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痛風は一日で治ることはない!その理由と痛みに対する対処法を解説

痛風は発症すると「風が吹いただけで痛い」と言われるほどの激痛に襲われ、日常生活に大きな支障をきたします。
突然の激痛に襲われて「一日でも早く治したい」「本当に一日で治るのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、痛風が一日で治らない理由と、発作時の適切な対処法、再発を防ぐための生活習慣改善のポイントを解説します。
痛風の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは、痛風の合併症に対する治療法である再生医療に関する情報をLINEで発信しているので、ぜひご確認ください。
目次
【結論】痛風は一日では治らない!症状が治まるまでに数日~数週間かかる
痛風発作は、突然激しい痛みが襲ってくるのが特徴です。
多くの場合、夜間や早朝に突然発症し、数時間のうちに痛みがピークに達します。
痛みのピークは発症後24時間以内に訪れ、その後、症状が落ち着くまでには通常1~2週間程度かかります。
「一日で治った」と感じる方がいるのは、鎮痛薬によって一時的に痛みが和らいだだけで、関節内の炎症自体が完全に治まったわけではありません。
痛みが引いても、体内の尿酸値が高い状態が続いていれば、再び発作を繰り返すリスクが高まります。
痛風の治療には、長期的な管理が必要です。
発作の痛みを抑えることも大切ですが、根本的な原因である高尿酸血症を改善するために、これから紹介する生活習慣の見直しが重要になってきます。
痛風発作が起こる原因
痛風発作は「高尿酸血症」の状態が長く続くことで引き起こされます。
尿酸は血液中に溶けていますが、一定の濃度を超えると関節の中で針状の結晶となって溜まっていきます。
この結晶化が痛風発作の原因です。
結晶を体の免疫システムが異物とみなし、白血球が攻撃することで激しい炎症反応、痛風発作が起こります。
とくに足の親指の付け根は体温が低く、尿酸が結晶化しやすいため、最も発作が起こりやすい部位として知られています。
高尿酸血症になる要因は、以下のとおりです。
- プリン体を多く含む食品の過剰摂取
- アルコールの飲み過ぎ
- 肥満
- 遺伝的要因
- 激しい運動
- ストレス
- 脱水状態
尿酸値が高い状態を放置すると、発作を繰り返すだけでなく、腎臓にも負担をかけることになるため注意が必要です。
痛風発作時の治療法・対処法|歩くと治るは注意が必要
痛風発作時には、薬で炎症を早期に抑えることが重要です。
主に以下の薬が使用されます。
| 薬の種類 | 特徴と効果 |
|---|---|
| NSAID |
・炎症や腫れ、痛みを鎮める薬 |
| コルヒチン |
・発作の初期に使用すると効果的 |
| グルココルチコイド |
・NSAIDが使えない場合に選択される薬 |
自宅でできる対処法は、以下のとおりです。
- 安静にして患部を冷やす
- 水分を十分に摂取し、尿酸の排出を促す
- 市販の鎮痛消炎薬を使う(ただし医師の指示に従う)
発作が治まった後は、尿酸値を正常範囲内に維持するのにジョギングや水泳など軽めの有酸素運動が役立ちます。
一方で、激しい運動は体内で尿酸が作られやすくなるため、急激な運動は避けて、無理のない範囲で継続することが大切です。
痛風発作を一日でも早く治すためのポイント|生活習慣を改善しよう
痛風発作を治すには、以下の生活習慣の改善が欠かせません。
これらのポイントを実践して、尿酸値を適切にコントロールしましょう。
アルコール摂取を控える
アルコールは痛風に悪影響を及ぼす代表的な要因です。
その理由は大きく3つあります。
まず、ビールや日本酒などにはプリン体が多く含まれており、尿酸の元となる物質を直接摂取することになります。
次に、アルコールが体内で分解される過程で尿酸の産生が促進されます。
さらに、アルコールは腎臓からの尿酸の排出を阻害するため、体内に尿酸が溜まりやすくなるのです。
痛風の方は、禁酒しましょう。
どうしても飲む場合は、プリン体が少ないワインや焼酎などを選び、量を控えめにする工夫が効果的です。
また、お酒を飲む際は必ず水も一緒に飲んで、体内の尿酸濃度が高くならないよう心がけてください。
カロリー過多・高プリン体の食事を見直す
食事内容の見直しは、痛風管理の基本です。
レバーや魚卵、干物といった尿酸の元となる「プリン体」を多く含む食品は控えめにしましょう。
| 避けるべき食品 | 積極的に摂りたい食品 |
|---|---|
| レバー、白子、魚卵、干物、エビ、イワシ、カツオなど | 野菜、海藻、きのこ類、豆腐、乳製品、卵など |
また、肥満は尿酸値を上げる原因となるため、総カロリーを抑えたバランスの良い食事を心がけることが大切です。
ただし、急激なダイエットは逆に尿酸値を上げることがあるため、1カ月に1~2kg程度のゆっくりとした減量を目指しましょう。
1日2Lを目安に水分補給で尿酸を排出
尿量を増やして尿酸の排出を促すため、1日2リットルを目安に、こまめに水分を摂ることが推奨されます。
水分を十分に摂ることで、尿と一緒に尿酸が体外に排出されやすくなります。
水分といっても、糖分の多いジュースや清涼飲料水は果糖が含まれており、尿酸値を上げる原因となるため避けましょう。
ストレスをためない生活リズムを意識する
過度なストレスは自律神経を乱し、尿酸値に影響を与える可能性があります。
十分な睡眠、適度な運動、趣味の時間などを通じて、上手にストレスを解消していくことが大切です。
毎日6~8時間の質の良い睡眠を確保し、趣味や娯楽の時間を持つことで心身をリフレッシュしましょう。
痛風の痛みは自己判断せず医療機関を受診しよう
痛風は一日では治らないため、継続的な治療と生活習慣の改善が必要です。
発作時には薬で炎症を抑えることが重要であり、自己判断での対処には限界があります。
放置すると発作を繰り返すだけでなく、慢性的な関節障害や腎臓病などの合併症のリスクが高まるため、必ず医療機関を受診してください。
すでに慢性的な関節の痛みや腎機能の低下などの合併症に悩まされている方には、治療の選択肢として再生医療という方法もあります。
当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する情報や改善症例をLINEで発信しておりますので、ぜひ登録してご確認ください。
痛風に関するよくある質問と回答
痛風に関して、多くの方が疑問に思う点や誤解しやすいポイントがあります。
ここでは、以下のよくある質問に対して正しい知識をお伝えします。
疑問を解消して、正しい対処法を実践しましょう。
痛風は歩いたほうが治りが早い?
痛風発作の最中は、歩行によって関節への負担が増し症状が悪化するリスクがあるため、安静を保つことが大切です。
発作が治まった後は、軽いウォーキングなどの運動を取り入れることで、体の代謝が良くなり尿酸の排出をサポートできます。
ただし、過度に激しい運動は体内で尿酸が作られやすくなるため、無理のない範囲で続けることを心がけてください。
ポカリスエットなどのスポーツドリンクは痛風に効く?
スポーツドリンクは水分補給という点では有効ですが、糖分が多く含まれているため、痛風の方には推奨できません。
糖分、とくに果糖は体内での尿酸の産生を促進するため、尿酸値を上げる原因となります。
痛風の方が水分補給をする際は、水やお茶が最適です。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設

















