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胸郭出口症候群は、神経や血管が圧迫されることで生じる疾患であり、放置すると強い痛みやしびれによって日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 そんな胸郭出口症候群について「ストレッチで痛みを和らげたい」「自分で治す方法を知りたい」という方も多いでしょう。 実際、日々の生活に適切なストレッチを取り入れれば、筋肉の緊張がほぐれ、つらい痛みやしびれなどの症状緩和が期待できます。 本記事では、胸郭出口症候群に有効なストレッチ方法から、実施時の注意点について詳しく解説します。 自分の体質や症状に合った正しいケア方法を理解し、快適な日常生活を取り戻しましょう。 また、胸郭出口症候群による痛みやしびれを早く治したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促す医療技術で、胸郭出口症候群の症状改善が期待できます。 「再生医療について詳しく知りたい」「つらい神経痛を早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 胸郭出口症候群に有効なストレッチ方法 胸郭出口症候群の症状を和らげるには、原因となっている筋肉の緊張を解き、神経や血管の圧迫を解消する必要があります。 ここでは自宅で手軽に取り組める3つのストレッチを紹介します。 小胸筋ストレッチ 斜角筋ストレッチ 肩甲骨ストレッチ ストレッチを毎日の習慣にすることで、筋肉の柔軟性が高まり、慢性的なしびれや痛みの軽減が期待できます。 それぞれの具体的な手順とポイントを見ていきましょう。 小胸筋ストレッチ 胸の前側にある「小胸筋」が硬くなると、神経の通り道が狭くなり、症状が悪化する原因になります。 まずはこの筋肉をしっかりと伸ばし、胸を開きやすい状態を作りましょう。 小胸筋ストレッチの手順 壁の横に立ち、肘を90度に曲げて前腕を壁につける 足を前後に開き、壁側の足を一歩前に出す 胸を張りながら体を壁とは反対方向にゆっくりと捻る 胸の前が伸びているのを感じながら20秒間キープ 左右交互に実施し、痛みが出ない範囲で気持ちよく伸ばしてください。 胸郭を開くことで呼吸も深くなり、リラックス効果も得られます。 斜角筋ストレッチ 首の横にある「斜角筋」は、重い頭を支え続けているため疲れやすく、胸郭出口症候群の主要な原因となる箇所です。 首周りの緊張をほぐすことで、腕への神経圧迫を直接的に緩和できます。 斜角筋ストレッチの手順 椅子に座り右手を背中側に回すか、椅子の座面を持って右肩を固定 左手で頭をまたぐように持ち、頭を左真横にゆっくり倒す その状態で顔を少し天井方向へ向ける 首の右前側が伸びる感覚を確認し、20秒間キープ 肩が一緒に上がってしまうと効果が薄れるため、手で椅子を掴んで肩の位置を下げておくのがコツです。 首の筋肉は繊細なため、強い力で引っ張らず、頭の重みを利用してじっくりと伸ばしましょう。 肩甲骨ストレッチ 猫背や巻き肩などの不良姿勢は、肩甲骨の動きを悪くし、胸郭出口周辺の負担を増大させます。 肩甲骨周りを柔軟に保つことは、根本的な姿勢改善と症状緩和に欠かせません。 肩甲骨ストレッチの手順 足を肩幅に開いて立ち、両手を背中で組む 組んだ手を斜め下へ引き下げながら、胸を大きく開く 肩甲骨同士を寄せる意識を持ち、15秒間キープ 仕事中などで立ち上がれない場合は、座ったまま両手を肩に置き、肘で大きな円を描くように回す方法も有効です。 肩甲骨を大きく動かすことで血流が改善され、こり固まった筋肉がほぐれます。 胸郭出口症候群でストレッチを行うときの注意点 胸郭出口症候群の改善には継続的なケアが必要ですが、間違った方法で悪化させるケースもあります。 ここでは、ストレッチを行うときに守るべき注意点を解説します。 痛みを感じない程度に実施する 正しい姿勢を保つ これらを守ることで、リスクを抑えながら症状の緩和を目指せます。 痛みを感じない程度に実施する ストレッチは「痛気持ちいい」強さで留めてください。 神経が過敏な状態で強く伸ばすと、逆に症状が悪化する可能性があるため、以下のサインが出た場合は、直ちに中止しましょう。 中止すべき危険サイン 実施中に強い痛みがある 指先のしびれが増す 翌日まで痛みが残る 無理に伸ばすと組織を傷つけ、回復の妨げになるため、ご自身の体の感覚を優先し、決して無理はしないでください。 正しい姿勢を保つ ストレッチの十分な効果を得るには、基本となる正しい姿勢を保つことが重要です。 背中が丸まった状態で首や肩を動かしても、目的の筋肉に適切な刺激が入りません。 正しいフォームを維持するポイントは、以下のとおりです。 部位 ポイント 背筋 天井から吊られるイメージで伸ばす 骨盤 椅子に深く座り、立てて安定させる 注意 過剰に胸を張りすぎない 良かれと思って胸を張りすぎると、鎖骨と肋骨の間が狭まり、神経圧迫を強める恐れがあります。 鏡の前でチェックするなど、客観的に自分のフォームを確認しましょう。 胸郭出口症候群になりやすい人の特徴 胸郭出口症候群は、特定の生活習慣や身体的な特徴を持つ方に多く発症します。 ご自身が以下の要因に当てはまるか確認し、リスクを把握しましょう。 オーバーハンドスポーツの競技者 猫背などの不良姿勢 なで肩などの骨格的な問題 これらの要因は、神経や血管の通り道を物理的に狭める主な原因となります。 それぞれの詳細と、症状が出るメカニズムを解説します。 また、以下の記事では胸郭出口症候群の症状のチェックリストを解説しているので、参考にしてください。 オーバーハンドスポーツの競技者 野球やバレーボール、テニスなど、腕を肩より高く上げる動作を繰り返す競技者は、発症リスクが高い傾向にあります。 投球やアタックの動作は、首や胸の筋肉に強い負荷を与え続けます。 繰り返しの負荷が身体に及ぼす影響は以下のとおりです。 オーバーハンド動作による主な負担 筋肉が肥大し神経の通り道を狭める 疲労で筋肉が硬化し血管を圧迫する プレー中の反復動作で炎症が起きる ケアが不十分な場合、慢性的な痛みにつながりプレーに支障が出ます。 練習後のクールダウンやストレッチを徹底し、筋肉の柔軟性を保ちましょう。 猫背などの不良姿勢 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、姿勢が崩れている方も注意が必要です。 猫背や頭が前に出るフォームは、以下のように胸郭出口周辺へ悪影響を及ぼします。 不良姿勢が及ぼす身体への負担 背中が丸まり小胸筋が縮んで硬化する 頭の重さを支える首の筋肉が疲労する 神経や血管へ持続的な圧迫が加わる この状態を放置すると、腕のしびれや冷感といった症状の引き金になります。 仕事の合間に背筋を伸ばし、定期的に体を動かしましょう。 正しい座り方を維持すれば、首や肩にかかる負担は軽減されます。 なで肩などの骨格的な問題 生まれつきの骨格も、発症に大きく関係しています。 特に「なで肩」の方は、構造的に神経や血管が圧迫されるリスクが高い状態です。 鎖骨が下がることにより、体の中では以下のような問題が生じます。 なで肩による身体への影響 鎖骨と肋骨の隙間(肋鎖間隙)が狭くなる 少しの動きで神経に摩擦が生じる 腕の重みで神経が下に引っ張られる これらの特徴は、比較的筋力の弱い女性に多く見られる傾向が強いです。 日頃から肩周りの筋力を適度に鍛え、肩の位置を安定させましょう。 胸郭出口症候群のストレッチ方法についてよくある質問 ここでは、胸郭出口症候群のストレッチ方法についてよくある質問に回答していきます。 胸郭出口症候群は自分で治せる? 胸郭出口症候群のリハビリ方法は? それぞれの質問について詳しく解説します。 胸郭出口症候群は自分で治せる? 胸郭出口症候群を自分で治せるかどうかは、症状の程度や原因によって異なります。 軽度であれば、ストレッチや生活習慣の見直しで症状が軽減するケースはあります。 しかし、痛みが引いた状態でもセルフケアはあくまで対症療法のため、「根本的に治った」とはいえないでしょう。 また、以下のような状況では、医療機関を受診して治療を受けた方が良いです。 専門医の診断が必要なケース なで肩や頚肋など骨格に問題がある セルフケアを続けても痛みが変わらない 日に日に痛みやしびれが悪化している 自己判断で間違ったケアを続けると症状の悪化を招く恐れがあるため、ストレッチやマッサージの手順については、専門医に確認してから実施することをお勧めします。 症状が改善しない場合は無理に続けず、整形外科などの医療機関を受診してください。 胸郭出口症候群のリハビリ方法は? 医療機関で行うリハビリでは、専門家が原因を特定し、圧迫部位に合わせた適切な処置を施します。 一般的なリラクゼーションマッサージとは異なり、医学的評価に基づいた治療的アプローチで、神経や血管の通り道を広げることが目的です。 圧迫が起きている場所ごとに、以下のようなアプローチを選択します。 圧迫部位 主なリハビリ内容 斜角筋隙(首) 頸部周囲のマッサージや筋膜リリース 肋鎖間隙(鎖骨) 鎖骨の動きを正常に戻す関節可動域訓練 小胸筋下隙(胸) 硬化した小胸筋を直接緩めるマッサージ これらの手技に加え、再発を防ぐための姿勢矯正や筋力トレーニングも実施します。 根本的な原因を取り除くため、長期的な改善を目指すうえで有効な手段です。 胸郭出口症候群のストレッチと併せて再生医療をご検討ください 胸郭出口症候群は、正しいセルフケアを継続すれば、筋肉の柔軟性が高まり、痛みの軽減が期待できます。 しかし、長期間の圧迫で損傷した神経は、ストレッチだけで改善が難しいケースもあります。 従来の治療では、手術によって神経の圧迫を取り除くことで改善を目指していましたが、近年では手術せずに神経を治療する再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促す医療技術です。 再生医療の特徴 手術や入院をせずに神経痛を根本的に治療できる可能性 自己細胞を使うためアレルギー反応などの副作用が少ない 再生医療は、手術による術後リスクの負担を避けつつ、胸郭出口症候群による痛みを根本的に改善できる可能性があります。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療による専門的な治療を提供しています。 「再生医療について詳しく知りたい」「つらい神経痛を早く治したい」という方は、ぜひ当院にご相談ください。
2025.11.28 -
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大人になってから背中や腰の痛みで病院に行ったら「側弯症」と診断され、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 子供の病気だと思っていたのに、止まらない腰痛や背中の痛みに悩み、「手術が必要なのか」「もう治らないのか」と不安を抱える方は少なくありません。 本記事では、大人になってから現れた側弯症の治療法について詳しく解説します。 痛みを我慢するだけの生活を終わらせ、安心して過ごせる毎日を取り戻すために、本記事を役立ててください。 大人の側弯症の治し方とは?有効な治療法 大人になってから治療を始める場合、大きく分けて2つのアプローチがあります。 保存療法 手術療法 現在の進行度や痛みのレベルに合わせて、医師と相談しながら適した方法を選択しましょう。 以下では、それぞれの治療法について詳しく解説します。 保存療法 側弯症の治療法として、まずは体にメスを入れない保存療法から開始することが一般的です。 大人になってからの側弯症治療では、痛みの緩和を目的として以下のような治療が用いれられます。 治療内容 具体的な目的 内服薬・湿布 炎症を抑えて腰や背中の痛みを和らげる 神経ブロック注射 坐骨神経痛など強いしびれを緩和する これらの処置を続けながら、専門医による定期的な診察とレントゲン検査をして背骨の角度を確認します。 また、側弯症治療のイメージで多いコルセットを用いた「装具療法」は、成長期が終了している大人の場合、治療効果は限定的です。 脊柱を外側から支えることで、一時的な痛みの緩和に役立つ場合がありますが、 成長期が終了した大人では、変形の矯正や進行防止効果は期待できません。 大人になってからの側弯症は、痛みをコントロールしながら経過観察していくケースがほとんどです。 手術療法 保存療法を継続しても痛みが改善しない、あるいは変形が高度で内臓への影響が懸念される場合は、手術を検討します。 曲がってしまった背骨を金属製のボルトやロッドで固定し、真っ直ぐに矯正する方法で、主な術式には「後方矯正固定術」と「前方矯正固定術」の2種類があります。 入院期間は、患者さまの年齢や症状によって異なりますが、一般的には2〜4週間程度が目安です。 術後はコルセットを装着し、継続的にリハビリに取り組みながら社会復帰を目指します。 軽度の側弯症は経過観察をする場合もある 背骨の曲がりが小さい段階では、すぐに装具の装着や手術を行うわけではありません。 