-
- 糖尿病
血糖値を下げるためのインスリンを分泌するβ細胞は、一度破壊されてしまうと完全に元通りにすることは、一般的な治療では非常に困難とされています。 そのため、「糖尿病になったら治らない(完治しない)」と言われています。 しかし、従来の治療でも、症状が落ち着いて健康な人と大きく変わらない状態を指す「寛解(かんかい)」を目指すことは可能です。 本記事では、糖尿病がなぜ治らないと言われるのか、現在の治療目標となる寛解について詳しく解説します。 「治らない」という言葉の真意を正しく理解し、病気とうまく付き合いながら健康な人生を送るためのヒントとしてお役立てください。 また、従来の治療では完治しないとされている糖尿病に対して、損傷した膵臓の機能改善が期待できる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した膵臓や血管の再生・修復を促す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでは、糖尿病の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 糖尿病はなぜ治らないと言われるのか【1型・2型】 糖尿病が「治らない」と言われる理由は、血糖値を調節する膵臓(すいぞう)の機能や、遺伝的な体質を根本から「発症前の状態」に戻すことが医学的に難しいからです。 1型糖尿病|破壊された膵臓を再生できないため 2型糖尿病|体質を変えられないため 糖尿病は、風邪が治るようにウイルスが消えて元通りになるのとは異なり、「症状をコントロールし続ける必要がある病気」と捉えられています。 それぞれのタイプごとに、なぜ完治が難しいのか、そのメカニズムを見ていきましょう。 1型糖尿病|破壊された膵臓を再生できないため 1型糖尿病は、自己免疫の異常などが原因で、インスリンを分泌する膵臓の「β(ベータ)細胞」が破壊されてしまうタイプです。 現在の標準的な医療では、一度死滅してしまったβ細胞を自然に再生させたり、修復したりすることはできません。 体内でインスリンを作ることが物理的に不可能になってしまうため、長期にわたって外部からインスリンを補い続ける必要があります。 しかし、近年の治療では、自己細胞を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す「再生医療」が注目されています。 >>再生医療の治療について確認する 2型糖尿病|体質を変えられないため 2型糖尿病は、遺伝的な「インスリンの働きが弱い体質」に、過食や運動不足などの環境要因が重なって発症するタイプです。 治療によって血糖値が正常に戻ったとしても、それはあくまで良い状態を保っているだけであり、「糖尿病になりやすい体質」そのものが変わったわけではありません。 正常な数値に戻った後に以前のような生活習慣に戻れば、休ませていた膵臓に再び負担がかかり、いつでも高血糖の状態に逆戻りしてしまう可能性があります。 適切な治療を続けていれば症状が落ち着いた状態を維持できるケースもあるため、自己判断で薬を中止しないようにしましょう。 糖尿病の完治は難しいが「寛解」は目指せる 現代の医療において、糖尿病を完全に治す「完治」は難しいものの、症状が落ち着いた状態を指す「寛解(かんかい)」を目指すことは可能です。 糖尿病からの回復を諦める前に、まずは「寛解」について正しく理解しておきましょう。 完治と寛解の違い 糖尿病の寛解を妨げる要因 以下で詳しく解説していきます。 完治と寛解の違い 完治と寛解の大きな違いとして、「再発の可能性」や「経過観察の必要性」が挙げられます。 項目 完治 寛解 状態 病気の原因が完全に治った状態 症状が落ち着いている状態 薬の使用 不要 必要(不要になるケースもある) 再発リスク 基本的になし 治療、生活習慣次第であり得る 経過観察の必要性 不要 定期的なチェックが必要 完治とは、病気の原因が完全に消失し、再発の可能性がなくなった状態を指しているため、治療や経過観察などは不要です。 一方で、寛解は病気の原因は消失していないものの、症状が落ち着いている状態のことを指します。 あくまで「現時点で症状が落ち着いているだけ」なので、薬の服用や経過観察は医師の判断に従う必要があります。 糖尿病の寛解を妨げる要因 全ての人が寛解に至るわけではなく、罹患期間の長さや膵臓(すいぞう)の機能低下が大きな壁となることがあります。 糖尿病の寛解を妨げる要因は、以下のとおりです。 罹患期間が長い|発症してから長期間放置したり、高血糖の状態が長く続いたりしている インスリン分泌機能の低下|膵臓の細胞が破壊され、自力でインスリンを出す力がほとんど残っていない 重度の肥満|内臓脂肪が多く、インスリンの効きが悪い状態(インスリン抵抗性)が改善されていない 複数の要因が重なっている場合は、インスリンを出す機能(β細胞の機能)が既に限界を迎えている可能性が高く、寛解へのハードルが上がるとされています。 しかし、これらに当てはまる場合でも、合併症を防いで現状を維持することは可能です。 糖尿病の寛解を目指すための治療法 糖尿病の寛解を目指すために重要なのは、疲弊した膵臓(すいぞう)を休ませ、本来の機能を取り戻す環境を作ることです。 主に以下の治療を組み合わせて行います。 薬物療法|膵臓の負担を減らし、血糖コントロールを助ける 運動療法|インスリンが効きやすい体を作る 食事療法|血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓への刺激を抑える それぞれの治療法について詳しく確認していきましょう。 薬物療法 糖尿病における薬物療法では、インスリンの分泌を促進させたり、血糖値を下げたりする効果が期待できる内服薬や注射を用います。 