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むち打ち(頚椎捻挫)による首の痛みの治療方法を解説!完治までの期間も紹介

首を捻ってしまったとき、「このまま自然に治るのか」「病院に行った方が良いのか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
首の捻挫(むち打ち症)は、軽症の場合は数日で改善する場合もありますが悪化したり、痛みが長引いたりするケースも少なくありません。
本記事では、首の捻挫の治し方や原因、症状、やってはいけないことなどについて解説します。
症状改善のヒントとして役立ててください。
また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、むち打ち(頚椎捻挫)に対して再生医療の情報提供や、無料のメール相談を受け付けています。
首の捻挫による痛みでお困りの方は、回復へのサポートとしてぜひご活用ください。
目次
むち打ち症(頚椎捻挫)の原因・症状とは
むち打ち症(頚椎捻挫)は、強い衝撃で首が鞭のようにしなることで、筋肉や靭帯が損傷した状態を指します。
主な原因は、交通事故による追突や急ブレーキ・ラグビーやスキーなどのスポーツ事故・転倒・転落などが挙げられます。
むち打ち症の主な症状は、以下の通りです。
- 首の痛み
- 首が動かしにくい
- 肩こり
- 頭痛
- めまい
- 手や腕のしびれ
- 吐き気
- 耳鳴り
- 歩行障害
軽度のむち打ち症は首の痛みやしびれ、頭痛などの症状が一般的です。
一方、重度ではめまいや安静にしても続く痛み、歩行障害などの症状が現れる場合もあります。
事故直後は、非日常的な状況で分泌される「アドレナリン」の作用によって痛みを感じにくくなることがあります。
そのため、受傷直後は症状が出なくても数日〜数週間経ってから現れる可能性もあるため早期に整形外科を受診しましょう。
むち打ち症(頚椎捻挫)の治療方法|自宅でできる応急処置とセルフケア
むち打ち症(頚椎捻挫)は、以下の段階によって治療法が異なります。
症状の悪化を防ぎ、早期回復につなげましょう。
急性期(受傷直後〜2,3日)
むち打ち症急性期の治療方法は、以下の通りです。
治療方法 | 内容 |
---|---|
安静 |
|
冷却 | 痛みや腫れを抑えるために、冷やして炎症を抑える |
湿布や鎮痛薬の使用 | 痛みの緩和が期待できる |
むち打ち症の受傷直後は首の筋肉や靭帯が損傷しているため、無理に動かすと症状が悪化する可能性があります。
無理に動かさず、受傷直後の強い痛みに対しては、首を安静にして冷やしましょう。
首を冷やす際の手順は、以下の通りです。
- 1.氷の霜を水で洗い流す
- 2.氷のうやビニール袋に氷を入れる
- 3.痛む部分にパックを当て、15~20分冷やす
- 4.20分休憩し、必要に応じて再度冷やす
湿布や鎮痛薬を併用すれば痛みの緩和が期待できますが、むち打ち症の根本的な治療はできないためサポートとして利用しましょう。
受傷直後は無理に動かさず冷却や痛み止めを活用できれば、症状悪化の防止につながります。
回復期(炎症が落ち着いたら)
むち打ち症回復期に行う治療やケアは、以下の通りです。
治療方法 | 内容 |
---|---|
首や肩を動かす |
|
ストレッチ |
|
リハビリ | 理学療法士や専門医の指導のもとで行う |
温熱療法 | 温熱パッドの使用やお風呂に温まるなどして血流改善や筋肉の緊張緩和を図る |
低周波治療 | 弱い電気を流して、血行を促し痛みの緩和を図る |
回復期では首の動く範囲を少しずつ広げ、筋肉が固まったり細くなったりするのを防ぐことが大切です。
また、受傷直後は冷却が重要でしたが、回復期に入ったら首を温めて痛みの緩和や筋肉の柔軟性の維持を図ります。
首の捻挫は症状が軽くても早めに医療機関を受診できれば、痛みの長引きや慢性化を防ぎ回復をよりスムーズに進められます。
むち打ち症(頚椎捻挫)でやってはいけないこと|悪化を防ぐための注意点
むち打ち症(頚椎捻挫)でやってはいけないことは、以下の通りです。
やってはいけないこと | 理由や詳細 |
---|---|
無理な運動 |
|
自己流のストレッチやマッサージ |
|
過度な安静 | 長期間首を動かさないと、筋肉の萎縮や関節の硬直が進み、回復が遅れる可能性がある |
猫背 | 首に負担がかかりやすく、症状が悪化する可能性がある |
長時間運転 | 同じ姿勢で首が疲労しやすいため、こまめに休憩を入れて首や肩を動かす |
受傷直後に首を温める | 炎症が進む恐れがあるため、受傷後の強い炎症による痛みには首を冷やす |
放置する | 時間が経過するにつれて症状が強まったり慢性化したりする恐れがあるため、早期に治療を開始する |
むち打ち症の回復を早めるには首や肩に無理な負担をかけず、医師や専門家の指導に従うことが大切です。
適切なケアを続け、症状の悪化や慢性化を防ぎスムーズな回復につなげましょう。
むち打ち症(頚椎捻挫)はどれくらいで治る?【治療期間の目安】
むち打ち症(頚椎捻挫)の治療期間は個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。
症状の程度 | 目安 |
---|---|
軽度 | 数日〜2週間程度で改善するケースが多い |
中等度 | 数週間〜1カ月程度で症状が落ち着くケースが多い |
重度 | 数カ月かかる場合もあり、高齢者や交通事故の強い衝撃による場合はさらに長引く可能性がある |
交通事故によるむち打ち損傷患者の平均治療日数は追突事故で約86日、自損事故で約43日※と報告されています。
※出典:日本医師会総合政策研究機構「交通事故によるいわゆる“むち打ち損傷”の治療期間は長いのか」
ただし、治療期間は症状の重さや事故の状況によって大きく異なる場合があります。
軽度のむち打ちであれば2週間程度で改善する場合が多いものの、症状の重さや治療の開始時期などによって治療期間が延びるケースがあります。
受傷後45日以上症状が続く場合は、慢性化のリスクが高いと考えられます。
とくに頭痛が慢性化しやすく、首の後ろ側の筋肉である頭半棘筋に損傷があると回復に時間がかかることがあるため、早期の受診や治療が重要です。
適切な治療と通院、日常生活での注意を継続して後遺症の防止や円滑な回復につなげましょう。
むち打ち症(頚椎捻挫)への新しい治療法として注目される再生医療
むち打ち症(頚椎捻挫)の治療は安静や薬物療法、リハビリなどの保存療法で改善するのが一般的です。
症状が長引いたり後遺症が出たりするケースでは、再生医療が新たな選択肢として注目されています。
再生医療のPRP療法や幹細胞治療は、炎症の軽減や損傷した組織の修復促進を目指す治療法です。
治療名 | 特徴 | 手順 |
---|---|---|
PRP療法 | 血小板に含まれる成長因子の、炎症を抑える効果を利用する治療法 | 患者さま自身の血液を採取し、抽出した血漿成分を注射器で投与 |
幹細胞治療 | 他の細胞に変化できる幹細胞の能力を活かし、傷ついた組織へ働きかける治療法 | 患者さま自身の細胞を採取し、培養した幹細胞を点滴や注射にて投与 |
症例や詳しい治療法については、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで情報発信しています。
無料診断も提供していますので、むち打ち症(頚椎捻挫)の痛みや違和感が長引く方はぜひご覧ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
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