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慢性腰痛に使われる薬とは?市販薬・処方薬の種類や効果を解説

長引く腰痛のために薬を使い続けているものの、「思ったほど効かない」「このまま飲み続けて大丈夫なのか」と不安を感じている方は少なくありません。
慢性腰痛の薬は、痛みの原因や性質に応じて使い分けられるため、同じ腰痛でも処方される薬は人によって異なります。
また薬はあくまで痛みを和らげる対症療法であり、運動療法や生活習慣の見直しと組み合わせることが基本となります。
本記事では、慢性腰痛に使われる処方薬と市販薬の違い、服用時の注意点、薬以外の治療法までを整理して解説します。
目次
慢性腰痛の薬は原因や症状に合わせて選択される
腰痛は発症からの期間で分類され、3か月以上続くものが慢性腰痛とされています。
また、画像検査や神経学的な検査で原因を特定できない「非特異的腰痛」が腰痛全体の80〜90%を占めると報告されています。
※参照:Mindsガイドラインライブラリ「腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)」
薬の選択で重要になるのは、痛みがどのような性質を持っているかという点です。
| 痛みの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 侵害受容性疼痛 | 筋肉や関節の炎症による痛み ・動かすと痛む、押すと痛む |
| 神経障害性疼痛 | 神経の圧迫や損傷による痛み ・ビリビリ、電気が走るような感覚 |
| 痛覚変調性疼痛 | 痛みを感じる仕組み自体が過敏になった状態 ・ストレスや不安が影響しやすい |
これらは単独ではなく重なって現れることも多く、医師は問診と検査結果を踏まえて薬を組み合わせていきます。
慢性腰痛に使われる主な処方薬
慢性腰痛では、痛みの性質に応じて複数の系統の薬が使い分けられます。
ここでは、代表的な2つのグループに分けて解説します。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
NSAIDsは炎症を抑えることで痛みを和らげる薬で、ロキソプロフェンやセレコキシブなどが代表的です。
炎症を伴う痛みに対して効果が期待でき、内服薬だけでなく貼り薬や塗り薬としても用いられます。
ただし、長期の服用では胃腸障害や腎機能への影響に注意が必要で、胃薬を併用する場合もあります。
高齢の方や腎機能に不安のある方、胃潰瘍の既往がある方では慎重に判断されるため、必ず医師の指示に従って使用してください。
アセトアミノフェン・オピオイド・神経障害性疼痛治療薬
NSAIDs以外にも、痛みの性質や患者様の状態に応じて次のような薬が選択されます。
| 薬の種類 | 特徴 |
|---|---|
| アセトアミノフェン | 比較的胃腸への負担が少なく、幅広い年齢で使いやすい |
| トラマドールなどの弱オピオイド | 他の鎮痛薬で効果が不十分な場合に検討される ・吐き気や眠気、便秘が出やすい |
| プレガバリン・ミロガバリン | 神経の圧迫による痛みやしびれが疑われる場合に用いられる ・眠気やふらつきに注意 |
| デュロキセチン(SNRI) | 脳の痛みを抑える働きに作用し、慢性化した腰痛に用いられる |
同じ「腰痛の薬」でも作用の仕組みは大きく異なるため、効きが悪いと感じたときは種類の変更が検討されることもあります。
市販薬でも改善できる?
軽度の腰痛であれば、市販の鎮痛薬や湿布・塗り薬が痛みの緩和に役立つ場合があります。
市販の内服薬にはNSAIDsやアセトアミノフェンを含むものが多く、外用薬は全身への影響が少ない点が利点です。
ただし市販薬は原因を特定しないまま使うことになるため、長期間にわたって自己判断で使い続けることは避けてください。
2週間以上使っても改善しない場合や、しびれを伴う場合は、市販薬を続けるより医療機関で原因を確かめたほうが結果的に早い改善につながります。
薬を飲み続けても治らない場合は?
