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ヘルニアでもランニングはできる?運動再開のポイントも医師が解説

「ヘルニアと診断されたけれど、また走れるようになるのだろうか」と不安を感じているランナーの方も多いのではないでしょうか。
腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板の一部が飛び出して神経を圧迫し、腰痛や足のしびれなどを引き起こす疾患です。
ランニングは着地のたびに足腰を通じて脊椎に衝撃が加わる運動であるため、症状の時期や状態によっては、走ることが患部への負担となり症状を悪化させる恐れがあります。
一方で、適切な時期に適切な方法で行えば、ランニングを再開できる場合もあります。
本記事では、ヘルニアとランニングの関係や、運動を再開する際の注意点・流れについて詳しく解説します。
ヘルニアの根本改善を目指す
\再生医療という選択肢/
またヘルニアによる腰痛やしびれが長引いており、保存療法(安静・薬物療法・リハビリなど)でなかなか改善が見られない場合には、再生医療も選択肢の一つとなります。
再生医療とは、患者自身の細胞や組織を活用して、損傷した組織の修復・再生を促す治療法です。
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目次
【結論】ヘルニアの症状があるときはランニングを控えるべき
ヘルニアによる腰痛やしびれが強く出ている時期は、ランニングを控えましょう。
特に、発症直後の急性期(目安として1〜2週間)や、腰痛・足のしびれなどの症状が強く現れている間は、ランニングを避けることが推奨されます。
症状の経過に応じて、以下のように段階的に運動を再開していくことが大切です。
| 時期 | 症状の目安 | ランニングの可否 |
| 急性期 (発症直後〜数週間) |
強い腰痛・足のしびれ・動作制限あり | ✕ 避けるべき |
| 亜急性期〜慢性期 (症状が落ち着いてきた時期) |
日常生活への支障が軽減してきた状態 | △ 医師の許可を得てから段階的に |
| 症状軽快後 | 痛み・しびれがほぼない状態 | ○ 段階的な再開が可能な場合もある |
上記はあくまで一般的な目安であり、個々の症状や経過によって判断が異なります。
ランニングでは、着地のたびに足腰から脊椎へ衝撃が伝わり、突出した椎間板が神経をより強く圧迫することで痛みやしびれが悪化する可能性があります。
また、手術後であっても、腰痛や神経症状が残っている段階では同様に注意が必要です。症状が安定するまでは、ランニングを含む負荷の高い運動は控えましょう。
慢性期であれば軽いジョギングから再開できる場合もある
症状が落ち着いた慢性期に入ると、状態に応じて軽めのジョギングを再開できるケースがあります。
慢性期とは、急性期を過ぎ、腰痛やしびれが軽減し、日常生活への支障が少なくなってきた段階を指します。
この時期であれば、まずはウォーキングなど負担の少ない運動から開始し、症状の変化を確認しながら、徐々にジョギングへ移行していくことが可能です。
ただし、「少し楽になってきた」という感覚だけで自己判断して走り始めることは危険です。
椎間板や神経への負担が完全になくなっているわけではないため、事前に担当医に相談し、運動再開の許可を得てから開始しましょう。
ヘルニアでランニングする際の注意点
ヘルニアでランニングする際の注意点は、以下のとおりです。
以下では、ランニング再開時に特に意識すべき3つの注意点を詳しく解説します。
走るときに腰を丸めた状態にしない
ランニング時に腰を丸めた姿勢(いわゆる猫背)になると、椎間板ヘルニアの悪化や再発につながる可能性があるため注意が必要です。
前傾の丸まった姿勢で走ると、椎間板への圧力が増大し、飛び出た椎間板が神経をより強く圧迫する可能性があります。
特に長距離を走る場合は、疲労に伴ってフォームが崩れやすくなるため、意識的に姿勢を保つことが大切です。
走る際は以下のポイントを意識しましょう。
- 骨盤をやや前傾させる
- 体幹に軽く力を入れる
- 背筋を自然に伸ばした状態を保つ
「お腹を軽く前に突き出すイメージで背中を伸ばす」ことを意識すると、正しいフォームを維持しやすくなります。
また、走る前後に腰周りのストレッチや体幹トレーニングを取り入れることで、安定した姿勢を維持しやすくなり、腰への負担軽減にもつながります。
クッション性の高いランニングシューズで負担を減らす
ヘルニアがある場合、着地時の衝撃を和らげるクッション性の高いランニングシューズを選びましょう。
ランニングでは、着地のたびに体重の数倍ともいわれる衝撃が足から脊椎へと伝わります。
この衝撃が繰り返されることで、腰や椎間板への負担が増大し、症状の悪化につながる可能性があります。
衝撃を効率よく吸収・分散するために、以下の点を意識してシューズを選びましょう。
- ソール(靴底)が厚く、クッション性の高い素材を使用している
- かかと部分の衝撃吸収性が高い(特にヒール着地の方)
- 足のアーチを支えるサポート機能がある
特に、かかとから着地する走り方(ヒールストライク)の方は、かかと部分のクッション性が高いシューズを選ぶことで、足部から腰にかけての負担軽減が期待できます。
