LINEポップアップ
トピックスtopics
  • HOME
  • トピックス
  • アキレス腱が痛くて歩けない!考えられる原因と治療方法

アキレス腱が痛くて歩けない!考えられる原因と治療方法

公開日: 2019.07.03
更新日: 2025.02.04

アキレス腱が炎症を起こすと、ふくらはぎからかかとあたりにかけて痛みを感じたり腫れたりする症状が現れます。

中には普通に歩けないほどの痛みを感じる方もいるでしょう。

本記事では「アキレス腱が痛くて歩けない時の原因と治療方法」について詳しく解説します。

アキレス腱に痛みがある場合によくあるアキレス腱炎と足底腱膜炎の併発リスクについても紹介しています。

症状や治療方法を理解して、症状が悪化する前に適切な治療ができるようにしましょう。

アキレス腱が痛くて歩けない!考えられる原因と治療方法

アキレス腱が痛くて歩けないのはなぜ?考えられる原因

アキレス腱が痛くて歩けない!考えられる原因と治療方法

歩けないほどアキレス腱が痛い時に考えられる原因は、以下の通りです。

アキレス腱の痛みの多くは炎症や断裂が考えられますが、踵が骨折している可能性も考えられます。

それぞれの症状について詳しく解説します。

アキレス腱炎

アキレス腱炎とは、アキレス腱(ふくらはぎの筋肉と踵の骨を繋ぐ腱)に炎症が起きている状態のことです。

主な症状として、歩行時や運動時にアキレス腱の痛みや腫れが生じます。

症状が悪化すると歩けないほどの痛みになり、日常生活に影響することもあります。

以下のような原因でアキレス腱炎になる可能性が高いです。

【アキレス腱炎の主な原因】

  • ダッシュやジャンプなどを繰り返す
  • ストレッチやウォーミングアップ不足
  • ふくらはぎの筋肉量が少ない
  • 加齢によってアキレス腱が弱くなっている

アキレス腱に負荷がかかることで炎症が起きやすいため、スポーツなどの運動を継続的に行なっている人に多いです。

また、運動不足や加齢によってふくらはぎ周辺の筋肉量が少ない方も注意しましょう。

アキレス腱周囲炎

アキレス腱炎と同じように、アキレス腱周囲炎は、スポーツなどで繰り返してアキレス腱に負担をかけるような動作をする人に多く発症し、その症状も運動をするとアキレス腱が痛むというようにアキレス腱炎と同じです。

そして、アキレス腱炎の場合と同じように、歩けないほど痛むケースもあります。

アキレス腱炎との違いは、その痛みの場所が移動するかどうかということです。

アキレス腱周囲炎は、痛みの場所が移動せず、常に同じところに痛みを感じます。

アキレス腱付着部症

アキレス腱とかかとの骨がつながっている部分の周りが痛い場合、アキレス腱付着部症の可能性があります。

アキレス腱付着部症は症状が進むと、運動をしないで静かにしていても痛みが続く場合があります。

アキレス腱炎との違いは、アキレス腱付着部症は病状が進むと、肉芽形成が認められたり、石灰化や骨化などの変化が現れることです。

アキレス腱と共にかかと部分が歩けないほど痛む場合は、受診することをおすすめします。

アキレス腱断裂

アキレス腱断裂は、歩けないほど痛いというよりは、断裂した際には歩けなくなります。

基本的に、発症時は歩かせてはいけないのですが、時間が経つと歩くことができるケースも少なくなく、つま先立ちができなくなるのが特徴です。

アキレス腱炎と同様、運動時に発症することが多いのですが、運動時でも特に、ダッシュをしたり、ジャンプを繰り返す、踏み込みといった動作で発生する傾向にあります。

踵(かかと)が骨折している

歩けないほどアキレス腱が痛い場合、踵(かかと)の骨が折れている可能性があります。

ほとんどの症例で高所からの転落や階段を踏み外したことによる骨折が原因のため、痛みが出る前に強い衝撃を受けていないかで判断できます。

踵を骨折すると機能改善まで時間がかかり、後遺障害を残すことが多いです。

痛くて歩けない時は、患部を冷やして早めに医療機関へ相談しましょう。

アキレス腱炎の治療について

アキレス腱が痛くて歩けない!考えられる原因と治療方法

アキレス腱炎の治療方法は、以下の通りです。

具体的な治療が必要になることも多いですが、まずは炎症を起こしている足を休めることが第一です。

その後、必要に応じて薬などを用いる方法などで治療をしていきます。

アイシングをして安静にする

初期段階のアキレス腱炎の治療は、アイシングをして安静にすることです。

歩けないほど痛い場合は、スポーツだけでなく走ったり自転車を漕いだりするような日常生活における運動も控えましょう。

半年経過しても痛みが治らない時は重症化している可能性があるので、医療機関に相談した方が良いです。

薬を使って治療する

運動を中止しても痛みが治まらない時は、薬を用いた治療を行います。

湿布などの外用剤や非ステロイド系抗炎症薬、消炎鎮痛剤を内服します。

炎症を抑えるのに優れたステロイド剤は、数回打つと腱が弱くなって断裂するリスクがあるため、あまりおすすめはできません。

靴にパッドを入れる

アキレス腱炎が治りにくいと診断された場合は、かかとの部分を高くした中敷きを使ったり、靴底が柔軟なシューズを選んだりして、アキレス腱の緊張を緩めてかかとを安定させる方法を取り入れます。

ストレッチをする

アキレス腱炎に効果的なのが、エキセントリックストレッチングです。階段や台など段差のあるところで、痛みがある足の先を段差にかけ、かかとをゆっくりと降ろしアキレス腱を伸ばします。

