糖尿病について
私たちは日々、食事をしています。食事で摂取する炭水化物は、腸でブドウ糖として吸収され、血液に溶かし込まれます。その際にインスリンというホルモンがすい臓から分泌され、その手助けのもとブドウ糖は細胞に取り込まれ、身体のエネルギー源となっていきます。もしもインスリンの働きが不十分だったり、インスリンの処理が追い付かないほどのブドウ糖が増えたりした場合、血液中にエネルギー源にならないブドウ糖が余ることになります。この「血液中のブドウ糖(血糖値)が一定の割合を超えた状態」のことを「糖尿病」といいます。
正常と糖尿病の違い
すい臓から分泌されたインスリン君が、血液中のブドウ糖を取り込み、身体のエネルギー源に。血液中の糖の割合を一定に保つ働きをするインスリン君。
すい臓が疲れて分泌されるインスリン君の数が少なくなってしまい、糖の取り込みが進まず、血液中のブドウ糖が一定数以上に増えてしまった状態。
一般的な糖尿病の治療法
初期治療
糖尿病は現在、一度発症したら完治しない病気といわれており、血糖値を正常値に保つことでコントロールをする疾患であるといわれています。一般的な治療方法は、主に生活習慣を改善すること、つまり食事療法、運動療法を行うことになります。
中期~後期治療
それでも血糖値のコントロールがうまくいかない場合に、薬物療法を行います。まずは内服薬から始まりますが、膵臓からのインスリン分泌が極めて少ない状態や、全くない状態になった場合はインスリン注射による治療となります。
なぜ血糖値をコントロール
しないといけないのか?
血糖値が高いと血液中に終末糖化産物(AGEs)というものが生まれ、それにより血管や神経、臓器を侵され様々な合併症が起こってしまいます。合併症を引き起こしてしまい、重症化してしまうと目が見えなくなったり、腎機能が低下したり、壊死によって四肢を切断しないといけなくなってしまいます。まだこの他にも様々な合併症があり、これが糖尿病の一番恐いところです。
しかも、意外なことに糖尿病患者の死因第1位は、ガンです。糖尿病により、ガンになる総リスクは、20~30%増加し、種別ガン罹患リスクは肝臓ガンが1.97倍、すい臓ガンが1.85倍、大腸ガンが1.40倍とかなり高い数字が厚生労働省や糖尿病学会により発表されています。
不規則な習慣も原因の一つですが、何より高血糖状態が続くとガン細胞を増殖する要因になるといわれています。糖尿病はガンに侵されやすくなる病気だということも知っておくべきです。また、先に記述してあるように糖尿病は一度発症したら完治しません。前述した一般的な糖尿病の治療内容は、一度発症すると一生付き合い続けていかないといけない病気なのです。
当院での治療
当院では従来の治療方法は行いません。
自分自身の細胞を利用して行う、「自己脂肪由来幹細胞治療」によって
私たちが元々もっている「血糖値を下げる機能」を修復する事で治療します。
幹細胞の点滴投与(静脈注射)
自己脂肪由来幹細胞は、損傷した組織に働きかけ組織を修復する性質があり、弱った部分に直接幹細胞を送り込むことで修復を促します。関節や筋肉の疾患には、直接注射をすれば幹細胞は患部へ到達しますが、体内の臓器には直接注射をすることは出来なく、血管をたどることでしか到達できません。この点滴投与に対して認可を受けている医療機関がとても少ない実情がありますが、当クリニックでは、糖尿病の治療を目的とした再生医療を受けることが可能です。
糖尿病の再生医療において期待できる効果
従来の糖尿病の治療として、先述した食事療法や運動療法による生活改善や、血糖値を下げる薬の服用、インスリン注射による治療法がありますが、どれも根本的な治療法ではなく、糖尿病の進行を抑える効果しかありません。幹細胞を投与することにより、糖尿病の原因であるすい臓に幹細胞が働き、修復・機能再生を促し、血糖値のコントロールが再び正常に機能する可能性が見込めます。さらに、糖尿病に伴う炎症を抑制する効果も得られ、合併症状が改善されることも期待されます。
※身体の中を1億の幹細胞が駆け巡るので、他の弱った臓器も同時に改善されるなど、想定外の嬉しいことも期待できます。
実際、治療により劇的に血糖値の数値が改善されている方もいらっしゃいます。
個人差があるので「絶対に治ります」と断言できないのですが、
- インスリンから離脱できる可能性がある
- 薬の服用や、運動や食事制限を「しなければならない」日常から解放されるかもしれない
こういった可能性が見出せることが、従来の治療法とは大きく違うところです。
脂肪由来幹細胞の点滴投与(静脈注射)による糖尿病の再生医療は、完治しないといわれる糖尿病の症状を根本的に改善できる可能性のある治療です。
※当院での糖尿病治療の再生医療は、2型糖尿病の方に対して症状の改善が期待できます
