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三叉神経痛の原因はストレス?顔の痛みの正体と和らげる方法を医師が解説

三叉神経痛の原因はストレス?顔の痛みの正体と和らげる方法を医師が解説
公開日: 2026.08.31

「仕事が忙しくなってから、急に頬やあごに激しい痛みが走るようになった」「歯医者では異常なしと言われたのに痛みが治まらない」といったお悩みを抱えていませんか。

顔に電気が走るような突発的な痛みが繰り返される場合、三叉神経痛(顔の感覚をつかさどる神経のトラブル)が関係している可能性があります。

ストレスが続いている時期に症状が出ると「ストレスが原因では」と考えがちですが、実際の発症の仕組みは少し異なります。

顔の痛みが繰り返し起こる場合は自己判断で様子を見ず、早めに医療機関を受診しましょう。

本記事では、三叉神経痛とストレスの関係、ストレス以外に考えられる原因、痛みを和らげる方法、受診の目安と主な治療法まで解説します。

顔の痛みの正体を正しく理解し、ご自身が今何をすべきかを判断するために、ぜひ最後までご覧ください。

顔の痛みそのものは脳神経外科などでの治療が基本となりますが、しびれや痛みといった神経のダメージが関わる症状に対して、従来の治療を続けても改善が見られない場合には、再生医療も選択肢の一つになります。

再生医療とは、患者さまの脂肪から採取した幹細胞や、血液から抽出した血小板を用いて、損傷した組織の修復を促し、症状の緩和を目指す治療法です。

手術や入院を必要とせず、身体への負担が少ない点が特徴です。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 神経のダメージによるしびれや痛みが長引いている
  • 投薬やリハビリを続けているが、思うような改善が見られない
  • 手術をすすめられているが、身体への負担が心配で踏み切れない
  • 入院や長期の休養が難しく、日常生活を続けながら治療したい

上記に当てはまる方は、現在受けている治療と並行して、再生医療という選択肢を知っておくと今後の判断がしやすくなります。

再生医療について詳しく知りたい方は、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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三叉神経痛の直接的な原因はストレスではない

三叉神経痛の直接的な原因として、ストレスは確認されていません。

典型的な三叉神経痛では、血管が三叉神経の根元を圧迫することなどが発症に関係します。

一方、強い痛みが続くことで不安や睡眠不足などが生じることがあり、心理的な負担と痛みの感じ方が互いに影響する可能性があります。

また、三叉神経痛と混同されやすいものに顔面けいれんがありますが、両者は原因となる神経が異なるため症状の出方にも違いがあります。

項目 三叉神経痛 顔面けいれん
関わる神経 三叉神経
(顔の感覚を伝える神経)
顔面神経
(顔の筋肉を動かす神経)
主な症状 顔面に突然走る激しい痛み 目の周りや口元が意思と関係なくピクピク動く
痛みの有無 強い痛みを伴う 基本的に痛みは伴わない

※出典:国立研究開発法人 国立循環器病研究センター

同じ「顔の異常」でも原因となる神経が異なるため、自己判断は避け、専門の医療機関で確認してもらうことが大切です。

そもそも三叉神経痛とは?考えられる初期症状を解説

三叉神経痛とは、顔の感覚をつかさどる三叉神経の領域(おでこ・頬・あご)に突然激しい痛みが走る症状です。

痛みは「電気が走るような」「針で刺されるような」と表現されることが多く、一瞬から数秒程度、長くても2分以内という短い時間で治まり、それが繰り返し起こる点が特徴とされています。

また、顔の特定の場所に触れると痛みが誘発される「トリガーポイント」が存在することもあり、洗顔や歯磨き、食事、会話といった日常のささいな動作が発作のきっかけになります。

※出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター

なお、痛みが歯やその周辺に出るため、初期には虫歯と誤解されやすい点にも注意が必要です。

歯科で治療を受けても改善せず、健康な歯を抜いてしまうケースもあるため、痛みの出方に心当たりがある場合は脳神経の専門医への相談を検討しましょう。

三叉神経痛のストレス以外に考えられる原因

ストレス以外に考えられる三叉神経痛の代表的な原因は以下の通りです。

前提として、神経の周りには「髄鞘(ずいしょう)」と呼ばれる電線の被覆のような組織があり、電気信号が漏れないように保護しています。

圧迫によってこの髄鞘がはがれる「脱髄」が起こると、電気信号が隣の神経線維へ誤って伝わり、本来は痛みではない刺激までも激しい痛みとして脳に届いてしまうと考えられています。

