足裏アーチサポーターの効果は?使用する際の注意点や足底筋膜炎の治療法について解説
公開日: 2019.12.13更新日: 2025.04.30
足裏の疲れやすさや痛み・偏平足・足底筋膜炎などにお悩みの方で、足裏アーチサポーターの効果について知りたい方は多いのではないでしょうか。
足裏アーチサポーターは、足裏の痛みの緩和や負担の軽減が期待できますが、使用の際には注意したい点があります。
この記事では、足裏アーチサポーターの効果や種類、使用する際の注意点などを解説します。
また、足裏の痛みに対して根本的な治療に期待できる再生医療についても紹介しているので、参考にしてください。
目次
足裏アーチサポーターの効果
足裏アーチサポーターは、足裏のアーチの働きを補助するために、土踏まずの部分にクッションがある装具で、足に通したりマジックテープで止めたりして足に装着します。
装着することで、主に以下のような効果が期待できます。
この項目では、足裏アーチサポーターの主な効果を解説するので、一つずつみていきましょう。
足底筋膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できる
足裏アーチサポーターを着用すると、足底筋膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できます。
足の裏を軽く圧迫すると、マッサージのように筋肉の緊張がほぐれるためです。
しかし、重度の炎症によって足裏が強く痛む場合、強く圧迫すると痛みが増したり、足裏を傷つけて回復が遅れたりする恐れがあります。
足裏の痛みが強い場合は、整形外科を受診しましょう。
歩行時の足底筋膜にかかる負担の軽減につながる
足裏アーチサポーターを着用すると、歩行時の足底筋膜にかかる負担の軽減につながるものが多いです。
足裏のアーチは、横のアーチ・外側の縦アーチ・内側の縦アーチの3つで構成され、衝撃の吸収や身体のバランスを保つ役割を果たします。
しかし、土踏まずが低下する偏平足や、土踏まずが通常より高いハイアーチの方などは正しいアーチを保持できず、足裏に負担がかかります。
足裏に負担がかかり続けると、足裏のかかとから指の付け根をつなぐ足底腱膜に炎症が起きる足底筋膜炎を発症する恐れがあります。
クッション性のある足裏アーチサポーターで足裏のアーチを支えると、足裏が正しく機能して足裏の負担軽減が見込めます。
足裏アーチサポーターにはどんな種類がある?
足裏アーチサポーターの主な種類は、以下の通りです。
- 筒形でアーチ部分に装着するタイプ
- 靴下のように履くタイプ
- アーチ部分にパッドを当て、マジックテープで固定するタイプ
- インソールタイプ
筒形でアーチ部分に装着するタイプは、着用のしやすさが魅力ですが、比較的ずれやすい点に注意しましょう。
マジックテープで固定するタイプは自身でフィット感を調節しやすい点がメリットです。
また、商品によってアーチをサポートするパッド部分の大きさや厚みは異なるので、自分に合ったサイズを選んでみましょう。
足裏アーチサポーターを使用する際の注意点
足裏アーチサポーターを使用する際の注意点について解説します。
足裏アーチサポーターは、着用する時間やサイズに注意しましょう。
また、痛みが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。
足裏の痛みの根本的な治療にはならない
足裏アーチサポーターは、足裏の痛みや足底筋膜炎の根本的な治療にはなりません。
自分でできる足裏の痛みの対策は、ストレッチやマッサージ、靴の見直し、減量などが挙げられます。
医療機関では、炎症を抑える薬の服用やステロイド注射などです。
就寝時や休息時もサポーターを長時間着用すると足裏の筋力が低下し、さらにサポーターに依存してしまう可能性があります。
ストレッチやマッサージなどで足裏の負担を減らしつつ、補助的に足裏アーチサポーターを使用しましょう。
