-
- その他
「ジョーンズ骨折にテーピングは有効?」 「テーピングの効果は?」 ジョーンズ骨折と診断され、足の外側の痛みにお悩みの方も多いのではないでしょうか。 日常生活やスポーツへの復帰を目指す中で、テーピングによる対処法を検討する方も多いです。 この記事では、ジョーンズ骨折に効果的なテーピングの巻き方や、活用する際の注意点について詳しく解説します。 正しいテーピング方法と活用タイミングについて理解し、ジョーンズ骨折の再発予防に努めましょう。 また、近年の治療では、ジョーンズ骨折の早期改善を目指せる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した骨の早期改善が期待できる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 ジョーンズ骨折に効果的なテーピング方法 ジョーンズ骨折の回復期において、テーピングは足の安定性を高めるために役立ちます。 以下で、準備するテーピングと実際の手順について解説します。 準備するテーピング テーピングの巻き方 正しい知識を身につけ、足への負担を減らしましょう。 以下の記事では、足の側面・外側が歩くと痛い原因について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 準備するテーピング ジョーンズ骨折のテーピングには、伸縮性のあるキネシオロジーテープを準備しましょう。 また、下地用のアンダーラップというテープがあれば、足を保護しながら必要な動きを助ける効果が見込めます。 以下のテープを揃えておくと、スムーズに処置を進められます。 テープの種類 特徴と役割 備考 キネシオロジーテープ(伸縮性) 足首の自然な動きを保ちつつ患部を保護する 5cm幅で長さ約30cm×2本を用意する アンダーラップ 皮膚を保護し、かぶれを防止する下地用のテープ 皮膚が弱い方やしっかり固定したい方は、任意で用意する 準備の際は、テープの角をあらかじめ丸く切っておくと、運動中に剥がれにくくなります。 医師や理学療法士のアドバイスを受けながら、自分自身の状態に合う種類を選びましょう。 テーピングの巻き方 ジョーンズ骨折に対するテーピングは、足の外側にかかる負担を軽減し、つま先が外側を向きすぎないようにすることを目的とします。 テーピングの手順は、以下のとおりです。 1本目のテープ 1本目のテープは、内側のくるぶしから指2本分下のかかとにテープを貼り付けましょう。 かかとの下を覆うように外側のくるぶしの下側を通って、すねの前側に向けてテープを貼ります。 (内側のかかとからすねの内側に向けてぐるっと一周した状態) 皮膚が弱い方は、まず皮膚を保護するアンダーラップを貼り、その上から伸縮性テープを重ねるように貼りましょう。 2本目のテープ 2本目のテープは、内側のくるぶしから指2本分上の位置、前に向かうようにテープを貼り付けましょう。 すねの前側から外側のくるぶしの上側を通って、1本目のテープに半分重なるように貼っていきます。 くるぶしの外側を通ったら、かかとの後ろ側を覆うように通って、テーピングの端が親指の付け根までくるように貼ります。 ジョーンズ骨折のテーピングで注意すべき点 ジョーンズ骨折に対するテーピングは、適切な方法で活用すれば足首を支える力になります。 しかし、誤った認識や巻き方は足の状態を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。 完治までは効果を期待できない きつく巻きすぎないように注意する 以上のポイントを正しく理解し、効果的にテーピングを取り入れていきましょう。 完治までは効果を期待できない ジョーンズ骨折が完治(骨癒合する)までは、テーピングの効果はあまり期待できません。 テーピングはジョーンズ骨折の治療そのものではなく、治った後に足首の動きをサポートしたり再発を予防したりする補助的な役割を担います。 折れた骨がつながっていない段階でテーピングをして運動を再開すると、痛みの悪化や回復が遅れる恐れがあります。 医師によるレントゲン検査などで骨癒合が確認されるまでは、治療に専念しましょう。 きつく巻きすぎないように注意する テーピングを巻く際は、患部を固定しようとして、テープをきつく巻きすぎないように注意が必要です。 過度な締め付けは血流の滞りを招き、回復を遅らせる恐れがあるためです。 特に足がむくんでいる状態で強く巻くと、血管や神経を圧迫してしびれが生じる場合もあります。 テープを巻いた後は、以下のサインが出ていないか確認してください。 確認する項目 異常な状態の目安 皮膚の色 指先が白くなったり紫色に変色したりする 感覚の変化 ジンジンとしたしびれや感覚の鈍さを感じる 足の温度 足の指が不自然に冷えている 指先の色が変わったり冷たく感じたりしたときは、すぐにテープを外して血流を確保してください。 血流が悪くなると組織の修復に悪影響を及ぼし、さらなるトラブルに繋がる恐れがあります。 適切な圧迫加減を維持しながら、こまめに足の状態を確認しましょう。 ジョーンズ骨折のテーピング以外の治療法 ジョーンズ骨折は血流が乏しい部位での骨折のため、治りにくい特徴があり、症状や活動レベルに応じた治療を進める必要があります。 本章では、ジョーンズ骨折で行われる主な治療について解説します。 保存療法 手術療法 それぞれの治療法について詳しく解説していきます。 保存療法 保存療法は、安静・患部の固定などで外科的手術をせずに骨の癒合を目指す治療法のことです。 主な治療内容は、以下のとおりです。 保存療法の特徴 ギプスや装具による患部の固定 松葉杖の使用 足首周辺の筋力強化・ストレッチなどのリハビリ 6〜8週間程度の治療期間 まずは、ギプスなどで患部を固定し、足首に負担がかからないように安静にします。 治るまでに時間がかかり、治癒後も再骨折する恐れがある点はあらかじめ理解しておきましょう。 骨が完全に付かない「偽関節」になる恐れもあるため、経過を慎重に見守ります。 手術療法 手術療法は、完全骨折の症例や早期のスポーツ復帰・再発予防を望む場合に検討される治療法です。 スクリューやワイヤーで骨折部を固定することで骨癒合しやすくなるため、アスリートにとって有力な選択肢です。 手術療法の特徴 スクリューを用いる髄内固定術 保存療法よりも再発率が抑えられる 2〜3ヵ月での競技復帰が目指せる 骨の中にネジを挿入して内側から固定することで骨折部が安定しやすくなるため、早期の骨癒合を促せます。 保存療法に比べて再発を抑える効果が期待でき、治療成績も良好です。 スクリューによる固定には専門的な技術が必要となるため、実績のある医療機関で相談しましょう。 ジョーンズ骨折のテーピングに関してよくある質問 ジョーンズ骨折の治療中や再発予防の段階で、多くの方が抱く疑問についてお答えします。 骨折したらテーピングしてもいい? ジョーンズ骨折におすすめのサポーターは? ジョーンズ骨折を手術しないとどうなる? 正しい知識を身につけることで、日常生活やスポーツへの早期復帰と再発防止に役立ててください。 骨折したらテーピングしてもいい? 骨折した直後や完治前のテーピングは推奨されません。 以下の理由から、自己判断での処置は避けてください。 骨折後のテーピングが推奨されない理由 テーピングに骨折部を治す直接的な効果はない 無理な動作を誘発する可能性がある 骨の癒合を妨げる恐れがある テーピングは再発予防を目的とするものであり、折れた骨をつなぐ効果はありません。 また、テーピングを巻いたことによる安心感から無理な動作をしてしまい、結果として治癒を遅らせる恐れがあります。 医師がレントゲンで骨の癒合を確認し、運動の許可が出た回復期から実施するのが適切です。 専門家の指導のもとで、正しいタイミングから始めましょう。 ジョーンズ骨折におすすめのサポーターは? ジョーンズ骨折には、足の横方向の安定性を高めるサポーターと足裏を支えるインソールの併用が有効です。 サポーターを選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。 ジョーンズ骨折におすすめのサポーター 横方向へのぐらつきを抑える機能 足裏のアーチを支える構造 患部を強く圧迫しない形状 足首の過度な動きを制限して、第5中足骨にかかる負担を減らすタイプを選ぶのがおすすめです。 インソールを併用すると地面からの衝撃を分散できるため、予防効果が期待できます。 製品によっては患部に当たって痛みが出る場合もあるため、購入前に試着すると良いでしょう。 ジョーンズ骨折を手術しないとどうなる? 手術を選択しない保存療法では、偽関節(骨がくっつかない状態)になったり再骨折したりするリスクが伴います。 骨が癒合せずに偽関節の状態になると、痛みが慢性化して日常生活に支障をきたす恐れもあります。 特に早期の競技復帰を望むアスリートには、早期改善を目指せる手術療法が検討されるケースが多いです。 医師と相談して、自身のライフスタイルに合う治療法を検討しましょう。 ジョーンズ骨折のテーピングは回復期には効果が見込める ジョーンズ骨折の回復期において、テーピングは足の安定性を高める役割を果たします。 足の横アーチを支えるテーピングを実施すれば、患部にかかるストレスを分散させる効果が見込めるためです。 例えば、適切なテープを用いてアーチを引き上げる方法は、歩行時の不安を軽減させます。 しかし、骨が完全に癒合するまではテーピングの効果も限定的なので、まずは無理をせず、医師の指示に従いながら段階的にリハビリを行いましょう。 再発を予防する意識を持ち、自身の足を保護する習慣を身につけてください。
2025.12.26 -
- その他
ブロック注射の仕組みや持続時間、自分の症状に適応するかを把握すれば、治療への不安を解消できます。 飲み薬やリハビリで変化がない痛みや症状に対して、ブロック注射は有効な手段となる可能性がある治療法です。 この記事では、ブロック注射で得られる効果や持続時間、効果が期待できる症状について詳しく解説します。 痛みを我慢し続ける生活は、精神的な負担も大きいものです。仕事や家事に支障が出ている状態なら早めにブロック注射を検討してみましょう。 また、つらい関節痛や神経痛には、損傷した組織の再生・修復を促す再生医療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 ブロック注射で得られる効果|痛みの悪循環を断ち切れる理由 ブロック注射は、痛みの連鎖を止めるための多面的な働きがあります。 局所的な麻酔作用 神経の鎮静化 炎症の抑制 血行の改善 複数の作用が重なり合うことで、辛い状態からの回復を促します。 以下でそれぞれの仕組みを詳しく解説します。 局所的な麻酔作用 ブロック注射で得られる効果は、麻酔薬による痛み信号を脳に伝える神経の遮断です。 麻酔作用の特徴 痛み信号を脳に伝える神経の遮断 即効性のある鎮痛 筋肉の硬直緩和 神経の通り道に薬を注入し、痛み信号が脳に届くのを遮断することで、一時的に痛みを感じにくくなります。 麻酔の効果で痛みのない時間を作れば、リハビリへ進むための準備が整います。 注射後15〜30分程度で変化を実感できる即効性があり、ブロック注射は激しい症状を速やかに和らげるための有効な手段です。 効果の強さや持続時間は個人差があることは理解したうえで、治療を受けましょう。 神経の鎮静化 ブロック注射によって神経の鎮静化を図ることで、過敏になった神経を正常な状態へ戻します。 長引く痛みによって神経が過剰に興奮している場合、ブロック注射によって一時的に休ませる作用が期待できます。 神経の状態 ブロック注射後の変化 過剰な興奮状態 神経の活動が穏やかになる 低い痛み閾値 正常な感覚に近づく 持続する不快感 信号の遮断によるリセット 神経の興奮状態をリセットする作用が働くことで、麻酔の効果が切れた後もブロック注射を打つ前より楽な状態が続きます。 つらい症状が一時的に緩和されるため、精神的なストレスも軽減されるでしょう。 炎症の抑制 ブロック注射には炎症の抑制も期待でき、炎症による痛みや腫れを和らげるために有効な働きです。 ステロイド薬などを併用すれば、神経の周囲に発生した強い炎症反応を鎮められます。 炎症が抑えられることで神経の圧迫が和らぎ、血流改善・回復の促進につながります。 一時的な炎症の抑制だけでなく、腰や肩の慢性化した痛みにも効果が期待できる点も強みの一つです。 飲み薬に比べて少ない量で効果を発揮するため、体への負担も軽減して治療を受けられます。 血行の改善 ブロック注射によって炎症が抑えられることで血行改善につながり、組織の修復力を高める効果が期待できます。 良好な血流は、傷ついた組織を治すために必要不可欠な要素です。 交感神経の緊張が解けて血管が広がることで、患部へ酸素や栄養が供給されるようになります。 また、筋肉の強張りが緩和されることで、本来の柔軟性を取り戻す助けとなるでしょう。 ブロック注射の効果はいつまで持続する? ブロック注射の効果が持続する時間は、症状や体質によって異なります。 本章では、ブロック注射による効果の持続時間について解説していきます。 数時間から数週間が目安 複数回の治療で効果が持続する 1回のブロック注射でも効果を実感できる場合もありますが、複数回治療を受けるなど計画的に進めるケースも少なくありません。 以下で詳しく見ていきましょう。 数時間から数週間が目安 ブロック注射の1回あたりの持続期間は、数時間から数週間と幅広いです。 使用する麻酔薬自体の作用は数時間で切れますが、神経の鎮静化や血行改善によって痛みの悪循環を断ち切る狙いもあるため、効果を実感できる状態が続きます。 症状の程度 持続期間の目安 軽度の症状 1週間から数週間程度 重度の症状 数時間から数日程度 症状が軽いほど、1回のブロック注射で得られる効果の持続時間は長くなる傾向にあります。 