- 再生治療
肝硬変で食べてはいけないものとは?症状別のNG食品と食事で気をつけることを解説

肝硬変と診断されると、「食生活を見直す必要があるのか」「食べてはいけないものがないか」と不安を感じる方は少なくありません。
肝臓は一度硬くなってしまうと元の状態に戻すことが難しいため、残された肝機能を守るための食事管理が重要となります。
良かれと思って食べていた健康的な食材が、実は弱った肝臓に大きな負担をかけ、合併症を引き起こす原因になってしまうケースも珍しくありません。
本記事では、肝硬変の方が避けるべき具体的な食べ物と、肝機能を守るための食事ポイントを分かりやすく解説します。
正しい知識を身につけ、無理なく続けられる肝臓に優しい食生活をスタートさせましょう。
なお、近年の肝硬変治療では、自己細胞を用いて損傷した肝細胞の再生・修復を促す「再生医療」が注目されています。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報を配信しております。併せてご覧ください。
目次
肝硬変の人が食べてはいけないもの・飲み物
肝硬変と診断された場合、肝臓へのさらなる負担や合併症を防ぐために、避けるべき特定の飲食物があります。
本章では、具体的に注意すべき食品として、以下の3つを解説します。
肝臓の機能が低下している状態では、健康なときには問題にならない食品でも、深刻なトラブルを引き起こすリスクがあります。
それぞれの具体的な理由について詳しく見ていきましょう。
生もの(刺身、生卵など)
肝硬変の患者さまは免疫力が著しく低下しているため、刺身や生卵などの加熱されていない生ものは避けるべきです。
健康な状態であれば腸内で処理できる細菌やウイルスも、肝機能が落ちていると血液を通じて全身に回りやすくなります。
その結果、健康な方よりも食中毒や感染症を引き起こすリスクが高まってしまいます。
肉や魚、卵などを食事に取り入れる際は、必ず中心部までしっかりと火を通すように徹底しましょう。
塩分の多い食品・料理
腹水や浮腫(むくみ)といった合併症を防ぐため、塩分の多い食品や料理は厳しく控えることが重要です。
肝臓の働きが低下すると、体内の水分や塩分のバランスを正常に調整する機能が鈍くなってしまいます。
漬物や加工肉、インスタント食品などは塩分が多く含まれているため、日常的な摂取は避けましょう。
出汁の旨味やレモンなどの酸味、香辛料を上手に効かせ、無理なく減塩できるような工夫を取り入れることが大切です。
アルコール
肝臓への直接的なダメージを避けるため、種類に関わらずアルコール類の摂取は避けるべきです。
体内に入ったアルコールの解毒は肝臓で行われますが、肝硬変の状態で飲酒すると、弱った肝臓をさらに破壊してしまいます。
たとえ少量であっても症状を急激に悪化させ、命に関わる深刻な事態を招きかねません。
これまでお酒を飲む習慣があった方も、治療中は完全に禁酒し、肝臓をしっかりと休ませることを優先してください。
肝硬変の症状別にみる避けるべき食事
肝硬変が進行するとさまざまな合併症が現れることがあり、症状によって食事制限の内容も異なるため、ご自身の症状に合わせた食事管理が重要です。
本章では、肝硬変の代表的な症状別に、注意すべき食事内容を解説します。
以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
腹水・浮腫(むくみ)がある場合
腹水や全身のむくみがある場合は、体内の水分バランスが崩れている状態です。
この症状がある方は、塩分摂取量を1日5〜7g(※)に制限する必要があります。
※参照:日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)」2020年発行
- 醤油、味噌、塩などの調味料を減らす
- 加工食品、インスタント食品、漬物などの高塩分食品を避ける
- だしを効かせた薄味料理を心がける
- 医師の指示があれば水分制限・タンパク質制限も行う
腹水・むくみがある場合は、塩分を控えるだけでなく、水分やタンパク質も適量に抑える必要があるケースもあります。
医師や栄養士と相談しながら、塩分と水分、タンパク質の摂取量を調整しましょう。
肝性脳症がある場合
肝性脳症は、肝機能の低下によって血液中のアンモニア濃度が上昇し、脳機能に影響を及ぼす状態です。
アンモニアの主な発生源は食事から摂取するタンパク質なので、この症状がある方はタンパク質の摂取量に注意が必要です。
- タンパク質の摂取量を制限する(医師の指示に従う)
- 動物性タンパク質(肉、魚、卵、乳製品など)の摂取をとくに控える
- 植物性タンパク質(豆腐、納豆など)を中心に摂る
- 便秘を防ぐために食物繊維を適量摂取する
- 医師の指示があればBCAA(分岐鎖アミノ酸)製剤を利用する
肝性脳症の症状がある場合は、医師の指示のもとで適切なタンパク質制限を行いましょう。
しかしタンパク質が不足すると栄養状態が悪化する恐れもあるため、自己判断での過度な制限は避けてください。
食道静脈瘤がある場合
食道静脈瘤は食道の血管が瘤状に膨らんだ状態で、破裂すると命に関わる出血を引き起こす危険があります。
