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肘の痛みや腫れで病院を受診し、「肘頭滑液包炎」と診断されたものの軽症のためサポータの活用などの安静指示のみで終わるケースは少なくありません。 しかし、日常生活や仕事では肘を動かさないのは難しく、自分に適したサポーターを選びたいと考えている方も多くいらっしゃるかと思います。 そこで本記事では、自分の症状や生活環境に合ったサポーターの選び方や、正しい使い方を詳しく紹介していきます。 サポーターは単なる補助具ではなく、症状を悪化させずに「普段通りの生活」を取り戻すための大切なツールです。 ぜひこの記事を参考に、自分に合った対処法を見つけてください。 また当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘頭滑液包炎の症状に不安を持つ方に向けて、再生医療の症例や治療内容を紹介しています。 手術を回避し、より早く日常生活へ復帰したい方はぜひご確認ください。 肘頭滑液包炎におすすめのサポーターの選び方 肘頭滑液包炎に適したサポーターを選ぶ際は、「固定力」と「快適性」のバランスを重視することが重要です。 症状の悪化を防ぎ、回復を促すためには、自身の状態や生活環境に合ったサポーターを選定する必要があります。 固定力と可動域のバランスを重視する 素材・通気性・装着感などを比較する 下記ではサポーターのおすすめの選び方を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 固定力と可動域のバランスを重視する 肘頭滑液包炎に対応したサポーターを選ぶ際には、患部を安定させる固定力が重要です。 過度な固定は日常生活に支障をきたし、逆に固定力が弱すぎると炎症が悪化する恐れがあります。 肘頭滑液包炎は、肘を過度に使うことで滑液包(関節の滑らかな動きを助ける液体が入った袋)が炎症を起こす疾患です。 そのため、安静が最優先の対処法とされており、以下を参考にサポーターによって動きを制限することが症状の進行を抑えるカギとなります。 高い固定力を持つサポーターがおすすめの人 ↳腫れが強く、動かすだけで痛みが出る人 ↳炎症が慢性化しやすく、再発を繰り返している人 可動性が高いサポーターがおすすめの人 ↳軽度の炎症で、日常生活や仕事を続けたい人 ↳家事やデスクワークなど、ある程度肘を使う必要がある人 上記のように、症状の段階や日常生活での使い方に応じて、サポーターの「固定力と可動域」を適切に見極めることが、肘頭滑液包炎の悪化防止と回復促進のために欠かせないポイントです。 素材・通気性・装着感などを比較する 肘頭滑液包炎に使用するサポーターは、固定力だけでなく、「素材・通気性・装着感」といった使用時の快適さも重要です。 これらの要素が不足していると、かえって皮膚トラブルや長時間装着による不快感を引き起こし、継続使用が困難になる場合があります。 チェックしたい素材・通気性・装着感のポイントは以下の通りです。 項目 特徴・ポイント ネオプレン素材 高い固定力・保温性あり。蒸れやすく夏は不向き ナイロン+ポリウレタン素材 伸縮性と通気性に優れ、快適なフィット感 綿混素材 肌にやさしく吸湿性も高いが、固定力は弱め 通気性 蒸れを防ぎ、長時間の装着でも快適。特に夏場に重要 スリーブタイプ 肘全体を包み、軽度の症状に適した装着感 ベルト・バンドタイプ 一点集中の圧迫が可能。部分的なサポートに有効 その他の工夫 滑り止めや肌にやさしい縫製で快適性アップ 快適に使えるサポーターを選ぶことは、肘頭滑液包炎の継続的な対処と症状の回復に大きく影響します。 素材や通気性、装着感にも注目し、自分に合った製品を選びましょう。 肘頭滑液包炎の治療中は肘を動かさないようにすることが重要 肘頭滑液包炎は、肘関節の滑液包にたくさんの滑液がたまり、炎症を起こしている状態です。 滑液の過剰分泌の原因の1つは、肘への刺激です。 そのため、治療中は肘を動かさないようにすることが重要です。 滑液包は関節の中の緩衝材とも呼べる組織で、関節を動かすことによって刺激を受けます。 滑液を注射で抜き取るという治療を行った後も、動かしてしまうと肘頭滑液包炎を再発させてしまいます。 再発を予防するためにも、治療の後は患部を安静にするようにしましょう。 