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脊髄腫瘍になると歩けない?歩行障害になる原因や前兆・治療法について解説

脊髄腫瘍になると歩けない?歩行障害になる原因や前兆・治療法について解説
公開日: 2026.03.31

「脊髄腫瘍になると歩けない?」
「脊髄腫瘍による歩行障害は治る?」

脊髄腫瘍では、腫瘍の部位や大きさ、進行度によって、しびれ・筋力低下・歩行障害が生じることがあります。

しかし、早期に適切な治療を行うことで、神経機能のさらなる低下を防ぎ、歩行機能の維持や改善につながる可能性があります。

本記事では、脊髄腫瘍で歩けなくなる原因や見逃せない初期サイン、主な治療法について詳しく解説します。

脊髄腫瘍について将来的な不安がある方は、ぜひ最後までご覧いただき、適切な治療法を検討する参考にしてください。

脊髄腫瘍になると歩けない状態になる可能性あり

脊髄腫瘍が進行して脊髄や神経根が強く圧迫されると、最終的に歩行障害を引き起こす恐れがあります。

本章では、脊髄腫瘍の主な症状と歩けない状態になる原因について解説します。

以下でそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

脊髄腫瘍の主な症状

脊髄腫瘍では、腫瘍が発生した部位によって異なりますが、感覚障害や運動障害、自律神経障害などの症状が見られます。

具体的な症状の現れ方は、以下のとおりです。

主な症状 具体的な症状の現れ方
感覚障害 足先のしびれ、感覚低下、温痛覚低下、異常感覚
運動障害 足に力が入りにくい、筋力低下、つまずきやすい、歩行が不安定になる
自律神経障害 尿が出にくい、便秘、残尿感などの排泄トラブル

さらに、「頸髄(首)」「胸髄(胸)」「腰髄(腰)」などの腫瘍が発生した部位周辺に痛みやしびれが生じることもあります。

複数の症状が重なる場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

脊髄腫瘍によって歩行障害になる原因

脊髄腫瘍によって歩行障害になる原因として、腫瘍が脊髄や神経を圧迫することで、運動神経や感覚神経の伝達が阻害されることが挙げられます。

また、腫瘍そのものが脊髄への血流を妨げ、神経細胞が酸素不足に陥ることで機能不全を起こすケースも考えられます。

神経症状は、圧迫が長く続くと後遺症として残る可能性があり、完全に回復しない場合もあります。

そのため、歩行機能を守るためにも、足腰の痛みやしびれ、歩きにくさなどの違和感を覚えたら、早期に医療機関を受診して原因を特定しましょう。

脊髄腫瘍で歩けない状態になる前兆【早期の医療機関受診が重要】

脊髄腫瘍が進行して歩けなくなる前には、以下のような前兆が見られる場合があります。

  • 安静にしても治まらない背中や腰の痛み(特に夜間に強まる痛み)
  • 足先のしびれや、地面を踏んでいる感覚が薄くなる
  • 階段でのつまずきや、急に足の力が抜けるような脱力感

代表的な前兆として、姿勢を変えても引かない局所的な患部の痛みが挙げられます。特に夜間に痛みが強まる傾向(夜間痛)があります。

また、神経の圧迫により足にしびれが生じたり、温度を感じにくいといった感覚異常が起こったりします。

上記のような前兆が現れたり、少しでも異変を感じたりした場合は、歩行機能を守るための適切な治療を受けることが重要です。

脊髄腫瘍で歩けない状態に対する治療法

脊髄腫瘍によって歩行困難になった場合、神経への圧迫を速やかに取り除き、進行・悪化を抑えるための治療が行われます。

本章では、脊髄腫瘍の主な治療法について解説します。

以下でそれぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。

手術療法

脊髄を圧迫している腫瘍を外科的に取り除く手術療法は、歩行機能の回復を目指すうえで重要なアプローチです。

顕微鏡下での精密な操作により、脊髄を傷つけずに腫瘍のみを可能な限り摘出し、神経の通り道を物理的に確保します。

腫瘍による圧迫で神経が完全に損傷してしまうと、歩行機能の回復も困難になる場合があります。

そのため、足のしびれや脱力感が現れ始めた段階で早期に治療を行い、神経の「逃げ道」を作ることが歩行能力を維持・改善させるための鍵となります。

放射線療法

放射線療法は、腫瘍に放射線を照射して増殖を抑えたり、サイズを縮小させたりする治療法です。

全身状態が悪く手術が困難な場合や、腫瘍が脊髄の広範囲に及んで摘出が難しいケースでも、有効な選択肢となります。

腫瘍を小さくすることで脊髄への物理的な圧迫が軽減され、しびれの緩和や歩行機能の維持が期待できます。

特に他のがんから転移した「転移性脊髄腫瘍」においては、がん細胞の勢いを制御し、痛みを和らげながら生活の質(QOL)を守るために重要な役割を担います。

再生医療

これまで回復が困難とされてきた神経の損傷に対し、自己細胞を用いた「再生医療」が歩行機能改善の新たな可能性となっています。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経組織の再生・修復を促すことで、しびれや痛みの根本的な改善を目指す治療法です。

リハビリテーションと組み合わせることで、従来の手術や放射線治療だけでは改善しなかった症状でも、症状緩和や機能回復が見込める場合があります。

>>脊髄に対する再生医療の症例はこちら

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

脊髄腫瘍で歩けない状態に関するよくある質問

「もう歩けないのではないか」という不安を解消するために、脊髄腫瘍に関するよくある質問に回答します。

以下でそれぞれの疑問について詳しく見ていきましょう。

脊髄腫瘍による下半身麻痺は治る?

手術で腫瘍を切除し、神経の圧迫を取り除くことで、しびれや麻痺が改善する可能性はあります。

しかし、回復の程度には個人差があり、発見が遅れて治療開始まで時間がかかっていたり、高齢で回復力が低下していたりする場合には、改善が難しいケースもあります。

脊髄は一度損傷すると完全に元通りにならないこともあるため、異変を感じた時点で早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

脊髄腫瘍の後遺症は?

手術が成功しても、しびれや感覚障害、歩行時のふらつきなどの神経症状が後遺症として残る場合があります。

これは、腫瘍による圧迫で神経がダメージを受けていた場合、圧迫を取り除いても神経自体の回復に時間がかかるためです。

低下した運動機能や感覚機能を取り戻すためには、早期から適切なリハビリテーションに取り組むことが重要です。

脊髄腫瘍で歩けない状態になる前に医療機関を受診しよう

脊髄腫瘍は、腫瘍が神経を圧迫することで足のしびれや筋力低下を引き起こし、進行すると歩けない状態に陥る可能性がある疾患です。

「足に力が入らない」「歩行時にふらつく」「腰や背中の痛みが長引く」といった前兆が見られた場合は、自己判断せず、できるだけ早く医療機関で検査を受けましょう。

治療法としては手術療法をはじめ、放射線療法や再生医療など複数の選択肢があります。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促し、しびれや痛みの根本的な改善が期待できます。

>>脊髄に対する再生医療の症例はこちら

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長