逆に、慢性化・重症化しているケースでは、効果の持続時間が短く感じられるケースも少なくありません。 痛みのない時間を使って、リハビリテーションなどの次のステップへ進みましょう。 安静に過ごしながら、体の変化を慎重に観察してください。 複数回の治療で効果が持続する ブロック注射は、複数回繰り返すことで効果の持続が期待できます。 1回のブロック注射では戻ってしまう痛みのサイクルを、複数回の処置によって安定させるためです。 最初は週1回のペースで始め、状態が良くなれば2週間程度に間隔を空け、2〜7回を目安に症状改善を目指します。 最終的には注射が不要な状態を目指すのが一般的な治療の流れです。 ステロイドを併用する際は回数に上限が設けられる場合もあるため、主治医と相談しながら進めてください。 ブロック注射の効果が期待できる症状 ブロック注射の効果が期待できる症状は多岐にわたります。 痛みの原因箇所へ薬剤を直接届けるため、薬物療法や理学療法で変化を感じられなかった症状にもアプローチ可能です。 足・腰の痛み 首・肩の痛み 頭痛・顔面の症状 ご自身の今の状態と照らし合わせて確認してください。 足・腰の痛み ブロック注射は、足や腰の痛みに対して高い改善効果が見込めます。 特に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった、神経が圧迫される疾患に適しています。 神経のすぐそばに局所麻酔薬やステロイド薬を注入して、炎症を強力に抑えるためです。 レントゲンや超音波で位置を確認しながら薬剤を届ける手順により、痛みの元へ直接作用させます。 主な適応疾患 症状の詳細 腰椎椎間板ヘルニア 腰から足先への鋭い痛みやしびれ 腰部脊柱管狭窄症 歩行時に足が重だるくなる症状 坐骨神経痛 お尻から太もも裏にかけての痛み 神経根の炎症や腫れを鎮める働きにより、脳へ送る信号伝達を抑制します。 麻酔が切れた後も鎮痛効果が持続するケースもあり、日常生活の動作が楽になるはずです。 強いしびれや慢性化した腰痛を抱える方は、症状が悪化する前に相談しましょう。 また、次の記事では坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの違いについて詳しく解説しているので、参考にしてください。 首・肩の痛み 首・肩の痛みには、症状の原因に合わせて適切なブロック注射を選びます。 骨の変形で神経が圧迫されるケースや、筋肉の過度な緊張が原因の肩こりまで幅広く対応可能です。 薬剤を注入して神経の過敏な興奮を鎮め、筋肉をほぐす効果を狙います。 効果が期待できる症状 頚椎椎間板ヘルニアによる腕のしびれ 頚椎症による首や背中の痛み 筋肉の硬直からくる慢性的な肩こり 腕へのしびれがある場合には神経根ブロック、筋肉の硬結部にはトリガーポイント注射を選択します。 血行を改善させる作用により、酸素や栄養が組織に届きやすくなるメリットもあります。 湿布や内服薬だけでは解消しきれないつらい症状を、直接的なアプローチで緩和しましょう。 また、次の記事では頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて詳しく解説しているので、参考にしてください。 頭痛・顔面の症状 頭痛・顔面の症状を和らげる際にも、ブロック注射は有効な治療法です。 特に首の付け根にある神経に働きかける星状神経節ブロックは、血流を改善し自律神経を整える働きがあります。 血管の異常な拡張や神経のダメージからくる痛みを軽減します。 頭部全体の血行が促されるため、慢性的な不調を抱える方に適した処置です。 対象となる症状 期待できる変化 片頭痛・群発頭痛 激しい発作の回数や強さを抑制 顔面神経麻痺 神経への血流を補助 緊張型頭痛 頭周りや首筋の筋肉の強張りを緩和 自律神経のバランスを正常な状態に導き、痛みを引き起こす原因へ直接アプローチします。 顔面の違和感や繰り返す頭痛にお悩みの方は、専門的な治療を検討してください。 ブロック注射の費用 ブロック注射の費用は、基本的に健康保険が適用されるため、自己負担を抑えて治療を受けられます。 支払う金額は、受診する医療機関や受ける注射の種類、使用する薬剤の内容によって変わります。 初めて受診する際は、診察料や検査費用が加わる点も把握しておきましょう。 注射の種類 費用の目安(3割負担) トリガーポイント注射 200〜300円前後 星状神経節ブロック 1,000円前後 硬膜外ブロック 2,000〜3,300円前後 神経根ブロック 4,500円前後 正確な金額は、処置の内容やクリニックによって異なるため、事前の確認を推奨します。 保険適用外の自由診療を併用しない限り、1回の支払額が数万円に達するケースはほとんどありません。 ブロック注射の効果についてよくある質問 ここでは、ブロック注射の効果についてよくある質問に回答していきます。 ブロック注射はどれくらいで効果が出る? ブロック注射が効かない理由は? ブロック注射を検討している方は、参考にしてください。 ブロック注射はどれくらいで効果が出る? ブロック注射の効果が出るタイミングは、2つの段階に分かれます。 1つ目の段階は、注射した直後に現れる即効性です。 配合された局所麻酔薬が、神経の伝達を遮断するため、数分から数十分で痛みが和らぎます。 処置の後に院内で安静にしている間に、体が軽くなる実感を得る患者さまも多いです。 2つ目の段階は、数日経ってから現れる持続的な効果です。 ステロイド薬を併用する場合、炎症を鎮める作用が本格的に発揮されるまでには時間がかかります。 麻酔が切れて一度痛みが戻ったように感じても、後から楽になる経過を辿るケースがあります。 焦らずに数日間は様子を見守りましょう。 自分の症状における変化を医師へ伝えると、次回の処置をより適切に調整できます。 ブロック注射が効かない理由は? ブロック注射が効かない理由は、痛みの発生源や症状の進行具合が関係しています。 処置をしても変化がない場合、注射した場所とは別の部位に本当の原因が隠れている場合があります。 期待した反応が得られないからといって、無意味な治療だったと決めつける必要はありません。 効果が出にくい主な理由 具体的な状況の解説 原因部位が異なる 痛みを起こす神経が別の場所にある 薬剤が届かない 神経の通り道が狭く針先が届きにくい 症状が極めて重度 炎症や圧迫が強く1回では不十分 脳の痛みの記憶 慢性化により神経以外に原因がある 1回の処置で諦めず、回数を重ねたり治療法を見直したりする柔軟な姿勢が大切です。 ブロック注射の効果を実感できない場合は再生医療をご検討ください ブロック注射の効果は、麻酔作用や炎症の抑制によって痛みの連鎖を止める点にあります。 数時間から数週間といった持続時間の目安を知り、計画的に治療を進める意識を持ちましょう。 ブロック注射を繰り返しても効果を実感できない場合は、再生医療という新しい選択肢をご検討ください。 神経痛や関節痛に対する再生医療は、傷ついた組織の再生・修復を促したり、炎症を抑制したりする効果が期待できる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- その他
手首や足の甲にできるガングリオンで手術をすべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。 ガングリオンは良性の腫瘍なので無症状であれば経過観察のみで問題ありませんが、痛みやしびれを伴う場合には手術を検討する必要があります。 この記事では、ガングリオンで行われる手術方法や手術が検討されるケースについて詳しく解説します。 ガングリオンの手術におけるリスクを理解し、納得のいく治療を選択するための参考にしてください。 ガングリオンで行われる手術方法 ガングリオンの手術療法には、主に2つの術式があり、症状の部位や状態に合わせて検討されます。 切開摘出術 関節鏡手術 それぞれの特徴を詳しく解説します。 また、以下の記事ではガングリオンと悪性腫瘍の見分け方について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 切開摘出術 切開摘出術は、皮膚を切開してガングリオン(腫瘤)を直接取り除く術式です。 医師が患部を直接目で見て確認しながら進めるため、再発源となる茎ごと完全に除去できる利点があります。 切開摘出術の主な特徴 ガングリオンを茎ごと除去できる 多くは日帰りで手術できる 切開した場所には傷跡が残りますが、ガングリオンの確実な摘出を優先したい方に適しています。 局所麻酔を用いるため体への負担も少なく、多くのケースで当日に帰宅できます。 注射などの保存療法に比べて再発率を低く抑えられますが、再発リスクはゼロではない点は覚えておきましょう。 関節鏡手術 関節鏡手術は、1cm程度の小さな切開を複数作り、カメラ(関節鏡)と器具を挿入してガングリオンの茎を切除する術式です。 傷口が小さく済むため、体への負担が軽く、比較的回復が早いのが特徴です。 関節鏡手術の主な特徴 傷口が小さく済み、傷跡が目立ちづらい 体への負担が少なく、術後の痛みが少ない 機能回復が早い 傷跡が目立ちにくいため、見た目を気にする方や早期の社会復帰を望む方に検討されています。 ガングリオンは手術すべき?検討されるケース ガングリオンは良性の腫瘍のため、無症状であれば手術しなくても問題ないですが、以下のような症状がある際は手術を検討しましょう。 手術が検討される主な状況 ガングリオンが急激に増大した 手指の感覚が鈍い、力が入らない 強い痛みやしびれがある 何度も再発を繰り返す 関節の動きが制限される 見た目が気になりストレスを感じる 上記に当てはまる症状がある場合、専門医による手術を検討した方がいい可能性があります。 「ガングリオンが急激に増大した」「手指の麻痺」などの症状が見られた場合は、緊急性が高いため、早めに医療機関に相談しましょう。 以下の記事ではガングリオンが痛い時の対処法について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 ガングリオンの手術におけるリスク ガングリオンの手術を受ける前に、合併症などのリスクを知る必要があります。 切除しても再発する可能性がある 血管や神経の損傷リスクがある 傷口からの感染症リスクがある 事前にリスクを把握することで、納得した状態で治療に臨めます。 医師と十分に話し合い、不安を解消しておきましょう。 切除しても再発する可能性がある 手術でガングリオンを摘出しても、再発する可能性はゼロではありません。 切開摘出術で茎を完全に除去できた場合でも約5〜10%、関節鏡手術の場合は約10〜20%は再発する可能性があります。 ガングリオンの手術を受ける場合は、再発する可能性を十分に理解したうえで治療方針を決定しましょう。 再手術が必要になる場合もあるため、経過観察を怠らないようにすることも重要です。 血管や神経の損傷リスクがある ガングリオンの手術過程で血管や神経を傷つけてしまうリスクも考慮しなければなりません。 神経の通り道にガングリオンができているケースでは、周囲の組織と癒着していると摘出時に影響を及ぼす恐れがあるためです。 損傷のリスク 具体的な症状 神経損傷 しびれ、感覚の麻痺、持続的な痛み 血管損傷 出血、血流障害、患部の腫れ 医師は超音波などで位置を確認して慎重に手術を行いますが、リスクを完全になくすのは困難です。 術後に指先の感覚が鈍くなるなどの異常を感じたら、すぐに担当医に伝えましょう。 傷口からの感染症リスクがある ガングリオンの手術では、いずれの術式も皮膚を切開するため、細菌の侵入による感染症リスクが伴います。 発生率は約1〜3%といわれており、確率は高くありませんが、術後に傷口が赤く腫れたり膿が出たりする場合がある点を理解しておきましょう。 ガングリオンは関節とつながっているケースが多く、ごく稀に細菌が関節まで及び「関節炎」を引き起こす恐れもあります。 異常な熱感や痛みがあるときは、早急に医療機関に相談しましょう。 ガングリオンの手術費用|保険適用される? ガングリオンの手術費用に保険が適用されるかどうかは、症状(痛みやしびれ)の有無によって決まります。 見た目をキレイにしたいなどの美容目的では、保険適用外で自費となるケースもあるため、注意が必要です。 手術費用の目安 費用が変わる要因 治療を受ける前に、必要な費用の内訳を確認しましょう。 手術費用の目安 ガングリオンの手術費用の目安は、自己負担3割の場合で15,000〜30,000円程度です。 痛みやしびれがあり医学的に処置が必要な際は、健康保険が適用されます。 項目 費用の目安(3割負担) 手術料単体 9,000〜13,000円 検査・薬剤・初診料込み 15,000〜30,000円 数日の入院を伴う場合 5〜10万円 手術代の他に、MRIや超音波などの検査費用や病理検査で組織の状態を調べる費用がかかります。 腫瘍が大きいケースや神経の近くにあるケースでは、入院が必要となる場合もあり、入院基本料や食費も含まれるため総額が上がります。 医療機関によって設定に幅がある点に注意しましょう。 費用が変わる要因 手術費用の総額が変動する理由は、病院・施設による違い以外にもガングリオンの状態や治療の目的にあります。 発生した部位が複雑な場合や、美容目的の処置では負担額が大きく異なるためです。 費用の変動要因 保険適用の有無(症状がある場合のみ適用される) ガングリオンの大きさ 術式や麻酔の方法 入院の有無 痛みなどの症状がなく、外見上の改善のみ(美容目的)を希望する際は、保険適用されず10割負担となる可能性があります。 また、術式によって全身麻酔が必要な場合、局所麻酔よりも費用は高くなります。 ガングリオンの手術に関するよくある質問 最後に、ガングリオンの手術についてよくある質問に回答していきます。 ガングリオンの手術で入院する日数は? ガングリオンの手術の安静期間は? 事前に、手術後の生活をイメージしておきましょう。 ガングリオンの手術で入院する日数は? ガングリオンの手術で入院する場合、1〜2日程度で済むのが一般的です。 しかし、多くの場合で日帰り実施が可能で、局所麻酔を用いるため体への負担が少なく、処置自体も30分から1時間程度で完了します。 入院が必要となるケース 関節の奥深くにある場合 サイズが大きく複雑な場合 全身麻酔を使用する場合 足首など神経が密集する部位の手術では、術後の安全を考慮して入院を検討されます。 ご自身の状況で入院が必要かどうかは、医師に確認しましょう。 ガングリオンの手術の安静期間は? ガングリオンの手術後は、患部をスプリントなどで固定し、炎症の発生を抑えながら組織の修復を促すため、1〜2週間程度の安静期間を設けるのが一般的です。 職業や生活スタイルに応じた復帰時期の目安は、以下のとおりです。 職業・動作の種別 復帰や再開の目安 デスクワークなどの軽作業 術後数日から1週間程度 手を頻繁に使う力仕事 術後2〜3週間以上 強い負荷がかかるスポーツ 術後1〜2カ月程度 仕事への復帰時期は、術後の経過を見ながら医師と相談しましょう。 デスクワークなどは早期復帰が望めますが、キーボード操作などの継続的な負荷には注意が必要です。 組織が強固につながるまでは1〜2カ月ほどかかるため、重いものをもつ動作は控えてください。 ガングリオンの手術は再発や合併症リスクを理解しておこう ガングリオンの手術は、痛みや再発を繰り返す場合に有効な手段です。 切開摘出術や関節鏡手術といった選択肢があり、多くは日帰りで治療を受けられますが、術後1〜2週間の安静期間が必要となります。 また、手術でガングリオンを除去できた場合でも、再発の恐れや神経損傷のリスクはゼロではありません。 ガングリオンの状態や発生部位によって、適した治療方針は異なるため、医師と十分に相談して治療法を選びましょう。