肘頭滑液包炎に効果的なサポーター・テーピングの活用方法 肘関節のサポートをするサポーターやテーピングは、肘の曲げ伸ばしの負担を軽減してくれます。 以下では、具体的なテーピング方法とサポーターの活用方法をご紹介します。 【サポーターの活用方法】 サポーターは「肘頭(肘の突起部)」をしっかり覆うように装着し、ずれないよう固定しましょう。 圧迫が強すぎると血行障害を引き起こすため、「心地よい締めつけ感」を意識することが大切です。 使用前に必ず製品付属の説明書を確認することが重要です。 テーピングの活用方法は以下の通りです。 【テーピングの方法】 巻く順番は腕 → 二の腕に向かって巻き上げるイメージです。 テープの幅1本分の隙間を作り腕にテープを巻き始めます。 2~3周かけて肘の内側まで巻き上げたら、肘の内側を斜めに横断するように二の腕側に移ります。 二の腕側でも2~3周巻き、巻き上げたときのテープとXになるようにクロスし、腕側へ戻りましょう。 腕側で1周、二の腕側でさらに1周巻いた後、テープをしっかり密着させれば完成です。 ※ポイントは肘の外側にテープを巻かないように気を付けることです。 正しく選んで、正しく使えば、サポーターは肘頭滑液包炎のセルフケアにおいて心強いパートナーになります。 自身の症状や生活スタイルに合った使い方を意識し、無理なく改善を目指しましょう。 肘頭滑液包炎の治療方法について 肘頭滑液包炎の治療は、症状の程度や発症原因に応じて「保存療法」と「医療的処置」が基本となります。 保存療法が第一選択とされており、安静・冷却・圧迫といった日常的な対処が症状の改善に有効です ただし、痛みや腫れが強く、日常生活に支障をきたす場合には医師の診断を受け、必要に応じて穿刺(せんし)や注射といった医療処置が行われます。 症状が軽度であれば、自己管理とサポーターの併用によって多くのケースで改善可能です。 ただし、痛みが強くなる、腫れが引かない、熱感が続くといった症状があれば、早めに整形外科を受診しましょう。 早期の適切な対処が、肘頭滑液包炎の早期回復と再発予防につながります。 自己治癒力を高める再生医療という選択肢 肘頭滑液包炎の症状が慢性化していたり、保存療法や薬物治療で改善が見られない場合には、「自己治癒力」に着目した再生医療という選択肢も注目されています。 肘頭滑液包炎は基本的に保存療法で回復が見込まれる疾患ですが、症状が長引くケースや再発を繰り返すケースでは、治癒力そのものが低下している可能性があります。 そんなとき、有効な選択肢の一つとして挙げられるのが、幹細胞(かんさいぼう)治療などの再生医療です。 「自己由来の幹細胞」を活用した治療は、自分の脂肪組織や骨髄などから採取した細胞を使うため、拒絶反応が起きにくいという特徴があります。 肘関節は日常的に使用頻度が高いため、安静を保つのが難しい部位です。 そのため、再発防止や根本的な組織修復を目指す再生医療は、肘頭滑液包炎の長期的な改善を求める方にとって魅力的な選択肢となり得ます。 従来の治療で満足な効果が得られなかった方や、できる限り自然な形で症状を改善したいと考える方にとって、再生医療は新たな希望となる選択肢といえるでしょう。 自分に合ったサポーターで肘頭滑液包炎を悪化させない対策を行おう 肘頭滑液包炎は、初期の対応と継続的なセルフケアによって、症状の悪化を防ぎながら日常生活を維持できる疾患です。 そのためには、「自分に合ったサポーター」を選び、正しく活用することが非常に重要です。 症状が軽度のうちからサポーターを正しく使用することで、悪化の予防や再発防止にもつながります 逆に、自己判断で合わない製品を使い続けたり、無理に動かしてしまうと、炎症の長期化や慢性化を招くおそれもあるため注意が必要です。 サポーターや保存療法で十分な改善が得られない場合には、リペアセルクリニックが提供する「再生医療」という新しい選択肢も検討してみるのがおすすめです。 リペアセルクリニックでは、自己由来の幹細胞を用いた治療によって、滑液包の慢性的な炎症を内側から抑制し、自己治癒力を高めながら回復を促す治療を行っています。 サポーターという手軽な対処から始めつつ、必要に応じて再生医療のような専門的ケアも視野に入れることで、改善の道が広がります。 最適な方法で、肘の痛みに悩まされない生活を取り戻しましょう。
2019.10.04 -
