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骨粗鬆症は治るのか?完治の考え方と進行抑制の重要性について解説【医師監修】

「骨粗鬆症と診断されたけれど、治るのだろうか」「このまま骨がもろくなり続けてしまうのではないか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
低下した骨密度を若年時レベルまで完全に戻すのは難しいものの、適切な治療と生活習慣の改善を継続することで、骨密度の低下を抑え、骨折リスクを減らすことは可能です。
本記事では、骨粗鬆症における「治る」の考え方、治療薬の種類や治療期間の目安について詳しく解説します。
また、従来の薬物療法や生活習慣の改善で思うような効果が得られない場合、「再生医療」も選択肢の一つです。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いた治療法で、骨粗鬆症においても骨組織の再生・修復を促す効果が期待できるアプローチとして注目されています。
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目次
骨粗鬆症における「治る」の定義
一度減少した骨密度を完全に若年時レベルの状態に戻すことは困難であり、骨粗鬆症は完治が難しい病気といわれています。
そのため、骨粗鬆症の治療における「治る」とは、単に骨の密度を若年期と同じ数値に戻すことではなく、骨折のリスクを抑えて自立した生活を維持できる状態を指します。
骨が脆くなる現象を完全にリセットするのは容易ではありませんが、適切なアプローチで骨の強度を補うことは十分に可能です。
まずは治療のゴールを「骨折の予防」に設定し、長期的な視点で骨の健康を守り抜く姿勢を整えるのが、健やかな未来への近道といえるでしょう。
完治ではなく「進行を抑える」ことが重要
骨粗鬆症の治療では「完治を目指す」というよりも、進行を抑えて骨折を防ぎ、以下のような状態を維持することが重要となります。
- 骨密度の低下を食い止め、数値が安定した状態
- 新たな骨折を未然に防ぎ、寝たきりリスクを回避できている状態
- 日常生活の質(QOL)が保たれ、自分の足で動き続けられる状態
具体的には薬物療法や生活習慣の改善を継続することで、骨量の減少を抑え、骨密度を高めて骨折リスクを減らすことが可能です。
「これ以上悪化させない」という意識を持って治療に取り組みましょう。
骨粗鬆症に対する薬の種類・治療期間
骨粗鬆症の薬物療法では、骨の状態に合わせた薬の選択と、長期的な治療の継続が重要です。
ここでは、骨粗鬆症の治療で用いられる代表的な薬の種類、副作用、治療期間について詳しく解説します。
以下でそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
薬の種類
骨粗鬆症の治療薬は、大きく「骨吸収を抑制する薬」と「骨形成を促進する薬」に分けられます。
骨吸収を抑制する薬は、骨を壊す破骨細胞の働きを抑えることで骨密度の低下を防ぎます。一方で骨形成を促進する薬は、新しい骨を作る骨芽細胞の働きを助けて骨を強くする役割を担います。
主な薬の種類は、以下のとおりです。
| 分類 | 代表的な薬剤 |
|---|---|
| 骨吸収を抑制する薬 | ・ビスホスホネート薬 ・SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター) ・デノスマブ(抗RANKL抗体) |
| 骨形成を促進する薬 | ・副甲状腺ホルモン薬(テリパラチド) ・抗スクレロスチン抗体薬(ロモソズマブ) |
| その他 | ・カルシウム製剤 ・活性型ビタミンD3薬 ・ビタミンK2製剤 |
どの薬を使用するかは、骨密度の状態や骨折リスク、年齢、既往歴などを総合的に考慮し、医師が判断します。
処方された薬についてわからないことがあれば、遠慮なく主治医に相談しましょう。
考えられる副作用
骨粗鬆症の治療薬には、まれに注意が必要な副作用が報告されています。
例えば、骨粗鬆症によく用いられるビスホスホネート薬を長期間使用した場合、まれに顎骨壊死(がっこつえし:あごの骨に異常が生じる状態)が起こると報告※されています。
※出典:厚生労働省「ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死」
また、内服タイプの薬では、胃もたれや吐き気などの消化器症状が出ることがあります。
注射薬の場合は、デノスマブでは低カルシウム血症、テリパラチドでは骨肉腫(ごくまれ)などの副作用に注意が必要です。
副作用は必ず起こるものではありませんが、気になる症状が現れた場合は自己判断で薬を中止せず、必ず医師に相談してください。
治療期間の目安
骨粗鬆症の治療は、長期間にわたる「息の長い治療」が必要で、一般的には「3〜5年」は継続した方が良いとされています。
しかし、治療期間は一律ではなく、薬の種類と骨折リスクに応じて定期的に見直します。
自己判断で薬を中断すると、骨密度が再び低下し、骨折リスクが急増する恐れがあるため、注意が必要です。
