を優先しましょう。

【膝に配慮しやすい筋トレ例】

  • 椅子からの立ち座り(膝が内側に入らないよう意識)
  • 壁スクワット(浅めの角度で短時間から)
  • お尻の外側のトレーニング(横向き脚上げ等)
  • 膝伸ばし(痛みが出ない範囲で)

筋トレは痛みを我慢して続けるほど逆効果になりやすいので、「翌日に痛みが増えるか」を基準に負荷を調整してください。

不安が強い場合は、理学療法士などにフォームを見てもらうと、続けやすい型が作れます。

ダイエットしても痛い場合の再生医療という選択肢

体重を落として運動も続けているのに痛みが残る場合は、努力が足りないのではなく、関節内の炎症や組織の状態が関与している可能性があります。

そのようなときは、保存療法の見直しに加えて、段階を上げた治療の検討が必要になることがあります。

選択肢の一つとして、再生医療を含めた相談を検討する価値があります。

リペアセルクリニック大阪院では、体重・運動・生活背景まで整理したうえで、状態評価と選択肢の比較を重視して相談を受け付けています。

「このまま続けてよいのか」「次に何を足すべきか」が曖昧な場合は、一度整理して判断材料をそろえることが重要です。

リペアセルクリニック大阪院の特徴 内容
相談の軸 痛みの経過/生活で困る動作/体重変化と取り組みの整理
治療の視点 痛みの主因の切り分け/歩行・動作の負荷評価/併存要因の確認
提案の方向性 保存療法の最適化/運動・生活設計の再構築/必要時の治療選択肢の比較
サポートの考え方 継続可能な負荷管理/再発予防/意思決定の論点整理

【相談時に整理しておくと役立つこと】

  • 体重変化(いつから何kg、何%落ちたか)
  • 痛みが出る動作(歩行、階段、立ち座り等)
  • 運動内容(頻度、時間、翌日の反応)
  • 画像検査や治療歴(注射、内服、リハビリ等)

減量は膝OAの基本ですが、それだけで痛みが消えない方がいるのも事実です。

努力を続けているのに結果が出ない場合ほど、治療の優先順位を整理し直すことが前向きな一手になります。

手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。

まとめ|“体重管理×運動×医療”で変形性膝関節症の悪循環を断ち切ろう

変形性膝関節症の減量は、まず体重の5%減を目標にし、膝に優しい運動と食事をセットで続けることが王道です。

短期間で大きく落とすより、筋力を守りながら落とすほうが、痛みの悪化を避けて継続しやすくなります。

それでも痛みが残る場合は、保存療法の見直しや、必要に応じて再生医療を含めて選択肢を整理することが重要です。

「痩せないといけないのに痛くて動けない」と感じる方こそ、体重管理と医療の両面から、無理のない設計を作っていきましょう。

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監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長