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筋トレで脳の血管が切れることはある?頭痛が起こる原因と安全に続けるポイントを解説

筋トレで脳の血管が切れることはある?頭痛が起こる原因と安全に続けるポイントを解説
公開日: 2025.12.26

トレーニング中に「筋トレで血管が切れるって本当?」「いきむのが怖い」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

筋トレ中の頭痛の多くは一時的な血管の変化や酸欠によるものとされ、正しい知識があれば過度に恐れる必要はありません。

しかし、「本当に大丈夫?」「実は危険なサインを見逃しているのではないか」と心配になる方もいるでしょう。

本記事では筋トレによる頭痛の原因や、リスクを減らす呼吸法について解説します。

ぜひ参考にして、安全にトレーニングを続ける知識を身につけてください。

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筋トレによる血圧の上昇で脳血管が切れる可能性がある

筋トレで重い負荷をかけて強く力むと血圧が一時的に急上昇し、脳血管に大きな負担がかかります。

息を止めたままの動作は血圧が上がりやすく、条件が重なると脳出血などのリスクも否定できません。

ベンチプレスや懸垂など力みやすい種目では、呼吸を意識して無理のない負荷で行うことが重要です。

ボディービルダーを対象にした筋トレ中の血圧の変化について、以下のような事象が報告されています。

項目 内容
激しい筋トレ中の血圧 レッグプレスの最大努力時に最高血圧480mmHgを記録
※一般的な安静時血圧は120mmHg前後
安静時との比較 安静時の約4倍もの圧力が血管にかかる

※出典:Arterial blood pressure response to heavy resistance exercise – PubMed

高重量トレーニングで強く力むと、血管に強い圧力がかかります。

健康な血管であれば耐えうるケースが多いですが、未発見の動脈瘤などの弱点がある場合や動脈硬化が進んでいる場合は、破綻リスクが高まると考えられます。

筋トレ中・筋トレ後に頭痛が起こる主な原因

筋トレ中や後に起こる頭痛には、以下のような原因がいくつか考えられます。

上記の要因がどのように血管や神経に作用し、痛みにつながるのかを詳しく解説します。

血圧の急上昇や血管の一時的な収縮

激しい頭痛の原因として、血管の一時的な強い収縮による「可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)」の可能性があります。

力んだ際に、数十秒〜1分以内で痛みがピークに達する「雷鳴頭痛」が特徴です。

RCVSは自然に治まることが多いとされますが、進行すると脳出血につながる可能性もあるため、衝撃的な痛みを感じた場合は直ちに中断し受診してください。

高負荷・急激なトレーニングメニュー

以下のような激しいトレーニングの繰り返しは脳血管への負担となります。

  • 高重量で行うスクワット・デッドリフト・ベンチプレス
  • 限界まで追い込むRMトレーニング
  • 短時間に全力を繰り返すHIIT
  • 息を止めがちなプランクや体幹トレーニング

過度な運動で体が酸素不足になると、脳が酸素を取り込もうとして血管を拡張させ、頭痛を引き起こすことがあります。

マスク着用時も酸欠リスクがあるため、息苦しさを感じたら休憩をとることが大切です。

息を止めて力む動作(バルサルバ動作)

息を止めて力む「バルサルバ動作」は、胸腔内圧を高めて血圧を急上昇させる要因です。

息を止めて力む状態が続くと頭痛が起こりやすくなり、血管への負担も増大する可能性があります。

バルサルバ動作によって体に起こる変化は、以下のとおりです。

  • 息を止めて力むことで胸や腹の圧力が上がる
  • 上がった圧力が血管を押し、血圧を急上昇させる
  • 息を吐いて力を抜いた瞬間に血液が心臓へ戻り、脳血管へ衝撃を与える

無意識に息を止めてしまう場合は、意識的に呼吸を続ける練習をおすすめします。

もともとの片頭痛・緊張型頭痛の悪化

慢性的な片頭痛がある場合、筋トレにより悪化するリスクがあります。

運動で血流が良くなり血管が開くと、片頭痛特有の拍動性の痛みが一時的に強まる場合があります。

緊張型頭痛の方はトレーニングでの筋肉の緊張により痛みが強くなる可能性があるため、リラックスを心がけましょう。

筋トレ時のこめかみ・後頭部が痛む場合に考えられる原因

頭痛が起こる場所によって、原因やリスクが異なる場合があります。

部位ごとの特徴とリスクについて、以下の表にまとめました。

痛む部位 考えられる原因 特徴
こめかみ・頭全体 一次性運動時頭痛 ズキズキと脈打つ痛み
後頭部・首筋 椎骨動脈解離 首の後ろの痛みから始まり、めまいなどを伴う
頭全体(激痛) くも膜下出血・RCVS 突然の激しい痛み