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- 肘頭滑液包炎
肘がブヨブヨに腫れて痛い原因は肘頭滑液包炎(ちゅうとうかつえきほうえん)の可能性があります。腫れや痛みが進行すると、日常生活や仕事に支障をきたすこともあるため、原因や対処法を知っておくことが大切です。 本記事では肘頭滑液包炎の症状や治療法を紹介します。 また、肘の痛みを根本的に治療できる再生医療についても紹介します。肘の問題解決の参考として、ぜひ最後までご覧ください。 肘がブヨブヨに腫れて痛い原因は肘頭滑液包炎の可能性あり 肘がブヨブヨに腫れて痛い原因として考えられるのが、肘頭滑液包炎と呼ばれる疾患です。読み方は「ちゅうとうかつえきほうえん」です。 この「ぷよぷよ・ブヨブヨ」している訳は、関節を包んでいる滑液包の中に水(滑液)がたまる現象が起きているからです。 以下で肘頭滑液包炎の症状・原因・治療方法を詳しく紹介します。 肘頭滑液包炎の症状・見た目 肘頭滑液包炎は、肘が腫れたり痛みが出たりする病気です。 たとえば、転倒した際に肘を強く打つ・繰り返し肘が圧迫されると、肘頭滑液包炎になる可能性があります。また、肘がぷよぷよ・ブヨブヨに腫れる点も肘頭滑液包炎の特徴です。 肘頭滑液包炎になる原因 肘頭滑液包炎は、肘の滑液包に炎症が生じる病気です。この炎症はさまざまな原因で引き起こされます。 肘頭滑液包炎の原因 特徴 細菌感染による炎症 肘頭滑液包炎の主な原因 外傷や動物に噛まれることなどで細菌が侵入、炎症を起きる 黄色ブドウ球菌による感染も見られる(強い痛みや腫れが特徴) 肘の過度な使用 肘を頻繁に使う動作や姿勢が要因 動作や姿勢で滑液包に負荷をかけ、炎症を引き起こす 外傷と刺激 肘をぶつける、擦るなどが要因(打撲・捻挫など) 繰り返しの強い刺激や圧迫で炎症を起こす 炎症性疾患 リウマチや痛風などが主な要因 体内で炎症を引き起こしやすい 痛風の場合は尿酸結晶が滑液包に溜まることもある その他の原因 特定の誘因がないにもかかわらず発症 体質や健康状態が影響する(免疫力の低下など) それぞれの原因に対して適切な予防策を講じることで、炎症を防げます。肘を守るためにも、日常生活やスポーツにおける肘の使い方には注意が必要です。 滑液包とは 滑液包(かつえきほう)は、人体の関節や腱の周りにある小さな袋状の組織です。滑膜と呼ばれる内膜に包まれ、中には少量の滑液が入っています。滑液包は関節部に多く、主に腱と骨・筋と骨・皮膚と骨の間に存在します。 これらの場所では、動作によって構造同士がこすれ合うことが多く、滑液包がクッションの役割を果たして摩擦を軽減します。 肘頭滑液包炎の治療方法 肘頭滑液包炎の治療方法は、保存療法・手術療法・投薬療法の3つです。くわえて、治療に役立つ滑液の検査が存在します。症状や状態にあわせて、それぞれの治療法を専門医が選択します。 以下で治療法を詳しく解説するので、治療のイメージをつけていただけると幸いです。 保存療法 肘頭滑液包炎の主な治療方法は保存療法です。 保存療法の内容 滑液包内の液体過剰の場合 注射で液体を吸引除去 感染による滑液包炎の場合 抗生物質の投与 感染のない滑液包炎の場合 肘の挙上 冷却療法 圧迫 液体を吸引除去 非ステロイド性抗炎症薬 ステロイド注射 上記のように専門医の判断の下、症状に応じて適切な保存的治療を選択します。 手術療法 保存的な治療で改善しない場合は、手術による治療が検討されます。 感染が続く場合、手術で直接感染部分を取り除くこともあります。対して、感染でない場合は以下の手術を行うことがあります。 手術は症状の改善と再発の予防に期待できますが、侵襲的(患者さんの体に直接的に手を加える)な治療です。 そのため、患者さんの状態を十分に評価し、的確な手術方法を慎重に検討する流れになります。 投薬療法 滑液包炎が感染によるものであれば、抗生物質の使用が一般的です。 一方で感染が原因でない場合は、以下の方法で炎症を抑えます。 感染でない場合には、液体を抜き取ることに加えて、ステロイドによる注入も検討します。これにより、顕著な炎症を抑制できます。 抜き取った滑液の検査 滑液包炎は、滑液が出血を伴って貯留する特徴があります。 局所的に発赤や熱感を伴う場合には、滑液を穿刺(せんし)による細菌培養検査の実施が推奨されます。検査の内容に応じて感染の有無を確認できるため、適切な治療を行えます。 