椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法とは?自宅でできる方法を専門家が解説

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公開日: 2025.09.30

突然の激痛で、日常生活に支障が出る「椎間板ヘルニア」。

仕事ができない、夜寝られないなどのお悩みで、なんとか痛みを和らげる方法を知りたいと思われる人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、自宅で痛みを和らげる方法や根本治療の選択肢などを解説します。

この記事を読んでわかること

  • 椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法
  • 椎間板ヘルニアに良い姿勢と悪い姿勢
  • 椎間板ヘルニアの治療方法

従来の治療法に加えて、近年注目されている再生医療は椎間板ヘルニアの抜本治療に適しています。

再生医療は、患者さま自身の幹細胞を活用して、損傷を受けた脊髄の機能改善を目指す治療法で痛みを早期に改善できる特徴を持ちます。

症例や治療法について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで紹介しているので、ぜひご登録ください。

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【自宅でできる】椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法4選

椎間板ヘルニアの痛みが強いとき、以下の方法で痛みを和らげられる可能性があります。

これらの方法は、自宅でも簡単にできる方法です。

椎間板ヘルニアの痛みにお悩みの人は、ぜひお試しください。

痛みに応じて冷やすか温める

椎間板の痛みに応じて、腰を冷やしたり温めることが重要です。

具体的な使い分けは以下のとおりです。

痛みの種類・状態 対処方法 理由

少し動かしただけで激痛

鋭く刺したような痛み

腰が熱を持っている

痛みが出てから3日以内

冷やす 炎症が起きている可能性があるため、冷やして炎症を抑える

鈍くだるい痛み

凝り感がある

痛みが出てから3日以上経っている

温める 筋肉の緊張や血流の悪さからくる症状の可能性があるため、温めて筋肉の緊張を落とし血流を良くする

上記のように、鋭い痛みは炎症の可能性がありますので、冷やしましょう。

炎症時に温めると症状が悪化する可能性があります。

逆に炎症がないのに冷やしてしまうと、筋肉の緊張や血流の悪化を促しかねません。

そのため、痛みの種類や状態がわからない場合は無理せず医療機関にご相談ください。

コルセットなどの道具を活用する

コルセットなどの道具は有効に活用することが重要です。

以下にご紹介する道具は、椎間板ヘルニアの症状緩和に役立つ可能性があります。

道具 おすすめな理由
コルセット 腰の支えを補助し、ヘルニア症状の緩和に期待できる
骨盤クッション 骨盤が立ち、ヘルニアの症状を和らげる姿勢に近づく
高さのあった椅子・机 背筋が伸びやすくなり、ヘルニア症状が緩和しやすい

これらの道具は活用することで姿勢が良くなり、椎間板ヘルニアの症状緩和効果に期待できます。

簡単にできることが多いので、まずは試してみましょう。

日常生活の姿勢に気を付ける

椎間板ヘルニアの痛みを和らげるためには、日常生活の姿勢が重要です。

具体的には、背筋を伸ばし腰が丸くならないように注意してください。

腰が丸くなると椎間板ヘルニアの症状を強める可能性があります。

メカニズムについては後述しますので、最後までご確認ください。

痛み止めを内服する

市販の痛み止めも、椎間板ヘルニアの症状緩和に期待が持てます。

市販の痛み止めの多くはNSAIDsと呼ばれる抗炎症作用のある薬です。

椎間板ヘルニアの炎症にも作用する可能性があり、痛みの緩和に期待できるでしょう。

また、ドラッグストアには薬剤師もいるため、どの種類の痛み止めが良いか相談してみてください。

そもそも椎間板ヘルニアとは?痛みの特徴を解説

そもそも椎間板ヘルニアとは、腰椎(腰の骨)の間にある椎間板というクッションが変性する病気です。

椎間板内には髄核(ずいかく)というクッションがあり、そのクッションが後方に突出して神経を圧迫します。

神経が圧迫されると痛みやしびれといった症状も生じるため、早期の適切な処置が重要です。

【基本知識】椎間板ヘルニアの痛みの特徴

椎間板ヘルニアの痛みの特徴は、神経の通り道に沿って痛みが広がることです

そのため、腰だけでなく下肢まで痛みが広がります。

また、神経の痛みであるため、鋭く痺れたような痛みを感じやすいのも特徴です。

とくに発症してすぐには鋭い痛みが腰〜足に広がりやすいでしょう。

椎間板ヘルニアに良い姿勢とNG姿勢

椎間板ヘルニアにとって、良い姿勢とNG姿勢は以下のとおりです。

良い姿勢 NG姿勢
  • 背筋を伸ばした姿勢
  • 膝を曲げて屈む、重いものを持つ
  • 膝下や腰にクッションを入れた仰向け
  • 横向きに寝る
  • 猫背
  • 立ちっぱなし、座りっぱなし
  • 腰を丸めて屈む、重いものを持つ

これら良い姿勢の共通点は、骨盤が立っていることと背骨が自然なS字カーブとなっていることです。

背骨の自然なS字カーブは人間本来の形であるため、椎間板ヘルニアの症状軽減につながるでしょう。

逆にNG姿勢ではこの背骨の自然なS字カーブが破綻しており、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。

とくに腰が丸くなる姿勢は椎間板ヘルニアのリスクが高いため、注意しましょう。

椎間板ヘルニアを放置するリスクは?