一般的に側弯症のカーブが25度未満であれば「軽度」とみなされ、特別な処置をせずに定期的に経過観察を行います。 ただし、「治療しない=何もしなくて良い」というわけではありません。 側弯症が気づかないうちに進行する恐れがあるため、数ヶ月ごとに専門医の診察を受けたり、レントゲン検査で状態の確認をしたりすること重要です。 もし側弯症が悪化し、カーブが25度以上に達した場合、成長期であれば進行を抑えるために装具(コルセット)の着用を検討します。 大人になってから側弯症になる?主な原因や症状 成人してから背骨の曲がりを指摘されるケースは珍しくありません。 なぜ大人になってから症状が出る・診断されるのか、そのメカニズムとサインを解説します。 大人になってから側弯症になる原因 大人の側弯症でみられる症状 子供の側弯症との違いは? ご自身の状況と照らし合わせ、正しく病態を把握しましょう。 大人になってから側弯症になる原因 大人になってから側弯症の症状が出る・悪化する原因は、大きく分けて「子供時代からの進行」と「加齢による変化」の2パターンがあります。 基本的に子供時代に発症した「思春期特発性側弯症の成人期遺残」であり、大人になってから新規発症するケースは稀です。 成長期に発症した側弯症の軽いカーブを放置することで、大人になってから悪化し、症状が現れるケースが多いです。 一方で、年齢とともに背骨のクッションである椎間板や関節が傷んでしまうケースで発症する可能性もあります。 水分を失った椎間板が潰れ、支えきれなくなった背骨が徐々にねじれてしまいます。 また、骨粗しょう症による圧迫骨折が引き金になることもあります。 大人の側弯症でみられる症状 大人の側弯症の症状は、子供の側弯症とは異なり、はっきりとした「痛み」や「しびれ」を伴うのが特徴です。 主な症状は、以下のとおりです。 症状 具体的な状態 慢性的な痛み 腰や背中が重苦しく痛む 神経障害 お尻から足にかけてのしびれ(坐骨神経痛) 歩行障害 長く歩くと足が痛み、休むとまた歩ける(間欠性跛行) 外見の変化 肩の高さが違う、ウエストのくびれが左右非対称 稀ではありますが、重症化して非常に高度な変形(通常70度以上)に達した場合、内臓が圧迫されることで呼吸機能の低下や逆流性食道炎などを招く恐れもあります。 「ただの腰痛」と我慢せず、異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 子供の側弯症との違いは? 同じ「側弯症」という病名でも子供と大人では性質が異なり、主に「症状の有無」と「治療のゴール」に大きな違いがあります。 それぞれの症状や治療目的は、以下のとおりです。 項目 子供(思春期特発性) 大人(成人脊柱変形) 症状 ほとんどない(無痛が多い) 強い腰痛や足のしびれ 発症原因 原因不明なことが多い 思春期特発性側弯症の進行・悪化、加齢変性や骨粗しょう症による新規発症 進行要因 身長の伸び(成長)に伴う 加齢による骨や関節の劣化 治療目的 カーブの進行予防(矯正) 痛みの緩和と生活の質改善 子供の場合は自覚症状がほとんどないため発見が遅れがちですが、大人は痛みをきっかけに病院を訪れる方が大半です。 また、大人になってから症状を自覚した方でも、実は子供の頃から側弯症だった(思春期特発性側弯症の成人期遺残)というケースがあります。 大人の側弯症の治し方についてよくある質問 ここでは、大人の側弯症の治し方についてよくある質問に回答していきます。 側弯症でやってはいけないことは? 側弯症はストレッチで治る? 側弯症を放置するとどうなる? 正しい知識をもち、悪化を防ぐ生活習慣を身につけましょう。 側弯症でやってはいけないことは? 側弯症は、以下のような習慣が側弯症のカーブを悪化させたり、痛みを増す可能性があるため注意が必要です 側弯症でやってはいけないこと 長時間同じ姿勢で座り続ける(デスクワークなど) 重い荷物を片側の肩だけで持つ 体を極端にひねるスポーツを無理に行う など 上記のように背骨に偏った負担をかけ続ける動作は、変形を強めたり痛みを悪化させたりする要因になります。 仕事で座る時間が長い場合は、こまめに休憩を挟んで体を動かしましょう。 また、荷物を持ち運ぶカバンはリュックサックにするなど、左右均等に重さがかかる工夫をしてください。 以下の記事では、側弯症の方がやってはいけないことについて詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 側弯症はストレッチで治る? 骨の変形そのものは物理的な矯正が必要なため、ストレッチだけで曲がった骨を完全に真っ直ぐに戻すのは困難です。 ただし、治療の補助としては有効なケースもあります。 アプローチ 期待できる役割 ストレッチ 固まった筋肉をほぐし、痛みを緩和する 整体・手技療法 全身のバランスを整え、動きやすくする 専門的なリハビリ 正しい姿勢を維持する筋力をつける しかし、整体などで一時的にバランスを整えても、普段の姿勢が崩れていれば元に戻ってしまいます。 ストレッチは「治す手段」ではなく、「症状を和らげ、進行を防ぐためのケア」として活用しましょう。 また、次の記事では背骨が曲がった状態を治すストレッチについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。 側弯症を放置するとどうなる? 側弯症を適切な対処をせずに放っておくと、加齢とともに症状が段階的に悪化するリスクがあります。 具体的には、側弯症が悪化することで、外見の歪みが進行し、背中や腰の痛みが強くなったり、神経痛が生じます。 また、稀ではありますが、カーブが70度を超えるような非常に高度な変形の場合、肺や心臓のスペースが狭くなり、心肺機能に影響を及ぼすケースもあります。 健康寿命を縮めないためにも、診断を受けたら放置せず、継続的な治療に取り組みましょう。 大人の側弯症を治すには早期受診と適切な治療を受けることが重要 大人の側弯症は、カーブが25度未満で軽度の場合、定期的な診察と検査による「経過観察」となります。 しかし、日常生活の過ごし方や、加齢とともに変形が進み、生活に支障をきたす恐れがあるため、違和感を覚えたら早めに専門医を受診し、現在の状態を正しく把握しましょう。 放置して高度な側弯症まで進行してしまった場合は、手術が検討されます。 また、側弯症の手術後の後遺症の神経症状(しびれ)・慢性的な痛みが出た場合には、「再生医療」という選択肢があることを覚えていただきたいです。 再生医療の幹細胞治療は、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して治療に用いることで損傷した神経組織の再生・修復を促す医療技術です。 自己細胞を用いるためアレルギー反応などの副作用のリスクが少なく、従来の治療では改善が難しかった症状への新たなアプローチとして注目されています。 >再生医療による脊髄損傷改善の症例はこちら 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.11.28 -
- その他
水頭症とは、脳の中にある脳脊髄液という液体がたまりすぎてしまう病気で、子どもから高齢者まで幅広い年齢層で発症します。 放置すると歩行障害や認知機能の低下など、生活に大きな影響を及ぼす深刻な症状が現れる可能性があります。 水頭症と診断されて「寿命はどのくらいなのか」「手術をしないとどうなるのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、水頭症の寿命や治療法、放置した場合のリスクについて詳しく解説します。 水頭症でお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、水頭症の原因となるくも膜下出血や脳出血については、再発予防の観点から再生医療という治療選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでも、再生医療に関する情報の提供やオンライン診断を実施しておりますので、併せてご覧ください。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。 水頭症の寿命はどのくらい? 水頭症の寿命・予後は、発症年齢、原因(先天性・後天性)、治療開始の時期などによって異なります。 しかし、水頭症は適切な治療を受けることで良好な予後が期待でき、直接寿命に影響する可能性は低いと考えられています。 特に小児の場合、シャント手術を受けた方の80%以上が長期生存できるといわれています。 早期に適切な手術治療を受けることで、症状が改善し、日常生活を自立して送れる可能性が高い※とされています。 ※出典:PubMed 健康的な生活を長く送るためにも水頭症の症状を理解し、発症が疑われる場合はすぐに医療機関を受診しましょう。 水頭症とは|2つのタイプと主な症状 水頭症について正しく理解するためには、その種類と症状を知ることが大切です。 水頭症には大きく分けて以下の2つのタイプがあります。 非交通性水頭症 交通性水頭症 これらの違いを理解することで、ご自身やご家族の症状に応じた適切な治療を選択できるようになります。 非交通性水頭症 非交通性水頭症は、脳脊髄液の流れる通路のどこかが塞がれてしまう状態です。 脳には脳脊髄液という液体が流れる通り道があり、この通路が脳腫瘍や先天的な異常などによって塞がれると、液体がせき止められて脳を圧迫します。 主な症状は、以下のとおりです。 頭痛 吐き気 視力の低下 乳幼児の場合は頭が異常に大きくなる 子どもに起こりやすいタイプですが、成人でも脳腫瘍などが原因で発症する場合があります。 主な原因は、生まれつきの脳の構造異常、脳腫瘍による通路の閉塞、脳の感染症などです。 通路が塞がれることで、脳脊髄液が正常に流れなくなり、脳室という脳の中の部屋が大きく膨らんでしまいます。 進行すると意識障害を引き起こす可能性もあります。 交通性水頭症 交通性水頭症は、脳脊髄液の流れる通路に問題はないものの、液体が吸収されにくくなる状態です。 高齢者に多く見られるタイプで、脳脊髄液の循環量が増えすぎてしまいます。 交通性水頭症の代表的な症状には、以下の3つがあります。 歩行障害(小刻みな歩き方、足が上がりにくい、転びやすいなど) 認知機能の低下(物忘れ、判断力の低下、反応が鈍くなるなど) 尿失禁(トイレが間に合わない、頻尿など) これらの症状は認知症と似ているため見逃されやすいですが、適切な治療で改善できる可能性があるため、早期に治療を行うことが大切です。 交通性水頭症には、くも膜下出血や頭部外傷、髄膜炎などの病気が原因の「続発性」と、はっきりとした原因がわからない「特発性」があります。 くも膜下出血などの脳の病気を経験された方は、その後も症状の変化に注意することが大切です。 水頭症は回復する?主な治療法 水頭症の治療について、薬で治すことは難しく、基本的には以下の手術療法が必要です。 脳室ドレナージ術 シャント手術 それぞれの手術方法には特徴があり、患者さまの状態に応じて適切な治療法が選択されます。 脳室ドレナージ術 脳室ドレナージ術は、急激に悪化した水頭症に対して緊急的に行われる一時的な処置です。 この手術では、脳室内にチューブを挿入して、たまった脳脊髄液を体の外に排出させます。 脳の圧力が急激に高まり、意識障害を起こしているような命に関わる状態で行われる救命処置です。 ただし、あくまで一時的な処置であるため、その後の状態に応じて恒久的な治療法であるシャント手術などが検討されます。 シャント手術 シャント手術は、水頭症の根本的な治療として一般的に行われる手術です。 この手術では、体の中にチューブを通して、脳にたまった余分な脳脊髄液をお腹の中(腹腔)に流します。 最も多く行われるのは「V-Pシャント」と呼ばれる方法で、頭とお腹をつなぐチューブを皮膚の下に埋め込みます。 また、背骨の周りを流れる脳脊髄液から直接お腹へチューブをつなぐ「L-Pシャント」という方法もあります。 これらの手術は、脳脊髄液の出口を新しく作ることで、たまりすぎた液体を排出し、症状を改善させることを目的としています。 シャント手術を受けることで、歩行障害や認知機能の低下、尿失禁などの症状が改善される可能性があります。 水頭症を手術しないとどうなる?放置するリスク 水頭症を治療せずに放置すると、以下の症状が悪化するリスクがあります。 歩行障害が進み、転倒のリスクが高まって自力で歩けなくなる可能性がある 認知機能が低下し、物忘れや判断力の低下が著しくなる 尿失禁が頻繁になり、日常生活に支障をきたす 先天性水頭症を放置した場合には、さらに深刻な問題が生じる可能性があります。 考えられるリスクは、以下のとおりです。 新生児や乳児では頭が異常に大きくなる 症状が進行すると黒目が下の方に寄る「落陽現象」や吐き気、けいれんが現れる 年長の子どもでは頭痛や吐き気が早い段階から見られる 脳の圧力が高い状態が続くと視力低下や失明につながる恐れがある 意識障害が現れ、生命に危険が及ぶリスクも高まる 水頭症は、早期に適切な治療を受けることで症状の改善が期待できる病気です。 手術を避けて様子を見るのではなく、医師と相談しながら治療時期を見極めましょう。 