オスグッドシュラッター病は大人になってから発症する?原因や早く治す方法を解説
公開日: 2019.05.08更新日: 2024.11.06
成長期に発症するイメージが強いオスグッドシュラッター病ですが、大人になって発症するケースもあります。
そのため、膝に対して痛みや皮膚の赤み、熱っぽさがある大人の方はオスグッドシュラッター病を患っている可能性もあります。
本記事では、オスグッドシュラッター病が再発する原因から、できるだけ早く治す方法までを大人向けに解説します。辛い痛みから解放されたい方はぜひ参考にしてください。
目次
オスグッド(オスグッドシュラッター病)とは
オスグッド(オスグッドシュラッター病)は、成長期の子どもに多く見られる病気です。骨や膝周辺の筋肉が成長している過程で過度な運動を行うと、膝に負担がかかり発症します。発症リスクは高まります。
中でも、ダッシュやジャンプ動作を伴うスポーツはオスグッド病の発症リスクを高めます。
- ・サッカー
- ・バスケットボール
- ・バレーボール
- ・バドミントン
- ・陸上競技
成長期が終わると、オスグッド病の発症リスクは大幅に低下します。また、発症したオスグッド病も成長期が終わるにつれて快方に向かいます。
しかし、重度のオスグッド病の場合、後遺症のリスクを伴います。骨や軟部組織が成長異常などを引き起こしている場合、大人の体格になった後でも膝に大きな負荷がかかった際に痛む可能性があるのです。
オスグッドが大人になって再発する原因
オスグッド病は一般的に成長期の終わりとともに回復します。しかし、膝の使い方次第で、大人になって再発する可能性があるのです。
大人になってからオスグッド病を発症する原因は、以下の2つが挙げられます。
- ・体の動かし方の問題
- ・子どものころに発症したときの後遺症
体の動かし方の問題
体の使い方に問題があるために発症するケースがあります。
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大腿四頭筋とは、太ももの筋肉のことです。大腿四頭筋の柔軟性が低下すると屈伸運動をするたびに脛骨粗面が強く引っ張られるため、オスグッドを発症しやすくなります。
また、姿勢の悪さが四頭筋の柔軟性低下を招くため、体の重心が後方によっていないか注意してください。
足首や股関節の可動域が狭いと、分散されるはずの力が膝に加わります。膝の使いすぎにもつながるので、足首や股関節の柔軟性も大切です。
子どもの頃に発症したときの後遺症
子どもの頃に発症したオスグッド病の後遺症により、大人になって再発するケースもあります。
- ・脛骨粗面が隆起する
- ・圧痛(押すと痛む)
- ・運動すると痛む
「オスグッド後遺症」と呼ばれ成長期が終わって脛骨粗面の軟骨が硬くなった後に膝に負担をかけすぎると発症します。
オスグッド後遺症を防ぐためにも、運動や仕事前の準備体操やストレッチを欠かさず行いましょう。
オスグッドを早く治す方法
この項目では、オスグッドを早く治す5つの方法を紹介します。リハビリから自身で実施できる方法をピックアップしていますので、症状にあわせて行ってみてください。
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十分な休養
まずは十分な休養をとりましょう。
スポーツに取り組んでいる場合、数カ月はスポーツから離れる必要があります。
オスグッド病を発症してから膝に負担をかけてしまうと、完治までに時間がかかり、後遺症の発生リスクも高くなってしまいます。
柔軟性の改善
柔軟性の改善もオスグッド病を治す上で重要です。
オスグッド病の要因は、軟部組織の成長が遅れるために筋肉が固くなってしまうことです。症状を改善するために、前太もも前面の筋肉の柔軟性を上げましょう。
また、膝の動作をスムーズにするためにも、足首や骨盤の柔軟性を高めることも大切です。
筋力の確保
オスグッド病を早く治すカギは筋力の確保です。
太もも前面の筋肉が不均衡だと、膝の前面にかかるストレスが増大します。
また、太ももの筋肉低下は同様に膝へのストレスを招くため、十分な休養をとったら徐々に筋力アップを目的としたトレーニングを行いましょう。
動作の改善
動作の改善は、オスグッド病の再発予防にも有効です。
体の重心が後方に向いていると、太もも前面・膝前面の筋肉に大きな負荷がかかり、オスグッド病の再発を促してしまう可能性があります。
したがって、骨盤前方重心に導くトレーニングが効果的です。
かかりつけの接骨院・整体・整形外科の専門医と相談しながらトレーニングを行いましょう。
サポーターの着用
サポーターの着用は、膝の負担軽減に期待できる一方で、症状の緩和に効果をもたらします。
サポーターを着用した状態で、柔軟性の改善や筋力の確保を目的としたトレーニングやリハビリを行うことで、膝への直接的なダメージを防げます。
ただし、サポーターはオスグッド病を治すために使用するものではありません。あくまでも、膝への負担を軽減させる補助的な役割であることを念頭におきましょう。
また、オスグッド病のサポーターには以下の種類が存在します。
膝を覆うサポーター |
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ベルト型のサポーター |
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サポータの選び方や装着方法については、かかりつけ医療機関の医師に相談しましょう。
オスグッドを大人になってから発症した場合は手術が必要なケースもある
オスグッド病は、手術が必要となるケースもあります。
ただし、手術をするのは重症化した場合や保存療法で改善されなかったときだけです。手術の必要性は、医師の診断結果に応じて判断されます。
手術には、骨片を摘出する手術と隆起した脛骨粗面を切除する2種類の手術があります。
手術せずに放置すると症状が悪化して後遺症が出る可能性もあるため、早期の治療が大切です。
- ・重症化した場合
- ・保存療法で改善されなかった場合
オスグッドを大人になってから発症した方からよくある質問
オスグッドを大人になって発症した方の疑問にお答えします。
中でも、よくある質問をピックアップしたので、オスグッドを発症した大人の方はぜひご確認ください。
オスグッド後遺症にならないためには?
完治した後も、再発しないようストレッチを行いましょう。
治療中はもちろん、痛みがなくなった後もストレッチを続けてください。医師からストレッチに関する指導を仰ぎつつ、継続することが大切です。
成長痛とオスグッドの違いは?
成長痛とオスグッドは、痛む部位に違いがあります。
成長痛は膝全体やその他の足に痛みが発生するのに対して、オスグッドは膝のお皿の下に痛みがあります。
オスグッドを成長痛と勘違いして治療が遅れるケースがあるので、膝に痛みがある場合は一度医療機関で精密検査を受けてみると良いでしょう。
オスグッドを大人になってから発症した場合は適切に対処しよう
オスグッド病は大人になってから発症する可能性もあります。膝に痛みや違和感を覚えたら一度医療機関を受診してみましょう。
また、痛みがあるうちはスポーツを中止してください。痛みがなくなれば復帰できますが、発症後3~6カ月程度は運動によって症状が強くなる傾向にあります。
十分な休養をとった後、サポーターを着用した上で筋力強化や柔軟性向上を目指したリハビリ・トレーニングを行いましょう。