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ノイロトロピンとは?効果・副作用・使われる症状をわかりやすく解説

ノイロトロピンとは、慢性的な痛みや神経の痛みに対して用いられる非ステロイド性・非麻薬性の鎮痛薬です。
炎症を直接抑えるのではなく、脳から脊髄へと働く痛みを抑える神経の仕組みに作用すると考えられています。
腰痛症や肩関節周囲炎、帯状疱疹後神経痛など、幅広い痛みに対して処方されています。
本記事では、ノイロトロピンが使われる症状や効果が現れるまでの期間、副作用、ほかの鎮痛薬との違いについて解説します。
処方された薬を安心して続けるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ノイロトロピンとは?痛みをやわらげる注射薬・内服薬
ノイロトロピンは、ワクシニアウイルスを接種した家兎の炎症皮膚抽出液を有効成分とする鎮痛薬です。
「ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤」という長い名称で呼ばれることもあります。
剤形は注射剤と錠剤の2種類があり、症状や通院状況に応じて使い分けられます。
ステロイド薬や麻薬性鎮痛薬とは異なる分類に属し、依存性の心配が少ない点が特徴です。
主に、長く続く痛みや神経に関わる痛みに対して用いられます。
患者様ご自身が「どのような性質の薬なのか」を理解しておくことが、治療を続けるうえで役立ちます。
ノイロトロピンが処方される主な症状・疾患
ノイロトロピンは、注射剤と錠剤で適応となる疾患の範囲が異なります。
ここでは、剤形ごとの対象となる症状について解説します。
注射剤が使われるケース
ノイロトロピン注射剤は、痛みに加えてかゆみやアレルギー症状に対しても用いられます。
主な対象は以下のとおりです。
- 腰痛症
- 頸肩腕症候群
- 肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)
- 変形性関節症
- 帯状疱疹後神経痛
- 湿疹・皮膚炎、蕁麻疹に伴うかゆみ
- アレルギー性鼻炎
注射剤は通院のたびに投与されるため、痛みが強い時期や、内服だけでは十分な改善が得られない場合に選択されることがあります。
神経ブロック注射などと併用しながら治療が進められるケースもあります。
錠剤(内服)が使われるケース
ノイロトロピン錠は、痛みに対する適応を中心に処方されます。
対象となる主な疾患は、帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症などです。
毎日継続して服用することで、痛みが徐々に軽くなることを目指します。
通院の負担を抑えたい場合や、長期的に痛みの管理を続けたい場合には、内服が選ばれる傾向があります。
注射から始めて症状が落ち着いたら内服へ切り替える、といった進め方をとることもあります。
どの剤形が適しているかは、症状の強さや経過、生活スタイルを踏まえて医師が判断します。
ノイロトロピンの作用|痛みが和らぐ仕組み
ノイロトロピンは、脳から脊髄へと働く「下行性疼痛抑制系」に作用して、痛みの伝わりを抑えると考えられています。
人の身体には、痛みの信号が脳に届いたときに、その信号を抑え込もうとする仕組みが備わっています。
この仕組みが下行性疼痛抑制系であり、慢性的な痛みが続くと働きが弱まってしまうとされています。
ノイロトロピンは、この痛みを抑える側の働きを後押しすることで、痛みを感じにくくすることを目指す薬です。
加えて、末梢の血流を改善する作用や、自律神経への働きかけが関与している可能性も指摘されています。
ただし、作用の詳細なメカニズムはすべてが解明されているわけではありません。
炎症そのものを強く抑える薬ではないという点が、一般的な痛み止めとの大きな違いです。
ノイロトロピンの効果はいつから出る?効き方の特徴
ノイロトロピンは、服用や注射をしてすぐに強い鎮痛効果が現れるタイプの薬ではありません。
数週間かけて少しずつ痛みが軽くなることを目指す薬であり、効果の判定にも一定の期間が必要とされています。
そのため、飲み始めて数日で「効いていない」と感じる場面もあるかもしれません。
効果の感じ方には個人差があり、痛みの原因や症状が続いていた期間によっても異なります。
ここで注意したいのが、自己判断で服用や通院を中止しないことです。
