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女性の高血圧はなぜ起こる?原因・年代別の特徴と更年期との関係性を解説

女性の高血圧はなぜ起こる?原因・年代別の特徴と更年期との関係性を解説
公開日: 2025.12.26

高血圧は生活習慣病の代表的な疾患ですが、女性の場合、ホルモンバランスやライフステージによって発症の背景が大きく異なることをご存じでしょうか。

「更年期を迎えてから血圧が高くなった」「これまで問題なかったのに、突然高血圧と診断された」という方もいるでしょう。

本記事では、女性に起こる高血圧の原因や年代別の特徴、高血圧の対策を解説しています。

「特に思い当たる原因がない」と感じていても、体の内側では血圧が上昇しやすい状態に変化していることも少なくありません。

将来の合併症リスクを抑え、無理のない血圧管理につなげるためにも、ぜひ参考にしてください。

また高血圧を放置すると自覚症状がなくても血管に高い圧力がかかり続けるため、動脈硬化が進行し、以下のような疾患のリスクが大幅に高まります。

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
  • 心筋梗塞・心不全
  • 大動脈瘤・大動脈解離
  • 慢性腎臓病
  • 糖尿病
  • 認知症
  • 網膜症

進行してしまった疾患に対しては、再生医療も検討しましょう。

再生医療とは患者さまご自身の細胞や血液を活用し、身体が本来持つ回復力に着目した治療法です。

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治療法や症例については、当院の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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女性に高血圧が起こる主な原因|40代・50代は更年期の影響に注意

女性で高血圧にかかる人は40代から増え始め、更年期を迎える人が多い50代で急増する傾向にあります。

その理由として挙げられる原因は下記の通りです。

自分に当てはまる原因を把握することで、適切な対策を進めることができます。

更年期・閉経による女性ホルモン(エストロゲン)の減少

女性が高血圧になる原因の一つが、更年期・閉経による女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。

エストロゲンは卵巣から分泌される女性ホルモンの一つで、血管を拡張する働きがあります。

しかし更年期や閉経を迎えるとエストロゲンが減少し、血管が狭まりやすくなるのです。

また更年期は自律神経が乱れやすく、血圧のコントロールが難しくなります。

肥満・内臓脂肪の蓄積

食べ過ぎや運動不足による肥満・内臓脂肪の蓄積も女性が高血圧にかかる原因の一つです。

食べ過ぎは同時に塩分を過剰に摂取することになるため、体内にナトリウム(塩分)が溜まった状態になります。

体はナトリウムの濃度を薄めようと血管内に水分(血液)を増やすので、血管が圧迫され高血圧を引き起こしやすいです。

また、内臓脂肪から分泌されるホルモンが血管を収縮させる点にも注意しましょう。

妊娠・出産・ピルなどライフイベントによる血圧変化

妊娠や出産、ピルの服用といった女性ならではのライフイベントも、血圧に変化をもたらす可能性が高いです。

妊娠前は血圧が平常値でも、妊娠中に数値が高くなる「妊娠高血圧症候群」になる方は少なくありません。

妊娠後期に重症化すると早産や帝王切開のリスクが上がり、母子ともに出産時の危険性が高まるため注意が必要です。

また、ピルの種類によっては血圧が上昇する副作用があり、血栓症のリスクが高くなります。

血圧が高い方は、服用しても問題ないかあらかじめ医師に相談しておきましょう。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と高血圧の関係

アメリカの研究データによると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性は、PCOSでない女性よりも高血圧のリスクが2倍とされています。
※出典:PubMed