水頭症の寿命についてよくある質問 水頭症の寿命や治療について、よくある質問を紹介します。 水頭症になっても長生きできる? 水頭症の死亡率は? 高齢者でも水頭症は回復する? これらの疑問を解消して、適切な治療選択の参考にしてください。 水頭症になっても長生きできる? 水頭症と診断されても、適切な治療を受けることで長生きできる可能性は十分にあります。 特に小児の場合、早期にシャント手術などの適切な治療を受けた場合、80%以上の方が長期生存できるとされています。 重要なのは、症状が現れた段階で早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることです。 水頭症の死亡率は? 水頭症を放置した場合の死亡率は約50%※に達するといわれています。 ※出典:東邦大学医療センター「水頭症」 しかし、適切な治療を受けた場合は、水頭症が寿命に影響を与える可能性は低いため、早期発見・治療開始が重要です。 高齢者でも水頭症は回復する? 高齢者の水頭症でも、適切な手術治療を受けることで症状の回復が期待できます。 一般的に、水頭症の改善率は「歩行障害:58〜90%」、「認知障害:29〜80%」、「排尿障害:20〜82.5%」程度になると報告※されています。 ※出典:厚生労働省「特発性正常圧水頭症」 高齢だからといって手術を諦める必要はありません。 ただし、症状が長期間続いていたり、他の病気を併発していたりする場合は、回復の程度に個人差があります。 水頭症の回復には適切な治療を受けることが重要 水頭症は、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できる病気です。 特に小児の場合、シャント手術などの治療により、80%以上の方が長期生存できるとされており、歩行障害や認知機能の低下などの症状も改善される可能性があります。 また、水頭症の原因がくも膜下出血や脳出血である場合、これらの脳血管障害の再発予防も重要です。 脳内出血を防ぐための治療選択肢として、再生医療という方法があります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した脳血管の再生・修復を促す医療技術です。 ▼くも膜下出血に対する再生医療の症例動画 くも膜下出血や脳出血などの再発を予防したい方や脳出血による後遺症にお悩みの方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2025.11.28 -
- 肝疾患
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肝嚢胞とは、肝臓の中に液体が溜まった袋状のものができる状態で、多くは健康診断などで偶然発見されます。 放置しても問題ない場合がほとんどですが、大きくなると周囲の臓器を圧迫して症状が現れることがあります。 この記事では、肝嚢胞の症状や原因、治療法、放置した場合のリスクまで詳しく解説します。 肝嚢胞で悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは手術せずに肝疾患・肝臓機能の改善が期待できる再生医療に関する情報をLINEで発信しております。 「肝疾患・肝機能に不安がある」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。 肝嚢胞とは 肝嚢胞(かんのうほう)とは、肝臓の内部に液体が溜まった袋状の病変のことで、その多くは良性のものです。 自覚症状はほぼなく、健康診断などで指摘されて発見されることが多いですが、直ちに治療が必要となるケースは稀ですので、過度に心配する必要はありません。 本章では、肝嚢胞について知っておくべき基本的な情報を、以下の3点に分けて解説します。 症状 原因 検査方法 これらの正しい知識を身につけて、適切な検査と経過観察を行いましょう。 症状 肝嚢胞は、ほとんどの場合で無症状であり、日常生活の中で自覚症状が現れることはほとんどありません。 袋のサイズが小さいうちは体に影響を与えないため、自分では気づかず、検診や他の病気の検査中に偶然発見されるケースが大半を占めます。 しかし、嚢胞が巨大化(10cm以上)した場合、周囲の臓器を圧迫して以下のような症状が現れることがあります。 お腹が張って重く感じる 右脇腹や右上腹部に鈍い痛みがある お腹が膨らんで見える 食欲が落ちる 吐き気がする また、稀ですが、嚢胞内で出血や感染が起きたり破裂したりすると、急激な激痛や発熱を伴うことがあります。 上記のような症状が現れた場合は、医療機関で詳しい検査を受けましょう。 原因 肝嚢胞の原因は、特定の遺伝子の異常が関係していると考えられていますが、詳しい仕組みはまだ完全には解明されていません。 多くの場合が先天性で、生まれつき肝臓の中に小さな袋状のものがあり、年齢を重ねるにつれて徐々に大きくなることがあります。 また、肝臓の手術後や外傷後に、二次的に嚢胞ができることもあります。 肝嚢胞は年齢とともに有病率が高くなり、2022年に発表された大規模研究※では、50代では23.9%、60代では28.7%、70代以降は30%以上の方に肝嚢胞が見つかりました。 ※出典:Nature 生活習慣の乱れが直接的な原因ではないため、食事制限などで予防できるものではないと理解しておきましょう。 検査方法 肝嚢胞の診断や状態確認には、腹部超音波検査(エコー)やCT、MRIといった画像検査が用いられます。 検査方法 内容 腹部超音波検査 ・お腹の表面から超音波を当てて肝臓の状態を調べます。 ・痛みを伴わない基本的な検査です。 CTスキャン ・超音波検査より詳しく嚢胞の大きさや位置を確認できます。 ・複数の嚢胞がある場合にも有効です。 MRI検査 ・嚢胞の内容物を詳しく調べるときに使用します。 ・腫瘍との区別が必要な場合に行います。 穿刺吸引(せんしきゅういん) ・細い針を刺して嚢胞の中の液体を採取し、性質を調べます。 ・悪性の可能性が疑われる場合に実施します。 なお、肝嚢胞があっても血液検査の数値(肝機能など)には異常が現れないことが多いため、肝臓疾患でよく行われる血液検査は適していません。 そのため、上記のような画像検査を中心に診断が進められます。 肝嚢胞の治療法 肝嚢胞と診断されても、その多くは良性で無症状であるため、直ちに治療を行う必要はありません。 基本的には定期的な検査で様子を見る「経過観察」となりますが、嚢胞の状態によっては以下の治療法が検討されることもあります。 経過観察 穿刺吸引硬化療法 開窓術(外科手術) 肝切除術 比較的小さな嚢胞の場合は、針を刺して嚢胞の中の液体を抜き取り、エタノールなどの硬化剤を注入して再発を防ぐ穿刺吸引硬化療法が行われます。 巨大化し、症状がある嚢胞に対しては、嚢胞の壁の一部を切り取る開窓術、悪性が疑われる場合や嚢胞が大きい場合は、嚢胞とともに肝臓の一部を切除する肝切除術を行います。 肝嚢胞があるとどうなる?放置するリスク 基本的には肝嚢胞を放置しても健康に影響しないケースが大半ですが、定期検診を受けずに完全に放置してしまうと、稀に起こる変化を見逃すリスクがあります。 以下のような変化を見逃さないためにも、定期的な検査を受け、完全放置ではなく「経過観察」することが大切です。 【肝嚢胞の病態の変化について】 嚢胞が急に大きくなる 嚢胞の中に出血が起こる 嚢胞に細菌が入って感染を起こす 嚢胞が破裂する 上記のようなケースになるのは稀ですが、起こると強い腹痛や発熱、吐き気などの症状が現れます。このような症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。 また、多発性嚢胞肝という病気の場合は、肝臓全体に多数の嚢胞ができて、肝臓が大きく腫れることがあります。 さらに、腎臓にも嚢胞ができる多発性嚢胞腎を合併していることがあり、腎臓の機能低下につながる場合もあるため、定期的な検査が重要です。 肝嚢胞ができたときの注意点 肝嚢胞ができたときの注意点について、以下の2つを解説します。 定期的に検査を受ける 医療機関を受診する これらのポイントを押さえて、安心して生活を送りましょう。 定期的に検査を受ける 肝嚢胞が発覚した場合、無症状でも定期的な検査で経過観察することが大切です。 多くは大きさが変わらずに経過しますが、一部のケースでは数年かけて徐々に大きくなることがあります そのため、年に1回程度の腹部超音波検査やCT検査で、嚢胞の大きさや状態に変化が起きていないかチェックしましょう。 とくに複数の嚢胞がある方や、家族に多発性嚢胞肝の方がいる場合は、より注意深い観察が必要です。 他の肝臓疾患が見つかることもあるため、健康診断は欠かさず受けてください。 医療機関を受診する 以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。 急に右脇腹や右上腹部が痛くなった お腹が急に張って苦しくなった 発熱がある 吐き気や嘔吐が続く お腹を触ると硬いしこりを感じる これらの症状は、嚢胞の出血や感染、破裂などのサインかもしれません。 放置すると重症化する可能性があるため、早めの受診が重要です。 肝嚢胞ができた方からよくある質問 肝嚢胞に関してよくある質問にお答えします。 肝嚢胞は自然に消える? 肝嚢胞は何センチで手術が必要? 医師との相談や経過観察の参考に役立てましょう。 肝嚢胞は自然に消える? 基本的に、一度形成された肝嚢胞が自然になくなることはほとんどありません。 多くの場合は大きさが変わらないか、長い年月をかけてわずかに大きくなる傾向があります。 ただし、31mmを超える肝嚢胞の観察結果では、まれに小さくなったり、成長が止まったりするというデータ※もあります。 ※出典:Nature 自然に消えることを期待するのではなく、定期的な検査で経過を見守ることが大切です。 肝嚢胞は何センチで手術が必要? 肝嚢胞の手術が必要になるのは、一般的に10cm以上の大きさで症状がある場合です。 ただし、大きさだけで判断するのではなく、以下の要素も複合的に見て判断されます。 腹痛やお腹の張りなどの症状があるかどうか 嚢胞の位置や数 日常生活への影響の程度 患者さんの年齢や全身状態 10cm以下でも、症状が強い場合や急速に大きくなっている場合は、手術を検討することがあります。 逆に、10cm以上でも無症状であれば、経過観察を続けることもあるため、まずは医療機関の指示に従いましょう。 肝疾患・肝臓の機能改善には再生医療をご検討ください 肝嚢胞は多くの場合、無症状で治療が必要ないことがほとんどです。 しかし、定期的な検査で経過を確認し、症状が現れた場合は適切な治療を受けることが大切です。 また、肝疾患・肝臓の機能が気になる方には、再生医療という選択肢があります。 再生医療は肝嚢胞の直接的な治療法ではありませんが、脂肪肝や肝硬変などの肝疾患に対して損傷した肝臓の修復や機能改善を目指す治療法です。 以下のページでは、当院の再生医療によって肝疾患が改善した症例を紹介しているため、併せてご覧ください。 >再生医療によって肝疾患が改善した症例はこちら 「肝疾患・肝機能に不安がある」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2025.11.28 -
- 再生治療
- その他