肘頭滑液包炎の予防方法 肘頭滑液包炎の原因が肘の過度な使用や刺激の場合、肘を安静にして動かさないようにしましょう。 炎症を起こしている滑液包は刺激に敏感なので、関節を動かしてしまうと肘頭滑液包炎が再発してしまう場合があります。 具体的には、テーピングや副子(そえこ)と呼ばれる板のような装具で固定します。テーピングを使用する場合は肘を軽く曲げ、腕から二の腕に向かって固定するイメージで行いましょう。 詳しいテーピングの方法は以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。 肘頭滑液包炎と似ている蜂窩織炎との違いについて 肘頭滑液包炎と症状が似ている蜂窩織炎(ほうかしきえん)との違いについて以下の表にまとめました。 どちらも痛みを伴い赤く腫れる病気ですが、腫れの範囲や症状が異なります。 比較項目 肘頭滑液包炎 蜂窩織炎 主な原因 外傷や過度の使用、感染症 細菌による感染症 腫れの範囲 局所的 広い 症状 痛み、腫れ、感染症の場合は熱感 痛み、腫れ、赤み、腫れている部位が熱を持っている、押すと痛みを感じる 肘頭滑液包炎は腫れている部位が狭く、赤みはありません。受診の際の参考にしてみてください。 肘がブヨブヨに腫れて痛い方からよくある質問 肘がブヨブヨに腫れて痛む症状に悩む方々から、さまざまな質問が寄せられています。 この項目ではそうした疑問に答え、適切な対処法や治療の選択肢について解説します。 注射による吸引は癖になる? 注射による吸引治療は一時的に症状を緩和できます。滑液吸引自体に依存性はありませんが、滑液は再びたまることもあり、これが癖になると感じられる要因です。 ここで理解しておきたい点としては、「何度も水を抜くから炎症が慢性化するのではなく、炎症が慢性化しているために何度も水がたまる」ことで、決して癖になっている訳ではありません。 慢性化した滑液包炎の場合、根本的な原因を取り除くことが必要です。物理的な刺激を避け、原因となる疾患の治療に力を入れることが大切です。 肘が腫れて痛いときは何科を受診すれば良い? 肘が腫れて痛む場合は、整形外科の受診をおすすめします。 整形外科医は、筋骨格系の専門家として肘の腫れや痛みの原因を適切に診断し、適切な治療法を提案できます。症状の原因が肘頭滑液包炎や関節炎、腱炎などの場合、整形外科で適切な診断と治療を受けられます。 肘に水がたまる肘頭滑液包炎は自然に治癒する? 肘頭滑液包炎は、適切なケアと時間があれば自然に治癒する可能性があります。しかし、個人差が大きく、症状の程度や原因によって治癒までの期間が異なります。 軽度の場合は安静や冷却などの保存療法を講じ、数週間で改善する傾向にあります。ただし、重度の場合や繰り返し発症する慢性的な状態では、自然治癒が困難なケースもあります。 また、長期間放置すると、滑液包の肥厚や線維化が進行し、完全な回復が難しくなる可能性もあります。そのため、症状が長期間続く場合や、痛みが強い場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。 肘がブヨブヨに腫れているけど痛くないときは? 肘がブヨブヨに腫れているが痛みがない場合、慢性的な肘頭滑液包炎や別の病態の可能性があります。 痛みがないからといって軽視せず、適切な対応が必要です。慢性的な肘頭滑液包炎では、急性期の炎症が落ち着いた後も滑液包内に液体が貯留し続け、痛みを伴わないブヨブヨとした腫れが残ることがあります。 そのため、痛みがなくても油断は禁物です。炎症が起きているから水が貯まることを理解し、医療機関を受診しましょう。 繰り返す肘頭滑液包炎を治療するには? 肘頭滑液包炎は、肘を安静にしていないと再発してしまう可能性がある病気です。腫れを繰り返してしまう場合は、再生医療による治療も検討してみましょう。 再生医療とは自身のお腹の脂肪から幹細胞を抽出し、点滴や注射で患部に送り込む治療法です。幹細胞は、骨や筋肉などさまざまな細胞に変化する能力があります。そのため、手術をしないで肘頭滑液包炎による痛みを根本から解決できる可能性があります。 当院では、再生医療を取り扱っていますのでお気軽にお問い合わせください。 肘のブヨブヨした腫れと痛みが続く場合は整形外科を受診 肘頭滑液包炎は、肘の周囲にある滑液包が炎症を起こす病気です。肘の外傷や過度の使用・感染・または基礎疾患によって引き起こされ、腫れや痛みが伴います。 症状が長引く場合は、整形外科の受診を検討しましょう。肘頭滑液包炎を防ぐためにも適切な姿勢や動作を心掛け、肘頭の外傷を防ぐ意識も大切です。 また、肘の痛みにお悩みの方は再生医療による治療も選択肢の一つです。手術を伴わず、低リスクで早期の完治が期待できます。