椎間板ヘルニアを放置すれば、痛みだけでなく痺れなどの神経症状が出てくる可能性があります。

具体的なリスクは以下のとおりです。

  • 筋力低下
  • 歩行障害
  • 下肢の感覚障害
  • 排尿・排便障害

筋力低下や下肢の感覚が鈍くなる障害は神経が圧迫され続けることで生じる症状です。

その後も圧迫されると排尿・排便のコントロールができなくなる排尿・排便障害が発現します。

これらの症状は手術が適応となる症状なので、手術を避けたい人は放置せず適切な対応を心がけましょう。

椎間板ヘルニアの治療法3選

椎間板ヘルニアの治療方法には、以下の3つがあります。

運動療法や薬物療法などの保存療法

保存療法は、椎間板ヘルニアで第一選択となる治療です。

具体的な内容は、以下の表をご参照ください。

治療方法 内容
物理療法 電気・温熱・牽引(けんいん)などの治療で、筋肉の緊張緩和や椎間板への圧力軽減作用に期待できる
運動療法

・筋トレやストレッチで筋力強化や筋肉の緊張緩和を狙う

・椎間板ヘルニアを刺激しない動作の獲得を目指す。

薬物療法 痛み止めや神経ブロック注射などを用いて、椎間板ヘルニアの痛み軽減を図る

これらの治療法は痛みの訴えが主な椎間板ヘルニアの患者様に適応となります。

内視鏡などの手術療法

椎間板ヘルニアの手術は、保存療法で効果がなかった患者様に検討される治療方法です。

また、椎間板ヘルニアを放置するリスクでご紹介した神経症状がある場合も検討されます。

椎間板ヘルニアで行われる手術は以下のとおりです。

手術 内容
顕微鏡下椎間板摘出術 手術用顕微鏡を使って椎間板を取り除く。傷跡が小さく、早期に退院できるが再発のリスクもあり。
経皮的内視鏡下椎間板摘出術 内視鏡を使って椎間板を取り除く手術で、顕微鏡を使った手術よりもさらに傷跡が小さい。そのため高度な技術が要求される。
腰椎後方除圧術 腰の骨の一部を切り取り、ヘルニアを取り除く。大きな神経障害に対しても有効になる可能性があるが、骨が不安定になりやすい。

これらの手術が、椎間板ヘルニアの重症度によって選択されます。

軽度〜中等度であれば顕微鏡や内視鏡の手術で対応可能ですが、重度になると腰椎後方除圧術も必要になる可能性があるでしょう。

根本からの治療には再生医療も適応になる可能性あり

保存療法や手術療法は症状を緩和する可能性がありますが、再発や後遺症のリスクも伴います。

とくに神経の圧迫が強い椎間板ヘルニアでは、手術しても神経症状が後遺症として出るケースが多くあります。

このようなケースで後遺症まで根本から治療したい場合、「再生医療も検討してください。

再生医療では傷ついた神経の再生を促すことで、後遺症の緩和や再発リスクの軽減効果に期待できます。

実際に、当院リペアセルクリニック大阪院では椎間板ヘルニアに対して「脊髄腔内ダイレクト注射」を行い、症状の緩和が得られたケースがありました。

詳しく知りたい方は、ぜひ下記のページを参考にしてみてください。

椎間板ヘルニアについてよくある質問

椎間板ヘルニアについてよくある質問をまとめました。

椎間板ヘルニアで歩けなくなった時の対処方法はありますか?

痛みで歩けない場合には、記事上部でご紹介した対処方法をお試しください。

しかし、下肢の脱力や感覚障害で歩けない場合は神経症状が強く、適切な処置が必要です。

そのため、痛み以外の症状で歩けない場合は整形外科を受診することが重要となってきます。

椎間板ヘルニアの痛みを和らげる姿勢を教えてください。

椎間板ヘルニアの痛みを和らげる姿勢は、骨盤を立てて背筋を伸ばした姿勢です。

具体的には、椎間板ヘルニアに良い姿勢とNG姿勢で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

姿勢を見直して、少しでもヘルニアの痛みを和らげましょう。

【まとめ】椎間板ヘルニアの痛みを和らげるには姿勢の意識が大切

本記事では椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法を解説しました。

ポイントは以下のとおりです。

  • 炎症が起きていたら冷やす
  • 背筋を伸ばす姿勢は痛みの緩和につながる可能性がある
  • 背筋を伸ばすために道具を使うことは有効

椎間板ヘルニアは腰が丸くなると発症しやすくなります。

そのため、痛みの緩和を図るためにも、姿勢を正す意識が重要です。

姿勢を正したうえで当記事で紹介した温熱やコルセットを利用すると、痛みの緩和につながるかもしれません。

普段から良い姿勢を心がけ、椎間板ヘルニアを強めないよう意識してみてください。

なお、当院リペアセルクリニック大阪院では、椎間板ヘルニアに対しての再生医療も行っています。

椎間板ヘルニアにおける重度な神経障害に対しても有効となる可能性があるので、気になる人は以下のバナーからお気軽にお問い合わせください。

腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設