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筋肉の衰えとは?原因・症状・改善方法をわかりやすく解説

階段がつらくなった、以前より疲れやすいと感じ、「年齢のせいなのか」「何か病気が隠れているのか」と気になっている方は少なくありません。
筋肉の衰えは加齢だけが原因ではなく、運動不足や栄養不足、病気など複数の要因が重なって起こります。
逆に言えば、原因を把握して適切に対策すれば、進行を抑えたり改善を目指したりできる余地があるということです。
本記事では、筋肉が衰える主な原因と現れる症状、改善・予防の方法、受診の目安までを整理して解説します。
目次
筋肉の衰えは加齢だけでなく生活習慣や病気も関係する
骨格筋量の低下は高齢になってから始まるものではなく、25〜30歳頃から始まり、生涯を通じて進行していくとされています。
※参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「サルコペニア」
つまり筋肉の衰えは誰にでも起こる変化であり、その進み方を左右するのが日々の生活習慣です。
運動量が少ない生活、食事量やたんぱく質の不足、睡眠不足などが重なると、加齢による低下に拍車がかかります。
さらに、糖尿病や神経の病気などが背景にあると、短期間で筋力が落ちることもあります。
「年のせい」と決めつけずに原因を切り分けることが、対策の第一歩になります。
筋肉が衰える主な原因
筋力低下につながる代表的な原因は、次の4つです。
ここでは、それぞれの特徴を解説します。
加齢による筋肉量の減少(サルコペニア)
加齢に伴って骨格筋量と筋力が低下した状態は、サルコペニアと呼ばれます。
とくに立ち上がりや歩行を支える太ももやお尻の筋肉が落ちやすく、放置すると歩行が困難になることもあります。
主な要因は加齢ですが、活動不足や病気、栄養不良も危険因子として関与します。
運動不足・長期間の安静
筋肉は使わない期間が続くと、比較的短期間で量が減っていきます。
入院やけがによる安静、在宅勤務で座っている時間が長い生活などは、いずれも筋力低下の原因になります。
とくに高齢の方では、数日の寝込みをきっかけに歩行能力が落ちてしまうことも珍しくありません。
栄養不足・たんぱく質不足
筋肉の材料となるたんぱく質が不足すると、運動していても筋肉量を保ちにくくなります。
また、全体のエネルギー量が足りないと、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。
ビタミンDの不足も筋力の維持に影響するため、食事全体のバランスが重要です。
病気や薬の影響
糖尿病や慢性腎臓病、甲状腺の病気、神経や筋肉の疾患などは、筋力低下を引き起こすことがあります。
また、ステロイド薬を長期間使用している場合にも筋肉が減少しやすくなります。
ただし、薬は自己判断で中止せず、必ず処方医に相談してください。
筋肉の衰えでみられる症状
筋力低下は、日常のちょっとした動作の変化として現れます。
- 階段の上り下りがつらい、手すりが必要になった
- 平らな場所でつまずきやすくなった
- 椅子から立ち上がるのに手をつくようになった
- ペットボトルのふたが開けにくい
- 歩く速度が遅くなり、横断歩道を渡りきれない
- 疲れやすく、外出がおっくうになった
これらが積み重なると活動量がさらに減り、筋力低下が進むという悪循環に陥りやすくなります。
心当たりがある段階で対策を始めることが、生活の質を守るうえで大切です。
筋肉の衰えを改善・予防する方法
筋力の維持には、運動と栄養の両方を組み合わせることが欠かせません。
運動では、スクワットやかかと上げなど筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動が中心となり、ウォーキングなどの有酸素運動を併せると全身の機能維持につながります。
栄養面では、適正体重1kgあたり1日1.0g以上のたんぱく質摂取が、サルコペニアの発症予防に有効な可能性があるとされています。
※参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「サルコペニア」
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を毎食に少しずつ取り入れると、無理なく量を確保できます。
あわせて十分な睡眠をとり、禁煙や節酒を心がけることも筋肉の回復を助けます。
病院を受診したほうがよいケース
次のような場合は、病気が原因の筋力低下である可能性があります。
- 数週間から数か月で急激に筋力が落ちた
- 手足のしびれや麻痺を伴う
- 片側だけに力が入りにくい
- 意図しない体重減少がある
- 飲み込みにくさや話しにくさを伴う
- 転倒を繰り返している
とくに左右どちらか一方だけの筋力低下や、しびれ・麻痺を伴う場合は神経の病気が疑われます。
筋力低下や歩行の不安が中心なら整形外科やリハビリテーション科、しびれや麻痺があれば脳神経内科、持病がある場合は内科と、症状に応じて相談先を選びましょう。
検査・診断方法
医療機関では、問診と身体診察に加えて、筋力と身体機能、筋肉量の3つの側面から評価が行われます。
| 検査 | 確認する内容 |
|---|---|
| 握力測定 | 全身の筋力の目安を簡便に把握する |
| 歩行速度・立ち上がりテスト | 身体機能が保たれているかを評価する |
| 骨格筋量測定(BIA法・DXA法) | 体内の筋肉量を数値で測定する |
| 血液検査 | 栄養状態や糖尿病・甲状腺疾患などの有無を確認する |
サルコペニアは、筋肉量の低下に加えて筋力または身体機能の低下がある場合に判断されます。
測定装置がない施設では、下腿のふくらはぎ周囲長や簡易な質問票でスクリーニングを行うこともあります。
損なわれた組織・臓器の機能改善を目指す再生医療という選択肢
筋肉の衰えに対する標準的な対応は、運動療法と栄養療法です。
加齢に伴う筋力低下やサルコペニアに対して確立された再生医療はなく、筋肉を増やす治療として提供されているものではありません。
一方で、筋の再生や神経・筋疾患を対象とした幹細胞治療の研究は進められており、今後の発展が期待される領域です。
再生医療は、患者様ご自身の幹細胞や血液成分を用いて、損傷した組織の修復をサポートすることを目指す治療法です。
現時点では適応が限られるため、まずは運動と栄養を軸とした対策を継続し、気になる症状があれば医療機関で原因を確かめることが優先されます。
まとめ|筋肉の衰えは早めの対策で進行を抑えられる
筋肉の衰えは25〜30歳頃から少しずつ始まり、運動不足や栄養不足、病気が重なることで進行が早まります。
階段がつらい、つまずきやすい、立ち上がりに手をつくといった変化は、対策を始めるサインと考えてよいでしょう。
レジスタンス運動と十分なたんぱく質摂取を組み合わせ、睡眠や生活習慣を整えることが、進行を抑える基本となります。
一方で、急激な筋力低下やしびれ・麻痺、意図しない体重減少を伴う場合は、病気が隠れている可能性があるため早めに医療機関を受診してください。
年齢を重ねてからでも、運動と栄養への取り組みによって機能の改善が期待できる点は、多くの方に知っていただきたいところです。
なお、関節や神経領域の再生医療に関心のある方は、当院(リペアセルクリニック)公式LINEの情報も参考にしてください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
























