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鵞足炎のトリガーポイントとは?痛みが続く原因とセルフケア・治療の考え方

膝の内側がズキズキと痛み、階段の上り下りや歩行のたびに違和感が出ると、不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
整形外科で「鵞足炎」と診断され、安静や湿布、痛み止めで様子を見ていても、なかなかすっきり改善しないケースは珍しくありません。
とくに「炎症は落ち着いていると言われたのに、痛みだけが残る」「運動を再開するとすぐ再発する」といった悩みを抱える方も多いです。
その背景には、鵞足炎のトリガーポイントと呼ばれる筋肉由来の痛みが関与していることがあります。
そこで本記事では、鵞足炎が長引く理由をトリガーポイントの視点から整理し、改善の考え方をわかりやすく解説します。
目次
結論|鵞足炎の痛みが長引く背景にはトリガーポイントの関与が多い
鵞足炎の痛みがなかなか引かない場合、炎症だけでなく筋肉内にできたトリガーポイントが原因となっているケースが少なくありません。
炎症が治まったあとも、筋肉の緊張や硬さが残ると、膝の内側に痛みを飛ばすような状態が続きます。
そのため、「安静にしているのに治らない」「少し動くとすぐ痛む」と感じやすくなります。
痛みの原因を炎症だけに限定せず、筋肉由来の要素も含めて整理することが、回復を進めるうえで重要です。
鵞足炎とは?膝の内側が痛くなる仕組み
鵞足炎とは、膝の内側下方に位置する「鵞足部」と呼ばれる部位に炎症や痛みが生じる状態を指します。
鵞足部には、縫工筋・薄筋・半腱様筋という3つの筋肉が集まり、脛骨(すねの骨)の内側に付着しています。
これらの筋肉は、歩行・ランニング・ジャンプ・方向転換などの動作で頻繁に使われるため、繰り返し負荷がかかりやすい部位です。
使いすぎやフォームの乱れ、筋力バランスの崩れなどが重なると、付着部周辺に炎症が起こり、鵞足炎を発症します。
ただし、炎症が落ち着いた後も痛みが続く場合は、筋肉自体の状態を見直す必要があります。
トリガーポイントとは?鵞足炎と関係する理由
トリガーポイントとは、筋肉の中に形成される硬結(しこり)のような部分で、押すと強い痛みが出たり、離れた場所に痛みを感じたりする特徴があります。
筋肉が過度に緊張した状態が続くと、血流が低下し、老廃物がたまりやすくなります。
その結果、筋肉が正常に伸び縮みできなくなり、トリガーポイントが形成されやすくなります。
鵞足炎では、炎症部位そのものだけでなく、周囲筋にできたトリガーポイントが膝内側の痛みとして感じられることがあります。
この場合、炎症だけを抑えても、痛みの根本が残ってしまうため、改善が遅れやすくなります。
鵞足炎で問題になりやすいトリガーポイント
鵞足炎の症状が長引く場合、特定の筋肉にできたトリガーポイントが痛みの原因となっていることが多くあります。
それぞれの筋肉がどのように膝の内側の痛みに関与するのかを、順番に確認していきましょう。
縫工筋のトリガーポイント
縫工筋は、骨盤から太もも前面を斜めに走り、膝の内側に付着する筋肉です。
歩行や階段動作、脚を組む動作など、日常生活のさまざまな場面で使われています。
この筋肉にトリガーポイントができると、膝の内側だけでなく、太ももの前内側に鈍い痛みや張りを感じることも。
長時間の歩行や片脚に体重をかける癖がある方では、縫工筋への負担が蓄積しやすくなります。
鵞足部の痛みと同時に太ももの違和感がある場合、縫工筋の関与を疑う必要があります。
薄筋のトリガーポイント
薄筋は、内ももから膝の内側へ縦に走る筋肉で、股関節と膝関節の安定に関与します。
ランニングやジャンプ、方向転換が多いスポーツでは、薄筋に強い負荷がかかりやすくなります。
薄筋にトリガーポイントができると、膝の内側の痛みに加えて、内もも全体の張りやだるさを感じることも。
「内ももが張ってから膝が痛くなった」という経過をたどる場合、この筋肉が関係している可能性があります。
薄筋由来の痛みは、ストレッチで一時的に楽になるものの、すぐ戻る傾向があります。
半腱様筋のトリガーポイント
半腱様筋は、太もも裏から膝の内側に付着するハムストリングスの一部です。
