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頚椎捻挫(むち打ち)を早く治す方法を紹介!原因・治療・自宅でできる方法も解説

交通事故やスポーツなどで急に首を痛めてしまい、痛くて不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
その痛みは、「むち打ち」と呼ばれる頚椎捻挫(けいついねんざ)かもしれません。
頚椎捻挫は、怪我をした直後にあまり痛みがなくても、数時間後に激痛が襲ってくる場合があります。
頚椎捻挫を早く治すためには、症状経過の時期に合わせた適切な治療・対応が重要です。
この記事では、頚椎捻挫を早く治すための正しい治療法と自宅でできるセルフケアについて解説します。
首のつらい痛みを長引かせないために、ぜひ参考にしてください。
また慢性的に続く首の痛みや神経症状に対して再生医療も新たな選択肢として注目されています。
再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用い、損傷した組織や神経の修復を促す治療法です。
症例や治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
頚椎捻挫を早く治す方法|週3の通院がおすすめ
頚椎捻挫からの早期回復を目指す場合、週に2〜3回以上の頻度で通院してリハビリを受けることが推奨されています。
筋肉が固まってしまう前にケアを続けることで、少しずつ本来の首の動きを取り戻しやすくなると考えられているからです。
頚椎捻挫の経過は、大きく分けて以下の3つの時期があります。
| 時期 | 期間の目安 | 主な状態 |
|---|---|---|
| 急性期 | 受傷直後〜1週間 | 炎症が強く痛みがある |
| 亜急性期 | 1週間~3ヶ月 | 炎症が治まり筋肉が硬くなる |
| 慢性期 | 3ヶ月~ | 痛みが長引き慢性化する |
時期ごとに体の状態が異なるため、それぞれのタイミングに合わせた対処が必要です。
ここでは、各時期における具体的な過ごし方や治療法について解説します。
急性期(受傷直後〜1週間程度)
受傷直後から約1週間の「急性期」は首の内部で炎症が起きているため、安静にして首を休めるようにします。
この時期に無理に首を動かしたり、自己判断でマッサージをしたりすると、炎症が悪化する可能性があるため避けましょう。
急性期における主な対処法は、以下のとおりです。
- 患部を冷やして炎症を抑える
- コルセットで首を固定する
- 痛みを我慢せず安静にして過ごす
炎症が強い間は保冷剤をタオルで包み、患部を冷やす処置が効果的です。
コルセットは首への負担を減らして再損傷を防ぐ効果が期待できますが、長期間使い続けると筋力が低下する原因にもなります。
コルセットの使用期間については、必ず医師の指示に従いましょう。
亜急性期(1週間~3ヶ月)
激しい痛みが和らぎ、炎症が落ち着いてくる「亜急性期」は、硬くなった筋肉をほぐして血行を良くする段階に入ります。
急性期とは逆で、冷やす治療から温める治療へ切り替えていくタイミングでもあります。
「急性期」との治療方針の違いは、以下の表のとおりです。
| 項目 | 急性期 | 亜急性期 |
|---|---|---|
| 基本方針 | 安静にする・冷やす | 体を動かす・温める |
| 主な目的 | 炎症を鎮める | 筋肉の柔軟性を取り戻す |
| 注意点 | 無理に動かさない | 安静にしすぎない |
炎症が治まった後に安静にしすぎると、筋肉や筋膜が癒着(ゆちゃく)し、後遺症の原因になる場合があります。
癒着とは
本来は別々に動くはずの組織同士がくっついて、固まってしまう現象のこと。
そのため、亜急性期からはリハビリテーションを開始し、少しずつ首を動かして本来の動きを取り戻していきましょう。
慢性期(3ヶ月~)
3ヶ月を過ぎても痛みが長引く「慢性期」は、痛みの根本的な原因にアプローチする治療が中心となります。
この時期の痛みは、筋肉の癒着や瘢痕化(はんこんか)に加え、脳や神経が過敏になっていることが関係していると考えられています。
慢性期の改善に向けたアプローチには、次のようなものがあります。
- マッサージで硬くなった筋肉をほぐす
- ウォーキングなどの軽い運動を取り入れる
- 専門的な治療で痛みの悪循環を断つ
急性期には避けるべきだったマッサージも、慢性期では筋肉の血流を良くするのに役立ちます。
ただし、強すぎる刺激は組織を傷つける可能性があるため、専門家の施術を受けるようにしましょう。
頚椎捻挫の痛みが落ち着いたら行うべき改善方法