この症状がある方は食事の内容と食べ方に注意が必要です。
- 硬い食品(せんべい、ナッツ、固いパンなど)を避ける
- 刺激物(香辛料、酸味の強い食品、熱い食べ物など)を控える
- 柔らかく調理した食品を選ぶ(茶碗蒸し、うどん、お粥など)
- 小さく切って、よく噛んでゆっくり食べる
- アルコールは絶対に避ける
食道静脈瘤がある場合は、食道を傷つけるのを防ぐため、やわらかい食品を中心によく噛んで食べましょう。
大きな塊を飲み込まないように注意してください。
肝硬変の人が積極的に摂りたい栄養素と食品
肝硬変の人が積極的に摂りたい栄養素とその食品を以下にまとめました。
| 栄養素 | 目的・効果 | 主な食品例 |
|---|---|---|
| 分岐鎖アミノ酸(BCAA) | 筋肉量の維持、代謝の補助 | BCAA製剤(リーバクトなど)、大豆製品、乳製品 |
| 良質なたんぱく質(適量) | 肝機能の維持、体力の回復 | 豆腐、納豆、白身魚、鶏ささみ、牛乳 |
| ビタミンB群 | エネルギー代謝、神経機能の維持 | 玄米、卵、大豆、緑黄色野菜 |
| ビタミンC・E(抗酸化ビタミン) | 肝細胞の保護、酸化ストレスの軽減 | ブロッコリー、パプリカ、キウイ、ほうれん草 |
| 食物繊維 | 便通改善、腸内環境の整備 | 野菜(煮物など)、きのこ、海藻 |
| エネルギー源(糖質・脂質) | エネルギー確保、低栄養の予防 | ごはん、うどん、植物油、間食(ゼリーなど) |
これらの栄養素や食品は、医師や管理栄養士の指導の下で、病状に応じて適切に取り入れることが大切です。
バランスよくこれらの栄養素を取り入れることで、肝硬変による栄養障害を予防・改善しやすくなります。
肝硬変の人が食事で気を付けること
肝硬変になると、肝機能の低下によって栄養の吸収・代謝バランスが崩れやすくなるため、日々の食事管理が病状の進行抑制や合併症の予防の効果につながる可能性があります。
以下のポイントに注意しましょう。
- 塩分(ナトリウム)の制限
- 適切なたんぱく質の摂取
- 十分なエネルギー補給
- 禁酒
食事療法は、医師・管理栄養士の指導のもとで個々の病状や体格に応じて調整することが重要です。
自己判断で制限しすぎると、かえって体調を崩す恐れもあるため注意しましょう。
肝硬変の人が食べてはいけないものに関するよくある質問
毎日の食事制限が欠かせない肝硬変の治療では、具体的な食材選びや間食の可否について多くの疑問が寄せられます。
本章では、肝硬変で食べてはいけないものに関するよくある質問に回答します。
以下でそれぞれの疑問について詳しく見ていきましょう。
肝臓に悪い食べ物は?
肝臓に負担をかける食べ物として、脂質の多い肉類や加工食品、糖分や食品添加物を多く含む食品などが挙げられます。
肝機能が低下している状態では、脂質や糖質の代謝がスムーズに行われず、肝臓に脂肪が蓄積しやすくなります。
そのため、脂身の多いバラ肉やベーコン、バターをたっぷり使った洋菓子などの過剰な摂取は避けた方が無難です。
また、インスタント食品など添加物が多い食べ物も、肝臓の解毒作用に余計な負担をかける原因となるため控えましょう。
肝硬変でも食べていいお菓子はある?
肝硬変の患者さまは、不足しがちなエネルギーを手軽に補えるため、脂質や塩分が少なくて消化に良いお菓子(おやつ)であれば食べても問題ない場合があります。
スナック菓子や菓子パンなどは避けるべきですが、食事の間に軽い間食を取り入れることが有効なケースもゼロではありません。
肝硬変を治療中の方が食べていいお菓子(おやつ)の例として、以下のものが挙げられます。
- ゼリーやプリン
- ヨーグルト
- 果物
- 小さなおにぎり
など
ただし、糖尿病などの合併症がある場合や、症状の進行度合いによって食事制限のルールが異なります。
自己判断で選ぶことは避け、必ず主治医や管理栄養士に相談したうえで間食を楽しむようにしてください。
肝硬変で食べてはいけないものを正しく理解し、食生活を改善しよう
肝硬変の方の食事管理は、病状の進行を抑える重要な治療の一つです。
アルコール類は完全に避け、症状に応じて塩分や動物性タンパク質の摂取量を調整する必要があります。
腹水・むくみがある方は塩分制限を、肝性脳症の方はタンパク質制限を、食道静脈瘤の方は刺激物や硬い食品を避けるなど、合併症に応じた食事調整が重要です。
また、良質なタンパク質やビタミン、食物繊維などを適切に摂取し、栄養バランスを整えることも大切です。
自己判断せず、医師や管理栄養士と相談しながら、症状や病状に合わせた食事療法を継続することで、肝硬変と上手に付き合っていきましょう。
なお、当院リペアセルクリニックでは、肝臓の疾患に対する再生医療を提供しております。
以下のページでは、当院の再生医療によって、脂肪肝や肝硬変の改善が見られた症例を公開しています。
>再生医療による肝疾患の症例はこちら
再生医療の詳細については、以下よりお気軽にお問い合わせください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
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