治療の流れ
下腹部周辺を1センチほど切開し、
米つぶ2粒程度の脂肪を採取
CPC(培養施設)で培養・増殖
※約4~6週間
点滴
概要と原因
自己免疫機序、食生活の乱れ、運動不足、喫煙、ストレス、遺伝要因など
国内では糖尿病の予備軍も含め2000万人以上が存在し、40歳を過ぎると1割の人が糖尿病となり、高血圧に次いで多いとされています。食事によって血液中にブドウ糖が取り込まれ、すい臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるインスリンによって細胞内に取り込まれます。糖尿病になると、インスリン分泌が低下し血糖値が上昇します。また、腎臓では糖を処理しきれず、尿中にも糖が排出されます。
糖尿病の分類
1型糖尿病(IDDM:インスリン依存型糖尿病)
すい臓のβ細胞が破壊されることによって発症します。この破壊は自己免疫機序により起こり、自己の細胞が破壊されてしまいます。自己抗体(抗GAD抗体・IA-2抗体)の検査を行うことで診断することができます。また、ウイルス感染も発症の要因とされています。主に10~20歳で発症し、急性的に症状が現れます。症状にはケトアシドーシス、多飲多尿、体重減少などがあり、重篤化することもあります。進行の速さに応じて、「劇症型」「急性発症型」「緩徐進行型」に分類されます。治療にはインスリン投与が必要です。
- 劇症1型糖尿病
症状が急激に現れ、約1週間でインスリン投与が必要となります。投与が遅れると糖尿病性ケトアシドーシスに至る可能性があるため、注意が必要です。自己抗体は検査で認められないことが多いです。初期のHbA1cは正常なこともあります。
- 急性発症1型糖尿病
1型糖尿病の中で最もよく見られます。症状が、発症後数ヶ月でインスリン投与が必要になります。自己抗体は採血検査でよく認められます。
- 緩徐進行1型糖尿病
数ヶ月から数年かけて進行し、インスリン分泌が徐々に低下します。初期は2型糖尿病のように進行し、インスリンは必要ありませんが、途中で自己抗体が認められ、1型糖尿病と診断されることもあります。インスリン投与は内服よりもすい臓に負担がかからないため、適切な治療法です。
2型糖尿病(NIDDM:インスリン非依存型糖尿病)
2型糖尿病は、食生活の乱れや運動不足、たばこの喫煙、ストレスなどが原因とされます。すい臓のβ細胞から分泌されるインスリンの量が低下し、臓器のインスリン抵抗性が生じ、血糖値が上昇します。初期は内服治療が選択されますが、進行するとインスリン注射が必要となることもあります。他にも副腎皮質ホルモンの多用、妊娠糖尿病、膵炎、膵癌からの糖尿病などがあります。
表1:1型糖尿病と2型糖尿病の特徴
1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
---|---|---|
10~20歳に多い | 発症年齢 | 中高年に多い |
急激に進行する | 症状 | 症状は穏やかに進行 |
痩せ型が一般的 | 体型 | 肥満型が多い |
すい臓のβ細胞が破壊され、インスリン分泌が停止する。自己免疫機序が関与する。 | 原因 | 食事や運動の乱れにより徐々にインスリン分泌が低下し、高血糖となる。遺伝要素も影響する。 |
インスリン注射 | 治療 | 食事療法や運動療法、経口内服薬、インスリン注射が用いられる。 |
症状
- 喉が渇く
- 急激な体重減少と疲労感
- 爪白癬・巻き爪
- 足のこむら返り
- 足の痺れ
- 足の傷の治りが悪くなる
喉が渇く
高血糖により血液がドロドロになり、脳が脱水状態と認識して多量の水分を求めるため起こります。
急激な体重減少と疲労感
細胞内のブドウ糖の取り込みが低下し、体内の筋肉や脂肪がエネルギー源として使われるため、体重が減少し、疲労感が生じます。
足の症状
傷の治りが悪くなり、神経障害により足の痺れやこむら返りが現れることがあります。また、爪白癬や巻き爪も起こりやすくなります。
糖尿病の合併症
糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、動脈硬化、ガンなど
糖尿病性腎症
高血糖により腎臓の糸球体が損傷し、進行すると尿中の老廃物を排泄できなくなり透析が必要となります。
糖尿病性網膜症
網膜の毛細血管に障害が起き失明の原因となります。定期的な眼底検査が必要です。
糖尿病性神経障害
手や足の痺れや痛みが現れ、左右対称に手袋や靴下の範囲に感覚異常が認められます。
動脈硬化
全身の血管に影響し心筋梗塞や脳卒中の原因となります。足の血管が詰まると壊疽を起こし、脚の切断が必要になることもあります。
その他
糖尿病はガンの発生率を高めることもあります。