薬は痛みを抑える助けになりますが、薬だけで慢性腰痛を根本的に改善することは難しいとされています。
慢性腰痛では運動療法や認知行動療法の有用性が示されており、薬で痛みを抑えている間に体を動かせる状態を取り戻していく考え方が基本です。
- 運動療法(ストレッチ・体幹トレーニング・ウォーキング)
- 認知行動療法(痛みへの不安や回避行動へのアプローチ)
- 生活習慣の見直し(姿勢・体重管理・睡眠)
- 神経ブロックなどのインターベンション治療
- 装具療法や物理療法
「痛いから動かない」という状態が続くと筋力や柔軟性が低下し、かえって痛みが長引きやすくなります。
薬を飲んでも変化がないときは、薬を増やす前に治療方針そのものを見直すことが大切です。
慢性腰痛の薬を服用するときの注意点
薬を安全に使い続けるために、自己判断で量を増やしたり中止したりしないことがもっとも重要です。
痛みが強い日に自己判断で追加して飲む、逆に効かないと感じて急に止めるといった使い方は、副作用や症状の悪化につながる可能性があります。
また、市販薬と処方薬に同じ成分が含まれていると、意図せず過剰摂取になることもあるため、併用前に必ず薬剤師へ確認してください。
高齢の方や、腎臓・肝臓・胃腸の持病がある方、他の疾患で複数の薬を服用している方は、とくに慎重な調整が必要です。
眠気やふらつきが出る薬もあるため、車の運転や高所作業を行う方は処方時にその点も伝えておきましょう。
病院を受診する目安
次のような場合は、早めに整形外科を受診してください。
- 腰痛が3か月以上続いている
- 足のしびれや力の入りにくさを伴う
- 発熱を伴う腰痛がある
- 安静にしていても痛みが強い、夜間に痛みで眠れない
- 体重が急に減った
- 排尿・排便に異常がある(緊急性が高い)
とくに排尿・排便の障害を伴う場合は馬尾症候群などの可能性があり、速やかな対応が必要です。
受診時には、痛みの部位や強さの変化、これまで使った薬とその効果をメモして伝えると、方針の見直しがスムーズになります。
損なわれた組織・臓器の機能改善を目指す再生医療という選択肢
慢性腰痛の標準的な治療は、薬物療法と運動療法を軸とした保存療法です。
慢性腰痛全般に対して確立された再生医療は存在せず、腰痛のある方すべてが対象になる治療ではありません。
一方で、椎間板の変性が痛みの原因と考えられる椎間板性腰痛や、椎間板ヘルニアによる慢性的な痛みやしびれに対しては、PRP療法や幹細胞治療といった再生医療の研究と臨床が進められています。
再生医療は、患者様ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞や血液成分を用いて、損傷した組織の修復をサポートすることを目指す治療法です。
ただし適応は原因や画像所見によって限られるため、まずは整形外科で原因を明確にしたうえで、再生医療に精通した医師から十分な説明を受けることが前提となります。
まとめ|慢性腰痛の薬は症状に応じて適切に使うことが大切
慢性腰痛の薬は、炎症による痛みか神経由来の痛みかといった性質に応じて選択され、同じ腰痛でも処方内容は人によって異なります。
薬は痛みを和らげる対症療法であるため、運動療法や生活習慣の見直しと組み合わせることが長期的な改善につながります。
効き方に不満があるときも、自己判断で量を変えたり中止したりせず、処方医に経過を伝えて方針を相談してください。
3か月以上痛みが続く場合や、しびれ・発熱・排尿排便の異常を伴う場合は、原因を確かめるために整形外科を受診しましょう。
また、椎間板の変性やヘルニアによる慢性的な痛みに対しては、再生医療が選択肢の一つとなる可能性があります。
脊椎領域の再生医療について詳しい内容は当院(リペアセルクリニック)公式LINEでもご紹介していますので、保存療法を続けても改善しない腰痛でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設


