高血糖の状態が続くと「糖毒性」によってさらにインスリンが分泌されにくくなる悪循環に陥るため、薬を使って強制的に血糖値を下げることで、この糖毒性を解消し、膵臓を休息させることができます。 薬物療法によって機能が改善すれば徐々に薬を減らし、最終的に薬に頼らなくても血糖値が正常範囲でコントロールできるケースもゼロではありません。 自己判断で中断せず、医師の指示通りに服薬することが寛解への第一歩です。 運動療法 糖尿病における運動療法では、血液中のブドウ糖を筋肉に取り込ませて直接血糖値を下げる効果と、インスリンの効きを高める長期的な効果が期待できます。 特にウォーキングなどの「有酸素運動」とスクワットなどの「筋力トレーニング(レジスタンス運動)」の組み合わせが効果的です。 筋肉量が増えると、それだけ糖を消費する容量が大きくなるため、太りにくく血糖値が上がりにくい体作りにつながります。 まずは医師の判断のもと無理のない範囲で、ウォーキングやスクワットなどの運動を習慣化してみましょう。 食事療法 糖尿病における食事療法の目的は、膵臓に過度な負担をかける「食後の急激な血糖上昇(血糖スパイク)」を防ぐことにあります。 食事療法の主なポイントは、以下のとおりです。 規則正しい食生活を送る|1日3食をしっかり食べる 栄養バランスを意識する|炭水化物・たんぱく質・脂質をバランス良く摂る 食物繊維豊富な食品を摂る|野菜・海藻・きのこ類を積極的に摂る 低GI食品を選ぶ|玄米・そば、大麦など血糖値が上がりづらい食品を選ぶ 炭水化物(糖質)の量を適正にコントロールしつつ、食物繊維が豊富な野菜から先に食べる「ベジファースト」を実践するだけでも、血糖値の上昇は緩やかになります。 「何を食べるか」も大切ですが「どう食べるか」を見直すことで、インスリンの無駄使いを防ぐことにつながります。 糖尿病の根本治療に期待されている再生医療 従来の治療では「完治が難しい」とされていた糖尿病ですが、近年では「再生医療」による治療が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した膵臓や血管の再生・修復を促す医療技術です。 低下した膵臓の機能が改善することで、薬に頼らずともインスリンの分泌量を増加させたり、血管内で糖の吸収を促進したりする効果が期待できます。 以下の動画では、再生医療によって糖尿病性網膜症が改善した症例を紹介しているので、ぜひご覧ください。 https://youtu.be/kwfVj9ukcwg?si=ebPSn7p7idj4Ne1m 当院リペアセルクリニックでは、糖尿病の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 糖尿病はなぜ治らないのか|適切な治療で「寛解」を目指すことが大切 糖尿病は、一度発症すると膵臓の機能を完全に戻す「完治」は難しい病気ですが、適切な治療で健康な人と変わらない状態である「寛解」は十分に目指せます。 「治らない」という言葉に悲観せず、まずは主治医と相談しながら、ご自身に合った治療法を根気よく続けていくことが大切です。 また、近年の糖尿病の治療では、損傷した膵臓の機能改善が期待できる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した膵臓や血管の再生・修復を促す医療技術です。 現状の治療に限界を感じている方は、糖尿病の新たな治療選択肢としてぜひご検討ください。
2025.12.26 -
- 糖尿病
- 再生治療
50代になると、疲れやすさや眠りの浅さを「年齢のせい」「更年期かも」と受け止めてしまうことがあります。 しかし、同じように見える不調の中に、血糖の異常が隠れていることもあります。 特に糖尿病の初期症状は目立ちにくく、忙しさの中で後回しになりがちです。 「病院に行くほどではない」と我慢を重ねるほど、確認のタイミングを逃してしまいます。 そこで本記事では、50代女性が見逃しやすいサインを整理し、受診の目安までをわかりやすく解説します。 糖尿病の初期に症状が出にくい理由 糖尿病の初期は自覚症状が乏しいことが多く、体調不良として気づきにくい段階があります。 血糖が高めでも、すぐに強い痛みや発熱のような「分かりやすい異常」が出るとは限りません。 そのため、「何となくだるい」「最近太りやすい」といった曖昧な変化で終わってしまうことがあります。 一方で、症状が軽くても血糖の高い状態が続くと、合併症リスクが高まりやすい点は注意が必要です。 糖尿病の初期に起こりやすい症状 糖尿病の初期に起こりやすい症状は、日常の不調として紛れやすい一方で、組み合わせで見るとヒントになります。 まずは、代表的な症状を「どれが当てはまるか」という視点で整理しましょう。 【糖尿病の初期に起こりやすい症状】 喉の渇き・水分をよく飲む トイレが近い・尿量が増える 疲れやすい・だるい・集中しづらい 体重減少・視界がかすむ・傷が治りにくい 同じ症状でも、季節や生活状況で起こることはあります。 ただし「前より増えた」「複数が同時に続く」ときは、いったん血糖の確認を優先するほうが安心です。 喉の渇き・水分をよく飲む 喉の渇きが続く場合は、体が水分を必要以上に求めているサインのことがあります。 夏の暑さや暖房の乾燥でも喉は渇きますが、「飲んでも渇く」「夜間も水が手放せない」といった形で続くと不安が強まります。 糖尿病では血糖が高い状態が続くと、体が余分な糖を尿として排出しようとし、水分も一緒に失われやすくなるため、渇きにつながることがあります。 実際、糖尿病の代表的な症状として強い口渇が挙げられています。 参照:American Diabetes Association “Warning Signs and Symptoms” 「気のせい」で片づける前に、ほかの症状(尿の回数、疲れ)も合わせて確認してみてください。 トイレが近い・尿量が増える トイレが近い状態が続く場合は、飲水量だけで説明できない可能性があります。 