血管による三叉神経の圧迫

三叉神経痛では、血管が三叉神経を圧迫して起こるタイプが最も多いとされています。

加齢に伴って脳の血管は蛇行や屈曲を起こしやすくなり、主に上小脳動脈などが圧迫刺激に弱い三叉神経の根元に接触します。

拍動する血管に繰り返し押されることで髄鞘が傷つき、電気信号のショートが起こって激しい痛みにつながると考えられています。

※出典:日本神経治療学会 治療指針作成委員会東京科学大学 脳神経機能外科学分野

脳腫瘍などによる三叉神経の圧迫

脳腫瘍が原因になることもあり、これは「二次性三叉神経痛」と呼ばれます。

代表的なものには類上皮腫や髄膜腫などがあり、腫瘍が少しずつ大きくなることで神経を物理的に押しつぶし、髄鞘が損傷して痛みが生じます。

血管による圧迫と症状が似ているため、見た目の症状だけでは区別できません

MRIをはじめとする頭部の画像検査によって、腫瘍の有無を正確に確認することが重要とされています。

※出典:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

脳動静脈奇形などの血管異常

まれではあるものの、脳動静脈奇形(AVM)や海綿状血管腫などの血管異常が原因となる場合もあります。

脳動静脈奇形とは、動脈と静脈が毛細血管を介さず直接つながってしまう血管の奇形です。

異常に発達した血管の塊や拡張した血管が脳幹の近くで三叉神経を直接圧迫し、痛みを引き起こすことがあります。

※出典:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

頻度は高くありませんが、こうした血管異常も画像検査によって確認できるため、原因を特定するうえで検査は欠かせません。

多発性硬化症などの神経疾患

国の指定難病である多発性硬化症などの神経疾患が、三叉神経痛の原因となることもあります。

多発性硬化症は、中枢神経の髄鞘が炎症によって破壊されてしまう脱髄疾患です。

三叉神経の経路で脱髄が起こると、圧迫がなくても電気信号の混線が生じ、顔の痛みとして現れる場合があります。

とくに若い世代で発症した場合や、顔のしびれなどの症状が見られる場合には、こうした神経疾患の関与も考慮して検査が行われます。

三叉神経痛を和らげる方法と注意点

三叉神経痛を和らげるには、痛みの引き金となる刺激を避け、悪化要因であるストレスや疲労を溜めないことが大切です。

ここでは、日常生活のなかで実践できる2つのセルフケアを解説します。

なお、これらは医療機関での治療に代わるものではないため、症状が続く場合は必ず受診してください。

ストレスや疲労を溜めない

ストレスや疲労を溜めないことは、痛みの感じ方を和らげるうえで有効と考えられています。

自律神経のバランスが整うと血管の過度な収縮や血行不良が起こりにくくなり、痛覚過敏の状態がやわらぐことが期待できるためです。

【心身を整える生活習慣の例】

  • 就寝・起床の時間をそろえ、規則正しい生活を送る
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • ウォーキングなど軽い運動を習慣にする
  • シャワーだけで済ませず、湯船につかって身体を温める

どれも特別な準備は必要ないため、できるものから取り入れてみてください。

痛みを誘発しやすい食べ物や行動を避ける

顔への刺激を減らす工夫をすることで、痛みの発作が起こる回数を抑えられる可能性があります。

場面 工夫の例
洗顔・歯磨き こすらずやさしく洗う
柔らかい歯ブラシを使う
外出時 冷たい風が顔に直接あたらないよう、マスクやマフラーでカバーする
食事 あごを大きく動かさずに済む柔らかいものを選ぶ
熱すぎる・冷たすぎる飲食物や刺激物を控える
体調管理 青魚や発酵食品などを取り入れ、血行や体調を整える

