- 腰
- その他
トラムセットが腰痛に効かないのはなぜ?考えられる理由と対処法を解説

トラムセットは、トラマドールとアセトアミノフェンを配合した鎮痛薬で、消炎鎮痛薬だけでは抑えきれない慢性的な痛みに用いられます。
しかし、処方どおりに服用しても腰痛が十分に軽くならないことがあります。
その多くは「薬が弱いから」ではなく、腰痛の原因と薬の作用が合っていない可能性が考えられます。
本記事では、トラムセットが腰痛に効かない理由や対処法、次に検討される治療、早めに受診すべき症状について解説します。
薬を飲み続けるべきか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、近年の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す治療で、糖尿病網膜症の症状改善も期待できます。
当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料相談を実施しております。ぜひお問い合わせください。
目次
トラムセットを飲んでも腰痛に効かないことはある
トラムセットを服用しても、腰痛が十分に軽減しないケースはあります。
トラムセットは、弱オピオイド鎮痛薬のトラマドールと解熱鎮痛成分のアセトアミノフェンを組み合わせた配合薬です。
脳や脊髄に作用して痛みの伝達を抑えるため、非オピオイド鎮痛薬だけでは効果が不十分な非がん性慢性疼痛などに使用されます。
ただし、腰痛の原因や痛みの性質によって効果の現れ方は大きく異なります。
効果を感じられないからといって、薬が合っていないと即断する必要はありません。
まずは、なぜ効きにくいのかという理由を整理していきましょう。
トラムセットが腰痛に効かない主な理由
トラムセットが腰痛に効きにくい背景には、いくつかの要因が考えられます。
ここでは、代表的な3つの理由について解説します。
腰痛の原因と薬の作用が合っていない
腰痛と一口にいっても、痛みが生じる仕組みは一つではありません。
筋肉や関節の炎症による痛みもあれば、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のように神経が圧迫されて生じる神経障害性疼痛もあります。
神経障害性疼痛は、ピリピリ・ジンジンとしたしびれや、電気が走るような痛みとして感じられるのが特徴です。
こうした神経由来の痛みに対しては、一般的な鎮痛薬の効果が届きにくいとされています。
そのため、腰の痛みよりも足のしびれが強い場合などは、トラムセットだけでは十分な改善が得られないケースがあります。
痛みの性質が変わってきたと感じる場合は、その内容を医師に伝えることが大切です。
痛みの原因となる病気が進行している
腰椎の疾患が進行し、神経への圧迫や炎症が強くなっている場合も、鎮痛薬だけでは対応が難しくなります。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症では、神経が圧迫され続けることで痛みやしびれが強まっていきます。
この状態では、痛みの信号を抑えるだけでは根本の負担が取り除かれないため、効果を感じにくくなります。
とくに以下のような変化がある場合は、原因の再評価が必要です。
- 以前より痛みが強くなっている
- 足のしびれる範囲が広がってきた
- 長く歩くと足が重くなり、休むと楽になる
- これまでなかった症状が加わった
薬の効果だけを見るのではなく、症状そのものの変化に目を向けましょう。
薬の効果だけでは改善しにくい慢性腰痛になっている
痛みが長期化した慢性腰痛では、身体的な原因だけが痛みを決めているわけではありません。
痛みを避けて動かない状態が続くことによる筋力低下や、活動量の減少、睡眠不足なども痛みに影響します。
また、不安やストレスといった心理社会的な要因が、痛みの感じ方を強めることも知られています。
こうした場合は、薬物療法だけで完結させるのではなく、運動療法やリハビリを組み合わせることが必要になります。
「薬で痛みを抑えてから動く」という考え方だけでは、改善が停滞してしまうこともあります。
トラムセットが効かないときに自己判断で増量してはいけない
効果が乏しいと感じても、自己判断で服用量や回数を増やすことは避けてください。
増量によって生じるリスクは、以下のとおりです。
- トラマドールによる眠気、吐き気、便秘などの副作用が強まる
- 長期の過量服用により依存や離脱症状のリスクが高まる
- アセトアミノフェンの過量摂取により肝障害が起こる可能性がある