年齢とともに夜間頻尿が増えることはありますが、「最近急に増えた」「夜に何度も起きる」が続くと生活の質が下がります。 糖尿病の症状として頻尿が挙げられており、渇きとセットで出ることも少なくありません。 夜間のトイレが増えると睡眠が分断され、翌日の疲れや集中力低下にもつながります。 「睡眠の問題」として扱ってしまう前に、血糖の確認も視野に入れてください。 疲れやすい・だるい・集中しづらい 疲れやすい状態が続くときは、仕事や家事の段取りが崩れ、「気力の問題」と誤解されやすくなります。 50代は更年期や睡眠不足、ストレスでも疲れが出やすい年代で、原因が一つに決めにくいのが現実です。 その中で糖尿病でも疲労感が症状として挙げられており、ほかのサインと組み合わさると見逃しにくくなります。 「休んでも戻らない」「以前より集中が続かない」と感じる場合は、血液検査で客観的に確認することが近道です。 体感だけで頑張り続けるほど、不安が積み上がってしまいます。 体重減少・視界がかすむ・傷が治りにくい 傷が治りにくいと感じる場合は、皮膚や血流、免疫の働きが落ちている可能性も考えます。 また「視界がかすむ」「ピントが合いにくい」といった変化も、疲れ目と区別がつきにくく、放置されやすいポイントです。 糖尿病の症状として、かすみ目や治りにくい傷、体重減少などが挙げられています 体重減少は食事量が減ったために起こることもありますが、意図していないのに減っていく場合は早めの相談が必要です。 いずれも「単発なら様子見」になりがちですが、複数が同時に続く場合は受診で整理したほうが安心です。 50代で紛らわしい更年期症状と糖尿病が“被る”ポイント 更年期症状と糖尿病が被る場面は少なくなく、「どちらだろう」と迷うこと自体がよくあります。 更年期では、ほてり・寝汗・気分の変動・睡眠の乱れなどが起こり得るとされています。 参照:NHS “Menopause symptoms” 一方で糖尿病も疲労感や頻尿など、生活の中で起こりやすい不調として現れることがあります。 つまり、体感だけで切り分けようとすると迷いやすいのが自然です。 「更年期かもしれない」と思っていても、血糖は採血で確認できるため、並行してチェックするほうが不安を減らせます。 女性で気づきやすい“見逃しサイン” 女性で気づきやすい見逃しサインとして、感染症や皮膚トラブルなど“別の悩み”として出てくることがあります。 これらは生活の支障が大きいのに、糖尿病と結びつかず、治療が長引いてしまう原因にもなります。 【女性で気づきやすい見逃しサイン】 膀胱炎(尿路感染)を繰り返す 腟カンジダなどの感染が増える 皮膚トラブル(かゆみ等)や治りにくさが続く 「婦人科や皮膚科で治療しているのに、また繰り返す」というときは、背景に血糖の問題がないかも確認してみてください。 原因が見えると、対策の方向性がはっきりします。 膀胱炎(尿路感染)を繰り返す 膀胱炎を繰り返す場合は、体質や水分摂取だけでなく、血糖コントロールの影響も関係することがあります。 「また同じ症状」と感じるたびに仕事や家事の予定が崩れ、気持ちが落ち着かなくなる方も少なくありません。 CDCは、女性の糖尿病では尿路感染症(UTI)のリスクが高い点に触れています。 参照:CDC “Diabetes and Women” もちろん、UTIの原因は糖尿病だけではありません。 ただし繰り返す場合は「感染の治療」と並行して「背景の確認」を進めたほうが、再発の不安を減らしやすくなります。 腟カンジダなどの感染が増える 腟カンジダが増える場合は、血糖が高い状態が影響することがあります。 デリケートな悩みほど相談しづらく、自己判断で市販薬を繰り返してしまい、長引くことがあります。 CDCでは、女性の糖尿病では腟の酵母感染(いわゆるカンジダ)のリスクが高いことを示しています。 参照:CDC “Diabetes and Women” 「繰り返す」「治りきらない」ときは、婦人科での確認に加えて血糖の検査も同時に行うと原因が整理しやすいです。 再発を止めるための手順として、デリケートゾーンの悩みを軽視せず、受診を考えることが重要です。 皮膚トラブル(かゆみ等)や治りにくさが続く 皮膚トラブルが続く場合は、乾燥やアレルギーだけでなく、血糖の影響を受けていることもあります。 掻き壊しが増えると、見た目や痛みが気になり、外出や仕事にも影響が出てしまいます。 糖尿病の症状として「傷が治りにくい」ことが挙げられており、皮膚の問題として気づく人もいます。 参照:CDC “Diabetes Symptoms” 皮膚科での治療を受けつつ、必要に応じて内科で血糖を確認する流れが現実的です。 「皮膚だけの問題」と決めつけず、全身の状態として整理しましょう。 受診の目安 受診の目安は「症状が強いか」だけでなく、「続くか」「増えるか」で判断すると迷いにくくなります。 【受診を検討したい目安】 喉の渇き・頻尿が以前より明らかに増えている だるさが数週間以上続き、生活に支障が出ている 視界のかすみ、傷の治りにくさが続いている 尿路感染や腟カンジダなどを繰り返している 家族歴がある、健診で血糖を指摘されたことがある 糖尿病の診断は採血などの検査で進められ、症状だけで決めるものではありません。 参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「糖」尿病 迷う場合は「不安を消すために検査する」と考えると、受診のハードルが下がります。 早めに数値を確認できれば、生活を整える判断も取りやすくなります。 治療が長引く・合併症が心配な場合の再生医療という選択肢 合併症が心配な場合は、まず内科で血糖管理と合併症評価を進めることが基本になります。 そのうえで、症状によっては、研究や自由診療として再生医療が選択肢として検討される領域もあります。 リペアセルクリニック大阪院では、長引く症状について状態評価と選択肢の整理を重視し、必要に応じて相談を受け付けています。 