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脊髄腫瘍の原因とストレスの関係性|悪影響やストレス解消法について解説【医師監修】

脊髄腫瘍の原因とストレスの関係性|悪影響やストレス解消法について解説【医師監修】
公開日: 2026.03.31

脊髄腫瘍と診断され、「ストレスが原因だったのでは?」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、現時点ではストレスが脊髄腫瘍を直接引き起こすことを示す明確な医学的根拠はありません。

一方で強いストレスにさらされると「不眠」「不安」「痛みのつらさ」などが治療中の生活の質に影響し、症状を進行・悪化させる原因になる可能性があります。

そこで本記事では、脊髄腫瘍とストレスの関係性や本来の発生原因、進行・悪化を防ぐためのストレス解消法について解説します。

原因について正しく理解し、前向きに治療へ専念するための参考にしてください。

脊髄腫瘍の原因とストレスの関係性

脊髄腫瘍の発生とストレスの間に、直接的な因果関係があると断定できる医学的根拠はありません。

主な原因とストレスの関係性に関するポイントは、以下のとおりです。

  • ストレスは脊髄腫瘍の直接原因とはいえない
  • 脊髄腫瘍の多くは遺伝子変化や転移などが関与する
  • ストレスによって免疫力が低下し間接的に症状悪化を招く可能性がある

ストレスは心身のバランスを崩す一因にはなりますが、脊髄腫瘍をゼロから作り出すものではないことを理解しましょう。

直接的な原因にはならない

脊髄腫瘍の主な原因は、脊髄を構成する細胞の遺伝子変異や他の臓器で発生したがんの転移(二次性脊髄腫瘍)です。

ストレスが自律神経やホルモンバランスを乱すことはあっても、脊髄細胞のDNAを直接書き換えて腫瘍を形成させることはありません。

そのため、「自分のストレス管理が悪かったから病気になった」と考える必要はありません。

過度な自責の念はかえって免疫力に悪影響を及ぼすため、これからの治療や生活習慣の改善に目を向けることが重要です。

脊髄腫瘍の2つのタイプと主な原因

脊髄腫瘍は、発生のしかたによって「原発性」と「転移性」の2つに大別され、それぞれで発生のメカニズムが大きく異なります。

それぞれのタイプについて、原因や特徴を詳しく見ていきましょう。

原発性脊髄腫瘍|詳しい原因は解明されていない

原発性脊髄腫瘍は、脊髄本体やそれを取り囲む膜、神経の根元から直接発生する腫瘍です。

しかし、なぜ特定の細胞が突然腫瘍化してしまうのか、その決定的な原因は現代医学でも完全には解明されていません。

一部では遺伝子の突然変異や、特定の遺伝的疾患(神経線維腫症など)との関連が指摘されていますが、多くの場合は生活習慣や性格と直接結びつけることはできません。

そのため、本人の性格や特定の行動を原因として発生するわけではなく、あくまで生物学的な要因によって生じるものと捉えられています。

転移性脊髄腫瘍|他のがんから転移するケース

転移性脊髄腫瘍は、他の臓器で発生したがん細胞が血流やリンパの流れに乗って脊髄に広がった場合に発生するタイプです。

特に肺がん、乳がん、前立腺がんなどは脊髄や脊椎へ転移しやすく、原発性の脊髄腫瘍よりも転移性病変の方が多く見られます。

このタイプは、がん細胞が脊髄を物理的に圧迫することで、急激なしびれや麻痺を引き起こす恐れがあります。

そのため、原発部位(元のがん)の治療と並行して、脊髄へのダメージを抑えるための迅速な処置が重要です。

脊髄腫瘍に対してストレスが与える悪影響

ストレスは脊髄腫瘍の直接的な原因ではありませんが、病状の悪化を招いたり、回復を遅らせたりする影響が出ることがあります。

本章では、脊髄腫瘍に対してストレスが与える悪影響について解説します。

以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

免疫機能が低下する

慢性的なストレスは、ホルモンや自律神経を介して免疫機能に影響を及ぼすことが知られています。

脊髄腫瘍の治療中において免疫力の維持は重要であり、術後の感染症予防や、身体の修復力を高めるために欠かせない要素です。

免疫機能が低下すると、本来備わっている自己治癒力が十分に発揮できなくなります。

まずは「ストレスをゼロにする」のではなく、「少しでもリラックスできる時間を作る」ことから始め、免疫バランスを整える意識を持ちましょう。

痛みやしびれが増幅しやすくなる

ストレスや不安が強いと、痛みやしびれに対する注意が過剰に向きやすくなり、症状をよりつらく感じることがあります。

脊髄腫瘍による物理的な圧迫が原因であっても、心理的な緊張が加わることで、通常なら気にならない程度のしびれや痛みが、耐え難いほどの苦痛に感じられるケースも少なくありません。

