• 脊椎

脊髄炎の後遺症でしびれは残る?改善の可能性・治療やリハビリを解説

26fa341942ff1ad521da711fa0be1db4
公開日: 2026.08.31

脊髄炎とは、脊髄に炎症が起こり、運動や感覚を伝える神経の働きが障害される疾患です。

治療によって炎症が落ち着いた後も、しびれや感覚の鈍さが後遺症として残る場合があります。

これは、炎症によって傷ついた神経組織の回復に時間がかかるためであり、回復の程度には個人差があります。

本記事では、脊髄炎の後遺症としてしびれが残る理由や改善の可能性、治療とリハビリ、受診が必要な症状について解説します。

患者様ご本人だけでなく、支えるご家族にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、近年の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。

再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す治療で、糖尿病網膜症の症状改善も期待できます。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料相談を実施しております。ぜひお問い合わせください。

>>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する

脊髄炎では後遺症としてしびれが残ることがある

脊髄炎では、炎症が治まった後もしびれや感覚の鈍さが後遺症として残る場合があります

脊髄は、脳と全身をつなぐ神経の通り道であり、皮膚で受けた感覚を脳へ伝える役割を担っています。

脊髄炎ではこの経路に炎症が起こるため、感覚の伝わり方に影響が及びます。

具体的には、以下のような症状が現れます。

  • 手足のしびれ
  • 触られた感覚が鈍い
  • ピリピリ、ジンジンする異常感覚
  • 温度や痛みを感じにくい
  • 体を締めつけられるような帯状の違和感