シューズ選びに迷う場合は、スポーツ用品店の専門スタッフや理学療法士などに相談しましょう。
足の形や走り方に合ったシューズを選ぶことで、腰への負担を抑えつつ、安全にランニングを継続しやすくなります。
無理をせず徐々に距離や強度を上げる
ランニングを再開する際は、いきなり走り始めるのではなく、以下のように身体への負担が少ない運動から段階的に進めていくことが大切です。
- 平地での短時間のウォーキング
- 痛みや違和感がないことを確認
- 軽いジョギングへ移行
- 問題なければ徐々に距離・ペースを調整
このように段階的に負荷を上げることで、腰への過度な負担を避けながら安全に運動を再開できます。
運動中に腰や足に痛み・違和感が出た場合は、無理をせず直ちに中止し、安静にすることが重要です。
競技復帰を目指す場合は、担当医やトレーナーと十分に相談しながら、無理のない計画を立てましょう。
ヘルニアからランニングを再開するまでの流れ
ヘルニアからランニングを安全に再開するには、以下のように症状の回復に合わせた段階的なステップを踏むことが大切です。
| ステップ | 時期の目安 | 取り組む内容 | 注意事項 |
|---|---|---|---|
| ① 安静・治療期 | 急性期(発症直後〜数週間) | 安静を保ち、医師の指示のもと薬物療法・牽引などで症状を緩和 | 運動は原則控える。日常動作も無理をしない |
| ② ウォーキング開始 | 症状が落ち着いた慢性期 | 平地での短時間ウォーキングから開始 | 痛み・しびれが出ないことを確認しながら徐々に距離を延ばす |
| ③ ジョギングへ移行 | ウォーキングで問題がない段階 | 短時間・低強度のジョギングを開始 | 違和感や痛みがあれば直ちに中止する |
| ④ ランニングへ移行 | ジョギングで問題がない段階 | 徐々にペース・距離を調整しながら負荷を上げる | 正しいフォーム・シューズ選びを意識する |
| ⑤ 競技復帰の検討 | 医師・トレーナーの許可後 | 状態に応じて競技復帰を検討 | 長距離種目は慎重に判断する |
各ステップは焦らず、自身の身体の状態を確認しながら進めることが、安全かつスムーズな回復につながります。
運動中に少しでも違和感や痛みを感じた場合は直ちに中止して安静にし、症状が落ち着いてから再度段階を踏み直しましょう。
ヘルニアを改善してランニング再開を目指すなら再生医療も選択肢の一つ
腰椎椎間板ヘルニアの治療は、まず保存療法(安静、薬物療法、理学療法、コルセットなど)が中心となります。
多くのケースでは、保存療法を続けることで症状の改善が期待できるとされています。
ただし、保存療法を十分に行っても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどの強い神経症状がある場合には、手術(椎間板切除術など)が検討されることもあります。
しかし、「手術は避けたい」「術後も痛みやしびれが続いている」「できるだけ早くランニングに復帰したい」という方には、新たな治療の選択肢として再生医療があります。
再生医療とは、患者自身の幹細胞やPRP(多血小板血漿)を用いて、損傷した椎間板・神経組織の修復・再生を促すアプローチです。
手術不要・入院不要で身体への負担が少なく、痛みの根本的な改善とスポーツ復帰が期待できます。
実際の治療内容については、以下の動画でも解説しています。あわせて参考にしてください。
再生医療について詳しく知りたい方や実際の症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ヘルニアによるランニングに関するよくある質問と回答
ヘルニアによるランニングに関するよくある質問と回答は、以下のとおりです。
それぞれの質問について、以下で詳しくお答えします。
椎間板ヘルニアで行ってはいけない運動は?
椎間板ヘルニアがある場合、以下のように椎間板に強い圧力をかける運動は避けましょう。
- 勢いをつけた腹筋運動(上体起こし)
- 腰を大きく反らせるストレッチや運動
- 高負荷の筋力トレーニング(スクワット・デッドリフトなど)
これらは椎間板に強い圧力がかかりやすく、症状の悪化を招くリスクがあります。
また運動だけでなく、中腰での長時間作業や体をひねりながら重い物を持ち上げるといった日常動作も腰への負担が大きく、症状悪化の原因となるため注意が必要です。
頚椎椎間板ヘルニアでジョギングはできる?
頚椎(首)の椎間板ヘルニアの場合も、症状が強く出ている間はジョギングを含む衝撃のある運動を控えることが基本です。
ランニングやジョギングの着地時の衝撃は、足から脊椎全体を通じて首にも伝わります。
また、走る際にうつむきがちな姿勢になったり、スマートフォンを見ながら走ったりすることで首への負担が増大し、頚椎ヘルニアの症状を悪化させる可能性があります。
首に強い痛みやしびれ、手指のしびれがみられる間は激しい運動は控え、症状が落ち着いてから医師の指示に従い、段階的に運動再開を検討しましょう。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設


























