半月板損傷が重症!変形性膝関節症もあり 60代女性
公開日:2022.08.15膝を曲げると痛い
この方は、数ヶ月前より正座をするときに膝の痛みが出てきました。その後、階段を降りる時に痛みが出てきて膝の引っかかり感や音が鳴るのが認められ、近くの病院で半月板損傷と診断されました。MRI上ではかなり大きな水平断裂を認めており、治療としては手術しかないとのことでした。なんとか手術しないでいい治療法はないかと調べていたところ、当院を見つけていただき来院されました。
確かにMRI上では大きな水平断裂がありました。歩行には問題ないのですが、階段を降りる時に痛みが生じるのと正座ができないとのことでした。元々膝関節は正座ができるのものですが、数ヶ月膝をかばって曲げておらず、来院時には膝関節の拘縮を起こしておりしっかり曲げることが困難でありました。半月板損傷でロッキングという症状がありますが、これは断裂した半月板が膝の関節に挟まって膝が伸ばせなくなった状態を言います。ロッキングを起こしていた場合は、関節鏡による手術が必要となります。その際に、半月板の損傷が激しくて縫合できない場合は半月板の損傷した部分を除去します。除去すると膝のクッションがなくなるため次に軟骨がすり減ってきます。これを予防する方法として、手術後に幹細胞を投与すると半月板の修復、再生され軟骨のすり減りを予防できます。この方の場合、ロッキング症状がなかったので幹細胞治療で治療することができました。
このように、ロッキング症状がなければ幹細胞による再生医療は適応です。たとえ、関節鏡術を受けたとしても幹細胞を投与することで半月板の再生が可能となり術後成績も良くなるでしょう。
レントゲン所見
MRIでは内側の半月板が白く大きく損傷したところがあります
<治療効果>両膝に幹細胞5000万個2回投与+PRP
当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を投与して3ヶ月以降には痛みは軽快され、膝の可動域訓練の指導のもと膝の曲げ伸ばしもでき階段も痛みがなくなったそうです。膝の引っかかった感じや、音が鳴るのも消失しました。1年後の検査では膝の痛みはほぼなく喜んでおられました。
<治療費>
・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 )
投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個
・PRP治療 16.5万円( 税込 )
<起こりうる副作用>
・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。
・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。
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再生医療医師監修:坂本貞範