後遺症の程度は、脊髄のどの部位がどれくらい障害されたか、重症度はどうだったかによって異なります。

同じ診断名でも症状の残り方は人それぞれであるため、他の方と比較しすぎないことも大切です。

脊髄炎のしびれが後遺症として残る理由

しびれが残るのは、炎症によって神経線維や髄鞘(ずいしょう)が傷つくためです。

髄鞘とは、神経線維を包んで信号の伝達を速める役割を持つ組織で、電気コードの被覆にたとえられます。

この部分が障害されると、皮膚で受け取った感覚が脳へ正確に伝わらなくなります。

その結果、感覚が鈍くなったり、実際には刺激がないのにしびれとして感じられたりします。

ここで理解しておきたいのが、炎症が治まることと神経が回復することは同じではないという点です。

検査で炎症所見が改善していても、傷ついた神経組織の修復には時間がかかります。

そのため、「治療は終わったのにしびれが残っている」という状態が起こり得ます。

脊髄炎によるしびれは治る?回復までの期間

脊髄炎後のしびれは、時間の経過とともに軽減する場合がある一方、完全には消えず後遺症として残るケースもあります

一般的に、回復は発症後の数週間から数ヶ月にかけて進むことが多いとされています。

その後も緩やかに変化が続く場合があり、年単位で少しずつ改善を実感する方もいます。

ただし、回復の程度や期間は以下の要素によって大きく変わります。

  • 脊髄が障害された部位と範囲
  • 発症時の症状の重さ
  • 治療を開始するまでの期間
  • 原因となった疾患の種類
  • 年齢や全身状態

そのため、「何ヶ月で治る」と一律に判断することはできません。

回復の見通しについては、経過を診ている主治医に確認するのが確実です。

しびれ以外に残ることがある脊髄炎の後遺症

脊髄の障害部位によっては、しびれ以外の症状が残る場合もあります。

ここでは、代表的な3つの後遺症について解説します。

筋力低下・歩行障害

脊髄の運動を伝える経路が障害されると、手足に力が入りにくくなります。

脚に症状が出ると、つまずきやすい、階段の昇り降りがつらい、バランスを崩しやすいといった状態になります。

また、感覚が鈍いと足の裏から得られる情報が減るため、歩行の不安定さにつながることもあります。

筋力や歩行能力に応じたリハビリを継続することが重要です。

必要に応じて、杖や装具を用いて安全に移動できる方法を検討します。

神経障害性疼痛・異常感覚

感覚が鈍くなるだけでなく、痛みとして症状が現れる場合もあります。

具体的には、ピリピリ・ジンジンする痛み、焼けるような痛み、電気が走るような痛みなどです。

また、衣類が触れただけで痛みを感じるアロディニアと呼ばれる状態がみられることもあります。

これらは神経障害性疼痛と呼ばれ、一般的な鎮痛薬では効果が得られにくいのが特徴です。

「しびれているだけ」と我慢せず、痛みとして困っていることを医師に伝えましょう。

排尿・排便障害

脊髄には自律神経の経路も通っているため、障害されると排泄の機能に影響が出ることがあります。

尿が出にくい、残尿感がある、頻尿、尿が漏れる、便秘といった症状が代表的です。

尿が十分に出せない状態が続くと、尿路感染や腎機能への影響につながる可能性もあります。

症状に応じて、泌尿器科と連携しながら管理していく場合があります。

デリケートな内容ではありますが、生活の質に直結するため遠慮せず相談しましょう。

脊髄炎の後遺症によるしびれの治療

後遺症として残ったしびれに対しては、まず脊髄炎の再発や炎症の活動性がないかを確認することが前提となります。

そのうえで、症状に応じた薬物療法とリハビリが行われます。

薬物療法では、神経の過剰な興奮を抑える神経障害性疼痛治療薬などが用いられることがあります。

ただし、効果の現れ方には個人差があり、合う薬を見つけるまでに調整が必要な場合もあります。

また、これらの薬では眠気やふらつきが出ることがあるため、少量から開始するのが一般的です。

効果が乏しいと感じても、自己判断で量を変えたり中止したりせず、経過を医師に伝えて調整してもらいましょう。

原因疾患によっては、再発予防のための治療が並行して続けられる場合もあります。

しびれが残る場合はリハビリを継続する

感覚障害が残っていても、リハビリを継続することには大きな意味があります。

目的は、筋力・関節可動域・バランス・歩行能力を維持し、日常生活を送りやすくすることです。

主なリハビリの内容は以下のとおりです。

種類 主な内容
理学療法 ・関節が固まるのを防ぐ可動域訓練
・筋力トレーニング
・バランス訓練、歩行訓練
作業療法 ・食事、着替え、入浴などの動作練習
・手指の細かな動作の訓練
・自助具の選定

あわせて注意したいのが、感覚が鈍い部位のけがです。

しびれや感覚低下がある部分では、やけどや傷に気づきにくくなります。

以下の点を習慣にして、皮膚のトラブルを防ぎましょう。

  • 入浴前に湯温を手や温度計で確認する
  • カイロや湯たんぽを直接肌に当てない
  • 毎日、足の裏や指の間を目で見て確認する
  • 靴ずれや圧迫の跡がないかチェックする
  • 爪切りの際は深爪に注意する

ご自身で確認しにくい部位は、鏡を使うかご家族に見てもらうと安心です。

しびれの悪化や新たな麻痺がある場合は早めに受診する

以下のような変化がある場合は、脊髄炎の再燃や別の疾患の可能性があるため、早めに受診してください。

  • 落ち着いていたしびれが急に強くなった
  • しびれの範囲が広がってきた
  • 新たに手足の筋力低下が出た
  • 歩きにくさが急に進んだ
  • 排尿・排便障害が悪化した
  • 視力の低下や物が見えにくい症状が出た
  • 発熱を伴う症状の悪化がある

とくに、麻痺が急速に進行している場合や呼吸がしづらい場合は、速やかな医療対応が必要です。

脊髄の障害が高い位置に及ぶと、呼吸に関わる筋肉に影響が出る可能性があるためです。

息苦しさや意識の変化を伴う場合は、迷わず救急要請を行いましょう。

また、症状の変化に気づけるよう、日々の状態を簡単に記録しておくと受診時に役立ちます。

脊髄炎後のしびれは経過をみながら治療とリハビリを続けよう

脊髄炎では、炎症が改善した後もしびれや感覚の鈍さが後遺症として残ることがあり、回復の程度や期間には個人差があります。

症状に合わせた薬物療法とリハビリを継続し、感覚が鈍い部位はやけどやけがに注意しながら生活を整えていきましょう。

しびれの悪化や新たな筋力低下、排尿・排便障害が現れた場合は、再燃の可能性もあるため早めに医療機関へ相談してください。

一方で、標準的な治療とリハビリを続けてもしびれや麻痺が改善しにくい場合には、再生医療も選択肢の一つとなります。

再生医療は、患者様ご自身の幹細胞を培養して投与し、損傷した神経組織の修復を目指す治療法です。

脊髄領域の再生医療の詳しい内容は、下記でご紹介していますので、後遺症の改善に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/公式LINE 画像

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長