バスケットボール選手に多い離断性骨軟骨炎と再生医療という治療の可能性
公開日: 2019.09.03更新日: 2025.04.28
目次
バスケットボール選手に多い離断性骨軟骨炎と再生医療という治療の可能性
日常的に本格的なスポーツを行っている人は、体を酷使することでさまざまな障害を生じやすくなってしまいます。いわゆる“スポーツ障害”と呼ばれているもので、例えばバスケ選手であれば「離断性骨軟骨炎」と呼ばれる症状が多く見られます。
そこで、離断性骨軟骨炎とはどのような症状なのか、その治療法として「再生医療」は有効なのかについて解説します。
離断性骨軟骨炎とは?
離断性骨軟骨炎とは、膝関節の中にある軟骨が剥がれ落ちてしまっている状態のことをいいます。特に成長期である小中学生の男子に多く見られ、膝関節では骨の内側によく症状がでます。
離断性骨軟骨炎を発症する理由としては、スポーツによって同部分が酷使されることにより、骨に負荷がかかり血流障害を生じさせます。その結果、骨の一部が壊死してしまうのが原因だと考えられます。
軟骨の下の骨が壊死を起こすと、骨軟骨片が分離を起こし、症状が進行すると関節内に遊離してしまうのです。
離断性骨軟骨炎の症状
離断性骨軟骨炎は、初期段階では鈍痛や運動後の違和感といった症状をもたらします。軟骨表面に亀裂などの変性が発生すると痛みが強くでて、スポーツを行う際に支障がでる可能性があります。
症状が進行し、骨軟骨片が関節内に遊離すると、膝の曲げ伸ばし際に引っかかるような感じや膝がズレたような違和感と痛みが生じます。さらに関節に挟まってしまうとロッキングという状態になり、膝が動かなくなってしまうことがあります。
離断性骨軟骨炎の治療法
離断性骨軟骨炎の治療法は、症状によって「保存療法」や「手術」が選択されます。保存療法は、原因となっているスポーツなどを一時的に中断することで膝関節の安静を保ち、病巣部の治癒を促す方針をとります。
初期段階であれば完治する可能性がありますが、1年以上の運動制限が必要になるケースもあります。保存療法では回復が難しい場合は、手術が選択されます。
手術内容は症状次第で選択肢が異なりますが、少なからず自身の体を傷つけることになり、結果次第では選手生命に影響を及ぼす可能性も捨てきれません。
離断性骨軟骨炎を再生医療で治療できる可能性
すべての症例に対して有効であるとは言い切れませんが、離断性骨軟骨炎を「再生医療」によって治療できる可能性があります。再生医療とは「幹細胞」と呼ばれる細胞を利用し、組織や臓器の修復を促す治療法です。
離断性骨軟骨炎に関しては治験が募集されているなど、新しい治療法として特に注目されています。
まとめ・バスケットボール選手に多い離断性骨軟骨炎と再生医療という治療の可能性
離断性骨軟骨炎はスポーツだけでなく生活にも悪影響を及ぼすため、放置することはできません。バスケ選手に限らず、離断性骨軟骨炎に悩む人は、手術せずに完治させる可能性として「再生医療」という選択肢を、ぜひ検討されることをおすすめします。
監修:リペアセルクリニック大阪院
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監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設