後頭部の痛みは、首を通る血管(椎骨動脈)が傷ついている可能性もあります。

首を極端に反らしたり、重い負荷で首を痛めたりした覚えがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

筋トレ時の頭痛を防ぐために意識したいポイント

筋トレ時の頭痛を防ぐために意識したいポイントは、以下のとおりです。

今日から実践できる具体的な予防策と効果について、詳しく解説します。

息を止めない呼吸法を意識する

筋トレ中は息を止めず、力まないことが重要です。

呼吸法としては動作を行う際に呼吸を止めず、力むときに息を吐き、力を抜くときに息を吸うことが推奨されます。

どうしても息を止める必要がある高負荷時は、以下のような「修正バルサルバ法」などが活用できます。

  • 力を入れる一番きつい瞬間に、歯の間から「スッ」と息を漏らす
  • 完全に息を止めず、少しずつ空気を逃がすことで血圧の急上昇を防ぐ
  • 動作が終わったら、大きく息を吐いてリラックスする

修正バルサルバ法は血圧上昇を抑え、頭痛予防につながります。

トレーニング前後の水分補給を徹底する

運動で体内の水分が不足すると血の巡りが悪くなり、脳へ栄養や酸素が行き届かなくなることで頭痛につながる可能性があります。

脱水状態になると血液量が減り、脳の血管や膜が引っ張られることで痛みが生じやすくなります。

脱水症状を防ぐため、筋トレ前後には十分な水分補給を行うことが大切です。

急に負荷を上げず、準備運動・ストレッチを行う

急に激しい運動をすると血流の速さが一気に変わり、血管や筋肉に負担をかけるリスクがあります。

筋トレ前のウォーミングアップとしてストレッチを行うことが、頭痛を防ぐのに効果的です。

運動の強さと血管への影響の違いは以下のとおりです。

行動 血管への影響 効果・リスク
急な激しい運動 血流が一気に速くなる 血管や筋肉に急激な負担をかけるリスクがある
準備運動・ストレッチ 血流が緩やかに速くなる 血管が広がり、急激な血圧上昇を和らげる効果が期待できる

強い負荷で筋力をつけたい場合でも、脳出血等のリスクを避けるため、急激に負荷を上げず「徐々に」重さを上げることが望ましいです。

筋トレ中・後に頭痛が出たときの対処法

もしトレーニング中に頭痛を感じたら、すぐに以下のような対処を行うことが推奨されます。

対処法 具体的な行動
運動を中止する 痛みを感じた時点でセットを中断、もしくは終了する
器具の負荷を軽くする 次回以降は重量を落とす
痛み止めを飲む 痛みが続く場合は鎮痛剤を使用し安静にする

自分の体の声に耳を傾け、異変を感じたら勇気を持って休むことが、長期的なトレーニング継続につながります。

筋トレは脳の血管に負担をかけず正しい方法で安全に行おう!

多くの筋トレ頭痛は良性の「一次性運動時頭痛」であると考えられていますが、初めて激しい頭痛を感じた場合は念のため医療機関を受診しましょう。

リハビリやセルフケアを続けても痛みが改善しない、あるいは慢性的な頭痛や体の痛みに悩まされている場合は、当院へご相談ください。

当院では、自身の細胞を使って体の修復を促す治療提供しており、スポーツによる不調の改善もサポートしています。

繰り返す痛みにお悩みの方は、ぜひ一度、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEからお気軽にご相談ください。

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筋トレで脳血管が切れることに関するよくある質問と回答

筋トレで脳血管が切れることに関するよくある質問と回答は、以下のとおりです。

頭痛が出ても筋トレは続けていい?

筋トレ時に頭痛が出た場合、基本的に中止しましょう。

突然バットで殴られたような衝撃を感じる頭痛の場合は、血管のトラブルが起きている可能性があります。

痛みが徐々に強まるタイプであっても無理をすれば悪化する恐れがあるため、その日は中断し様子を見ることが望ましいです。

脳の血管が切れる前兆はある?

脳の血管が切れる前には、前兆が出る場合とまったく出ない場合があります。

たとえば、くも膜下出血では本格的に血管が破れる数日〜数週間前に、突然起こる強い頭痛が前触れとして現れることがあります。

この頭痛は「警告頭痛」と呼ばれ、普段経験しないような痛みが特徴です。

「いつもと明らかに違う」「急にズキッとした強い痛みを感じた」といった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設