2025.12.26 -
- その他
ステロイド注射とは、炎症を抑える作用を持つステロイド薬を痛みのある部位に直接注射する治療法です。 変形性膝関節症や五十肩など、さまざまな関節の痛みに対して用いられています。 しかし、「ステロイド注射って本当に効果があるの?」「副作用が怖い」と感じている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、ステロイド注射の効果や副作用、注意点をわかりやすく解説します。 関節の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで治療法を選ぶ参考にしてください。 痛み止めに有効?ステロイド注射に期待できる効果 ステロイド注射は、痛み止めとして高い効果が期待できる治療法です。 関節や筋肉の痛みを和らげるために整形外科で広く使われており、主に以下のような効果が期待できます。 抗炎症作用 鎮痛効果 それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。 抗炎症作用 ステロイド注射には、炎症を抑える作用があります。 関節の痛みは、多くの場合、関節内で起きている炎症が原因です。 炎症が起きると、痛みを引き起こす物質が作られ、腫れや熱感、痛みが生じます。 ステロイド薬は、炎症を引き起こす物質の産生を抑えることで、腫れや赤みを改善し、痛みの原因そのものに働きかけます。 関節内に直接注射することで、患部にダイレクトに効果を届けられるのも特徴です。 鎮痛効果 ステロイド注射は、即効性のある鎮痛効果が期待できます。 以下は、ステロイド注射で痛みを和らげることによるメリットです。 日常生活の不自由さを軽減できる リハビリや運動療法を行いやすくなる 痛みによる体のこわばりが改善する ステロイド注射は、効果的なリハビリを進めるためにも重要な役割を果たしています。 痛み止めでステロイド注射が適応される疾患・症状 ステロイド注射は、炎症による痛みや腫れが起きている場合に有効です。 整形外科でステロイド注射が使われる主な疾患は、以下のとおりです。 疾患名 症状の特徴 変形性膝関節症 膝の軟骨がすり減り、痛みや腫れが生じる 肩関節周囲炎(五十肩) 肩の痛みと動きの制限が起こる 石灰性腱板炎 肩の腱に石灰が沈着し、強い痛みが出る 腱鞘炎(ばね指など) 指の付け根に痛みや引っかかりが生じる 関節リウマチ 関節の腫れと痛みが複数の部位に出る 痛風発作 足の親指などに激しい痛みと腫れが起こる テニス肘・ゴルフ肘 肘の外側や内側に痛みが生じる とくに、ヒアルロン酸注射では効果が不十分な場合や、関節に水がたまるほど炎症が強い場合にステロイド注射が選択されます。 ただし、ステロイド注射が適切かどうかは、症状や状態によって異なるため、医師の診察を受けて判断してもらうことが大切です。 また、ステロイド注射で痛みが緩和されても疾患が治ったわけではないため、根本的な治療も検討しましょう。 痛み止めでステロイド注射を打つときの注意点・副作用 ステロイド注射は高い効果が期待できる一方で、副作用や注意すべき点もあります。 主な注意点・副作用として、以下の3つがあります。 関節や骨が脆くなるリスク 免疫抑制作用が働く 原因疾患の根本的な治療にはならない これらの注意点を正しく理解して、医師と相談しながら治療を進めましょう。 関節や骨が脆くなるリスク ステロイド注射を繰り返すと、関節の軟骨や骨が弱くなる可能性があります。 何度も同じ部位に注射を続けると、以下のようなリスクがあるため注意が必要です。 関節の軟骨が傷つきやすくなる 骨が脆くなる(骨粗しょう症) 腱や靭帯が弱くなる そのため、同じ関節へのステロイド注射は、一般的に3〜4カ月以上の間隔を空けて行います。 年間の注射回数は2回程度が目安とされているため、一定の間隔を守り、年2回までであれば軟骨や骨への影響は限定的です。 必要以上に心配せず、医師の指示に従って治療を受けましょう。 免疫抑制作用が働く ステロイドには免疫を抑える作用があり、以下の影響を与える可能性があります。 感染症にかかりやすくなる 血糖値が上がりやすくなる(糖尿病の方はとくに注意) まれに顔のほてりや軽いめまいが生じることがある 免疫抑制作用は炎症を抑えるために必要な働きですが、体の防御力が一時的に低下するというデメリットもあります。 糖尿病がある方や感染症にかかりやすい方は、事前に医師に伝えてください。 状態によっては、ステロイドを使わない別の治療法が選択されることもあります。 原因疾患の根本的な治療にはならない ステロイド注射は痛みを和らげる対症療法(症状を抑える治療)であり、病気そのものを治すわけではありません。 あくまで炎症を抑えて痛みを軽減する治療法です。 そのため、ステロイド注射だけに頼らず、以下のような取り組みを並行して行うことが重要です。 運動療法やリハビリで筋力を強化する 体重管理で関節への負担を減らす 日常生活での動作や姿勢を改善する 痛みが和らいでいる期間を活用して、リハビリなどに取り組むことで、症状の進行を遅らせることが期待できます。 関節痛に対するステロイド注射以外の治療法 関節痛の治療には、ステロイド注射以外にも一般的な治療法として、以下のようなものがあります。 治療法 特徴 ヒアルロン酸注射 関節の潤滑を助け、軟骨を保護する。副作用が少ない 内服薬 痛み止めや消炎剤を服用して症状を和らげる 運動療法 筋力強化やストレッチで関節の安定性を高める 手術療法 症状が進行した場合に人工関節置換術などを行う これらの治療法に加えて、近年は「再生医療」という新しい選択肢もあります。 再生医療とは、自分自身の細胞を使って、損傷した組織を修復する医療技術のことです。 手術を行わないため体への負担が少なく、入院する必要もありません。 薬物療法で効果が感じられなくなってきた方や、手術をできるだけ避けたい方にとって、検討すべき治療の選択肢のひとつです。 自分の症状や生活スタイルに合った治療法を、医師と相談しながら選びましょう。 痛み止めのステロイド注射に関するよくある質問 痛み止めのステロイド注射についてよくある質問を紹介します。 ステロイド注射の副作用は? ステロイド注射とブロック注射の違いは? 治療を受ける前に気になる点を確認しておきましょう。 ステロイド注射の副作用は? ステロイド注射の主な副作用は、以下のとおりです。 注射直後の一時的な痛みや腫れ 血糖値の上昇(糖尿病の方は注意が必要) 繰り返し注射した場合の軟骨・骨への影響 免疫力の低下による感染リスク 多くの副作用は一時的なもので、医師の管理のもと適切な間隔で使用すれば、過度に心配する必要はありません。 ステロイド注射とブロック注射の違いは? ステロイド注射とブロック注射は、目的や注射する場所が異なります。 項目 関節注射(ステロイド注射) 神経ブロック注射 主な目的 炎症を抑えて痛みを和らげる 神経からの痛みの信号を遮断する 注射部位 関節内や炎症のある部位 神経やその周囲 使用薬剤 ステロイド薬 局所麻酔薬(ステロイドを併用することもある) 適応症状 関節炎、腱鞘炎など 椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など どちらの注射が適しているかは、痛みの原因や症状によって異なるため、医師の診察を受けて治療法を選択しましょう。 ステロイド注射は痛み止めに有効!複数回投与に注意しよう ステロイド注射は、関節の痛みや炎症を和らげる効果的な治療法です。 抗炎症作用と鎮痛効果により、つらい痛みを軽減する効果が期待できます。 ただし、繰り返し注射することで軟骨や骨に悪影響を及ぼすリスクがあるため、適切な間隔を空けて治療を受けることが大切です。 また、ステロイド注射はあくまで対症療法であり、根本的な治療ではありません。 関節痛の治療には、ステロイド注射以外にも再生医療という新しい治療法もあります。 以下のページでは、当院の再生医療によって変形性膝関節症による痛みが改善した症例を紹介しているので、併せて参考にしてください。 >再生医療によって両膝の痛みが改善した症例(60代女性) 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の治療法や適応症例について無料カウンセリングを実施しているため、お気軽にご相談ください。
2025.12.26 -
- 再生治療
- その他
普段の生活で、「理由もなく、イライラしてしまう」「朝すっきりと起きられない」と不調を感じてはいないでしょうか。 こうした状態が続いている場合、脳の神経伝達物質であるセロトニンが不足している状態、いわゆる「セロトニン欠乏脳」になっている可能性があります。 一方で、「ただの疲れだろう」「性格の問題かもしれない」と見過ごしてしまう方も少なくありません。 本記事では、現在の状態がわかるチェックリストやセロトニン不足する原因、日常でできる対策法を解説します。 ご自身の体の状態を知り、適切な対処法を見つけるための参考にしてください。 セロトニン欠乏脳のセルフチェックリスト セロトニン欠乏脳になっているか判断するために、まずは以下のチェックリストで確認してみましょう。 セロトニン不足のサイン(チェック項目) 起床時の疲労感や目覚めの悪さがある 寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めたりすることがある 甘いものや炭水化物を無性に食べたい欲求がある 些細なことでイライラしたり、怒りっぽさがある 日中に集中力が低下し、ボーッとする状態がある 外出するのが億劫で、引きこもりがちな傾向がある 姿勢が悪化しており、猫背気味である 表情が乏しく、疲れた印象がある 以前より痛みへの過敏性が高まっている 悪天候の時に体調不良になることがある チェックがついた項目が多いほど、セロトニンが不足している可能性があります。 不調が長く続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、自己判断せずに医療機関へ相談しましょう。 セロトニン欠乏脳の特徴とは|様々な不調が現れる脳の状態 セロトニン欠乏脳とは、脳内の神経伝達物質「セロトニン」が不足し、心身のコントロールが不安定になっている状態です。 セロトニンは、脳内で発生する感情や衝動に関わる神経伝達物質をコントロールし、精神を安定させる役割を担っているといわれています。 具体的には、以下のように他の神経伝達物質のバランスを調整しています。 神経伝達物質 主な働き セロトニン不足時の影響 ドーパミン 喜び・快楽・意欲など 欲求の暴走や依存状態を招く可能性がある ノルアドレナリン 恐怖・驚き・興奮など 攻撃性の高まりや不安、パニック症のリスク 上記のようにセロトニンが不足すると感情のブレーキが効かなくなり、精神的な不安定さを招く可能性があるため注意が必要です。 主な症状 セロトニンが不足すると、精神面だけでなく身体面にも以下のような影響が現れる可能性があります。 分類 症状の内容 精神面の不調 ・イライラや感情制御の困難 ・漠然とした不安感の継続、意欲の低下 身体面の不調 ・起床時の疲労感 ・抗重力筋の低下による姿勢悪化 ・痛みへの過敏性 その他の不調 ・自律神経バランスの乱れ ・不眠や中途覚醒などの睡眠障害 参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」 上記の症状はセロトニンの持つ脳の覚醒作用や痛みの抑制作用、姿勢を維持する筋肉(抗重力筋)への作用が弱まることで生じます。 セロトニンが不足する主な原因 脳内のセロトニンが不足する主な原因として、現代人特有の生活習慣が影響していると考えられています。 要因として挙げられるのが、以下の2つです。 リズム運動の不足(PC・スマホ操作による運動減) 太陽光不足(室内生活や昼夜逆転) パソコンやスマートフォンを長時間操作する生活では、体を一定のリズムで動かす機会が減少する傾向にあります。 室内で過ごす時間が長く、太陽の光を十分に浴びない生活や昼夜逆転の生活は、セロトニン神経の働きを弱める要因となるため注意しましょう。 