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ガングリオンが痛い時の対処法|自宅でできる?やってはいけない処置について解説

手首や足首などにできたガングリオンが痛くなり、「どう対処したらいいの?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
痛いからといって、自分で無理に押し潰そうとしたり、強くマッサージしたりするのはかえって危険な場合があるため、適切な対処法を理解することが重要です。
本記事では、ガングリオンが痛いときに自宅でできる対処法から医療機関で受けられる治療について詳しく解説します。
正しい知識を身につけ、ご自身の症状に合った適切な対処法を見つけるための一助としてください。
目次
ガングリオンが痛い時の対処法【自宅でできる】
ガングリオンに痛みが出た場合、自宅でもできる対処法を知りたい方も多いでしょう。
本章では、自宅でできる対処法として、以下の2つを紹介します。
ガングリオンによる痛みの主な原因は、ガングリオンが神経を圧迫したり、周囲の組織と擦れて炎症を起こしている可能性が考えられます。
上記の方法は、炎症を鎮めたり、神経への刺激を減らしたりするのに役立ちます。
ただし、これらはあくまで一時的な痛みの緩和策であり、ガングリオンそのものを治すものではない点を理解したうえで行いましょう。
安静にする
ガングリオンが痛む場合、基本的な対処法は患部をできるだけ使わず、安静に保つことです。
患部を頻繁に動かすと、ガングリオンが周囲の組織や神経への圧迫を強め、痛みが悪化する可能性があります。
とくに以下のような動作は痛みを誘発しやすいため、意識的に避けるか、頻度を減らしましょう。
- パソコンやスマホの長時間操作
- 重量物の持ち運び
- 手首や指を酷使するスポーツ
- 楽器の演奏
 など
また、手首や足首などの動きやすい関節にできている場合は、サポーターやテーピングで軽く固定し、動きを制限するのも一つの方法です。
ただし、強く締めすぎると血流を妨げてしまう恐れがあるため、圧迫しすぎないよう力加減には注意しましょう。
患部をアイシング(冷却)する
ガングリオンの痛みだけでなく、患部周辺が腫れている場合は患部のアイシング(冷却)によって、症状が和らぐことがあります。
関節周辺にガングリオンができている場合、周辺組織と擦れて炎症を起こし、痛みや腫れが生じるケースが考えられます。
患部を冷やすことで炎症反応を鎮め、痛みを一時的に和らげる効果が期待できます。
氷のうやタオルに包んだ保冷剤を用意し、1回あたり15〜20分程度を目安に患部を冷やしましょう。
症状によっては冷やさずに温めた方が良いケースもあるため、事前に医療機関に相談してから実施することが推奨されます。
ガングリオンが痛い時の対処法でやってはいけないこと
ガングリオンが痛む時に良かれと思って取った行動が、かえって症状を悪化させる場合があります。
とくに以下のような対処法はリスクを伴うため、避けた方が良いです。
なぜ上記の行動を避けるべきなのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
ガングリオンを自分で押し潰す
ガングリオンを自分で無理に押し潰そうとするのは、危険なので避けるべきです。
自分で潰すと新たな痛みやしびれを引き起こす可能性や、傷口から細菌が入って感染症(化膿)につながるケースも考えられます。
一時的に膨らみが消えても再発しやすいため、自分で潰すのはやめましょう。
患部に圧をかける
ガングリオンを強くマッサージしたり、持続的に圧を加えたりする行為は避けましょう。
痛みがある時点で、ガングリオンが神経を圧迫したり、周辺組織で炎症が起きていたりする可能性が考えられます。
外部からさらに圧力を加えると、神経への刺激が増して痛みが強まる恐れがあります。
また、日常生活の中でも意図せずにガングリオンに負荷がかかってしまうケースもあるため、注意が必要です。
例えば、手首にガングリオンができた場合は、立ち上がるときに手をついたり、手首をひねったりする動作は避けましょう。
痛みがある状態を放置する
痛みが続いているにも関わらず、「そのうち治るだろう」と我慢して放置することも望ましくありません。
ガングリオン自体は良性のため、痛みがなければ放置しても問題ありません※。
※出典:日本整形外科学会「ガングリオン」