「何を優先して治療すべきか」が分からない状態のまま我慢を続けると、不安だけが大きくなってしまいます。 気になる症状が続く場合は、いまの状況をいったん棚卸しし、選択肢を比較したうえで判断することが大切です。 リペアセルクリニック大阪院の特徴 内容 相談の軸 症状の経過/生活で困る場面/既往・治療歴の整理 治療の視点 痛み・しびれ等の訴えの切り分け/日常動作の負荷評価/併発要因の確認 提案の方向性 現状の治療の最適化/生活設計の調整/必要時の治療選択肢の比較 サポートの考え方 不安の論点整理と意思決定支援/長期の負担軽減を意識した案内 【相談時に整理しておくと役立つこと】 いつから、どの症状が続いているか(渇き・頻尿・だるさ等) 生活で困る場面(仕事中、夜間、家事など) 健診結果(血糖・HbA1c)や指摘内容 感染症や皮膚トラブルの頻度(繰り返しの有無) 整理してから相談すると、必要な検査や確認事項が明確になり、話が進みやすくなります。 「受診すべきか迷う」段階でも、判断材料をそろえる意味は十分にあります。 50代の糖尿病は“症状で悩む時間”より、“数値で確かめる”が安心への近道 50代の糖尿病は症状が曖昧なまま進むことがあるため、迷い続けるより検査で確認するほうが安心につながります。 特に女性では、更年期症状と重なって判断が難しくなり、受診のタイミングが遅れやすい点が注意点です。 喉の渇き・頻尿・だるさ・感染の繰り返しなどが重なる場合は、早めに内科で血糖を確認してください。 状態を把握できれば、生活改善や治療の選択が具体的になり、不安が整理されます。 「このまま様子見でいいのか」と感じる場合は、早めの判断で安心を取り戻しましょう。
2025.12.26 -
- 糖尿病
健康診断で糖尿病が判明すると、医師から炭水化物を控えるようにいわれる場合があります。 しかし、ご飯やパンをどのくらい制限したらよいのかわからず、炭水化物の摂取量に悩んでいませんか? 自分だけ主食を制限すると、家族と同じ食事ができないため、ストレスに感じてしまう場合も。 本記事では、糖尿病と炭水化物の関係について、正しい知識や食事の工夫などを解説します。 根本治療を目指せる「再生医療」も紹介しますので、糖尿病に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。 >再生医療による糖尿病の症例はこちら 糖尿病と炭水化物の関係 炭水化物には糖質と食物繊維が含まれており、糖尿病との関係は以下のようになります。 血糖値が上がると膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌され、エネルギーや脂肪などに変わるため、結果的に血糖値は下がります。 しかし、膵臓の機能低下などでインスリンの分泌量が減ると、常に血糖値が高い状態になってしまい、糖尿病を引き起こす可能性が。 炭水化物を摂取する際は、「糖質は少なめ、食物繊維を多め」を意識しておきましょう。 糖尿病の方向けの炭水化物の具体的な摂取量の目安 糖尿病の方が食事をする場合、炭水化物の摂取量は「総エネルギーの50~60%」が目安です。 一食あたりの糖質量を食品別にあらわすと、以下のようになります。 食品の種類 一食あたりの摂取量(g)と糖質量の目安 ご飯 半膳程度(摂取量70g、糖質量26g) パン 6枚切りの食パンを1枚(摂取量60g、糖質量26g) 麺類 即席ラーメン1玉(摂取量80g、糖質量70g) うどん1玉(摂取量250g、糖質量52g) そば1玉(摂取量180g、糖質量48g) 果物 中玉のリンゴ1/2個(摂取量150g、糖質量13g) Mサイズのみかん1個(摂取量100g、糖質量7.4g) ラーメンなどの麺類はスープの糖質が高いため、すべて飲み干さないように注意しましょう。 炭水化物は野菜にも含まれていますが、繊維質の多いものは血糖値を抑えられるので、積極的な摂取をおすすめします。 ブロッコリーやキャベツ、オクラなどの野菜は食物繊維が多く、糖質の消化吸収をゆるやかにしてくれます。 芋類は糖質が多いので、糖尿病の治療中は摂取量を控えておくとよいでしょう。 炭水化物の食べ方・選び方の工夫 糖尿病の方が炭水化物を摂取する場合、食べ方や食品の選び方に工夫が必要です。 食事の際には早食いを避け、ゆっくり噛んで食べると血糖値の急上昇を抑えられます。 たんぱく質も糖質の吸収をゆるやかにする働きがあるので、食物繊維の多い炭水化物と一緒に摂取するとよいでしょう。 また、血糖値の上昇を抑えるGI値の低い食品や、血糖値に影響しにくいGL値の低い食品もおすすめです。 GI値やGL値が低い食品には玄米や雑穀米、葉物野菜や大豆製品などがあります。 外食やコンビニエンスストアのお弁当が多い方は、糖質を摂り過ぎないよう、栄養バランスに注意しましょう。 たとえば、ラーメンとチャーハンのセットは糖質が多いので、外食の際にはサラダ付きの定食メニューなどがおすすめです。 長期的な健康維持のためにできる改善方法 糖尿病は完治が難しいため、食事療法で炭水化物をコントロールする必要があります。 ただし、好きなものを食べられず、量も少ない食事はストレスを感じやすいため、あまり長続きしない方もいらっしゃいます。 食習慣をもとに戻すと糖尿病が進行し、網膜症や神経障害などの合併症を引き起こす恐れも。 糖尿病の進行を抑制し、合併症も予防したい場合は、「再生医療」を選択肢に入れてみましょう。 再生医療は最先端の医療技術になっており、幹細胞の働きで臓器や血管のダメージを修復できます。 糖尿病の治療には以下の効果を期待できるので、根本的な治療を目指せます。 再生医療は自分の幹細胞を抽出し、体外培養して患部に投与するため、アレルギー反応などのリスクが低い治療法です。 手術や入院も必要ないので、忙しい方でも治療を継続できます。 運動量を増やし、食事を制限しても効果がなかった方は、ぜひリペアセルクリニック大阪院にご相談ください。 リペアセルクリニック大阪院では再生医療を活用し、糖尿病の改善に成果を上げています。 糖質の量と質を工夫すれば、我慢しなくても血糖コントロールは可能 糖尿病になった場合は、食事の摂り方や、食品の選び方を工夫してみましょう。 糖質や食物繊維の量に注意すると、我慢しなくても血糖コントロールが可能です。 ただし、重度の糖尿病は糖質制限が厳しくなるため、食事の楽しみを奪われてしまう恐れがあります。 糖質をゆるやかに制限し、糖尿病の根本治療も目指したい場合は、再生医療を選択肢に入れておくとよいでしょう。 再生医療の効果や、自分に合う治療法かどうか判断したい方は、リペアセルクリニック大阪院の無料相談をご活用ください。 リペアセルクリニック大阪院には再生医療の専門医が在籍しており、糖尿病の治療方針などをじっくり相談できます。