2019.09.30 -
- 肘頭滑液包炎
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肘頭滑液包炎の原因と症状、手術しなくても治るのか 肘頭滑液包炎をご存じですか?肘が腫れたり痛みが出たりする病気です。 例えば、転倒した時に肘を強くぶつけたり、繰り返し肘が圧迫される刺激が加わると、肘頭滑液包炎になる可能性があります。 今回は、肘頭滑液包炎になってしまった時、「どのような治療が必要なのか」「手術をしなくても治るのか」といったことについて解説しましょう。 肘頭滑液包炎の症状 ・肘の外側や内側に赤みや腫れが見られる ・肘を曲げ伸ばし、回したりすると痛みが出る ・肘の動きが制限される ・肘に触れると熱を持っている ・発熱や倦怠感などの全身に症状が出る(感染性の場合) 肘頭滑液包炎の治療と手術が必要な場合 肘にある滑液包が炎症を起こすことにより、黄色く透明な液が溜まり、関節が腫れた状態になるのが肘頭滑液包炎です。 肘を強くぶつけるなど、外傷が原因であれば、溜まった液には血液が混ざっている場合があります。初期の症状であれば注射針を刺して滑液包に溜まった液を抜き、圧迫包帯をして肘を安静に保つのが一般的な治療です。 また、炎症を鎮める飲み薬が出されることもあるでしょう。 しかし、注射針で滑液包に溜まった液を抜いても繰り返し腫れてしまう場合は、手術が必要になります。また、感染によって病気になってしまった場合にも手術が必要です。 手術が必要な場合 ・滑液包に溜まった液を抜いても ⇒ 繰り返し腫れてしまう場合 ・細菌やウイルスなどの感染が滑液包に及んで病気になってしまった場合 肘頭滑液包炎になる原因は? 肘頭滑液包炎は、肘の部分に何度も繰り返し機械的な刺激が加わるによって、炎症が起き、腫れや痛みが出る症状なので、例えば、畳職人によくみられます。 また、以下のような原因によっても発症することがあります。 肘頭滑液包炎の原因 ・外傷1:肘への強い衝撃や摩擦で滑液包が傷ついたり刺激される。転倒などで肘を強くぶつける。 ・外傷2:机や肘かけなどで長時間、圧迫や刺激が加わる ・反復動作:テニスやゴルフなどスポーツ。パソコン、楽器など肘を何度も曲げたり、伸ばしたり、回する動作で滑液包へ過度な負担。 ・感染:細菌やウイルスなどの感染が滑液包に及ぶと、化膿性の肘頭滑液包炎を引き起こす。 ・その他:血液透析を受けている患者さん(長時間同じ姿勢でベッドに寝ているので) このような原因が挙げられますが、感染が原因でない限り、初期の状態で治療を開始すれば、手術が必要になってしまうことはほとんどありません。 滑液包とは何? 滑液包は、腱や筋の間、筋と筋の間、腱と骨の間など関節の近くにあります。 関節が運動する際にさまざまな組織の摩擦が起きるのを減少し、滑らかな関節運動を助ける役割を持った袋状の組織で、袋の中には滑液という液体が入っています。この部分に炎症が起きると、しばしば黄色く透明な液が溜まってしまいます。 滑液包に溜まった液体は何度も抜くとクセになる? 肘頭滑液包炎によって炎症が長く続いてしまった場合には、滑液包に溜まった液体を何度も注射針で抜かなければいけなくなります。これが慢性化した状態です。 肘頭滑液包炎が慢性化した場合は、手術が必要です。 水を抜くとクセになると、よく耳にしますが、滑液包に液体が溜まるのは炎症による反応ですから、クセにはなりませんので安心してください。 まとめ・肘頭滑液包炎の原因と症状、手術しなくても治るのか 肘頭滑液包炎になってしまっても、初期に治療をしておけば、手術になる可能性は高くありません。 肘が炎症を起こさないように、同じ場所を繰り返し圧迫されるようなことは避けると予防になります。肘かけや肘をついて寝てしまったりすることなどに注意しましょう。 もし、肘に痛みが発生したり腫れを見つけたりしたら、早めに専門医に相談しましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2019.09.27