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クローン病で使用する治療薬一覧|どんな効果がある?副作用や薬以外の治療法を解説

クローン病で使用する治療薬一覧|どんな効果がある?副作用や薬以外の治療法を解説
公開日: 2026.07.31

クローン病と診断され、「どのような薬を服用するのか」「どのような副作用が出るのか」と不安を感じていませんか。

クローン病における薬物療法は、炎症を抑えて健康な状態を保つための重要な役割を担う治療です。

現在の医療ではクローン病が完治するような特効薬はありませんが、症状や状態に合わせた適切な薬を選ぶことで、「寛解期」を維持することは可能です。

本記事では、クローン病における薬物療法の目的をはじめ、主要な薬の効果・副作用について詳しく解説します。

薬の役割を正しく理解し、症状に適した治療を続けるためのヒントとしてぜひお役立てください。

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クローン病による炎症の抑制や損傷した組織の改善が期待できる治療法のため、併せてご覧ください。

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クローン病における薬物療法の目的

クローン病における薬物療法の主な目的は、つらい症状を速やかに鎮めるだけでなく、長期的に腸の状態を安定させることです。

現在の医療においてクローン病を完治させる特効薬はありませんが、適切な薬物療法によって症状が落ち着いている状態を意味する「寛解」を目指せます。

具体的な治療目的は、以下のとおりです。

  • 寛解導入:腹痛や下痢などの強い症状を速やかに抑え込む
  • 寛解維持:症状が落ち着いた状態を長期間にわたって維持する
  • 炎症のコントロール:腸の粘膜の炎症を抑制して腸管の機能を維持する
  • 合併症の予防:狭窄(腸が狭くなること)や穿孔(腸に穴があくこと)などを防ぐ

症状が強く現れる「活動期」には、炎症を強力に抑える薬を用いて、できるだけ早く寛解状態へ導きます。

そして、症状が落ち着いた「寛解期」に入ってからも、再び症状が悪化するのを防ぐために薬の服用を継続することが重要です。

痛みがなくなったからといって自己判断で服用を中断すると、症状の悪化や重篤な合併症につながる可能性があるため注意しましょう。

主治医の指示に従って適切な薬物療法を根気よく続けることで、豊かな日常生活を送ることが可能になります。

クローン病で使用する治療薬|期待できる効果や副作用

クローン病の治療では、症状の重さや炎症が起きている部位に合わせて複数の薬を使い分けます。

本章では、クローン病で主に使用される薬に期待できる効果や副作用について解説します。

ご自身が服用する薬の役割を正しく理解し、納得したうえで治療を継続するための参考にしてください。

5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸)

5-ASA製剤は、軽度から中等度のクローン病において、有効成分が腸の炎症部位に直接届き、炎症を抑え込む効果が期待できます。

症状が強い活動期に炎症を鎮めるだけでなく、症状が落ち着いた寛解期を維持するためにも用いられます。

そのため、医師から処方されている間は、症状が落ち着いていても自己判断で中断しないでください。

また、まれに発疹や吐き気、腹痛、下痢といった副作用が現れることがあります。

服用開始から間もない時期には、特に副作用に注意し、体調の変化を感じたら主治医に相談しましょう。

ステロイド製剤

ステロイド製剤は、活動期の中等度以上の炎症を速やか、かつ強力に抑え込むために使用される薬です。

5-ASA製剤では効果が不十分な場合や、急激に症状が悪化した際に、短期間に限って処方されます。

炎症を鎮める力が強い一方で、症状が落ち着いた後の寛解維持を目的として漫然と使い続けることは推奨されていません。

長期間使用すると、感染症にかかりやすくなったり、骨粗鬆症や顔が丸くなるムーンフェイスなどの副作用が出やすくなるためです。

主治医の指示通りに服用量を守って治療を進めることが重要です。

チオプリン製剤(免疫調整薬)