「コロナ後遺症はいつまで続く?」「コロナ後からずっと不調が抜けない」そんな不安を抱えている患者様は少なくありません。 新型コロナが落ち着いた今でも、感染後の不調が長引く“コロナ後遺症(ロングコビッド)”に悩む方は多く、症状が続く期間にも大きな個人差があります。 そこで本記事では、コロナ後遺症がどれくらい続くのかという疑問に対し、一般的な目安から長期化しやすい特徴まで丁寧に解説します。 また、後半では再生医療という新しい選択肢についても紹介し、より総合的な改善アプローチについて分かりやすくまとめています。 「いつまで続くのか分からない不安」を抱え込まず、今できる対策や受診のタイミングを一緒に整理していきましょう。 コロナ後遺症はいつまで続く?一般的な目安と長引くケース コロナ後遺症は数週間〜数か月で軽快する方が多い一方で、数か月以上続くケースもあると報告されています。 発症から4週間以上持続する症状は「コロナ後遺症(ロングコビッド)」とも呼ばれ、国内外で多くの調査が進められています。 多くの患者様は時間とともに落ち着いていく傾向がありますが、疲労感や息苦しさ、集中力の低下などが長期化する例もあり、期間には大きな個人差があります。 ここからは、まず後遺症の基本的な定義から確認し、どれくらい続くのかをより具体的に整理していきましょう。 コロナ後遺症(ロングコビッド)とは?定義とよくある症状 コロナ後遺症とは、発症から4週間以上続く体調不良の総称です。 世界保健機関(WHO)は、感染から3か月以内に発症し、少なくとも2か月続く症状を「ポストコビッド症候群」と定義しています。 症状は非常に幅広く、患者様によって現れる症状の組み合わせは異なります。 同じ「後遺症」といっても、症状はひとつではなく全身に現れる可能性があります。身体の負担が蓄積しやすいため、まずは症状の種類と数を把握することが大切です。 どのくらいの期間で治る人が多いのか 一般的には数週間〜数か月で落ち着く人が多いとされています。 国内外の調査では、感染から2か月以内に多くの症状が解消する例が報告されており、特に若年層や基礎疾患がない方では回復が比較的早い傾向があります。 ただし、症状の種類や生活環境、基礎疾患の有無によって回復スピードは大きく変わります。 個人差があるため、「必ず○週間で治る」といった明言は避ける必要があります。 数ヶ月〜1年以上続くケースもある?長期化する人の特徴 疲労感や息苦しさ、集中力低下が長期化しやすい症状とされています。 症状が数か月以上続く患者様は一定数存在し、医学的にも特定の特徴が共通しやすいと考えられています。 慢性的な疲労や呼吸の浅さ、睡眠の質の低下などが続くことで、症状が改善しづらい状態になりやすくなります。 後遺症の長期化は珍しくなく、「いつまで続くのか分からない」という不安が心身の負担をさらに大きくしてしまうことも。 次の章では、なぜ後遺症が長引くのか、その背景と考えられている原因を整理して解説します。 なぜコロナ後遺症は長引くのか?考えられている原因 コロナ後遺症が長引く背景には、炎症反応や自律神経の乱れなど複数の要因が関わっていると考えられています。 コロナ後遺症(ロングコビッド)は、症状の種類が多岐にわたることから「ひとつの原因」で説明できるものではありません。 医学的にも複数の要素が複雑に関連していると考えられており、症状が長引く仕組みは現在も研究が続けられています。 そのため、「なぜこんなに長く続くのか」「自分だけ治らないのでは?」と不安を抱く患者様は多いですが、症状が続く背景を理解することで、対策や治療の方向性が見えやすくなります。 また、コロナは全身に炎症を引き起こすウイルスであるため、回復後も体内のバランスが整いにくい状態が続くことがあります。 とくに呼吸の浅さや自律神経の乱れは疲れやすさを助長し、結果的に症状が長引く原因につながりやすいと指摘されています。 「症状があるのに検査では異常が出ない」というケースも多く、患者様が自分の体調を理解してもらえないと感じる要因にもなりがちです。 まずは症状の背景を知り、必要な治療やケアを早めに取り入れることが大切です。 コロナ後遺症への一般的な対策・治療法と受診の目安 コロナ後遺症への対策は、生活習慣の調整と医療機関での治療を組み合わせて進めることが大切です。 コロナ後遺症は、倦怠感・息苦しさ・集中力低下・睡眠の質の低下など、複数の症状が重なりやすいため、ひとつの方法だけでは対処しきれないことが多くあります。 まずは日常生活の見直しを行いながら、必要に応じて医療機関へ相談することが重要です。 「もう少し様子を見れば治るかも」と自己判断を続けることで、症状が長期化してしまうケースもあるため、早めに専門家の意見を取り入れることが安心につながります。 とくに、自律神経の乱れや浅い呼吸は倦怠感や息苦しさを悪化させる原因になりやすく、生活リズムや呼吸の整え方を見直すことで体調が落ち着きやすくなる場合があります。 睡眠の質の向上も重要で、就寝前のスマホ使用を控える、照明を落とすなど、身近な工夫が効果的です。 また、倦怠感が強く動けない時期は無理に活動量を増やさず、少しずつリズムを取り戻していくことが大切です。 「頑張らなければ」と焦るほど体調が悪化するケースもあるため、段階的な回復を意識しましょう。 受診の目安としては、「症状が4週間以上続く」「日常生活に支障が出ている」「仕事や家事に戻れない状態が続く」などがあります。 医療機関での診察を受けることで、必要な検査や治療方針が明確になり、不安が軽くなる場合もあるので早めの受診を意識しましょう。 より根本的な改善を目指す選択肢|再生医療というアプローチ コロナ後遺症のつらい症状に対して、再生医療(幹細胞治療)が選択肢のひとつとして相談されるケースがあります。 コロナ後遺症は「検査で異常がないのに不調が続く」という特徴があり、一般的な治療だけでは改善の実感が得られにくい患者様もいらっしゃいます。 慢性的な倦怠感・息苦しさ・集中力低下(ブレインフォグ)・睡眠の乱れなどは、炎症や自律神経の乱れが背景にあると考えられるため、身体が本来持つ力に着目した再生医療が、追加の選択肢として注目されるようになっています。 とくに「長期化している」「何から対処してよいか分からない」と悩む患者様にとって、治療の選択肢が広がること自体が安心につながる場合もあります。 再生医療は「従来の治療に追加する形」で検討されることが多く、生活習慣・栄養・リハビリや休息の調整と組み合わせることで、より総合的なケアが可能になります。 長引く後遺症は、患者様本人だけでなくご家族の心身にも大きな負担となります。 「何をすればよいか分からない」「このまま続くのか不安」という場合は、治療の選択肢を広げることが、安心の第一歩となります。 「いつまで続くか分からない不安」をひとりで抱え込まないために早期の受診が肝心 コロナ後遺症は自己判断で様子を見続けるより、早めに医療機関へ相談することで適切な対策が取りやすくなります。 コロナ後遺症は症状が見えにくく周囲から理解されにくいため、ひとりで悩み続けてしまう方も少なくありません。 しかし、負担の大きい時期こそ医療機関に相談することで、症状の背景を整理し、必要な治療・生活の工夫が見つかりやすくなります。 コロナ後遺症は「治りにくい人が特別」なのではなく、症状の種類や生活環境によって改善のスピードが大きく変わります。 また、一般的な治療では不安が残る患者様や、より総合的な改善アプローチを検討したい患者様にとって、再生医療が相談されるケースも増えています。 リペアセルクリニック大阪院では、コロナ後遺症に悩む患者様の状態を丁寧にヒアリングし、必要な検査や治療の方向性を分かりやすく説明しています。 「いつまで続くのか」分からない不安をひとりで抱え込まず、まずは専門医に相談し、今できる対策から一緒に進めていきましょう。
2025.11.28 -
- 首
- 腰
- 脊椎
- その他
デスクワークや運動不足により、背中や胸の痛み・下半身のしびれを感じている方もいるのではないでしょうか? これらの症状が続く場合、胸椎椎間板ヘルニアが関係している可能性があります。 ご自身の症状が当てはまるかどうか、セルフチェックで確認してみましょう。 この記事では、胸椎椎間板ヘルニアのセルフチェック方法や、初期から後期にかけての症状の進み方について解説します。 あわせて、他の病気との見分け方、原因や治療法・予防法も紹介します。 背中や胸の痛みの正体が気になる方や、胸椎椎間板ヘルニアかどうか心配な方は、最後までお読みください。 また、胸椎椎間板ヘルニアに伴う痛みやしびれ、術後の神経症状など、従来の治療では改善が難しかった症状に対し、再生医療は新しい選択肢となる可能性があります。 https://youtu.be/0hyJR5VW3oY 【こんな方は再生医療をご検討ください】 背中や胸の痛みを改善したい 手術せずに治したい 胸椎椎間板ヘルニアによる痛みやしびれにお悩みの方は、まずは当院(リペアセルクリニック)の公式LINEをぜひ参考にしてください。 【セルフチェック】この症状は胸椎椎間板ヘルニア? 胸椎椎間板ヘルニアの症状レベルについて、まずは以下でご自身の症状をチェックしてみましょう。 症状セルフチェック表 初期症状:下半身の痛みやしびれ 中期症状:背中や胸・脇腹の痛み 後期症状:歩きにくさや排尿障害 本項を活用し、ご自身が胸椎椎間板ヘルニアの症状に当てはまるかどうか、確認してみてください。 症状セルフチェック表 以下の症状に当てはまった場合、胸椎椎間板ヘルニアの可能性があります。 セルフチェック表 背中が痛む 脇腹が痛む 腰が痛む 下半身にしびれがある 身体の感覚が鈍い部分がある なんとなく力が入りにくい 足がもつれて歩きにくい 階段を降りるのが不安定で怖い 排尿・排便のタイミングが変わった 尿漏れがある 胸や背中に不快感がある 胸椎椎間板ヘルニアの症状には、レベルがあります。 当てはまる症状がどのレベルに該当するか、下の項目から順にご覧ください。 初期症状:下半身の痛みやしびれ 胸椎椎間板ヘルニアの多くは、下半身の痛みやしびれ・脱力感などの症状から気づくことが多いです。 代表的な症状は以下のとおりです。 セルフチェック表 腰が痛む 下半身が痛む 足に脱力感がある 感覚が鈍くなっている 足が軽くしびれている これらの症状が続くと、歩くと足がもつれやすい・階段の昇り降りで手すりが必要になるなど、日常生活での動きに少しずつ支障が出始めます。 最初は軽い症状でも、我慢しているうちに痛みやしびれが徐々に強くなることがあるため注意が必要です。 中期症状:背中や胸・脇腹の痛み 下半身の痛みやしびれから始まった胸椎椎間板ヘルニアの症状は、背中や胸・脇腹の痛みとして現れることがあります。 いずれも、胸椎にできたヘルニアによる神経の圧迫が原因です。 セルフチェック表 背中が痛い 肋間神経痛がある 身体を動かすと痛みが出る 痛みが背中から胸、脇腹などに広がる 身体を触った感覚がわかりづらい 服が皮膚に触れている感覚がわかりづらい この段階は初期に比べると痛みが強く、姿勢をかばうことで背中や肩まわりの筋緊張が高まり、頭痛や肩こりを併発するケースもあります。 後期症状:歩きにくさや排尿障害 胸椎椎間板ヘルニアで神経が圧迫され続けていると、以下のような症状が現れます。 セルフチェック表 排尿・排便障害がある 感覚が失われていると感じる 身体に強い麻痺がある 倦怠感や疲労感がある これらは、胸椎椎間板ヘルニアが重症化しているサインです。 上記の症状に進行すると日常生活にも影響を及ぼすため、中期症状の段階までに治療を開始しましょう。 胸椎椎間板ヘルニアと間違いやすい病気 胸椎椎間板ヘルニアには、間違われやすい病気がいくつかあります。 下表を参考に、胸椎椎間板ヘルニアと他の病気との違いを理解しましょう。 病名 特徴 胸椎椎間板ヘルニア ・背中から胸に痛みが広がる ・身体を動かすと痛む ・足のしびれや感覚の鈍さが出るケースがある 狭心症・心筋梗塞 左肩や左腕に痛みが広がる 胆石・膵炎 身体を動かしても痛みはあまり変わらない 帯状疱疹 皮膚症状がある 脳梗塞 身体の片側に麻痺やしびれが出る 頸椎椎間板ヘルニア・頸椎症 首や肩、腕など上半身に痛みやしびれが出る 腰椎椎間板ヘルニア 腰やお尻など、腰回りを中心に痛みやしびれが出る なお、本項は、あくまでセルフチェックの目安です。 判断に迷った場合や心配な場合は医師の診断を受けましょう。 胸椎椎間板ヘルニアとは? 胸椎椎間板ヘルニアはどのような病気か、以下の順に解説します。 主な原因 検査・診断方法 この機会に、胸椎椎間板ヘルニアの概要を知っておきましょう。 主な原因 胸椎椎間板ヘルニアは胸椎の椎間板が損傷し、内部の組織が飛び出して神経の通り道を圧迫することで発症します。 椎間板は、ゼリー状の髄核(ずいかく)と、髄核を取り囲む線維輪(せんいりん)から構成されています。 内部にある髄核が線維輪を突き破った状態が「ヘルニア」です。 胸椎の椎間板に発生したヘルニアが椎間板の外にある神経の管を圧迫し、症状が発生する仕組みです。 ヘルニアが発生するのは、以下のような外部からの刺激が主な原因です。 重い荷物を持ち上げる 体幹に強い負荷のかかるスポーツを行う 不意の衝撃が加わる また、椎間板が加齢により水分を失って弾力が低下すると、わずかな負荷でも損傷しやすくなり、加齢変化による発症も少なくありません。 検査・診断方法 進行性である胸椎椎間板ヘルニアは、まず診察で痛み・しびれ・運動障害の経過や進行度を確認します。 診察で胸椎椎間板ヘルニアが疑われた場合、以下のような検査を段階的に実施します。 レントゲン MRI CT 特に、下半身の麻痺や強いしびれがみられる場合は、脊髄がどの程度圧迫されているかを正確に把握するため、早期にMRIを撮影します。 レントゲンでは椎間板自体や脊髄の圧迫状況は十分に確認できないためです。 MRIで脊髄圧迫が確認され、手術の検討が必要な段階では、さらにCT検査を追加します。 胸椎では骨の構造異常が脊髄を圧迫している場合もあるため、CTで骨由来の圧迫かどうかを正確に見極める目的があります。 このように、胸椎椎間板ヘルニアの診断は、症状の重症度と画像検査の結果を総合的に判断し、治療方針を決定します。 胸椎椎間板ヘルニアの治療法 胸椎椎間板ヘルニアには、以下のような治療法があります。 保存療法 手術 再生医療 一つずつ見ていきましょう。 保存療法 保存療法は、主に症状が軽い場合に採用される治療法です。 まずは胸椎をできるだけ動かさないようにしつつ、コルセットや内服薬で痛みの軽減を図ります。 あわせてストレッチや体幹トレーニングを取り入れ、背中への負担を軽減します。 普段の生活でも、長い時間腰に負担をかける姿勢や同じ姿勢をしての作業は避けましょう。 胸椎椎間板ヘルニアは進行性で、保存療法だけでの完治は難しい病気です。 症状が進行した場合は、次のステップである「手術」を検討します。 手術 胸椎椎間板ヘルニアでは、以下のような症状がみられる場合に手術が検討されます。 痛み 麻痺 歩行障害 これらの症状は進行すると日常生活に大きな支障が出るため、早期の判断が重要です。 