- 脊椎
背骨が曲がる状態を治すストレッチ3選!側弯症の改善に効果的なケアについて解説

背骨が曲がった状態になってしまう疾患を「側弯症」と呼びます。
側弯症は背骨が左右に曲がったりねじれたりする症状によって肩こりや腰痛だけでなく、神経や内臓機能にも影響を与える可能性があります。
軽度の機能性側弯症※による背骨の曲がりの場合、背骨周りのストレッチで症状改善が期待できます。
※一時的な姿勢不良や筋肉不均衡が原因となる側弯症のこと
この記事では、背骨が曲がった状態を改善するためのストレッチ方法と側弯症の種類別に対処法を詳しく解説します。
背骨の曲がりで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、側弯症が進行して脊髄損傷による痛みやしびれが生じた場合、損傷した神経の改善が期待できる「再生医療」が選択肢の一つとなります。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、手術せずに神経損傷の根本的な改善が期待できる再生医療に関する情報を発信しているため、ぜひご参考ください。
目次
背骨が曲がる状態を治すストレッチ【3選】
軽度の機能性側弯症による背骨の曲がりを改善するためには、背骨周りの筋肉の柔軟性を高め、左右のバランスを整えることが重要です。
効果的なストレッチ方法として、以下の3つを紹介します。
これらのストレッチを実践して、体のバランスを整えましょう。
CAT&DOG(キャット&ドッグ)
背骨の柔軟性を高めるためには、背骨全体を動かすことが重要です。
CAT&DOGは、背骨を丸める・反らすというシンプルな動作で、日常生活で固まった背骨周りの筋肉をほぐすことができます。
- 四つん這いになり、手は肩の真下、膝は股関節の真下にセットする
- 息を吐きながら背中を丸め、視線はおへそへ向ける
- 息を吸いながら背中を反らせ、顔をやや上げて前を見る
- 丸める・反らすを1セットとして、10回を目安にゆっくり行う
背骨は本来、S字のカーブで全身の重みをバランス良く支えていますが、前かがみや丸まった姿勢が続くとカーブが失われ、歪みが固定されてしまいます。
CAT&DOGを行うことで、関節の動きと筋肉のしなやかさが改善できます。
腰だけで反らせず、背中全体で動かすことが大切です。
首や腰に痛みがある場合は、動きを小さくして無理のない範囲で取り組んでみましょう。
広背筋ストレッチ
背骨が曲がる状態を改善するには、体の側面(体側)へのアプローチも必要です。
広背筋ストレッチは、普段使わない脇腹や背中の側面の筋肉を伸ばし、左右のバランスを整えます。
- 両手を頭の上で組む
- 体を真横に傾け、背中・脇腹を伸ばす
- 数秒間姿勢を保持する
- ゆっくりと元の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
骨盤が浮かないよう注意し、肋骨を引き上げるような意識で行いましょう。
呼吸を深くゆっくり行うことで、筋肉の緊張をより効率的にほぐせます。
サイドプランク
背骨が曲がる状態を改善するには、筋肉を伸ばすだけでなく、背骨を支える力をつけることも重要です。
サイドプランクは、体幹の側部にある深層筋を鍛え、背骨の左右バランスを整える効果があります。
- 横向きに寝て、肘を肩の真下にセットする
- 膝を軽く曲げ、下の膝を床につけたまま上半身を持ち上げる
- 頭から膝までが一直線になるよう意識し、20〜30秒キープする
- 息を止めず、左右それぞれ2〜3セット行う
サイドプランクでは、腹斜筋や腹横筋といった普段意識しにくい筋肉に刺激を与えます。
これらの筋肉は姿勢の保持や背骨の安定に大きく関わっているため、鍛えることで背骨の歪みを戻すだけでなく、維持する力が身につきます。
背骨が曲がってしまう「側弯症」とは
側弯症とは、背骨が左右に曲がった状態で、思春期頃に発見されることが多い疾患です。
正常な背骨は正面から見ると真っ直ぐですが、側弯症では「C」や「S」のような形に曲がって見えます。
側弯症は大きく分けて以下の2つの種類があります。
種類によって治療アプローチが大きく異なるため、側弯症が疑われる場合は、医療機関による正確な診断と治療方針の決定が重要です。
構築性側弯症|手術が検討されるケースあり
構築性側弯症は、背骨を構成する椎骨そのものが変形することで起こる側弯症です。
中でも全体の80-85%※は、原因が特定できない「特発性側弯症」と呼ばれています。
※出典:日本側弯症学会
構築性側弯症に対する有効な治療法は限定的で、装具療法による進行の抑制や、手術による歪みの解消が主な選択肢となります。
とくに幼少期に発症した場合は、成長とともに背骨の歪みが強くなる傾向があるため、定期的な経過観察が必要です。