チオプリン製剤は、体内で過剰に働いている免疫の働きを抑え、腸の炎症を和らげる免疫調整薬です。

主にステロイド製剤の服用量を減らしたい場合や、一度落ち着いた寛解状態を長期的に維持したい場合に用いられます。

効果が現れるまでに数週間から数カ月程度の時間がかかりますが、クローン病の安定したコントロールには欠かせない薬です。

副作用として、白血球の減少や脱毛、肝機能障害などを引き起こす可能性があります。

そのため、服用中は定期的に血液検査を受けながら、治療を継続できるか確認する必要があります。

生物学的製剤

生物学的製剤は、腸の炎症を引き起こす特定の物質の働きをピンポイントで抑え込む強力な治療薬です。

従来の飲み薬だけでは十分な効果が得られない、中等度以上の患者さまに対して高い効果を発揮します。

また、内服薬ではなく、点滴や皮下注射によって体内に投与されるため、粘膜の深い潰瘍に対しても効果が期待できます。

優れた治療効果が期待できる一方で、免疫の働きを抑えるため、結核や肺炎などの感染症にかかりやすくなる点には注意が必要です。

発熱や咳などの症状が出た場合は放置せず、速やかに医療機関を受診するよう心がけてください。

JAK阻害薬

JAK阻害薬は、細胞内で炎症を引き起こすシグナルの伝達をブロックすることで、腸の炎症を鎮める薬です。

生物学的製剤などの既存の治療で効果が見られなかった場合でも、高い改善効果が期待できるとして注目されています。

注射ではなく内服薬であるため、通院の負担を減らしながらご自宅で治療できる点が大きなメリットです。

副作用として、免疫力の低下に伴い、帯状疱疹などの感染症にかかるリスクが上昇することが挙げられます。

ワクチン接種による事前の予防や、日々の体調管理がより重要です。

抗菌剤(抗生物質)

抗菌薬は、肛門周囲膿瘍や痔瘻など、細菌感染が関係する合併症を中心に使用される薬です。

他の治療薬と併用することで、活動期の腸の炎症を和らげる補助的な役割を果たすこともあります。

ただし、長期間にわたって服用を続けると、手足のしびれや痛みといった末梢神経障害が現れることがあるため注意が必要です。

胃腸障害が起こるケースもあるため、気になる症状があれば早めに医師へ報告しましょう。

クローン病における薬物療法以外の治療法

クローン病に対する治療の基本は薬物療法ですが、症状や腸の状態によっては他のアプローチが検討されることがあります。

本章では、薬物療法と併用、あるいは代わりに行われる以下の4つの治療法について解説します。

薬だけではコントロールが難しい場合にどのような選択肢があるのか、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

栄養療法

栄養療法は、腸管を休ませながら十分な栄養を補給し、炎症を鎮めることを目的とした治療法です。

食事の代わりに液体の栄養剤を口から飲む、もしくはチューブで胃や腸へ直接注入する「経腸栄養療法」が基本となります。

症状が重く、腸を完全に休ませる必要がある場合には、点滴で血管から栄養を補給する「完全静脈栄養」が行われます。

薬物療法と並行して実施されることが多く、活動期の症状を抑え込み、寛解導入させる効果が期待できます。

血球成分除去療法

血球成分除去療法は、血液中にある炎症を引き起こす原因物質を取り除き、症状の改善を図る治療法です。

腕の静脈から血液を一度体外へ取り出し、専用の装置を使って過剰に活性化した白血球などの成分を吸着して除去します。

浄化された血液を再び体内に戻すことで、腸管の激しい炎症を鎮め、活動期の強い症状を抑え込む効果が期待できます。

ステロイドなどの薬物療法で十分な効果が得られない場合や、副作用により薬の量を増やせない患者さまに対して有効な選択肢です。

内視鏡的バルーン拡張術

内視鏡的バルーン拡張術は、腸管の炎症と修復が繰り返されることで腸が狭くなる「狭窄」を改善する治療法です。

先端に風船(バルーン)がついた内視鏡を肛門などから挿入し、狭くなった部分で風船を膨らませて内側から押し広げます。

食事の通りを良くすることで、腹痛や吐き気、腸閉塞などのつらい症状を解消し、日常生活の質を向上させます。

外科手術のように腹部を切開する必要がないため、比較的身体への負担が少なく、手術の時期を遅らせたり回避したりできる点がメリットです。

ただし、一度広げても再び狭くなることがあるため、定期的な検査と必要に応じた再治療が求められます。

外科的治療

外科的治療は、内科的な治療では症状のコントロールが限界に達した場合や、重篤な合併症が起きた際に検討される治療です。

腸に穴が空く穿孔や大量出血、薬や拡張術では改善しない重度の狭窄などが生じた場合が主な対象となります。

クローン病の手術は病気を完治させるためではなく、症状の原因となっている病変部を取り除き、生活の質を取り戻すことが目的です。

将来的な再発リスクも考慮し、腸をなるべく残して健康な部分への影響を最小限に抑える術式が慎重に選ばれます。

薬で改善しないクローン病は「再生医療」をご検討ください

既存の薬物療法や外科的治療で十分な効果が得られない場合、自己細胞を用いた「再生医療」も選択肢の一つです。

近年、クローン病の分野においても、幹細胞などを用いた再生医療の研究と実用化が進んでいます。

特に治りにくい肛門周辺の複雑な痔瘻(じろう)などに対し、幹細胞の力で組織の再生・修復を促す治療法が大きな注目を集めています。

従来の治療薬では炎症をコントロールしきれない方にとって、生活の質を大きく向上させる可能性のある治療法です。

現在の治療に限界を感じている方や薬の副作用でお悩みの方は、ぜひ再生医療を検討してみてください。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料相談を実施しております。ぜひお問い合わせください。

監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長