セロトニン欠乏脳を改善するポイント セロトニン欠乏脳を改善するポイントは、以下のとおりです。 乳製品・大豆製品などトリプトファンを含む食品を摂る ウォーキングなどリズム性の運動を行う 日光を浴びる習慣を持つ セロトニン不足を解消し、心身の健康を保つためには、生活習慣の見直しが有効であるといわれています。 それぞれの具体的な方法について、詳しく解説します。 乳製品・大豆製品などトリプトファンを含む食品を摂る セロトニンは体内で生成できないため、材料となるトリプトファンという必須アミノ酸を食事から摂取する必要があります。 食品の分類 おすすめの食材 乳製品 牛乳、チーズ、ヨーグルト 大豆製品 納豆、豆腐、豆乳、みそ その他 バナナ、卵、ゴマ、アーモンド、カツオ、マグロ 朝食にバナナと牛乳を取り入れたり、納豆や卵をメニューに加えたりすることで、効率よくトリプトファンを摂取できます。 トリプトファンが脳に取り込まれるのを助ける炭水化物や、合成を助けるビタミンB6を合わせて摂ることも推奨されています。 ウォーキングなどリズム性の運動を行う セロトニン神経を活性化させるには、リズム性運動が効果的です。 リズム性運動とは一定のリズムで同じ動作を繰り返す運動のことで、以下のような種類があります。 運動の種類 具体的な動作 ウォーキング 一定のリズムでの歩行 咀嚼(そしゃく) 食事の際の咀嚼回数増加 呼吸法 意識的にリズムを整えた呼吸 特別なスポーツをする必要はなく、 開始から5分程度でセロトニン濃度が高まり始め、20分〜30分でピークに達します。 疲労が蓄積すると逆効果になることもあるため、1日15分〜30分程度を目安に無理のない範囲で行うことが望ましいでしょう。 日光を浴びる習慣を持つ 太陽の光を浴びることも、セロトニン神経を活性化させるために有効です。 セロトニンの分泌を促すには、2,500ルクス以上の照度が必要だとの説があります。 しかし、一般的な室内の照明(電灯)は500ルクス程度しかないため、セロトニンを活性化させるには不十分です。 一方で、太陽の光は曇りの日でも屋外であれば十分な照度があるとされています。 太陽の光を浴びる上で推奨される習慣としては、以下のものがあります。 起床時のカーテン開放と日光浴 昼休みの屋外散歩 窓際での滞在時間の確保 上記のような習慣を心がけ、昼夜逆転の生活を改めて朝に光を浴びて体内時計をリセットすることが、セロトニン神経の回復につながります。 セロトニン欠乏脳かもと感じたら生活習慣の見直しが第一歩 セロトニン不足による不調は、生活習慣を整えることで改善が期待できます。 ただし生活習慣を見直しても症状が改善しなかったり、気分の落ち込みが激しかったりする場合は、うつ病やパニック障害などの疾患が隠れている可能性もあります。 その場合は無理をせず、心療内科や精神科などの専門機関へ相談することをおすすめします。 当院(リペアセルクリニック)では、再生医療という新しいアプローチで治療を提供しています。 長引く体の痛みや不調にお悩みの方は一度ご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ セロトニン不足に関するよくある質問 セロトニン不足に関するよくある質問と回答は、以下のとおりです。 セロトニンを増やすマッサージはある? セロトニンが不足すると顔つきは変わる? セロトニンを増やすマッサージはある? 目・顔・背中などをリズミカルに刺激するマッサージが、セロトニン神経の働きを高めるという研究結果があります。 指先や手のひら全体を使い、トントンと一定のリズムで軽く刺激するように行うとよいでしょう。 セロトニンが不足すると顔つきは変わる? セロトニンには、重力に逆らって姿勢や表情を保つ「抗重力筋」を支える働きがあります。 そのためセロトニンが不足すると顔の筋肉の張りが弱くなり、表情が乏しくなったり、まぶたが重くどんよりとした印象に見えたりする可能性があります。
2025.12.26 -
- 再生治療
- その他
運動中や普段の生活で足の小指側に違和感があり、「この程度の痛みなら大丈夫かな」「骨折ではないか」と気になった経験はありませんか。 その痛みは、ジョーンズ骨折の初期段階(なりかけ)である可能性があります。 ジョーンズ骨折とは足の小指側にある第5中足骨の付け根付近に起こる骨折で、初期症状が軽いため見逃されやすく、放置すると治療が長期化しやすいのが特徴です。 しかし、「具体的にどのような症状が出るのか」「どんな治療法があり、どれくらいで治るのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 本記事では、ジョーンズ骨折の初期症状や原因、早期復帰に向けた適切な対処法について解説します。 ぜひ参考にして、自分の足の状態を正しく把握し、症状が悪化する前の対策に役立ててください。 ジョーンズ骨折とは|第5中足骨に起こる疲労骨折 ジョーンズ骨折とは、足の小指の骨である「第5中足骨(だいごちゅうそくこつ)」に発生する疲労骨折の一種です。 第5中足骨の中でも、足首側の端(根元)から1.5〜2cmの部分に骨折が起こるケースを指します。 ジョーンズ骨折の主な特徴は、以下のとおりです。 項目 特徴 発生メカニズム 繰り返しの負荷により骨が脆くなる「疲労骨折」 治りにくさ 血管の分かれ目にあたり血流が乏しいため、骨がくっつきにくい 好発する人 サッカーやバスケなどのスポーツ選手、立ち仕事をする成人 ジョーンズ骨折が起こる場所は血管の構造上、血液の供給が乏しい血管の分かれ目(分水嶺)にあたるため、一度骨折すると非常に治りにくいのが特徴です。 骨がつくための栄養が届きにくいため、治療が遅れると「偽関節(ぎかんせつ)」と呼ばれる、骨が完全につかない状態になりやすいです。 主にサッカーやバスケットボールなどの激しいスポーツをする選手に見られますが、ヒールを履く人や立ち仕事をする人など、スポーツをしていない成人でも発症する可能性があります。 偽関節(ぎかんせつ)とは 骨折した骨が自然にくっつかず、折れた部分が関節のようにグラグラと動いてしまう状態のこと ジョーンズ骨折になりかけの症状とは? ジョーンズ骨折のなりかけ(初期段階)の症状は、痛みや腫れなど一般的な骨折に見られるような自覚症状が出にくいのが特徴です。 初期段階での症状の特徴は、以下のとおりです。 タイミング・状態 症状の特徴 動き始め 足の外側に違和感や軽い痛みがある 運動中 体が温まると痛みが消える 練習後や翌朝 軽い重だるさを感じる 日常生活やスポーツ中に強い痛みを感じない場合があるため、ただの筋肉痛や準備運動不足と勘違いしやすいです。 痛みがあっても軽度なケースが多いため、そのまま競技を続けてしまう危険があります。 進行するとどこが痛む?第5中足骨の外側の出っ張りが痛いのは要注意 足の外側が痛む場合、特に第5中足骨の外側の出っ張りが痛い場合は注意が必要です。 症状が進行すると、練習中も痛みが消えなくなり、足の外側に強い痛みを感じ始めます。 痛みの場所や進行度による症状の違いは、以下のとおりです。 進行度 症状の特徴 痛む場所 足の小指の付け根にある出っ張りから、指1本分つま先側 初期(なりかけ) 動き始めに痛み、温まると消える(見逃しやすい) 進行期 プレー中も鋭い痛みが続き、指で押すと激痛が走る 重症化 歩行が困難になり、安静にしていても痛む さらに症状が悪化して完全に骨折に至ると、激しい痛みで体重をかけられなくなり、歩行困難につながる可能性があります。 特に注意して確認してほしいのが、以下の画像で示されている「b」の領域(ジョーンズ骨折)の痛みです。 画像引用元:一般社団法人日本整形外傷学会「第5中足骨骨折・いわゆる下駄履き骨折と疲労骨折」 セルフチェックの際は、足の小指の付け根にある「骨の出っ張り(aの付近)」から、指1本分ほど「つま先側(bの付近)」を押してみてください。 「b」の領域を指で押してピンポイントで鋭い痛みを感じる場合は、ジョーンズ骨折の疑いが強いため、運動を中止して専門医を受診しましょう。 ジョーンズ骨折の原因|繰り返し過度な負荷がかかること ジョーンズ骨折の主な原因は、以下のような足の外側に繰り返しかかる過度なストレス(負荷)の蓄積です。 要因 具体的な内容 練習環境 急激な練習量の増加(合宿やシーズンインなど) グラウンド 人工芝のような固いグラウンドでのプレー 道具 足の外側に負担がかかりやすい不適切なシューズ 身体的特徴 O脚(ガニ股)などの不良な姿勢 サッカーやバスケットボールのような激しい動きを伴うスポーツでは、ステップや切り返しといった横への動きが多く、足の外側に強い負荷がかかり続けるため注意が必要です。 以下のようなスポーツでも、足の外側に反復したストレスがかかりやすい傾向があります。 長距離走・マラソン ラグビー アメリカンフットボール バレエ スポーツをしていない場合は、立ち仕事やしゃがみ込み動作の繰り返しなど、慢性的に骨に負荷がかかる生活が原因となることがあります。 ジョーンズ骨折になりやすいかチェックリストで確認 ジョーンズ骨折になりやすい環境かどうか、以下のリストで自分の状態を確認してみましょう。 動き始めは足が痛むが、動いていると楽になる 練習後や翌朝に、足の外側がジンジンする 足の甲が高い(ハイアーチ)、またはO脚気味である シューズの靴底の外側ばかりがすり減る ここ3ヶ月以内に練習量が急に増えた 過去に足首の捻挫を繰り返している 上記に当てはまる数が多いほど、ジョーンズ骨折の「なりかけ」である可能性が高いと考えられます。 動き始めだけ痛い症状は、見逃しやすい危険なサインであるため注意が必要です。 ジョーンズ骨折の治療法と治るまでの日数 ジョーンズ骨折の治療には、主に以下の「保存療法」と「手術療法」の2種類があります。 項目 詳細 保存療法 【治療内容】ギプスなどで固定し、体重をかけずに安静にする 【治療期間の目安】骨がくっつくまで3〜4ヶ月 【特徴】なりかけ(不全骨折)の軽症例では、負荷軽減などで自然治癒する可能性がある ※参照:一般社団法人日本整形外傷学会 手術療法 【治療内容】スクリュー(ネジ)で骨を固定する 【治療期間の目安】競技復帰まで2〜3ヶ月 【特徴】完全に折れているケースなど、難治性の場合に推奨される傾向にある 保存療法は、骨癒合(こつゆごう)を最優先し、松葉杖を使って骨折部に体重をかけないようにする治療法で、骨癒合にかかる期間は、少なくとも3〜4ヶ月が目安となります。 手術療法は、早期復帰を希望するアスリートや保存療法で治りにくい症例に選択されることが多い治療法です。 一般的には、第5中足骨にスクリューを埋め込む「髄内固定術(ずいないこていじゅつ)」が行われます。 手術後は骨の安定性が高まるため、競技復帰までの目安は2〜3ヶ月と保存療法に比べて短縮できるケースが多い点が特徴です。 ジョーンズ骨折はなりかけだと見逃しやすい!痛みを放置せず早期受診を ジョーンズ骨折は初期(なりかけ)の段階では自覚症状が軽く、見逃されやすい骨折です。 もし、なりかけの段階で発見できれば、手術をせずに保存療法で済む可能性があります。 一方で無理をして完全骨折に至ると、手術によって長期離脱が必要になることがあります。 しかし、「仕事や競技の関係で長期間の安静が難しい」「手術を避けて、早期復帰を目指したい」という方は、再生医療も選択肢の一つです。 当院(リペアセルクリニック)では、スポーツによる怪我や障害に対して、再生医療という新しいアプローチを提供しています。 再生医療とは、人が本来持つ再生能力を活用し、損傷した組織や機能の回復を目指す治療法です。 治療法などについては、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.12.26 -
- 手
- 再生治療
- その他
手首の小指側にある骨が、他の人より出っ張って見えると「これって異常なのかな」と気になってしまいます。 特に写真に写ったときや、腕立て伏せ・デスクワークで手首が痛むときは、つい悪い病気を疑ってしまう方も多いでしょう。 一方で、見た目だけで判断すると「体質なのに不安になっていた」というケースも少なくありません。 そこでこの記事では、尺骨茎状突起が出てる人に多い理由と、痛みがあるときに疑う病気、受診の目安までを整理します。 「病院に行くべきか迷う」を解消できるように、日常の困りごとに寄り添いながら解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 結論|痛みがなければ体質のことも多いが、痛みがあるなら受診を検討 尺骨茎状突起が出てる人でも、痛みがなければ体型や骨格の影響で「そう見えるだけ」というケースは多くあります。 出っ張りが昔からで、痛みや不自由がない 左右差はあるが、日常生活に支障がない 一方で、動かすと痛い・腫れる・しびれるなら受診を考える 見た目の出っ張りだけで「病気」と決めつける必要はありません。 ただし、痛みや引っかかりがある場合は、手首の関節や軟骨(じん帯を含む)が傷んでいる可能性があります。 手首は日常で酷使しやすく、放置すると「かばい癖」がついて長引くこともあります。 まずは“出てるだけ”なのか“痛みを伴う異常”なのかを切り分けることが大切です。 迷うときは、受診の目安をチェックして早めに相談するほうが安心につながります。 尺骨茎状突起とは?手首の小指側にある“出っ張り”の正体 尺骨茎状突起は、手首の小指側に触れる“骨の出っ張り”で、異常ではなく体の構造として誰にでもあるものです。 小指側の手首で触れる硬い突起が「尺骨茎状突起」 手首の安定や、じん帯・軟骨組織の付着部として重要 痛みが出るときは周辺組織(TFCCなど)のトラブルが関わることがある 「出っ張っている=骨が変形している」と思われがちですが、そもそもそこは骨が出る場所です。 ただ、周囲の軟骨やじん帯に負担がかかると、その付近に痛みが出て「出っ張りが原因では?」