糖尿病の方の食事の基礎知識を紹介!献立や外食時の工夫も詳しく解説

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公開日: 2025.09.25 更新日: 2025.10.02

糖尿病とは、インスリンというホルモンが産生できなくなる・効かなくなるために血糖値を下げられなくなる病気です。

悪化すると腎臓疾患や足のしびれなどの神経症状につながるため、普段の食事で血糖値が上がらないように抑えなければいけません

しかし、実際に「何を食べたらいけないのだろう」「どれくらい食べても良いかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、糖尿病の食事の基本や具体的な食事例をご紹介します。

この記事でわかること

  • 糖尿病の食事の基本
  • 具体的な食事例
  • 食事の工夫方法

糖尿病と食事の関係・基礎知識

糖尿病とは、なんらかの原因で血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが足りない・効かない状態になる病気です。

重症化すると血糖値が上がり続け、心筋梗塞などの血管病や糖尿病3大合併症(腎症・網膜症・神経症)が発症し命に関わります。

そのため、いかに血糖値を抑えるかが重要です。

血糖値は食事することで上がります。

つまり、糖尿病では血糖値を上げないような食事の工夫が必要です。

糖尿病の方向けの具体的な食事の例

具体的な食事のメニューを、以下に提示します。

具体的な食事例
食事例①
  • ごはん(雑穀入り) 100g
  • 焼き鮭 1切れ
  • 蒸しキャベツのごま和え
  • 具だくさん味噌汁(野菜中心)
  • 無糖ヨーグルト 100gとフルーツ
食事例②
  • ごはん 120g
  • 鶏むね肉のグリル(皮なし)
  • ブロッコリーとトマトのサラダ
  • きんぴらごぼう(油控えめ)
  • 具だくさん味噌汁(野菜中心)

これらの食事の特徴は、以下のとおりです。

  • 血糖値が上がりにくい食品(低GI食品)が多い
  • 食物繊維・たんぱく質が豊富
  • 脂質を抑えている

糖尿病の食事では、「血糖を上げすぎない・体重を増やさない・合併症を防ぐ」ことが重要です。

そのため、糖尿病診療ガイドラインでも血糖値を上げにくい食品(雑穀や食物繊維の多い食品)が推奨されています。

また、過体重を増やすために筋肉の維持が重要なため、たんぱく質も積極的に摂取しましょう。

加えて、脂質の取りすぎは高血圧や動脈硬化につながりやすく、糖尿病の3大合併症リスクが高まるため注意してください。

※出典:糖尿病診療ガイドライン2024

コンビニ・外食の選び方

糖尿病患者はコンビニ・外食を利用してはいけないと思われるかもしれませんがそんなことはありません。

きちんと対策を立てれば、糖尿病患者の方でもコンビニ・外食は利用できます

具体的な対策は、以下の表をご参照ください。

対策 理由
主食を工夫する
  • おにぎりは魚や野菜が入ったものを選ぶ
  • サンドウィッチは揚げ物が入っていると糖質・脂質過多になるためNG
  • 麺類はゆで卵や野菜が入ったものを選び、食物繊維とたんぱく質を補う
副菜をプラスする
  • サラダやお肉・魚を追加し、食物繊維・たんぱく質を補う
甘い飲み物は飲まない
  • ジュースやエナジードリンクは血糖値を急激に高めるため避ける
デザートは極力控える
  • 甘いスイーツは血糖値が上がりやすいため避ける
  • 無糖ヨーグルトやフルールは少量なら可能

具体的な食事例で説明したとおり、血糖値が上がりにくい食品や食物繊維・たんぱく質が豊富な食事を選びましょう。

また、コンビニや外食の場合、洋食だと脂質が高くなる傾向があります。

これは洋食ではバター・生クリームといった乳製品や動物性脂肪が多いためです。

そのため、洋食では脂質過剰になる可能性があるので、ヘルシーな和食をおすすめします

食べ過ぎ時の調整方法

いろいろと気をつけていても、どうしても食べすぎてしまうこともあるでしょう。

しかし、少し食べすぎたくらいであれば以下の調整を実践すれば問題ありません。

  • 食後に運動する
  • 次の食事で調整する
  • 間食を控える

食後の運動は血糖値の上昇を抑える作用に期待できるので、軽い有酸素運動やスクワットなど無理のない範囲で積極的に取り入れましょう。

また、食べすぎてしまった場合にはその次の食事の内容が重要です。

間食や糖質を抑え、食物繊維やタンパク質が豊富な食事を摂るように意識してください。

糖尿病の方向けの食事を継続するための工夫

糖尿病では、バランスの取れた食事を継続することが重要です。

そのための工夫をまとめましたので、以下の表をご参照ください。

糖尿病食を継続するための工夫
我慢より「工夫」
  • 好きなものを完全に禁止せず量や頻度を調整して楽しみを残す
  • 揚げ物は揚げ焼き、オーブン焼きで代用
  • 甘い物が欲しいなら  果物を少量、または無糖ヨーグルトと一緒に
食べ方に注意する
  • ゆっくり噛んで食べることで血糖値の急激な上昇を抑える
  • 1日3食を規則正しく
継続しやすい環境を整える
  • おやつやジュースは買わない(家に置かない)
  • 食器を小さくして食べ過ぎを予防する
  • 外食時には「定番メニュー」を決めておく
バリエーションを増やす
  • 洋食や中華・デザートの低糖質・低脂質メニューも作る
  • 調味料を変えて飽きがこないよう調整する

また、モチベーション維持のためにご褒美を設定してあげることはすすめです。

医師と相談したうえ、ご自身の体調に合ったご褒美を用意してモチベーションを高めてください。

食事療法だけでは不安な方におすすめの新しいサポートを紹介

糖尿病は治らない病気で、食事や運動で症状の進行を抑えることが重要と考えられてきました。

しかし、近年では「再生医療」が発達してきたことで根本からの改善が可能な可能性があります。

これはインスリンを産生する組織を再生医療で治療することで、体本来の機能を取り戻せる可能性があるためです。

実際に、当院リペアセルクリニック大阪院でも糖尿病患者様に対し再生医療を実施することで、症状の緩和を得られたケースを経験しました。

以下のページでご紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。

糖尿病のお悩みに対する新しい治療法があります。

糖尿病食は工夫次第で日常に取り入れられる

糖尿病の食事について、献立の具体例や注意点をまとめました。

ポイントは以下のとおりです。

  • 糖質・脂質を抑え、食物繊維・タンパク質を積極的に取り入れる
  • コンビニや外食・食べ過ぎもリカバリー可能
  • 無理なく継続することが大事

糖尿病ではインスリンが効きにくいため、血糖値を抑えることが重要です。

そのため食事では血糖値の上昇を抑える工夫を継続しましょう。

食事の内容だけでなく、よく噛んで食べたり継続しやすい環境を整えたりする工夫が重要です。

とはいえ食事のストレスは継続を難しくする要因ですので、楽しみながら食事を取れるように心がけてください。

 

なお、糖尿病は根治が難しいとされてきましたが、近年は再生医療で症状の緩和が得られる症例が増えてきています。

実際に、当院リペアセルクリニックでも効果を実感してくださる患者様を経験してきました。

もし糖尿病で根本から治療していきたいと考えられている方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

糖尿病のお悩みに対する新しい治療法があります。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長