我慢できる程度の痛みの範囲で15秒ほど行い、これを3回1セットで1日2セット行います。最低でも2週間は続けましょう。

手術をする

なかなかアキレス腱炎が治らない場合は手術を行います。

変性した腱や骨棘を取る手術で、腱が少なくなってしまうケースでは、他の筋腱で補強をします。

痛みの出ている組織を除去するので、一定の効果が得られるはずなのですが、あまり良い成績は出ていないのが現状です。

アキレス腱炎のリハビリ

アキレス腱炎のリハビリテーションを受けたい場合、以下の場所で治療を受けることができます。

  • リハビリテーション科
  • 整骨院
  • 整形外科
  • 鍼灸院

アキレス腱炎は痛みや炎症を引き起こし、スポーツ活動だけでなく日常生活にも支障をきたすことがあります。

適切なリハビリテーションを行うことで、早期回復を目指し、普段通りの生活やスポーツ活動に戻ることができます。

リハビリテーションの具体的な内容や方法については、アキレス腱炎の症状や重症度は個人差が大きいため、上記の専門機関を訪れ、詳細な診断と個別化されたリハビリテーション計画の作成を依頼することが重要です。

このようなリハビリテーションを通じて、アキレス腱炎の症状を軽減し、機能回復を促進することができます。

早期に適切な治療を受けることで、より速やかな回復が期待できます。

メディカルリハビリテーション

メディカルリハビリテーションは、怪我をした後に日常生活を正常に送るための機能回復訓練のことです。

スポーツリハビリテーション

怪我をしてからスポーツができるようになるまでの機能回復訓練です。

アキレス腱炎で足に負担をかけない歩き方

アキレス腱炎の症状が重い場合、アキレス腱を庇うような歩き方になる可能性があります。

そのような時は、以下で紹介する方法を試してみてください。

まずは歩き方を見直す

アキレス腱炎が発症し、歩く時に痛みが生じる方は、身体に対する衝撃を小さくする歩き方をするといいでしょう。

身体に対する衝撃を小さくする歩き方のポイントは以下の通りです。

  • 足の裏全体でそっと地面に足を置くように接地する
  • 両足の間隔を腰の幅程度に広く取って歩く
  • 手は無理に振らず身体の動きに合わせて自然に振る
  • 足の指が地面をしっかりつかんでいる感覚で歩く
  • 坂道を歩く時は、上り坂は逆八の字に、下り坂はつま先から着地するように歩く
  • 階段を上る時はお尻から上げるように、下る時はお尻を一緒にイメージで足をそっと下ろす

一般的には、上記のような歩き方が身体に対する衝撃を小さくできる歩き方です。

アキレス腱炎で痛みがある時も、このような歩き方を心掛けるといいでしょう。

靴を見直すこともおすすめ

アキレス腱炎で歩き方が不自然になってしまうほど痛むときは、靴を見直すことをおすすめします。

かかとの高めの靴やインソールやヒールウエッジなどでかかとを少し高くして固定することで痛みが緩和され、不自然な歩き方の改善を期待することができます。

アキレス腱炎の再発予防

アキレス腱炎

アキレス腱炎を慢性化させてしまうと良くありませんから、以下のことに気を付けてしっかり再発を予防してください。

それぞれの予防方法について詳しく解説していきます。

運動前後の準備とケア

アキレス腱炎の再発を予防するために「運動前後の準備とケア」が重要です。

運動前にふくらはぎの筋肉のストレッチを入念に行い、筋肉の柔軟性を高めましょう。

また、運動後はふくらはぎやアキレス腱をアイシングケアを行うことで、炎症を早く鎮めて再発を予防することができます。

痛みがある時は運動を休む

運動をした翌日、アキレス腱に痛みが残っている時は運動するのを休んで別メニューを行うようにしましょう。

アキレス腱の痛みが残っているにも関わらず運動を続けると、アキレス腱炎が再発してしまいます。

アキレス腱炎の原因は過剰な運動にあるので、再発を予防するためにも運動量を見直し、痛みがある時は運動を休むようにしてください。

アキレス腱炎になったら足底腱膜炎の併発にも注意!

アキレス腱炎になった場合、足底腱膜炎を併発する可能性があるので注意しましょう。

【足底腱膜炎(足底筋膜炎)とは】

足裏の踵(かかと)から足指の付け根を繋ぐ「足底腱膜」が炎症を起こして痛みが生じる疾患

足底腱膜の膜は、アキレス腱まで伸びているといわれています。

そのため、アキレス腱炎によって足首の可動域が狭くなり足底腱膜の柔軟性も低下することで、足底腱膜炎を併発する可能性が高いです。

以下の記事では、足底腱膜炎について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【まとめ】アキレス腱が痛くて歩けない時は早期治療が重要です

アキレス腱炎の治療は、基本的には保存療法が中心となります。運動の中止、ストレッチ、靴へのパッド挿入、薬物療法などのアプローチです。

多くの場合、これらの方法で症状は改善しますが、なかなか痛みがとれない場合は手術も検討します。ただし、手術にはリスクやデメリットもあるため、慎重に判断する必要があります。

重要なのは、アキレス腱に痛みを感じたら足をなるべく休め、早めに医療機関を受診し、医師と相談して適切な治療方法を決定することです。

特に、歩けないほどの強い痛みがある場合は、アキレス腱炎以外の深刻な病気の可能性も考えられます。そのような症状が続く場合は、速やかに専門医の診断を受けることをお勧めします。

本記事では、アキレス腱炎の基本的な治療法から重症例における手術の可能性まで幅広く解説しました。また、強い痛みがある場合に他の病気の可能性を疑うべきことも解説しました。アキレス腱の痛みに悩む方々にとって、この情報が適切な治療への第一歩となれば幸いです。早期の診断と適切な治療が、回復への近道となることを忘れないでください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設