と感じやすくなります。 特に、重い物を持つ、手をついて体重をかける、マウス操作が長いなどは小指側に負担が集まりやすい動作です。 見た目の確認に加え、「押すと痛いか」「動かすと痛いか」をセットで見ていくと判断がしやすくなります。 尺骨茎状突起が出て見える主な理由 尺骨茎状突起が出て見える理由は、病気というより「体のつくり」や「過去のケガ」の影響で説明できることが多いです。 体型・筋肉や脂肪のつき方による見え方 尺骨の相対的な長さによる影響 骨折後や偽関節など外傷の後遺症で目立つケース 「急に出てきた気がする」と感じる場合でも、実際は体重変化や筋肉量の変化で目立つようになることがあります。 一方で、ケガのあとから形が変わった、触ると強く痛いといった場合は別の見立てが必要です。 ここでは、よくある3パターンに分けて整理します。 体型・筋肉や脂肪のつき方による見え方 尺骨茎状突起が出てる人の中には、体型や脂肪のつき方の影響で「骨が目立ちやすいだけ」という方が少なくありません。 やせ型で皮下脂肪が薄いと骨が浮き出やすい 前腕の筋肉量が少ないと輪郭がはっきり出る 体重減少や筋力低下で急に目立つことがある たとえば最近ダイエットをした、忙しくて筋トレや運動が減ったという方は、同じ骨でも見え方が変わります。 このタイプは見た目の変化が中心で、押しても強い痛みがないことが多いです。 ただし、骨が当たりやすくなる分、手をつく動作で刺激が増え「違和感」程度の痛みが出ることはあります。 その場合は、クッション性のあるサポーターや手首の使い方の工夫で落ち着くこともあります。 尺骨の相対的な長さによる影響 尺骨の相対的な長さが影響して、尺骨茎状突起が出て見えたり、小指側の手首に負担が集まりやすくなったりする場合があります。 尺骨が相対的に長いと小指側へ荷重がかかりやすい 手首の小指側が痛みやすく、動作で悪化しやすい 「尺骨突き上げ症候群」などにつながることがある 骨格のバランスは人それぞれで、同じ動作でも負担がかかる場所が変わります。 尺骨側に荷重が集まりやすい方は、パソコン作業やスポーツ(ラケット、ゴルフなど)で小指側がつらくなりがちです。 「出っ張りが目立つ」こと自体が問題というより、出っ張り周辺の組織にストレスがかかって痛みが出やすい点がポイントです。 このタイプは、痛みがあるかどうかで“体質”か“治療が必要”かの判断が分かれます。 骨折後や偽関節など外傷の後遺症で目立つケース 骨折後や偽関節(ぎかんせつ:骨がうまくくっつかない状態)の影響で、尺骨茎状突起が出て見えたり、押すと痛んだりすることがあります。 転倒やスポーツで手首を痛めたあとから形が変わった 出っ張りを押すとピンポイントで痛い 動かすと引っかかりや不安定感がある 「昔のケガは治ったはず」と思っていても、実は骨が完全には癒合していなかったり、周囲の軟骨やじん帯が一緒に傷んでいたりすることも。 このタイプは、見た目よりも“痛みや不安定さ”が主役になりやすく、使うほど悪化するのがつらいところです。 仕事で手を使う方や、育児で抱っこが多い方は、知らないうちに負担が積み重なって症状が出やすくなります。 「出っ張り+痛み+過去の外傷」がそろう場合は、早めの受診が安心につながります。 痛みがある場合に疑う代表疾患 尺骨茎状突起が出てる人で痛みがある場合は、骨そのものよりも「手首の小指側の組織トラブル」を疑うことが多いです。 TFCC損傷 尺骨突き上げ症候群 尺骨茎状突起骨折・偽関節 「小指側がズキッとする」「ひねると痛い」「手をつくと響く」といった症状は、TFCCなどの軟骨・じん帯が関係していることがあります。 ここでは、受診時によく話題に上がる代表疾患を3つ紹介します。 TFCC損傷 TFCC損傷は、手首の小指側の痛みで最も代表的な原因の一つで、「出っ張りが悪いのでは」と感じるきっかけにもなりやすい病態です。 ドアノブを回す・ペットボトルを開けると痛い 手をついたときに小指側がズキッとする クリック音(コリッとする感じ)や不安定感がある TFCCは“手首のクッション”のような役割があるため、ひねり動作や体重をかける動作で傷みやすいのが特徴です。 軽い損傷なら安静や固定で落ち着くこともありますが、我慢して使い続けると慢性化することがあります。 「腫れていないのにずっと痛い」「良くなったと思っても再発する」という場合は、TFCCが関わっているかもしれません。 仕事やスポーツで手首を休めにくい方ほど、早めに状態を確認しておくと安心です。 尺骨突き上げ症候群 尺骨突き上げ症候群は、尺骨側に負担が集まりやすい手首で起こりやすく、「出っ張り+小指側の痛み」がセットになりやすい代表疾患です。 小指側で物を持つと痛む、荷重で悪化しやすい スポーツや反復作業でじわじわ痛みが強くなる TFCC損傷と併発することがある 骨格のバランスによって尺骨側の荷重が増えると、軟骨やTFCCにストレスがかかりやすくなります。 そのため、出っ張りが目立つ人ほど「小指側が痛い」「手をつけない」という悩みを抱えやすい傾向があります。 痛みは急に強くなるというより、使うほど積み重なって増えていくことが多いのが特徴です。 放置すると日常動作までつらくなるため、早めに負担の原因を確認することが大切です。 尺骨茎状突起骨折・偽関節 尺骨茎状突起骨折や偽関節は、転倒などの外傷をきっかけに「出っ張りが目立つ」「押すと痛い」「不安定」といった症状につながることがあります。 ケガのあとから出っ張りの形が変わった ピンポイントで押すと痛い、腫れが引かない 手首をひねると不安定で怖い感じがする 尺骨茎状突起の骨折は、橈骨(親指側の骨)の骨折に伴って起こることもあり、見逃されるケースがあります。 また、骨がくっつききらない偽関節では、動くたびに刺激が入り痛みが長引きやすくなります。 「昔のケガだから大丈夫」と思っていても、負担の増加で症状が再燃することがある点が厄介です。 外傷歴がある人ほど、画像検査で状態を確認しておく価値があります。 病院に行くべき症状(セルフ判断の目安) 尺骨茎状突起が出てる人で受診を考えるべき目安は、「痛みの有無」だけでなく“続き方”と“日常への影響”にあります。 小指側の手首の痛みが2週間以上続く、または悪化している 手をつく・ひねる・持つ動作で毎回痛む 腫れ、熱感、押したときの鋭い痛みがある クリック音や引っかかり、不安定感がある ケガのあとから出っ張りや痛みが出た 手首の痛みは、我慢すると自然に治ることもありますが、治らないときは「同じ負担がずっとかかっている」サインでもあります。 特にTFCCのような組織は、使い方次第で良くも悪くもなるため、早めに負担を減らす設計が重要です。 「痛いけど動かせるから大丈夫」と放置してしまい、慢性化して長引く人も少なくありません。 痛みの原因がわかるだけでも、手首の使い方を変えるきっかけになります。 迷う場合は、整形外科(手の外科)で一度相談すると安心です。 病院で行う検査と一般的な治療 尺骨茎状突起周辺の痛みを診るときは、「骨の問題か」「軟骨・じん帯の問題か」を検査で切り分けていきます。 問診:痛む動作、外傷歴、仕事・スポーツの負荷を確認 身体所見:押した痛み、可動域、特定テストで評価 画像:レントゲン(骨)、必要に応じてMRI(TFCCなど) 骨折や偽関節が疑われる場合は、まずレントゲンで骨の状態を確認します。 一方でTFCC損傷など軟部組織の評価にはMRIが検討されることがあります。 治療は、初期は固定(サポーター)、負担動作の調整、痛み止め、リハビリなどの保存療法が中心です。 症状や原因によっては、注射や装具調整などを組み合わせて改善を狙います。 原因を特定し、生活に合わせて「治し方を設計する」ことが回復の近道です。 保存療法で改善しない場合におすすめな再生医療という選択肢 保存療法を続けても痛みが残る場合は、再生医療という選択肢を知っておくことで、手首の悩みに対する考え方が広がります。 固定やリハビリを頑張っても、痛みがぶり返す 仕事や家事で手首を休められず、慢性化している 「手術は避けたいが、このままもつらい」と感じている 手首の痛みは、生活で手を使うほど「治したいのに休めない」という矛盾にぶつかりやすい症状です。 その結果、いったん良くなっても、元の使い方に戻った途端に再発する方がいます。 こうしたケースでは、痛みの出方や組織の状態を改めて整理し、次の一手を検討することが大切です。 リペアセルクリニック大阪院では、慢性的な痛みに対して再生医療を含めた相談ができ、状態や希望に合わせて選択肢を比較しながら検討できます。 項目 内容 相談の進め方 痛みの出方・生活背景・検査情報をもとに、負担の原因を整理して方針を検討 提案の幅 保存療法の延長だけでなく、再生医療を含めた複数の選択肢を比較 重視する点 「仕事を続けたい」「手をつけるようになりたい」など、生活上のゴールに合わせて治療計画を立てる 再生医療は万能ではありませんが、選択肢として知っておくことで「我慢しかない」状態から抜け出しやすくなります。 痛みの原因と生活負荷を整理し、治療の優先順位を決めやすい 再生医療を含めて比較できるため、納得して選びやすい 長引く痛みに対して「次の手」を検討する土台になる 手首の痛みは、放置して頑張るほど日常の質が下がり、気持ちまで疲れてしまうことがあります。 だからこそ「痛みを抱えたまま生活を続ける」のではなく、相談先を持つことが大切です。 まとめ|“出てるだけ”か“痛みを伴う異常”かで判断する 尺骨茎状突起が出てる人は珍しくありませんが、判断の分かれ目は「見た目」ではなく「痛みと機能の変化」にあります。 痛みがなければ体質や見え方の問題であることも多い 痛み・引っかかり・不安定感があるなら疾患を疑う TFCC損傷や尺骨突き上げ症候群など、原因は複数ある 「出ている=病気」と決めつける必要はありません。 ただし、痛みが続く場合は“使い方の問題”だけではなく、組織の損傷が隠れていることもあります。 早めに検査を受けて原因を整理できると、日常で何を避けるべきかが明確になり、回復も進めやすくなります。 保存療法で改善しにくい場合は、リペアセルクリニック大阪院で再生医療を含めた選択肢を比較しながら相談することも一つの方法です。 「出てるだけか」「痛みを伴う異常か」を冷静に切り分け、納得できる形で次の一歩を選んでください。
2025.12.26 -
- 再生治療
- その他
夜中や明け方に、突然ふくらはぎが強くつり、痛みで目が覚めた経験はないでしょうか。 一度や二度であれば「水分不足かな」「冷えたのかも」と思って済ませてしまう方も多いでしょう。 しかし、こむら返りが頻繁に起こる場合、体の内側に不調が隠れている可能性があります。 中でも近年は、こむら返りの原因が肝臓にあるのではないかと不安を感じる方も増えています。 そこで本記事ではこむら返りの原因と対策を詳しく紹介していきます。 結論|こむら返りの多くは一過性だが頻発する場合は注意 結論から言うと、こむら返りの多くは一過性の筋肉トラブルであり、深刻な病気が隠れているケースは多くありません。 一方で、毎晩のように繰り返す、日中にも起こる、以前より頻度が増えている場合は注意が必要です。 頻発するこむら返りは、筋肉や神経、内臓機能の異常が関係している可能性があります。 そのサインを見逃さず、体の状態を見直すことが重要です。 こむら返り(筋痙攣)とは? こむら返り(筋痙攣)とは、筋肉が自分の意思とは関係なく強く収縮し、激しい痛みを伴う状態です。 特にふくらはぎに起こりやすく、夜間や明け方に発症するケースが多くみられます。 通常は数秒から数分で自然に治まりますが、強い痛みのため不安を感じる方も少なくありません。 繰り返し起こる場合、筋肉の違和感や張りが残ることもあります。 肝臓が原因でこむら返りが起こることはある? 肝臓とこむら返りの関係については、以下のポイントから整理できます。 肝硬変など慢性肝疾患との関係 なぜ肝臓が悪いと足がつるのか 肝臓が原因のケースは多くない点に注意 結論として、肝臓が原因でこむら返りが起こることはあります。 ただし、すべてのこむら返りが肝臓由来というわけではありません。 主に慢性肝疾患が進行したケースでみられる症状とされています。 正しく理解することが大切です。 肝硬変など慢性肝疾患との関係 肝硬変などの慢性肝疾患では、こむら返りを訴える患者が少なくありません。 特に夜間の筋痙攣は、肝硬変患者に比較的多くみられる症状とされています。 これは国内外の研究でも報告(※)されています。 参照:日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン」 肝臓機能の低下が全身に影響を及ぼしている状態と考えられます。 なぜ肝臓が悪いと足がつるのか 肝臓の機能が低下すると、体内環境のバランスが崩れやすくなります。 その結果、筋肉や神経が過剰に興奮し、こむら返りが起こりやすくなります。 主な要因は以下のとおりです。 電解質(マグネシウム・カリウム)の乱れ アンモニア代謝異常による神経刺激 筋肉量の低下(サルコペニア) 血流低下による酸素不足 これらが重なることで、筋肉の収縮と弛緩の調整がうまくいかなくなります。 結果として、夜間や安静時にこむら返りが起こりやすくなるのです。 肝臓は全身代謝に深く関わる臓器であるため、影響が広範囲に及びます。 肝臓が原因のケースは多くない点に注意 一方で、こむら返りの原因が肝臓であるケースは多くありません。 軽度の脂肪肝や一時的な肝機能異常のみで、頻繁に足がつることはまれです。 そのため、「足がつる=肝臓が悪い」と短絡的に判断する必要はありません。 他の原因も含めて総合的に考えることが重要です。 肝臓由来を疑うチェックポイント 肝臓由来のこむら返りを疑う際は、他の症状の有無を確認することが重要です。 以下のような症状が複数当てはまる場合、注意が必要です。 