【知らないと危険】メトトレキサート服用中に発熱したらやってはいけないこと【リウマチ】
公開日:2025.07.29関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の治療で広く使用されているメトトレキサート。この薬を服用中に発熱した場合の対処法や、副作用への正しい対応方法について、再生医療の専門医が詳しく解説します。
メトトレキサートとは?体の免疫バランスを整える薬
メトトレキサートは、1940年代に抗がん剤として開発された薬ですが、現在では関節リウマチ治療のアンカードラッグ(治療の土台となる最も基本的な薬)として位置づけられています。
この薬の特徴は、単純に免疫を抑え込むのではなく、免疫のバランスを調整する働きがあることです。異常に活性化した免疫細胞の働きを抑えつつ、感染から体を守る必要な免疫機能への影響は最小限に抑えることができる、優れた薬なのです。
メトトレキサートの4つの重要な働き
1. 免疫細胞の増殖を穏やかにする
メトトレキサートは、葉酸というビタミンの働きを一時的に妨げることで、異常に増えている免疫細胞の増殖を抑えます。リウマチで使用する量は抗がん剤として使う量よりもずっと少ないため、異常な免疫細胞を抑えながら正常な細胞への影響は最小限にできます。
2. 炎症を引き起こす物質を減らす
体内で炎症を起こすサイトカインという物質の産生を抑制し、炎症を鎮める働きがあります。これが関節リウマチだけでなく、全身性エリテマトーデスや乾癬などの炎症が関わる様々な病気でも効果を示す理由の一つです。
3. 抗炎症物質アデノシンを増やす
近年の研究で特に重要視されているのが、体内で抗炎症作用を持つアデノシンという物質を増やす作用です。ちなみに、コーヒーに含まれるカフェインがこのアデノシンの働きを邪魔する可能性が指摘されていますが、日常的に1〜2杯飲む程度であれば治療に大きく影響することはありません。
4. 関節破壊を防ぐ
関節リウマチでは関節を壊す破骨細胞という細胞が活性化しますが、メトトレキサートにはこの破骨細胞の働きを抑える作用もあり、関節破壊の進行を防ぎます。
副作用が出た際の正しい対処法
メトトレキサート服用中に39度の発熱があった場合、どう対処すべきでしょうか?答えは「病院に連絡してから決める」です。
高熱は感染症のサインである可能性があり、免疫を調節する薬を服用している時の感染症は重症化するリスクがあります。しかし、自己判断で薬を中止すると、リウマチなどが急激に悪化する再燃のリスクもあります。そのため、続けるか休むかは発熱の原因や全身状態を考慮して、医師が個別に判断する必要があるのです。
服薬中止の目安
- 38度以上の高熱が出た時
- 吐き気や下痢がひどい時
- 息苦しさや咳が出た時
- 手術や歯科治療の予定がある場合
よくある副作用と対策
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吐き気や胃腸障害、口内炎
- 対策:葉酸をメトトレキサート服用の翌日か翌々日に飲む
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肝機能の数値上昇
- 対策:月1回程度の定期的な血液検査でチェック
- 飲酒は肝臓への負担を増やすため、原則として禁酒が推奨される
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白血球や血小板の減少(骨髄抑制)
- 対策:定期的な血液検査で確認
- 感染しやすくなったり、出血しやすくなったりする兆候に注意
特に注意が必要な副作用
間質性肺炎は稀ですが、命に関わることもある重い副作用です。咳、息切れ、発熱などの症状が出た場合には、直ちにメトトレキサートの服用を中止して医療機関に連絡してください。
メトトレキサートは、正しく理解して使えば非常に多くの患者様にとって有効で安全な薬です。「抗がん剤だから危険」「副作用が怖い」といったイメージだけで判断せず、正しい情報に基づいて主治医と一緒に治療を進めていくことが何より大切です。
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