ダッシュやジャンプ、急な減速動作が多い場合、半腱様筋に負担が集中しやすくなります。
この筋肉のトリガーポイントは、膝の内側だけでなく、膝裏から太もも裏にかけての違和感として現れることも。
とくに運動後や長時間座った後に痛みが強まる場合、半腱様筋の影響が疑われます。
鵞足炎の痛みが膝裏に広がる場合は、炎症だけでなく筋肉由来の要素を考慮する必要があります。
トリガーポイントが原因だと疑うサイン
鵞足炎の痛みが続く場合、トリガーポイントが関与しているサインを見極めることが重要です。
- 安静にしても鈍い痛みや違和感が残る
- 押すとピンポイントで強い痛みが出る場所がある
- 膝だけでなく太もも・内もも・膝裏まで痛みが広がる
- ストレッチで一時的に楽になるが、すぐ元に戻る
- 運動量を減らしても改善が乏しい
これらの特徴が当てはまる場合、炎症そのものよりも筋肉内の緊張が痛みを引き起こしている可能性があります。
とくに「押すと痛い場所がはっきりしている」「痛みの範囲が日によって変わる」といった場合は、トリガーポイント由来の痛みが疑われます。
この段階で炎症対策だけを続けてしまうと、回復が長引きやすくなります。
セルフケアでできるトリガーポイント対処法
軽度〜中等度の鵞足炎では、セルフケアによるトリガーポイント対処が症状緩和につながることがあります。
- 内もも・太もも裏・太もも前のやさしいストレッチ
- フォームローラーやボールでの軽い圧迫
- 入浴や温熱による血流改善
- 運動量を一時的に落とし、負荷を調整する
セルフケアでは「痛気持ちいい」程度の刺激にとどめ、強く押しすぎないことが重要です。
過度な圧迫や無理なストレッチは、筋肉をさらに緊張させ、逆効果になる場合があります。
また、セルフケアで一時的に楽になっても、動作やフォームの問題を放置すると再発しやすくなります。
あくまでセルフケアは「きっかけづくり」であり、原因そのものを整理する視点が欠かせません。
セルフケアで改善しない場合の治療選択肢
セルフケアを続けても痛みが改善しない場合、医療機関での評価が必要になります。
医療現場では、単に「鵞足炎」と診断するだけでなく、
- どの筋肉に過剰な負担がかかっているか
- 動作やフォームのどこに問題があるか
- 炎症と筋肉由来の痛みの比重はどれくらいか
といった点を整理することが重要です。
理学療法や運動療法では、筋肉の緊張を緩めるだけでなく、再び負荷が集中しない体の使い方を学ぶことが目的になります。
この段階で適切な評価と修正が行われれば、慢性化や再発を防げるケースも多くあります。
慢性化・再発を繰り返す場合の再生医療という選択肢
保存療法やリハビリを続けても、鵞足炎が慢性化・再発を繰り返す場合には、治療の選択肢を一段階見直す必要があります。
長期間にわたる負荷や炎症によって、筋肉や腱の回復力そのものが低下しているケースでは、従来の対処だけでは改善が頭打ちになることも。
そのような場合、再生医療は「手術をせずに回復環境を整える」ための選択肢として検討されます。
リペアセルクリニック大阪院では、単に治療を提案するのではなく、なぜ痛みが長引いているのか ・炎症と筋肉由来の要素はどの程度か ・今後どの負荷で再発しやすいか
といった点を整理したうえで、再生医療を含む治療の方向性を相談できる体制を整えています。
再生医療は、「繰り返す」「元の競技レベルに戻れない」といった悩みを抱える方にとって、一つの検討材料になります。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
まとめ|鵞足炎は炎症だけでなく筋肉由来の痛みも整理することが重要
鵞足炎の痛みが長引く背景には、炎症とトリガーポイントが重なって存在しているケースが多くあります。
「安静にしているのに治らない」「少し良くなってもすぐ再発する」と感じる場合、原因の見立てを一段深くすることが重要です。
セルフケアで対応できる段階もあれば、専門的な評価が必要な段階もあります。
大切なのは、我慢を続けることではなく、いまの痛みがどこから来ているのかを整理し、適切な対処を選ぶことです。
慢性化や再発で悩んでいる場合は、状態を整理し直すことが、回復への近道になります。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
