胸椎椎間板ヘルニアの手術には、大きく分けて以下の2つの方法があります。 前方固定術 脇腹(側方)からアプローチし、飛び出した椎間板を切除したうえで骨を移植し、背骨を固定する手術 後方除圧術 背中側からアプローチし、脊髄を圧迫している椎間板を取り除く手術 胸椎は脊髄の重要な部分が通るため、どちらの術式も高度な技術を要する難易度の高い手術とされています。 https://youtu.be/gUb_qD4tt-I しかし、「難しいから」と手術を避け続けると脊髄の圧迫が進行し、麻痺が悪化する可能性があります。 症状が進行している場合は、早めに専門医へ相談し、治療方針を検討することが大切です。 再生医療 胸椎椎間板ヘルニアの治療には外科手術や保存療法だけでなく、「再生医療」 という新しい選択肢があります。 再生医療とは、ケガや病気によって損傷した組織・細胞を、人が本来持つ自然治癒力を活用して修復・再生へ導く治療法です。 胸椎椎間板ヘルニアでは、脊髄の近くにある障害部位へ幹細胞を注入することで神経の修復を促し、痛みやしびれの改善を目指すことができます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後の後遺症が残っている方 痛みやしびれで日常生活に支障がある方 手術が難しい、または手術を避けたい方 当院(リペアセルクリニック)では、幹細胞を脊髄腔内へ直接届ける「脊髄腔内ダイレクト注射療法」で、神経により近い部位へ細胞を作用させることで高い治療効果が期待できます。 治療法については、以下でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs 胸椎椎間板ヘルニアの予防・再発防止法 胸椎椎間板ヘルニアの予防・再発防止には、身体を動かすことが欠かせません。 とはいえ、しっかり運動する必要はなく、日常生活で少し身体を動かすことが大切です。 以下を参考に、生活の中で身体に負担をかけないことを少しだけ意識しましょう。 長い時間同じ姿勢を取らない 30分に一度は姿勢を変える 体幹やお尻の筋肉を鍛える プランク、ドローイン、ヒップリフトなどがおすすめ 体重を管理する 腹部の脂肪を減らし、背骨への負荷を軽減する 胸椎のストレッチをする 胸の前側にある筋肉や背骨を支える筋肉を動かす いずれも、日常生活に取り入れられる簡単な予防・再発防止法になりますので、できることから試してみましょう。 背中や胸の痛みは放置厳禁!セルフチェック後は病院へ 胸椎椎間板ヘルニアは進行性の疾患であり、放置するほど症状が悪化しやすくなります。 本記事のセルフチェックを参考に、痛みやしびれが数日~数週間経っても改善しない場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を開始することが大切です。 再発防止や悪化予防のために、日常生活でできる対策も多くあります。 症状が悪化・再発しないよう、普段から背中への負担を減らす工夫を続けることが大切です。 しかし「従来の治療ではなかなか良くならない」「手術はできれば避けたい」という方に、新たな選択肢となり得るのが再生医療です。 当院(リペアセルクリニック)では、胸椎椎間板ヘルニアに対し、脊髄へ幹細胞を直接届ける脊髄腔内ダイレクト注射療法を行っています。 >>実際の椎間板ヘルニアの症例ページはこちら 胸椎椎間板ヘルニアの症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.11.28 -
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「最近、骨密度が気になる」「将来、骨折しやすくなるのが不安」といった悩みを抱えていませんか? 骨は年齢とともに少しずつ弱くなり、もろくなると転んだだけで骨折しやすくなるほか、背骨がつぶれて姿勢が崩れる(圧迫骨折)、慢性的な痛みにつながることもあります。 しかし、日々の食事を工夫するだけでも、骨の強さは大きく変わります。 特にカルシウム・ビタミンD・タンパク質などの栄養素は、骨をつくり、維持するために欠かせません。 本記事では、骨を強くするために積極的に摂りたい食べ物・飲み物について解説しています。 年齢別の食事ポイント、控えるべき食品、食事以外で骨を強くする方法まで紹介していますので、ぜひ参考にして今日から実践できる対策を見つけましょう。 骨を強くする食べ物・飲み物 骨を強くするためには、骨の材料となる栄養素をバランスよく摂取することが大切です。 とくに重要な栄養素として以下の4つがあります。 カルシウムを含む食品 ビタミンDを含む食品 ビタミンKを含む食品 マグネシウムを含む食品 それぞれの栄養素の働きと、含まれる食品を確認しましょう。 カルシウムを含む食品 カルシウムは骨の主成分であり、骨を強くするうえで最も基本となる栄養素です。 カルシウムを多く含む食品は以下のとおりです。 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ) 小魚(しらす、いわし、ししゃもなど骨ごと食べられる魚) 大豆製品(豆腐、納豆、厚揚げ) 緑黄色野菜(小松菜、チンゲン菜) 海藻類(ひじき、わかめ、昆布) 乳製品が苦手な方は、小魚や大豆製品、野菜など複数の食品から摂取することをおすすめします。 ビタミンDを含む食品 ビタミンDは腸でのカルシウム吸収を助け、骨へのカルシウムの沈着を促進する栄養素です。 ビタミンDを多く含む食品は以下のとおりです。 魚類(サケ、サンマ、イワシ、シラス、サバ) きのこ類(干ししいたけ、まいたけ、エリンギ) 卵(とくに卵黄) またビタミンDは食事からの摂取だけでなく、日光を浴びることで皮膚でも生成されます。 ビタミンKを含む食品 ビタミンKは骨にカルシウムを定着させるタンパク質(オステオカルシン)を活性化する働きがあります。 ビタミンKを多く含む食品は以下のとおりです。 納豆 緑黄色野菜(小松菜、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ) 海藻類(わかめ、のり) とくに納豆はビタミンKの含有量が非常に高く、1パック(約50g)で1日の推奨量を十分に摂取できます。 マグネシウムを含む食品 マグネシウムは骨の構成成分として骨の強度維持に関わり、カルシウムの代謝を調整する役割も担っています。 マグネシウムを多く含む食品は以下のとおりです。 海藻類(わかめ、ひじき) ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ) 大豆製品(豆腐、納豆) 魚介類(あさり、牡蠣) カルシウムを意識して摂る際には、マグネシウムも一緒に摂ることを心がけましょう。 タンパク質を含む食品 骨を強くするためには、カルシウムなどのミネラルに加えてタンパク質も重要な栄養素です。 タンパク質を多く含む食品は以下のとおりです。 肉類(鶏むね肉、豚肉、牛肉) 魚類(サバ、アジ、マグロ) 卵 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳) 1日3食でそれぞれ手のひらサイズの肉や魚、または豆腐半丁程度を目安に摂取しましょう。 年齢と性別で変わる骨を強くするための食事ポイント 骨を強くするための食事は、年齢や性別によってとくに意識すべきポイントが異なります。 以下のライフステージに合わせた栄養摂取を心がけることで、より効果的に骨の健康を守れます。 成長期の子どもが摂りたい栄養と食材 更年期以降に意識したい食事 高齢者 以下では、成長期、更年期、高齢期それぞれの食事ポイントを解説します。 成長期の子どもが摂りたい栄養と食材 成長期の子どもにとくに意識してほしい栄養素と食材は以下のとおりです。 栄養素 おすすめの食材と摂取のポイント カルシウム 牛乳、ヨーグルト、小魚、小松菜を毎日の食事に取り入れる タンパク質 肉、魚、卵、大豆製品を毎食バランスよく摂取する ビタミンD 魚料理を週に3回以上取り入れ、外遊びで日光浴も行う スポーツをしている子どもはとくに、運動後のタンパク質補給を意識しましょう。 更年期以降に意識したい食事 骨密度が低下しやすい更年期以降に意識したい栄養素と食材は以下のとおりです。 栄養素 おすすめの食材と摂取のポイント カルシウム 1日あたり男性750mg / 女性650mgを目標に乳製品と小魚、野菜から摂取 ビタミンD・K 魚料理と納豆を積極的に食べる 大豆イソフラボン 豆腐、納豆、豆乳など大豆製品を毎日摂取 毎日の食事に大豆製品を取り入れることを心がけましょう。 高齢者 食事量の減少や消化吸収機能の低下により、栄養不足に陥りやすい高齢者が意識したい栄養摂取のポイントは以下のとおりです。 ポイント 具体的な方法 少量でも栄養価の高い食品を選ぶ 牛乳、チーズ、卵、しらすなど タンパク質を毎食摂る 筋力低下を防ぎ、転倒予防にもつながる ビタミンDを意識して摂取 魚料理、きのこ類、必要に応じてサプリメント 食が細くなっている場合は、無理なくカルシウムを摂取できる工夫をしましょう。 骨粗しょう症の人が控えたい食品・食習慣 骨を強くするためには、必要な栄養素を摂るだけでなく、骨に悪影響を与える食品や食習慣を避けることも大切です。 以下の食品・食習慣は、カルシウムの吸収を妨げたり、骨からカルシウムを排出させたりする作用があるため、摂りすぎに注意が必要です。 控えたい食品・習慣 骨への影響 塩分の多い食品 カルシウムの尿中排泄を増加させる カフェインの摂りすぎ カルシウムの吸収を妨げる アルコールの過剰摂取 骨形成を抑制し、カルシウムの吸収も低下させる リンの摂りすぎ 加工食品やスナック菓子に多く含まれ、カルシウムの吸収を阻害する 極端なダイエット 栄養不足により骨形成に必要な栄養素が不足する これらを完全に避ける必要はありませんが、日常的に摂りすぎていないか意識しましょう。 骨にいい食べ物以外で骨を強くする方法|運動する習慣を付けよう 骨を強くするためには、食事だけでなく適度な運動や生活習慣の改善も欠かせません。 ここでは、骨を強くするために効果的な運動と生活習慣について解説します。 骨を強くする運動 骨に適度な負荷をかける運動が骨密度の維持・向上に効果的です。 運動の種類 ポイント ウォーキング・ジョギング 1日30分程度、週に3〜5回を推奨 筋力トレーニング スクワットや踵上げなど、下半身を中心とした運動が効果的 階段の上り下り 日常生活の中で無理なく取り入れる いずれも無理は禁物です。最初は軽めに始めて、問題なければ徐々に負荷を増やしていきましょう。 骨を強くする生活習慣 運動以外にも、以下の生活習慣が骨の健康維持に重要です。 生活習慣 骨への効果 十分な睡眠 成長ホルモンは睡眠中に分泌され、骨の形成を促進します 日光浴 1日15〜30分程度の日光浴で皮膚でビタミンDが生成されます 禁煙 喫煙は骨密度を低下させ、骨折リスクを高めます とくに日光浴は食事だけでは不足しがちなビタミンDを体内で生成できるため、積極的に取り入れましょう。 骨を強くするには食事と生活習慣が重要! 骨を強くするためには、栄養素をバランスよく摂取し、適度な運動や日光浴を組み合わせることが大切です。 とくに中高年以降は骨密度が低下しやすいため、骨粗しょう症の予防のために食事や運動習慣を改善しましょう。 しかし、「すでに骨密度が大きく低下している」「生活習慣だけでは改善が追いつかない」といったケースでは、食事や運動に加えて医療によるアプローチが選択肢になる場合もあります。 リペアセルクリニックでは、骨や関節のお悩みに対して、再生医療による治療を提供しています。 詳しい治療内容や症例については、公式LINEで情報発信しておりますので、お気軽にご登録ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.11.28 -
