脊髄梗塞 幹細胞治療 50代男性
公開日:2024.06.06脊髄梗塞後も体幹に筋力がつきコントロールが可能に!
こちらの患者様は2か月前からの歩行障害と膀胱直腸障害のため、当院を受診されました。
症状は2か月前のある日突然出現しました。朝、突然両脚に力が入らなくなり歩行が困難になりました。いろいろな病院を受診しましたが、診断がついたのは症状が発症して4日目のことでした。診断名は「脊髄梗塞」です。
脊髄梗塞とは、脊髄の血管が詰まってしまい神経が機能しなくなることで、脳梗塞と比べるとはるかに希な疾患です。診断がつき次第、緊急入院となり血栓を溶解する点滴などでの治療、その後はリハビリ病院へ転院しリハビリを続けておられますが、神経の回復が思わしくなく発症後2か月の早い時期に再生医療を頼って受診していただきました。
近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄麻痺の後遺症が回復した例が数多く報告され、後遺症で苦しむ患者様の希望の光となっております。
私達は国内でいち早く脊髄麻痺の後遺症への幹細胞治療に取り組みはじめ、現在では治療を受けていただいた患者様は数百人にものぼっています。患者様に選ばれる理由は、冷凍保存しない生き生きとした強い細胞を使用していることと、国内ではほとんど行われていない幹細胞の脊髄内への直接投与(脊髄腔内ダイレクト注射療法)を行っていることであると考えています。
当院の幹細胞は脂肪由来の幹細胞を用いています。脊髄や脳神経の再生医療では骨髄由来の幹細胞を用いる施設もありますが、今後は脂肪由来の幹細胞治療が主流となっていきます。その理由は、骨髄由来の幹細胞は技術的に生き生きした強い大量の幹細胞を培養することは難しいことと、幹細胞を採取する際、脂肪由来の幹細胞と比べて患者様の身体への負担が大きいからです。
当院では独自の技術による大量の生き生きした強い幹細胞を直接脊髄内へ投与することで、その効果は骨髄由来幹細胞を凌駕すると考えています。また幹細胞投与はリハビリと並行して行うことで幹細胞が損傷した脊髄神経を修復し、より身体機能の回復の効果を高めることができます。さらに嬉しいことに幹細胞の血管内投与では、脊髄梗塞で傷ついた脊髄神経を修復させるだけでなく、今後脊髄梗塞になるかもしれない血管を予防的に修復させ、再発も抑えてくれます。
MRI初見
MRIでは胸腰椎以降部の脊髄内に高輝度変化があり、脊髄梗塞と診断がつきます。
脊髄内に直接幹細胞を3回投与
脊髄内に2500万個細胞ずつ、計3回の投与を計画しました。
1回目の投与後1か月には、
- ・体幹に力が入るようになって歩行時のバランスがよくなった
- ・右足の指が固まっていたのが動くようになった
- ・両足のしびれが半減した
など患者様から喜びの声を聞くことができました。
さらに投与回数を重ねるに従って体幹の筋力は安定してきて、今まで便のコントロールが困難でしたが、肛門括約筋の機能が回復することで便のコントロールも可能となりました。
脊髄梗塞を発症してから間もない時期でリハビリも継続中でありますし、更なる神経の回復もかなり期待できると思われます。
<治療費>
198万円(税込)
<起こりうる副作用>
・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。
・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。
※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。
再生医療医師監修:坂本貞範