2025.09.30 -
- 糖尿病
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
- ひざ関節
- 股関節
- 幹細胞治療
医療技術は日々進歩し、これまで治療が難しかった疾患に対しても新たな選択肢が生まれています。 「再生医療」の中核をなす「幹細胞治療」の発展は、損傷した組織の修復や機能回復といった従来の治療法では限界のあった領域に新たな可能性をもたらしています。 本記事では、「幹細胞治療」とは具体的にどのような治療なのか、どのような病気や症状への効果が期待されているのかを解説します。 「幹細胞治療」について詳しく知りたい方、新たな治療の選択肢として検討されている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、幹細胞治療をはじめとする再生医療に関する治療法や症例を公開しています。 今までできなかったことが再生医療によってできる可能性がある新たな治療法なので、合わせてご参考ください。 幹細胞治療とは先端医療である再生医療の一つ 幹細胞治療とは「幹細胞」の能力を利用して、病気やケガで傷ついた組織や臓器の修復・再生を目指す先端医療の一つです。 幹細胞治療のポイント 幹細胞は様々な細胞に変化、自己複製が可能 患者さま自身の幹細胞を採取・培養し、注射や点滴で体内に戻す 幹細胞によって損傷した細胞や組織の修復・再生が期待できる 患者さま自身の細胞を用いるため拒絶反応リスク低い 幹細胞は、皮膚・筋肉・骨・神経など、私たちの体を作る様々な細胞に変わることができる「分化能」と自分と同じ細胞を複製して増やすことができる「自己複製能」という二つの特徴を持っています。 幹細胞治療では、幹細胞の力を借りて、ダメージを受けた体の部分の機能回復を目指します。 具体的には、患者さまご自身の脂肪や骨髄などから幹細胞を取り出し、培養して数を増やした後に患部への注射や点滴で投与します。 幹細胞治療の費用 幹細胞治療は、新しい医療技術を用いた治療法であり、現在では多くの場合、公的医療保険が適用されない「自由診療」となります。 当院リペアセルクリニックの幹細胞治療の料金は、以下の通りです。 治療対象 費用相場(1回あたり・税込) 関節疾患(膝・股関節・肩など) 約132万円 ~ 198万円 脳卒中・糖尿病・肝臓疾患・慢性疼痛 約242万円 脊髄腔内投与 約242万円 顔の美容 約165万円 上記はリペアセルクリニックにおける一例ですが、治療の対象となる疾患の種類・幹細胞の採取方法や培養方法など、さまざまな要因で費用は大きく変動します。 そのため、実際に幹細胞治療を検討される際にはクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の症状に合った治療内容と総額費用について十分に説明を受けましょう。 幹細胞治療ではどんな病気が治せる? 幹細胞治療は整形外科領域の疾患から内科系疾患、さらには美容分野に至るまで、幅広い病気や症状に対して、その効果が期待され研究・治療が進められています。 幹細胞治療の対象となる主な病気・症状の例は、以下の通りです。 分野 主な対象となる疾患・症状(例) 整形外科領域 (関節・骨・スポーツ外傷) ・変形性膝関節症 ・変形性股関節症 ・半月板損傷 ・腱板損傷などの肩の痛み ・スポーツ外傷(関節痛・機能障害) ・骨粗しょう症 など 脳神経・脊髄領域 ・脳卒中の後遺症(麻痺、しびれ、言語障害、記憶障害など) ・脊髄損傷の後遺症(麻痺、歩行障害など) ・アルツハイマー型認知症 ・パーキンソン病 ・末梢神経障害 ・ヘルニア術後の後遺症 など 代謝・内分泌・消化器領域 ・糖尿病 ・肝機能障害(肝硬変、劇症肝炎・肝炎後遺症など) ・腎疾患(慢性腎臓病) など 循環器領域 ・虚血性心疾患(心不全、心筋梗塞後遺症、狭心症など) ・心疾患による不整脈 など 美容・アンチエイジングなど ・肌のシワ・たるみ改善 ・肌の老化防止 ・アレルギー性皮膚炎 ・毛髪再生(薄毛・AGA治療) ・男性機能回復(ED) ・更年期障害 など ただし、全ての病気に対してすでに確立された治療法というわけではなく、まだ研究段階にあるものも多く含まれます。 治療の適応や期待できる効果については、個々の患者さまの状態によって異なるため、医師と十分に相談することが重要です。 幹細胞治療の特徴・メリット 幹細胞治療は、主に以下の2つのメリットがあります。 根本的な治療が期待できる 副作用リスクが少ない 幹細胞治療は従来の対症療法とは異なり、私たちの体が本来持っている「再生する力」を引き出すことで、病気そのものの治癒や機能回復を目指せる可能性があります。 また、多くの場合、患者さまご自身の細胞を使用するため、副作用リスクが少ないという点も魅力の一つです。 根本的な治療が期待できる 幹細胞治療は、損傷したり機能が低下したりした組織や臓器の修復・再生を促すことで、病気の根本的な原因に働きかけ、症状の改善だけでなく、失われた機能の回復を目指せる治療法です。 