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クローン病になると寿命は短くなる?死亡率や長く生きるための予防法・治療法を解説

クローン病になると寿命は短くなる?死亡率や長く生きるための予防法・治療法を解説
公開日: 2026.07.31

「クローン病と診断されたけれど、寿命は短くなってしまうのだろうか」と、将来に大きな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

結論として、クローン病を発症したからといって寿命が極端に短くなることはなく、適切な治療を続ければ健康な方の平均寿命とほぼ変わりません。

しかし、かつてのデータや重篤な合併症のイメージから「命に関わる病気」と誤解されてしまうケースも少なくありません。

本記事では、クローン病における平均寿命や死亡率の現状をはじめ、健康で長生きするために重要なポイントについて詳しく解説します。

病気と上手く付き合い、充実した人生を送るための知識としてぜひお役立てください。

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クローン病になると寿命は短くなる?平均寿命と死亡率

前述のとおり、「クローン病の発症=寿命が極端に短くなる」ことはなく、適切な治療を継続すれば健康な方とほとんど変わらない寿命を全うできます。

本章では、クローン病患者の平均寿命や死亡率について解説します。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

平均寿命

クローン病は指定難病の一つですが、現在の医療水準において適切な治療を継続すれば、平均的な寿命は健康な一般の方とほぼ変わりません。

厚生労働省の公表しているデータでは、診断後10年の累積生存率は96.9%と、生命予後は良好であるといった報告があります。
※出典:厚生労働省「96 クローン病」

特に近年は、炎症を起こす特定の物質を抑え込む生物学的製剤が登場し、腸の炎症を強力かつ効果的に抑えられるようになりました。

日々の食事管理と適切な治療を継続することで、症状の落ち着いた時期を意味する「寛解期」を長く保つことが可能です。

医療の進歩によって、病気と向き合いながら、仕事や趣味など充実した人生を長く送る方が数多くいらっしゃいます。

死亡率

現在の医療では、クローン病そのものが直接的な原因となって死亡するケースは稀です。

日本の研究データでは、5年生存率・10年生存率のどちらも95%を超えており、死亡率の低さがわかります。

項目 詳細
診断後5年の累積生存率 99.2%
診断後10年の累積生存率 96.9%

※出典:厚生労働省「96 クローン病」

ただし、長期間にわたって腸の激しい炎症が続くと、大腸がんなどの命に関わる合併症を引き起こすリスクが高まります。

そのため、症状が落ち着いているからといって、自己判断で治療や通院を中断するのは避けましょう。

深刻なリスクを避けるためには、定期的に医療機関を受診して内視鏡検査などで腸の状態を確認することが重要です。

クローン病で「寿命が短くなる」と言われている背景

現代では、クローン病そのものが寿命を大幅に短縮させるような影響はほとんどないと考えられていますが、過去のデータや特定の重篤な症状の印象から「寿命が短くなる」と誤解されることがあります。

本章では、寿命に影響すると心配されがちな以下の3つの背景について解説します。

なぜクローン病が命に関わる病気だと認識されることがあるのか、その具体的な理由について詳しく見ていきましょう。

合併症による致死的リスク

クローン病による炎症がコントロールできない状態が続くと、腸管合併症(狭窄・穿孔・膿瘍・瘻孔)が起こりやすく、これらの合併症が起こると命に関わる危険性があります。

治療法が確立されていなかった時代には、これらの重篤な合併症によって命を落とすケースが実際に存在しました。

現在では、医療の進歩により致死的な状態に陥るリスクは減少していますが、かつてのイメージが残っている側面があります。

適切な時期に手術や治療を受けないと重症化する恐れがあるため、寿命に影響を与えるリスクとして懸念される要因の一つです。

長期罹患によるがん化リスク

クローン病を発症して長期間が経過すると、腸の粘膜で慢性的な炎症が続く影響により、大腸がんなどの悪性腫瘍のリスクが高まります。

特に発症から10年以上経過している場合や、広範囲に炎症が広がっているケースでは、がん化の危険性が上昇することが分かっています。

がんの発見が遅れると命に関わるため、このがん化のリスクが「寿命が短くなる」と言われる大きな理由の一つといえるでしょう。

クローン病の症状が落ち着いている「寛解期」であっても、定期的に内視鏡検査を受けて早期発見に努めることが重要です。

生活習慣の影響による悪化リスク

喫煙や偏った食生活などの乱れた生活習慣は、腸の炎症を悪化させてクローン病の重症化を招く大きな要因となります。

中でもタバコは腸の血流を悪化させ、薬の効き目を低下させたり手術が必要になるリスクを高めたりすることが明らかになっています。

また、治療を自己判断で中断したり暴飲暴食を繰り返したりすると、炎症の再燃を繰り返して全身の栄養状態や体力が著しく低下します。

結果として他の感染症などにかかりやすくなり、間接的に寿命を縮める要因となり得るため、日々の自己管理が欠かせません。

クローン病で寿命を短くしないために重要なこと

クローン病と診断されても、適切な治療と生活習慣の改善を続けることで、健康な方と同じように長生きすることが可能です。

本章では、クローン病の方が健やかな生活を維持するために重要なポイントについて解説します。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