しかし、痛みがある状態を我慢して放置すると、関節の動きが悪くなったり、他の筋肉に負担がかかったりして別の不調を招く恐れがあります。
また、まれにガングリオン以外の病気が隠れている可能性も否定できません。
痛みが続く場合は、自己判断で放置せず、医療機関で専門家の診断を受けることを検討しましょう。
ガングリオンが痛い時に医療機関で受けられる治療
セルフケアを試みてもガングリオンの痛みが続く、あるいは生活に支障が出る場合は、医療機関での治療を検討しましょう。
主な治療の選択肢には、以下の2つがあります。
上記の方法にはそれぞれ特徴があるため、医師と相談しながらご自身の状況に合ったものを選びましょう。
注射器で中身を吸引する
注射器で中身を吸引する方法は、保存療法の中でも最初に行われることが多い治療法です。
ガングリオンに細い針を刺し、中に溜まっているゼリー状の液体を吸い出すことで、ガングリオンを小さくする効果が期待できます。
外来で比較的短時間で行えるのが利点ですが、吸引療法ではガングリオンの「袋」は残ってしまいます。
そのため、液体が再び溜まりやすく、再発する可能性が高い点は覚えておきましょう。
手術によって摘出する
再発を繰り返す、痛みが非常に強い、神経障害が出ている場合には、手術によるガングリオンの摘出が検討されます。
この治療は、ガングリオンを「袋」ごと、関節包につながる「根元」から切除する方法です。
袋自体を取り除くため、吸引に比べて再発する可能性が低いのが大きな利点といえます。
手術には患部を切開する方法や関節鏡(内視鏡)を用いる方法があり、吸引よりも体への負担はかかりますが、根本的な解決を目指せる治療法です。
ガングリオンが痛い時の対処法についてよくある質問
ガングリオンの痛みや対処法に関して、多くの方が抱く疑問について解説します。
それぞれ詳しく解説していきます。
ガングリオンを早く治す方法は?
現代の医療では、ガングリオンを確実に、かつ早く治す特効薬のような方法はありません。
本記事で紹介している安静やアイシングは痛みを和らげるための対処法であり、ガングリオン自体を消すものではない点を理解しておきましょう。
痛みが強く、早期の解決を望む場合は、医療機関に相談しましょう。
ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるには?
自己判断でガングリオンと悪性腫瘍を見分けるのは困難ですが、ガングリオンは良性で悪性化は基本的にないと考えられており、一般的な特徴に違いが見られます。
| 特徴の違い | ガングリオン | 悪性腫瘍の可能性 | 
|---|---|---|
| 硬さ | 弾力がある | 石のように硬い | 
| 表面 | 滑らか | ゴツゴツしている | 
| 境界 | はっきりしている | 不明瞭 | 
これらはあくまで目安であり、急速な変化が見られる場合や少しでも不安を感じる際は、自己判断せずに整形外科など専門医の診断を受けるようにしましょう。
ガングリオンが痛い時は正しい対処法を実施しましょう
ガングリオンが痛む場合、自己判断で間違った対処をせず、正しい知識を持つことが大切です。
自宅でできる応急処置として、まずは患部を安静に保ち、患部周辺の腫れや熱感を伴う場合はアイシングで炎症を抑えるのが有効な場合があります。
逆に、自分で無理やり押し潰したり、強くマッサージしたりする行為は、神経損傷や感染症のリスクを伴うため避けましょう。
セルフケアで改善しない、あるいは痛みが強い場合は、整形外科を受診して専門家の診断を仰ぐと良いでしょう。
医療機関では注射器による吸引や、再発を防ぐための手術といった選択肢が検討されます。
当院リペアセルクリニックでは、炎症や神経損傷による痛みに効果が期待できる再生医療をご提供しています。
従来の治療では治せなかった疾患や症状の改善を期待できる場合もあるため、再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックまでご相談ください。
 
                            監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師


 
							
 
							 
						 
					 
                      










 
                  