糖尿病の方の食事の基礎知識を紹介!献立や外食時の工夫も詳しく解説

糖尿病とは、インスリンというホルモンが産生できなくなる・効かなくなるために血糖値を下げられなくなる病気です。
悪化すると腎臓疾患や足のしびれなどの神経症状につながるため、普段の食事で血糖値が上がらないように抑えなければいけません。
しかし、実際に「何を食べたらいけないのだろう」「どれくらい食べても良いかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、糖尿病の食事の基本や具体的な食事例をご紹介します。
- 糖尿病の食事の基本
- 具体的な食事例
- 食事の工夫方法
目次
糖尿病と食事の関係・基礎知識
糖尿病とは、なんらかの原因で血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが足りない・効かない状態になる病気です。
重症化すると血糖値が上がり続け、心筋梗塞などの血管病や糖尿病3大合併症(腎症・網膜症・神経症)が発症し命に関わります。
そのため、いかに血糖値を抑えるかが重要です。
血糖値は食事することで上がります。
つまり、糖尿病では血糖値を上げないような食事の工夫が必要です。
糖尿病の方向けの具体的な食事の例
具体的な食事のメニューを、以下に提示します。
具体的な食事例 | |
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食事例① |
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食事例② |
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これらの食事の特徴は、以下のとおりです。
- 血糖値が上がりにくい食品(低GI食品)が多い
- 食物繊維・たんぱく質が豊富
- 脂質を抑えている
糖尿病の食事では、「血糖を上げすぎない・体重を増やさない・合併症を防ぐ」ことが重要です。
そのため、糖尿病診療ガイドライン※でも血糖値を上げにくい食品(雑穀や食物繊維の多い食品)が推奨されています。
また、過体重を増やすために筋肉の維持が重要なため、たんぱく質も積極的に摂取しましょう。
加えて、脂質の取りすぎは高血圧や動脈硬化につながりやすく、糖尿病の3大合併症リスクが高まるため注意してください。
※出典:糖尿病診療ガイドライン2024
コンビニ・外食の選び方
糖尿病患者はコンビニ・外食を利用してはいけないと思われるかもしれませんがそんなことはありません。
きちんと対策を立てれば、糖尿病患者の方でもコンビニ・外食は利用できます。
具体的な対策は、以下の表をご参照ください。
対策 | 理由 |
---|---|
主食を工夫する |
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副菜をプラスする |
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甘い飲み物は飲まない |
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デザートは極力控える |
|
具体的な食事例で説明したとおり、血糖値が上がりにくい食品や食物繊維・たんぱく質が豊富な食事を選びましょう。
また、コンビニや外食の場合、洋食だと脂質が高くなる傾向があります。
これは洋食ではバター・生クリームといった乳製品や動物性脂肪が多いためです。
そのため、洋食では脂質過剰になる可能性があるので、ヘルシーな和食をおすすめします
食べ過ぎ時の調整方法
いろいろと気をつけていても、どうしても食べすぎてしまうこともあるでしょう。
しかし、少し食べすぎたくらいであれば以下の調整を実践すれば問題ありません。
- 食後に運動する
- 次の食事で調整する
- 間食を控える
食後の運動は血糖値の上昇を抑える作用に期待できるので、軽い有酸素運動やスクワットなど無理のない範囲で積極的に取り入れましょう。
また、食べすぎてしまった場合にはその次の食事の内容が重要です。
間食や糖質を抑え、食物繊維やタンパク質が豊富な食事を摂るように意識してください。
糖尿病の方向けの食事を継続するための工夫
糖尿病では、バランスの取れた食事を継続することが重要です。
そのための工夫をまとめましたので、以下の表をご参照ください。
糖尿病食を継続するための工夫 | |
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我慢より「工夫」 |
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食べ方に注意する |
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継続しやすい環境を整える |
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バリエーションを増やす |
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また、モチベーション維持のためにご褒美を設定してあげることはすすめです。
医師と相談したうえ、ご自身の体調に合ったご褒美を用意してモチベーションを高めてください。
食事療法だけでは不安な方におすすめの新しいサポートを紹介
糖尿病は治らない病気で、食事や運動で症状の進行を抑えることが重要と考えられてきました。
しかし、近年では「再生医療」が発達してきたことで根本からの改善が可能な可能性があります。
これはインスリンを産生する組織を再生医療で治療することで、体本来の機能を取り戻せる可能性があるためです。
実際に、当院リペアセルクリニック大阪院でも糖尿病患者様に対し再生医療を実施することで、症状の緩和を得られたケースを経験しました。
以下のページでご紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
糖尿病のお悩みに対する新しい治療法があります。
糖尿病食は工夫次第で日常に取り入れられる
糖尿病の食事について、献立の具体例や注意点をまとめました。
ポイントは以下のとおりです。
- 糖質・脂質を抑え、食物繊維・タンパク質を積極的に取り入れる
- コンビニや外食・食べ過ぎもリカバリー可能
- 無理なく継続することが大事
糖尿病ではインスリンが効きにくいため、血糖値を抑えることが重要です。
そのため食事では血糖値の上昇を抑える工夫を継続しましょう。
食事の内容だけでなく、よく噛んで食べたり継続しやすい環境を整えたりする工夫が重要です。
とはいえ食事のストレスは継続を難しくする要因ですので、楽しみながら食事を取れるように心がけてください。
なお、糖尿病は根治が難しいとされてきましたが、近年は再生医療で症状の緩和が得られる症例が増えてきています。
実際に、当院リペアセルクリニックでも効果を実感してくださる患者様を経験してきました。
もし糖尿病で根本から治療していきたいと考えられている方がおられましたら、お気軽にご相談ください。
糖尿病のお悩みに対する新しい治療法があります。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師