治療を継続する

クローン病によって寿命を短くするリスクを減らすために重要なのは、症状が落ち着いている時期でも治療を継続することです。

腹痛や下痢などの症状が消えても、腸内の炎症が完全に治まっているとは限りません。

「もう治った」と勘違いして薬の服用を中断してしまうと、再び激しい炎症が起きて重症化を招く恐れがあります。

再燃を繰り返すと腸管へのダメージが蓄積し、手術が必要になったり合併症のリスクが高まったりするため、注意が必要です。

処方された薬の服用や食事管理を徹底し、症状が落ち着いている寛解期を維持することが健康寿命を延ばす鍵となります。

禁煙する

クローン病の悪化を防いで長く健康に過ごすために、喫煙習慣がある方はタバコを完全にやめることが重要です。

喫煙は腸の血流を悪化させて炎症を強める働きがあり、クローン病において危険な悪化要因の一つとして知られています。

タバコを吸い続けていると治療薬の効き目が低下し、症状の再燃や手術が必要になる確率が跳ね上がります。

さらに、手術後の再発リスクも高まるため、長期的な予後や寿命に深刻な悪影響を及ぼす原因となってしまいます。

ご自身の腸を守り、少しでも長く穏やかな生活を送るために、現在喫煙している方は禁煙に取り組みましょう。

定期的に検査を受ける

長期間にわたってクローン病を患っている場合、大腸がんなどの深刻な合併症を早期発見するために定期的な検査が欠かせません。

特に発症から10年以上経過している方は、腸の慢性的な炎症が原因でがんを発症するリスクが高まることが分かっています。

初期のがんは自覚症状がほとんどないため、痛みがなくても定期的に内視鏡検査を受けて腸の状態を確認しましょう。

万が一異常が見つかった場合でも、検査で早く見つけて治療を開始できれば命に関わるリスクを下げられます。

主治医と相談して定期的な検査スケジュールを立て、ご自身の腸の健康状態を正しく把握し続ける習慣を身につけましょう。

クローン病による寿命の影響についてよくある質問

クローン病との長期的な付き合い方や、日々の生活に与える影響について不安を抱える方は少なくありません。

本章では、クローン病による寿命の影響についてよくある質問に回答します。

ぜひ前向きに治療を続けていくための参考にしてください。

クローン病が完治した人はいる?

現在の医療においてクローン病を完全に治すことは難しく、医学的に完治したと証明されたケースはありません。

しかし、適切な治療を続けることで、症状が落ち着いている「寛解(かんかい)」の状態に導くことは可能です。

近年では炎症を起こす物質を抑え込むための生物学的製剤が登場したことで、腸の炎症を強力に抑え込めるようになっています。

病気を完全に無くすのではなく、上手にコントロールして症状を出さないことを目標に治療を継続していきましょう。

クローン病になったら食べてはいけないものは?

腸管の炎症を悪化させる恐れがあるため、脂質の多い食品や粘膜を直接刺激する食べ物は避けた方が良いです。

具体的には、トンカツなどの揚げ物や脂身の多い肉類、唐辛子をはじめとする香辛料などは、できるだけ控えましょう。

また、アルコール類や炭酸飲料も腸の負担となり下痢や腹痛を引き起こしやすいため、日常的に摂取することは推奨されません。

さらに、消化されにくい不溶性食物繊維を多く含むキノコ類やごぼうなども、腸を刺激するため注意が必要です。

症状の悪化を防ぐためにも、低脂肪で消化に良い食事を心がけ、腸に優しい食生活を送りましょう。

クローン病による寿命への影響は適切な対応で対策できる

現在の医療では、クローン病の治療法も大きく進歩しており、適切な治療を続ければ、健康な方とほぼ変わらない寿命を全うすることも可能です。

寿命に悪影響を及ぼす合併症や大腸がんなどのリスクは、日々の生活習慣や治療との向き合い方で対策できます。

症状が落ち着いている寛解期であっても自己判断で通院や治療を中断せず、主治医の指示通りに服薬や食事管理を継続することが重要です。

また、近年のクローン病の治療には、自己細胞を用いた「再生医療」も選択肢の一つです。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料相談を実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長