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骨軟化症と骨粗鬆症の違いとは?原因・症状・治療法を比較して解説

骨粗鬆症と骨軟化症は、どちらも骨がもろくなって骨折しやすくなるため混同されやすい病気です。
しかし、骨粗鬆症は「骨の量」が減る病気、骨軟化症は「骨の質(石灰化)」が損なわれる病気であり、原因も治療法も大きく異なります。
骨密度の数値だけでは両者を区別できないため、血液検査を含めた総合的な評価が欠かせません。
本記事では、骨軟化症と骨粗鬆症の違いを、原因・症状・検査・治療の観点から比較して解説します。
目次
骨軟化症と骨粗鬆症の違い|原因も治療法も異なる
両者の決定的な違いは、骨の中で何が起きているかという点にあります。
骨粗鬆症では、骨をつくる働きと壊す働きのバランスが崩れ、骨の量そのものが減少して骨がスカスカな状態になります。
一方の骨軟化症では、骨の土台となるコラーゲン(類骨)は作られているものの、そこにカルシウムやリンが十分に沈着せず、骨が軟らかくたわみやすい状態になります。
骨軟化症は骨石灰化障害を特徴とする疾患であり、成人では筋力低下や骨の痛みが主な症状として現れると報告されています。
※参照:難病情報センター「ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症(指定難病238)」
そのため、骨粗鬆症の薬を使っても骨軟化症は改善せず、原因に応じた治療を選ぶ必要があります。
骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症は、骨量や骨質が低下することで骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる病気です。
ここでは、原因と症状を順に解説します。
骨粗鬆症の主な原因
もっとも多いのは加齢と閉経に伴うもので、女性ホルモンの減少によって骨の吸収が急速に進みます。
そのほか、運動不足やカルシウム・ビタミンDの摂取不足、喫煙や過度の飲酒も骨量の低下に関わります。
また、ステロイド薬の長期使用や、糖尿病・関節リウマチなどの疾患が背景にある続発性骨粗鬆症もあります。
骨粗鬆症でみられる症状
骨粗鬆症は進行しても自覚症状が乏しく、骨折して初めて気づくケースが少なくありません。
背骨が押しつぶされる圧迫骨折が起こると、背中や腰の痛み、背中が丸くなる、身長が縮むといった変化が現れます。
大腿骨の付け根の骨折は歩行機能の低下に直結するため、転倒予防が重要になります。
骨軟化症とは?
骨軟化症は、骨の石灰化が十分に行われず、骨が軟らかくなる病気です。
成長期に発症したものは「くる病」と呼ばれ、骨端線が閉じた後に発症したものが骨軟化症と区別されます。
骨軟化症の主な原因
代表的なのはビタミンDの不足やリンの代謝異常です。
日光を浴びる機会が極端に少ない生活、極端な食事制限、胃切除後や腸の疾患による吸収障害などが背景になります。
また、腎臓の病気や一部の薬剤、腫瘍がホルモンを過剰に産生することで低リン血症を起こすタイプもあります。
骨軟化症でみられる症状
骨軟化症では、腰や太もも、肋骨などに鈍い骨の痛みが続くのが特徴です。
階段が上りにくい、立ち上がりにくいといった筋力低下を伴い、動作がぎこちなくなることもあります。
進行すると骨が変形したり、明らかな外傷がないのに骨折(偽骨折)が生じたりする場合があります。
骨軟化症と骨粗鬆症を比較
両者の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 骨粗鬆症 | 骨軟化症 |
|---|---|---|
| 病態 | 骨量・骨質の低下 | 骨の石灰化障害 |
| 主な原因 | 加齢・閉経・ステロイド薬など | ビタミンD不足・リン代謝異常など |
| 好発年齢 | 閉経後の女性・高齢者に多い | 年齢を問わず発症する |
| 症状 | 無症状のまま進行し、骨折で気づくことが多い | 持続する骨の痛みと筋力低下 |
| 血液検査 | 大きな異常を認めないことが多い | 低リン血症やALP高値などがみられる |
| 治療 | 骨吸収抑制薬・骨形成促進薬 | ビタミンD・リンの補充と原因疾患の治療 |
骨密度検査ではどちらも低い値を示すことがあるため、骨密度が低いというだけで骨軟化症を否定することはできません。
検査・診断方法の違い
骨粗鬆症の診断では、DXA法による骨密度測定が中心となり、脊椎のX線検査で圧迫骨折の有無も確認します。
一方、骨軟化症では血液検査が診断の決め手となり、カルシウム・リン・ALP・ビタミンDなどの値を確認します。
画像検査では、骨に見られる偽骨折の線状陰影が診断の手がかりになることがあります。
骨の痛みや筋力低下を伴う場合は、骨密度だけで判断せず血液検査まで行うことが、見落としを防ぐうえで大切です。
治療法の違い
骨粗鬆症では、骨が壊れるのを抑える骨吸収抑制薬や、骨をつくる働きを促す骨形成促進薬などの薬物療法が中心です。
これにカルシウムやビタミンDの補給、運動療法、転倒予防を組み合わせて骨折リスクを下げていきます。
骨軟化症では、不足しているビタミンDやリンを補い、原因となっている疾患そのものを治療することが基本となります。
原因が取り除かれれば骨の痛みや筋力低下が改善していくケースもあるため、原因の特定が治療の出発点になります。
いずれの病気でも、症状が落ち着いたからといって自己判断で薬を中止せず、必ず主治医に相談してください。
損なわれた組織・臓器の機能改善を目指す再生医療という選択肢
骨粗鬆症と骨軟化症の標準的な治療は、いずれも薬物療法と栄養療法です。
これらの病気そのものに対する再生医療は確立されておらず、骨密度や石灰化を改善する治療として提供されているものではありません。
一方で、骨の形成や修復を目的とした幹細胞治療の研究は整形外科領域で進められており、骨折後の癒合が進みにくいケースなどへの応用が検討されています。
再生医療は、患者様ご自身の幹細胞や血液成分を用いて、損傷した組織の修復をサポートすることを目指す治療法です。
ただし現時点では適応が限られるため、まずは整形外科や内科で原因を明確にし、標準治療を継続することが優先されます。
まとめ|骨軟化症と骨粗鬆症は似ているようで異なる病気
骨粗鬆症は骨の量が減る病気、骨軟化症は骨の石灰化が妨げられる病気であり、見た目の「骨がもろい」という共通点の裏で、原因も治療法も異なります。
骨粗鬆症は骨折するまで自覚症状が出にくいのに対し、骨軟化症では持続する骨の痛みや筋力低下が現れやすい点が手がかりになります。
骨密度の数値だけでは区別できないため、血液検査を含めた検査で原因を確かめることが大切です。
腰や脚の痛みが続く、立ち上がりにくい、身長が縮んだといった変化があれば、自己判断せず整形外科や内科を受診してください。
また、骨や関節の慢性的な不調に対しては、再生医療が選択肢の一つとなる場合があります。
骨・関節領域の再生医療について詳しい内容は当院(リペアセルクリニック)公式LINEでもご紹介していますので、関心のある方はぜひ参考にしてください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師