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「くしゃみや咳をするだけで痛い」「この痛み、いつまで続くんだろう」 呼吸や日常のささいな動作で肋骨が痛み、いつ治るのかと不安に感じている方もいるでしょう。 ただの打撲だと思っていたのに、呼吸をするだけで痛むのは、肋骨骨折やヒビが原因として考えられます。 肋骨骨折の痛みは怪我をした直後よりも、数日経ってからピークを迎える場合があるのです。 本記事では、肋骨骨折の痛みのピークや安静期間、避けるべき行動を解説します。 ご自身の痛みの経過を理解し、不安を和げるためにお役立てください。 また、肋骨骨折による痛みを少しでも早く和らげたい方には、再生医療による治療も選択肢のひとつです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を活用し、体が本来持つ自然治癒力を高めて痛みや後遺症の改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 肋骨骨折の痛みを早く軽減したい 痛みだけでなく、しびれや違和感が残っている 通常の治療を続けても回復を実感できない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 肋骨骨折の痛みのピークは受傷から数日間が目安 肋骨骨折の痛みのピークは、受傷から2〜3日が目安です。 受傷から数日後に痛みが強くなるのは、体が怪我に反応し、炎症が活発になるためと考えられています。 骨折の程度によって、痛みのピーク時期には少し差が出る場合があります。 完全骨折:受傷から2〜3日 ヒビ(不全骨折):受傷後1週間程度 肋骨は呼吸や体の動きに合わせて常に動くため、炎症が強いピーク時期は、強い痛みが出やすいのが特徴です。 深呼吸や咳・くしゃみ・寝返りなどのささいな動きで、激しく痛む場合があります。 ピークを過ぎると、「ズキズキする」痛みは徐々に落ち着き、2〜4週間ほどで日常生活に支障がないレベルまで改善が期待されます。 しかし、咳やくしゃみなどで痛みがぶり返す場合もあるため、注意が必要です。 痛みのピークとあわせて、次項で「どのくらい安静にすればよいか」・「仕事はいつから復帰できるか」の目安期間を見ていきましょう。 安静期間|3〜6週間が目安 肋骨骨折の安静期間は骨折の程度によりますが、3〜6週間が目安とされています。 骨折の程度による回復期間の目安は、以下の通りです。 軽度(ヒビ程度):3〜4週間 完全骨折:6週間以上 ※参考:一般社団法人 日本整形外傷学会「肋骨骨折」 痛みが強い時期に激しく動くと、骨がずれたり再び傷ついたりする可能性があるため、安静にしましょう。 【骨折部分に負担をかけないための注意点】 重い物を持たない 体を強くひねったり、反らしたりしない 激しい運動やストレッチを避ける ただし安静といっても、動かなすぎるとかえって肺炎のリスクを高めたり、筋力が低下したりする場合もあります。 痛みで呼吸が浅くなると、肺の奥まで空気が届かず肺炎を引き起こす可能性が高まります。 つらい時期ですが医師の指示に従い、痛みのない範囲で軽い動作を行ったり、意識的に深呼吸をしたりするよう心がけましょう。 仕事復帰できる目安|骨折してから数日で復帰できる可能性がある 仕事内容別の復帰時期の目安は、以下の通りです。 デスクワーク(座り仕事):1週間程度 立ち仕事・重労働:4〜6週間 仕事復帰の時期は、仕事の内容によって異なります。 デスクワークのように肋骨への負担が少ない職種では、痛みが治まれば数日〜1週間程度で復帰できる場合もあります。 「早く元の生活に戻りたい」と焦る気持ちもあるかと思いますが、痛みが和らいだからといって、自己判断で以前と同じように動くのは避けましょう。 痛みを我慢して作業を続けたり重い物を持ったりすると、骨のくっつきが遅れたり、痛みが慢性化したりする可能性があるからです。 どうしても仕事を休めない場合はご自身で判断せず、復帰のタイミングを医師に相談しましょう。 肋骨骨折の痛みがピークのときにやってはいけないこと 肋骨の痛みがピークのときは、骨折部分に負担がかかる衝撃や圧迫を避け、安静に過ごすのが基本です。 骨がくっつき始める時期に余計な負担をかけると、回復を遅らせる原因になります。 具体的には、以下のような動きは避けましょう。 重い荷物を持つ 腕だけでなく胸や背中の筋肉を使い、肋骨に直接的な負担がかかるため 上体をひねる・大きく反らす 後ろを振り返る、床の物を拾うなどの動きは、肋骨を直接動かしてしまうため 激しい運動やストレッチ ・呼吸が激しくなり肋骨の動きが増加。 ・自己判断でのマッサージは、骨のずれや内出血を悪化させる可能性あり 上記の動作以外にも、血流を促進しすぎたり、同じ姿勢を続けたりすることも痛みの悪化につながる場合があります。 加えて、日常生活において以下の点にも注意が必要です。 入浴:痛みが強い間は湯船を避け、シャワーで済ませる 飲酒:骨の修復を妨げる可能性があるため控える 咳やくしゃみが出そうになった際は、手で痛む場所をそっと押さえるのがおすすめです。 ちょっとした工夫ですが、肋骨が大きく動くのを抑えることで衝撃が和らぎ、痛みの軽減につながります。 なお痛みを和らげる対処法として、医療機関では湿布や鎮痛薬、バストバンド(肋骨固定帯)などが用いられます。 痛みを我慢せずに医師に相談し、適切な指示を受けるようにしましょう。 肋骨骨折の痛みのピークが長引く・悪化する場合は早めに医師へ相談を ここまで解説したように、肋骨骨折の痛みは通常2〜4週間ほどで落ち着く場合がほとんどです。 肋骨骨折に対する一般的な治療は保存療法が中心ですが、痛みが長引く場合には「再生医療」が選択される場合があります。 保存療法と再生医療の違いは、以下の通りです。 保存療法:湿布、バストバンド、鎮痛薬などで安静を保ち、ご自身の持つ力で回復するのを待つ 再生医療:保存療法で改善しない場合の選択肢。ご自身の血液や脂肪を活用し、組織の修復を促す 再生医療には、ご自身の血液を使うPRP療法や、脂肪から取り出した幹細胞を使う「幹細胞治療」などがあります。 幹細胞には、炎症を抑えたり、組織の修復を促したりする作用が期待されます。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の一つとして「自己脂肪由来幹細胞治療」を行っています。 治療法に関する詳しい情報やご相談は、公式LINEで承っています。 肋骨骨折の痛みが長引いて不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 肋骨骨折の痛みのピークに関するよくある質問 肋骨骨折の痛みに関するよくある質問は、以下のとおりです。 肋骨骨折のとき、楽に寝る姿勢はどうすればいい? 肋骨にヒビが入った場合、痛みのピークはいつ? 肋骨骨折のとき、楽に寝る姿勢はどうすればいい? 「これで楽になる」などの決まった姿勢はありませんが、以下のように姿勢を整えると楽になる場合があります。 【楽に寝るためのおすすめの姿勢】 痛い方を上にして横向きに寝る クッションや抱き枕で体を安定させる 上半身を少し高くして呼吸を楽にする 痛みが強い間は、寝返りを打つ際にも肋骨に負担がかからないよう、ゆっくり動くことをおすすめします。 上記を参考にして、ご自身にとって楽に寝られる姿勢を見つけましょう。 肋骨にヒビが入った場合、痛みのピークはいつ? いわゆる「ヒビ」(不全骨折)の場合、痛みのピークは完全な骨折と少し時期がずれる場合があります。 受傷後すぐではなく、1週間くらいで痛みのピークを迎える場合があるといわれています。 ヒビの場合でも骨折した際と同じく安静にし、肋骨に負担をかけないように過ごすようにしましょう。
2025.10.31 -
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健康のために減塩を心がけている方にとって、日々の調理で使うだしの塩分量は気になるポイントです。 関西だしと関東だしは色や味付けが異なりますが、実際の塩分量の違いについて理解している方は少ないのではないでしょうか。 この記事では、関西だしと関東だしの塩分濃度の違いと、塩分の摂りすぎによる健康リスク、無理なく減塩する方法を解説します。 日々の食事で塩分が気になっている方は、ぜひ最後まで読んで適切な減塩方法を見つけましょう。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 関西だしと関東だしの塩分濃度はどちらが高い?違いも紹介 関西だしと関東だしの塩分濃度について、多くの方が誤解しています。 色の違いから塩分量も大きく異なると思われがちですが、実際の塩分量は使用する調味料全体のバランスによって決まります。 そのため、関西だし・関東だしのどちらの塩分濃度が高いとは、一概には言えません。 関西だしと関東だしの違いは以下のとおりです。 関西だし 関東だし 使用する醤油 色の薄い薄口醤油 色の濃い濃口醤油 だしの種類 昆布だしを効かせることが多い かつおだしと組み合わせることが多い 調理の特徴 素材の味を大切にする調理法が特徴 濃い色と強い味付けが好まれる傾向 特徴 色を薄く保つために塩分を多めにして発酵を抑えている 色が薄くても塩分は少なくない 発酵が進んでいるため旨味成分が豊富 使用量が多ければ最終的な塩分量は増える 減塩を意識するなら、醤油の種類だけでなく、調味料全体の使用量に注目しましょう。 塩分の摂りすぎで起こる健康リスク 食塩の摂りすぎは、高血圧をはじめとした以下の生活習慣病に深く関わってきます。 高血圧・心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞など) 腎臓病 胃がん 骨粗鬆症 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」※では、成人男性は9g未満、女性は7.5g未満が一日あたりの食塩摂取目標量です。 ※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 しかし、多くの日本人が目標値よりも多く食塩を摂取している現状があります。 これらの正しい知識を身につけて、健康維持のための適切な食生活を心がけましょう。 高血圧・心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞など) 血液中の塩分濃度が高くなると、体は水分を保持して濃度を薄めようとするため、血液量が増えて血管に強い圧力がかかり、高血圧になります。 塩分過多により血液量が増加 血管への圧力が高まり高血圧に 動脈硬化から脳卒中・心筋梗塞のリスク増大 高血圧で治療している人は、一日6g未満の食塩摂取がすすめられています。 腎臓病 長期間にわたって塩分を摂りすぎると腎臓に大きな負担がかかり、腎臓の機能が低下します。 塩分過多で腎臓に負担 機能低下により老廃物が体内に蓄積 重症化すると人工透析が必要に 腎臓は一度機能が低下すると回復が難しい臓器です。 日頃から塩分を控えめにして、腎臓の負担を減らしましょう。 胃がん 塩分の多い食事で胃の粘膜が繰り返し傷つくと炎症が慢性化し、胃がんの発生リスクを高める要因となります。 塩分で胃の粘膜が傷つく 慢性炎症から胃がんのリスク増大 漬物・塩蔵品の摂りすぎに注意 減塩と合わせて野菜や果物を多く摂ることで、胃の健康を守れます。 骨粗鬆症 塩分を摂りすぎると、尿と一緒にカルシウムも排出されてしまい、骨粗鬆症の要因になります。 塩分過多でカルシウムが尿と一緒に排出 骨密度が低下し骨粗鬆症のリスク増大 高齢者・閉経後の女性はとくに注意 カルシウムを含む食品を積極的に摂りながら、減塩を心がけることで骨の健康を維持できます。 健康維持のために無理なく減塩する方法 減塩は健康維持に欠かせませんが、急に味付けを変えると食事が楽しめなくなってしまいます。 無理なく減塩するには段階的に薄味に慣れていくことがポイントです。 以下の方法を実践して、おいしく無理なく減塩を続けましょう。 方法 具体的な実践内容 だしや香辛料を活かす 昆布やかつお節でしっかりだしを取り、生姜・にんにく・七味唐辛子などの香辛料や、レモン・酢などの酸味を活用する 少しずつ薄味に慣れる 醤油を小皿に少量取り分ける、味噌汁の味噌を少し減らすなど、2週間ほど続けると味覚が変化する 野菜や果物を多く摂る カリウムを含む海藻類・イモ類・果物を摂取し、体内の余分な塩分排出を助ける(男性3,000mg以上、女性2,600mg以上が目安) 副菜をしっかり食べる 野菜の煮物・おひたし・サラダなどで品数を増やし、各料理の塩分を控えめにしても満足感を得る 市販食品のチェック 栄養成分表示の食塩相当量を確認し、減塩タイプの商品を選ぶ(おでん約3.8g、かけうどん約5.6gの塩分) これらの工夫を組み合わせることで、塩分を控えながらおいしい食事を楽しめます。 塩分過多による病気は、進行すると薬や生活改善だけでは難しい 塩分の摂りすぎは、高血圧や腎臓病、心血管疾患、胃がん、骨粗鬆症などの生活習慣病のリスクを高めます。 これらの病気を予防するためには、日々の食事で塩分量に気を配ることが大切です。 だしや香辛料を活かす、段階的に薄味に慣れる、野菜や果物を積極的に摂るなど、無理なく減塩する方法を実践しましょう。 ただし、生活習慣病が進行してしまった場合、薬や食事療法だけでは改善が難しいケースもあります。 そのような場合には、再生医療も治療選択肢の一つとして考えられます。 再生医療とは、体内のさまざまな細胞に変化できる「幹細胞」を用いる治療法です。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する情報をLINEで発信しているので、ぜひご確認ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.10.31 -