- 市販の風邪薬や解熱鎮痛薬との併用で、アセトアミノフェンが重複するおそれがある
とくにアセトアミノフェンは、複数の薬に含まれていることが多い成分です。
「痛いから市販薬も足す」という対応は、知らないうちに上限量を超えてしまう危険があります。
効かないと感じたときは、まず処方どおりに服用したうえで、その状況を医師に伝えることが基本です。
逆に、副作用がつらいからと自己判断で急に中止することも避けましょう。
トラムセットが効かない腰痛で検討される治療
腰痛の原因や症状に応じて、薬の見直しやリハビリなど別のアプローチが検討されます。
ここでは、2つの方向性について解説します。
痛みの種類に合わせて薬を見直す
神経障害性疼痛が疑われる場合には、プレガバリンやミロガバリンなど、神経の興奮を抑える薬が検討されることがあります。
これらは、しびれや電気が走るような痛みに対して用いられる薬です。
一方、炎症が主体の痛みには消炎鎮痛薬、筋肉の緊張が強い場合には筋弛緩薬が選択されることもあります。
また、強い痛みが続く場合には、神経ブロック注射が検討されるケースもあります。
薬の変更や併用は、腎機能や肝機能、ほかの薬との兼ね合いを踏まえて医師が判断するものです。
家族や知人の薬を試したり、以前処方された薬を自己判断で飲んだりすることは絶対に避けてください。
運動療法・リハビリなどを組み合わせる
慢性腰痛では、症状に合わせた運動療法やリハビリを薬物療法と組み合わせることが有効とされています。
具体的には、体幹を支える筋肉のトレーニング、ストレッチ、日常動作の見直しなどが行われます。
注意したいのは、痛いからといって安静にし続けることが必ずしも適切とは限らない点です。
動かない期間が長引くと筋力が落ち、かえって腰への負担が増してしまう場合があります。
ただし、症状によっては安静が必要な時期もあるため、自己流ではなく医師や理学療法士の指導のもとで進めましょう。
あわせて、腰に負担のかかる姿勢や作業環境を見直すことも改善につながります。
トラムセットを飲んでも腰痛が続く場合は原因を再検査する
処方どおり服用しても痛みが改善しない場合は、腰痛の原因そのものを検討する必要があります。
とくに、以前より痛みが強くなった、足の痛みやしびれが増えたといった変化がある場合は、早めに受診しましょう。
診察では、痛みの部位や性質の確認に加え、神経の状態を調べる検査が行われます。
必要に応じて、レントゲンやMRIなどの画像検査によって椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の有無が確認されます。
受診の際は、いつから・どのように痛むのか、どの動作でつらいのかを整理して伝えると診断の助けになります。
薬の効果だけを判断材料にせず、原因を明らかにすることが改善への近道です。
足の麻痺や排尿・排便障害がある場合は早めに受診する
以下の症状がある場合は、神経が強く圧迫されている可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
- 足に力が入りにくい、つまずきやすくなった
- しびれが急速に広がっている
- お尻や股のまわり(会陰部)の感覚が鈍い
- 尿が出にくい、または漏れてしまう
- 便をコントロールできない
- 突然の激痛で身動きが取れない
- 発熱を伴う腰痛がある
とくに排尿・排便の障害は、神経の束が強く圧迫されているサインである可能性があります。
対応が遅れると症状が残るおそれもあるため、「次の受診まで様子を見よう」と判断しないでください。
また、発熱を伴う腰痛は感染症などが背景にある場合もあるため、その日のうちに相談しましょう。
トラムセットが腰痛に効かない場合は原因と治療を見直そう
トラムセットが効かないと感じたとき、必要なのは薬の量を増やすことではなく、腰痛の原因や痛みのタイプを見直すことです。
神経由来の痛みなのか、炎症や筋肉によるものなのかによって、適した薬や治療は変わります。
自己判断での増量は副作用や肝障害のリスクにつながるため、処方どおりに服用したうえで医師へ相談しましょう。
一方で、薬物療法やリハビリを続けても痛みやしびれが長引く場合には、治療の選択肢を広げて検討する必要があります。
リペアセルクリニックでは、椎間板ヘルニアなどによる慢性的な痛みに対する再生医療についてもご紹介していますので、保存療法を続けても改善しない腰痛でお悩みの方は参考にしてください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設


