慢性的な疲労感や倦怠感 食欲不振や体重減少 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸) 足やお腹のむくみ 健康診断で肝機能異常を指摘された これらの症状は、肝臓機能低下のサインである可能性があります。 こむら返りと併発している場合は、自己判断せず医療機関で検査を受けましょう。 早期発見が重症化を防ぐことにつながります。 肝臓以外が原因のことも多い 実際には、こむら返りの原因は肝臓以外であることがほとんどです。 日常生活の影響によるものが多く、誰にでも起こり得ます。 代表的な原因は以下のとおりです。 水分・ミネラル不足 冷えによる血流低下 運動不足や筋疲労 腰椎疾患や神経圧迫 加齢による筋力低下 特に中高年以降では、複数の要因が重なって起こるケースが多くなります。 生活習慣の見直しだけで改善することも少なくありません。 今すぐできる対処法と予防 こむら返りの対処法と予防として、日常生活で意識したいポイントがあります。 以下は、今日から実践できる基本的な対策です。 就寝前のふくらはぎストレッチ こまめな水分補給 ミネラルを意識した食事 冷え対策(靴下・レッグウォーマー) これらは原因を問わず有効な基本対策です。 特に夜間のこむら返りに悩む方は、就寝前のストレッチが効果的です。 無理のない範囲で継続することが大切です。 病院で行われる検査と治療 こむら返りが頻発する場合、原因を特定するための検査が行われます。 主に以下のような検査が実施されます。 血液検査(肝機能・電解質) 超音波検査やCT検査 神経学的検査 検査結果に応じて、薬物療法や生活指導が行われます。 原因を明確にすることで、適切な治療につながります。 肝臓以外が原因の場合の治療選択肢 原因が筋肉や神経にある場合、根本的な治療が重要になります。 対症療法だけで改善しないケースも少なくありません。 慢性的な筋肉や神経のダメージが原因の場合、再生医療という選択肢があります。 リペアセルクリニック大阪院では、自己由来の細胞を用いた再生医療を提供しています。 薬や一時的な対処で改善しない症状に対し、体本来の回復力を引き出す治療です。 長引くこむら返りや体の不調でお悩みの方は、一度相談してみるのも選択肢の一つでしょう。 まとめ|頻発するこむら返りは体からのサイン こむら返りの多くは一過性ですが、頻発する場合は体からのサインである可能性があります。 肝臓疾患を含め、さまざまな原因が考えられます。 自己判断せず、必要に応じて医療機関へ相談することが大切です。 再生医療を含めた幅広い治療選択肢を知ることが、今後の生活の質を守る第一歩になります。 リペアセルクリニック大阪院では患者様のお悩みに対して、丁寧にカウンセリングしていきます。 頻繁なこむら返りにお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
2025.12.26 -
- その他
「モートン病に効果的なマッサージはある?」 「痛みを和らげる方法は?」 モートン病による足の指の付け根に走るピリッとした痛みやしびれを少しでも改善したいという方も多いのではないでしょうか。 歩くたびに感じる痛みは、放っておくと痛みが慢性化する可能性もあるため、適切な治療やケアが欠かせません。 本記事では、モートン病に効果的なマッサージ方法や、痛みを和らげる方法について紹介します。 マッサージ以外に痛みを和らげる方法も紹介しているため、モートン病の症状のお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 また、モートン病の痛みがなかなか治らない方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、痛みの原因となっている損傷した神経の再生・修復を促す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを行っているため、ぜひ一度ご相談ください。 モートン病に効果的なマッサージ方法4選 モートン病の痛みを緩和するためには、患部を強く刺激するのではなく、足全体の筋肉を柔軟にし、神経への圧迫を減らすアプローチが効果的です。 本章では、モートン病の痛みに効果的なマッサージ方法を4つ紹介します。 足指のマッサージ 足裏のマッサージ 足の甲のマッサージ 足首のマッサージ 上記のマッサージを適切に行うことで、足の疲労改善、負担の軽減が期待できます。 それぞれの具体的なやり方を見ていきましょう。 足指のマッサージ モートン病の足指マッサージでは、縮こまって固まった足の指を一本ずつ丁寧にほぐし、本来の動きを取り戻すことを目指します。 靴の中で圧迫された指を広げることで、血行が促進され、神経圧迫による痛みの緩和が期待できます。 主に以下の手順でマッサージしましょう。 【具体的なマッサージ方法】 ①:足の指を一本ずつ手で持ち、軽く回したり、もみほぐしたりする。 ②:①をすべての足指で行う お風呂上がりなど、筋肉が温まって柔らかくなっているタイミングで行うと、よりスムーズに動かせるのでおすすめです。 足裏のマッサージ 足裏の筋肉が硬くなるとモートン病の一因である「横アーチの崩れ(開張足)」につながりやすいため、マッサージで柔軟性を保つことが大切です。 以下の具体例のように、手を使うだけでなく、道具を活用する方法も手軽でおすすめです。 【具体的なマッサージ方法】 手の親指を使い、土踏まずから指の付け根に向かって、優しく押し流すようにマッサージする。 ゴルフボールやテニスボールを床に置き、足裏で転がすようにして全体を刺激する。 患部(指の付け根など)に痛みがある場合は、指やボールで強くグリグリと押すのは避けてください。 あくまで「痛気持ちいい」程度の強さを意識し、筋肉の張りを取るイメージで行いましょう。 足の甲のマッサージ 足の甲にある骨と骨の間(中足骨間)を広げるようなマッサージは、圧迫された神経の通り道を確保するのに役立ちます。 主に以下の手順でマッサージしましょう。 【具体的なマッサージ方法】 ①:足の甲の骨と骨の間にある溝に、手の親指を軽く当てる。 ②:足首側から指先側に向かって、溝をなぞるように優しくさする。 強く押しすぎると組織を傷める可能性があるため、皮膚を動かす程度の優しい力加減で行うのがポイントです。 足首のマッサージ 足首が硬いと地面からの衝撃が直接足指の付け根に伝わりやすくなるため、足首のマッサージで可動域を広げておくことが望ましいです。 【具体的なマッサージ方法】 ①:座った状態で、片方の足をもう片方の太ももの上に乗せ、手で足先を掴む。 ②:大きく円を描くように、ゆっくりと足首を回す。 ③:アキレス腱周辺を指でつまむようにして、下から上へと優しく揉みほぐす。 足首の柔軟性は、歩行時の衝撃吸収や足全体の血流循環に大きく関わっています。 足元の土台となる足首を整えることで、歩行のバランスが安定し、結果として患部への負担軽減につながるでしょう。 モートン病でマッサージするときの注意点 マッサージはモートン病の痛みを和らげる有効な手段ですが、誤った方法で行うと症状を悪化させたり、回復が遅れるリスクも潜んでいます。 適切なケアを行い、順調な回復を目指すための注意点について解説します。 痛いところを強く押さない セルフケアで改善しない場合は放置しない 良かれと思って行った行動が逆効果にならないよう、正しい対処法を理解しておきましょう。 痛いところを強く押さない モートン病は神経が圧迫され、炎症を起こすことで痛みやしびれを感じるため、患部を指で強く押したり揉んだりすることは避けてください。 マッサージによって痛みを感じる部分に強い刺激を与えると、炎症が広がり、痛みが増してしまう可能性があります。 「痛いところをマッサージすれば治る」と考えがちですが、無理に触れないのが基本です。 マッサージを行うときは痛みを感じる部分ではなく、その周辺の筋肉や関節(足の甲や足首など)を優しくほぐすことを目的に行いましょう。 セルフケアで改善しない場合は放置しない マッサージなどのセルフケアを続けても症状が軽くならない、あるいは痛みが強くなる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 場合によってはモートン病ではなく「疲労骨折」など、別の疾患や怪我だったという可能性も否定できません。 また、痛みを放置したまま生活していると症状が悪化したり、足以外への負担につながり、別の問題が発生したりすることもあります。 つらい痛みから解放されるには、専門医による適切な診断と治療を受けることが重要です。 モートン病の痛みを和らげる方法【マッサージ以外】 モートン病の痛みを和らげるには、マッサージによるセルフケアに加えて、日頃の環境を見直すのが効果的です。 足への負担を物理的に減らすために取り組みたいアプローチについて解説します。 シューズの見直し インソールなどの活用 湿布の活用 これらを組み合わせることでモートン病の痛みを和らげる効果が期待できるため、できることから実践していきましょう。 シューズの見直し モートン病の痛みを和らげるためには、原因となりやすい「足先が窮屈な靴」を避け、足指が自由に動かせる靴を選ぶことが大切です。 ハイヒールやパンプス、幅の狭い靴は、足指の付け根に過度な荷重と圧迫を与えてしまいます。 痛みが強い時期は、以下のような特徴を持つ靴に変えることを検討してみてください。 つま先が広く、指を動かせるスペースがある ヒールが低く(3cm以下推奨)、安定している クッション性が高く、衝撃を吸収してくれる 靴を変えるだけでも、患部への当たりが柔らかくなり、歩行時の痛みが大きく改善することがあります。 インソールなどの活用 崩れてしまった足のアーチ構造を支えるために、専用のインソール(中敷き)や足底パッドを活用するのも有効な手段です。 特に「中足骨パッド」と呼ばれる盛り上がりのあるインソールを使用すると、下がってしまった横アーチが持ち上げられます。 これにより、神経が圧迫されている骨同士の間隔が広がり、痛みの緩和が期待できます。 ドラッグストアやスポーツ用品店で市販されているものから試し、ご自身の足裏の形状にフィットするものを見つけると良いでしょう。 湿布の活用 モートン病による痛みが強く、患部に熱感や腫れがある場合は、炎症を抑えるために湿布を活用するのも一つの方法です。 湿布に含まれる鎮痛消炎成分が浸透することで、鋭い痛みを一時的に落ち着かせる効果が期待できます。 ただし、湿布はあくまで痛みを抑える対症療法であり、神経の圧迫そのものを解消するわけではありません。 痛みが引かないからといって漫然と貼り続けるのではなく、マッサージや靴の見直しなどの対策と並行して使用することをおすすめします。 モートン病のマッサージ方法に関してよくある質問 モートン病の痛みにお悩みの方から多く寄せられる質問の中から、特に知っておきたい以下の2点について回答します。 モートン病を自分で治す方法は? モートン病になったらやってはいけないことは? 正しい知識を持ち、モートン病の悪化を防ぎながら改善を目指すための参考にしてください。 モートン病を自分で治す方法は? 軽度のモートン病であれば、生活習慣の見直しとセルフケアを組み合わせることで、症状の改善を目指すことは可能です。 本記事で紹介した「足指や足裏のマッサージ」に加え、以下の取り組みを継続することが鍵となります。 靴の変更:幅広でクッション性の高い靴を選び、物理的な圧迫を減らす。 インソールの使用:中足骨パッドなどを使い、落ちてしまった横アーチを支える。 足指の運動:タオルギャザーなどで足の筋力を鍛え、アーチ機能改善を目指す。 上記のような対応は、一時的な対処ではなく、毎日続けることで少しずつ足の環境を整えていくものなので、途中で中止せずに継続することが重要です。 ただし、セルフケアで痛みが引かない場合は、無理をせずに早めに専門医に相談することをおすすめします。 モートン病になったらやってはいけないことは? モートン病の症状を悪化させないためには、患部である足指の付け根に「強い衝撃」や「圧迫」を与える行動を避けることが鉄則です。 具体的には、以下のような行動が回復を妨げる要因となるため、できる限り避けましょう。 やってはいけないこと リスク 患部を強く揉む 痛みのある場所をグリグリと押すと、炎症が広がる可能性がある ハイヒールや窮屈な靴を履く つま先に体重が集中し、神経圧迫が強まることで痛みが強くなる可能性がある 痛みを我慢しての運動 ランニングやジャンプなど、着地の衝撃によって痛みが悪化する可能性がある つま先立ち 中足骨頭(指の付け根)に過度な負担がかかるため、症状が悪化する可能性がある 「早く治したい」と焦って、痛みを我慢して強くマッサージしたり、運動を継続することは避けた方が良いです。 まずは患部を安静に保ち、足への負担を減らす環境づくりや対策を優先すると良いでしょう。 モートン病がマッサージで改善しないなら再生医療をご検討ください 足指の痛みやしびれを和らげるには、日々のマッサージや生活環境の見直しが有効です。 しかし、マッサージはあくまで対症療法であり、損傷した神経そのものを完全に治せるわけではない点も覚えておく必要があります。 セルフケアを続けても痛みが改善しない方や慢性化した痛みを根本的に治療したい方は、新たな選択肢として「再生医療」をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した神経の再生・修復を促す医療技術です。 外科的な手術をせずに神経損傷の改善を目指せるため、「痛みを根本から治したいけれど手術は避けたい」と考える方にとって大きな希望となる可能性があります。 痛みを我慢して歩くことを当たり前にせず、専門的な治療も含めた幅広い選択肢の中から、ご自身に合った解決策を見つけていきましょう。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療について無料カウンセリングを行っているため、ぜひ一度ご相談ください。
2025.11.28 -