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立ち仕事を続けていると、足の裏やかかと、ふくらはぎに痛みや重だるさを生じることがあります。 むくみや冷え、しびれなどの症状が加わると、仕事中も帰宅後も疲労が抜けず、日常生活に支障をきたすこともあります。 この記事では、立ち仕事で足が痛くなる原因と、今すぐ実践できるセルフケアの方法、症状の背景にある疾患について解説します。 足の痛みを我慢して仕事を続けるのはつらいものです。 適切な対処法を知り、症状を軽減させて快適に働ける環境を整えましょう。 立ち仕事で足が痛くなる主な原因 立ち仕事による足の痛みは、長時間の立位による体への負担が原因となって起こります。 主な原因は以下の4つです。 血行不良とむくみ 足裏のアーチへの過剰な負担 筋肉の疲労 クッション性のない靴やサイズの合わない靴を履く 長時間立ったままでいると足の筋肉をあまり動かさないため、血液が心臓に戻りにくくなり、むくみや重だるさが生じます。 これらの原因が単独または複数組み合わさることで、足の痛みが起こります。 立ち仕事で足が痛くならないようにする方法|インソールを変えるのもおすすめ 立ち仕事による足の痛みを予防・軽減するには、日常のセルフケアが重要です。 足への負担を減らす対策として以下の5つを紹介します。 湯船に浸かる マッサージ・ストレッチをする 足を心臓より高くして休む 靴を替える・インソールを使う 湿布や外用薬を使う これらを日常生活に取り入れることで、足の痛みを軽減し、仕事を続けやすくなります。 湯船に浸かる 湯船に浸かることで全身の血流が良くなり、足に溜まった血液や老廃物が流れやすくなります。 温かいお湯は筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を促します。 リラックス効果もあり、一日の疲れを癒すことができます。 入浴の際は38〜40度程度のぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かるのがおすすめです。 熱すぎるお湯は体に負担をかけるため避けましょう。 マッサージ・ストレッチをする マッサージやストレッチは筋肉の柔軟性を高め、血流を改善して疲労回復を促します。 硬くなった筋肉をほぐすことで、痛みやこわばりが和らぎます。 入浴後の体が温まった状態で行うとより効果的です。 足を心臓より高くして休む 足を心臓より高い位置に上げて休むことで、下半身に溜まった血液や水分、老廃物が心臓に戻りやすくなります。 その結果、むくみやだるさが軽減され、疲労回復が期待できます。 方法は、横になって足の下にクッションや枕を置き、10〜15分程度休むだけです。 寝る前に行えば、翌朝の足の軽さを実感できるはずです。 靴を替える・インソールを使う 自分の足に合わない靴は痛みの原因になります。 クッション性やアーチサポート機能のある靴やインソールを選ぶことで、足裏への衝撃を和らげ、負担を大幅に減らせます。 靴選びのポイントは、つま先に1cmほどの余裕があり、かかとがしっかり固定されるサイズを選ぶことです。 インソールは足裏のアーチをサポートするタイプを選ぶと効果的です。 湿布や外用薬を使う 炎症や筋肉痛がある場合は、鎮痛・消炎作用のある市販の湿布や外用薬も有効です。 患部に直接貼ったり塗ったりすることで、痛みを和らげられます。 冷湿布は急性の痛みや炎症に、温湿布は慢性的な痛みや血行不良に適しています。 ただし、湿布や外用薬は一時的な対症療法のため、痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。 立ち仕事における足の痛みで考えられる疾患 立ち仕事による足の痛みが長引く場合、背景に疾患が隠れている可能性があります。 セルフケアを行っても改善しない場合は、以下のような疾患が疑われます。 下肢静脈瘤 足底筋膜炎 坐骨神経痛 以下、それぞれの疾患の特徴と症状について解説するので、当てはまる症状がないか確認してみてください。 下肢静脈瘤 下肢静脈瘤は、足の静脈の血管が膨らんでコブのように浮き出る疾患です。 長時間立ち仕事をする人に多く見られ、足のだるさ、むくみ、痛み、重い感じなどの症状が現れます。 血液の流れが悪くなることで症状が悪化するため、放置は厳禁です。 治療法には弾性ストッキングの着用、硬化療法、レーザー治療、手術などがあります。 足底筋膜炎 足底筋膜炎は、足裏の筋膜が炎症を起こす疾患です。 かかとや土踏まずに強い痛みが出て、朝起きて最初の一歩や、長時間立った後に痛みが強くなります。 長時間の立位や歩行で症状が悪化し、適切なケアを行わないと慢性化するリスクがあるため注意が必要です。 治療法にはストレッチ、インソールの使用、湿布や消炎鎮痛剤の使用、安静などがあります。 症状が重い場合はステロイド注射や体外衝撃波治療も選択肢になります。 坐骨神経痛 坐骨神経痛は、腰から足にかけて走る坐骨神経が圧迫されて起こる症状です。 太ももやふくらはぎに痛み、しびれ、電気が走るような感覚が現れます。 立ち仕事での姿勢の歪みが影響する場合があり、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となることもあります。 主な治療法は、薬物療法、理学療法、ブロック注射、手術などです。 坐骨神経痛でやってはいけないこと、椎間板ヘルニアとの違いについては以下の記事でそれぞれ解説しています。あわせてご覧ください。 また、以下の動画では坐骨神経痛の治療方法について紹介しています。 立ち仕事における足の痛みはセルフケアが重要!眠れない程の痛みは医療機関を受診しよう 立ち仕事による足の痛みは、多くの場合セルフケアで改善できます。 湯船に浸かる、マッサージやストレッチをする、足を高くして休む、靴やインソールを見直すなど、日常生活でできる対策を継続することが大切です。 ただし、夜も眠れないほどの強い痛みや、セルフケアを行っても改善しない長引く症状は疾患のサインかもしれません。 下肢静脈瘤、足底筋膜炎、坐骨神経痛などの疾患が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。 慢性化した痛みに対しては、再生医療も選択肢の一つとなります。 手術や入院を伴わない治療法で早期回復を目指したい方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.10.31 -
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「急に足の甲や足首にコブ状のしこりができた」 「触っても痛みはないけれど、病院に行くべき?」 足にコブ状のしこりができた方の中には、上記のように不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。 そのしこりの正体は、「ガングリオン」である可能性が高いです。 多くの場合、ガングリオンは無症状で痛みがないため、そのまま放置しても問題ありません。 しかし、足にできたガングリオンは靴による圧迫を受けやすく、神経の近くにできると痛みやしびれを引き起こすこともあります。 本記事では、足にできるガングリオンの具体的な症状や原因、対処法について詳しく解説します。 ガングリオンに関する正しい知識を身につけ、ご自身の症状に合った適切な対処法を見つけるために、ぜひ参考にしてください。 足にできたガングリオンの症状 足にできるガングリオンの主な症状は、皮膚の下にできる「しこり(腫瘤)」です。 多くの場合、痛みなどの自覚症状はありませんが、できる場所や大きさによっては、靴による圧迫や神経への刺激で痛みやしびれを伴うこともあります。 多くの場合は無症状で痛みはない 大きくなると痛みが生じるケースもある 以下では、足にできたガングリオンの具体的な症状について解説します。 多くの場合は無症状で痛みはない ガングリオンの一般的な症状は、痛みやその他の自覚症状を伴わない、弾力のあるしこりです。 足の甲や足首、足の指の付け根などの関節付近に発生することが多く、大きさは米粒大からピンポン玉大までさまざまです。 中身はゼリー状の液体で、押すと硬いゴムのような感触があります。 また、ガングリオン自体は良性の腫瘤であり、悪性化(がん化)することは基本的にありません。 そのため、痛みや機能的な問題がなければ、見た目(整容面)の問題を除いて特に心配する必要はないとされています。 大きくなると痛みが生じるケースもある ガングリオンが大きくなったり、発生する場所が悪かったりすると痛みや違和感を引き起こすことがあります。 痛みが起こる主な原因は、以下のとおりです。 痛みの原因 概要 神経の圧迫 ガングリオンが近くの神経を圧迫すると、痛みやしびれ、感覚の低下を引き起こすことがある 靴による圧迫 足の甲やくるぶしにできた場合、靴と擦れたり圧迫されたりすることで炎症が起き、痛むことがある 関節や腱の動きの妨げ 関節や腱の近くにできた場合、歩行などの動作のたびに違和感が生じたり、動きが妨げられたりして痛むことがある とくに足にできたガングリオンは、靴による圧迫を受けやすいため、手首などの他の部位に比べて症状が出やすい傾向にあります。 ガングリオンが足にできる主な原因 ガングリオンが足にできる明確な原因は、まだ完全には解明されていません。 一般的には、関節を包んでいる「関節包」や、腱を包む「腱鞘」の内部にある関節液が関係していると考えられています。 何らかの刺激や負荷によって、その関節液が袋状に漏れ出して濃縮され、ゼリー状のコブ(腫瘤)を形成すると推測されています。 足は、靴による圧迫やスポーツなどでの繰り返しの負荷が、発生の刺激となりやすい部位です。 しかし、はっきりとしたきっかけがなく発症することも多く、体質的な要因も関係している可能性があります。 足のしこりがガングリオンかどうか判断する方法 足にできたしこりがガングリオンなのか、あるいは別の腫瘍(脂肪腫など)や炎症なのかを自己判断するのは困難です。 本章では、医療機関で行われる主な診断方法について解説します。 画像検査 吸引検査 足のしこりがガングリオンかどうかを正確に判断するため、医療機関では、まず超音波(エコー)検査が行われるのが一般的です。 さらに、確定診断や治療を兼ねて、しこりに針を刺して内容物を確認する検査が行われることもあります。 画像検査 足のしこりがガングリオンかどうかを医療機関で診断する場合、超音波(エコー)による画像検査が一般的です。 超音波検査は人体に無害で、しこりの内部の様子をリアルタイムで確認できます。 しこりの中身が液体(嚢胞性)なのか、脂肪腫などの固形(充実性)なのかを判別するのに有用です。 中身を確認することにより、ガングリオンである可能性が高いかを判断します。 また、関節とのつながりや、神経、血管との位置関係を把握するためにも用いられます。 レントゲン(X線)検査ではガングリオン自体は写りませんが、骨の異常(骨棘など)がないかを確認するために行われることもあります。 吸引検査 しこりがガングリオンであるかを確定させる確実な方法は、注射針を刺して内容物を吸引する検査(穿刺吸引)です。 穿刺吸引は、ガングリオンかどうかの診断と治療を兼ねて行われることもあります。 しこりに針を刺し、吸い出した中身が透明で粘り気のあるゼリー状の液体(関節液が濃縮されたもの)であれば、ガングリオンであると診断されます。 中身を抜き取ることでしこり自体は小さくなるため、そのまま治療的な処置ともなります。 ただし、ガングリオンの袋自体は残っているため、時間が経つと再発する可能性があります。 ガングリオンが足にできたときの対処法と治し方 足にガングリオンができた場合の対処法や治し方は、痛みやしびれなどの症状の有無、ガングリオンの大きさによって異なります。 主な対処法と治療法は、以下の3つです。 痛みがなければ様子を見る 保存療法 手術療法 基本的には、症状がなければ経過観察、症状があれば保存療法や手術療法が検討されます。 以下では、それぞれの選択肢について詳しく解説します。 痛みがなければ様子を見る ガングリオンは良性の腫瘤(しこり)であるため、痛みやしびれなどの症状が全くない場合は、必ずしも治療を行う必要はありません。 悪性化(がん化)することはないため、経過観察が第一選択となります。 また、ガングリオンが自然に小さくなったり、いつの間にか消えてしまったりするケースも珍しくありません。 サイズが大きくなってきたり、痛みが出てきたりした場合は、医療機関を受診しましょう。 保存療法 痛みやしびれがある場合や、ガングリオンが大きくて歩行に支障が出る場合には、まず保存療法によって症状の改善を図ります。 一般的に行われるのは、診断の際にも用いる「穿刺吸引(せんしきゅういん)」です。 穿刺吸引は、ガングリオンに注射針を刺し、中に溜まっているゼリー状の液体を吸い出す処置です。 内容物を抜き取ることでしこりは小さくなり、神経や周囲への圧迫が軽減されるため、痛みやしびれの改善が期待できます。 ただし、ガングリオンの袋(嚢胞)自体は残っているため、時間が経つと再び液体が溜まり、再発する可能性は比較的高いとされています。 手術療法 保存療法を繰り返しても再発する場合、神経圧迫による痛みやしびれが強い場合、日常生活への支障が大きい場合には、手術療法が検討されます。 手術療法は、ガングリオンを切除し、根本的に取り除く治療法です。 ガングリオンの袋(嚢胞)を関節包や腱鞘とのつながっている茎(くき)の部分も含めて切除・摘出します。 