考えられる原因は諸説ありますが、そのうちの一つに「アンドロゲン」と呼ばれる男性ホルモンの分泌量が増加することが挙げられます。

男性ホルモンが増えると血中コレステロール濃度が高くなるため、高血圧や心臓、血管の病気の発症リスク上昇につながるのです。

PCOSと診断されたことがあり血圧の数値が気になる方は、早めに医療機関を受診しましょう。

【年代別】血圧が高くなりやすい女性の特徴

高血圧になりやすい女性の特徴は、年代ごとに異なります。

特に若年層の方は高血圧とは無縁だと思われやすいです。

しかし上記の特徴に当てはまっている場合、自覚症状がないまま高血圧にかかる可能性は否定できません。

下記で詳しく解説しますので、当てはまったら適切な対策を進めましょう。

20代・30代|生活習慣やストレスが原因となる若年性高血圧

働き盛りの20代と30代は、慢性的に生活習慣の乱れやストレスを抱えている人が「若年性高血圧」を引き起こす可能性があります。

ストレスを感じると、体内でストレスホルモンと呼ばれる「アドレナリン」や「コルチゾール」が分泌され、血管の収縮や心臓の働きが活発化します。

この状態が続くことで、血圧が上がりやすくなるのです。

また、高血圧と生活習慣には深い関係があります。

暴飲暴食や喫煙、睡眠不足が慢性化すると身体にストレスがかかり、血圧の上昇を招きやすくなるため注意しましょう。

40代〜60代|更年期の影響で血圧が不安定になりやすい

40代~60代の女性は、更年期を迎えると血圧が不安定になりやすく高血圧のリスクが高まりやすいです。

女性は更年期を迎えると女性ホルモンが減少します。

女性ホルモンの減少は自律神経の乱れや血管のコントロール機能低下を引き起こすため、血圧が上昇しやすくなる点に注意が必要です。

「40歳を過ぎてから初めて血圧の数値を指摘された」というケースも多いため、40代~60代の方は日頃から血圧管理を徹底しましょう。

70代・80代|血管의 老化と動脈硬化に注意

70代・80代の女性は加齢により身体機能が著しく低下するため、高血圧のリスクが高いです。

身体機能が低下すると、血管が老化し硬くなる動脈硬化のリスクが高まります。

血管が硬くなると収縮や拡張が上手くできません。

血液の流れも悪くなることから、収縮期血圧が高くなる一方で拡張期血圧(下の血圧)が低くなることで、血圧の差(脈圧)が広がりやすくなる傾向があります。

また高齢女性はホルモンバランスの乱れや内臓脂肪の蓄積なども起こりやすく、血圧も大きく変動しやすいです。

自覚症状がないケースも多いため、定期的な診察を受けましょう。

高血圧の診断基準|家庭血圧では135/85mmHg以上が目安

高血圧の診断は、以下のように測定する場所(医療機関か自宅か)によって基準値が異なります。
※参照:日本高血圧学会

  医療機関で計測した場合 家庭血圧(自宅)
最高血圧(収縮期) 140mmHg以上 135mmHg以上
最低血圧(拡張期) 90mmHg以上 85mmHg以上

また、高血圧の平均値は以下のように年齢層によっても異なります。
※参照:厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」

年代 最高血圧(平均) 最低血圧(平均)
20代 105.7 63.8
30代 108.0 66.4
40代 113.7 70.9
50代 121.8 74.5
60代 130.6 76.7
70代以上 133.1 73.9

家庭血圧・医療機関での測定値が高血圧の診断基準を超えている場合は、症状がなくても放置せず、早めに医療機関を受診することが大切です。

高血圧は、生活習慣の見直しによって改善が期待できるケースも多い疾患です。

女性が実践したい高血圧対策|生活習慣の見直しが基本

女性の高血圧対策として、以下のように生活習慣の見直しから始めることが大切です。

  • 食事は塩分を控え、野菜や果物を積極的に摂り入れる
  • 食べ過ぎに注意し、腹八分目を心がける
  • 過度な飲酒や喫煙を控える
  • ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行う
  • 1日7時間~8時間の睡眠をとる
  • リラックスできる環境や趣味を作る

ただしすべてを完璧に実践しようとするとかえってストレスになり、リバウンドする可能性も否定できません。

無理なくできることから実施し、習慣化していきましょう。

女性の高血圧はエストロゲン減少が原因!放置せずに医療機関の受診も検討しよう

女性の高血圧の原因は、生活習慣の乱れによる肥満や内臓脂肪の増加だけでなく、妊娠や女性ホルモンの乱れなどさまざまです。

高血圧は自覚症状が少ない一方で、発見が遅れると進行し、脳卒中・心筋梗塞・腎機能障害などの重い合併症を引き起こす可能性があります。

血圧の数値が高かったり、以下の症状を感じたりした場合は早めに医療機関を受診しましょう。

  • 動悸・息切れがする
  • 頭痛や胸の痛みを感じる
  • 視界がぼやけたり、目がチカチカする

また生活習慣の改善や薬物療法を行っても十分な改善が期待できない場合、再生医療による治療が選択肢の一つとなることがあります。

再生医療とは患者さまの細胞や血液を用いた治療方法で、主な特徴は以下のとおりです。

  • 身体の自然治癒力を高め、失われた組織や機能を修復・再生を行う
  • 患者さま自身の細胞を身体に戻すため、安全性が高い
  • 入院や手術は必要なく、通院のみで治療できる

実際の治療法については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

「自分の症状でも相談できる?」「どんな治療があるのか知りたい」という方は、まずは公式LINEからお気軽にご覧ください。

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監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長