実際に、治療薬を中断した後に急激な骨密度の減少や骨折が増加した例もあるため、医師の指示に従い治療を継続することが不可欠です。
「効果が実感できない」「いつまで続ければよいのかわからない」と不安に感じる場合でも、定期的な骨密度検査で治療効果を確認しながら、根気よく治療に取り組みましょう。
骨粗鬆症の治療薬以外で進行を抑えるポイント
骨粗鬆症の進行を抑えるには、薬物療法に加えて食事と運動の改善が欠かせません。
ここでは、日常生活で実践できる骨粗鬆症の進行抑制のポイントを解説します。
以下でそれぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
カルシウムやビタミンDを積極的に摂取する
骨の健康を維持するためには、骨の材料となるカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDなどの栄養素を意識的に摂取することが大切です。
積極的に摂取したい栄養素と主な食品の例は、以下のとおりです。
| 栄養素 | 主な役割 | 多く含まれる食品 |
|---|---|---|
| カルシウム | 骨の主成分となる | 牛乳・乳製品、小魚、大豆製品 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収を助ける | 鮭、サンマ、きくらげ、きのこ類 |
| ビタミンK | 骨形成を促進する | 納豆、緑黄色野菜 |
| タンパク質 | 骨や筋肉の材料となる | 肉、魚、卵、豆類 |
なお、サプリメントはあくまで補助的な位置づけであり、基本は毎日の食事からバランスよく栄養を摂取することが大切です。
適度な運動習慣を身につける
運動によって骨に適度な刺激を与えることで、骨を作る細胞(骨芽細胞)が活性化し、骨密度の低下を抑制しやすくなります。
骨粗鬆症の予防・改善に効果的とされる運動として、ウォーキング、軽い筋力トレーニング、かかと落とし運動などが挙げられます。
また、転倒による骨折を防ぐために、片足立ちなどの簡単なバランストレーニングを併せて行うことも推奨されます。
ただし、運動の強度や頻度については、骨粗鬆症の程度によって個人差があるため、医師や理学療法士の判断のもと無理のない範囲で始めることが大切です。
骨粗鬆症が治るのかどうかに関するよくある質問
最後に、骨粗鬆症が治るのかどうかに関するよくある質問に回答します。
以下でそれぞれの疑問について確認していきましょう。
骨粗鬆症を薬を飲まずに治すには?
すでに骨密度が低下し、骨折リスクが高い場合は、食事や運動の改善だけでは不十分なことが多く、基本的には薬物療法が必要とされています。
ただし、骨密度の低下が軽度の段階で早期に発見できれば、生活習慣の改善(カルシウム・ビタミンDの摂取、適度な運動など)を中心に、骨折を予防できる可能性が高まります。
そのため、定期的な骨密度検査で早期発見に努めることが重要です。
また、近年の治療では、薬以外の選択肢として「再生医療」が注目されています。
再生医療は、患者さまご自身の細胞や血液を用いて、人間の持つ自然治癒力を高め、骨組織の再生・修復を促す医療技術です。
「薬を飲まずに治療したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
骨粗鬆症になったらやってはいけないことは?
骨粗鬆症と診断された場合、骨密度のさらなる低下や骨折リスクを高める行動は避けるべきです。
- 喫煙:カルシウムの吸収を阻害し、骨密度を低下させる
- 過度な飲酒:栄養状態の悪化や転倒リスクの上昇を招く
- カフェインの摂りすぎ:尿中へのカルシウム排泄を促してしまう
- 自己判断による治療中断:骨密度が再び低下し、骨折リスクが高まる
特に注意すべきなのは、自己判断での治療中断です。
骨粗鬆症の薬は長期間の服用が前提となるため、「効果が感じられない」と感じても、必ず医師と相談のうえで治療の継続・変更を判断してください。
骨粗鬆症では進行を抑えて骨折リスクを減らすことが重要
骨粗鬆症は、現在の医学では完治が難しい病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善を継続することで、骨密度の低下を抑え、骨折リスクを減らすことは可能です。
薬物療法では、骨吸収を抑制する薬や骨形成を促進する薬など、患者さまの状態に合わせた複数の選択肢があります。
治療は長期にわたりますが、自己判断で中断せず、医師の指示に従い継続しましょう。
カルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどの栄養素を積極的に摂取し、可能な範囲でのウォーキングや筋力トレーニングなどの運動を習慣化することも重要です。
また、従来の治療で十分な効果が得られない方や、薬以外の選択肢を検討したい方には、再生医療も一つの選択肢です。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、骨組織の再生・修復を促す効果が期待できるアプローチとして注目されている治療法です。
当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師