これは痛みを抑制する脳のシステム(下降性疼痛抑制系)がストレスによって機能不全を起こしている状態です。

リラクゼーションや専門の薬剤を併用し、過度な緊張を解きほぐすことで、感覚障害に伴う不快な症状を和らげる効果が期待できます。

不眠などの身体的不調が誘発される

慢性的なストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、身体がリラックスできず、深刻な不眠や倦怠感を誘発します。

また、不眠による疲労蓄積は、さらにストレスを増大させるという負のループを生み出します。

まずは「寝なければならない」という強迫観念を捨て、アロマや軽い読書など、自分に合った入眠儀式を取り入れてみましょう。

十分な休息を確保することは、立派な治療の一環であると捉えて、心身を休めることが重要です。

脊髄腫瘍の進行・悪化を防ぐためのストレス解消法

ストレス対策は、脊髄腫瘍そのものを治す方法ではありませんが、気分の安定、睡眠の改善、症状への対処、治療継続の支えとして役立ちます。

本章では、推奨されるストレス解消法について解説します。

上記のような対策を、できることから少しずつ取り入れていきましょう。

規則正しい生活を送る

毎日決まった時間に起床し、朝日を浴びる習慣は、体内時計をリセットして自律神経のバランスを整える効果があります。

脊髄腫瘍の治療において、自律神経が安定していることは、免疫力の維持につながる重要な要素です。

特に睡眠は、ダメージを受けた組織が修復される貴重な時間です。夜更かしを避け、食事の時間を一定に保つことで、身体のバイオリズムを正常化させましょう。

また、規則正しい生活リズムは心身の負担軽減につながります。

リラックスタイムを設ける

一日のうちに短時間でも、心からリラックスできる時間を意識的に確保することも重要です。

深呼吸やぬるめのお湯での入浴は、交感神経の過剰な興奮を抑え、筋肉の緊張を緩和させる効果が期待できます。

身体がリラックス状態(副交感神経優位)になると、脳内で痛みを抑制するシステムが働きやすくなり、脊髄の圧迫によるしびれや不快感の軽減につながる場合があります。

無理に「ストレスをなくす」必要はなく、少しでも気持ちがゆるむ時間を日常に取り入れることが大切です。

趣味に没頭する時間を作る

読書や手芸、映画鑑賞など、自分が好きなことに集中する時間は、気持ちの切り替えに役立ちます。

病気のことだけを考え続ける時間を減らすことは、精神的な疲労を軽くするうえで大切です。

楽しみを通じて心が満たされると、身体の自己治癒力も発揮されやすくなり、病状の悪化を防ぐポジティブな循環が生まれます。

悩みを誰かに聞いてもらう

ストレスを溜めないためにも、不安やつらさを一人で抱え込まないことも重要です。

家族や友人、あるいは専門のカウンセラーに相談することで、気持ちが整理されやすくなり、心の重荷を下ろすことにつながります。

言葉にして伝えることで、漠然とした不安が客観視され、解決すべき課題が見えてくるでしょう。

脊髄腫瘍の悪化を防ぐために自分なりのストレス解消法を見つけよう

脊髄腫瘍の直接的な原因は遺伝子変異や他のがんの転移であり、ストレスが関与すると断定できる医学的根拠はありません。

しかし、過度なストレスは免疫力を低下させ、痛みやしびれを増幅させるため、病状を悪化させる要因となる場合があります。

規則正しい生活やリラックスタイムの確保、趣味への没頭、誰かに悩みを打ち明けるといった、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

また、脊髄腫瘍の麻痺や後遺症にお悩みの方は、自己細胞を用いた「再生医療」も選択肢の一つです。

再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の再生・修復を促すことで、根本的な改善を目指す治療法です。

>>脊髄に対する再生医療の症例はこちら

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長