根本治療への期待 対症療法でなく根本原因にアプローチ 傷んだ組織や臓器の修復・再生を促進 例えば、すり減った膝関節の軟骨が原因で起こる変形性膝関節症では、幹細胞を関節内に注入することで軟骨の再生を促し、痛みの軽減だけでなく関節機能の改善が期待できます。 副作用リスクが少ない 患者さまご自身の体から採取・培養した幹細胞(自己由来幹細胞)を用いる場合は、拒絶反応やアレルギーといった副作用のリスクが低い治療法と考えられています。 副作用リスクが少ない 患者さま自身の幹細胞使用で拒絶反応が少ない アレルギー反応のリスクも低い 注射や点滴で行えるため体への負担が小さい ただし、注射を伴うため針を刺した部位に一時的な出血や内出血が起こる可能性はあります。 幹細胞療法のデメリット 幹細胞治療を検討する際には、その効果への期待だけでなく、知っておくべきデメリットもあります。 保険適用外のため治療費が高い 効果の現れ方には個人差がある デメリットについて、以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。 保険適用外のため治療費が高い 現在、日本で行われている幹細胞治療の多くは、公的医療保険の適用対象外(自由診療)であり、治療にかかる費用は全額自己負担となるため、治療費は高額になります。 費用面の課題 数十万円~数千万円かかる場合も 複数回の治療なら費用はさらに増加 具体的な費用は、治療対象となる疾患や治療を行う医療機関によって異なります。 1回の治療で数十万円から数百万円、あるいはそれ以上の費用が必要となることもあります。 効果には個人差がある 幹細胞治療によって期待される効果には個人差があり、同じ病気であっても全ての人に同様の効果が保証されるわけではありません。 治療後すぐに改善を感じる方もいれば、効果を実感するまでに数ヶ月といった時間を要する方、あるいは期待したほどの効果が得られないケースも存在します。 当院の幹細胞治療(再生医療)について 当院リペアセルクリニックが行っている幹細胞治療は、患者さまご自身の体(主にお腹の脂肪など)から米粒数個程度というごく少量の脂肪を採取し、その中に含まれる幹細胞を特別な技術で取り出すという流れです。 幹細胞を当院提携の細胞培養加工施設で約1ヶ月かけて培養し、数百万個から数億個という十分な数まで増やします。 その後、幹細胞を点滴や治療部位への注射によって患者さまのお体に戻すことで、傷ついた組織の修復や機能の再生を促します。 本章では以下の内容について詳しくご紹介します。 当院の特徴 費用 治療の流れ 当院の肝細治療について気になる方は、ぜひ参考にしてください。 当院の特徴 当院リペアセルクリニックは、再生医療を専門とするクリニックとして幅広い疾患に対応できる体制と、国内トップクラスの豊富な治療実績が特徴です。 リペアセルクリニックの強み 再生医療専門クリニックとして幅広い疾患に対応可能 自己細胞使用で副作用リスクが低い 独自の培養技術により高品質な幹細胞を投与 治療実績1万件以上(※1) (※1)2019年6月〜2024年9月までの東京院・大阪院・札幌院3院の全治療数の累計 独自の培養方法から投与方法に至るまで、高度な専門技術を持つ治療環境がリペアセルクリニックの強みです。 費用 当院リペアセルクリニックでは、幹細胞の採取・培養・投与に関わる一連の費用は基本的に全て治療費に含まれています。 治療対象・内容 投与内容(回数/細胞数) 価格(税込) 関節疾患(膝・股関節・肩など) 1回投与 / 2,500万個 1,320,000円 1回投与 / 5,000万個 1,540,000円 1回投与 / 1億個 1,980,000円 脳卒中・糖尿病・肝臓疾患・慢性疼痛 1回投与 / 2億個 2,420,000円 2回投与 / 4億個 4,400,000円 3回投与 / 6億個 (一般) 5,940,000円 3回投与 / 6億個 (モニター) 4,400,000円 脊髄腔内投与 1回投与 2,420,000円 顔の美容 1回投与 1,650,000円 初回の診察・カウンセリングには3,300円(税込)、治療開始前の血液検査には11,000円(税込)の費用がかかります。 実際の幹細胞治療の費用は、上記の表に示した通り、治療の対象となる疾患や使用する幹細胞の量、投与回数によって異なります。 治療の流れ 当院リペアセルクリニックでの自己脂肪由来幹細胞治療は、患者さまが納得して治療をお受けいただくため、専門医による事前のカウンセリングで治療法をご説明、ご提案させていただきます。 自己脂肪由来幹細胞治療の主な流れは、以下の通りです。 ステップ 主な内容 所要時間(目安) 1. 脂肪の採取 患者さまの下腹部に局所麻酔を行い、米粒3粒程度の脂肪組織を採取 約30分 2. 細胞の培養 専門の細胞培養センターにて、採取した脂肪組織から幹細胞を分離し、治療に必要な数まで培養・増殖させる (培養期間 約1ヶ月) 3. 幹細胞の投与 培養・増殖させた幹細胞を、疾患や患者さまの状態に応じて静脈点滴または治療部位へ局所注射といった方法で投与 約5分~80分 治療開始前には感染症のリスクを確認するための血液検査が必須となりますことをご了承ください。 また、治療効果は投与後すぐに現れるものではなく、数ヶ月かけて徐々に変化を感じられることが一般的です。 ご自身の細胞を用いるため、アレルギー反応や拒絶反応といった副作用のリスクが低いのが特徴です。 幹細胞治療とは再生医療の一つ!新たな治療の選択肢として検討しよう 幹細胞の持つ傷ついた組織を修復し再生する能力を活かした幹細胞治療は、多岐にわたる疾患への応用が期待される先端医療です。 ご自身の細胞を用いることによる副作用リスクの低さや、従来の治療では難しかった根本的な改善が期待できます。 一方で、現在は保険適用外であるために費用負担の大きかったり、効果には個人差があるといった側面もあります。 幹細胞治療は、すべての方のあらゆる病気を治せる万能な治療法ではありませんが、ご自身の状態を正確に把握し、治療の可能性と限界について専門医と十分に話し合い、納得のいく選択をしましょう。 また以下のページでは、実際に当院で行った 幹細胞治療の症例を公開しているため、併せて参考にしてください。 > 幹細胞治療の症例はこちら