- 内科
- その他
「納豆は痛風でも食べていい?」 「健康に良い納豆を食べたいけれど、痛風への影響が心配」 痛風と診断され、上記のような疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 プリン体が多いとされる大豆製品の中でも、納豆は特に身近な食品であるため、その摂取量や頻度について気になることでしょう。 本記事では、痛風の方が納豆を食べる際の適切な目安量や、尿酸値を上げにくい食べ方について解説します。 正しい知識を取り入れ、安心して食卓に納豆を並べられるための参考にしてください。 納豆は痛風でも食べていいのか 痛風や尿酸値が高めの方であっても、適量であれば納豆を食べても問題ありません。 本章では、納豆と痛風の関係について、以下の2つのポイントについて解説します。 プリン体含有量は比較的少ないため適量ならOK 納豆を食べる場合は「1日1パックまで」が目安 納豆はプリン体を含んでいますが、極端に多いわけではなく、目安量を守ることで健康的な食生活の一部として取り入れることができます。 過度な心配をせずに納豆を食べるためにも、納豆と痛風の関係性について理解しておきましょう。 プリン体含有量は比較的少ないため適量ならOK 納豆のプリン含有量は、他の高プリン体食品と比較するとそれほど多くはないため、適量であれば痛風の方が食べても問題ありません。 市販納豆に含まれるプリン体総量は「56.6mg/100g」と報告※されており、納豆1パック(40〜50g)あたり約28mgです。 ※出典:J-STAGE「納豆摂取習慣による尿酸代謝への影響」 これは、高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインで注意されている「極めて多い(300mg以上)」に該当していません。 高プリン体の食品と納豆のプリン体含有量の比較は、以下のとおりです。 食品名 プリン体含有量(100gあたり) 備考 納豆 56.6mg 少ない 鶏レバー 312.2mg 極めて多い 白子(イサキ) 305.5mg 極めて多い カツオ 211.4mg 多い ※出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団「食品中プリン体含量」 上記のように、レバーや白子などの内臓類と比べれば納豆のプリン体は少ないです。 一般的な肉や魚と比較しても低い部類に該当するため、過剰摂取さえ避ければ、日常的に食べても尿酸値への影響は限定的といえるでしょう。 納豆を食べる場合は「1日1パックまで」が目安 痛風の患者さまが納豆を食べる場合、「1日1パック(40〜50g)」を目安にすることをおすすめします。 高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでは、1日のプリン体摂取量を「400mg以下」に抑えることが推奨されています。 納豆1パックに含まれるプリン体は約28mg程度ですので、これだけで制限を超えることはありません。 しかし、私たちは納豆以外の食事(肉や魚、主食など)からもプリン体を摂取しているため、他の食材とのバランスを考慮すると、納豆は1日1パックに留めておくと良いでしょう。 朝食や夕食のどちらかに一回食事に取り入れる程度が、無理なく続けられる適量です。 納豆を食べると「痛風になる」って嘘?本当? 「納豆を食べると痛風になる」という噂を耳にすることがありますが、過剰摂取していない限り「誤解」といえます。 納豆が痛風の直接的な引き金になる可能性は低く、過剰に恐れる必要はありません。 むしろ、納豆をはじめとする豆類を食事に取り入れることで、血清尿酸値が低下したという研究結果が報告※されています。 ※出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 食事に豆類を取り入れる際は、豆の種類や加工方法によって異なるプリン体含有量に注意しましょう。 食品名 プリン体含有量(100gあたり) 納豆 56.6mg 乾燥大豆 172.5mg 味噌(白味噌) 63.5mg ピーナッツ 49.1mg 枝豆 47.9mg 醤油 45.2mg そら豆 35.5mg 豆腐(冷奴) 31.1mg 豆乳 22.0mg ※出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団「食品中プリン体含量」 「納豆=痛風の原因」と決めつけるのではなく、食事全体のバランスや生活習慣を見直すことが重要といえるでしょう。 痛風で納豆を食べるときの注意点 納豆はプリン体含有量が比較的少なめで痛風の方でも食べられる食品ですが、無条件にどれだけでも食べていいわけではありません。 痛風の方が納豆を食事に取り入れるために注意したい点は、以下の3つです。 納豆の食べ過ぎに注意する 他の食材のプリン体含有量も考慮する アルコール摂取は控える これらを守ることで、納豆を食べながら痛風リスクをコントロールできるでしょう。 納豆の食べ過ぎに注意する 納豆のプリン体含有量は少なめとはいえ、食べ過ぎれば摂取量は積み重なり、尿酸値を上げる原因となります。 先述のとおり、1日1パック(約40~50g)であればプリン体摂取量は約28mg程度に収まりますが、これが2パック、3パックとなれば話は別です。 健康に良いからといって極端に摂取量を増やすのではなく、「適量を守ることが重要」と考えましょう。 プリン体は納豆以外の食品からも摂取することになるため、納豆は1日1パック食べる習慣をつけることをおすすめします。 他の食材のプリン体含有量も考慮する 納豆を食べる際は、その日の食事全体のプリン体総量を意識し、一緒に食べるおかずの選び方に工夫が必要です。 納豆自体に一定量のプリン体が含まれているため、メインのおかずにプリン体が多い食品(レバー、干物、カツオなど)を選ぶときは注意しましょう。 高プリン体の食品を一食でも取り入れるだけで、一日のプリン体摂取量の「400mg以下」ギリギリになってしまう可能性があります。 納豆を食べる日は、主菜をプリン体の少ない卵料理や野菜中心のメニューにするなど、プリン体総量のバランスを整えると良いでしょう。 アルコール摂取は控える 納豆を食べるときに限った話ではありませんが、痛風ケアの観点からはアルコールの摂取には注意が必要です。 アルコールは、尿酸の生成を促進するだけでなく、体外への排泄を妨げるという二重のリスクを持っています。 「プリン体ゼロ」の発泡酒であっても、アルコール成分そのものが尿酸値を上げる働きをするため、アルコール摂取は控えた方が賢明です。 納豆を食べる際は、できるだけお酒を控えるか、休肝日を設けるなどして、肝臓への負担を減らすよう心がけましょう。 痛風患者向けの納豆のおすすめの食べ方 痛風で納豆を食べるなら、単体で食べるよりも「尿酸の排泄を助ける食材」や「尿をアルカリ化する食材」と組み合わせるのがおすすめです。 本章では、納豆と相乗効果を狙えるおすすめの食べ方について紹介します。 納豆におすすめの食品の組み合わせ おすすめの納豆レシピ これらを日々の食事に取り入れ、美味しく効率的な対策を続けていきましょう。 納豆におすすめの食品の組み合わせ 納豆を食べるときは、尿をアルカリ性に傾けるアルカリ性食品や、代謝を助けるビタミン類を含む食品との組み合わせが効果的です。 特におすすめしたい食品は、以下のとおりです。 海藻類(わかめ・ひじき) ほうれん草・トマト・大根 きのこ類 大豆製品(豆腐) いも類 など これらの食品は納豆との相性も良く、手軽に料理に追加できるものばかりなので、痛風対策に効果的な食事法のためにも、ぜひ取り入れましょう。 おすすめの納豆レシピ 手軽に作れて、痛風対策としての栄養価も高いおすすめレシピを紹介します。 材料を混ぜるだけの簡単なメニューなので、忙しい朝食などに取り入れてみてください。 レシピ めかぶ納豆 材料 ・めかぶ:2パック(約80g) ・納豆:1パック(約40g) ・醤油:大さじ1/2 作り方 ①めかぶと納豆をボウルに入れ、醤油を加えて和える 期待できる効果 ・尿のアルカリ化をサポートし、尿酸の排出を促す ・めかぶと納豆の相乗効果で腸内環境の改善につながる 上記はあくまで一例ですが、納豆の持つ栄養価を活かしつつ、痛風に気を付けた組み合わせを工夫することで、痛風の方でも納豆を美味しく食べられるでしょう。 納豆は痛風でも1日1パックはOK!食べ合わせにも注意しよう 痛風だからといって、あれもこれもダメと制限しすぎると、食事の楽しみが減ってしまうものです。 納豆はプリン体含有量が比較的少なめなので、痛風の方でも1日1パックを目安として食べることができます。 食べる際は、「納豆の食べ過ぎ」「他の食材のプリン体含有量も考慮」「アルコールは控える」などの注意点を守りましょう。 痛風と向き合うためにも正しい知識を持ち、適量を守って食べることで健康的な毎日を維持していくことが大切です。
2025.11.28 -
- 内科
- その他
「痛風にコーヒーはダメ?」「発作が怖いけれど、コーヒーは飲みたい」 日常的にコーヒーを飲む習慣がある方で、痛風と診断されてから上記のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。 カフェインは体に良くないというイメージから「ダメ」だと思われがちですが、コーヒーは痛風にとって「ダメな飲み物」ではありません。 むしろ、近年の研究ではコーヒーを飲む習慣が痛風に良い影響を与える可能性も示唆されています。 本記事では、痛風や尿酸値とコーヒーの関係性について詳しく解説します。 正しい知識を身につけ、不安なくコーヒータイムを楽しみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。 痛風にコーヒーはダメじゃない!尿酸値との関連性 痛風の方や尿酸値が高めの方であっても、コーヒーを完全に避ける必要はありません。 むしろ、コーヒーを飲む習慣が痛風の発症リスクを低下させるという研究データも報告されています。 コーヒーと尿酸値の具体的な関係について、以下の2つの視点から詳しく解説します。 コーヒーは痛風の発症リスク低下につながる 尿酸値への影響は解明されていない コーヒーが持つ意外なメリットと、現在の医学的な見解を正しく理解することが大切です。 コーヒーは痛風の発症リスク低下につながる コーヒーを習慣的に飲むことは、痛風の発症リスクを20〜60%低減させる※と考えられています。 ※出典:J-STAGE「痛風・高尿酸血症の病態と治療」 アメリカで実施された大規模なコホート研究によると、コーヒーを飲む量が多い人ほど、痛風を発症する確率が低いという結果が出ました。 具体的には、1日に4杯から6杯以上のコーヒーを飲む男性において、痛風リスクの大幅な低下が見られています。 しかし、これらの研究結果は、個人差があることやエビデンスが不十分であると判断されていることから、コーヒーの効果を過信しないことが大切です。 とはいえ、過剰摂取などに注意すれば痛風でもコーヒーを飲めるので、コーヒーを飲む習慣がある方には朗報といえるでしょう。 尿酸値への影響は解明されていない コーヒーが痛風の発症リスクを低下させるというデータがある一方で、「尿酸値を下げる」などの影響に関する詳細は解明されていません。 複数の研究結果を見ても、コーヒーを飲んで尿酸値が下がったグループもあれば、上がったグループもあるため、コーヒーの消費量と尿酸値に関連性は認められませんでした。 現時点では、コーヒーと尿酸値の関連性として以下のような仮説が考えられています。 仮説 詳細 排泄の促進 カフェインの利尿作用などが、尿酸の体外排出を助けている可能性 インスリン抵抗性の改善 尿酸値を高める原因となるインスリンの働きを整える可能性 上記のことから、コーヒーを飲めば確実に尿酸値が下がるというわけではない点に注意が必要です。 あくまで「痛風の発症リスクを下げる可能性がある嗜好品」として捉え、適切な治療やバランスの良い食事と併用する意識を持つと良いでしょう。 痛風予防でコーヒーを飲むときの注意点 コーヒーは痛風予防に役立つとされていますが、飲み方を間違えるとカフェインの過剰摂取などによる健康被害を引き起こす可能性があります。 健康的にコーヒーを楽しむために、特に意識したい注意点は以下の3つです。 コーヒーの飲み過ぎ 砂糖やシロップが含まれたコーヒーを飲む コーヒー以外の水分を摂取しない これらの注意点を理解し、健康的な飲み方を心がけることで、痛風の方でもコーヒーを楽しめるでしょう。 コーヒーの飲み過ぎ 痛風の発症リスクを低下させる可能性があるとはいえ、カフェインの過剰摂取につながるほどの飲み過ぎは避けましょう。 一般的に、成人の1日のカフェイン摂取量は400mg以下(コーヒー約3〜4杯分)が目安とされていますが、カフェインへの耐性は個人差が大きいものです。 カフェインを摂りすぎると、不眠や胃腸の荒れ、動悸といった健康被害を引き起こす可能性があるため、飲む量には注意が必要です。 ご自身の体調と相談しながら、リラックスできる適量を守ってコーヒーを飲みましょう。 砂糖やシロップが含まれたコーヒーを飲む 砂糖や甘いシロップが入ったコーヒーは、過剰摂取により尿酸値を上昇させるリスクがあるため、おすすめできません。 糖が体内で分解される過程で尿酸の産生を促進したり、糖分の摂りすぎによって肥満になったりすることで、結果として痛風のリスクを高めることにつながります。 痛風の方がコーヒーを飲む場合は、砂糖やシロップが含まれるものは避けることが望ましいです。 また、ブラックコーヒーが苦手な方は、同じく痛風リスクを下げるといわれている無糖のミルク(牛乳)※で割って飲むと良いでしょう。 ※出典:J-STAGE「血清尿酸値の低下作用が示唆される食材および食材に含まれる物質の作用機序」 コーヒー以外の水分を摂取しない コーヒーには利尿作用があるため、水やお茶など他の飲み物でもしっかりと水分補給を行うことが欠かせません。 