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大腿骨頭壊死になったらやってはいけないことは?悪化を防ぐ生活のポイントを解説

大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)とは、太ももの付け根にある大腿骨頭への血流が低下し、骨の組織が壊死してしまう疾患です。
壊死した骨は弱くなっているため、体重や衝撃などの負荷がかかると骨頭が潰れ、強い痛みや関節の変形につながります。
一方で、股関節への負担を減らす生活を心がけることで、進行を抑えながら股関節の機能を維持できる可能性があります。
本記事では、大腿骨頭壊死になったらやってはいけないことや、日常生活の注意点、運動・食事のポイント、治療の選択肢について解説します。
診断を受けて不安を感じている患者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
大腿骨頭壊死では股関節に負担をかける行動を避けることが重要
大腿骨頭壊死では、股関節に過度な負担をかける行動を避けることが進行予防の基本です。
大腿骨頭壊死は、骨頭への血流障害によって骨組織が壊死し、骨がもろくなっている状態です。
壊死そのものはすぐに痛みを引き起こしませんが、弱くなった骨頭に体重や衝撃が繰り返し加わると、骨頭が潰れる「圧潰(あっかい)」が起こり、痛みや関節変形が進行するとされています。
※参照:難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」
とくに初期から中期にかけては、日常生活での過ごし方が予後を左右するといわれています。
だからこそ、避けるべき行動を正しく理解し、股関節をいたわる生活習慣を身につけることが大切です。
大腿骨頭壊死でやってはいけないこと
大腿骨頭壊死でやってはいけないことは、股関節に強い負荷をかける運動と、痛みを我慢して負担をかけ続ける生活です。
ここでは、避けるべき2つの行動とその理由を解説します。
股関節に強い衝撃が加わる運動
長距離のランニングやジャンプ動作など、股関節に強い衝撃が加わる運動は避けましょう。
壊死によって弱くなった骨頭に着地の衝撃が繰り返し加わると、圧潰が進行しやすくなるためです。
具体的には、以下のような運動が挙げられます。
- 長距離のランニング・ダッシュ
- バスケットボールやバレーボールなどジャンプを伴うスポーツ
- サッカーなど急な方向転換の多い競技
- 重いバーベルを担ぐスクワットなどの高負荷トレーニング
運動の可否は壊死の範囲や進行度によって異なるため、続けたいスポーツがある場合は自己判断せず、主治医に確認しましょう。
痛みを我慢した日常生活・仕事
股関節の痛みを我慢しながら歩き続けたり、重い荷物を持つ作業を続けたりすることも避けるべき行動です。
痛みは骨頭に負担がかかっているサインであり、無理を重ねると圧潰や関節変形の進行を早めるおそれがあります。
立ち仕事や運搬作業が多い患者様は、業務内容の調整や休憩の確保について職場と相談することも検討しましょう。
また、自己判断で治療や通院を中断しないことも重要です。
痛みが一時的に軽くなっても壊死自体が改善したとは限らず、受診を中断すると進行に気づくのが遅れる可能性があります。
日常生活で気を付けたいポイント
日常生活では、股関節への荷重をできるだけ減らす工夫が大切です。
具体的には、以下のようなポイントを意識してみましょう。
- 大股で急いで歩かず、ゆっくりと小さな歩幅で歩く
- 杖を使って患側の股関節にかかる体重を分散する
- 階段では手すりを活用し、昇降の回数自体を減らす
- 長時間の立ち仕事や連続歩行を避け、こまめに座って休む
- 和式トイレや床への正座など、深くしゃがむ動作を減らす
また、体重が増えるほど股関節への荷重も大きくなるため、適正体重の維持も進行予防につながります。
肥満傾向のある患者様は、食事内容の見直しと負担の少ない運動を組み合わせて、少しずつ減量に取り組みましょう。
やったほうがよい運動はある?