2021.01.06 -
- 糖尿病
「血糖値スパイクとは?」「血糖値スパイクにならない食べ方を知りたい」という方はいませんか。 血糖値スパイクとは、食後に急激に血糖値が上昇する現象のことで、身体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。 本記事では、血糖値スパイクの原因や予防方法について、詳しく解説します。 血糖値スパイクにならないように、食事や食べ方などを工夫しましょう。 血糖値スパイクを起こさない食べ方6つ 血糖値スパイクを起こさない食べ方は、以下の6つです。 食間を2〜3時間以上あける 朝食を抜かない 野菜から食べ始める 早食いせずにゆっくり食べる 食後に軽い運動をする 過度な食事制限はしない 食後の血糖値が上がりにくい食べ物を選んで食べると、食後の血糖値の上昇が穏やかになります。血糖値スパイクを防ぐポイントをみていきましょう。 食間を2〜3時間以上あける 血糖値スパイクを起こさないためには、食間を2~3時間以上あけることが大切です。 一般的に、血糖値は食後に徐々に上昇し、2~3時間かけて元の値に戻ります。 血糖値が高い状態で、さらに食事を摂取すると、血糖値が急激に上がる可能性があるため注意しましょう。 朝食を抜かない 朝食を抜かないように心がけると、血糖値スパイクの予防につながります。 朝食を抜くことで空腹の時間が長くなるため、昼と夜の食後の血糖値が急上昇しやすくなります。 血糖値の急激な変動を防ぐために、3食規則正しく食べましょう。 野菜から食べ始める 野菜から食べはじめると、血糖値の急上昇を抑えられるため、血糖値スパイクのリスクが低減します。 食事の際は、以下の順番で食べるのがおすすめです。 1.野菜や海藻類などのビタミン類 2.肉や魚などのたんぱく質 3. ご飯や麺類などの炭水化物 野菜に多く含まれる食物繊維は腸の壁をコーティングし、食事の吸収速度を緩やかにする役割があります。 肉・魚に含まれる脂質やたんぱく質は、胃から腸に運ばれる際に、インクレチンと呼ばれるホルモンの分泌を促します。 インクレチンは、胃の内容物が腸に排出されるスピードを遅くする作用があるため、炭水化物の前に肉や魚を摂取するのが効果的です。 早食いせずにゆっくり食べる 血糖値スパイクを防ぐには、食べる順番だけでなく、ゆっくりと食べることも大切です。 早食いをすると、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きが追いつかず、食後の血糖値を急激に上昇させてしまいます。 早食いの習慣がある場合は、一口食べたら箸を置くことを意識しましょう。 食後に軽い運動をする 食後に軽い運動をすると、血糖値スパイクの予防につながります。 血糖値が上昇する食後30分~1時間後の運動は、血糖値の上昇を穏やかにする効果があります。 運動習慣がない場合は、無理に散歩やウォーキングを行うのではなく、軽い体操や家事で身体を動かしましょう。 過度な食事制限はしない 血糖値スパイクを予防するには、過度な食事制限はしないことが大切です。 過度な食事制限は、ストレスが溜まり、長続きしない場合があります。 血糖値が上がりやすい炭水化物は、身体にとって必要な栄養素です。 食事の食べる順番や栄養バランスを考え、適度に炭水化物を摂取しましょう。 血糖値スパイクの基礎知識|主な原因について 血糖値スパイクは、食後に急激に上昇した血糖値が急降下する状態のことです。 血糖値スパイクの基礎知識 血糖値スパイクが起こる原因 血糖値スパイクが起こる原因を確認し、自身の食生活を見直しましょう。 血糖値スパイクの基礎知識 食後の短時間に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する状態を「血糖値スパイク」といいます。 スパイクとは「とがったもの」を意味し、急上昇急降下を繰り返した血糖値のグラフが鋭いトゲのような形状になることから、血糖値スパイクと呼ばれます。 食事で摂取したブドウ糖は、エネルギー源として体内で利用されるため、腸で吸収されたあと、血液中に入ります。 健康な人の場合は、血糖値がゆっくりと上昇し、徐々に下降するのが一般的です。 一方で、血糖値スパイクが起こっている場合は、急激な血糖変動から、血糖値のグラフが「M」字になります。 糖尿病では血糖値が常に高い状態が続きますが、血糖値スパイクの場合は、空腹時の血糖値が低いことが特徴です。 血糖値スパイクが起こる原因 血糖値スパイクは、主に以下の原因で起こります。 加齢 肥満 運動不足 炭水化物中心の食事 朝食を抜く習慣 インスリンが適切に分泌されなかったり、分泌のタイミングがずれてしまったりすると、血糖値スパイクが起こる原因になります。 インスリンは、血糖値を低下させる働きをもつホルモンです。 食後、急激に上昇した血糖値を抑えるために、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が急降下します。 乱れた食生活や運動不足などは、血糖値スパイクのリスクになるため注意が必要です。 血糖値スパイクを起こさないための食生活 血糖値スパイクを起こさないために、以下のポイントを押さえて規則正しい食生活を送りましょう。 血糖値を上げにくい食べ物 血糖値が急激に上がりやすい食べ物 自身の食生活を見直し、血糖値を上げにくい食べ物を摂取するよう心がけることが大切です。 血糖値を上げにくい食べ物 血糖値スパイクを起こさないために、血糖値を上げにくい食べ物を摂取しましょう。 血糖値が上がりにくい食べ物の例は、以下のとおりです。 