効果が現れる前に中断してしまうと、本来得られたはずの改善の機会を逃す可能性があります。
一定期間続けても変化を感じない場合は、中止するかどうかを含めて主治医に相談しましょう。
ノイロトロピンの副作用と使用上の注意
ノイロトロピンは比較的副作用が少ないとされる薬ですが、まったく起こらないわけではありません。
報告されている主な副作用は以下のとおりです。
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 悪心(吐き気)、胃部不快感などの消化器症状
- 眠気、めまい
- 肝機能値の異常
- 注射部位の痛みや発赤
また、頻度は低いものの、ショックやアナフィラキシーといった重篤な反応が起こる可能性も報告されています。
投与後に以下の症状が現れた場合は、すぐに医療機関へ連絡してください。
- 息苦しさ、喘鳴(ゼーゼーする呼吸)
- 全身のじんましんや強いかゆみ
- 血の気が引くような感覚、めまい、意識が遠のく
- 顔や唇、まぶたの腫れ
- 激しい嘔吐や腹痛
加えて、妊娠中・授乳中の方や、ほかの薬を服用している方は、処方前に必ず医師・薬剤師へ申告しましょう。
市販薬やサプリメントを併用している場合も、あわせて伝えておくと安心です。
ノイロトロピンとほかの鎮痛薬との違い
ノイロトロピンは、ほかの鎮痛薬とは痛みへのアプローチが異なります。
| 薬の種類 | 作用と特徴 |
|---|---|
| ノイロトロピン | ・痛みを抑える神経系に働きかける ・眠気やふらつきは比較的少ないとされる ・即効性は期待しにくい |
| NSAIDs(ロキソプロフェンなど) | ・炎症物質の産生を抑えて痛みを軽減する ・比較的早く効果を感じやすい ・胃腸障害や腎機能への影響に注意が必要 |
| 神経障害性疼痛治療薬(プレガバリンなど) | ・神経の過剰な興奮を抑える ・しびれを伴う痛みに用いられる ・眠気やふらつきが出やすい |
神経障害性疼痛の薬物療法では、複数の薬を組み合わせて治療が行われることもあります。
※参照:日本ペインクリニック学会「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン」
実際の診療でも、NSAIDsや神経障害性疼痛治療薬とノイロトロピンが併用されるケースは少なくありません。
どの薬をどう組み合わせるかは、痛みの性質や副作用の出方を見ながら医師が調整していきます。
ノイロトロピンを使っても痛みが続く場合
一定期間使用しても痛みが改善しない場合や、痛みが悪化している場合は、治療方針の見直しが検討されます。
具体的には、薬の変更や増量、ほかの薬との併用、神経ブロック療法の追加、原因疾患の再評価などが行われます。
「効かないから」と自己判断で中止するのではなく、どのように痛みが変化したかを医師に伝えることが大切です。
また、以下のような症状を伴う場合は、別の疾患が隠れている可能性があるため、早めに受診してください。
- 手足のしびれが強くなってきた
- 力が入らない、物を落とすようになった
- 尿が出にくい、失禁するなど排尿・排便の異常がある
- 発熱を伴う痛みがある
- 安静にしていても痛みが強く、夜間に目が覚める
- 体重が急に減っている
とくに排尿・排便の障害や急速に進む筋力低下は、緊急性の高い状態のサインである可能性があります。
痛みの原因を正確に把握することが、適切な治療につながります。
ノイロトロピンは医師の指示に従って使用しよう
ノイロトロピンは、痛みを抑える神経の働きに作用することで、慢性的な痛みや神経の痛みの軽減を目指す薬です。
即効性のある薬ではないため、効果を判断するには一定の期間が必要であり、感じ方にも個人差があります。
自己判断での中止や増減は避け、副作用が疑われる症状や痛みの変化があれば、その都度医師に相談しましょう。
一方で、薬物療法を続けても痛みが長引く場合には、痛みの原因に応じた治療の見直しが必要になります。
リペアセルクリニックの公式サイトでは、関節や神経の慢性的な痛みに対する再生医療についてもご紹介していますので、長引く痛みでお悩みの方は参考にしてください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
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