コーヒーだけを水分源にしていると、体内の水分が尿として排出され、知らず知らずのうちに脱水気味になることがあります。 また、水分不足は血液中の尿酸濃度を高め、尿酸が結晶化しやすい環境を作ってしまう原因となります。 痛風予防のためには、1日2リットル程度の水分摂取が推奨※されているため、コーヒー以外の飲み物で意識的に水分補給しましょう。 ※出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 痛風改善・予防に役立つコーヒー以外の飲み物 コーヒー以外にも、日々の水分補給を通じて痛風改善・予防を助けてくれる飲み物があります。 痛風予防の観点から積極的に取り入れたい飲み物は、以下のとおりです。 水(ミネラルウォーターや水道水) 緑茶、麦茶 牛乳、乳製品 先述のとおり、痛風予防ためには、1日2リットル程度の水分摂取が推奨されているため、上記を取り入れることでコーヒーだけに頼らない水分補給が可能になります。 また、牛乳などの乳製品には、尿酸の排泄を助ける「カゼイン」や「ラクトアルブミン」というタンパク質が含まれています。 毎日コップ1杯程度の牛乳を飲む習慣は、尿酸値が高めの方にとって心強いサポートとなるはずです。 低脂肪乳を選ぶと、カロリーや脂質も抑えられるため、より健康的といえるでしょう。 痛風とコーヒーに関してよくある質問 痛風とコーヒーに関してよくある以下の2つの質問について回答します。 痛風にはインスタントコーヒーでもいい? 痛風でコーヒーと一緒に食べてはいけないものは? 以下では、それぞれの質問に対して詳しく解説しているので、疑問や不安がある方はここで解消しておきましょう。 痛風にはインスタントコーヒーでもいい? インスタントコーヒーであっても、痛風の発症リスクを低減する効果が期待できるでしょう。 有効成分であるポリフェノールはインスタントにも含まれていますが、ドリップコーヒーに比べると含有量が少ない傾向があります。 それでも、過去の研究ではドリップとの厳密な区別なく効果が確認されているため、日常的な摂取としては十分に期待できます。 しかし、インスタントコーヒーには砂糖やミルクがあらかじめ配合されている製品が多く、糖分の摂りすぎにつながる可能性があるため、注意が必要です。 インスタントコーヒーを選ぶときは、成分表示を確認する習慣をつけると良いでしょう。 痛風でコーヒーと一緒に食べてはいけないものは? 痛風でコーヒーと一緒に絶対に禁止すべき食べ物はありませんが、砂糖や果糖たっぷりのスイーツとの組み合わせには注意が必要です。 ケーキやドーナツなどの甘いお菓子は、体内で尿酸値を上昇させる大きな原因となります。 コーヒーによる発症リスクの低減を過信せずに、素焼きのナッツや高カカオチョコレートなど、低糖質なものを選ぶ工夫をしましょう。 痛風でもコーヒーは飲んでOK!飲み方と量に注意しよう 痛風や尿酸値が気になる方でも、コーヒーを完全に避ける必要はなく、日常的に飲んでも問題はありません。 むしろ、コーヒーを飲む習慣によって痛風の発症リスクを低減させることにつながると考えられているため、適切な飲み方を守れば健康管理のに役立ちます。 「痛風だから」と好きなものを我慢しすぎることは、かえってストレスの原因になりかねません。 生活習慣の改善と合わせて、コーヒーの飲み過ぎや砂糖・シロップが含まれたコーヒーの過剰摂取を控えて、コーヒーを楽しみましょう。
2025.11.28 -
- スポーツ医療
- その他
歩行や運動時に感じる足の甲の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、「もしかして骨折?」という大きな不安材料となるでしょう。 特にスポーツをされている方や、立ち仕事が多い方にとって、足の甲の痛みは見過ごせないサインです。 本記事では、足の甲が疲労骨折してしまう原因や、見逃してはいけない症状の特徴について詳しく解説します。 足の甲の痛みを正しく理解し、適切な処置への第一歩を踏み出しましょう。 また、保存療法で改善が見られない疲労骨折では、再生医療が選択肢となる場合があります 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでは、具体的な治療について無料カウンセリングを実施しておりますので、ぜひご相談ください。 足の甲が疲労骨折する原因 足の甲に疲労骨折が生じる大きな原因は、骨の強度を超える負荷が、繰り返し同じ場所に加わり続けることです。 足の甲に過度なストレスがかかる主な要因は、以下のとおりです。 オーバーユース(使いすぎ) 急激なトレーニング量の増加 下半身の筋力不足と柔軟性の低下 足に合っていないシューズの着用 コンクリートなどの硬い路面での運動 フォームや身体の使い方の癖 偏平足・ハイアーチなどの骨格的な問題 骨密度の低下 ランニングやジャンプを繰り返すスポーツなど、足への衝撃を伴う動作の繰り返しによって骨への負担が蓄積されます。 急激にトレーニング量を増やした時期などは、特に疲労骨折のリスクが高まります。 また、下半身の筋力・柔軟性不足やクッション性のないシューズの着用、コンクリートなどの硬い路面での運動も、足の甲への負担を増大させる要因です。 骨への負荷を減らすには、運動量の調整だけでなく、シューズの見直しやストレッチによる柔軟性の確保など、多角的なアプローチが有効です。 足の甲が疲労骨折したときの症状 足の甲が疲労骨折している場合、痛みは突然激しくなるのではなく、徐々に強まっていくことが多いため、初期段階での発見と対処が重要です。 本章では、足の甲が疲労骨折したときの具体的な症状や見分け方について解説します。 疲労骨折の主な症状 疲労骨折の症状の見分け方 ご自分の足の状態と照らし合わせながら、疲労骨折かどうか判断するための参考にしてください。 疲労骨折の主な症状 足の甲の疲労骨折は、特に第2・第3中足骨(足部の中央に位置し、体重負荷を最も受けやすい部位)に好発します。 第2・第3中足骨が疲労骨折した場合、以下のような症状が現れます。 歩行時・運動時の足の甲に鈍い痛みがある 安静にしていても足の甲が痛い 患部を指で押すと特定の一点に圧痛を感じる 患部に腫れや熱感がある 上記のような症状を無視して生活や運動を続けると、完全な骨折に至り、長期の安静期間が必要になる可能性があります。 疲労骨折が疑われる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対処を心がけましょう。 また、小指側にある第5中足骨を疲労骨折した状態を「ジョーンズ骨折」と呼び、通常の疲労骨折とは予後が異なるため、注意が必要です。 疲労骨折の症状の見分け方 足の甲の痛みは、疲労骨折以外にも「腱炎」や「捻挫」などの可能性があります。 これらを見分けるためには、以下のチェックリストを参考に、痛みの広がり方や、特定の動作による反応などを確認しましょう。 チェック項目 疲労骨折の疑い 腱炎や捻挫の疑い 痛みの範囲 ピンポイントの痛み ぼんやりとした広範囲の痛み 圧痛部位 骨の上を押すと痛む 筋(スジ)や関節を押すと痛む 腫れ方 患部周辺の全体的な腫れ 筋に沿った腫れ、または関節周辺の腫れ 発症パターン 数日~数週間かけて徐々に悪化 急性発症、運動後すぐ 安静時の痛み 症状悪化によって痛む 軽度、またはなし ただし、上記のチェック項目はあくまで目安程度に捉えましょう。 自己判断で処置を遅らせるリスクを避けるため、疑わしい場合は整形外科でのレントゲンやMRI検査を受けることが、確実な回復への近道です。 また、初期段階の疲労骨折ではレントゲンに写らないこともあるため、他の検査を受けることも検討する必要があります。 足の甲の疲労骨折はどのくらいで治る?主な治し方 足の甲の疲労骨折は、多くの場合、手術を行わずに「保存療法」と呼ばれる治療法で自然治癒を目指すことができます。 ただし、これは「何もしないで放置すれば治る」という意味ではなく、骨が修復される環境を整え、適切な管理を行うことが前提です。 疲労骨折の治療プロセスは、主に以下の2つの段階に分けて進められます。 安静と固定 リハビリテーション 骨折の程度や場所によっては手術が検討されるケースもありますが、基本的には患部への負担を取り除くことから治療が始まります。 早期復帰を目指すためにも、各段階でどのような処置が行われるのかを理解しておきましょう。 安静と固定 疲労骨折の治療で優先すべきことは、骨の修復を妨げないよう患部を固定して安静にすることです。 固定期間は重症度によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。 軽度:4~8週間 中等度:8~12週間 重度:12週間以上 完全に骨が治っていない状態で固定を外したり、運動を再開したりすると、再骨折や難治化(骨がつかなくなること)を招く恐れがあります。 骨の癒合が確認されるまでは、焦らず安静を保つことが、早期改善の近道です。 リハビリテーション 骨の癒合が確認され、医師の許可が出た後は、少しずつ元の生活やスポーツ活動に戻るためのリハビリテーションを開始します。 リハビリテーションは、以下のようなメニューを段階的に実施します。 荷重訓練 可動域訓練 ストレッチ 筋力トレーニング 動作やフォーム改善 安静期間中に低下してしまった筋力や柔軟性を取り戻し、再発を防ぐ身体作りが目的となります。 無理に頻度や負荷を上げてしまうと再骨折や難治化につながるため、注意が必要です。 「痛みが出ないか」を常に確認しながら、医師や理学療法士の指導のもと、慎重にステップアップしていきましょう。 足の甲の疲労骨折を予防する方法 疲労骨折は、日々のトレーニング習慣や生活環境を見直すことで予防できる怪我です。 「一度治ったから安心」と考えるのではなく、骨への負担をコントロールし続ける意識を持つことが、長くスポーツや歩行を楽しむための鍵となります。 疲労骨折で実践したい具体的な予防法は、以下の5つです。 運動量は段階的に増やす 運動前後のセルフケア 下半身の筋力トレーニング 体重管理や食生活の改善 適切なシューズを着用する 以下では、それぞれの予防法とポイントについて、詳しく見ていきましょう。 運動量は段階的に増やす 疲労骨折の主なリスク要因は、オーバーユース(使いすぎ)や急激なトレーニング量の増加のため、運動量は段階的に増やすことが重要です。 運動時間や走行距離を増やす際は、前週比で1.1倍以内に抑える「10%ルール」を意識しましょう。 また、週に1〜2日は完全休養日を設け、骨の微細な損傷を修復させるための休息時間を確保することも不可欠です。 「もう少しやりたい」と思う段階で止める勇気が怪我を防ぎ、結果として長期的なパフォーマンス向上につながります。 運動前後のセルフケア ふくらはぎや足裏が硬くなると、その衝撃が骨に直接伝わりやすくなるため、運動前後のセルフケアが欠かせません。 筋肉の柔軟性は、地面からの衝撃を和らげる重要な「クッション機能」を果たします。 運動前には関節を温める動的ストレッチを、運動後にはアイシングや静的ストレッチを行い、筋肉の緊張をほぐしましょう。 また、入浴やマッサージで血流を促すことも有効です。 自分の身体の状態を確認する習慣が、疲労の蓄積や異変の早期発見につながります。 下半身の筋力トレーニング 足の甲への負担を物理的に軽減するためには、衝撃を受け止めるための筋力強化が重要です。 特に、足のアーチ(土踏まず)を支える足裏や、着地を安定させるふくらはぎの筋肉を鍛えることで、衝撃分散能力が高まります。 自宅でも手軽にできる「タオルギャザー(足指でタオルを寄せる運動)」や「カーフレイズ(つま先立ち)」がおすすめです。 地道なトレーニングを継続して足の筋力を強化することが、疲労骨折を再発しにくい「強い足」を作る土台となります。 体重管理や食生活の改善 骨の健康を守り、疲労骨折を予防するためには、適正体重の維持と栄養バランスの取れた食事が不可欠です。 急激な体重増加は足への物理的負荷を増大させ、過度な減量による栄養不足は骨の修復を妨げます。 骨の主成分となるカルシウムに加え、吸収を助けるビタミンD、定着を促すビタミンK、骨の基礎を作るタンパク質を積極的に摂取しましょう。 身体の内側から骨折しにくい丈夫な骨を作っていく意識が大切です。 適切なシューズを着用する 疲労骨折の予防のためには、衝撃吸収性と安定性に優れ、サイズ感が適切なシューズを選ぶことが重要です。 サイズの合わないシューズや、クッション性が低下したシューズでの運動は、骨への負担を増大させる大きな要因となります。 また、靴底がすり減っていたり、クッション部分にシワが寄っていたりする場合は機能が低下しているサインなので、早めの交換を検討しましょう。 路面や体重、走行フォームにより劣化速度は異なりますが、一般的なランニングシューズの場合、500km程度使用した時点で交換することが推奨されています。 扁平足などの特徴がある場合は、インソールを活用して足のアーチ機能をサポートすることも有効な手段です。 足の甲が疲労骨折したら安静にして早期改善を目指そう 足の甲の疲労骨折は、繰り返す負荷によって徐々に進行するため、初期段階での発見と適切な対処を行うことが重要です。 痛みや違和感を「ただの疲れ」と放置せず、足からのサインに耳を傾けることが、重症化を防ぐ第一歩となります。 足の甲(第2・第3中足骨)を疲労骨折した場合、以下のような症状が現れます。 歩行時・運動時の足の甲に鈍い痛みがある 安静にしていても足の甲が痛い 患部を指で押すと特定の一点に圧痛を感じる 患部に腫れや熱感がある 上記のような症状を無視して生活や運動を続けると症状悪化につながったり、完治が遅れたりする可能性があるため、早期に医療機関を受診しましょう。 早期に適切な診断と治療を受けることが、スポーツや快適な日常生活への一番の近道となります。
2025.11.28