頚椎捻挫の激しい痛みが落ち着いてきたら、ご自宅でのケアも取り入れて、回復を少しでも早めていきましょう。
ここでは、ご自宅でできる改善方法を紹介します。
自宅でできるセルフケア
医療機関での治療と並行して、通院以外の時間も首への負担を減らすセルフケアを実践してみましょう。
軽いストレッチを行う
自宅でできる運動として、主に以下の2つが推奨されています。
| 項目 | 方法 |
|---|---|
| チンイン(あご引き運動) |
・背筋を伸ばしたまま正面を向き、指であごを軽く押して、二重あごを作るように頭を後ろへスライドさせる ・首のインナーマッスルを鍛える効果が期待できる |
| 肩甲骨の運動 |
・肩をすくめないように注意し、肩甲骨を背骨に「寄せる」「開く」動作を繰り返す ・首や肩周りの血流改善に役立つ |
痛みを感じる場合は無理に行わず、医師や理学療法士の指導を受けてから実践してください。
姿勢改善で負担を減らす
首への負担を減らすために、日頃の姿勢や「頭の位置」を少し意識してみましょう。
頭が前に出ると首への負荷が急増するため、以下のポイントを意識することをおすすめします。
- スマホや画面を見る際は、視線を下げすぎない
- 頭が体の真上に来る姿勢を保つ
- 30分に1回は休憩し、同じ姿勢を続けない
長時間同じ姿勢でいると血流が悪化するため、こまめに体を動かすよう心がけてください。
適度に体を動かす(散歩・軽い有酸素運動)
慢性期には、適度に体を動かすことができるウォーキングなどの全身運動も良いでしょう。
軽い有酸素運動は心身のリラックス効果を高め、痛みの感じにくさを上昇させる効果が期待されます。
ただし、運動中は首が大きく振られたり、曲がったりしないよう注意が必要です。
頚椎捻挫を早く治すために避けるべき行動
頚椎捻挫を早く治すために良かれと思って行った行動が、かえって回復を遅らせてしまう場合があります。
医学的な観点から避けるべき行動は、以下の通りです。
| 避けるべき行動 | 理由 |
|---|---|
| 急性期のマッサージ | 炎症・内出血の悪化リスクがあるため |
| 痛みを我慢しての活動 | 組織の損傷が進行し、慢性疼痛の原因となるため |
| 自己判断での治療中断 | 痛みの再燃や後遺症リスクがあるため |
| アルコールの摂取 | 炎症を悪化させ、筋肉の回復を妨げるため |
痛みがある時期のマッサージや無理な活動は、症状を悪化させる原因となります。
自己判断で治療を止めると痛みが再燃する可能性もあるため、完治までは医師の指示に従いましょう。
頚椎捻挫に対する治療法
頚椎捻挫の治療は、主に保存療法が中心です。
症状の時期や状態に合わせ、以下のような治療法が組み合わされます。
| 治療法の種類 | 内容 |
|---|---|
| 薬物療法 | 炎症や痛みを抑える薬や湿布を用いる |
| 物理療法 | 急性期は冷却、亜急性期以降は温熱で対処する |
| 装具療法 | 急性期にコルセットを使用し、首の安静を保つ |
| 運動療法 | リハビリで筋肉の柔軟性や筋力を回復させる |
| 徒手療法 | 慢性期にマッサージなどで筋肉をほぐし、血流を改善する |
※出典:「外傷性頚部症候群」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
これらの保存療法で改善しない場合は、神経ブロック注射(痛む場所の神経に麻酔薬を注射する方法)などが検討されます。
なかなか引かない痛みに対しては、傷ついた組織の修復を促す再生医療という新しい治療法も、選択肢の一つとして注目されています。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
頚椎捻挫は正しいケアで早期改善を目指そう!
頚椎捻挫を早く治すには、週2〜3回のリハビリ通院を続けながら、時期に合わせた適切なセルフケアを実践することが大切です。
もし、ご自身でのケアを続けても痛みが長引くようであれば、一度専門の医療機関へ相談することをおすすめします。
当院(リペアセルクリニック)では、長引く首の痛みの原因を詳しく調べ、ご自身の血液や脂肪を活用した「再生医療」という新しい選択肢もご提案しています。
治療法に関する詳しい内容や症状については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介しています。
痛みのない生活を取り戻すために、ぜひお気軽にお問い合わせください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設

















