頚椎椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ|注意点や日常でできる予防法を解説

頚椎ヘルニア ストレッチ
公開日: 2025.10.31

頚椎椎間板ヘルニアは首の骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出すことで神経を圧迫し、首や腕に痛みやしびれが出る病気です。

日常生活に支障をきたすことも多く、痛みやしびれで悩まれている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状を和らげるために効果的なストレッチや注意点、日常生活でできる予防法を解説します。

ただし、ストレッチは症状を和らげるのが目的であり、飛び出した椎間板を元に戻すことはできません。

根本的な改善を目指す場合は、手術や再生医療などの治療法を検討する必要があります。

現在リペアセルクリニックでは、手術をせずに損傷した組織の再生・修復を促す「再生医療」に関する情報をLINEで発信しております。

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頚椎椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ

頚椎椎間板ヘルニアに効果的なストレッチとして、以下の4つを紹介します。

これらのストレッチを正しく行うことで、首周りの筋肉の緊張が和らぎ、痛みやしびれの軽減につながります。 

しかし、発症直後の急性期に無理にストレッチすると、逆効果になるリスクがあるため注意が必要です。

各ストレッチは1日2〜3回程度にとどめ、心地よい範囲で行いましょう。

首(僧帽筋)のストレッチ

僧帽筋は首から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉です。

この筋肉をほぐすことで、首にかかる負担を軽減できます

デスクワークやスマートフォンの使用で硬くなりやすい筋肉のため、こまめにストレッチを行いましょう。

首(僧帽筋)のストレッチ手順

  • 椅子に座った状態で背筋を伸ばす
  • 右手で頭の左側を優しく押さえる
  • 頭をゆっくりと右側に倒す
  • 左側の首筋が伸びているのを感じながら20秒キープ
  • 反対側も同じように行う
  • 左右それぞれ3回ずつ繰り返す

ストレッチを行う際は、肩が上がらないように意識しましょう。

また、無理に引っ張らず、心地よい程度の伸びを感じる範囲で行ってください。

肩(肩甲挙筋)のストレッチ

肩甲挙筋は首の後ろから肩甲骨につながる筋肉です。

この筋肉をほぐすことで、肩こりが軽減され、首への負担が減ります

長時間同じ姿勢を続けると硬くなりやすい筋肉です。

肩(肩甲挙筋)のストレッチ手順

  • 楽な姿勢で椅子に座り、右手で椅子の座面を握る
  • 左手で頭の右後ろを優しく押さえる
  • 顔を左下(左脇を見る方向)に向けながら、頭を前下方に倒す
  • 右の首後ろから肩にかけて伸びを感じながら20秒キープする
  • 反対側も同様に行う

ストレッチを行う際は、首の後ろから肩にかけて伸びる感覚を意識することが重要です。

急に動かさず、ゆっくりとした動作で行いましょう。

胸(大胸筋)のストレッチ

大胸筋は胸の前面にある大きな筋肉です。

この筋肉が硬くなると猫背になりやすく、首への負担が増えるため、ストレッチで胸を開くことが大切です

猫背の改善により、首の自然なカーブが保たれます。

胸(大胸筋)のストレッチ

  • 壁の横に立ち、片方の手のひらを壁につける
  • 肘は軽く曲げた状態にする
  • 足を前後に開いて安定した姿勢を作る
  • 手のひらは壁から離さずに、ゆっくりと体を前に動かす
  • 胸から腕にかけての筋肉が伸びるのを感じる
  • ゆっくりと元の位置に戻す
  • 反対側も同じように行う

痛みを感じないよう適度に伸ばしましょう。

体幹のストレッチ

体幹の筋肉は姿勢を支える重要な役割があります。

体幹をほぐすことで姿勢が安定し、首にかかる負担を減らせます

正しい姿勢を保つためには、体幹の柔軟性も必要です。

体幹のストレッチ

  • 椅子に浅めに腰かける
  • 骨盤の出っ張った部分に両手を添える
  • ゆっくりと呼吸しながら、骨盤を後ろに倒したり前に起こしたりする
  • 背中の筋肉が動いているのを感じながら10回繰り返す

これらのストレッチを毎日続けることで、筋肉の柔軟性が保たれ、頚椎椎間板ヘルニアによる症状の軽減が期待できます。

無理のない範囲で、少しずつ習慣化していきましょう。

頚椎椎間板ヘルニアでストレッチするときの注意点

ストレッチは症状の軽減に効果的ですが、誤った方法で行うと症状を悪化させる可能性があります。

ストレッチを行う際の注意点として、以下の2つがあります。

これらの注意点を守ってストレッチに取り組みましょう。

痛みが強いときは中止する

ストレッチ中に強い痛みやしびれを感じた場合は、すぐに中止してください。

痛みは体からの警告サインです

無理に続けると、神経をさらに圧迫したり、炎症を悪化させたりする可能性があります。

焦らず、自分のペースで進めることが大切です。

専門家の指導のもと行う

頚椎椎間板ヘルニアの症状は人によって異なります。

自己判断でストレッチを行うと、かえって症状を悪化させることがあるため、まずは医師や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします

とくに初めてストレッチを行う場合や、症状が強い場合は、適切な指導のもとで安全にストレッチを行いましょう。

頚椎椎間板ヘルニアに対するストレッチ以外の予防法

頚椎椎間板ヘルニアの症状を改善・予防するためには、ストレッチだけでなく日常生活の見直しも重要です。

姿勢や生活習慣の改善により、首への負担を減らせます。日常的にできる予防法として以下の3つがあります。

これらを意識して実践することで、長期的に頚椎椎間板ヘルニアの発症リスクを減らせます。

正しい姿勢

猫背やストレートネック(首の自然なカーブが失われた状態)は、首の椎間板に強い負担をかけるため避けてください。

正しい姿勢を保つことで、椎間板への負担を大きく減らせます

以下のポイントを意識しましょう。

姿勢 ポイント
座るとき 骨盤を立てて座り、背もたれに背中を軽くつけます。顎を軽く引き、耳と肩が一直線になるようにします。
立つとき 頭の上から糸で引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばします。肩の力を抜き、自然に胸を開きます。
歩くとき 視線は前方に向け、顎を引いた状態をキープします。肩を後ろに引き、胸を張って歩きます。

デスクワークやスマートフォンの使用時は、とくに姿勢が崩れやすくなります。

こまめに姿勢を確認し、正しい位置に戻す習慣をつけましょう。

首に負担をかけない生活習慣

長時間同じ姿勢を続けることは、首への負担を増やす大きな原因です

日常生活の中で首に負担をかける習慣を見直すことで、症状の悪化を防げます。

首への負担を減らすためにできる工夫は、以下のとおりです。

場面 工夫
デスクワーク パソコンの画面は目の高さに調整し、1時間ごとに休憩を取ります。首を前に出さないよう注意します。
スマートフォン使用 画面を目の高さまで上げ、下を向き続けないようにします。長時間の使用は避けましょう。
睡眠 自分の首のカーブに合った高さの枕を使います。高すぎる枕や低すぎる枕は避けます。
重い荷物 片方の肩だけで荷物を持つことは避け、左右バランスよく持つか、リュックサックを使います。

また、喫煙や運動不足は血行を悪くし、椎間板の健康を損なう原因となります。

禁煙や適度な運動を心がけることも大切です。

筋力トレーニング

体幹の筋肉を鍛えることで姿勢が安定し、首への負担を減らせます

とくに腹筋や背筋などの体幹の筋肉は、正しい姿勢を保つために重要な役割を果たします。

おすすめの筋力トレーニングは、以下のとおりです。

プランク(体幹トレーニング)

  • うつ伏せになり、肘とつま先で体を支える
  • 頭から足まで一直線になるよう意識する
  • この姿勢を20〜30秒キープ
  • 1日3セット行う

背筋トレーニング

  • うつ伏せになり、両手を前に伸ばす
  • ゆっくりと上体を持ち上げる
  • 無理のない範囲で5秒キープして戻す
  • 10回を1セットとして、1日2セット行う

ただし、痛みが強いときは筋力トレーニングを避けてください

無理に行うと症状を悪化させる可能性があります。

頚椎椎間板ヘルニアのストレッチに関するよくある質問

頚椎椎間板ヘルニアのストレッチに関してよくある質問を2つ紹介します。

症状を悪化させないためにも、それぞれ確認しておきましょう。

頚椎ヘルニアはストレッチで悪化する?

適切な方法で行えば、ストレッチが症状を悪化させることは基本的にありません。

ただし、痛みが出るほど強く伸ばしたり、急激な動きをしたりすると、症状が悪化する可能性があります

以下のような場合は、ストレッチを控えるか、医師に相談してから行いましょう。

  • 強い痛みやしびれがある
  • 腕や手に力が入らない
  • めまいや吐き気を伴う
  • 症状が急速に悪化している

心地よい伸びを感じる程度の強さで、ゆっくりと行うことが大切です。

頚椎ヘルニアでやってはいけないことは?

頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させないために、以下の行動は避けましょう。

  • 長時間同じ姿勢を続けること
  • 重い荷物を持ち上げる動作
  • 首を急に動かしたり、無理にひねったりすること
  • 高い枕や柔らかすぎる枕を使うこと
  • うつ伏せで寝ること(首に負担がかかります)
  • 痛みがあるのに無理に運動やストレッチを続けること

下を向く姿勢を長時間続けることは首への負担が大きいため、スマートフォンの使用時間を減らしたり、画面の位置を工夫したりしましょう。

日常生活の中で首に負担をかける動作を意識して避けることが、症状の改善につながります。

つらい頚椎椎間板ヘルニアには再生医療をご検討ください

ストレッチや生活習慣の改善は、症状を和らげるために有効です。

しかし、ストレッチはあくまで症状緩和を目的とする対症療法であり、飛び出した椎間板を元に戻すことはできません

根本的な改善を目指す場合は、医療機関での治療が必要です。

従来は手術が主な治療法でしたが、近年では再生医療という新しい選択肢があります。

再生医療は、手術をせずに損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。

患者さまご自身の体から採取した細胞を使用するため、体への負担や日常生活への影響が少ない点が特徴です。

当院「リペアセルクリニック」では、頚椎椎間板ヘルニアに対する再生医療を行っており、多くの患者さまの症状改善をサポートしています。

ストレッチや生活習慣の改善だけでは症状が改善しない方、手術に抵抗がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

当院の再生医療による椎間板ヘルニアの症例はこちら

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設