締め付けが強すぎると炎症が悪化する可能性がある
足裏アーチサポーターは、締め付けすぎると炎症が悪化する可能性があるので注意が必要です。
締め付けすぎて血流が悪くなると老廃物の排出が滞り、細胞内に溜まった老廃物が更なる炎症を引き起こす可能性が考えられます。
また、足の裏や周囲の組織に十分な酸素や栄養が届かず、回復が遅れる恐れもあります。
炎症の悪化だけでなく不快感や痛み、かぶれやかゆみなどのトラブルを引き起こす場合もあるので、着用の際は適切なサイズを選びましょう。
痛みが続く場合は医療機関を受診することが重要
足裏の痛みが続く場合は、足底筋膜炎などが発症している可能性があるため、医療機関の受診を検討しましょう。
足裏の痛みが続く際に考えられる病気は、以下の通りです。
- 足底筋膜炎:足底の足底筋膜と呼ばれる膜が、加齢や筋力の低下などで足裏に負担がかかり炎症を起こす
- 足底線維腫:足底筋膜への刺激や感染などで土踏まずにしこりができる
- モートン病:ヒールの高い靴の使用やスポーツなどで足の付け根付近に痛みやしびれを感じる
- 坐骨神経痛:腰から足先に渡って伸びる坐骨神経が損傷し、おしりや足裏に痛みやしびれを感じる
足底筋膜炎を放置していると、立ちっぱなしや動いているときに生じる痛みが激しくなったり、安静にしていても痛みが生じたりする難治性足底腱膜炎になる恐れがあります。
難治性足底腱膜炎になって半年以上経過すると、治療に数年かかる場合もあります。
長引く足裏の痛みにお悩みの方は、日常生活に支障が生じる前に医療機関を受診しましょう。
足裏アーチサポーターを利用した方が良い人の特徴
足裏アーチサポーターを利用した方が良い人の特徴を、以下にまとめました。
- 足底筋膜炎の方:サポーターで足裏の負担を軽減できる
- 偏平足の方:土踏まずが低下しているので、サポーターでアーチの形を補正する
- 外反母趾の方:横アーチの低下をサポートできる
- O脚・X脚の方:足裏のアーチの低下をサポートできる
- 長時間の立ち仕事の方:足裏やふくらはぎの疲労感を軽減できる
足裏のアーチの低下が原因で外反母趾やO脚・X脚を発症している場合があるので、治療と並行して補助的にサポーターを活用しましょう。
さらに、長時間の立ち仕事で足裏アーチサポーターを使用すると、足裏やふくらはぎの疲労が軽減できる※という研究結果があります。
※出典:J-STAGE「足部アーチサポートを目的とした機能靴下の効果」
接客や介護、工場などの仕事で足が疲れやすい方は、足裏アーチサポーターを試すのも一つの手です。
【まとめ】足裏アーチの炎症(足底筋膜炎)を治療するなら再生医療も選択肢の一つ
足裏アーチサポーターの効果は、以下の通りです。
- 足底腱膜(足裏)が圧迫されて痛みの緩和が期待できる
- 歩行時の足底腱膜にかかる負担の軽減につながる
足裏アーチサポーターは足底筋膜炎や偏平足など、足裏のアーチのくずれによる足裏の不調や痛みにお悩みの方におすすめです。
しかし、足裏アーチサポーターで根本的な治療はできないので、痛みが長引く場合は医療機関の受診を検討しましょう。
また、足裏アーチの炎症(足底筋膜炎)を治療するなら、再生医療も選択肢の一つです。
再生医療のPRP治療は、患者さまの身体に備わる治癒力を引き出し、痛みの軽減を目指す治療法です。
患者さまの血液を10~20㏄程度採取して、組織の修復を促進させる成長因子が多く含まれる血小板の多い部分を抽出し、患部に注射します。
そのため、足底筋膜炎の根本的な治療や再発を予防する効果が期待できます。
足底筋膜炎は痛みが改善しにくいことも多いため、現在の治療やサポーターで効果が見られない場合は、再生医療による治療も検討してみましょう。
PRP療法による治療に興味のある方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設