野菜類(玉ねぎ・オクラ・トマト・レタス・キャベツ など) キノコ類 海藻類 食物繊維を含む食べ物(発芽玄米・大麦・オートミール など) 酢 柑橘類 大豆製品 乳製品 野菜類はビタミンやミネラルを豊富に含むため、生活習慣病を予防したい方にもおすすめです。 血糖値が急激に上がりやすい食べ物 血糖値が急激に上がりやすい食べ物を食べると、血糖値スパイクが起こりやすくなる可能性があります。 血糖値を上げやすい食品は、以下のとおりです。 ご飯 パン 麺類(うどん・そば・パスタ など) イモ類(里芋・ジャガイモ など) 大豆以外の豆類(おたふく豆・インゲン豆 など) 甘いもの(和菓子・洋菓子・スナック菓子 など) ジュース ごはんや麺類、イモ類などの炭水化物は、血糖値が上がりやすい食品です。 野菜は血糖値を上げにくい食品ですが、とうもろこしやかぼちゃなどのデンプン質の野菜は、血糖値を上げやすいため注意しましょう。 血糖値スパイクに潜むリスク 血糖値スパイクには、以下の病気が潜んでいる可能性があります。 糖尿病のリスク 認知症のリスク がんのリスク 心筋梗塞や脳卒中のリスク 空腹時血糖の上昇がみられない血糖値スパイクは、健康診断で見逃される可能性があります。 自覚がないまま血糖値スパイクの症状が進行すると、さまざまな病気になる可能性があるため、早期発見が重要です。 糖尿病のリスク 血糖値スパイクに潜むリスクに、糖尿病があります。 血糖値スパイクは、インスリンの働きや分泌量の低下によって引き起こされます。 インスリンの分泌が低下した状態が続くと、糖尿病の発症リスクが高まるため注意が必要です。 糖尿病の診断には、過去1〜2カ月間の血糖値の平均を示すHbA1cや空腹時血糖の値が用いられます。 認知症のリスク 血糖値スパイクの背後には、認知症のリスクが潜んでいるため注意が必要です。 インスリンが極度に多い状態は、記憶力が低下する原因になります。 血糖値スパイクが起こりインスリンが極度に多い状態が続くと、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドベータと呼ばれる物質が脳に蓄積します。 インスリンはアルツハイマー型認知症だけでなく、ほかの記憶障害にも影響するホルモンです。 脳に届くインスリン量が極端に少なくなった場合は、記憶力が低下する恐れがあるため、血糖コントロールを十分におこなうことが大切です。 がんのリスク 血糖値スパイクは、がんの発症リスクを高めます。 過度なインスリンは、細胞のがん化やがん細胞の増殖を引き起こすといわれています。 糖尿病によって起こる高インスリン血症や慢性炎症なども、がんを招く原因になるため注意しましょう。 以下の記事では、がん予防に期待できる治療法について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 心筋梗塞や脳卒中のリスク 血糖値スパイクによる耐糖能異常で動脈硬化が起こった場合は、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。 血糖値スパイクでは、インスリンの分泌量や働きが低下しているため、上昇した血糖値を正常値に戻しにくくなります。 食後の高血糖によって血管に炎症が起こると、心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈硬化を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。 以下の記事では、脳卒中の1つである脳梗塞になりやすい人の特徴について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 血糖値スパイクを起こしているか調べる方法 血糖値スパイクを起こしているか調べる際は、以下の3つの方法で血糖測定を行います。 血糖測定の種類 検査方法 OGTT(経口糖負荷試験) 10時間以上絶食した状態で空腹時血糖を測定した後、ブドウ糖液を飲み指定時間に採血する SMBG(血糖自己測定) 指に穿刺し、専用のセンサーで血液を吸い取る CGM(持続グルコース測定) 専用のセンサーを装着した状態で過ごす 血糖値スパイクでは、食後の血糖値が高くなりますが、空腹時は正常値を示す場合が大半です。 OGTTやSMBCは、患者様の食事のタイミングに合わせて検査できるため、正確な糖代謝を確認できます。 CGMはセンサーを装着し、皮下のグルコース濃度を測定する方法です。 グルコース濃度は血糖値とは異なりますが、近い動きをするため、持続的に測定することで血糖コントロール不良を発見できる可能性があります。 【まとめ】血糖値スパイクによる糖尿病が疑われる場合は医療機関を受診しよう 血糖値スパイクによる糖尿病が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 血糖値スパイクでは、食後に急激な血糖変動が起こります。 血糖値の急上昇・急降下は、身体へ大きなダメージを与え、糖尿病や脳卒中などの病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。 食事管理や運動習慣などによる血糖コントロールが困難となり、血糖値スパイクによる糖尿病になった場合は、医療機関を受診し治療を受けましょう。 糖尿病を治療せずに放置していると、症状が悪化したり、合併症になったりする恐れがあります。 以下では、糖尿病の再生医療について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 >再生医療による糖尿病の症例はこちら 血糖値スパイクの予防のためには、血糖値を上げにくい野菜から食べ始めることや、食後に運動を行うことが重要です。 過度な食事制限を避け、無理のない範囲で規則正しい食生活を心がけましょう。
2019.07.07



