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大腸がんと痔の違いとは?血便・症状・見分け方をわかりやすく解説

排便時に血が出たとき、多くの方がまず思い浮かべるのが痔(じ)です。
実際、血便の原因として痔は非常に多いものの、大腸がんでも同じように便に血が混じる症状が現れます。
両者は原因も治療法もまったく異なりますが、出血という症状だけで区別することは専門医でも困難です。
本記事では、大腸がんと痔の違いや症状の特徴、自己判断が危険な理由、受診の目安について解説します。
血便に気づいて不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
大腸がんと痔は症状が似ているが原因も治療法も異なる
大腸がんと痔は、どちらも血便を起こしますが、まったく別の病気です。
痔は、肛門周辺の血管がうっ血して膨らんだり、皮膚が切れたりすることで起こる良性の疾患です。
一方の大腸がんは、大腸の粘膜から発生した悪性腫瘍が壁の深くへ広がっていく病気で、放置すればリンパ節や他の臓器へ転移します。
治療も、痔では軟膏や生活習慣の改善が中心となるのに対し、大腸がんでは内視鏡治療や手術、薬物療法が必要です。
それにもかかわらず両者が混同されやすいのは、初期の大腸がんがほとんど無症状で、最初に現れる変化が出血であることが多いためです。
実際、国立がん研究センターも、便に血が混じる症状は痔などの良性の病気でも起こるため、自己判断せず早めに受診するよう呼びかけています。
※参照:国立研究開発法人国立がん研究センター「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」
大腸がんと痔の違いを比較
まずは、両者の一般的な特徴を比較して確認しておきましょう。
| 項目 | 痔/大腸がん |
|---|---|
| 出血の色 | ・鮮やかな赤色が多い ・暗赤色や黒っぽい色のこともある |
| 出血の様子 | ・便の表面や紙に付く、ポタポタ落ちる ・便に混ざり込んでいることが多い |
| 痛み | ・切れ痔では強い痛みを伴う ・痛みを伴わないことが多い |
| 便の変化 | ・基本的に太さや回数は変わらない ・便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す |
| 全身症状 | ・ほとんどない ・貧血、体重減少、倦怠感が出ることがある |
| 主な治療 | ・軟膏、坐薬、生活習慣の改善、手術 ・内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療 |
ここでは、それぞれの症状の特徴を詳しく解説します。
痔でみられやすい症状
痔は大きく、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔瘻)の3種類に分けられます。
いぼ痔では、排便時に鮮やかな赤い血がポタポタ落ちる、便器が赤くなるといった出血がみられます。
切れ痔では、硬い便が通ることで肛門の皮膚が裂け、排便時に鋭い痛みを伴うのが特徴です。
また、肛門の外に膨らみを触れる、排便後に何かが出てくる感じがする、かゆみや違和感があるといった症状も痔でよくみられます。
いずれも肛門の出口付近で起こる出血のため、便そのものに血が混ざるというより、便の表面や紙に付着する形になりやすい傾向があります。
大腸がんでみられやすい症状
大腸がんは、早期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
進行すると、便に血が混じる血便や下血、便の表面への血液の付着が現れ、さらに慢性的な出血による貧血、腸が狭くなることによる便秘や下痢、便が細くなる、残便感、腹部の張りといった症状が生じることがあります。
※参照:国立研究開発法人国立がん研究センター「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」
出血の色は、がんができた場所によって変わります。
肛門に近い直腸やS状結腸では鮮やかな赤色になりやすく、大腸の奥のほうでは血液が腸内に留まる時間が長くなるため、暗い赤色や黒っぽい便になることがあります。
そして重要なのが、これらの出血の多くは痛みを伴わないという点です。
「痛くないから軽症だろう」という判断は成り立ちません。
血便だけでは見分けられない理由
血便の色や出方には傾向がありますが、それだけで病気を特定することはできません。
理由は主に3つあります。
- 直腸やS状結腸のがんでは、痔と同じ鮮やかな赤い出血になる
- 痔を持っている方が、同時に大腸がんを発症していることがある
- 大腸がんの出血は量が少なく、目に見えない場合がある
とくに注意したいのが2つ目です。
痔は成人の多くが経験する一般的な疾患であり、大腸がんと併存することは決して珍しくありません。
「以前から痔があるから、今回の出血も痔だろう」という判断が、発見の遅れにつながるケースがあります。
また、便潜血検査で陽性となった場合も同様です。
痔があると陽性になりやすいのは事実ですが、それを理由に精密検査を見送ると、その裏に隠れた病変を見逃すおそれがあります。
大腸がんを疑うサイン
出血以外に、以下のような変化が重なっている場合は注意が必要です。
- 便が以前より細くなった
- 便秘と下痢を繰り返すようになった
- 排便してもすっきりしない残便感が続く
- ダイエットをしていないのに体重が減った
- めまいや立ちくらみなど貧血の症状がある
- 腹痛やおなかの張りが続いている
これらは、腫瘍によって腸の内側が狭くなったり、慢性的に出血が続いたりすることで生じる変化です。
とくに便通のリズムや便の形が「ここ数か月で明らかに変わった」という場合は、受診を検討する目安になります。
ただし、繰り返しになりますが、大腸がんは早期には無症状であることがほとんどです。
症状がそろってから受診するのではなく、気になる変化があった時点で相談することが早期発見につながります。
病院ではどのような検査を行う?