穿刺吸引に比べて再発率は低いとされていますが、手術による傷跡が残ることや、稀に周囲の神経や血管を損傷するリスクも伴います。 どのような治療法を選択するかは、医師とよく相談して決めることが大切です。 ガングリオンが足にできたときによくある質問 足にガングリオンができた際、「放置しても大丈夫なのか」「なぜ自分にできたのか」といった疑問を抱く方も多いでしょう。 本章では、ガングリオンが足にできたときによくある質問について回答します。 足のガングリオンは放置してもいい? ガングリオンはどのような人にできやすい? それぞれの質問について、詳しく解説していきます。 足のガングリオンは放置してもいい? 結論、足のガングリオンに痛みやしびれ、日常生活への支障がなければ、放置しても問題ありません。 ガングリオンは悪性化(がん化)することのない良性の腫瘤(しこり)だからです。 自然に小さくなったり、気づかないうちに消失したりするケースも珍しくありません。 ただし、ガングリオンが大きくなる、痛みやしびれが出てくるなどの症状が現れた場合は、医療機関を受診しましょう。 ガングリオンはどのような人にできやすい? 比較的若い女性(20代〜50代)に多く発生する傾向がありますが、年齢や性別を問わず誰にでもできる可能性はあります。 ガングリオンが発生する明確な原因は、実はまだ解明されていません。 一般的には、関節や腱の使いすぎによる刺激が関係しているのではないかと推測されています。 足のガングリオンは、きつい靴による慢性的な圧迫や、スポーツなどによる繰り返しの負荷が発生のきっかけになる可能性も考えられます。 足のガングリオンが痛い場合は医療機関を受診しましょう 足にできるガングリオンは、悪性化(がん化)しない良性の腫瘤(しこり)です。 そのため、痛みやしびれ、歩行時の支障がなければ、基本的に治療せずに経過観察しても問題ありません。 しかし、足は靴による圧迫を受けやすい部位です。 しこりが大きくなる、靴に当たって痛む、神経を圧迫してしびれる感覚などの症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。 また、ガングリオン以外の腫瘍の可能性もあるため、自己判断せずに、医療機関で正確な診断と治療を受けることが重要です。
2025.10.31 -
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関節の健康を考えてサプリメントを探していると、「グルコサミン」や「コンドロイチン」という成分をよく見かけます。 両者にどのような違いがあるのか、どちらを摂取した方が良いのか疑問をお持ちの方も多いでしょう。 結論、グルコサミンは軟骨の「原料」となり、コンドロイチンは軟骨の「保水性」を担うなど、その役割は明確に異なります。 本記事では、グルコサミンとコンドロイチンの根本的な違いから、関節痛への効果に関する医学的な見解について詳しく解説します。 それぞれの成分の働きを正しく理解し、サプリメントとの向き合い方を考える参考にしてください。 また、つらい関節痛にお悩みの方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した関節の再生・修復を促す医療技術です。 「関節痛を早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 グルコサミンとコンドロイチンの違い グルコサミンは軟骨の「原料」となる成分であり、コンドロイチンは軟骨自体に水分を保持させ「クッション性」を保つ成分である点に、主な違いがあります。 項目 主な役割 分類 グルコサミン ・軟骨成分の構成要素となる ・軟骨の新陳代謝に関与する アミノ糖(糖とアミノ酸が結合したもの) コンドロイチン ・軟骨に水分と弾力性を与え、クッション機能を維持する ・軟骨の分解を抑制する働きも期待される ムコ多糖類 どちらも関節の健康をサポートする成分としてよく知られていますが、その働きや役割は明確に異なります。 グルコサミンが新しい軟骨成分の生成をサポートする役割、コンドロイチンは既存の軟骨の健康や水分を維持する役割、と考えると分かりやすいでしょう。 また、いずれもサプリメントで経口摂取した際の効果については、科学的証拠が不十分とされているため、注意が必要です。 グルコサミンの特徴 グルコサミンは、軟骨や皮膚、爪など体を作る成分の「原料」となるアミノ糖の一種です。 特に関節軟骨においては、水分を保持するプロテオグリカンやヒアルロン酸といった重要な成分の合成を促す働きを担っています。 グルコサミンの主な特徴と含まれる食品は、以下のとおりです。 項目 特徴・内容 主な役割 ・軟骨成分の構成要素となる ・軟骨の新陳代謝に関与する 分類 アミノ糖(糖とアミノ酸が結合したもの) 多く含まれる食品 カニやエビの甲殻類(キチン質)、山芋、オクラなど 上記のように、グルコサミンは軟骨のスムーズな働きを維持するための「土台作り」をサポートする成分といえるでしょう。 コンドロイチンの特徴 コンドロイチンは、軟骨の主成分そのものであり、水分を強力に引き寄せて保持する「保水性」に優れたムコ多糖類の一種です。 軟骨がクッションのような弾力性を持ち、関節がスムーズに動くためには、コンドロイチンが持つ保水力が欠かせません。 コンドロイチンの主な特徴と含まれる食品は、以下のとおりです。 項目 特徴・内容 主な役割 ・軟骨に水分と弾力性を与え、クッション機能を維持する ・軟骨の分解を抑制する働きも期待される 分類 ムコ多糖類(ネバネバ成分) 多く含まれる食品 納豆、山芋、オクラなどのネバネバ食品、フカヒレ、うなぎ、動物の軟骨など 関節の健康を「保つ」ために、グルコサミンと並んで重要な役割を果たしている成分といえるでしょう。 グルコサミンやコンドロイチンは関節痛に効果なし? グルコサミンやコンドロイチンが関節痛に「効果がある」という、質の高い科学的根拠(エビデンス)は十分ではないとされています。 いずれもサプリメントとして広く知られていますが、医学的な評価は定まっていないのが実情です。 効果があるエビデンスは少ない 効果があると感じるのはプラセボ(プラシーボ)効果の可能性 なぜ「効果なし」と言われることがあるのか、その背景にあるエビデンスの状況と心理的な側面について見ていきましょう。 効果があるエビデンスは少ない グルコサミンやコンドロイチンが関節軟骨の成分であることは事実ですが、サプリメントとして摂取した場合に関節痛が改善するという科学的根拠は限定的です。 これまで世界中で多くの臨床試験が行われてきましたが、その結果は一貫していません。 一部の研究では「痛みが和らいだ」という肯定的な報告もあります。 一方で、偽薬(有効成分の入っていない薬)を飲んだグループと比較して、明確な差が出なかったとする大規模な研究報告も多く存在します。 研究によって使用される製剤の品質や量が異なることも、結果が一定しない一因と考えられています。 上記のような背景から、日本を含む多くの国の整形外科学会などでは、関節痛(特に変形性膝関節症)の治療ガイドラインにおいて、これらの成分の摂取を推奨するまでには至っていません。 効果があると感じるのはプラセボ(プラシーボ)効果の可能性 サプリメントを摂取して「痛みが楽になった」と感じる場合、成分の薬理的な効果ではなく、「プラセボ(プラシーボ)効果」が影響している可能性も指摘されています。 プラセボ効果とは、有効成分が入っていない偽薬を飲んだ場合でも、「効くはずだ」という期待や思い込みによって、実際に症状が改善する現象を指します。 これは「気のせい」と単純に片付けられるものではなく、脳が期待に反応して痛みを緩和する物質を出すなど、実際に体感が変化する心理的な作用です。 「高価なサプリメントを飲んでいる」「毎日ケアを続けている」という安心感や期待感が、痛みの感じ方を和らげているケースも考えられるでしょう。 科学的根拠が乏しいとされる背景には、この心理的要因が統計結果に影響を与えている可能性も考慮されています。 グルコサミンやコンドロイチンの摂取による副作用 グルコサミンやコンドロイチンは、健康食品として適切に摂取する場合、重篤な副作用の報告はまれです。 しかし、体質や摂取量によっては軽度な胃腸症状(胸やけ、吐き気、下痢など)が起こる可能性が指摘されています。 とくに注意したい点として、以下の項目が挙げられます。 項目 詳細 甲殻類アレルギー 甲殻類アレルギーを持つ方は、アレルギー反応を引き起こす可能性がある 持病や服用中の薬との相互作用 糖尿病(血糖値)への影響や、血液を固まりにくくする薬(ワルファリンなど)との相互作用が懸念される 過剰摂取 目安量を超えた過剰な摂取は、胃腸症状などを引き起こす原因となる 健康食品全般に言えることですが、目安量を超えた過剰な摂取は、胃腸症状などを引き起こす原因にもなりかねません。 製品に記載されている摂取目安量を守ることが大切です。 また、アレルギーや持病がある方は、摂取前に必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 グルコサミンとコンドロイチンの違いについてよくある質問 グルコサミンとコンドロイチンに関しては、両者の併用や、最近注目されるプロテオグリカンとの違いについて多くの疑問が寄せられます。 グルコサミンとコンドロイチンを一緒に飲むとどうなる? グルコサミンとコンドロイチンとプロテオグリカンの違いは? グルコサミンとコンドロイチンはどちらが良い? これらの成分は働きが異なるため、どちらか一方を選ぶべきか、あるいは一緒に摂るべきか悩む方もいるでしょう。 以下では、上記のよくある疑問について、一つずつ解説していきます。 グルコサミンとコンドロイチンを一緒に飲むとどうなる? グルコサミンとコンドロイチンは、それぞれ軟骨に対する役割が異なるため、一緒に摂取することで相乗効果が期待できると考えられています。 グルコサミンが軟骨成分の「原料」となり、コンドロイチンがその軟骨に「水分」を与えてクッション性を保つ、という関係です。 市販のサプリメントの多くが、二つの成分を一緒に配合しているのは、上記のような働きを補い合うことを期待してのものです。 ただし、先述の通り、これらを併用した場合でも、関節痛への効果については、科学的根拠が十分ではない状況であることは理解しておきましょう。 グルコサミンとコンドロイチンとプロテオグリカンの違いは? グルコサミンとコンドロイチンが軟骨の「原料」や「材料」であるのに対し、プロテオグリカンはそれらが組み合わさってできた「軟骨の主成分そのもの」である点が大きな違いです。 それぞれの役割を簡潔にまとめると、以下のようになります。 成分名 役割・イメージ グルコサミン プロテオグリカンなどの軟骨成分を作るための「原料」 コンドロイチン 軟骨の「保水・クッション材」の役割も担い、プロテオグリカンの一部を構成する プロテオグリカン コンドロイチンなどが集まってできた「軟骨の主成分」 プロテオグリカンは、中心となるタンパク質に、コンドロイチンなどの成分が多数結合した大きな分子です。 グルコサミンは、このプロテオグリカンを構成する成分(コンドロイチンなど)を作るための原料となります。 以前はプロテオグリカンを抽出するのは困難でしたが、近年は技術が進み、サケの鼻軟骨などから抽出したものがサプリメントにも利用されています。 グルコサミンとコンドロイチンはどちらが良い? グルコサミンとコンドロイチンは期待される役割が異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。 グルコサミンは軟骨の「原料」、コンドロイチンは軟骨の「保水・弾力維持」という役割を担っているためです。 どちらか一方の成分を選ぶよりも、両者を一緒に摂取する、あるいは両方が配合された製品を選ぶという考え方が一般的です。 ただし、サプリメントはあくまでも日々の食生活を補う「健康食品」であり、医薬品のように病気の治療や痛みの改善を保証するものではありません。 関節の痛みが強い場合や長引く場合は、サプリメントに頼るのではなく、まずは医療機関を受診しましょう。 グルコサミンとコンドロイチンは関節痛に効果なしの可能性が高い グルコサミンやコンドロイチンは、関節痛の改善に明確な効果を持つという質の高い科学的根拠(エビデンス)が、十分ではないとされています。 そのため、サプリメントとして摂取しても「効果は期待できない可能性が高い」というのが、多くの医学的な見解です。 グルコサミンやコンドロイチンは、もともと体内の軟骨に含まれる成分ですが、サプリメントを経口摂取した場合に、そのまま関節に届いて軟骨を再生したり、痛みを和らげたりするかは別問題です。 サプリメントは「医薬品」ではなく「健康食品」としての位置づけであり、痛みの治療を目的として頼るには不確実性が高いと考えるのが妥当でしょう。 つらい関節痛にお悩みの方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した関節の再生・修復を促す医療技術です。 「関節痛を早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.10.31