また、手にある合谷(ごうこく)や内関(ないかん)といったツボを痛みのない範囲でやさしく押す方法を取り入れている方もいます。

ただし、強く押しすぎると刺激になる場合があるため、無理のない範囲で行ってください。

三叉神経痛は何科に行けばいい?受診の目安

三叉神経痛が疑われる場合の受診先は、脳神経外科または脳神経内科です。

ここでは、受診を検討すべき症状と実際にどの診療科を選べばよいのかを解説します。

医療機関を受診すべき症状

顔に突然、電気が走るような激しい痛みが繰り返し起こる場合は受診を検討すべき状態です。

とくに、以下のような特徴がある場合は三叉神経痛が疑われます。

  • 痛みが数秒から長くても2分以内で治まるにもかかわらず何度も繰り返す
  • 食事や歯磨き、洗顔、会話といった日常の動作で痛みが誘発される

我慢を続けても自然によくなることは期待しにくいため、早めに専門の医療機関へ相談してみてください。

症状が疑われるときに行くべき診療科

三叉神経痛の診療は、脳神経外科または脳神経内科が専門となります。

診療科 主な役割
脳神経外科 MRIなどの画像診断、内服治療、手術までを含めた対応
脳神経内科 画像診断や薬物療法を中心とした対応、他疾患との鑑別

歯の痛みと感じて歯科を受診し「異常なし」と言われた場合は、そのまま様子を見るのではなく、脳神経外科や脳神経内科を紹介してもらうとスムーズです。

診療科が連携することで、原因特定までの時間を短縮しやすくなります。

三叉神経痛の主な治療法

三叉神経痛の主な治療法は以下の4つです。

治療法 主な特徴
薬物療法 最初に選択される基本治療
神経ブロック 薬で効果が不十分な場合の選択肢
放射線治療(ガンマナイフ) 手術が難しい方の選択肢
手術 原因に直接アプローチする方法

どの治療が適しているかは、原因や症状の程度、全身の状態によって異なります。

担当医と相談しながら、納得できる方法を選んでいきましょう。

薬物療法

三叉神経痛の治療でまず選択されるのは、抗てんかん薬であるカルバマゼピン(テグレトール)を用いた薬物療法です。

この薬は神経の過剰な電気的興奮を抑える働きがあり、三叉神経痛の痛みに対して有効性が期待されています。

一方で、以下のような副作用が生じる場合があるため、定期的な血液検査で身体の状態を確認しながら服用を続けることが必要です。

  • 眠気
  • ふらつき
  • アレルギー性の薬疹
  • 肝機能障害

効果が不十分な場合や副作用が強い場合には、ほかの抗てんかん薬や漢方薬が検討されることもあります。

※出典:国立研究開発法人 国立循環器病研究センター

神経ブロック

神経ブロックは、薬だけでは痛みが抑えられない場合や、副作用で服薬の継続が難しい場合に行われる注射による治療です。

痛みの原因となっている神経の近くに細い針を刺し、局所麻酔薬を用いる神経ブロックのほか、高周波熱凝固などによって痛みの伝達を抑える治療があります。

比較的手軽に行える一方で、効果が一時的にとどまり再発しやすいことや、顔の感覚が鈍くなる(しびれが残る)といった合併症のリスクには注意が必要です。

放射線治療(ガンマナイフ)

ガンマナイフは、頭を切開せずに体の外から細い放射線を集中的に照射する治療法です。

三叉神経に放射線を集中的に照射し、痛みの信号が伝わりにくくなることを目指します。

切開を伴わないため、高齢の方や持病があって手術の負担が大きい方にも選択されやすい方法です。

ただし、効果が現れるまでに数週間から数か月かかることがあります。

また、治療後に顔のしびれが残る場合があること、保険適用に一定の条件があることも理解しておく必要があります。

※出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター

手術

血管の圧迫による三叉神経痛に対して、原因そのものを取り除く方法が微小血管減圧術(MVD)と呼ばれる開頭手術です。

耳の後ろを切開して頭蓋骨に小さな穴を開け、顕微鏡で確認しながら神経を圧迫している血管を移動させ、間にクッション材を挟んで再び接触しないようにします。

なお、全身麻酔と開頭を伴うため体力や全身状態の評価が欠かせません

出血や聴力障害などの合併症のリスクもあり、一定期間の入院も必要となります。

※出典:東京科学大学 脳神経機能外科学分野

三叉神経痛の原因はストレスではない!まずは医療機関を受診しよう

三叉神経痛の直接的な原因はストレスではなく、多くは血管や脳腫瘍などによる神経の圧迫です。

ただしストレスや疲労は痛覚過敏を招き、症状を悪化させる要因として関わります。

三叉神経痛は自然によくなることが期待しにくく、放置すると痛みの頻度や強さが増し、日常の動作が困難になって生活の質が大きく低下する恐れがあります。

痛みを我慢せず、脳神経外科や脳神経内科で頭部MRI検査を受け、血管の圧迫や腫瘍などの原因が隠れていないかを早めに確認しましょう。

原因がはっきりすれば、ご自身に合った治療につなげられます。

また、神経のダメージによるしびれや痛みが長引いている方は、身体への負担が少ない治療の選択肢として再生医療を知っておくと、今後の判断の幅が広がります。

リペアセルクリニックでは、無料の電話相談(0120-706-313/9:00〜18:00)を受け付けています。気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修者

圓尾 知之

Tomoyuki Maruo

医師

資格・所属学会

日本脳神経外科学会 所属

脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。

関連論文: The association between diffusion-weighted imaging-Alberta Stroke Program Early Computed Tomography Score and the outcome following mechanical thrombectomy of anterior circulation occlusion