機能性側弯症|ストレッチで改善する可能性あり
機能性側弯症は、背骨の構造的な異常はなく、何らかの原因によって生じるため、適切なケアを実施することで改善が期待できます。
主な原因は、猫背などの日常生活での偏った姿勢や仕事やスポーツでの同じ動作の繰り返しによるものです。
姿勢やスポーツのフォーム改善によって原因を解消したり、ストレッチによって背骨周辺をケアしたりすることで改善できる可能性があります。
機能性側弯症に効果的なセルフケア
機能性側弯症の改善には、原因となる筋肉の偏りや姿勢の問題を解決することが重要です。
効果的なセルフケア方法として以下の3つがあります。
これらのケア方法を組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
ストレッチ
ストレッチは、硬くなった筋肉を柔らかくするのに適したケア方法です。
効果的なストレッチを行うための注意点は、以下のとおりです。
- 無理に伸ばしすぎず、心地よい突っ張り感を感じる程度で行う
- 息を止めず、深くゆっくりした呼吸を意識する
- 1回のストレッチ時間は20秒〜30秒程度で行う
継続的に行うことで、筋肉の柔軟性が向上し、背骨のバランスが整いやすくなります。
筋力トレーニング
筋力トレーニングは、背骨を支える筋肉を強化し、正しい姿勢を維持する力を養うトレーニングです。
対象となる筋肉の力を上げるだけでなく、その筋肉と反対の働きをする筋肉の緊張を緩める効果もあります。
効果的な筋力トレーニングを行うためのポイントは、以下のとおりです。
- 正しい姿勢やフォームを意識して行う
- 効かせたい筋肉や部位を意識する
- 適切な負荷量と回数で行う(多すぎても少なすぎても効果が下がる)
無理のない範囲で継続することが、長期的な改善につながります。
正しい姿勢への改善
側弯症のケアで最も重要なのが、日常生活での姿勢の改善です。
機能性側弯症の原因は偏った姿勢や動作の繰り返しであるため、一時的に姿勢が良くなっても再び元に戻ってしまう可能性があります。
重要なのは、偏った姿勢や動作を繰り返さないよう意識することです。
無意識に正しい姿勢をキープできるよう、体に覚えさせましょう。
椅子に座るときは骨盤を立てて座る、立っているときは両足に均等に体重をかけるといった小さな心がけが、背骨の歪みを予防する基盤となります。
背骨が曲がる状態を治す方法についてよくある質問
背骨が曲がる状態を治す方法について、よくある質問を紹介します。
以下で、これらの疑問にお答えします。
背骨の歪みを治す方法は?
機能性側弯症の場合は、ストレッチや筋力トレーニング、姿勢改善などの背骨周辺のケアによって改善が期待できます。
一方、構築性側弯症の場合は、装具療法や手術などの医療的な治療が必要になるケースがほとんどです。
原因によって治療法が異なるため、側弯症が疑われるときは医療機関で正確な診断を受け、適切な治療方針を決めることが重要です。
機能性側弯症であれば、CAT&DOGや広背筋ストレッチ、サイドプランクなどのストレッチを継続的に行いましょう。
側弯症の人がやってはいけないストレッチは?
側弯症の方が避けるべきストレッチは、過度に背骨を捻ったり、片側だけに負荷をかけるようなストレッチです。
上記のようなストレッチは、背骨に負担をかけてしまい症状を悪化させる可能性があります。
また、痛みを感じるほど強い力で行うストレッチや、長時間同じ姿勢を保つストレッチも避けましょう。
ストレッチは心地よい程度の強さで行い、左右バランスよく実施することが大切です。
不安がある場合は、理学療法士や専門医に相談して、状態に適したストレッチ方法を指導してもらうことをおすすめします。
背骨が曲がる状態を治すストレッチで側弯症の改善が期待できる
背骨が曲がった状態になる原因が機能性側弯症であれば、ストレッチや筋力トレーニング、姿勢改善などの背骨周辺のケアで改善が期待できます。
「CAT&DOG」「広背筋ストレッチ」「サイドプランク」などのストレッチは、背骨周りの筋肉バランスを整えるのに効果的です。
ただし、側弯症が進行すると背骨の変形が進み、脊髄損傷を合併すると痛みやしびれが生じる可能性があるため、早期に医療機関を受診しましょう。
また、上記のような神経損傷による痛みやしびれなどの症状に対して、先端医療の「再生医療」という治療法があります。
再生医療は、従来の治療では難しかった損傷した神経組織の再生・修復を促す医療技術です。
以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、脊髄損傷の症状が改善された患者さまの症例を紹介しています。
側弯症による神経症状にお悩みの方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師