- その他
立ち仕事の足の痛みの原因とは?今すぐできる対策、おすすめグッズまで医師が解説

立ち仕事を続けていると、足の裏やかかと、ふくらはぎに痛みや重だるさを生じることがあります。
むくみや冷え、しびれなどの症状が加わると、仕事中も帰宅後も疲労が抜けず、日常生活に支障をきたすこともあります。
この記事では、立ち仕事で足が痛くなる原因と、今すぐ実践できるセルフケアの方法、症状の背景にある疾患について解説します。
足の痛みを我慢して仕事を続けるのはつらいものです。
適切な対処法を知り、症状を軽減させて快適に働ける環境を整えましょう。
目次
立ち仕事で足が痛くなる主な原因
立ち仕事による足の痛みは、長時間の立位による体への負担が原因となって起こります。
主な原因は以下の4つです。
- 血行不良とむくみ
- 足裏のアーチへの過剰な負担
- 筋肉の疲労
- クッション性のない靴やサイズの合わない靴を履く
長時間立ったままでいると足の筋肉をあまり動かさないため、血液が心臓に戻りにくくなり、むくみや重だるさが生じます。
これらの原因が単独または複数組み合わさることで、足の痛みが起こります。
立ち仕事で足が痛くならないようにする方法|インソールを変えるのもおすすめ
立ち仕事による足の痛みを予防・軽減するには、日常のセルフケアが重要です。
足への負担を減らす対策として以下の5つを紹介します。
これらを日常生活に取り入れることで、足の痛みを軽減し、仕事を続けやすくなります。
湯船に浸かる
湯船に浸かることで全身の血流が良くなり、足に溜まった血液や老廃物が流れやすくなります。
温かいお湯は筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を促します。
リラックス効果もあり、一日の疲れを癒すことができます。
入浴の際は38〜40度程度のぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かるのがおすすめです。
熱すぎるお湯は体に負担をかけるため避けましょう。
マッサージ・ストレッチをする
マッサージやストレッチは筋肉の柔軟性を高め、血流を改善して疲労回復を促します。
硬くなった筋肉をほぐすことで、痛みやこわばりが和らぎます。
-  
足首からふくらはぎ、膝にかけて、片足を両手で包み込むように下から上へさすり上げる 
-  
すねの骨の両脇を、くるぶしの上から両手で挟んで膝に向かって押し上げる 
-  
ふくらはぎ全体を両手で包み込み、揉みながら膝に向かって押し上げる 
-  
膝裏を軽く押してリンパを流す 
-  
反対の足も同様に行う 
-  
壁に手をつく 
-  
片足を後ろに引く 
-  
かかとを床につけたまま、前の膝を曲げて体重を前にかける 
-  
ふくらはぎが伸びた状態で30秒キープする 
-  
反対の足も同様に行う 
-  
痛みを感じない程度に行う 
入浴後の体が温まった状態で行うとより効果的です。
足を心臓より高くして休む
足を心臓より高い位置に上げて休むことで、下半身に溜まった血液や水分、老廃物が心臓に戻りやすくなります。
その結果、むくみやだるさが軽減され、疲労回復が期待できます。
方法は、横になって足の下にクッションや枕を置き、10〜15分程度休むだけです。
寝る前に行えば、翌朝の足の軽さを実感できるはずです。
靴を替える・インソールを使う
自分の足に合わない靴は痛みの原因になります。
クッション性やアーチサポート機能のある靴やインソールを選ぶことで、足裏への衝撃を和らげ、負担を大幅に減らせます。
靴選びのポイントは、つま先に1cmほどの余裕があり、かかとがしっかり固定されるサイズを選ぶことです。
インソールは足裏のアーチをサポートするタイプを選ぶと効果的です。
湿布や外用薬を使う
炎症や筋肉痛がある場合は、鎮痛・消炎作用のある市販の湿布や外用薬も有効です。
患部に直接貼ったり塗ったりすることで、痛みを和らげられます。
冷湿布は急性の痛みや炎症に、温湿布は慢性的な痛みや血行不良に適しています。
ただし、湿布や外用薬は一時的な対症療法のため、痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。
立ち仕事における足の痛みで考えられる疾患
立ち仕事による足の痛みが長引く場合、背景に疾患が隠れている可能性があります。
セルフケアを行っても改善しない場合は、以下のような疾患が疑われます。
以下、それぞれの疾患の特徴と症状について解説するので、当てはまる症状がないか確認してみてください。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、足の静脈の血管が膨らんでコブのように浮き出る疾患です。
長時間立ち仕事をする人に多く見られ、足のだるさ、むくみ、痛み、重い感じなどの症状が現れます。
血液の流れが悪くなることで症状が悪化するため、放置は厳禁です。
治療法には弾性ストッキングの着用、硬化療法、レーザー治療、手術などがあります。
足底筋膜炎
足底筋膜炎は、足裏の筋膜が炎症を起こす疾患です。
かかとや土踏まずに強い痛みが出て、朝起きて最初の一歩や、長時間立った後に痛みが強くなります。
長時間の立位や歩行で症状が悪化し、適切なケアを行わないと慢性化するリスクがあるため注意が必要です。
治療法にはストレッチ、インソールの使用、湿布や消炎鎮痛剤の使用、安静などがあります。
症状が重い場合はステロイド注射や体外衝撃波治療も選択肢になります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛は、腰から足にかけて走る坐骨神経が圧迫されて起こる症状です。
太ももやふくらはぎに痛み、しびれ、電気が走るような感覚が現れます。
立ち仕事での姿勢の歪みが影響する場合があり、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となることもあります。
主な治療法は、薬物療法、理学療法、ブロック注射、手術などです。
坐骨神経痛でやってはいけないこと、椎間板ヘルニアとの違いについては以下の記事でそれぞれ解説しています。あわせてご覧ください。
また、以下の動画では坐骨神経痛の治療方法について紹介しています。
立ち仕事における足の痛みはセルフケアが重要!眠れない程の痛みは医療機関を受診しよう
立ち仕事による足の痛みは、多くの場合セルフケアで改善できます。
湯船に浸かる、マッサージやストレッチをする、足を高くして休む、靴やインソールを見直すなど、日常生活でできる対策を継続することが大切です。
ただし、夜も眠れないほどの強い痛みや、セルフケアを行っても改善しない長引く症状は疾患のサインかもしれません。
下肢静脈瘤、足底筋膜炎、坐骨神経痛などの疾患が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
慢性化した痛みに対しては、再生医療も選択肢の一つとなります。
手術や入院を伴わない治療法で早期回復を目指したい方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。
 
                            監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師


 
							
 
							 
						 
					 
                      














 
                  