大腿骨頭壊死と診断されても、運動を完全にやめる必要はありません。
体を動かさない期間が長くなると、股関節周囲の筋力が落ちて関節を支える力が弱まり、かえって負担が増えることもあるためです。
医師や理学療法士の指導のもとで行う、以下のような負担の少ない運動が推奨されます。
- 股関節周囲の無理のないストレッチ
- 仰向けや横向きで行う股関節周囲の筋力トレーニング
- 浮力で荷重が軽減される水中歩行
- サドルに体重を預けられる自転車こぎ(エルゴメーター)
一方で、自己流の筋トレは負荷のかけ方を誤ると圧潰を進行させるおそれがあるため避けましょう。
運動の種類や強度は進行度によって適切な範囲が異なるので、必ず主治医や理学療法士に相談してから始めることが大切です。
食事や生活習慣で見直したいこと
食事や生活習慣の見直しも、大腿骨頭壊死と向き合ううえで欠かせないポイントです。
大腿骨頭壊死の危険因子として、ステロイド投与やアルコール、喫煙が関連していることがわかってきています。
※参照:難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」
飲酒習慣が背景にある患者様は、禁酒または節酒に取り組みましょう。
一方で、ステロイドを使用中の患者様が自己判断で薬を中止するのは危険です。
ステロイドは膠原病などの原疾患の治療に必要な薬であり、急に中断すると体調の悪化を招くおそれがあるため、必ず処方医に相談してください。
あわせて、骨の健康維持に必要なカルシウム・ビタミンD・たんぱく質をバランスよくとること、血流に悪影響を及ぼす喫煙を控えることも意識しましょう。
手術が必要になるケース
保存療法を続けても痛みが改善しない場合や、骨頭の圧潰・関節変形が進行した場合には、手術が検討されます。
代表的な手術には、以下の2つがあります。
| 手術方法 | 概要 |
|---|---|
| 骨切り術 | 骨の向きを変えて壊死していない部分で体重を支えるようにする手術 ・自分の関節を温存できる ・比較的若い患者様で検討されやすい |
| 人工股関節置換術 | 傷んだ股関節を人工関節に置き換える手術 ・痛みの軽減が期待できる ・変形が進行したケースで検討される |
症状が悪化してからでは選べる治療の幅が狭まる可能性があるため、痛みが強くなくても定期的に受診し、レントゲンやMRIなどの画像検査で進行度を確認しておくことが重要です。
股関節機能改善を目指す再生医療という選択肢
初期の大腿骨頭壊死に対しては、再生医療という選択肢もあります。
再生医療は、患者様ご自身の脂肪から採取・培養した幹細胞を投与し、損傷した股関節組織の修復・再生を目指す治療法です。
血液中の血小板を活用するPRP療法とあわせて、股関節の痛みに対する治療として研究・実施が進められています。
保存療法が痛みを和らげる対症的な位置づけであるのに対し、再生医療は人が本来持つ組織を修復する力を活用して、股関節機能の維持・改善を目指す点が特徴です。
手術のように骨を切ったり人工関節に置き換えたりせず、入院を必要としない治療である点も選ばれている理由の一つです。
適応となるかは壊死の範囲や進行度によって異なるため、まずは再生医療に精通した医師に相談してみましょう。
リペアセルクリニックでは、股関節疾患に対する幹細胞治療を行っており、公式サイトで治療内容や症例を紹介しています。
詳しくは股関節の再生医療についてをご覧ください。
まとめ|無理をしない生活が股関節を守る
大腿骨頭壊死は、弱くなった骨頭に負担が集中することで圧潰や変形が進む疾患であり、痛みを我慢した運動や作業の継続は避けるべき行動です。
杖や手すりの活用、適正体重の維持など日常の工夫を重ねることが、進行予防につながります。
あわせて、自覚症状が落ち着いていても定期的な受診と画像検査を続け、進行度に応じた治療を主治医と相談していくことが大切です。
一方で、保存療法を続けても痛みが改善しない場合や、手術には抵抗があるという場合には、再生医療も選択肢の一つとなります。
再生医療は、患者様ご自身の幹細胞を活用して、股関節機能の維持・改善を目指す治療法です。
大腿骨頭壊死に対する再生医療の詳しい内容は、リペアセルクリニックの公式サイトでもご紹介していますので、手術はできるだけ避けたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師

