医療機関では、問診で出血の状況や便通の変化を確認したうえで、必要な検査を組み合わせます。
| 検査 | わかること |
|---|---|
| 視診・直腸指診 | 肛門周囲の痔の有無、直腸下部のしこりの有無 |
| 便潜血検査 | 目に見えない微量の出血の有無 |
| 大腸内視鏡検査 | 大腸全体の粘膜を直接観察し、病変の有無と場所を確認 |
| 生検(病理検査) | 採取した組織を調べ、良性か悪性かを確定する |
| 血液検査 | 貧血の程度や全身状態の把握 |
痔と大腸がんを正確に区別するうえで中心となるのが、大腸内視鏡検査です。
肛門の診察だけでは大腸の奥の病変を確認できず、痔が見つかったからといって大腸がんがないと言い切ることはできません。
内視鏡検査では、その場で組織を採取して調べたり、ポリープを切除したりできる点も大きな利点です。
早めに受診したほうがよい症状
以下に当てはまる場合は、自己判断せず消化器内科や消化器外科、肛門科を受診してください。
- 血便が何度も繰り返される、または続いている
- 40歳以上で初めて血便が出た
- 黒っぽい便や暗赤色の便が出た
- 体重減少や貧血、倦怠感を伴っている
- 便が細くなる、便通が明らかに変わった
- 便潜血検査で陽性と判定された
受診の際は、出血がいつから続いているか、色や量はどうか、痛みの有無、便通の変化などを伝えられるよう整理しておくとスムーズです。
大腸がんは早期に発見できれば、内視鏡での切除だけで治療が完了することもあります。
「たかが痔」と考えて受診を先延ばしにすることが、選べる治療の幅を狭めてしまいます。
損なわれた組織・臓器の機能改善を目指す再生医療という選択肢
痔の治療に再生医療が用いられることは一般的ではありません。
また、大腸がんの標準治療も、内視鏡治療・手術・薬物療法・放射線治療が中心です。
一方で、患者様ご自身の免疫細胞を採取・培養し、活性化させて体内へ戻すことでがん細胞への攻撃力を高めることを目指す免疫細胞療法など、細胞を用いた治療の研究は進められています。
ただし、これらは標準治療を補完する位置づけであり、検査や標準治療に代わるものではありません。
血便の原因を確かめないまま細胞療法に期待するという選択は、早期発見の機会を失うことにつながります。
関心がある場合も、まずは検査で原因を明らかにし、主治医の治療方針を確認したうえで、再生医療に精通した医師に相談してください。
詳しくは免疫細胞療法についてをご覧ください。
まとめ|血便があるときは痔と決めつけずに検査を受けよう
痔と大腸がんはどちらも血便を起こすため、出血の色や痛みの有無だけで見分けることはできません。
痔を持っている方が大腸がんを併発することもあり、「いつもの痔だろう」という判断が発見の遅れにつながります。
血便が続く場合、便通や便の形が変わった場合、体重減少や貧血を伴う場合は、早めに医療機関で大腸内視鏡検査などの検査を受けましょう。
原因がはっきりすれば、痔であれば適切な治療とセルフケアに進めますし、万一がんであっても早い段階なら治療の選択肢は広く残されています。
なお、がんの治療分野では、ご自身の免疫細胞を活用する免疫細胞療法などの研究も進められています。
再生医療の詳しい内容は、リペアセルクリニックの公式サイトでもご紹介していますので、標準治療とあわせた選択肢に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師


























